JP6277541B2 - インパクト回転工具及びインパクト回転工具の制御装置 - Google Patents

インパクト回転工具及びインパクト回転工具の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、インパクト回転工具及びインパクト回転工具の制御装置に関し、より詳細には、ボルトやナットなどのネジ部材の締め付け作業に使用されるインパクト回転工具及びインパクト回転工具の制御装置に関する。
従来、モータの回転力を衝撃発生機構によって間欠的な衝撃力に変換し、衝撃力によってメインシャフトに付与される回転力によりネジ部材を締め付ける衝撃式締付工具があった(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示された衝撃式締付工具では、モータの回転角度をロータリエンコーダで検出し、回転角度を二度微分して角加速度を演算し、得られた角加速度に慣性モーメントを掛けることによってトルクを求めている。そして、特許文献1の衝撃式締付工具では、トルクの演算結果が、予め設定された目標締付トルク値に達すると、モータを停止させている。
特開2005−125425号公報
上記特許文献1の衝撃式締付工具では、モータの回転軸に発生するトルクを締付けトルクとして求めているが、モータの出力トルクには、メインシャフトを回転させるためのトルクも含まれるため、目標とする締付けトルクでのネジ締めが行えない可能性があった。
本発明は上記課題に鑑みて為され、締付けトルクをより正確に測定できるインパクト回転工具及びインパクト回転工具の制御装置を提供することを目的とする。
第1態様のインパクト回転工具は、衝撃力発生部と、出力軸と、第1測定部と、第2測定部と、トルク演算部とを備えることを特徴とする。前記衝撃力発生部はパルス状の衝撃力を発生させる。前記出力軸にはネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記出力軸は前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する。前記第1測定部は前記出力軸に加わるトルクを測定する。前記第2測定部は、前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する。前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求める。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記ネジ締め作業を行うネジ締め期間を求め、前記ネジ締め期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求める。
第2態様のインパクト回転工具では、第1態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度を測定するように構成される。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求める。前記ネジ締め期間は、回転停止方向で前記角加速度が最大となる最大時点、前記最大時点の所定時間前の時点、前記最大時点の所定時間後の時点、及び前記最大時点の前後の一定時間の何れかである。前記トルク演算部は、前記最大時点と前記最大時点の所定時間前の時点と前記最大時点の所定時間後の時点とのうちの何れかを前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間での前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記トルク演算部は、前記最大時点の前後の一定時間を前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いる。
第3態様のインパクト回転工具は、衝撃力発生部と、出力軸と、第1測定部と、第2測定部と、トルク演算部とを備えることを特徴とする。前記衝撃力発生部はパルス状の衝撃力を発生させる。前記出力軸にはネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記出力軸は前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する。前記第1測定部は前記出力軸に加わるトルクを測定する。前記第2測定部は、前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する。前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求める。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記出力軸が停止する停止時点を求め、前記停止時点をもとに設定した対象期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求める。
第4態様のインパクト回転工具では、第3態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度と径方向の加速度をそれぞれ測定するように構成される。前記トルク演算部は、前記第2測定部が測定した円周方向の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求める。前記停止時点は、前記第2測定部が測定した径方向の加速度がゼロになる時点である。前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前の時点、又は前記停止時点の前の一定時間の期間である。前記トルク演算部は、前記対象期間が前記停止時点の所定時間前の時点である場合は前記対象期間における前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記対象期間が前記停止時点の前の一定時間の期間である場合は前記対象期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いるように構成される。
第5態様のインパクト回転工具では、第3態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、前記出力軸の角速度を測定するように構成される。前記停止時点は、前記第2測定部が測定した角速度がゼロになる時点である。前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前までの一定時間の期間である。前記トルク演算部は、前記対象期間における角速度の微分値または平均変化率から角加速度を求めて、前記締付けトルクの演算に用いるように構成される。
第6態様のインパクト回転工具は、衝撃力発生部と、出力軸と、第1測定部と、第2測定部と、トルク演算部と、本体とを備えることを特徴とする。前記衝撃力発生部はパルス状の衝撃力を発生させる。前記出力軸にはネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記出力軸は前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する。前記第1測定部は前記出力軸に加わるトルクを測定する。前記第2測定部は、前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する。前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求める。前記本体は、前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する。前記出力軸には、前記第1測定部及び前記第2測定部と、前記本体に固定された給電部から前記第1測定部及び前記第2測定部の動作電力を非接触で受電するための受電部と、前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値を前記トルク演算部に非接触で送信するための通信部が設けられる。前記衝撃力発生部は、パルス状の衝撃力を前記出力軸に間欠的に加えている。前記給電部及び前記通信部のうちの少なくとも何れか一方は、前記衝撃力発生部が前記出力軸に衝撃力を加える合間に動作するように構成される。
第7態様のインパクト回転工具では、第1〜5のいずれかの態様において、前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する本体を備える。前記出力軸には、前記第1測定部及び前記第2測定部と、前記本体に固定された給電部から前記第1測定部及び前記第2測定部の動作電力を非接触で受電するための受電部と、前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値を前記トルク演算部に非接触で送信するための通信部が設けられる。前記衝撃力発生部は、パルス状の衝撃力を前記出力軸に間欠的に加えている。前記給電部及び前記通信部のうちの少なくとも何れか一方は、前記衝撃力発生部が前記出力軸に衝撃力を加える合間に動作するように構成される。
第8態様のインパクト回転工具は、第1〜7のいずれかの態様において、前記トルク演算部が求めた締付けトルクを用いて前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えることも好ましい。
第9態様のインパクト回転工具は、第1〜8のいずれかの態様において、前記トルク演算部は、締付けトルクT2を、T2=T1×A−I1×a1×B+Cという式を用いて算出することも好ましい。ただし、T1は前記第1測定部によるトルクの測定値、a1は前記第2測定部の測定値から得た前記出力軸の角加速度、I1は前記出力軸において前記第2測定部が取り付けられた部位よりも先端側の部位及び前記工具の慣性モーメントである。また、A,B,Cは補正係数である。
第10態様のインパクト回転工具は、第1〜9のいずれかの態様において、前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値から得た前記出力軸の角加速度のうちの何れか一方または両方について、一定時間の平均値を用いることも好ましい。
第11の態様のインパクト回転工具では、第1〜10のいずれかの態様において、以下のように構成されることも好ましい。インパクト回転工具は、本体と、前記本体に着脱自在に取り付けられるケースを備える。前記本体は、前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する。前記ケースは前記第1測定部及び前記第2測定部を収納する。前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値が、前記本体に収納された前記トルク演算部に出力されるように構成されている。
第12の態様のインパクト回転工具の制御装置は、パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部、ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸、及び、前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えたインパクト回転工具の本体に着脱自在に取り付けられるケースを備える。前記ケースには、第1測定部と、第2測定部と、トルク演算部とが保持される。前記第1測定部は前記出力軸に加わるトルクを測定する。前記第2測定部は、前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角加速度のうち少なくとも何れか一方を測定する。前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから締付けトルクを求める。前記トルク演算部は、前記締付けトルクの測定値、及び、前記締付けトルクの測定値に基づく前記衝撃力発生部の制御信号のうち少なくとも何れか一方を前記制御部に出力する。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記ネジ締め作業が行われているネジ締め期間を求め、前記ネジ締め期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求める。
第13の態様のインパクト回転工具の制御装置では、第12の態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度を測定するように構成される。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求める。前記ネジ締め期間は、回転停止方向で前記角加速度が最大となる最大時点、前記最大時点の所定時間前の時点、前記最大時点の所定時間後の時点、及び前記最大時点の前後の一定時間の何れかである。前記トルク演算部は、前記最大時点と前記最大時点の所定時間前の時点と前記最大時点の所定時間後の時点とのうちの何れかを前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間での前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記トルク演算部は、前記最大時点の前後の一定時間を前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いる。
第14の態様のインパクト回転工具の制御装置は、パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部、ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸、及び、前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えたインパクト回転工具の本体に着脱自在に取り付けられるケースを備える。前記ケースには、前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角加速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから締付けトルクを求め、前記締付けトルクの測定値、及び、前記締付けトルクの測定値に基づく前記衝撃力発生部の制御信号のうち少なくとも何れか一方を前記制御部に出力するトルク演算部とが保持されている。前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記出力軸が停止する停止時点を求め、前記停止時点をもとに設定した対象期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求める。
第15の態様のインパクト回転工具の制御装置では、第14の態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度と径方向の加速度をそれぞれ測定するように構成される。前記トルク演算部は、前記第2測定部が測定した円周方向の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求める。前記停止時点は、前記第2測定部が測定した径方向の加速度がゼロになる時点である。前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前の時点、又は前記停止時点の前の一定時間の期間である。前記トルク演算部は、前記停止時点の所定時間前の時点を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記停止時点の前の一定時間の期間を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いるように構成される。
第16の態様のインパクト回転工具の制御装置では、第14の態様において、前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、前記出力軸の角速度を測定するように構成される。前記停止時点は、前記第2測定部が測定した角速度がゼロになる時点である。前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前までの一定時間の期間である。前記トルク演算部は、前記対象期間における角速度の微分値または平均変化率から角加速度を求めて、締付けトルクの演算に用いるように構成される。
本発明のインパクト回転工具によれば、第2測定部が、出力軸の円周方向の加速度及び出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定しており、トルク演算部は、第2測定部の測定値を用いて、出力軸及び工具の慣性トルクを求めている。そして、トルク演算部は、第1測定部が測定した出力軸に加わるトルクと、出力軸及び工具の慣性トルクとから締付けトルクを求めており、出力軸及び工具の慣性トルクを考慮して締付けトルクを求めているので、締付けトルクをより正確に測定することができる。
本発明のインパクト回転工具の制御装置によれば、第2測定部が、出力軸の円周方向の加速度及び出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定しており、トルク演算部は、第2測定部の測定値を用いて、出力軸及び工具の慣性トルクを求めている。そして、トルク演算部は、第1測定部が測定した出力軸に加わるトルクと、出力軸及び工具の慣性トルクとから締付けトルクを求めており、出力軸及び工具の慣性トルクを考慮して締付けトルクを求めているので、締付けトルクをより正確に測定することができる。さらに、第1測定部と第2測定部とトルク演算部を保持したケースは、インパクト回転工具の本体に着脱自在に取り付けられるので、インパクト回転工具に対して、締付けトルクの測定機能を追加することができる。
実施形態1のインパクト回転工具の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は実施形態1のインパクト回転工具の模式的な側断面図、(b)は実施形態1のインパクト回転工具の要部を示す側面図である。 (a)は図2のA−A断面図、(b)はB−B断面図である。 実施形態1のインパクト回転工具の動作を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は実施形態1のインパクト回転工具の動作を説明するための波形図である。 (a)(b)は実施形態1のインパクト回転工具による角加速度の算出方法を説明する説明図である。 実施形態1のインパクト回転工具による締付けトルクの変化を示す説明図である。 (a)(b)は実施形態1のインパクト回転工具の要部を説明する説明図である。 (a)は実施形態2のインパクト回転工具の模式的な側断面図、(b)は実施形態2のインパクト回転工具の要部を示す側面図である。 実施形態2の制御装置及びインパクト回転工具の電気的構成を示すブロック図である。
(実施形態1)
本発明に係るインパクト回転工具の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
本実施形態のインパクト回転工具1は、片手で把持可能な手持ち式であり、ネジ部材(例えばボルトやナットなど)の締付け作業を行うインパクトドライバー或いはインパクトレンチとして使用される。
本実施形態のインパクト回転工具1は、衝撃力発生部と、出力軸26と、第1測定部たるトルクセンサ30と、第2測定部たる加速度センサ40と、トルク演算部60を備える。
このインパクト回転工具1の本体2は、円筒形状の胴部3と、胴部3の周面から胴部3の軸線と交差する方向(図2(a)における下向き)に突出する握り部4を備えている。握り部4の下部には、樹脂製のケース内に充電池70を収納した電池パック5が着脱自在に取り付けられる。握り部4に電池パック5が取り付けられた状態では、充電池70から電線71を介してトルク演算部60を含む制御回路50やモータ10に電力が供給されており、インパクト回転工具1は充電池70から供給される電力によって動作する。
衝撃力発生部は、駆動源であるモータ10とインパクト機構20とを備え、出力軸26に対してパルス状の衝撃力を加える。
モータ10は、例えばブラシ付きのDCモータ又はブラシレスDCモータからなる。モータ10の回転軸11は胴部3の軸線と一致し、回転軸11が胴部3の前側(図2(a)における左側)を向くようにして、胴部3の後部(図2(a)における右側)に収納されている。モータ10には制御回路50から電線72を介して駆動電流が供給されており、モータ10の回転数や回転速度や回転方向は制御回路50によって制御される。
インパクト機構20は、回転軸11の回転からパルス状の衝撃力を発生させ、出力軸26に衝撃力を間欠的に印加する。
インパクト機構20は、減速機構21と、ハンマ22と、アンビル23と、コイルばね24とを備える。
減速機構21には、モータ10の回転軸11が連結されており、モータ10の回転を所定の減速比で減速する。減速機構21によって減速されトルクが高められた回転力はハンマ22に伝達される。
ハンマ22は、減速機構21の出力軸21aに対して回転自在で、出力軸21aに沿って前後方向にスライド移動自在な状態で設けられている。ハンマ22は、出力軸21aが中心に通されたコイルばね24の弾性力によって前側へと押されており、出力軸26の後部に設けられたアンビル23に押し付けられている。ハンマ22の前面には、アンビル23の径方向に突出する突起23aと当たる突起22aが設けられている。ハンマ22の突起22aがアンビル23の突起23aに当たっている状態では、出力軸21aが回転することによって、ハンマ22とアンビル23とが一体に回転し、アンビル23と一体に設けられた出力軸26が回転する。なお、本実施形態ではインパクト機構20がモータ10の回転からパルス状の衝撃力を発生しているが、モータ10を駆動する電流を制御することによって、モータ10からパルス状の衝撃力を発生させてもよい。この場合はモータ10と、モータ10の回転を制御するモータ制御部54とで衝撃力発生部が構成される。
ネジ部材を締めたり緩めたりする作業において、出力軸26に加わるトルクが大きくなり、ハンマ22とアンビル23の間に所定値を超えるトルクが加わると、出力軸26の回転が止まり、ハンマ22がコイルばね24を圧縮しながら出力軸21aに沿って後退する。ハンマ22が後退して、突起22aが突起23aから外れると、ハンマ22は回転しながらコイルばね24のバネ力を受けて前進する。ハンマ22が所定角度回転すると、ハンマ22の突起22aが突起23aに当たることによって、ハンマ22からアンビル23に衝撃力が加えられる。その後、ハンマ22とアンビル23の間に所定値を超えるトルクが加わると、ハンマ22がコイルばねを圧縮しながら後退し、突起22aが突起23aから外れると、ハンマ22が所定角度回転し、アンビル23に衝撃力が加えられる。このように、出力軸26に加わるトルクが所定値を超えると、ハンマ22が所定角度回転する度に、ハンマ22がアンビル23を打撃することによって、出力軸26に衝撃力が間欠的に加えられ、より大きなトルクでネジ部材を締めたり緩めたりする作業が行える。
出力軸26は、ハンマ22によって打撃されて回転するアンビル23と一体に設けられている。出力軸26は、胴部3の軸線と一致するように、胴部3の前端部に回転自在に取り付けられている。出力軸26の先端は胴部3の前端部から外側に突出しており、出力軸26の先端には、作業内容に合わせた工具100を装着するための四角柱部27が設けられている。この四角柱部27に、ネジ部材200のネジ締め作業を行うためのソケットなどの工具100が装着され、インパクト回転工具1はインパクトドライバ或いはインパクトレンチとして使用される。尚、図2(b)に示すように、出力軸26の先端に四角柱部27の代わりに六角穴26aが設けられてもよい。この場合は、出力軸26の六角穴26aに、ソケットなどの工具100に設けられた六角柱状の軸部101を差し込むことによって、工具100が出力軸26に装着される。
トルクセンサ30は、例えば磁歪式のトルクセンサからなり、出力軸26にトルクが加わることによって出力軸26に発生する歪みを非接触で検出し、歪みの大きさに比例した電気信号を電線73を介して制御回路50に出力する。
加速度センサ40は、図3(a)(b)に示すように、円柱状の出力軸26の一部にDカット加工を施すことによって形成された溝26a内に貼り付けられ、少なくとも円周方向の加速度成分を測定する。なお加速度センサ40は、円周方向の加速度成分に加えて、径方向の加速度成分を測定してもよい。
加速度センサ40は、インパクト機構20によって回転させられる出力軸26に設けられているので、加速度センサ40に電力を供給し、加速度センサ40の測定値を受け取るために、通信コイル41,42が設けられている。通信コイル41は出力軸26の円周面に固定されている。通信コイル42は円筒コイルからなり、その中心に出力軸26が通され、通信コイル41と対向して配置されている。制御回路50が電線74を介して通信コイル42に交流電流を流すと、相互誘導によって通信コイル41に電流が流れる。加速度センサ40は通信コイル41に流れる電流を整流、平滑した後、例えばコンデンサ(図示せず)に蓄えておくことで、動作電力を確保する。また、加速度センサ40は、制御回路50から入力される交流電流と、周波数が異なるパルス信号を通信コイル41に流すことによって、通信コイル42及び電線74を介して制御回路50に測定値を送信する。これにより、制御回路50は加速度センサ40に非接触で電力を供給でき、また加速度センサ40の測定値を非接触で受け取ることができる。
制御回路50は、握り部4に設けられた操作レバー6aの引き込み操作に応じて操作スイッチ6から出力される操作信号に基づいてモータ10の回転を制御する回転制御機能を備えている。また、制御回路50は、トルクセンサ30(第1測定部)及び加速度センサ40(第2測定部)の測定値を用いて締付けトルクを求め、締付けトルクが目標トルクに達するとモータ10を停止させるトルク制御機能を備えている。
制御回路50は、モータ制御部51と、トルク演算部60と、制御部たる停止判定部66と、トルク設定部67と、記録部68とを備える。モータ制御部51は、回転速度測定部52と、制限速度算出部53と、モータ制御部54とを備える。また、トルク演算部60は、トルク測定部61と、バッファ部62と、角加速度算出部63と、慣性モーメント設定部64と、トルク算出部65とを備える。ここにおいて、モータ制御部51、トルク測定部61、角加速度算出部63、トルク算出部65、停止判定部66などは、例えばマイクロコンピュータが制御用プログラムを実行することによって、マイクロコンピュータの演算機能により実現される。
トルク設定部67は、例えば操作摘みの操作位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を備え、モータ制御部51及び停止判定部66に電気的に接続されている。作業者が、トルク設定部67を操作して、モータ10の回転を停止させる際の締付けトルクを設定すると、設定された締付けトルクの大きさに応じた信号(例えば可変抵抗の抵抗値に応じた電圧信号)がモータ制御部51及び停止判定部66に入力される。
回転速度測定部52は、モータ10に設けられた速度計測部12から入力される速度に対応した信号をもとに、モータ10の回転速度を測定する。速度計測部12には、例えばモータ10の回転数に比例した周波数の周波数信号を発生する周波数ジェネレータが用いられる。
制限速度算出部53は、回転速度測定部52によって測定された回転速度と、トルク設定部67によって設定された締付けトルクの目標値とに応じて、操作レバー6aが操作された時の回転速度の上限値(制限速度)を算出する。
モータ制御部54は、操作レバー6aの引き込み操作に応じて操作スイッチ6から入力される操作信号に基づいて、回転速度が制限速度以下となるようにモータ10の回転を制御する。締付けトルクが小さめに設定されると、制限速度がモータ10の最高速度よりも小さくなる場合があり、このような場合は操作レバー6aを最大限に引いても、モータ10の回転速度は、最高速度よりも低い制限速度以下に制限される。また、ネジ締め作業を行う際に締付けトルクが目標値に達して、停止判定部66からモータ制御部54に停止信号が入力されると、モータ制御部54は、モータ10の回転を停止させる。
トルク測定部61は、トルクセンサ30から入力される信号をもとに、出力軸26に加わるトルクを測定する。
バッファ部62は、トルク測定部61によるトルクの測定値を蓄積する。バッファ部62は、トルク測定部61から新たに入力されたデータを、古いデータに上書きして保存しており、現時点から所定時間前までのトルクの測定値を蓄積する。
角加速度算出部63は、加速度センサ40によって測定された周方向の加速度を、出力軸26の中心位置から加速度センサ40の取付位置までの距離r1で割ることによって角加速度を求める。
慣性モーメント設定部64は、出力軸26に取り付けられた加速度センサ40より先の部分の慣性モーメントI1を設定するために用いられる。ここにおいて、出力軸26に取り付けられた加速度センサ40より先の部分とは、出力軸26において加速度センサ40の取付位置よりも先端側の部位と、出力軸26の先端の四角柱部27に装着される工具100とを含んでいる。
トルク算出部65は、トルクセンサ30によるトルクの測定値をもとに、ネジ部材の締付けトルクを算出する。ここで、トルクセンサ30の測定値は、ネジ部材の締付けトルクと、出力軸26においてトルクセンサ30の取付部位よりも先端側の部位の慣性トルクとを合計したものになる。出力軸26においてトルクセンサ30の取付部位よりも先端側の部位の慣性トルクは、出力軸26においてトルクセンサ30の取付部位よりも先端側の部分と出力軸26の先端に装着された工具100との慣性モーメントと、出力軸26の角加速度とから求めることができる。インパクト回転工具1が工事現場や工場などで使用される場合、ネジ締め作業を行うネジ部材の種類はある程度決まっており、作業対象のネジ部材に合わせて、使用する工具100も決められている。そこで、ユーザは、出力軸26においてトルクセンサ30の取付部位よりも先端側の部分と出力軸26の先端に装着された工具100との慣性モーメントを予め求め、その値を慣性モーメント設定部64に予め設定する。
したがって、トルク算出部65は、トルクセンサ30によるトルクの測定値と、加速度センサ40の測定値から求めた出力軸26の角加速度と、慣性モーメント設定部64によって設定された慣性モーメントI1をもとに締付けトルクを算出する。すなわち、トルクセンサ30によるトルクの測定値をT1、加速度センサ40の測定値から求めた角加速度をa1、慣性モーメントの設定値をI1とし、補正係数をA,B,Cとすると、トルク算出部65は下記の式(1)を用いて締付けトルクT2を算出する。
T2=T1×A−I1×a1×B+C …(1)
なお、補正係数Aは、出力軸26に取り付けられたトルクセンサ30の静特性と動特性の違いなどによって発生するトルク測定値の誤差を補正する係数であり、概ね1〜2程度の値である。補正係数Bは、出力軸26において、加速度センサ40の取付位置よりも先端側の部位(出力軸26の先端部分、出力軸26の先端に装着された工具100など)が弾性変形(捻れ変形)することで発生する慣性トルクの誤差を補正する係数である。補正係数Cは、出力軸26において加速度センサ40が取り付けられた位置から、ネジ締め作業を行うネジ部材までに存在する部材(出力軸26の先端部分や出力軸26の先端に装着された工具100など)の弾性変形時の粘性の影響などを補正する係数である。
停止判定部66は、トルク算出部65が算出した締付けトルクT2と、トルク設定部67の設定値から求めた閾値T0との高低を比較し、締付けトルクの算出値T2が閾値T0以上になると停止信号をモータ制御部54に出力する。
記録部68は、停止判定部66による判定結果などを記録する。
本実施形態のインパクト回転工具1は上記のような構成を有しており、ネジ締め作業時の動作を図4のフローチャートにしたがって説明する。
作業者が、操作レバー6aを引き込むと(ステップS1)、操作レバー6aの操作量に応じた操作信号が操作スイッチ6から制御回路50に入力される。制御回路50は、操作スイッチ6から操作信号を受け取ると、トルク設定部67からネジ締めトルクの設定値を読み込み、慣性モーメント設定部64から慣性モーメントの設定値を読み込む(ステップS2)。制御回路50の停止判定部66は、トルク設定部67から読み込んだネジ締めトルクの設定値をもとに、ネジ締めトルクの閾値T0を設定する(ステップS3)。
初期設定が終了すると、モータ制御部51のモータ制御部54が、操作スイッチ6からの操作信号に応じた駆動電流をモータ10に供給して、モータ10を回転させる(ステップS4)。
モータ10が回転すると、トルク測定部61は、所定の計測タイミングが経過する度にトルクセンサ30から信号を取り込み、この信号から出力軸26に加わるトルクを求め(ステップS5)、バッファ部62に蓄積させる(ステップS6)。
また、角加速度算出部63は、所定の計測タイミングが経過する度に加速度センサ40から測定信号を取り込む(ステップS7)。角加速度算出部63は、加速度センサ40から取り込んだ測定信号より周方向の加速度を求め、周方向の加速度を、出力軸26の軸中心から加速度センサ40の取付位置までの距離で割ることによって、角加速度を求める(ステップS8)。
また、角加速度算出部63は、モータ10の回転が停止する方向(回転停止方向)の角加速度が最大となる時点、回転停止方向で角加速度が最大となる時点の所定時間前又は所定時間後における角加速度、又は、角加速度が最大となる時点を含む一定期間を、ネジ部材がネジ締めされているネジ締め期間として求める(ステップS9)。図5はネジ締め作業時のトルクセンサ30及び加速度センサ40の測定結果を示す波形図である。図5(a)は加速度センサ40が測定した周方向の加速度α1の波形図、図5(b)は加速度センサ40が測定した径方向の加速度α2の波形図、図5(c)はトルクセンサ30によるトルクの測定値T1の波形図である。周方向の加速度α1が図5(a)に示すような測定結果となる場合、角加速度算出部63は、回転停止方向で角加速度α1が最大となる時点(時刻t1)を含む一定時間DT1(例えば200μS)をネジ締め期間として求める(図5(a)参照)。尚、角加速度算出部63は、モータ10の回転が停止する回転停止方向で角加速度α1が最大となる時点(時刻t1)をネジ締め期間とし、このネジ締め期間での角加速度を求めてもよい。また角加速度算出部63は、モータ10の回転が停止する回転停止方向で角加速度α1が最大となる時点(時刻t1)の所定時間前又は所定時間後をネジ締め期間とし、このネジ締め期間での角加速度を求めてもよい。ここで、回転停止方向で角加速度α1が最大となる時点の所定時間後における角加速度を求める場合について説明する。アンビル23にハンマー22の突起22aが当たると、アンビル23に衝撃力が加えられ、出力軸26に装着されたソケット100がネジ部材200を回転させるのであるが、アンビル23に当たった突起22aが反発して一旦離れ、その後アンビル23が停止するまでの間に、ハンマー22がアンビル23に追いついて、突起22aがアンビル23に再び衝突する場合がある。回転停止方向で角加速度α1が最大となる時点の例えば1〜100μ秒後にハンマー22の突起22aがアンビル23に追いついて再び衝突すると予測されるので、この時点での角加速度を用いてネジ締めトルクを算出することで、より高い精度で締付けトルクを算出できる。
トルク算出部65は、ステップS8で求めたネジ締め期間DT1からトルクの算出期間を設定する(ステップS10)。トルク算出部65は、ステップS9で設定した算出期間における測定値をバッファ部62から読み込み、例えば読み込んだ測定値の平均を求めることで、トルクの測定値T1を算出する(ステップS11)。
また、角加速度算出部63は、ステップS8で求めたネジ締め期間DT1から角加速度の算出期間を設定し(ステップS12)、ステップS10で設定された算出期間における角加速度の平均を求めることで、角加速度の測定値a1を算出する(ステップS13)。
トルクT1及び角加速度a1が算出されると、トルク算出部65は、トルクT1及び角加速度a1の算出結果と、慣性モーメント設定部64に設定された慣性モーメントI1とを、上述の式(1)に代入して、ネジ部材の締付けトルクT2を算出する(ステップS14)。
ネジ部材の締付けトルクが算出されると、停止判定部66は、締付けトルクの算出値T2と閾値T0との高低を比較する(ステップS15)。図7は締付けトルクの算出値T2の時間的な変化を示しており、ハンマ22がアンビル23を打撃する度に、締付けトルクの算出値T2が段階的に大きくなっている。尚、図7中の点線IP1は、ハンマ22がアンビル23に加える間欠的な打撃を示している。
ステップS15の判定で、締付けトルクの算出値T2が閾値T0未満であれば(ステップS15のNo)、制御回路50は、ステップS5に戻って上記の処理を再び行う。
の時刻t2において締付けトルクの算出値T2が閾値T0以上になると(ステップS15のYes)、停止判定部66は、モータ制御部54に停止信号を出力する。モータ制御部54は、停止信号が入力されると、時刻t3においてモータ10への電流供給を停止して、モータ10の回転を停止させており(ステップS16)、締付けトルクを規定のトルクに管理することができる。また、停止判定部66は、停止信号を出力するとともに、締付けトルクの情報を記録部68に記録させ(ステップS17)、ネジ締め作業時の動作を終了する。
以上説明したように、本実施形態のインパクト回転工具1は、衝撃力発生部(本実施形態ではモータ10及びインパクト機構20を備える)と、出力軸26と、トルクセンサ30(第1測定部)と、加速度センサ40(第2測定部)と、トルク演算部60とを備える。衝撃力発生部はパルス状の衝撃力を発生させる。出力軸26にはネジ締め作業を行うための工具100が装着される。出力軸26は、衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する。トルクセンサ30は出力軸26に加わるトルクを測定する。加速度センサ40は、出力軸26の円周方向の加速度を測定する。トルク演算部60は、トルクセンサ30によるトルクの測定値、及び、加速度センサ40の測定値を用いて求めた出力軸26及び出力軸26に装着された工具100の慣性トルクから、締付けトルクを求める。
このように、トルク演算部60は、加速度センサ40の測定値を用いて出力軸26及び出力軸26に装着された工具100の慣性トルクを求め、この慣性トルクと、トルクセンサ30によるトルクの測定値から、締付けトルクを求めている。したがって、トルク演算部60が、慣性トルクを考慮に入れずにトルクセンサ30の測定値を締付けトルクとして求める場合に比べて、より正確に締付けトルクを測定することができる。なお、第2測定部は円周方向の加速度を測定する加速度センサ30に限定されず、出力軸26の角速度を測定してもよいし、出力軸26の円周方向の加速度と角速度の両方を測定してもよい。
さらに本実施形態のインパクト回転工具1は、トルク演算部60が求めた締付けトルクを用いて、衝撃力発生部(本実施形態では衝撃力発生部のモータ10)を制御する制御部(停止判定部66及びモータ制御部51からなる)を備えている。停止判定部66及びモータ制御部51は、トルク演算部60が求めた締付けトルクの演算結果に応じてモータ10を制御することができる。
また、本実施形態のインパクト回転工具1では、トルク演算部60が備えるトルク算出部65が下記の式を用いて締付けトルクT2を算出する。
T2=T1×A−I1×a1×B+C
ここで、T1はトルクセンサ30によるトルクの測定値である。a1は加速度センサ40の測定値から得た出力軸26の角加速度である。I1は、出力軸26において加速度センサ40が取り付けられた部位よりも先端側の部位、出力軸26に装着された工具100の慣性モーメントである。またA,B,Cは予め設定された補正係数である。
このように、トルク算出部65は、出力軸26の角加速度a1と、出力軸26において加速度センサ40が取り付けられた部位よりも先端側の部位及び出力軸26に装着された工具100の慣性モーメントI1から慣性トルクを求めている。トルク算出部65は、トルクセンサ30の測定値T1から慣性トルクを差し引いて、締付けトルクT2を求めているので、慣性トルクを考慮せずに測定値T1から締付けトルクT2を求める場合に比べ、締付けトルクT2をより正確に求めることができる。
また、トルク演算部60は、トルクセンサ30によるトルクの測定値、及び、加速度センサ40の測定値から得た出力軸26の角加速度として、一定時間の平均値を求めることも好ましく、ノイズなどの影響で締付けトルクの算出値に発生する誤差を低減できる。
なお、本実施形態では、トルク演算部60が、トルクセンサ30によるトルクの測定値、及び、加速度センサ40の測定値から得た出力軸26の角加速度として、両方共に一定時間の平均値を用いているが、何れか一方のみ一定時間の平均値を用いてもよい。
また、本実施形態では、第2測定部たる加速度センサ40が、出力軸26の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度を測定するように構成されている。トルク演算部60の角加速度算出部63は、加速度センサ40の測定値を、出力軸26の中心位置から加速度センサ40の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求める。トルク演算部60の角加速度算出部63は、回転停止方向の角加速度の最大値、又は、回転停止方向で角加速度が最大となる時点の前後の一定時間における角加速度の平均値の何れかを、締付けトルクの演算に用いるように構成されている。この場合、周方向の加速度を測定する一つの加速度センサ40の出力で角加速度を算出することができる。
ところで、本実施形態では、第2測定部たる加速度センサ40が、出力軸26の外周部に取り付けられて、周方向の加速度α1と径方向の加速度α2を測定するように構成されている。トルク演算部60の角加速度算出部63は、加速度センサ40が測定した周方向の加速度α1を、出力軸26の中心位置から加速度センサ40の取付位置までの距離rで割ることによって角加速度ω1(=α1/r)を求めている。ここで、トルク演算部60は、加速度センサ40が測定した径方向の加速度α2がゼロになる停止時点の所定時間前における角加速度を、締付けトルクの演算に用いるように構成されてもよい。図6(a)に、打撃時における出力軸26の角度θ1、周方向の加速度α1、径方向の加速度α2、角速度ω1の時間変化をそれぞれ示す。出力軸26の回転が停止すると、遠心力がゼロになることから、径方向の加速度α2がゼロになる(図6(a)の時刻t2)。したがって、トルク演算部60は、径方向の加速度α2がゼロになることから、出力軸26の回転が停止した停止時点(時刻t2)をより正確に求めることができる。またトルク演算部60は、停止時点の所定時間前における角加速度を、締付けトルクの演算に用いることで、締付けトルクをより正確に求めることができる。なお、停止時点の所定時間前とは、締付けトルクの算出に好適な角加速度が検出される時間であり、ねじ部材の締付け作業を行った結果から経験的に求められた時間であって、予め設定されている。また、トルク演算部60は、停止時点(時刻t2)の前の一定時間DT1における角加速度の平均値を求め、この角加速度を締付けトルクの演算に用いてもよい。
また、本実施形態のインパクト回転工具1において、加速度センサ40の代わりに、出力軸26の外周部又は中心部に取り付けられて、出力軸26の角速度ω1を測定するように構成された第2測定部を備えていてもよい。図6(b)は打撃時における角速度ω1の測定結果を示し、出力軸26の回転が停止すると、角速度ω1の値がゼロになる。トルク演算部60は、第2測定部が測定した角速度ω1がゼロになる停止時点(図6(b)の時刻t4)の所定時間前までの一定時間DT2における角速度ω1の平均変化率から角加速度を求め、この角加速度を締付けトルクの演算に用いればよい。これにより、一つの角速度センサによる角速度の測定結果だけで、出力軸26の停止時点を求め、さらに締付けトルクの演算に用いる角加速度も求めることができる。なお、トルク演算部60は、第2測定部が測定した角速度ω1がゼロになる停止時点の所定時間前までの一定時間DT2における角速度ω1の微分値から角加速度を求めてもよく、この角加速度を締付けトルクの演算に用いることができる。
また本実施形態のインパクト回転工具1では、出力軸26に加わるトルクを非接触で測定するトルクセンサ30が本体2に取り付けられているが、出力軸26に加わるトルクを直接測定するトルクセンサ30が出力軸26に取り付けられていてもよい。この場合、図8(a)に示すように、出力軸26に取り付けられたトルクセンサ30に給電し、且つ、トルクセンサ30から信号を受け取るための通信コイル31,32が設けられていればよい。通信コイル31は出力軸26の円周面に固定されている。通信コイル32は円筒コイルからなり、その中心に出力軸26が通され、通信コイル31と対向して配置されている。通信コイル32は電線73を介して制御回路50に電気的に接続されている。制御回路50が通信コイル32に交流電流を流すと、相互誘導によって通信コイル31に電流が流れ、通信コイル31に流れる電流を整流、平滑することによって、トルクセンサ30に動作電力が供給される。また、トルクセンサ30は、制御回路50から入力される交流電流と、周波数が異なるパルス信号を通信コイル31に流すことによって、通信コイル32を介して制御回路50に測定値を送信する。これにより、制御回路50はトルクセンサ30に非接触で電力を供給でき、またトルクセンサ30の測定値を非接触で受け取ることができる。
このように、インパクト回転工具1は、衝撃力発生部及びトルク演算部60を収納する本体2を備えている。出力軸26には、トルクセンサ30(第1測定部)及び加速度センサ40(第2測定部)が取り付けられている。出力軸26には、本体2に固定された給電部(通信コイル32,42)からトルクセンサ30及び加速度センサ40の動作電力を非接触で受電するための受電部(通信コイル31,41)が設けられている。また、出力軸26には、トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定値を、本体2に収納されたトルク演算部60に出力するための通信部(通信コイル31,41)が設けられている。衝撃力発生部はパルス状の衝撃力を出力軸26に間欠的に加えており、本実施形態ではモータ10及びインパクト機構20を備える。給電部及び通信部のうちの少なくとも何れか一方は、インパクト機構20が出力軸26に衝撃力を加える合間に動作するように構成されている。インパクト機構20が間欠的に衝撃力を加える間は、モータ10で発生する電磁ノイズが比較的小さくなるので、この期間に給電部及び通信部が動作することで、電磁ノイズによる誤動作が起こりにくくなる。
なお本実施形態では、トルクセンサ30及び加速度センサ40の両方とも、非接触で給電し、且つ、測定信号を非接触で出力しているが、トルクセンサ30及び加速度センサ40のうちの何れか一方のみに非接触で給電し、測定信号を非接触で出力してもよい。
また、図8(b)に示すように、出力軸26に取り付けられたトルクセンサ30及び加速度センサ40と、本体2内に収納された制御回路50とを電気的に接続するためにスリップリングが設けられていてもよい。スリップリング28は、出力軸26と同心の円周面に沿って全周に形成された環状の電路28aと、本体2側に固定的に配置されて電路28aに弾性的に接触するブラシ28bとを備える。ブラシ28bは制御回路50に電線を介して電気的に接続されており、出力軸26に取り付けられたトルクセンサ30及び加速度センサ40と、制御回路50との間は、スリップリング28を介して電気的に接続されている。而して、出力軸26に取り付けられたトルクセンサ30及び加速度センサ40には、制御回路50からスリップリング28を介して動作電力が供給される。また、トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定信号は、スリップリング28を介して制御回路50のトルク演算部60に出力される。このように、トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定信号はスリップリング28及び電線を介して制御回路50に送信されるから、電磁ノイズが多い環境でも、トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定信号を制御回路50に確実に伝達することができる。なお、スリップリング28を介して電力供給と測定信号の授受を行う場合にも、インパクト機構20が出力軸26に衝撃力を加える合間に給電と測定信号の授受を行うことが好ましく、電磁ノイズによる誤動作が起こりにくくなる。
なお本実施形態において、トルク演算部60の全部又は一部が、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて、第1測定部(トルクセンサ30)、又は、第2測定部(加速度センサ40)、又は、第1測定部及び第2測定部の両方と一体的に設けられてもよい。この場合、トルク演算部60の全部又は一部が一体化された測定部(第1測定部、又は、第2測定部、又は、第1測定部及び第2測定部の両方)は出力軸26に取り付けられており、出力軸26において通信コイル又はスリップリングの近傍に取り付けられていてもよい。
また、トルク演算部60の全部又は一部が、例えばMEMS技術を用いて小型化された、第1測定部及び第2測定部と併設して出力軸26に取り付けられてもよく、出力軸26において通信コイル又はスリップリングの近傍に取り付けられていてもよい。
(実施形態2)
本発明に係るインパクト回転工具の制御装置の実施形態を図9及び図10に基づいて説明する。
本実施形態の制御装置80は、締付けトルクを測定して、締付けトルクの測定値、又は、締付けトルクの測定値に基づく制御信号をインパクト回転工具1に出力する機能を有し、インパクト回転工具1の本体2に対して着脱自在に取り付けられる。
インパクト回転工具1は、トルクセンサ30と加速度センサ40とトルク演算部60と停止判定部66とが制御装置80側に設けられた点を除いて、実施形態1で説明したインパクト回転工具と共通する構成要素を備えているので、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
制御装置80は、図9(a)に示すように、インパクト回転工具1の本体に着脱自在に取り付けられるケース81を備えている。
ケース81は、加速度センサ40及びトルクセンサ30が取り付けられた出力軸29を回転自在に支持している。出力軸29の両端はケース81の外側に突出しており、出力軸29の後端は、アンビル23と一体に設けられた出力軸26の先端に連結されている。出力軸29の先端には四角柱部29aが設けられ、この四角柱部29aに、ネジ部材200のネジ締め作業を行うためのソケットなどの工具100が装着される。尚、図9(b)に示すように、出力軸29の先端に四角柱部29aの代わりに六角穴29bが設けられてもよい。この場合は、出力軸29の六角穴29bに、ソケットなどの工具100に設けられた六角柱状の軸部101を差し込むことによって、工具100が出力軸29に装着される。尚、出力軸29に取り付けられた加速度センサ40及びトルクセンサ30への給電と通信は、実施形態1と同様に通信コイル(図示せず)を用いて行われるが、スリップリングを用いて給電と通信を行ってもよい。
ケース81は、出力軸29の後端が出力軸26の先端に連結されるように、支持棒83を介して本体2の前側に固定されており、本体2に対してケース81が回転しないように取り付けられている。
またケース81の内部には、締付けトルクが設定トルク以上になると停止信号を出力する制御回路82が収納されている。この制御回路82は、実施形態1で説明したトルク演算部60と停止判定部66とで構成されており、トルク演算部60及び停止判定部66の機能及び動作は実施形態1で説明したとおりであるから、その説明は省略する。ケース81からは、制御回路82に一端側が接続された電線75が引き出され、この電線75の他端側は本体2に収納された制御回路50に接続されている。これにより、ケース81に収納された制御回路82と、本体2に収納された制御回路50の間が電線75を介して電気的に接続され、制御回路50と制御回路82の間で電線75を介して信号が授受される。また制御回路50から電線75を介して制御回路82に動作電力が供給される。
ここにおいて、インパクト回転工具1の制御装置80は、インパクト回転工具1の本体2に着脱自在に取り付けられるケース81を備え、このケース81にトルクセンサ30と加速度センサ40とトルク演算部60とを収納することで実現されている。
本実施形態の制御装置80が取り付けられたインパクト回転工具1の操作レバー6aが操作され、操作量に応じた操作信号が操作スイッチ6から制御回路50に出力されると、制御回路50がモータ10を回転させる。ケース81に収納された制御回路82は、トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定値を用いて締付けトルクを算出しており、締付けトルクがトルク設定部67を用いて設定された閾値以上になると、停止信号を電線75を介して制御回路50に出力する。制御回路50は、制御回路82から停止信号が入力されると、モータ10を停止させており、締付けトルクを規定のトルクに管理することができる。
上述のように、インパクト回転工具1の制御装置80は、インパクト回転工具1の本体2に着脱自在に取り付けられるケース81を備えている。インパクト回転工具1は、衝撃力発生部、出力軸26、制御回路50(制御部)を備える。衝撃力発生部は、パルス状の衝撃力を発生させている。本実施形態では衝撃力発生部が、モータ10、及び、モータ10の回転からパルス状の衝撃力を発生させるインパクト機構20を備える。出力軸26は、ネジ締め作業を行うための工具100が装着される出力軸29と連結され、衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する。制御回路50は衝撃力発生部(本実施形態の場合は衝撃力発生部を構成するモータ10)の出力を制御する。そして、ケース81には、トルクセンサ30(第1測定部)と、加速度センサ40(第2測定部)と、トルク演算部60とが保持されている。トルクセンサ30は出力軸29に加わるトルクを測定する。加速度センサ40は、出力軸29の円周方向の加速度を測定する。トルク演算部60は、トルクセンサ30によるトルクの測定値、及び、加速度センサ40の測定値を用いて求めた出力軸29及び工具100の慣性トルクから締付けトルクを求め、締付けトルクの測定値に基づく衝撃力発生部の制御信号を制御回路50に出力する。
制御回路82が備えるトルク演算部60は、加速度センサ40の測定値を用いて出力軸29及び出力軸29に装着された工具100の慣性トルクを求め、この慣性トルクと、トルクセンサ30によるトルクの測定値から、締付けトルクを求めている。したがって、トルク演算部60が、慣性トルクを考慮に入れずにトルクセンサ30の測定値を締付けトルクとして求める場合に比べて、より正確に締付けトルクを測定することができる。なお、第2測定部は円周方向の加速度を測定する加速度センサ30に限定されず、出力軸29の角速度を測定してもよいし、出力軸29の円周方向の加速度と角速度の両方を測定してもよい。
また、本実施形態の制御装置80において、ケース81に保持されたトルク演算部60が、本体2に収納された制御回路50に締付けトルクの測定値を出力してもよく、この場合は制御回路50が、締付けトルクの測定値に基づいてモータ10を制御すればよい。
なお本実施形態において、トルク演算部60の全部又は一部が、例えばMEMS技術を用いて、第1測定部(トルクセンサ30)、又は、第2測定部(加速度センサ40)、又は、第1測定部及び第2測定部の両方と一体的に設けられてもよい。この場合、トルク演算部60の全部又は一部が一体化された測定部(第1測定部、又は、第2測定部、又は、第1測定部及び第2測定部の両方)は出力軸29に取り付けられており、出力軸29において通信コイル或いはスリップリングの近傍に取り付けられていてもよい。
また、トルク演算部60の全部又は一部が、例えばMEMS技術を用いて小型化された、第1測定部及び第2測定部と併設して出力軸26に取り付けられてもよく、出力軸26において通信コイル或いはスリップリングの近傍に取り付けられていてもよい。
また、実施形態1で説明したインパクト回転工具1では、トルクセンサ30(第1測定部)と、加速度センサ40(第2測定部)と、トルク演算部60が本体2に収納されているが、トルクセンサ30及び加速度センサ40を本体2に後付けできるようにしてもよい。すなわち、トルク演算部60は本体2に収納されるか、又は、本体2に予め取り付けらるようにしておく。一方、トルクセンサ30及び加速度センサ40は、例えば実施形態2で説明した外付けのケース81に収納され、ケース81に収納されたトルクセンサ30及び加速度センサ40は測定値を本体2に取り付けられたトルク演算部60に出力する。
実施形態1で説明したインパクト回転工具1において、本体2と、本体2に着脱自在に取り付けられるケース81とを備える。本体2は、衝撃力発生部(モータ10及びインパクト機構20)とトルク演算部60を収納する。ケース81は、トルクセンサ30(第1測定部)及び加速度センサ40(第2測定部)を収納する。トルクセンサ30及び加速度センサ40の測定値は、本体2に収納されたトルク演算部60に出力されるように構成されている。
このように、トルクセンサ30及び加速度センサ40を収納したケース81は、本体2に着脱自在に取り付けられるので、出力軸に加わるトルクや、出力軸の円周方向の加速度或いは角速度の測定機能を持たないインパクト回転工具に測定機能を追加することができる。また、トルクセンサ30及び加速度センサ40は、本体2に着脱されるケース81に収納されているので、トルクセンサ30及び加速度センサ40を交換したり追加したりする作業を容易に行うことができる。
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されない。
1 インパクト回転工具
2 本体
10 モータ(衝撃力発生部)
11 回転軸
20 インパクト機構(衝撃力発生部)
26,29 出力軸
27 ソケット
30 トルクセンサ(第1測定部)
31 通信コイル(受電部、通信部)
32 通信コイル(給電部、通信部)
40 加速度センサ(第2測定部)
41 通信コイル(受電部、通信部)
42 通信コイル(給電部、通信部)
50 制御回路(制御部)
54 モータ制御部(制御部)
60 トルク演算部
66 停止判定部(制御部)
80 制御装置
81 ケース
100 工具

Claims (16)

  1. パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部と、
    ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸と、
    前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、
    前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求めるトルク演算部
    を備え
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記ネジ締め作業が行われているネジ締め期間を求め、前記ネジ締め期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求めることを特徴とするインパクト回転工具。
  2. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度を測定するように構成され、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求め、
    前記ネジ締め期間は、回転停止方向で前記角加速度が最大となる最大時点、前記最大時点の所定時間前の時点、前記最大時点の所定時間後の時点、及び前記最大時点の前後の一定時間の何れかであり、
    前記トルク演算部は、前記最大時点と前記最大時点の所定時間前の時点と前記最大時点の所定時間後の時点とのうちの何れかを前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間での前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記トルク演算部は、前記最大時点の前後の一定時間を前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いることを特徴とする請求項1に記載のインパクト回転工具。
  3. パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部と、
    ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸と、
    前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、
    前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求めるトルク演算部
    を備え、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記出力軸が停止する停止時点を求め、前記停止時点をもとに設定した対象期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求めることを特徴とするインパクト回転工具。
  4. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度と径方向の加速度をそれぞれ測定するように構成され、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部が測定した円周方向の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求め、
    前記停止時点は、前記第2測定部が測定した径方向の加速度がゼロになる時点であり、
    前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前の時点、又は前記停止時点の前の一定時間の期間であり、
    前記トルク演算部は、前記停止時点の所定時間前の時点を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記停止時点の前の一定時間の期間を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のインパクト回転工具。
  5. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、前記出力軸の角速度を測定するように構成され、
    前記停止時点は、前記第2測定部が測定した角速度がゼロになる時点であり、
    前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前までの一定時間の期間であり、
    前記トルク演算部は、前記対象期間における角速度の微分値または平均変化率から角加速度を求めて、前記締付けトルクの演算に用いるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のインパクト回転工具。
  6. パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部と、
    ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸と、
    前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、
    前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから、締付けトルクを求めるトルク演算部と、
    前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する本体を備え、
    前記出力軸には、前記第1測定部及び前記第2測定部と、前記本体に固定された給電部から前記第1測定部及び前記第2測定部の動作電力を非接触で受電するための受電部と、前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値を前記トルク演算部に非接触で送信するための通信部が設けられ、
    前記衝撃力発生部は、パルス状の衝撃力を前記出力軸に間欠的に加えており、
    前記給電部及び前記通信部のうちの少なくとも何れか一方は、前記衝撃力発生部が前記出力軸に衝撃力を加える合間に動作するように構成されたことを特徴とするインパクト回転工具。
  7. 前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する本体を備え、
    前記出力軸には、前記第1測定部及び前記第2測定部と、前記本体に固定された給電部から前記第1測定部及び前記第2測定部の動作電力を非接触で受電するための受電部と、前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値を前記トルク演算部に非接触で送信するための通信部が設けられ、
    前記衝撃力発生部は、パルス状の衝撃力を前記出力軸に間欠的に加えており、
    前記給電部及び前記通信部のうちの少なくとも何れか一方は、前記衝撃力発生部が前記出力軸に衝撃力を加える合間に動作するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインパクト回転工具。
  8. 前記トルク演算部が求めた前記締付けトルクを用いて前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインパクト回転工具。
  9. 前記第1測定部によるトルクの測定値をT1、前記第2測定部の測定値から得た前記出力軸の角加速度をa1、前記出力軸において前記第2測定部が取り付けられた部位よりも先端側の部位及び前記工具の慣性モーメントをI1とし、補正係数をA,B,Cとすると、
    前記トルク演算部は、前記締付けトルクT2を、
    T2=T1×A−I1×a1×B+C
    という式を用いて算出することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のインパクト回転工具。
  10. 前記トルク演算部は、前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値から得た前記出力軸の角加速度のうちの何れか一方または両方について、一定時間の平均値を用いることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のインパクト回転工具。
  11. 前記衝撃力発生部及び前記トルク演算部を収納する本体と、
    前記第1測定部及び前記第2測定部を収納して前記本体に着脱自在に取り付けられるケースを備え、
    前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値が、前記本体に収納された前記トルク演算部に出力されるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインパクト回転工具。
  12. パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部、ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸、及び、前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えたインパクト回転工具の本体に着脱自在に取り付けられるケースを備え、
    前記ケースには、
    前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、
    前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角加速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから締付けトルクを求め、前記締付けトルクの測定値、及び、前記締付けトルクの測定値に基づく前記衝撃力発生部の制御信号のうち少なくとも何れか一方を前記制御部に出力するトルク演算部とが保持されており、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記ネジ締め作業が行われているネジ締め期間を求め、前記ネジ締め期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求めることを特徴とするインパクト回転工具の制御装置。
  13. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度を測定するように構成され、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求め、
    前記ネジ締め期間は、回転停止方向で前記角加速度が最大となる最大時点、前記最大時点の所定時間前の時点、前記最大時点の所定時間後の時点、及び前記最大時点の前後の一定時間の何れかであり、
    前記トルク演算部は、前記最大時点と前記最大時点の所定時間前の時点と前記最大時点の所定時間後の時点とのうちの何れかを前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間での前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記トルク演算部は、前記最大時点の前後の一定時間を前記ネジ締め期間として求めた場合は、前記ネジ締め期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いることを特徴とする請求項12に記載のインパクト回転工具の制御装置。
  14. パルス状の衝撃力を発生させる衝撃力発生部、ネジ締め作業を行うための工具が装着され、前記衝撃力発生部が発生した衝撃力によって回転する出力軸、及び、前記衝撃力発生部の出力を制御する制御部を備えたインパクト回転工具の本体に着脱自在に取り付けられるケースを備え、
    前記ケースには、
    前記出力軸に加わるトルクを測定する第1測定部と、
    前記出力軸の円周方向の加速度及び前記出力軸の角加速度のうち少なくとも何れか一方を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部によるトルクの測定値、及び、前記第2測定部の測定値を用いて求めた前記出力軸及び前記工具の慣性トルクから締付けトルクを求め、前記締付けトルクの測定値、及び、前記締付けトルクの測定値に基づく前記衝撃力発生部の制御信号のうち少なくとも何れか一方を前記制御部に出力するトルク演算部とが保持されており、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部の測定値から前記出力軸が停止する停止時点を求め、前記停止時点をもとに設定した対象期間における前記第2測定部の測定値を用いて前記慣性トルクを求めることを特徴とするインパクト回転工具の制御装置。
  15. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、円周方向の加速度と径方向の加速度をそれぞれ測定するように構成され、
    前記トルク演算部は、前記第2測定部が測定した円周方向の測定値を、前記出力軸の中心位置から前記第2測定部の取付位置までの距離で割ることによって角加速度を求め、
    前記停止時点は、前記第2測定部が測定した径方向の加速度がゼロになる時点であり、
    前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前の時点、又は前記停止時点の前の一定時間の期間であり、
    前記トルク演算部は、前記停止時点の所定時間前の時点を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度を前記締付けトルクの演算に用い、前記停止時点の前の一定時間の期間を前記対象期間とした場合は前記対象期間における前記角加速度の平均値を前記締付けトルクの演算に用いるように構成されたことを特徴とする請求項14に記載のインパクト回転工具の制御装置。
  16. 前記第2測定部は、前記出力軸の外周部に取り付けられて、前記出力軸の角速度を測定するように構成され、
    前記停止時点は、前記第2測定部が測定した角速度がゼロになる時点であり、
    前記対象期間は、前記停止時点の所定時間前までの一定時間の期間であり、
    前記トルク演算部は、前記対象期間における角速度の微分値または平均変化率から角加速度を求めて、締付けトルクの演算に用いるように構成されたことを特徴とする請求項14に記載のインパクト回転工具の制御装置。
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