JP6276670B2 - 大気圧プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のシートを連続的に表面処理する大気圧プラズマ処理装置に関する。
プラスチックフィルムのぬれ性向上など表面性状の改質や、エッチング、微細加工などのために、物質の表面にプラズマを照射する大気圧プラズマ処理装置が知られている。大気圧プラズマ処理装置でシート状物質を効率的に表面処理する場合、帯状のシートを大気圧プラズマ処理装置に連続的に供給し、シートにプラズマを連続的に照射するように構成されている。
例えば、特許文献1のプラズマ処理装置は、回転するローラ状の電極と、複数の第2電極との間でプラズマを発生し、ローラ状の電極にシートを巻き掛けて搬送することで、シートに対して連続的にプラズマ処理をしている。そして、複数の第2電極を容器で囲み、この容器へ入るシートを、ローラ状の電極とシール用ローラとで挟み込んで、プラズマ放電部に外気が入り込まないように構成されている。
また、他のプラズマ処理装置においては、第2電極を容器で囲むことなく、ローラ状の電極と第2電極の間のプラズマ放電部に向けてシートの搬送方向上流側からノズルでプラズマ励起ガスを吹き付けるように構成されている。
特開2005−103535号公報
しかし、特許文献1のように、外気を遮断するためにシートを2つのローラで挟むと、シール用ローラの周速がシートの搬送速度と完全に一致せず、シートとシール用ローラが擦れてシートの表面を傷めるおそれがある。特に、生産性向上のためにシートを高速で搬送しようとすると、この問題の解決は非常に困難となる。
一方、第2電極を容器で囲むことなく、ノズルでプラズマ励起ガスを吹き付ける構成の場合、シートの傷みの問題は無いが、シートの搬送速度を大きくすると、シートに同伴する空気がシートの表面付近で乱流となり、シートの全面で均一に表面処理をすることができないという問題がある。
そこで、本発明は、帯状のシートを連続的かつ高速で、均一に表面処理する大気圧プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決する本発明は、帯状のシートを連続的に表面処理する大気圧プラズマ処理装置であって、外周面にシートが巻き掛けられ、回転するように構成されたローラ形状の第1電極と、第1電極と対向する第2電極と、第1電極と第2電極の間で第2電極に接して設けられた誘電体からなるバリアと、第1電極とバリアの間にプラズマ励起ガスを供給するガス供給装置とを備える。そして、ガス供給装置は、第2電極のシートの搬送方向上流側でバリアと連続して設けられるチャンバと、プラズマ励起ガスを供給するガス供給源と、チャンバに設けられ、ガス供給源が接続される供給口と、チャンバ内からシートに向けてプラズマ励起ガスを送り出すための、第1電極の回転軸線方向に延びるスリット状の送出口と、送出口よりも搬送方向上流側でチャンバから第1電極に向けて延出し、シートに対し隙間を介して対向する上流側シール部とを有することを特徴とする。
このような構成によると、上流側シール部は、シートに対して隙間を介して対向しているので、上流側シール部でシートを傷つけるおそれがなく、シートを高速で搬送しながらプラズマ処理をすることができる。また、ガス供給装置は、ガス供給源から供給口を通じてプラズマ励起ガスをチャンバ内に受け入れ、チャンバ内で流速を緩めた後、スリット状の送出口から層状に送り出すので、シートの表面に整流されたプラズマ励起ガスを供給することができる。さらに、この装置は、上流側シール部により、シートに同伴する空気を可能な限り排除するので、シートを高速で搬送しても空気がシート表面付近で乱流になりにくく、プラズマ放電部にプラズマ励起ガスを均一に供給することができる。このため、本発明の大気圧プラズマ処理装置によれば、帯状のシートを連続かつ高速で、均一に表面処理することができる。
前記した装置において、ガス供給装置は、送出口よりも回転軸線方向外側でチャンバから第1電極に向けて延出し、シートに対し隙間を介して対向するサイドシール部を有する構成とすることができる。
そして、大気圧プラズマ処理装置は、チャンバを構成し、チャンバの搬送方向上流側の壁である上流壁を有するチャンバ構成部材を備えることができる。バリアは、第2電極よりも搬送方向上流側に延出した延出部を有し、当該延出部は、シートに対面する面と反対側がチャンバ内に面し、搬送方向上流側の端部が、上流壁との間で送出口となる隙間を形成する。上流壁は、延出部よりも第1電極側に突出して上流側シール部を構成しており、チャンバ内に面する第1壁面と、上流側シール部の搬送方向下流側の第2壁面とを有する。上流壁は、第1壁面から第2壁面までが、同一平面上にある。
このような構成によると、チャンバと第1電極の間の空間に、第1電極の回転軸線方向外側から空気が入り込みにくいので、シートの表面付近に均一にプラズマ励起ガスを供給して、均一に表面処理することができる。
前記した装置において、上流側シール部とシートとの距離は、バリアとシートとの距離よりも小さくすることが望ましい。
このような構成によると、プラズマ励起ガスがバリアと第1電極の間に流れやすく、安定したプラズマを発生させることができる。
前記した装置において、送出口の搬送方向における大きさは、チャンバ内の空間の搬送方向における大きさよりも小さくすることができる。
このような構成によると、チャンバ内でプラズマ励起ガスを滞留させてから送り出すことができるので、送出口から送り出すプラズマ励起ガスの流れを安定させることができる。
前記した装置において、送出口は、チャンバの搬送方向上流側の壁面と、第2電極側から搬送方向上流側に向かって延びる仕切壁との隙間として形成することができる。
このような構成によると、チャンバの上流側の端部に送出口が配置されるので、上流側シール部を通過してきたシートにすぐにプラズマ励起ガスを供給することができ、シートに同伴された空気の乱流を抑制し、均一な表面処理を実現することができる。
前記した装置において、仕切壁は、バリアにより構成することができる。
このような構成によれば、バリアを利用してチャンバをコンパクトに構成することができる。
前記した装置において、供給口はチャンバの内壁面に対面していることが望ましい。
このような構成によると、供給口からチャンバに入ったプラズマ励起ガスをチャンバ内で滞留させやすくなり、送出口から送り出すプラズマ励起ガスの流れを安定させることができる。
前記した装置において、上流側シール部とシートの間の隙間は、0.05〜5mmとすることができる。
このように、上流側シール部とシートの間を小さく設定することで、シートに同伴する空気を効果的に排除することができる。
前記した装置において、供給口の搬送方向における大きさは、チャンバ内の空間の搬送方向における大きさよりも小さい構成とすることができる。
前記した装置において、バリアとシートの距離は0.1〜5mmとすることができる。
前記した装置において、バリアと第1電極の間のプラズマ放電部におけるプラズマ励起ガスの流速は、1〜5m/sとすることができる。
前記した装置において、ガス供給源は、上流側シール部とシートの間からプラズマ励起ガスが搬送方向上流側に漏れるようにガス供給圧が調整されていることが望ましい。
このように構成によれば、上流側シール部とシートの間からシートに同伴する空気がチャンバと第1電極の間の空間に入りにくくなり、シートの表面付近に均一にプラズマ励起ガスを供給して、均一に表面処理することができる。
前記した装置において、搬送方向における送出口と第2電極との距離は、20〜60mmとすることができる。
前記した装置において、搬送方向における第2電極の大きさは、10〜30mmとすることができる。
前記した装置において、第1電極は、50m/分以上の周速で回転するように構成することができる。
本発明の大気圧プラズマ処理装置によれば、帯状のシートを連続かつ高速で、均一に表面処理することができる。
一実施形態に係る大気圧プラズマ処理装置を説明する図である。 チャンバ構成部材の斜視図である。 チャンバおよび第2電極付近の拡大図である。 変形例の大気圧プラズマ処理装置を説明する図である。 比較例の大気圧プラズマ処理装置を説明する図である。 各実施例および比較例における酸素濃度と水接触角の測定結果を示す表である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、大気圧プラズマ処理装置1は、帯状のシートSを連続的に表面処理する装置であり、第1電極11と、第2電極12と、バリア13と、電源装置15と、第1電極11とバリア13の間にプラズマ励起ガスを供給するガス供給装置2とを備えて構成されている。また、ガス供給装置2は、チャンバ構成部材20と、ガス供給源30とを有して構成されている。
第1電極11は、ローラ形状の導電体からなり、回転軸線A1を中心に回転可能に構成されている。第1電極11の外周面11Aには、ローラ19によって搬送方向を案内されている長尺のシートSが巻き掛けられている。第1電極11の周速は、シートSの搬送速度を規定しており、シートSを所望の品質で均一に表面処理できる限りで大きい方が良い。例えば、第1電極11の周速は50m/分以上であり、400m/分以下とすることができる。なお、処理対象であるシートSは、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムであるが、材質、厚さなどは特に限定されない。
第2電極12は、バリア13を介して第1電極11と対向して配置されている。第2電極12は、金属などの導電体から構成され、回転軸線A1の方向に長い四角い断面の棒状に形成されている。
バリア13は、平板状の誘電体からなり、第1電極11と第2電極12の間で、第2電極12に接して設けられている。バリア13は、第1電極11と第2電極12との間で十分な絶縁を確保するため、シートSの搬送方向(以下、単に「搬送方向」ともいう。)に第2電極12よりも大きく形成され、第2電極12の第1電極11に対向する対向面12Aの全面を覆った上、対向面12Aに対してシートSの搬送方向上流側および下流側に進出している。
電源装置15は、第1電極11と第2電極12の間に交流電圧を印加する装置である。
チャンバ構成部材20は、バリア13とともにチャンバCを形成する部材であり、電気絶縁性が高い材質により構成されている。この材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネートなどのプラスチックや、酸化アルミニウムなどのセラミックスを採用することができる。チャンバ構成部材20は、図2に示すように、シートSの搬送方向上流側の上流壁21と、下流側の下流壁22と、回転軸線A1方向の両側で上流壁21と下流壁22を繋ぐ一対の側壁23と、上流壁21、下流壁22および一対の側壁23を第1電極11と反対側で繋ぐ上壁24とを備えて箱状に構成されている。なお、図2においては、第2電極12とバリア13は省略している。
図3に示すように、チャンバ構成部材20は、第2電極12に対しシートSの搬送方向上流側で、バリア13に連続して設けられている。具体的には、下流壁22の下端がバリア13に接するとともに、下流壁22の、搬送方向下流側の面が第2電極12に接している。バリア13は、第2電極12の下方から搬送方向上流側に向かって延出し、チャンバ構成部材20の下側に入り込んでいる。すなわち、バリア13は、チャンバCの第1電極11側の壁である仕切壁を構成している。このように、バリア13を利用してチャンバCを構成することで、チャンバCをコンパクトに構成することが可能となっている。
チャンバ構成部材20の上壁24には、図2に示すように、回転軸線A1方向に離れた2つの供給口28が設けられている。供給口28は、図1に示すように、ガス供給源30に接続されており、ガス供給源30からチャンバC内にプラズマ励起ガスを供給可能となっている。
図3に示すように、バリア13の搬送方向上流側の端部は、上流壁21から離れており、上流壁21の壁面との間でチャンバC内からシートSに向けてプラズマ励起ガスを送り出すための送出口29を形成している。バリア13と上流壁21の隙間は一定であり、送出口29は、回転軸線A1方向に延びるスリット状に形成されている。また、送出口29は、供給口28よりも搬送方向上流側にずれており、供給口28は、チャンバCの内壁面、ここではバリア13の上面に対面している。このため、供給口28からチャンバC内に入ったプラズマ励起ガスは、バリア13に当たってチャンバC内で滞留した後に送出口29から出るようになっている。
上流壁21は、バリア13よりも第1電極11側に突出し、その端部に、シートSに対して隙間27Aを介して対向する上流側シール部21Aを有している。上流側シール部21Aは、送出口29よりも搬送方向上流側で、チャンバCから第1電極11に向けて延出している。
側壁23は、バリア13よりも第1電極11側に突出し、その端部に、シートSに対して隙間27Bを介して対向するサイドシール部23Aを有している(図2も参照)。サイドシール部23Aは、送出口29よりも回転軸線A1方向の外側でチャンバCから第1電極11に向けて延出している。
図1に示すように、ガス供給源30は、プラズマ励起ガスを供給するための装置であり、プラズマ励起ガスを供給する圧力を調整する弁や、供給量を調整するスピードコントローラなどを有している。プラズマ励起ガスは、所望のプラズマ処理を実施するための適宜なガスを用いることができ、例えば、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどを採用することができる。ガス供給源30は、上流側シール部21AとシートSの間からプラズマ励起ガスが搬送方向上流側に漏れるように、また、図3に示すサイドシール部23AとシートSの間からプラズマ励起ガスが回転軸線A1方向の外側に漏れるようにガス供給圧が適度に高く調整されていることが望ましい。
また、ガス供給源30は、バリア13と第1電極11の間のプラズマ放電部18におけるプラズマ励起ガスの流速が1〜5m/sとなるようにガス供給圧が調整されていることが望ましい。
図3に示すように、上流側シール部21AとシートSの隙間27Aは、上流側シール部21AがシートSに干渉しない限度で小さく設定するのがよく、例えば、0.05〜5mmとすることができ、より望ましくは、0.1〜0.3mmである。このように、上流側シール部21AとシートSの隙間27Aを小さく設定することで、シートSに同伴する空気を効果的に排除することができる。
サイドシール部23AとシートSの隙間27Bも、サイドシール部23AがシートSに干渉しない限度で小さく設定するのがよく、例えば、0.05〜5mmとすることができ、より望ましくは、0.1〜0.3mmである。
一方、バリア13とシートSの距離(プラズマ放電部18における隙間)は、0.1〜5mmとすることができる。この距離は、0.3〜2mmであることがより望ましく、0.5〜1mmであることがさらに望ましい。
上流側シール部21AとシートSとの距離D1は、バリア13とシートSとの距離D2よりも小さいことが望ましい。距離D1が距離D2よりも小さいことで、送出口29からシートSに向けて送り出されたプラズマ励起ガスは、隙間27Aよりもプラズマ放電部18から外部へ出やすくなるので、プラズマ放電ガスは、シートSの搬送方向に沿って流れやすくなり、流れが乱れにくくなるとともに、プラズマ放電部18に効率よくプラズマ励起ガスを供給することができる。
チャンバC内の空間(チャンバ内空間25)の搬送方向における大きさD3は、供給口28の搬送方向における大きさD4よりも大きくなっている。これにより、供給口28から入ったプラズマ励起ガスの流れは、チャンバC内で緩やかになって、乱流となることが抑制される。
送出口29の搬送方向における大きさD5は、0.5〜10mm、より望ましくは、0.5〜1mmであり、チャンバ内空間25の搬送方向における大きさD3よりも小さくなっている。これにより、プラズマ励起ガスをチャンバC内でゆっくりと滞留させた後、送出口29から層状に速く送り出すことが可能となっている。チャンバ内空間25の大きさD3は、プラズマ励起ガスを滞留させるためには、大きいほど好ましく、20mm以上であることが望ましい。
第2電極12の搬送方向における大きさD6は、10〜30mmとすることができる。そして、バリア13の、搬送方向において第2電極12からオーバーハング量D7は、上流側および下流側ともに20〜60mmとすることができる。すなわち、搬送方向における送出口29と第2電極12の距離は、20〜60mmとすることができる。
なお、図2に示すように、チャンバ構成部材20(チャンバC)の回転軸線A1方向における大きさは、シートSの幅(回転軸線A1方向における大きさ)よりも小さくされているが、この大小関係は逆であってもよい。
以上のように構成された大気圧プラズマ処理装置1の作用効果について説明する。
図1に示すように、第1電極11に、処理対象となる長尺のシートSを巻き掛け、第1電極11を回転させながら、電源装置15により、第1電極11と第2電極12の間に交流電圧を印加する。すると、第1電極11と第2電極12の間のプラズマ放電部18においてグロー放電プラズマが発生し、シートSの表面処理がなされる。
このとき、シートSの表面に同伴してきた空気は、図3に示すように、上流側シール部21Aによりその大部分が削ぎ落とされる。そして、上流側シール部21Aの搬送方向下流側では、プラズマ励起ガスが上流壁21に沿って送出口29を通過し、隙間27Aを通過した直後のシートSにぶつかる。その後、プラズマ励起ガスは、シートSに沿って搬送方向下流側へ流れの向きを変え、プラズマ放電部18へと流れる。ここで、上流側シール部21AによってシートSに同伴してきた空気がほとんど排除されているため、この空気がシートSの表面で乱流を形成することが抑制され、シートSの表面付近では、プラズマ励起ガスが層状になって搬送方向下流側へ流れる。しかも、上流側シール部21Aは、シートSに対して隙間27Aを介して対向しているので、上流側シール部21AでシートSを傷つけるおそれがない。
また、供給口28からチャンバCに入ったプラズマ励起ガスは、チャンバC内で一旦流れが緩やかにされることで乱れが押さえられ、チャンバC内で滞留した後に、スリット状の送出口29から整流されて送り出される。
さらに、大気圧プラズマ処理装置1は、サイドシール部23Aを有しているので、チャンバCと第1電極11の間の空間に、第1電極11の回転軸線A1方向の外側から空気が入り込みにくい。
このようにして、プラズマ放電部18においては、外部の空気の濃度が低く抑えられ、プラズマ放電部18にプラズマ励起ガスが均一に供給されるので、安定したプラズマを発生させることができ、帯状のシートSを高速で均一に表面処理をすることができる。
そして、大気圧プラズマ処理装置1は、上流側シール部21Aと第1電極11の距離がバリア13と第1電極11との距離よりも小さいので、プラズマ励起ガスがバリア13と第1電極11の間に流れやすく、安定したプラズマを発生させることができる。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
例えば、図4に示した大気圧プラズマ処理装置1Bのように、1つの第1電極11に対して複数、例えば3組の第2電極12、バリア13、チャンバCなどを設けて、シートSに対して複数箇所のプラズマ放電部18を通過させ、複数回プラズマ処理をしてもよい。このようにすれば、より高速で均一にシートSを表面処理することができる。なお、図4では、第2電極12などを3組ずつ設けたが、必要に応じて2組ずつとしてもよいし、4組以上としてもよい。
前記実施形態では、チャンバCは、第2電極12と接して設けられていたが、バリア13と接してバリア13とチャンバCの間からプラズマ放電部18に空気が混入することが防止されていれば、第2電極12に直接接していなくてもよい。
前記実施形態では、バリア13を利用してチャンバCを構成していたが、バリア13と別の部材でチャンバCを構成してもよい。また、送出口29の位置は、チャンバCの搬送方向上流側の端部に限られず、チャンバCにおける搬送方向下流側の位置や、搬送方向中央でもよい。
前記実施形態において、大気圧プラズマ処理装置1は、サイドシール部23Aを備えていたが、チャンバCや第1電極11がシートSに対して十分に広い幅を有していて、シートS表面に幅方向外側から流れ込む空気の影響がほとんど無いような場合には、サイドシール部23Aを設けなくてもよい。
次に、本発明の大気圧プラズマ処理装置の効果を確認した実験について説明する。実施例においては、前記実施形態の大気圧プラズマ処理装置1と同様の構成(「ガスチャンバ供給方式」とする。)で実施した。比較例においては、図5に示すように、チャンバ構成部材20を外し、ノズル40からプラズマ励起ガスを供給した構成(「ノズル供給方式」とする。)で実施した。ガスチャンバ供給方式においては、バリア13と第1電極11の距離を一定とし、隙間27A(「シール隙間」とする。)の距離を0.3mmまたは11mmにした場合の2種類で実験を行った。ノズル供給方式においては、シール隙間D8を2mmとした。
各実施例および比較例の評価として、シール隙間の下流側における酸素濃度とプラスチックシートの表面処理後の水接触角を測定した。なお、プラズマ励起ガスは、窒素と酸素を混合した気体である。以下に、実験における条件等を示す。
[処理対象]
材質:ポリエチレンテレフタレート(富士フイルム株式会社製 フジペット)
厚さ:125μm
[大気圧プラズマ放電条件]
投入電力 :190W
電極幅(プラズマ放電幅):180mm
窒素ガス流量 :19.8L/分
酸素ガス流量 :0.2L/分
処理速度 :20m/分または50m/分
バリアとシートの距離 :0.5mm
[水接触角測定条件]
測定器 :ポータブル接触角計PCA−1(協和界面科学株式会社製)
測定位置:シートの幅方向中央位置および中央から幅方向に60mmの位置の計3カ所
なお、未処理状態のプラスチックシートの水接触角は62°であった。
[酸素濃度測定条件]
測定器 :高機能型ジルコニア式酸素濃度計LC−860
(東レエンジニアリング株式会社製)
測定位置:シール隙間の下流側(実施例 図3の位置P1、比較例 図5の位置P2)
各実施例および比較例における酸素濃度と水接触角の測定結果を図6にまとめて示す。表におけるnは実験数である。
図6に示すように、処理速度が20m/分と50m/分のいずれの場合においても、比較例1,2よりも実施例1〜4の方が、酸素濃度が低かった。特に、シール隙間が0.3mmの実施例1,3においては、シール隙間が11mmの実施例2,4よりも酸素濃度が低く、シートに同伴する空気を効果的に遮断できることが確認された。
水接触角は、処理速度が20m/分と50m/分のいずれの場合においても、比較例1,2では、ばらつき(標準偏差)が大きいのに対して、実施例1〜4では、ばらつきが小さかった。すなわち、実施例の方が、シートの全面にわたって比較的均一に表面処理をすることができることが確認された。特に、処理速度が50m/分と高速の場合、比較例2において水接触角のばらつきが大きかった。また、シール隙間が0.3mmの実施例1,3においては、シール隙間が11mmの実施例2,4よりも水接触角のばらつきが小さく、均一に表面処理をすることができることが確認された。
1 大気圧プラズマ処理装置
2 ガス供給装置
11 第1電極
12 第2電極
13 バリア
15 電源装置
18 プラズマ放電部
20 チャンバ構成部材
21 上流壁
21A 上流側シール部
23 側壁
23A サイドシール部
25 チャンバ内空間
27A 隙間
27B 隙間
28 供給口
29 送出口
30 ガス供給源
A1 回転軸線
C チャンバ
S シート

Claims (12)

  1. 帯状のシートを連続的に表面処理する大気圧プラズマ処理装置であって、
    外周面に前記シートが巻き掛けられ、回転するように構成されたローラ形状の第1電極と、
    前記第1電極と対向する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間で前記第2電極に接して設けられた誘電体からなる平板状のバリアと、
    前記第1電極と前記バリアの間にプラズマ励起ガスを供給するガス供給装置とを備え、
    前記ガス供給装置は、
    前記第2電極の前記シートの搬送方向上流側で前記バリアと連続して設けられるチャンバと、
    前記プラズマ励起ガスを供給するガス供給源と、
    前記チャンバに設けられ、前記ガス供給源が接続される供給口と、
    前記チャンバ内から前記シートに向けて前記プラズマ励起ガスを送り出すための、前記第1電極の回転軸線方向に延びるスリット状の送出口と、
    前記送出口よりも前記搬送方向上流側で前記チャンバから前記第1電極に向けて延出し、前記シートに対し隙間を介して対向する上流側シール部と
    前記送出口よりも前記回転軸線方向外側で前記チャンバから前記第1電極に向けて延出し、前記シートに対し隙間を介して対向するサイドシール部と、
    前記チャンバを構成し、前記チャンバの前記搬送方向上流側の壁である上流壁を有するチャンバ構成部材と、
    を備え、
    前記バリアは、前記第2電極よりも前記搬送方向上流側に延出した延出部を有し、当該延出部は、前記シートに対面する面と反対側が前記チャンバ内に面し、前記搬送方向上流側の端部が、前記上流壁との間で前記送出口となる隙間を形成し、
    前記上流壁は、前記延出部よりも前記第1電極側に突出して前記上流側シール部を構成しており、前記チャンバ内に面する第1壁面と、前記上流側シール部の前記搬送方向下流側の第2壁面とを有し、
    前記上流壁は、前記第1壁面から前記第2壁面までが、同一平面上にあることを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
  2. 前記上流側シール部と前記シートとの距離は、前記バリアと前記シートとの距離よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  3. 前記送出口の前記搬送方向における大きさは、前記チャンバ内の空間の前記搬送方向における大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  4. 前記供給口は前記チャンバの内壁面に対面していることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  5. 前記上流側シール部と前記シートの間の隙間は、0.05〜5mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  6. 前記供給口の前記搬送方向における大きさは、前記チャンバ内の空間の前記搬送方向における大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  7. 前記バリアと前記シートの距離は0.1〜5mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  8. 前記バリアと前記第1電極の間のプラズマ放電部における前記プラズマ励起ガスの流速は、1〜5m/sであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  9. 前記ガス供給源は、前記上流側シール部と前記シートの間から前記プラズマ励起ガスが前記搬送方向上流側に漏れるようにガス供給圧が調整されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  10. 前記搬送方向における前記送出口と前記第2電極との距離は、20〜60mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  11. 前記搬送方向における前記第2電極の大きさは、10〜30mmであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  12. 前記第1電極は、50m/分以上の周速で回転するように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
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