JP6275338B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、回転子の回転子鉄心に磁石が設けられている回転電機に関するものである。
車両用回転電機では、複数の爪状磁極部をそれぞれ有する2つの界磁鉄心を組み合わせたクローポール型回転子が用いられることがある。クローポール型回転子では、一方の界磁鉄心の爪状磁極部と、他方の界磁鉄心の爪状磁極部とが、周方向について交互に配置されているとともに、各爪状磁極部の径方向内側に界磁コイルが配置されている。また、クローポール型回転子では、各爪状磁極部間の磁束漏れを抑制するために、互いに隣り合う2つの爪状磁極部の間に永久磁石が配置されている。クローポール型回転子では、回転時の遠心力によって、爪状磁極部が径方向外側へ開き、永久磁石が径方向外側へ飛散するおそれがある。
従来、爪状磁極部の変形及び永久磁石の飛散を防止するために、界磁鉄心を囲む筒状の保護カバーを爪状磁極部の先端部に当接させた状態で、保護カバーを爪状磁極部の先端部に溶接等によって固定した車両用発電機の回転子が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、従来、爪状磁極部の変形及び永久磁石の飛散を防止するために、永久磁石の外周面に保護カバーを重ねた状態で保護カバーを爪状磁極部に溶接によって固定した自動車用オルタネータの回転子も提案されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、従来、界磁鉄心に対する永久磁石の移動を防止するために、永久磁石と係合する磁石支持リングを永久磁石の内周側に設けた回転子を備えた回転電機も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開平9−98556号公報 特開平7−312854号公報 特許4697292号公報
特許文献1に示されている従来の回転電機では、N極の爪状磁極とS極の爪状磁極との両方に保護カバーが接しているため、回転電機の界磁コイルへの通電により回転電機がトルクを発生する時に、S極の爪状磁極の先端部から保護カバーへ短絡する磁路と、N極の爪状磁極の先端部から保護カバーへ短絡する磁路とが発生する。このため、回転電機がトルクを発生するための磁束が減少してしまい、回転電機のトルクおよび出力を高めることができないという問題があった。
特許文献2に示されている従来の回転電機では、略立方体の永久磁石が、爪形磁極の爪部の先端に接し、この爪部と極性が等しくなるように配置され、かつ保護カバーにも接しているため、保護カバーが磁性材料で構成されている場合には、保護カバーの全周の一部を通り、周方向について互いに接する爪形磁極と略立方体の永久磁石とを結ぶ短絡磁路が発生する。この短絡磁路は、爪形磁極の外周面と略立方体の永久磁石の外周面とのそれぞれに垂直な磁路となる。この短絡磁路の磁束は、爪形磁極の側面と略立方体の永久磁石の側面とが互いに接し短絡磁路の長さが短くなる場所、即ち爪形磁極と略立方体の永久磁石との周方向の境界付近に集中しやすい。このため、保護カバーの全周を磁気飽和させることができず、界磁コイルへの通電により回転電機がトルクを発生する時に、回転電機がトルクを発生するための磁束が減少してしまい、回転電機のトルクおよび出力を高めることができないという問題があった。
特許文献3に示されている従来の回転電機では、界磁コイルへの通電を行っていない無負荷無励磁の状態において回転子が回転すると、永久磁石からの磁束が固定子の固定子コイルに鎖交することにより、誘起電圧が固定子コイルに発生する。従って、回転子の永久磁石の量を増加させると、固定子コイルに発生する誘起電圧も増加し、回転子の高速回転時に固定子コイルの電圧が母線電圧を超えて、回転電機の状態が意図せずに発電状態になってしまうおそれがある。これにより、例えば回転電機に接続されたバッテリなどが過充電状態になってしまうという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、界磁コイルへの通電時にトルクを向上させ、無負荷無励磁状態で固定子コイルに発生する誘起電圧を抑制することができる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、固定子と、固定子の内側に回転可能に配置されている回転子とを備え、固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心に設けられている固定子コイルとを有し、回転子は、第1の界磁鉄心部及び第2の界磁鉄心部を有する回転子鉄心と、回転子鉄心に設けられている界磁コイルと、回転子鉄心の周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の磁石と、第1の界磁鉄心部に設けられている第1の外周部材と、第2の界磁鉄心部に設けられている第2の外周部材とを有し、第1の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第1の爪部を有し、第2の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第2の爪部を有し、第1の界磁鉄心部及び第2の界磁鉄心部は、第1の爪部と第2の爪部とが周方向について交互に配置された状態で互いに組み合わされており、各磁石は、第1の爪部と第2の爪部との間に存在している磁石収容空間に配置され、かつ第2の爪部から第1の爪部に向かう方向に着磁され、第1の外周部材は、磁性材料で構成されている第1の環状体を有し、第1の環状体の径方向内側の面は、第1の爪部及び磁石の少なくともいずれかに接し、第2の外周部材は、磁性材料で構成されている第2の環状体を有し、第2の環状体の径方向内側の面は、第2の爪部及び磁石の少なくともいずれかに接し、第1の外周部材と第2の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在し、第2の外周部材と第1の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在している。
この発明による回転電機の回転子によれば、界磁コイルへの通電時にトルクを向上させることができる。また、界磁コイルへの通電が行われていない状態、即ち無負荷無励磁状態において、第1の爪部及び第2の爪部から固定子側へ鎖交する磁石からの磁束量を減少させることができる。これにより、無負荷無励磁状態で固定子コイルに発生する誘起電圧を抑制することができる。
この発明の実施の形態1による回転電機を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1による回転電機を示す分解斜視図である。 図1の回転子を示す斜視図である。 図3の回転子を示す分解斜視図である。 図4の第1の爪部及び第2の爪部を含む回転子鉄心の要部を示す拡大斜視図である。 図4の界磁コイルへの通電により各第1の爪部及び各第2の爪部に磁極が形成されている回転子を示す側面図である。 図5の磁石収容空間に磁石が配置されている状態を示す拡大斜視図である。 図7の回転子鉄心に第1の外周部材及び第2の外周部材が設けられている状態を示す要部拡大斜視図である。 図8の回転子鉄心に第1の外周部材及び第2の外周部材が設けられている状態を示す要部側面図である。 図8の第1の外周部材の突起部が配置されている空間領域を示す要部拡大斜視図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の回転子の他の例を示す要部側面図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の回転子における第1の外周部材の他の例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の回転子における第1の外周部材の他の例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による回転電機の回転子の要部を示す斜視図である。 図14の第1の外周部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による回転電機の回転子における第1の外周部材の他の例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の回転子の要部を示す斜視図である。 図17の第1の外周部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の回転子における第1の外周部材の他の例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の回転子における第1の外周部材の他の例を示す斜視図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1による回転電機を示す分解斜視図である。なお、図1では、固定子コイルの図示を省略している。図において、回転電機は、回転軸100と、回転軸100に固定されている回転子200と、径方向について隙間を介して回転子200を囲む筒状の固定子300と、回転軸100、回転子200及び固定子300を支持するフレーム400とを有している。回転軸100、回転子200及び固定子300は、回転電機の軸線と同軸に配置されている。
フレーム400は、回転軸100の軸線方向について互いに対向して配置されているフロントフレーム401及びリアフレーム402を有している。フロントフレーム401及びリアフレーム402は、複数のボルト403によって互いに締結されている。この例では、フロントフレーム401とリアフレーム402とが4本のボルト403によって互いに締結されている。また、フレーム400は、フロントフレーム401及びリアフレーム402によって回転子200及び固定子300を覆っている。
回転軸100の一端部はフロントフレーム401を貫通し、回転軸100の他端部はリアフレーム402を貫通している。回転軸100は、フロントフレーム401及びリアフレーム402のそれぞれに設けられている図示しない2つの軸受によって回転自在に支持されている。
固定子300は、筒状の固定子鉄心301と、固定子鉄心301に設けられている固定子コイル302とを有している。固定子300は、固定子鉄心301がフロントフレーム401及びリアフレーム402に嵌った状態で、フレーム400に保持されている。これにより、固定子300は、フレーム400に対して固定されている。
回転子200は、固定子300の内側に固定子300の内周面と隙間を介して配置されている。また、回転子200は、固定子300に対して、回転軸100の軸線を中心として回転軸100と一体に回転可能になっている。
図3は、図1の回転子200を示す斜視図である。また、図4は、図3の回転子200を示す分解斜視図である。回転子200は、図4に示すように、第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2を含む回転子鉄心3と、回転子鉄心3に設けられている界磁コイル4と、回転子鉄心3の周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の磁石5と、第1の界磁鉄心部1に設けられている第1の外周部材6と、第2の界磁鉄心部2に設けられている第2の外周部材7とを有している。なお、図示しないが、回転子鉄心3の軸線方向両端部には、板金で構成されたファンが固定されている。
第1の界磁鉄心部1は、第1のボス部11と、第1のボス部11の外周部に設けられている第1の継鉄部12と、第1の継鉄部12の外周部に設けられている複数の第1の爪部13とを有している。
第1のボス部11の形状は、第1の界磁鉄心部1の軸線を中心線とする円柱状である。第1のボス部11の中心には、第1の界磁鉄心部1の軸線に沿った貫通穴が設けられている。第1の界磁鉄心部1は、第1のボス部11の貫通穴に回転軸100が通されている状態で、回転軸100に固定されている。また、第1のボス部11の一部は、第1の継鉄部12から軸線方向へ突出している。
各第1の爪部13は、第1の界磁鉄心部1の周方向について互いに間隔を置いて配置されている。この例では、各第1の爪部13が周方向について等間隔に配置されている。また、各第1の爪部13のそれぞれの一部は、第1のボス部11と同じ方向へ第1の継鉄部12から突出している。
第1の継鉄部12の外周部には、複数の溝14が第1の界磁鉄心部1の軸線方向に沿って設けられている。溝14は、第1の界磁鉄心部1の周方向についての各第1の爪部13の間の位置にそれぞれ設けられている。
第2の界磁鉄心部2は、第2のボス部21と、第2のボス部21の外周部に設けられている第2の継鉄部22と、第2の継鉄部22の外周部に設けられている複数の第2の爪部23とを有している。
第2のボス部21の形状は、第2の界磁鉄心部2の軸線を中心線とする円柱状である。第2のボス部21の中心には、第2の界磁鉄心部2の軸線に沿った貫通穴が設けられている。第2の界磁鉄心部2は、第2のボス部21の貫通穴に回転軸100が通されている状態で、回転軸100に固定されている。また、第2のボス部21の一部は、第2の継鉄部22から軸線方向へ突出している。
各第2の爪部23は、第2の界磁鉄心部2の周方向について互いに間隔を置いて配置されている。この例では、各第2の爪部23が周方向について等間隔に配置されている。また、各第2の爪部23のそれぞれの一部は、第2のボス部21と同じ方向へ第2の継鉄部22から突出している。
第2の継鉄部22の外周部には、複数の溝24が第2の界磁鉄心部2の軸線方向に沿って設けられている。溝24は、第2の界磁鉄心部2の周方向についての各第2の爪部23の間の位置にそれぞれ設けられている。
第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2は、第1の継鉄部12からの第1のボス部11の突出部分と、第2の継鉄部22からの第2のボス部21の突出部分とを回転軸100の軸線方向について突き合わせた状態で配置されている。また、第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2は、第1の爪部13と第2の爪部23とが周方向について交互に配置された状態で互いに組み合わされている。第1の爪部13と第2の爪部23とは、回転子鉄心3の周方向について互いに間隔を置いて配置されている。この例では、第1の爪部13と第2の爪部23とが周方向について交互に等間隔で配置されている。
ここで、図5は、図4の第1の爪部13及び第2の爪部23を含む回転子鉄心3の要部を示す拡大斜視図である。第1の爪部13及び第2の爪部23は、第1の爪部13の側面と第2の爪部23の側面とを回転子鉄心3の周方向について互いに対向させた状態で配置されている。第1の爪部13の周方向幅及び径方向厚さは、第1の継鉄部12から第2の継鉄部22に近づくにつれて連続的に小さくなっている。第2の爪部23の周方向幅及び径方向厚さは、第2の継鉄部22から第1の継鉄部12に近づくにつれて連続的に小さくなっている。これにより、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれの側面は、回転子鉄心3の軸線に対して回転子鉄心3の周方向へ傾斜している。
周方向について互いに隣り合う第1の爪部13及び第2の爪部23間には、磁石収容空間31が存在している。磁石収容空間31は、第1の爪部13の側面と第2の爪部23の側面とで挟まれた空間である。磁石収容空間31を挟む2つの側面は、互いに平行になっている。磁石収容空間31は、磁石収容空間31を挟む2つの側面に沿って形成されている。これにより、磁石収容空間31の長手方向は、回転子鉄心3の軸線に対して回転子鉄心3の周方向へ傾斜している。
第1の爪部13の第1の継鉄部12側の端部を第1の爪部13の根元部とし、第1の爪部13の第2の継鉄部22側の端部を第1の爪部13の先端部とすると、第1の爪部13の根元部の径方向外周部には、回転子鉄心3の周方向に沿った第1の外周溝131が設けられている。また、第1の爪部13の根元部以外の径方向外周部には、回転子鉄心3の周方向について第1の爪部13から両側へ突出する一対の第1の外れ止め部132が設けられている。一対の第1の外れ止め部132の径方向厚さは、第1の外周溝131の深さよりも薄くなっている。従って、各第1の外れ止め部132の径方向内側の面の位置は、第1の外周溝131の深さ方向底面の位置よりも径方向外側に存在している。
第2の爪部23の第2の継鉄部22側の端部を第2の爪部23の根元部とし、第2の爪部23の第1の継鉄部12側の端部を第2の爪部23の先端部とすると、第2の爪部23の根元部の径方向外周部には、回転子鉄心3の周方向に沿った第2の外周溝231が設けられている。また、第2の爪部23の根元部以外の径方向外周部には、回転子鉄心3の周方向について第2の爪部23から両側へ突出する一対の第2の外れ止め部232が設けられている。一対の第2の外れ止め部232の径方向厚さは、第2の外周溝231の深さよりも薄くなっている。従って、各第2の外れ止め部232の径方向内側の面の位置は、第2の外周溝231の深さ方向底面の位置よりも径方向外側に存在している。
界磁コイル4は、図4に示すように、第1及び第2のボス部11,21、第1及び第2の継鉄部12,22、及び第1及び第2の爪部13,23で囲まれた空間に配置されている。また、界磁コイル4は、互いに突き合わされた第1及び第2のボス部11,21の周囲を囲んだ状態で回転子鉄心3に設けられている。各第1の爪部13及び各第2の爪部23には、界磁コイル4への通電により磁極が形成される。
各磁石5は、各磁石収容空間31に収容されている。また、磁石5は、磁石収容空間31の長手方向に沿って配置された棒状で板状の永久磁石である。磁石5は、磁石5の厚さ方向を回転子鉄心3の径方向に一致させて配置されている。各磁石収容空間31の長手方向両端部には、磁石5を磁石収容空間31内に挿入可能な端部開放部が形成されている。磁石5は、磁石収容空間31のいずれかの端部開放部から、磁石収容空間31の長手方向に沿って磁石収容空間31内に挿入されている。
図6は、図4の界磁コイル4への通電により各第1の爪部13及び各第2の爪部23に磁極が形成されている回転子200を示す側面図である。なお、図6では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7を省略している。回転子200では、界磁コイル4への通電により、各第1の爪部13の磁極がS極になるとともに、各第2の爪部23の磁極がN極になる。
各磁石収容空間31内に収容されている磁石5は、第1の爪部13の磁極及び第2の爪部23の磁極のそれぞれからの磁束の漏れを抑制する方向へ着磁されている。従って、磁石5は、第1の爪部13のS極から第2の爪部23のN極に向かう方向へ着磁されている。この例では、図6の矢印で示すように、磁石5の着磁の方向が、磁石5の径方向外側の面と平行で、かつ磁石5の長手方向の辺と直交する方向になっている。
図7は、図5の磁石収容空間31に磁石5が配置されている状態を示す拡大斜視図である。磁石5の長手方向の長さは、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれの長さよりも長くなっている。磁石5の長手方向両端部の側面には、平面である傾斜面51がそれぞれ設けられている。傾斜面51は、磁石5の長手方向に対して傾斜している。従って、磁石5が磁石収容空間31に配置されている状態では、傾斜面51が磁石収容空間31の長手方向に対して傾斜している。共通の第1の爪部13の両側に配置されている2つの磁石5は、第1の爪部13の先端部よりも軸線方向外側(即ち、第2の継鉄部22側)の空間でそれぞれの傾斜面51を互いに対向させた状態で回転子鉄心3に設けられている。また、共通の第2の爪部23の両側に配置されている2つの磁石5は、第2の爪部23の先端部よりも軸線方向外側(即ち、第1の継鉄部12側)の空間でそれぞれの傾斜面51を互いに対向させた状態で回転子鉄心3に設けられている。
磁石5の長手方向に直交する平面での磁石5の断面形状は、長方形になっている。また、磁石5の厚さ方向に沿って見たときの磁石5の形状は、平行四辺形の長手方向両端部の鋭角となる角部を傾斜面51でそれぞれ切り落とした形状になっている。各傾斜面51は、磁石5を厚さ方向に沿って見たとき、磁石5の平行四辺形の短辺と直交している。磁石5を厚さ方向に沿って見たときの各傾斜面51に対する磁石5の平行四辺形の長辺の傾斜角度は、回転子鉄心3の軸線に対する磁石収容空間31の長手方向の傾斜角度と等しくなっている。
磁石5の長手方向及び厚さ方向のいずれにも直交する方向である磁石5の幅方向の寸法は、磁石収容空間31を挟む2つの側面間の距離よりも僅かに小さく、かつ、磁石収容空間31の径方向外側で互いに対向する第1の外れ止め部132及び第2の外れ止め部232間の距離よりも大きくなっている。磁石5が磁石収容空間31に収容されている状態では、第1の外れ止め部132及び第2の外れ止め部232に磁石5が係合することにより、磁石5が磁石収容空間31内から径方向外側へ外れることが防止される。
図8は、図7の回転子鉄心3に第1の外周部材6及び第2の外周部材7が設けられている状態を示す要部拡大斜視図である。また、図9は、図8の回転子鉄心3に第1の外周部材6及び第2の外周部材7が設けられている状態を示す要部側面図である。なお、図9では、磁石5の表示を省略している。第1の外周部材6は、第1の環状体である環状体61と、環状体61から径方向内側へ突出している複数の突起部62とを有している。第1の外周部材6は、磁性材料で構成されている。第1の外周部材6を構成する磁性材料としては、例えば鉄等が用いられている。
環状体61は、各第1の爪部13の根元部の位置で第1の界磁鉄心部1及び各磁石5の一端部をまとめて囲んでいる。この例では、環状体61の形状が円環状になっている。環状体61は、環状体61の幅方向を第1の界磁鉄心部1の軸線方向に一致させ、環状体61の厚さ方向を第1の界磁鉄心部1の径方向に一致させて配置されている。また、環状体61は、第1の外周溝131に挿入されている。環状体61の幅は、第1の外周溝131の幅よりも小さくなっている。これにより、環状体61は、第1の外周溝131の側面との間に隙間がある状態で第1の外周溝131に配置されている。さらに、環状体61は、第1の界磁鉄心部1の外周部に圧入により嵌められている。これにより、環状体61には、引張応力が環状体61の周方向へ生じている。さらに、第2の爪部23の先端部の端面と環状体61との間には、図9に示すように、隙間Lが存在している。また、環状体61の径方向内側の面は、第1の界磁鉄心部1及び磁石5に接している。
各突起部62は、環状体61の幅方向両端部のうち、第2の爪部23の先端部から遠い側の部分から径方向内側へ突出している。これにより、各突起部62は、磁石5よりも軸線方向外側に位置している。また、各突起部62は、各第1の爪部13のそれぞれの根元部の間の空間に配置されている。さらに、共通の第2の爪部23を挟む2つの磁石5のそれぞれの一端部には、共通の突起部62が回転子鉄心3の軸線方向について対向している。
図10は、図8の第1の外周部材6の突起部62が配置されている空間領域を示す要部拡大斜視図である。環状体61の幅方向一端面を含み回転子鉄心3の軸線に直交する仮想平面を第1の仮想平面201とし、環状体61の幅方向他端面を含み回転子鉄心3の軸線に直交する仮想平面を第2の仮想平面202とし、磁石5の断面を磁石収容空間31の長手方向に沿って延長した仮想空間を磁石挿入仮想空間203とすると、突起部62の少なくとも一部は、磁石挿入仮想空間203のうち、第1の仮想平面201と第2の仮想平面202との間に制限された空間領域204に配置されている。これにより、突起部62の少なくとも一部は、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、磁石5の領域に重なっている。この例では、突起部62が軸線方向について磁石5から離れて配置されており、磁石5が突起部62に向かって磁石収容空間31の長手方向へ変位すると、磁石5が突起部62に干渉するようになっている。
第2の外周部材7は、図8に示すように、第2の環状体である環状体71と、環状体71から径方向内側へ突出している複数の突起部72とを有している。第2の外周部材7は、磁性材料で構成されている。第2の外周部材7を構成する磁性材料としては、例えば鉄等が用いられている。
環状体71は、各第2の爪部23の根元部の位置で第2の界磁鉄心部2及び各磁石5の他端部をまとめて囲んでいる。この例では、環状体71の形状が円環状になっている。環状体71は、環状体71の幅方向を第2の界磁鉄心部2の軸線方向に一致させ、環状体71の厚さ方向を第2の界磁鉄心部2の径方向に一致させて配置されている。また、環状体71は、第2の外周溝231に挿入されている。環状体71の幅は、第2の外周溝231の幅よりも小さくなっている。これにより、環状体71は、第2の外周溝231の側面との間に隙間がある状態で第2の外周溝231に配置されている。さらに、環状体71は、第2の界磁鉄心部2の外周部に圧入により嵌められている。これにより、環状体71には、引張応力が環状体71の周方向へ生じている。さらに、第1の爪部13の先端部の端面と環状体71との間には、図9に示すように、隙間Lが存在している。また、環状体71の径方向内側の面は、第2の界磁鉄心部2及び磁石5に接している。
各突起部72は、環状体71の幅方向両端部のうち、第1の爪部13の先端部から遠い側の部分から径方向内側へ突出している。これにより、各突起部72は、磁石5よりも軸線方向外側に位置している。また、各突起部72は、各第2の爪部23のそれぞれの根元部の間の空間に配置されている。さらに、共通の第1の爪部13を挟む2つの磁石5のそれぞれの他端部には、共通の突起部72が回転子鉄心3の軸線に沿った方向について対向している。
また、環状体71の幅方向一端面を含み回転子鉄心3の軸線に直交する仮想平面を第3の仮想平面とし、環状体71の幅方向他端面を含み回転子鉄心3の軸線に直交する仮想平面を第4の仮想平面とし、磁石5の断面を磁石収容空間31の長手方向に沿って延長した仮想空間を磁石挿入仮想空間とすると、突起部72の少なくとも一部は、磁石挿入仮想空間のうち、第3の仮想平面と第4の仮想平面との間に制限された空間領域に配置されている。これにより、突起部72の少なくとも一部は、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、磁石5の領域に重なっている。この例では、突起部72が軸線方向について磁石5から離れて配置されており、磁石5が突起部72に向かって磁石収容空間31の長手方向へ変位すると、磁石5が突起部72に干渉するようになっている。磁石5が磁石収容空間31に収容されている状態では、突起部62,72に磁石5が干渉することにより、磁石収容空間31内から磁石5が軸線方向外側へ外れることが防止される。
次に、回転子200の製造方法について説明する。まず、第1のボス部11及び第2のボス部21のそれぞれの外周部に界磁コイル4を嵌めながら、第1の爪部13と第2の爪部23とが周方向について交互に配置されるように第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2を組み合わせて回転子鉄心3を構成する。このとき、第1のボス部11及び第2のボス部21に回転軸100を貫通させて第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2を回転軸100に固定する。これにより、各第1の爪部13と各第2の爪部23との間に磁石収容空間31がそれぞれ形成される。
この後、各磁石収容空間31内に磁石5をそれぞれ挿入する。このとき、磁石5の長手方向を磁石収容空間31の長手方向に一致させ、磁石収容空間31の長手方向端部に位置する端部開放部から、磁石収容空間31を挟む2つの側面に磁石5を案内させながら、磁石収容空間31の長手方向に沿って磁石5を磁石収容空間31内に挿入する。磁石5の長手方向に対して傾斜する傾斜面51が各磁石5の長手方向両端部に設けられていることから、互いに隣り合う2つの磁石収容空間31のそれぞれに磁石5を挿入するときにも、磁石5同士が干渉することが回避される。
この後、回転子鉄心3の軸線方向外側から第1の界磁鉄心部1に第1の外周部材6の環状体61を圧入するとともに、回転子鉄心3の軸線方向外側から第2の界磁鉄心部2に第2の外周部材7の環状体71を圧入する。
第1の外周部材6を第1の界磁鉄心部1に取り付けるときには、各第1の爪部13のそれぞれの根元部の間の空間に突起部62をそれぞれ配置しながら環状体61を第1の外周溝131に嵌める。これにより、共通の第2の爪部23の両側に位置する2つの磁石5に共通の突起部62が軸線方向について対向する。また、第2の外周部材7を第2の界磁鉄心部2に取り付けるときには、各第2の爪部23のそれぞれの根元部の間の空間に突起部72をそれぞれ配置しながら環状体71を第2の外周溝231に嵌める。これにより、共通の第1の爪部13の両側に位置する2つの磁石5に共通の突起部72が軸線方向について対向する。
この後、回転子鉄心3の軸線方向両端部にファンを固定することにより、回転子200が完成する。
次に、回転電機の動作について説明する。界磁コイル4への通電が行われると、第1の爪部13及び第2の爪部23に互いに異なる磁極が発生する。この状態で、固定子300の固定子コイル302に交流電流を供給すると、固定子300に回転磁界が発生し、回転子200が回転軸100と一体に回転する。
回転子200が高速で回転するときには、第1の爪部13及び第2の爪部23が径方向外側への遠心力を受けるので、各第1の爪部13及び各第2の爪部23が径方向外側へ開きやすくなる。各第1の爪部13及び各第2の爪部23が径方向外側へ開く方向へ変形すると、各磁石5も径方向外側へ変位されてしまう。しかし、本実施の形態での回転子200では、第1の外周部材6の環状体61が第1の界磁鉄心部1及び各磁石5を囲み、第2の外周部材7の環状体71が第2の界磁鉄心部2及び各磁石5を囲んでいるので、各第1の爪部13及び各第2の爪部23の径方向外側への変形と、各磁石5の径方向外側への変位とを環状体61,71によって抑制することができる。
また、回転子200が高速で回転するときに、例えば各第1の爪部13及び各第2の爪部23等が遠心力によって変形した場合、第1の爪部13と第2の爪部23との間で磁石5を保持する力が弱まって、磁石5が磁石収容空間31の長手方向へ移動しやすくなってしまう。しかし、本実施の形態では、第1の爪部13と第2の爪部23との間に存在する磁石収容空間31に磁石5が配置され、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、第1の外周部材6の突起部62の少なくとも一部、及び第2の外周部材7の突起部72の少なくとも一部が磁石5の領域に重なっているので、磁石5が磁石収容空間31の長手方向へ移動したとしても、突起部62又は突起部72を磁石5に干渉させることができる。これにより、磁石5を回転子鉄心3から外れにくくすることができる。
また、界磁コイル4への通電が行われると、回転子200と固定子300との間の磁束の鎖交により発生する電磁加振力が変動し、各第1の爪部13及び各第2の爪部23が振動しやすくなる。また、各第1の爪部13及び各第2の爪部23が振動すると、回転子200から騒音が発生する。しかし、本実施の形態では、第1の外周部材6において突起部62が環状体61から径方向内側へ突出し、第2の外周部材7において突起部72が環状体71から径方向内側へ突出しているので、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの断面二次モーメントを高くすることができ、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの径方向への変形を抑制することができる。これにより、各第1の爪部13及び各第2の爪部23のそれぞれの振動を抑制することができ、回転子200の騒音を抑制することができる。
また、突起部62及び突起部72は、磁石5よりも軸線方向外側に位置しているので、磁石5に対して突起部62及び突起部72を軸線方向について容易に対向させることができ、磁石5が磁石収容空間31の長手方向へ磁石収容空間31から抜け出ることをより確実にかつ容易に抑制することができる。
また、第1の爪部13及び第2の爪部23が回転子200の回転による遠心力により径方向外側へ変形すると、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれの先端部が第1の外周部材6及び第2の外周部材7と干渉し、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が破損するおそれがある。しかし、本実施の形態では、第1の外周部材6と第2の爪部23との間に軸線方向について隙間Lが存在し、第2の外周部材7と第1の爪部13との間に軸線方向について隙間Lが存在しているので、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれの先端部が第1の外周部材6及び第2の外周部材7と干渉することなく、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれを径方向外側へ変形させることができる。これにより、第1の外周部材6及び第2の外周部材7の破損を防止することができる。
第1の外周部材6が第2の爪部23の先端部の端面に接し、かつ第2の外周部材7が第1の爪部13の先端部の端面に接した状態で、さらに第1の外周部材6が第2の爪部23に溶接等によって固定され、かつ第2の外周部材7が第1の爪部13に溶接等によって固定されている場合、隙間Lが存在しないので、第1及び第2の爪部13,23のそれぞれの変形は第1及び第2の外周部材6,7によって抑制され、第1及び第2の外周部材6,7は第1及び第2の爪部13,23の変形に伴って変形する。このとき、磁石5は、第1及び第2の外周部材6,7に支持される一方で、第1及び第2の外周部材6,7のいずれかと磁石5との接触面積が減少し、磁石5に発生する応力が増加することで、磁石5の割れ又は欠けが発生するという問題がある。これに対して、本実施の形態では、隙間Lが存在しているので、回転子200の回転による遠心力によって、第1及び第2の外周部材6,7による反力が発生することなく第1及び第2の爪部13,23が径方向外側へ変形する。このとき、磁石5にも同様に遠心力が作用するが、磁石5は第1及び第2の外周部材6,7によって径方向外側へ移動しないように支持される。従って、本実施の形態では、磁石5に発生する応力の増加を抑制することができ、磁石5の割れ及び欠けの発生を防止することができる。
また、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの環状体61,71には、引張応力が周方向へ生じているので、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が回転子鉄心3に対して軸線方向へ変位しにくくすることができる。これにより、第1の爪部13及び第2の爪部23のそれぞれの変形の抑制効果を長期間維持することができる。
また、界磁コイル4への通電が行われていない状態、即ち回転子200が無負荷無励磁の状態では、磁石5からの磁束が固定子鉄心301及び固定子コイル302に鎖交することにより、回転子200が回転されると固定子コイル302に誘起電圧が発生する。回転子200の高速回転時には、固定子コイル302に発生する誘起電圧が高くなるおそれがある。しかし、本実施の形態では、互いに隣り合う第1の爪部13を連結するように第1の外周部材6が配置されているとともに、互いに隣り合う第2の爪部23を連結するように第2の外周部材7が配置されており、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が磁性材料で構成されているので、磁石5からの磁束の磁路を、各第1の爪部13と磁石5の周方向側面である傾斜面51との間を第1の外周部材6で繋ぐ閉じた磁路、及び各第2の爪部23と磁石5の周方向側面である傾斜面51との間を第2の外周部材7で繋ぐ閉じた磁路にすることができ、第1の爪部13及び第2の爪部23から固定子300側へ鎖交する磁石5からの磁束量を減少させることができる。これにより、固定子コイル302に発生する誘起電圧を抑制することができ、回転子200が高速で回転しているときに、固定子コイル302での誘起電圧が母線電圧を超えないようにすることができる。
一方、回転電機がモータとして機能してトルクを発生しているときには、磁石5から磁束が発生していることに加え、界磁コイル4への通電により回転子鉄心3が励磁されている。これにより、磁石5からの磁束と、界磁コイル4への通電により発生する磁束とが、第1の外周部材6及び第2の外周部材7に鎖交し、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が磁気飽和状態になる。第1の外周部材6及び第2の外周部材7が磁気飽和状態になると、磁束が第1の外周部材6及び第2の外周部材7から固定子300側へ鎖交するようになる。
このようなことから、回転子200の無負荷無励磁時に固定子コイル302での誘起電圧を抑制しながら、回転電機のトルク発生時には回転子200からの磁束を固定子300側へ鎖交させて回転電機の出力を高めることができる。また、各第1の爪部13と磁石5の周方向側面である傾斜面51との間を第1の外周部材6で繋ぐ閉じた磁路、及び各第2の爪部23と磁石5の周方向側面である傾斜面51との間を第2の外周部材7で繋ぐ閉じた磁路は、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のほぼ全周を占める。このため、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のほぼ全周を磁気飽和させることができ、回転電機の出力を高めることができる。
また、上述のように、第2の爪部23の先端部の端面と環状体61との間、及び第1の爪部13の先端部の端面と環状体71との間には、隙間Lがそれぞれ存在している。回転電機がトルクを発生する時には、第2の爪部23の先端部から環状体61へ短絡する磁路と、第1の爪部13の先端部から環状体71へ短絡する磁路とが発生する。このとき、隙間Lが存在し、隙間Lの比透磁率を1とみなすことができるので、隙間Lが存在しない場合に比べて短絡磁路における磁気抵抗を増加させることができる。従って、回転電機がトルクを発生する時に、回転電機の出力をさらに高めることができる。
なお、上記の例では、環状の第1の外周部材6が第1の界磁鉄心部1に圧入により取り付けられ、環状の第2の外周部材7が第2の界磁鉄心部2に圧入により取り付けられているが、これに限定されない。例えば、第1の界磁鉄心部1に巻きつけた帯状板の両端部を溶接で接続することにより環状の第1の外周部材6を形成してもよいし、第2の界磁鉄心部2に巻きつけた帯状板の両端部を溶接で接続することにより環状の第2の外周部材7を形成してもよい。また、第1の界磁鉄心部1に嵌めた環状の第1の外周部材6を第1の界磁鉄心部1に例えばねじ又は接着剤等で固定してもよいし、第2の界磁鉄心部2に嵌めた環状の第2の外周部材7を第2の界磁鉄心部2に例えばねじ又は接着剤等で固定してもよい。
帯状板を第1の界磁鉄心部1に巻きつけて環状の第1の外周部材6を形成する場合には、帯状板を引っ張りながら第1の界磁鉄心部1に巻きつけ、帯状板に引張応力が生じている状態で帯状板の両端部を溶接で接続すると、第1の外周部材6に引張応力を周方向へ生じさせることができる。また、帯状板を第2の界磁鉄心部2に巻きつけて環状の第2の外周部材7を形成する場合には、帯状板を引っ張りながら第2の界磁鉄心部2に巻きつけ、帯状板に引張応力が生じている状態で帯状板の両端部を溶接で接続すると、第2の外周部材7に引張応力を周方向へ生じさせることができる。これにより、第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2に対して第1の外周部材6及び第2の外周部材7を軸線方向へずれにくくすることができるとともに、第1の外周部材6による第1の爪部13及び磁石5の保持効果、及び第2の外周部材7による第2の爪部23及び磁石5の保持効果を高めることができる。
また、第1の外周部材6及び第2の外周部材7に引張応力が生じている状態で第1の外周部材6及び第2の外周部材7を第1の界磁鉄心部1及び第2の界磁鉄心部2に例えばねじ又は接着剤等で固定してもよい。このようにすれば、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が回転子鉄心3に対してさらに変位しにくくすることができる。
また、第1の外周部材6の突起部62及び第2の外周部材7の突起部72のそれぞれの形状は、1種類である必要はなく、互いに異なる形状の突起部62,72を組み合わせてもよい。また、突起部62,72の形状、数量、位置も、上記の例に限定されない。
また、上記の例では、第1の外周部材6の環状体61と第2の爪部23との間に軸線方向について隙間Lが存在し、第2の外周部材7の環状体71と第1の爪部13との間に軸線方向について隙間Lが存在しているが、図11に示すように、第1の外周部材6の環状体61が第2の爪部23の先端部の端面に接触し、第2の外周部材7の環状体71が第1の爪部13の先端部の端面に接触していてもよい。このようにしても、磁石5を回転子鉄心3から外れにくくすることができるとともに、回転子200の振動及び騒音を抑制することができる。
また、上記の例では、第2の爪部23の両側に配置されている2つの磁石5に共通の突起部62が軸線方向について対向し、第1の爪部13の両側に配置されている2つの磁石5に共通の突起部72が軸線方向について対向しているが、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、突起部62の少なくとも一部、及び突起部72の少なくとも一部が磁石5の領域に重なっている状態であれば、突起部62及び突起部72の数及び位置は、これに限定されない。例えば、図12に示すように、第1の外周部材6の突起部62の数を各磁石5の数と同数とし、各磁石5に突起部62を軸線方向について個別に対向させてもよい。また、例えば、図13に示すように、第1の外周部材6の突起部62を環状体61の幅方向中央部に設けてもよい。図示しないが、第2の外周部材7の突起部72についても、第1の外周部材6の突起部62と同様に構成してもよい。
実施の形態2.
図14は、この発明の実施の形態2による回転電機中の回転子の要部を示す斜視図である。また、図15は、図14の第1の外周部材6を示す斜視図である。第1の外周部材6は、環状体61と、環状体61から径方向内側へ突出する複数の突起部63とを有している。第2の外周部材7は、環状体71と、環状体71から径方向内側へ突出する複数の突起部73とを有している。
第1の外周部材6の環状体61は、第1の界磁鉄心部1に設けられた第1の外周溝131に圧入により取り付けられている。第2の外周部材7の環状体71は、第2の界磁鉄心部2に設けられた第2の外周溝231に圧入により取り付けられている。これにより、環状体61,71には、引張応力が周方向へ生じている。
各突起部63は、周方向について各第2の爪部23の位置に合わせて互いに間隔を置いて配置されている。また、各突起部63は、第2の爪部23の先端部よりも軸線方向外側にそれぞれ配置されている。この例では、突起部63と第2の爪部23との間に軸線方向について隙間が存在している。さらに、突起部63の少なくとも一部は、図9に示す空間領域204に配置されている。これにより、突起部63の少なくとも一部は、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、磁石5の領域に重なっている。
突起部63は、共通の第2の爪部23の両側に配置されている2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51間に配置されている。また、突起部63は、2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51を受けている状態で配置されている。即ち、第1の外周部材6は、共通の第2の爪部23の両側に配置されている2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51を共通の突起部63で受けている。
突起部63の周方向幅(即ち、第1の外周部材6の周方向についての突起部63の寸法)は、環状体61から径方向厚さに向かって連続的に小さくなっている。また、突起部63の軸線方向寸法(即ち、第1の外周部材6の軸線方向についての突起部63の寸法)は、径方向のどの位置でも一定になっている。これにより、突起部63の突出方向と直交する平面での突起部63の断面積は、環状体61から径方向内側に近づくに従って小さくなっている。
各突起部73は、周方向について各第1の爪部13の位置に合わせて互いに間隔を置いて配置されている。また、各突起部73は、第1の爪部13の先端部よりも軸線方向外側にそれぞれ配置されている。この例では、突起部73と第1の爪部13との間に軸線方向について隙間が存在している。さらに、突起部73の少なくとも一部は、磁石5の断面を磁石収容空間31の長手方向に沿って延長した磁石挿入仮想空間のうち、実施の形態1でそれぞれ定義された第3の仮想平面と第4の仮想平面との間に制限された空間領域に配置されている。これにより、突起部73の少なくとも一部は、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心32を見たとき、磁石5の領域に重なっている。
突起部73は、共通の第1の爪部13の両側に配置されている2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51間に配置されている。また、突起部73は、2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51を受けている状態で配置されている。即ち、第2の外周部材7は、共通の第1の爪部13の両側に配置されている2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51を共通の突起部73で受けている。
各突起部73の形状は、第1の外周部材6の突起部63の形状と同様である。即ち、第2の外周部材7では、突起部73の周方向幅(即ち、第2の外周部材7の周方向についての突起部の寸法)が、環状体71から径方向内側に向かって連続的に小さくなっている。また、第2の外周部材7では、突起部73の軸線方向寸法(即ち、第2の外周部材7の軸線方向についての突起部の寸法)が、径方向のどの位置でも一定になっている。これにより、第2の外周部材7では、突起部73の突出方向と直交する平面での突起部の断面積が、環状体71から径方向内側に近づくに従って小さくなっている。
共通の突起部63の両側に位置する2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51は、突起部63に隙間なく接触している。従って、共通の突起部63の両側に位置する2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51間の距離は、突起部63の周方向幅に合わせて径方向内側に向かって連続的に小さくなっている。
共通の突起部73の両側に位置する2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51は、突起部73に隙間なく接触している。従って、共通の突起部73の両側に位置する2つの磁石5のそれぞれの傾斜面51間の距離は、突起部73の周方向幅に合わせて径方向内側に向かって連続的に小さくなっている。他の構成及び製造方法は実施の形態1と同様である。
このような回転子200でも、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、第1の外周部材6の突起部63の少なくとも一部、及び第2の外周部材7の突起部73の少なくとも一部が磁石5の領域に重なっているので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、磁石5は、回転子鉄心3からの磁束の漏れを抑制し、回転子200が回転されるときに回転子200からの磁束を固定子300側へ鎖交させる機能を有している。従って、回転子鉄心3に対する磁石5の位置が本来の位置から移動すると、回転子鉄心3からの磁束の漏れ量が多くなり、回転電機の出力が低下するおそれがある。本実施の形態では、磁石収容空間31の長手方向に対して傾斜する傾斜面51が磁石5の端部に設けられており、第1の外周部材6の突起部63及び第2の外周部材7の突起部73が傾斜面51を受けている状態で配置されているので、第1の外周部材6の突起部63及び第2の外周部材7の突起部73によって、磁石収容空間31の長手方向への磁石5の移動をより確実に抑制することができ、回転電機の出力の低下を抑制することができる。さらに、磁石5の傾斜面51が磁石収容空間31の長手方向に対して傾斜しているので、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73によって磁石5の長手方向の長さが制限されることを回避することができ、磁石5の長手方向の長さを自由に調整することができる。これにより、磁石5の磁束量を調整することができ、回転電機の必要な出力に応じた磁石5の長手方向の長さを選択することができる。
また、本実施の形態では、磁石5の傾斜面51が第1の外周部材6の突起部63及び第2の外周部材7の突起部73に隙間なく接触しているので、磁石5の傾斜面51と各突起部との間の接触面積を大きくすることができ、磁石5の傾斜面51が各突起部63,73に対してすべらないようにする摩擦力を確保することができる。これにより、磁石収容空間31の長手方向への磁石5の移動をさらに確実に抑制することができる。
また、本実施の形態では、第1の外周部材6の突起部63の周方向幅、及び第2の外周部材7の突起部73の周方向幅が、径方向内側に向かって連続的に小さくなっているので、磁石5の傾斜面51と各突起部との間の接触面積をさらに大きくすることができる。これにより、磁石5の傾斜面51と突起部63,73との間の摩擦力をさらに大きくすることができ、磁石収容空間31の長手方向への磁石5の移動をさらに確実に抑制することができる。
なお、上記の例では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の周方向幅が径方向内側に向かって連続的に小さくなっているが、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の周方向幅が径方向のどの位置でも一定になるようにしてもよい。
また、第1の外周部材6の環状体61の内周面に溶接で形成したビードを突起部63としてもよいし、第2の外周部材7の環状体71の内周面に溶接で形成したビードを突起部73としてもよい。
また、第1の外周部材6において、図16に示すように、実施の形態1による各突起部62と、磁石5の傾斜面51を受ける本実施の形態による各突起部63とを組み合わせて環状体61に設けてもよい。この場合、実施の形態1による各突起部62は、周方向について本実施の形態による各突起部63の位置に合わせて配置される。また、実施の形態1による各突起部62は、本実施の形態による各突起部63よりも軸線方向外側に配置される。このようにすれば、磁石5が回転子鉄心3からさらに確実に外れにくくすることができる。
また、第2の外周部材7においても、実施の形態1による各突起部72と、磁石5の傾斜面51を受ける本実施の形態による各突起部73とを組み合わせて環状体71に設けてもよい。この場合、実施の形態1による各突起部72は、周方向について本実施の形態による各突起部73の位置に合わせて配置される。また、実施の形態1による各突起部72は、本実施の形態による各突起部73よりも軸線方向外側に配置される。このようにすれば、磁石5が回転子鉄心3からさらに確実に外れにくくすることができる。
実施の形態3.
図17は、この発明の実施の形態3による回転電機の回転子の要部を示す斜視図である。また、図18は、図17の第1の外周部材6を示す斜視図である。第1の外周部材6の各突起部63には、磁石5よりも径方向内側で突起部63から周方向両側へ突出する一対の鍔部64が設けられている。これにより、突起部63及び一対の鍔部64をまとめた全体形状は、T字状になっている。一対の鍔部64は、共通の突起部63を介して互いに隣り合う2つの磁石5の端部の径方向内側の面に隙間なく接触している。
第2の外周部材7の各突起部73には、図示していないが、第1の外周部材6と同様に、磁石5よりも径方向内側で突起部73から周方向両側へ突出する一対の鍔部が設けられている。これにより、第2の外周部材7でも、突起部73及び一対の鍔部をまとめた全体形状がT字状になっている。第2の外周部材7の一対の鍔部は、共通の突起部73を介して互いに隣り合う2つの磁石5の端部の径方向内側の面に隙間なく接触している。他の構成及び回転子200の製造方法は実施の形態2と同様である。
このような回転子200でも、磁石収容空間31の長手方向に沿って回転子鉄心3を見たとき、第1の外周部材6の突起部63の少なくとも一部、及び第2の外周部材7の突起部73の少なくとも一部が磁石5の領域に重なっているので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が実施の形態2と同様の突起部63,73を有しているので、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
また、回転子200が回転するときには、磁石5が径方向内側への力を受けることもあるが、本実施の形態では、磁石5の径方向内側で第1の外周部材6の突起部63から一対の鍔部64が周方向両側へ突出し、磁石5の径方向内側で第2の外周部材7の突起部73から一対の鍔部が周方向両側へ突出しているので、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの鍔部によって磁石5の径方向内側への移動を制限することができる。これにより、磁石5の破損を防止することができる。
なお、上記の例では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の周方向幅が径方向内側に向かって連続的に小さくなっているが、図19に示すように、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の周方向幅が径方向のどの位置でも一定になるようにしてもよい。
また、第1の外周部材6において、図20に示すように、実施の形態1による各突起部62と、一対の鍔部64が設けられた本実施の形態による各突起部63とを組み合わせて環状体61に設けてもよい。この場合、実施の形態1による各突起部62は、周方向について本実施の形態による各突起部63の位置に合わせて配置される。また、実施の形態1による各突起部62は、本実施の形態による各突起部63よりも軸線方向外側に配置される。このようにすれば、磁石5が回転子鉄心3からさらに確実に外れにくくすることができる。
また、第2の外周部材7においても、実施の形態1による各突起部72と、一対の鍔部が設けられた本実施の形態による各突起部73とを組み合わせて環状体71に設けてもよい。この場合、実施の形態1による各突起部72は、周方向について本実施の形態による各突起部73の位置に合わせて配置される。また、実施の形態1による各突起部72は、本実施の形態による各突起部73よりも軸線方向外側に配置される。このようにすれば、磁石5が回転子鉄心3からさらに確実に外れにくくすることができる。
また、上記の例では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの鍔部が磁石5の端部の径方向内側の面に隙間なく接触しているが、鍔部の一部が磁石5の径方向内側の面に接触した状態で鍔部と磁石5との間に隙間が生じていてもよい。また、磁石5の径方向内側の面と鍔部との間に緩衝材を介在させてもよい。この場合、緩衝材の弾性率は、鍔部及び磁石5のそれぞれの弾性率よりも低くされる。また、この場合、鍔部の一部が磁石5の径方向内側の面に接触していてもよいし、鍔部の全体が緩衝材によって磁石5から離れていてもよい。緩衝材を構成する材料としては、例えば樹脂等が挙げられる。
また、上記の例では、環状体61が第1の界磁鉄心部1及び磁石5に接しているが、環状体61が第1の界磁鉄心部1及び磁石5の両方に接する必要はなく、環状体61が第1の界磁鉄心部1及び磁石5のいずれかに接していればよい。同様に、環状体71が第2の界磁鉄心部2及び磁石5に接しているが、環状体71が第2の界磁鉄心部2及び磁石5の両方に接する必要はなく、環状体71が第2の界磁鉄心部2及び磁石5のいずれかに接していればよい。
また、上記実施の形態2及び3では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73に磁石5の傾斜面51が隙間なく接触しているが、磁石5の傾斜面51が突起部63,73の一部に接触した状態で傾斜面51と突起部63,73との間に隙間が生じていてもよい。また、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73と磁石5の傾斜面51との間に緩衝材を介在させてもよい。この場合、緩衝材の弾性率は、突起部63,73及び磁石5のそれぞれの弾性率よりも低くされる。また、この場合、磁石5の傾斜面51が突起部63,73の一部に接触していてもよいし、磁石5の傾斜面51が突起部63,73から離れた状態で突起部63,73が緩衝材を介して磁石5の傾斜面51を受けるようにしてもよい。緩衝材を構成する材料としては、例えば樹脂等が挙げられる。このようにすれば、例えば回転子200が回転するときの振動等によって磁石5及び突起部63,73が互いに衝突することによる破損の発生を防止することができる。
また、上記実施の形態2及び3では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の軸線方向寸法が径方向のどの位置でも一定になっているが、第1の外周部材6及び第2の外周部材7のそれぞれの突起部63,73の軸線方向寸法が径方向内側に向かって連続的に小さくなるようにしてもよい。
また、上記実施の形態2及び3において、第1の外周部材6の突起部63及び第2の外周部材7の突起部73のそれぞれの形状は、1種類である必要はなく、互いに異なる形状の突起部を組み合わせてもよい。また、突起部63,73の形状、数量、位置も、上記の例に限定されない。
また、上記実施の形態2及び3では、第1の外周部材6の環状体61と第2の爪部23との間に軸線方向について隙間Lが存在し、第2の外周部材7の環状体71と第1の爪部13との間に軸線方向について隙間Lが存在しているが、第1の外周部材6の環状体61が第2の爪部23の先端部の端面に接触し、第2の外周部材7の環状体71が第1の爪部13の先端部の端面に接触していてもよい。このようにしても、磁石5を回転子鉄心3から外れにくくすることができるとともに、回転子200の振動及び騒音を抑制することができる。
また、各上記実施の形態では、第1の外周部材6及び第2の外周部材7が磁性材料で構成されているが、これに限定されず、例えばガラス繊維又は炭素繊維を強化剤として用い繊維方向を周方向とするFRP(Fiber Reinforced Plastics)材料によって、第1の外周部材6及び第2の外周部材7の少なくともいずれかを環状に継ぎ目なく構成してもよい。
また、各上記実施の形態では、磁石5の径方向外側の面が平面になっているが、磁石5の径方向外側の面を、径方向外側へ盛り上がった曲面としてもよい。例えば、磁石5の径方向外側の面を、第1の外周部材6及び第2の外周部材7の内径と同じ径の円筒面としてもよい。
また、各上記実施の形態では、磁石5の着磁の方向が磁石5の長手方向の辺と直交する方向になっているが、第1の爪部13のS極から第2の爪部23のN極に向かう方向へ磁石5が着磁されていれば、磁石5の着磁の方向は磁石5の長手方向の辺と直交していなくてもよい。
また、各上記実施の形態では、第1の外周部材6の環状体61及び第2の外周部材7の環状体71のそれぞれの形状が円環状になっているが、これに限定されず、例えば、多角形に沿った環状であってもよいし、回転子鉄心3の外周面に沿った環状であってもよい。
1 第1の界磁鉄心部、2 第2の界磁鉄心部、3 回転子鉄心、4 界磁コイル、5 磁石、6 第1の外周部材、7 第2の外周部材、13 第1の爪部、23 第2の爪部、31 磁石収容空間、51 傾斜面、61,71 環状体、62,63,72,73 突起部、64 鍔部、200 回転子、300 固定子、301 固定子鉄心、302 固定子コイル。

Claims (3)

  1. 固定子と、
    前記固定子の内側に回転可能に配置されている回転子と
    を備え、
    前記固定子は、
    固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に設けられている固定子コイルと
    を有し、
    前記回転子は、
    第1の界磁鉄心部及び第2の界磁鉄心部を有する回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に設けられている界磁コイルと、
    前記回転子鉄心の周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の磁石と、
    前記第1の界磁鉄心部に設けられている第1の外周部材と、
    前記第2の界磁鉄心部に設けられている第2の外周部材と
    を有し、
    前記第1の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第1の爪部を有し、
    前記第2の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第2の爪部を有し、
    前記第1の界磁鉄心部及び前記第2の界磁鉄心部は、前記第1の爪部と前記第2の爪部とが周方向について交互に配置された状態で互いに組み合わされており、
    各前記磁石は、前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に存在している磁石収容空間に配置され、かつ前記第2の爪部から前記第1の爪部に向かう方向に着磁され、
    前記第1の外周部材は、磁性材料で構成されている第1の環状体を有し、
    前記第1の環状体の径方向内側の面は、前記第1の爪部及び前記磁石の少なくともいずれかに接し、
    前記第2の外周部材は、磁性材料で構成されている第2の環状体を有し、
    前記第2の環状体の径方向内側の面は、前記第2の爪部及び前記磁石の少なくともいずれかに接し、
    前記第1の外周部材と前記第2の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在し、
    前記第2の外周部材と前記第1の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在し、
    前記第1の外周部材及び前記第2の外周部材は、径方向内側へ突出する突起部をそれぞれ有し、
    前記第1の外周部材の前記突起部の少なくとも一部、及び前記第2の外周部材の前記突起部の少なくとも一部は、前記磁石収容空間の長手方向に沿って前記回転子鉄心を見たとき、前記磁石の領域に重なっており、
    前記磁石の端部には、前記磁石収容空間の長手方向に対して傾斜する傾斜面が設けられており、
    前記傾斜面は、周方向に隣り合う前記磁石の前記傾斜面と対向し、
    前記突起部は、前記傾斜面を受けている状態で配置され、
    前記突起部の周方向幅は、径方向内側に向かって連続的に小さくなり、
    対向する前記傾斜面同士の間の距離は、前記突起部の周方向幅に合わせて径方向内側に向かって連続的に小さくなる回転電機。
  2. 固定子と、
    前記固定子の内側に回転可能に配置されている回転子と
    を備え、
    前記固定子は、
    固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に設けられている固定子コイルと
    を有し、
    前記回転子は、
    第1の界磁鉄心部及び第2の界磁鉄心部を有する回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に設けられている界磁コイルと、
    前記回転子鉄心の周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の磁石と、
    前記第1の界磁鉄心部に設けられている第1の外周部材と、
    前記第2の界磁鉄心部に設けられている第2の外周部材と
    を有し、
    前記第1の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第1の爪部を有し、
    前記第2の界磁鉄心部は、周方向について互いに間隔を置いて配置されている複数の第2の爪部を有し、
    前記第1の界磁鉄心部及び前記第2の界磁鉄心部は、前記第1の爪部と前記第2の爪部とが周方向について交互に配置された状態で互いに組み合わされており、
    各前記磁石は、前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に存在している磁石収容空間に配置され、かつ前記第2の爪部から前記第1の爪部に向かう方向に着磁され、
    前記第1の外周部材は、磁性材料で構成されている第1の環状体を有し、
    前記第1の環状体の径方向内側の面は、前記第1の爪部及び前記磁石の少なくともいずれかに接し、
    前記第2の外周部材は、磁性材料で構成されている第2の環状体を有し、
    前記第2の環状体の径方向内側の面は、前記第2の爪部及び前記磁石の少なくともいずれかに接し、
    前記第1の外周部材と前記第2の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在し、
    前記第2の外周部材と前記第1の爪部との間には、軸線方向について隙間が存在し、
    前記第1の外周部材及び前記第2の外周部材は、径方向内側へ突出する突起部をそれぞれ有し、
    前記第1の外周部材の前記突起部の少なくとも一部、及び前記第2の外周部材の前記突起部の少なくとも一部は、前記磁石収容空間の長手方向に沿って前記回転子鉄心を見たとき、前記磁石の領域に重なっており、
    前記磁石の端部には、前記磁石収容空間の長手方向に対して傾斜する傾斜面が設けられており、
    前記突起部は、前記傾斜面を受けている状態で配置され、
    前記突起部には、前記磁石よりも径方向内側で前記突起部から周方向両側へ突出する一対の鍔部が設けられている回転電機。
  3. 前記第1の外周部材及び前記第2の外周部材には、引張応力が周方向へ生じている請求項1または請求項に記載の回転電機。
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