JP6274894B2 - 繊維をナノチューブ連結体を用いて形成するシステム及び方法 - Google Patents

繊維をナノチューブ連結体を用いて形成するシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6274894B2
JP6274894B2 JP2014022339A JP2014022339A JP6274894B2 JP 6274894 B2 JP6274894 B2 JP 6274894B2 JP 2014022339 A JP2014022339 A JP 2014022339A JP 2014022339 A JP2014022339 A JP 2014022339A JP 6274894 B2 JP6274894 B2 JP 6274894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nanotube
carbon nanotube
rope
saddle
bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014022339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014151437A (ja
Inventor
ジョン アール. ハル,
ジョン アール. ハル,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Boeing Co
Original Assignee
Boeing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Boeing Co filed Critical Boeing Co
Publication of JP2014151437A publication Critical patent/JP2014151437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274894B2 publication Critical patent/JP6274894B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G13/00Chains
    • F16G13/12Hauling- or hoisting-chains so called ornamental chains
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/30Self-sustaining carbon mass or layer with impregnant or other layer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本開示は概して、非常に多くの繊維がポリマーのようなマトリックス材料に埋め込まれる構成の複合材料に関するものであり、特に繊維を、連鎖状に順番に相互接続される巻回連結体に形成されるカーボンナノチューブバンドル(カーボンナノチューブ束)を用いて形成するシステム及び方法に関するものである。
カーボンナノチューブは、円筒状ナノ構造を持つ炭素繊維である。カーボンナノチューブは、従来の炭素繊維よりも直径をより小さくすることができる。カーボンナノチューブは、高い強度を示し、かつ他の多くの材料、特に他の種類の炭素繊維よりも高い弾性率を有することが知られている。複合材料に使用される従来の炭素繊維は、直径が約10ミクロンであり、そして長さが何メートルもある。カーボンナノチューブは、直径が1〜10ナノメートル(従来の炭素繊維よりも最大で10,000倍小さい)であり、長さは約1センチメートルである。しかしながら、個々のカーボンナノチューブの引っ張り強度は、従来の個々の炭素繊維の引っ張り強度よりも高い。
市販の複合材料に使用される繊維と同様の繊維は、複数のカーボンナノチューブにより形成されていない。従って、個々に成長するカーボンナノチューブよりも長い個々のカーボンナノチューブの強度を構造物内で確保することは、解決すべき継続的かつ困難な課題となっている。
従って、上に説明した問題のうちの1つ以上の問題だけでなく、起こり得る他の問題を考慮に入れた方法及び装置を有することができれば有利である。
例示的な実施形態は、1つの方法を提供する。前記方法は、第1ナノチューブロープをナノチューブフォレストからスライスする工程を含む。前記方法は更に、前記第1ナノチューブロープを第1複数周回巻きして第1連結体を形成する工程を含む。前記方法は更に、第2ナノチューブロープを前記ナノチューブフォレストからスライスする工程を含む。前記方法は更に、前記第2ナノチューブロープを第2複数周回巻きして第2連結体を形成する工程を含む。前記第2連結体は、前記第1連結体に連鎖状に相互接続される。
例示的な実施形態は更に、1つのシステムを提供する。前記システムは、切り込みを、ナノチューブフォレストの上部に入れて、ナノチューブバンドルの第1部分を前記ナノチューブフォレストから分離するように構成されるマイクロマニピュレータを備える。前記マイクロマニピュレータは更に、第1ハンドリングバンドを前記ナノチューブバンドルの前記第1部分の周りに取り付けるように構成される。前記マイクロマニピュレータは更に、前記第1ハンドリングバンドを把持し、そして前記ナノチューブバンドルを前記ナノチューブフォレストから引き離すように構成される。前記マイクロマニピュレータは更に、第2ハンドリングバンドを前記ナノチューブバンドルの前記第2部分の周りに取り付けるように構成される。前記第2ハンドリングバンドは前記第1ハンドリングバンドとほぼ反対側にある。前記第2部分は、前記ナノチューブバンドルの前記第1部分とほぼ反対側にある。前記マイクロマニピュレータは更に、前記ナノチューブバンドルを巻回ステーションに移動させるように構成される。
前記システムは更に、巻回ステーションの巻取り機を含むことができる。前記巻取り機は、前記ナノチューブバンドルを収容するように構成される。前記巻取り機は更に、第1サドルを、第1閉塞ナノチューブ連結体の内部に、かつ該第1閉塞ナノチューブ連結体の第1端部に位置決めするように構成される。前記巻取り機は更に、前記ナノチューブバンドルの第2端部を、第2サドルの開始スロットに取り付けるように構成される。前記巻取り機は更に、前記ナノチューブバンドルを前記第1サドルの回りに、前記第2サドル及び第3サドルを用いて巻回するように構成される。この巻回によって、前記ナノチューブバンドルの周回ループが形成される。結果的に、第2閉塞ナノチューブ連結体が得られる。第2閉塞ナノチューブ連結体は、前記第1閉塞ナノチューブ連結体に連鎖状に相互係止される。
例示的な実施形態は更に、1つの物体を提供する。前記物体は、第1ナノチューブロープであって、該第1ナノチューブロープを第1複数周回巻きして第1連結体を形成する、前記第1ナノチューブロープを含むことができる。前記物体は更に、第2ナノチューブロープであって、該第2ナノチューブロープを第2複数周回巻きして第2連結体を形成する、前記第2ナノチューブロープを含むことができる。前記第2連結体は、前記第1連結体に連鎖状に相互接続される。
特徴、機能、及び利点は、本開示の種々の実施形態において個別に実現することができる、または更に他の実施形態において組み合わせることができ、これらの実施形態では、更なる詳細が、次の説明及び以下の図面を参照することにより明らかになる。
本開示の1つの態様によれば、繊維を、ナノチューブ連結体を用いて形成するシステムが提供され、該システムは:マイクロマニピュレータを備え、該マイクロマニピュレータは:
切り込みを、ナノチューブフォレストの上部に入れてナノチューブバンドルの第1部分を前記ナノチューブフォレストから分離し;第1ハンドリングバンドを前記ナノチューブバンドルの前記第1部分の周りに取り付け;前記第1ハンドリングバンドを把持し、そして前記ナノチューブバンドルを前記ナノチューブフォレストから引き離し;第2ハンドリングバンドを前記ナノチューブバンドルの第2部分の周りに取り付け、前記第2ハンドリングバンドは前記第1ハンドリングバンドとほぼ反対側にあり、そして前記第2部分は前記第1部分とほぼ反対側にあるように構成される。前記ナノチューブバンドルを巻回ステーション及び前記巻回ステーションの巻取り機に移動させ、前記巻取り機は、前記ナノチューブバンドルを収容するように構成され、そして前記巻取り機は更に:
第1サドルを、第1閉塞ナノチューブ連結体の内部に、かつ該第1閉塞ナノチューブ連結体の第1端部に位置決めし;前記ナノチューブバンドルの第2端部を、第2サドルの開始スロットに取り付け;そして前記ナノチューブバンドルを前記第1サドルの周りで、前記第2サドル及び第3サドルを用いて巻回するように構成され、巻回によって、前記ナノチューブバンドルの周回ループが形成され、結果的に、第2閉塞ナノチューブ連結体が得られ、そして前記第2閉塞ナノチューブ連結体は、前記第1閉塞ナノチューブ連結体に連鎖状に相互係止される。有利な点として、前記ナノチューブフォレストはカーボンナノチューブを含むことができる。更に、有利な点として、前記ナノチューブバンドルの両側の巻き緩み端は、前記第2閉塞ナノチューブ連結体にポリマーを使用して取り付けられる。更に有利な点として、前記巻取り機は更に、前記第1閉塞ナノチューブ連結体及び前記第2閉塞ナノチューブ連結体のうちの一方に連鎖状に相互係止される第3閉塞ナノチューブ連結体を形成するように構成される。有利な点として、前記第1閉塞ナノチューブ連結体、前記第2閉塞ナノチューブ連結体、及び前記第3閉塞ナノチューブ連結体は順番に接続される。更に有利な点として、前記巻取り機は、前記第2サドル及び前記第3サドルを制御するように構成される突出可能かつ後退可能なアームを備える。
例示的な実施形態に固有であると考えられる革新的な特徴が添付の請求項に開示される。しかしながら、例示的な実施形態のみならず、好適な使用形態、これらの実施形態の更に別の目的及び特徴は、本開示の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を、添付の図面と関連付けながら一読することにより最も深く理解されると考えられる。
図1は、例示的な実施形態による繊維を、カーボンナノチューブ連結体を用いて形成するシステムのブロック図である。 図2は、例示的な実施形態による繊維を、カーボンナノチューブ連結体を用いて形成する方法を表わすフローチャートである。 図3は、例示的な実施形態によるカーボンナノチューブ繊維の幾何学構造の図である。 図4は、例示的な実施形態によるカーボンナノチューブ繊維の別の幾何学構造の図である。 図5は、例示的な実施形態によるカーボンナノチューブ繊維の別の幾何学構造の図である。 図6は、例示的な実施形態によるカーボンナノチューブ連結体の直線部分の短セグメントの図である。 図7は、例示的な実施形態による、巻き付けて結束させた状態のカーボンナノチューブ連結体の直線部分の図である。 図8は、例示的な実施形態による隣接する繊維を接合合体させた状態のカーボンナノチューブ連結体の図である。 図9は、例示的な実施形態によるナノチューブバンドルをナノチューブフォレストから分離した状態のナノチューブフォレストの模式図である。 図10は、例示的な実施形態によるハンドリングバンドの図である。 図11は、例示的な実施形態による巻取方法の形態の図である。 図12は、例示的な実施形態による巻取方法の別の形態の図である。 図13は、例示的な実施形態によるサドルを、巻回カーボンナノチューブ連結体から取り外した様子を示している。
カーボンナノチューブを生成する1つの公知の方法では、これらのカーボンナノチューブを、触媒を基板の表面に有する基板に成長させる。カーボンナノチューブフォレストは、基板の表面に直角に、樹木が地面から成長するのと同様に成長することができる。このようなフォレストは、最大10ナノメートルの直径であり、かつ中心間が約5〜20ナノメートル離間している個々のカーボンナノチューブを含むことができる。これらのカーボンナノチューブの長さ、またはフォレストの高さは、約1センチメートルとすることができる。隣接する炭素繊維ナノチューブは、互いに対してファンデルワールス力(van der Waals forces)によって結合することができ、そしてこれらのカーボンナノチューブ自体が配向して、これらの力で保持合体される“ropes(ロープ群)”となる。ファンデルワールス力は、これらのカーボンナノチューブを束ねたときにこれらのカーボンナノチューブが合体した状態を維持するために十分大きい強度を示すことができるが、これらの力は、応力が1つのカーボンナノチューブから隣接するカーボンナノチューブに伝達される構成の複合材料を形成するために十分大きい強度ではない可能性がある。
カーボンナノチューブを製造する別の公知の方法では、従来の炭素繊維を用いる現在の繊維複合材料の場合に行なわれるように、カーボンナノチューブ群を、エポキシまたは他の公知のポリマーのようなマトリックス材料に埋め込む。公知の複合材料の場合、繊維の直径は、マトリックスポリマー分子の直径よりも大きくすることができる。この手法を用いて、繊維が占める体積割合を大きくすることができ、例えば65%にすることができる。より大きな体積割合は、非円形繊維を使用する場合に、またはより小さい直径を持つ繊維を、より大きい直径を持つ繊維と交互に配列する場合に得られる。非円形繊維を用いるか、または交互により小さい直径の繊維が配列される構成を用いるかどうかに関係なく、ポリマーマトリックス材料の場合には、繊維間の間隔を十分大きくすることができる。ポリマーマトリックス材料は繊維に結合することができ、そして応力を1本の繊維から隣接繊維に、多くの繊維径に等しくすることができる隣接繊維に沿った長さにわたって伝達することができる。これらの応力は望ましくない。
上に説明したように、カーボンナノチューブを構造物内で用いようと試みるに際して、大変難しい解決すべき課題が生じてきた。例えば、カーボンナノチューブの直径、及びポリマー分子の直径が同様の直径であることにより、カーボンナノチューブが占める体積割合を許容される程度に大きくすることができるためには困難が伴なう。このような困難により、ポリマーが、カーボンナノチューブの外側表面の許容割合部分に接触する状態を維持することができなくなる虞がある。
このような困難により、ポリマーが、これらのカーボンナノチューブの全てに接触することができなくなる虞さえある。ポリマーに付着していない状態のカーボンナノチューブは、応力を隣接するカーボンナノチューブに、ファンデルワールス力によって伝達することしかできない。ファンデルワールス力には、ポリマー間だけでなく従来の繊維間の化学結合よりもずっと弱く、そしてカーボンナノチューブ固有の強度よりも遥かに弱い。また、ファンデルワールス力を利用するには、2本の繊維の表面が互いに接近している必要がある。
大型構造物をカーボンナノチューブで製造しようと試みる際に直面する別の大変難しい解決すべき課題は、カーボンナノチューブの壁が通常、平滑であり、かつ強い結合を生じる箇所を含まないので、ポリマーが、個々のカーボンナノチューブとの許容できる程度の結合を行なうことができない可能性があることである。
この大変難しい解決すべき課題は、カーボンナノチューブに官能基を導入することにより克服することができる。官能基を導入する際、カーボンナノチューブを熱または反応性化学物質に曝す。官能基を導入すると、カーボンナノチューブの壁が、化学結合が生じる可能性のある箇所で壊れる。しかしながら、カーボンナノチューブに官能基を導入すると、カーボンナノチューブの強度が、カーボンナノチューブのチューブ壁が脆くなることにより低下する虞がある。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)及び多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に分類することができる。大変難しい解決すべき別の課題は、多層カーボンナノチューブを用いる場合に生じる。多層カーボンナノチューブは、入れ子式の単一構造になる複数の単層カーボンナノチューブを含むことができる。多層カーボンナノチューブ内では、多層カーボンナノチューブ内で入れ子構造になるこれらの単層カーボンナノチューブは、隣接する単層カーボンナノチューブの壁の間のファンデルワールス力によって接続することができる。ファンデルワールス力は、個々の単層カーボンナノチューブの壁強度よりも弱い可能性がある。複合材料では、許容できる結合がポリマーマトリックスと各多層カーボンナノチューブの最外殻の単層カーボンナノチューブとの間に生じていると仮定すると、最外殻の単層カーボンナノチューブのみが、複合材料に付与される強度の大部分に寄与することができる。各多層カーボンナノチューブの最内殻の単層カーボンナノチューブは、複合材料の強度に殆ど寄与することができない。この影響は、応力を隣接する繊維に伝達することができる物が最内殻の単層カーボンナノチューブに付着することがないので現われる。
例示的な実施形態では、カーボンナノチューブにより形成され、かつ個々のカーボンナノチューブの強度を持たない市販の繊維についての上記問題を認識し、そして考慮に入れる。例示的な実施形態では更に、構造物を1センチメートルよりも長いカーボンナノチューブから製造する試みが非常に難しく、今日まで失敗してきたことを認識し、そして考慮に入れる。
従って、例示的な実施形態は、カーボンナノチューブバンドルまたはナノチューブロープを巻回ループ状に巻回して連結体を形成するシステム、方法、及び目的に関するものである。ナノチューブロープは連結体形成過程でねじることができる。これらの連結体は、連鎖の一部として形成され、これらの連鎖は、複数の連続相互係止カーボンナノチューブバンドル連結体を含む。連続相互係止カーボンナノチューブバンドル連結体から形成されるこれらの連鎖の長さは、個々のカーボンナノチューブの強度を依然として保持することができる既存の複合材繊維の長さと同様とすることができる。カーボンナノチューブ連鎖は、引っ張り力を受けるときに高い強度を示す。これらの連鎖によって、連鎖に含まれるカーボンナノチューブ群の全てを合わせた強度をほぼ最大限に利用することができる。
例示的な実施形態では、カーボンナノチューブバンドルをナノチューブフォレストから、マイクロマニピュレータを用いてスライスすることを念頭に入れる。ハンドリングバンドをこれらのバンドルの両側端部の近傍に配置して、これらのバンドルを一括保持することができる。次に、マイクロマニピュレータでこれらのバンドルを巻回ステーションに移動させることができる。巻回ステーションでは、巻取り機でバンドルを複数周回巻きして、ループまたは連結体を形成し、そしてバンドルの2つの巻緩み端の各巻緩み端を新規形成連結体に融着させることができる。新規の連結体を形成するために、巻回し治具でバンドルを、既に形成されている連結体に通しながら巻回して、新規に形成される連結体を既に形成されている連結体に連鎖状に相互接続することができる。
例示的な実施形態では更に、マイクロマニピュレータは、ハンドルに取り付けられるブレードを使用して、カーボンナノチューブフォレストに切り込みを入れて、新たなバンドルをナノチューブフォレストから分離することができることを認識し、そして考慮に入れる。マイクロマニピュレータは、新たなバンドルをナノチューブフォレストから引っ張り出し、そしてハンドリングバンドをバンドルの両側端部に配置することができる。バンドルを巻回ステーションに供給した後、巻取り機は、第1サドルを既存のカーボンナノチューブ連結体の内部に配置することができる。次に、巻取り機は、第2サドル及び第3サドルを使用して、カーボンナノチューブバンドルを周回ループ状に、既存のカーボンナノチューブ連結体に通しながら巻回することができる。巻取り機は突出可能かつ後退可能なアームを有することができる。これらのアームは、第2及び第3サドルを、これらのサドルが第1サドルの周りを回転するときに、交互に保持し、そして解放することができる。
例示的な実施形態では更に、個々のカーボンナノチューブは、非常に短い長さではあるものの、複数の連続連鎖ナノチューブ連結体を含む繊維構造を形成することができることを認識し、そして考慮に入れる。連鎖ナノチューブ連結体は、ナノチューブ以外の繊維と同様の長さとすることができ、更には、個々のナノチューブの強度にほぼ近い強度を有することができる。カーボンナノチューブの強度は、連鎖が引っ張り力を受け、そして強く引っ張られるときに維持することができる。カーボンナノチューブ連結体の直線部分は、カーボンナノチューブバンドルで包み込むことができ、包み込み連結体及び連鎖全体の強度を更に高めることができる。個々の連鎖状のナノチューブ連結体は、隣接して配置するか、または並んで配置することができ、そして結合して合体させることができる。この配置により、より厚く、かつより高い強度の全体構造を形成することができる。
例示的な実施形態では更に、本発明では、カーボンナノチューブを糸状に引き出す場合と同じように、隣接するカーボンナノチューブの間に大きな透き間が殆ど生じないことを認識する。多層カーボンナノチューブを用いる場合、内側カーボンナノチューブ群が、結果的に得られる連鎖の強度に同程度に寄与することができる。
カーボンナノチューブ連結体の両端部の曲率半径は、個々のカーボンナノチューブの直径と比較して、十分大きいので、横切るように折り返して巻き回される連結体端部に生じる虞があるカーボンナノチューブ強度の低下は無視できる。同時に、連結体端部の曲率半径は、これらの連結体の長さに対して小さくすることができるので、カーボンナノチューブ材料の殆どの部分が、繊維の軸方向に使用される。
例示的な実施形態では更に、カーボンナノチューブが複合材料中に占める体積割合を高めることができることを認識する。この体積割合は、炭素繊維が従来の複合材料中に占める体積割合と同程度の大きさとすることができる。カーボンナノチューブの幾何学構造によって、複合材料中の隣接する連鎖の間隔を十分広くすることができるので、応力を連鎖から連鎖にマトリックス材料を介して、従来の繊維複合材料の場合と殆ど同じようにして伝達することができる。各連結体の内部では、カーボンナノチューブが占める体積割合は、約100%とすることができ、そしてマトリックス材料で低下させる必要はない。
例示的な実施形態では更に、カーボンナノチューブ連結体の長さが十分長い場合に、隣接するカーボンナノチューブの間のせん断力は、個々のカーボンナノチューブの引っ張り強度に等しいか、または当該引っ張り強度よりも大きくなる可能性があることを認識する。この特徴によって確実に、1本のカーボンナノチューブに起因する応力が、隣接するカーボンナノチューブに連結体の長さ全体にわたって伝達される。せん断力は、カーボンナノチューブバンドルに、連結体を形成するときに撚りを付与することにより、そして連結体の外側を過剰に包み込んで、隣接するカーボンナノチューブの表面が互いに接近したままの状態になることにより最大可能せん断力に近い値に保持される可能性がある。
次に、これらの図に注目する。図1では、繊維をカーボンナノチューブ連結体を用いて形成するシステム100のブロック図が、例示的な実施形態に従って図示されている。図1に示すシステム100はマイクロマニピュレータ140を含む。マイクロマニピュレータ140は、多数の自由度を有する多数の機械付属品またはマイクロマニピュレータアームを備えるロボットとすることができる。マイクロマニピュレータ140は、顕微鏡(図示せず)と接続して使用することができる。顕微鏡により、カーボンナノチューブのサイズが小さいことを考えると、所望の精度の移動が可能になる。マイクロマニピュレータ140は、1ミクロン以下の位置解像度で動作することができ、そして部品群の位置、及び部品群の幾何学的端面を少なくとも同じ解像度で特定する能力を備えている。
マイクロマニピュレータアーム142及びマイクロマニピュレータアーム144は、マイクロマニピュレータ140に取り付けられ、かつマイクロマニピュレータ140によって制御される付属品とすることができる。マイクロマニピュレータアーム142及びマイクロマニピュレータアーム144は、以下に詳細に説明するように、カーボンナノチューブバンドル130を含む物体に取り付き、物体を移動させ、そして解放する機構を含むことができる。マイクロマニピュレータ140は更に、ブレード148を含むことができ、このブレード148をマイクロマニピュレータ140が使用することにより、カーボンナノチューブフォレスト120に切り込みを入れ、そしてカーボンナノチューブフォレスト120から、少なくとも1つのカーボンナノチューブバンドル130を切り出す。ブレード148は、マイクロマニピュレータ140にハンドル146を介して取り付けることができる。
カーボンナノチューブフォレスト120は、基板122に化学気相堆積法または他の公知の方法を用いて成長させたカーボンナノチューブ群の集合体とすることができる。カーボンナノチューブは、基板122の表面から垂直方向に成長する。カーボンナノチューブバンドル130は、カーボンナノチューブフォレスト120からブレード148でスライスされる。カーボンナノチューブバンドル130は図1では、カーボンナノチューブフォレスト120の一部として図示されているが、一旦、ブレード148が当該ブレードの切断動作を完了し、そしてマイクロマニピュレータ140がカーボンナノチューブフォレスト120の切断部分を引っ張り出してカーボンナノチューブバンドル130を形成すると、カーボンナノチューブバンドル130は、カーボンナノチューブフォレスト120の一部ではなくなっている。カーボンナノチューブバンドル130は以後、bundle(バンドル)130と表記することができる。
マイクロマニピュレータ140は更に、ハンドリングバンド150及びハンドリングバンド152を含むことができる。上に説明したように、ファンデルワールス力は、複数のカーボンナノチューブを、商品化要求に応えるバンドルとして束ねて保持するために十分強い訳ではない。マイクロマニピュレータアーム142及びマイクロマニピュレータアーム144は、ハンドリングバンド150及びハンドリングバンド152を、カーボンナノチューブバンドル130の外周に取り付けて、構成カーボンナノチューブ群を平行にカーボンナノチューブバンドル130として束ねて保持することができる。この動作は、カーボンナノチューブバンドル130がカーボンナノチューブフォレスト120から分離されるときに行なうことができる。
システム100は更に、巻取り機170を含むことができる。巻取り機170は、巻回ステーション190に配置することができる。巻回ステーション190は、カーボンナノチューブバンドル130を、カーボンナノチューブバンドル130がマイクロマニピュレータ140により、本明細書に記載される切断及び束ね動作を経て形成された後に収容することができる。巻取り機170は、カーボンナノチューブバンドル130を保持することができ、そしてカーボンナノチューブバンドル130を周回ループ状に、別のカーボンナノチューブバンドル130で先に形成されている既存の連結体に通しながら巻回することができる。
巻取り機170は、サドル192、サドル194、及びサドル196を含むことができる。サドル194は、既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体の内部に、既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体の開口状態を保持し易くする位置に配置することができる。既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体は、新たに形成されるカーボンナノチューブ連結体を、当該閉塞カーボンナノチューブ連結体に通しながら巻回する状態で有することにより、連鎖を形成することができる。カーボンナノチューブバンドル130を既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体に通しながら周回状に巻回する、またはループ状にするときに、サドル194が凹空間を提供して、カーボンナノチューブバンドル130の繊維を保持することもできる。カーボンナノチューブバンドル130を、既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体の周りに、そして既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体に通しながら巻回するときに、サドル192及びサドル196はカーボンナノチューブバンドル130を保持することができる。
巻取り機170は、カーボンナノチューブバンドル130を巻回しているときに、サドル192及びサドル196の取り付け、及び取り外しを交互に行なうことができる。サドル192及びサドル196はそれぞれ、4つのサドルハンドルを有することができるが、異なる数のハンドルを設けてもよい。サドル194及びサドル196に取り付けられるハンドルが図11に、1つの非限定的かつ例示的な実施形態として図示されている。サドル192に取り付けられるハンドルは図12に、別の非限定的かつ例示的な実施形態として図示されている。
巻取り機170は、巻取りアーム172、巻取りアーム174、巻取りアーム176、及び巻取りアーム178を有することができる。これらの巻取りアームの各巻取りアームは、突出可能かつ後退可能とすることができる。巻取りアーム172、巻取りアーム174、巻取りアーム176、及び巻取りアーム178の各巻取りアームの端部には固定具(図示せず)を設けることができ、この固定具は、サドル192に取り付けられるハンドル、及びサドル196のハンドルを把持し、そして解放する。この把持及び解放動作は、サドル192及びサドル196をサドル194の周りに回転させるときに行なうことができる。サドル192、サドル194、及びサドル196、これらのサドルのハンドル、及び本明細書に説明されるプロセスは、図2〜図13についての説明において、以下に更に詳細に記載される。
巻取り機170は更に、拡幅棒180及び拡幅棒182を有することができる。拡幅棒180及び拡幅棒182はサドル194と一緒になって、既存の閉塞カーボンナノチューブ連結体の開口状態を、巻取り機170がサドル192及びサドル196を用いてカーボンナノチューブバンドル130を周回状に巻回しているときに集合的に保持することができる。この動作を利用して、相互係止カーボンナノチューブ連結体を形成することができる。
図2は、例示的な実施形態に従って繊維を、カーボンナノチューブ連結体を用いて形成する方法のブロック図を示している。図2に示す方法200は、図1のシステム100を用いて実行することができる。図2に図示されるプロセスは、図1、及び図3〜図13に関連して説明されるプロセスの変形例とすることができる。図2に提示される操作は、“a process(1つのプロセス)”によって実行されるものとして記述されるが、これらの操作は、本明細書の他の箇所に説明されるように、1つ以上の物理デバイスを用いて実行することができる。
方法200は、当該プロセスにおいて、ブレード148をマイクロマニピュレータ140に取り付けられるハンドル146を介して使用して、第1ナノチューブロープをカーボンナノチューブフォレスト120からスライスする(操作202)ことから開始することができる。次に、当該プロセスでは、巻取り機170を用いて、第1ナノチューブロープを第1複数周回巻きして、第1連結体を形成する(操作204)。次に、当該プロセスでは、ブレード148を用いて、第2ナノチューブロープをカーボンナノチューブフォレスト120からスライスする(操作206)。次に、当該プロセスでは、巻取り機170を用いて、第2ナノチューブロープを第2複数周回巻きして第2連結体を形成し、第2連結体は第1連結体に連鎖状に相互接続される(操作208)。
図2に示すプロセスは例示に過ぎない。当該プロセスは、操作の回数、及びこれらの操作を実行するためにいずれの装置を使用するかの両方に関して変えることができる。例えば、より多くの、または異なるブレード、ハンドル、及び巻取り機を使用することができる。従って、特許請求する発明は、必ずしも図2に記述される操作による限定を受けるものではない。
図3は、連鎖状カーボンナノチューブ繊維10を例示的な実施形態に従って描いている。図3に示す連鎖10は、図1のシステムを用いて、かつ方法200の操作を用いて形成される連鎖とすることができる。図3に示す連鎖状カーボンナノチューブ繊維10は、カーボンナノチューブバンドルにより、図1のシステムを用いて、かつ方法200の操作を用いて形成される3つの連結体からなる垂直連鎖とすることができる。図3は、3つのカーボンナノチューブ連結体からなる連鎖を描いているが、連鎖は、2つのカーボンナノチューブ連結体を含むことができる、または4つ以上のカーボンナノチューブ連結体を含むことができる。
例示的な実施形態では、図3に示す連鎖は、3つの連結体、すなわち連結体20a,連結体20b,及び連結体20cを含むことができる。連結体20a,連結体20b,及び連結体20cが図3に現われて、同一の長さ、幅、及び他の物理的特徴を共有しているが、1つの実施形態では、連結体20a,連結体20b,及び連結体20cは、ほぼ同一の物理的特徴を共有しない。
図3の連結体20aは、連結体20b及び連結体20cの類似構成部品に固有の構成部品を備えるものとして描かれている。説明を進めるために、本明細書における連結体20aについての説明は、連結体20b及び連結体20cに当てはめることができる。説明を進めるために、そして説明を容易にするために、連結体20a,連結体20b,及び連結体20cに共通する特徴が説明されている場合、これらの連結体は、一括して連結体20と表記することができる。
連結体20a,連結体20b,及び連結体20cの各々は、2つの直線セクション22と、そして2つの端部セクション24と、を含むことができる。連結体20a,連結体20b,及び連結体20cの各連結体は、複数巻のカーボンナノチューブバンドル130を含むことができる。
記号A−A及びB−Bは、連結体20aの断面図を指している。断面図A−Aは図4に描かれ、図4は、カーボンナノチューブ繊維の別の幾何学構造の図であり、そして連結体20aの直線セクション22の断面40の図を描いている。断面図B−Bは図5に描かれ、図5は、カーボンナノチューブ繊維の別の幾何学構造の図であり、そして連結体20aの端部セクション24の断面図を描いている。
上に説明したように、システム100の構成要素によって形成され、かつ1つの実施形態である連結体20を有するカーボンナノチューブ連結体は、図1のバンドル130のようなカーボンナノチューブバンドルを複数周回巻きした製品とすることができる。断面図A−Aに含まれる各方形は、図4のバンドル130としても表示され、かつバンドル130を1周回巻したときのカーボンナノチューブバンドル130の1つのセグメントとすることができる。
図4の断面図A−Aの円形断面40内に図示されているように、直線セクション22は、複数巻したカーボンナノチューブバンドル130を含むことができる。円形断面40の所定の箇所では、バンドル130の1つ以上のセグメントには、図4のバンドルセグメント50により図示されているように、当該バンドルの長手軸まわりの撚りを付与することができる。
カーボンナノチューブバンドル130は円形、卵形、または競馬場形に巻き付けることができるので、1巻きしたカーボンナノチューブバンドル130の最外殻部分は、1巻きしたカーボンナノチューブバンドル130の最内殻部分よりも長い距離を走行することになる。カーボンナノチューブバンドル130の一方の端部が、カーボンナノチューブバンドル130を巻回し始める箇所に固定されている状態では、最外殻部分が最内殻部分よりも長い距離を走行すると、最内殻部分が、カーボンナノチューブバンドル130の最外殻部分を最遠端の位置で通り越して延びてしまう。
この結果、最遠端を保持するのが困難になってしまうか、またはカーボンナノチューブバンドル130の座屈が、カーボンナノチューブバンドル130が保持される箇所で生じる。保持できないか、または座屈が生じると、カーボンナノチューブバンドル130の結束性が低下する、またはカーボンナノチューブバンドル130のハンドリングが一層難しくなる。
この実施形態では、カーボンナノチューブバンドル130には、各1回の巻き回しについて各直線セクション22に沿ったカーボンナノチューブバンドル130の長軸回りの90度の回転、または180度の回転の何れかの回転が付与される。これらの2種類の回転の何れの回転によっても、カーボンナノチューブバンドル130の座屈を軽減し易くすることができる。これらの2種類の回転の何れの回転によっても更に、カーボンナノチューブバンドル130の一方の側から、1周巻きの時点の巻回起点、または半周巻きの時点の巻回起点の何れかの巻回起点に至る束走行部の不均一性を抑制することができる。
カーボンナノチューブバンドル130に、巻取り機170による回転中に撚りを付与する別の手法を利用することができる。このような第1の手法では、1つの方向に連結体20の一方の側に撚りを付与し、そして反対方向に、連結体20の他方の側に撚りを付与することができる。このような第2の手法では、必ず1回巻きごとに、または半回巻きごとにではないが、周期的に撚りを付与することができる。
図5の断面図B−Bに図示されているように、隣接する連結体の端部セクション24は、連結体20a及び連結体20bを含む連鎖に中程度の引っ張り力が加わっている状態で、互いの端部セクションの回りに巻き付けることができる。図5は、図5に炭素繊維ナノチューブ群60として描かれている個々のカーボンナノチューブの集合体により形成されるカーボンナノチューブバンドル130を描いた切り欠き部Cを含む。これらの炭素繊維ナノチューブ60は、これらの炭素繊維ナノチューブがカーボンナノチューブフォレスト120に含まれているときに結束して集合体となっている。図5に示す炭素繊維ナノチューブ群60は、単層カーボンナノチューブとして描かれている。1つの実施形態では、図5に示す炭素繊維ナノチューブ群60は、単層カーボンナノチューブとすることができる。
断面図A−Aでは、カーボンナノチューブバンドル130のセグメント群は、必ずしも互いに極めて近接している訳ではないが、断面図B−Bでは、カーボンナノチューブバンドル130のセグメント群は、互いに極めて近接することができる。“close proximity(極めて近接している)”とは、隣接するバンドルの外周面の回りに在る隣接するカーボンナノチューブの間に働くファンデルワールス力が、1つのバンドル内の隣接するカーボンナノチューブの間に働くファンデルワールス力の少なくとも約1%に相当するときの距離として定義することができる。この差は、図3に示す連鎖10が、連鎖10に中程度の引っ張り力が加わっている状態として描かれているので生じる可能性がある。連鎖10を並べて配置して繊維を形成する場合、引っ張り力が増大し、そして連結体20の直線セクション22のセグメント群の間の間隔が狭くなる。
例示的なサイズとして、カーボンナノチューブバンドル130は、カーボンナノチューブフォレスト120から、2ミクロン×2ミクロン×4センチメートルの寸法の矩形並列管状に切り出すことができる。連結体20は、1/10ミリメートル〜1ミリメートルの長手寸法を有することにより、200回〜20回の範囲で巻き回すことができる。連結体20の横寸法は、平坦方向に約35ミクロンとし、そして連結体20の端部の巻き方向に約50ミクロンとすることができる。カーボンナノチューブバンドル130はこの例では、約10,000〜40,000本のカーボンナノチューブを含むことになる。
カーボンナノチューブバンドル130は、2つの端部を有することができ、これらの端部の各端部は、連結体20に取り付けられる。取り付けられないままで放置される場合、連結体20は、連鎖10を引き伸ばすと、ほどけてしまう可能性がある。
従って、カーボンナノチューブバンドル130の両端部を連結体20aに取り付ける手段を図6に示す。図6は、連結体20の直線部分22の短セグメントを図示している。図6は、カーボンナノチューブバンドル130の両端部のうちの一方の端部をバンドル端部35として図示している。図6のバンドル端部35は、連結体20の巻回繊維の回りに巻き付けることができる。薄いポリマー層をバンドル端部35及び当該バンドル端部の周囲領域の上に塗布して、バンドル端部35を所定の位置に保持することができる。他方の自由端部(図示せず)は、連結体20aに同様にして取り付けることができる。
連結体20における巻き付けバンドル端部35とセグメント群の残りの部分との間の接着せん断強度は、カーボンナノチューブバンドル130の引っ張り強度と比較して小さい可能性がある。しかしながら、連結体20の長さが比較的長いことによって、連結体20の断面積と比較して、接触面積をより大きくすることができる。更に、巻き付けたバンドル端部35全体に沿って作用する合計せん断力は、バンドル端部35が巻きほどけない程度のものでしかない。別の構成として、連結体20が十分長い場合、バンドル端部35の表面とカーボンナノチューブバンドル130の隣接する長さ部分との間に働くファンデルワールス力は、ほどけを防止するために十分な大きさであり、そしてバンドル端部35は、連結体20に沿って真っ直ぐに配置することができる。
例示的な実施形態は更に、連結体20の巻き付け直線セクション22を含むことにより、連結体20の圧縮強度を高める。連結体20の圧縮強度は、カーボンナノチューブバンドル130のセグメント群を連結体20の各側で圧密状態を保持することにより高めることができる。
図7は、巻き付けて結束させた状態の連結体20の直線部分を例示的な実施形態に従って図示している。図7に示す連結体20の外周には、少なくとも1つのカーボンナノチューブバンドル130を含む更に別のナノチューブロープを巻き付けることができる、または連結体20を形成するために使用されるカーボンナノチューブバンドル130の両側の巻緩み端を巻き付けることができる。図7では、連結体20は、連結体20の直線セクション22の回りに巻き付けた外側巻回体80を有する。外側巻回体80をきつく引っ張ると、直線セクション22を合体させることができる。平行に巻回される、または直列に巻回される1本よりも多くのカーボンナノチューブバンドル130を用いて連結体20に巻き付けることができる。
連結体20の圧縮不良が、カーボンナノチューブの座屈不安定性に起因している可能性があるので、圧縮強度を高める材料だけが、座屈の開始を抑制するために十分な強度を有していればよい。外側巻回体80は、連結体20を形成するために使用されるカーボンナノチューブバンドル130の強度と同程度の強度を有する必要がないので、外側巻回体80は、官能基を導入したカーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ糸により形成することができる。官能基を導入したカーボンナノチューブにより形成される外側巻回体80は、複合材料に埋め込まれる場合には、マトリックス材料との連結体20の結合を強めることができる。カーボンナノチューブバンドル130の自由端部の場合と同じように、図7に自由端部85として図示される外側巻回体80の自由端部は連結体20に、ポリマーまたは他の手段によって取り付けられる必要がある。別の構成として、取り付け前に、長いカーボンナノチューブ糸を使用して、連結体20a,連結体20b,及び連結体20cに巻き付けることができる、または長いカーボンナノチューブ糸を連結体20a,連結体20b,及び連結体20cに、隣接する繊維として巻き付けることができる。図7に示す巻き付けによって連結体20の圧縮強度を高めることができるが、連結体20自体を、隣接する連結体20の端部セクション群24の回りに巻回することができるので、座屈が依然として起こり得る。
隣接する連結体を図示している図3に戻ってこの図を参照するに、連結体20bは、連結体20aと連結体20cとの間に在るものとして図示することができる。連結体20a及び連結体20cは、連結体20bに隣接させることができる。連結体20a,連結体20b,または連結体20cの何れかの、または全ての座屈は、これらの連結体に隣接する連結体を巻回することにより生じてしまう。図7に示す巻き付けによって、端部セクション群24を、隣接する連結体の端部セクション群24の回りに強く密着して引き出すことができる。しかしながら、巻回移動を用いることもできる。
巻回によって生じる不具合を更に減らすために、隣接する繊維の連結体群を図8に示すように、接合合体させることができる。図8では、連鎖10及び連鎖90が互いに平行に延在している。連鎖10及び連鎖90の各連鎖の連結体を3つしか図示していないが、より多くの、またはより少ない連結体を設けることができる。
例示的な実施形態では、連鎖90は、連鎖10よりも後方に連結体脚部直径1つ分だけずらして配置することができる。連鎖90は、連鎖10よりも後方に連結体脚部直径2つ分だけずらして配置してもよい。連鎖90は、連鎖10から軸方向に連結体長さの半分だけずらして配置することができる。連鎖10及び連鎖90は、連結巻回体群96によって、直線部分22が連鎖10と連鎖90との間で隣接する箇所で結束させることができる。連結巻回体群96は、連鎖10及び連鎖90の各連鎖が、端部セクション群24の位置で回動するのを防止することができる。回動は、これらの連結体のうちの1つの連結体の直線部分22が湾曲している場合にのみ起こり得る。連鎖10及び連鎖90は接合されると、連鎖10単独、または連鎖90単独よりも大きい圧縮強度を有することができる繊維を形成することになる。1つの実施形態では、第3連鎖または更に別の連鎖(図示せず)を連鎖90に対して、連鎖90が連鎖10に対して配置されるのと同様にして、配置することができる。この拡張構造では、連結巻回体群によって接続される連鎖群の集合体が薄い平面を構成することができる。
2つの一般的方法を用いて、繊維をカーボンナノチューブにより構成される連結体20a,連結体20b,及び連結体20cから形成することができる。第1の方法は巻取方法である。第2の方法は通糸方法である。両方の方法では、プロセスは、カーボンナノチューブバンドル130をカーボンナノチューブフォレストから切り出すことにより始めることができる。当該プロセスは、マイクロマニピュレータブレード148で、カーボンナノチューブフォレストの上部に切り込みを入れて、カーボンナノチューブバンドルの上部をカーボンナノチューブフォレスト120の残りの部分から分離する。次に、マイクロマニピュレータアーム142でハンドリングバンド150をカーボンナノチューブバンドル130の上部の近傍に配置する。次に、マイクロマニピュレータアーム142でハンドリングバンド150を把持する。次に、マイクロマニピュレータアーム142でカーボンナノチューブバンドル130を、カーボンナノチューブフォレスト120から引き離す。マイクロマニピュレータアーム142でハンドリングバンド150をカーボンナノチューブバンドル130の下部の近傍に配置する。マイクロマニピュレータアーム142でカーボンナノチューブバンドル130を巻回ステーション190に移動させる。次に、巻回ステーション190は、カーボンナノチューブバンドル130を1本の連結体として巻回して連鎖を形成することができる。上に説明した方法は、例えば幾つかの操作を追加する、または削除する、或いは変更することにより変えることができる。
図9は、カーボンナノチューブバンドルをカーボンナノチューブフォレストから分離する状況にあるカーボンナノチューブフォレストの模式図を、例示的な実施形態に従って図示している。カーボンナノチューブフォレスト900は、図1のカーボンナノチューブフォレスト120とすることができる。カーボンナノチューブバンドル902は、図1のカーボンナノチューブバンドル130とすることができる。ブレード906は図1のブレード148とすることができる。ハンドル908は図1のハンドル146とすることができる。
基板904は、カーボンナノチューブ繊維のカーボンナノチューブフォレスト900を保持することができる。カーボンナノチューブバンドル902は、カーボンナノチューブフォレスト900からブレード906で分離されている。ブレード906はハンドル908に接続することができる。ブレード906でまず、切り込みを、カーボンナノチューブフォレスト900の面260に沿って、かつ面262及び面264を定義する直線群に沿って入れることができる。ブレード906を押し下げ、そして面262に略直交する方向270に移動させることができる。ブレード906を押し下げ、そして移動させると、カーボンナノチューブバンドル130の上部を、カーボンナノチューブフォレスト900の残りの部分から離れる方向に曲げることができる。
図10は、図1のシステム100のハンドリングバンド150及びハンドリングバンド152に対応するハンドリングバンド300の1つの実施形態を図示している。ハンドリングバンド300は、バンド310と、バンドハンドル320と、そしてバンドハンドル330と、を含むことができる。バンド310は、スプリングスチールのようなバネ状材料により形成することができる。バンド310は、バンド310が図10に示すような弛緩状態のときに、バンド310をカーボンナノチューブバンドル130の一方の端部の回りに密に当接することができるような形状に曲げることができる。バンドハンドル320及びバンドハンドル330は、バンドハンドル320及びバンドハンドル330が、外側に引っ張られると、すなわち図10の方向322及び方向332に引っ張られると、バンド310が広がってカーボンナノチューブバンドル130の一方の端部が滑り落ちるように取り付けることができる。
図11は、巻取方法の形態を例示的な実施形態に従って図示している。図11では、ナノチューブ繊維により既に形成されている連鎖の既存の連結体群が、図示の上部連結体に対して下方に延在し、そして新たな連結体を図1の連鎖10のような既存の連鎖の上部に設けようとしている。
図11は、巻取り機400を図示しており、この巻取り機400は、サドル410(当該サドル410は、図1のサドル192とすることができる)、サドル420(当該サドル420は、図1のサドル194とすることができる)、及びサドル430(当該サドル430は、図1のサドル196とすることができる)を含むことができる。このように、巻取り機400は、図1のシステム100が提供する巻取り機170に類似させることができる。
非拡幅連結体440は、拡幅連結体450の真下の連結体とすることができる。拡幅連結体450は、新たに相互接続される連結体を、本明細書において教示される方法を利用して受け入れることができる。拡幅連結体450は、4箇所で拘束することができるが、異なる数の箇所を利用してもよい。4箇所は、非拡幅連結体440、サドル420、拡幅棒460、及び拡幅棒470とすることができる。
巻取方法の別の形態の図である図12では、サドル410(当該サドル410は、図1のサドル192とすることができる)の拡大図Aは、サドルハンドル412、サドルハンドル414、サドルハンドル416、及びサドルハンドル418を図示している。サドル410は開始スロットを有することができる。例えば、スロット490は、炭素繊維ナノチューブを収容し、そして保持することができる。図11のサドル430の場合、サドルハンドル432及びサドルハンドル434に記号を付すことができる。
図1のシステム100の巻取り機170は、突出し、そして後退する巻取りアーム172、巻取りアーム174、巻取りアーム176、及び巻取りアーム178(図1の全て)を有することができる。巻取りアーム172、巻取りアーム174、巻取りアーム176、及び巻取りアーム178の各巻取りアームの端部には、サドル410の1つのハンドルを把持する固定具(図示せず)が設けられる。巻取りアーム172、巻取りアーム174、巻取りアーム176、及び巻取りアーム178は、これらの巻取りアームが、巻取りサドル410のサドルハンドル412及びサドルハンドル414を把持し、そして巻取りサドル410のサドルハンドル432及びサドルハンドル434を把持することができるように配置することができる。
巻取り機170は、サドル194の軸と一直線上に位置させることができる中心線480の回りに回転することができる。図11の右側から中心線480に沿って眺めると、当該回転は時計回りとなる。カーボンナノチューブバンドル130の下側部分は、開始スロット490に、開始スロット490の下方のカーボンナノチューブバンドル130の下側端部に位置するハンドリングバンド150を用いて収容される。サドル410は図11に示す通りの姿勢とすることができる。
カーボンナノチューブバンドル130の残りの部分は、サドル410の背後で移動させることができ、これにより、カーボンナノチューブバンドル130に中程度の引っ張り力が加わるようにする。巻取り機170が回転すると、カーボンナノチューブバンドル130の上側端部とサドル410との間の距離を短くすることができるので、引っ張り力を一定に保つことができる。
別の例示的な実施形態では、更に別のサドルを設けることができる。例えば、図1のサドル194のような第2サドルによって、カーボンナノチューブバンドル130をサドル410及び第2サドルに巻き回すときのカーボンナノチューブバンドル130の位置合わせを容易にすることができる。
巻取り機170が回転し、そして姿勢が、サドルハンドルを保持している方の巻取り機170の構成部分が、拡幅連結体450に接近するような姿勢になると、巻取り機170は、巻取り機170が保持するサドルハンドルを変更することができる。例えば、図11の姿勢では、巻取り機170は、サドルハンドル434を保持していることになる。回転の一部として、回転運動を一時的に停止することができる。この場合、巻取りアーム172及び巻取りアーム174のうちの一方の巻取りアームが突出し、そしてサドルハンドル432を把持することになる。一旦、このハンドルが固定されると、サドルハンドル434を解放し、そしてサドルハンドル434を保持する巻取りアーム172または巻取りアーム174を後退させる。次に、回転運動を再開することができる。同様の操作は、別の半回転の後に、サドル410が拡幅連結体450の中間の位置に到達するときに行なうことができる。巻取りアーム172及び巻取りアーム174の突出及び後退が十分高速に行なわれる場合、回転運動は、把持している方のハンドルを変更するときに完全に停止させる必要はない。
以下の内容は、1本の連結体20をカーボンナノチューブバンドル130から形成するこれまでの節で説明してきた巻取方法の概要である。この概要は、特許請求する発明を必ずしも限定するものではなく、本明細書の他の箇所に記載されるように、変更することができる。
1.サドル192、サドル194、及びサドル196を組み立て、サドル192、サドル194、及びサドル196を巻取り機170に配置し、そして巻取り機170を位置決めする。
2.ハンドリングバンド150を、サドル192の開始スロット490に収まるカーボンナノチューブバンドル130の上側端部に配置する。
3.カーボンナノチューブバンドル130の上側端部にあるハンドリングバンド152を移動させることにより、カーボンナノチューブバンドル130の残りの部分を上側サドルの上で巻回する。
4.巻取り機170を2分の1回転させる。
5.巻取り機170で下側サドルの隣接ハンドルを把持し、そして第1ハンドルの把持を解放する。
6.配向したカーボンナノチューブバンドル130に半回転または4分の1回転の撚りを付与する。
7.上記工程4〜6を巻回が完了するまで繰り返す。
8.カーボンナノチューブバンドル130の自由端部を連結体の直線部分22の回りに巻回する。ハンドリングバンド150をカーボンナノチューブバンドル130の上部から取り外し、余剰部分を切り離し、そしてハンドリングバンドを連結体から離れるように移動させる。
9.カーボンナノチューブバンドル130の下部にあるハンドリングバンド150を開始スロット490から取り外し、端部を連結体の他方の直線部分22の回りに巻き付ける。
10.ポリマーを塗布して両端部を固定する。
巻回した連結体20からのサドル192、サドル194、及びサドル196の取り外しを容易にするために、図13に示すように、サドル192、サドル194、及びサドル196を、組み立てに使用される中央の位置合わせピンの位置で分割する。サドルを、巻回カーボンナノチューブ連結体から取り外したときの様子を図示している図13では、サドル500は、サドル半体510及びサドル半体520を嵌め合わせることにより形成することができる。サドル半体510は、位置合わせピン530及び位置合わせピン540を含むことができ、これらの位置合わせピンをそれぞれ、サドル半体520の位置合わせ孔532及び位置合わせ孔534に嵌め込む。開始スロット542は、スロット半体540a及びスロット半体540bにより形成することができる。これらの配置は、例えばピン群及び孔群の数を変える、何れのサドル半体がピン群または孔群を有するようにするかを変える、ピン群及び孔群を交互に配置する、多数のサドル部材を使用する、非対称に分割されるサドル部材を使用する、そして多くの他の別の構成を用いることにより変更することができる。このように、上記説明は、必ずしも特許請求する発明を限定するものではない。
巻取方法に代わる別の方法が糸通し方法である。糸通し方法では、図11に示す基本構造を用いることができる。しかしながら、マイクロマニピュレータ140及び巻取り機170を使用する巻取方法とは異なり、糸通し方法では、巻取り機170を使用しないようにすることができる。巻取り機を使用するのではなく、糸通し方法では、マイクロマニピュレータ140を単独で使用することができる。1つの採用可能な糸通し方法の工程群は以下の通りである。この概要は、必ずしも特許請求する発明を限定するものではなく、本明細書の他の箇所で説明されるように、変更することができる。
11.巻回サドル(図示せず)を、サドル半体を押圧合体させることにより所定の場所に配置する。
12.ハンドリングバンド150を、開始スロットに収容されるカーボンナノチューブバンドル130の下部に配置する。
13.サドル下の拡幅連結体に糸通しする。ハンドリングバンド150の保持部をカーボンナノチューブバンドル130の上部に取り付け、そしてマイクロマニピュレータ140の左側から右側に通過させる。連鎖の第1連結体の場合、操作は、糸通しする物理的連結体が無いことを除き、同じである。
14.繰り出し、そして上側サドルに巻き付け、配向したカーボンナノチューブバンドル130に半回転または4分の1回転の撚りを、カーボンナノチューブバンドル130が上側サドルから下方に走行するときに付与する。
15.上記工程13及び14を巻回が完了するまで繰り返す。
16.カーボンナノチューブバンドル130の自由端部を連結体の直線部分22の回りに巻回する。ハンドリングバンド152を上部から取り外し、余剰部分を切り取り、そしてハンドリングバンド152を連結体20から離れるように移動させる。
17.下部にあるハンドリングバンド150を開始スロットから取り外し、そして端部を連結体の他方の直線部分22の回りに巻き付ける。
18.ポリマーを塗布して両端部を固定する。
このプロセスは、変更することができる。例えば、連結体20には、幾つかの平行バンドル30を同時に巻回することができる。他の例示的な実施形態では、炭素繊維ナノチューブ以外のナノ繊維を通すことができる。例えば、炭化珪素繊維または窒化ホウ素繊維からなるナノ繊維を、上記方法を用いて巻回することができる。
形成した連結体20を用いて、成長してカーボンナノチューブフォレスト120を構成するカーボンナノチューブの平均強度を測定することができる。カーボンナノチューブ連鎖10の繊維を、反応炉内を走行させることにより、グラファイト層を連鎖10の回りに堆積させることができる。このような層は、従来の複合材加工品に含まれるポリマーと反応することができる。
異なる例示的な実施形態に関する記載を提示して、例示及び説明を行ってきたが、当該記載を網羅的に行なおうとしているのではない、または当該記載を開示される構成の実施形態に限定しようとしているのではない。多くの変形及び変更が存在することは、この技術分野の当業者には明らかであろう。更に、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態とは異なる特徴を提供することができる。選択される実施形態または実施形態群は、これらの実施形態の原理、実際の用途を最も良く説明するために、そしてこの技術分野の他の当業者が、想定される特定の使用に適合するように種々の変更が加えられる種々の実施形態の開示内容を理解することができるように選択され、そして記載されている。
10 連鎖
20a 連結体
20b 連結体
20c 連結体
22 直線セクション
24 端部セクション
30 平行バンドル
30a 図5に示される平行バンドル
30b 図5に示される平行バンドル
35 バンドル端部
40 直線セクション22の断面
50 バンドルセグメント
80 外側巻回体
85 自由端部
90 連鎖
96 連結巻回体群
120 カーボンナノチューブフォレスト
122 基板
130 カーボンナノチューブバンドル
140 マイクロマニピュレータ
142 マイクロマニピュレータアーム
144 マイクロマニピュレータアーム
146 ハンドル
148 ブレード
150 ハンドリングバンド
152 ハンドリングバンド
170 巻取り機
172 巻取りアーム
174 巻取りアーム
176 巻取りアーム
178 巻取りアーム
180 拡幅棒
182 拡幅棒
190 巻回ステーション
192 サドル
194 サドル
196 サドル
202 操作
204 操作
206 操作
208 操作
260 カーボンナノチューブフォレスト900の面
262 面
264 面
270 面262に略直交する方向
300 ハンドリングバンド
310 バンド
320 バンドハンドル
322 図10に示される方向
330 バンドハンドル
332 図10に示される方向
400 巻取り機
410 サドル
412 サドルハンドル
414 サドルハンドル
416 サドルハンドル
418 サドルハンドル
420 サドル
430 サドル
432 サドルハンドル
434 サドルハンドル
440 非拡幅連結体
450 拡幅連結体
460 拡幅棒
470 拡幅棒
480 中心線
490 スロット
500 サドル
510 サドル半体
520 サドル半体
530 位置合わせピン
532 位置合わせ孔
534 位置合わせ孔
540 位置合わせピン
540a スロット半体
540b スロット半体
542 開始スロット
900 カーボンナノチューブフォレスト
902 カーボンナノチューブバンドル
904 基板
906 ブレード
908 ハンドル

Claims (14)

  1. 繊維を、ナノチューブ連結体を用いて形成する方法であって:
    第1ナノチューブロープをナノチューブフォレストからスライスする工程と、
    前記第1ナノチューブロープを第1複数周回巻きして第1連結体を形成する工程と、
    第2ナノチューブロープを前記ナノチューブフォレストからスライスする工程と、
    前記第2ナノチューブロープを第2複数周回巻きして第2連結体を形成する工程と、を含み、前記第2連結体は、前記第1連結体に連鎖状に相互接続される、方法。
  2. 更に:
    第3ナノチューブロープを前記ナノチューブフォレストからスライスする工程と、
    前記第3ナノチューブロープを第3複数回巻きして第3連結体を形成する工程と、を含み、前記第3連結体は、前記第2連結体に相互接続され、そして前記第1連結体、前記第2連結体、及び前記第3連結体は順番に接続される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1ナノチューブロープ、前記第2ナノチューブロープ、及び前記第3ナノチューブロープは、成長して前記ナノチューブフォレストを構成するカーボンナノチューブバンドル、すなわちカーボンナノチューブの束を含む、請求項2に記載の方法。
  4. カーボンナノチューブ群、すなわち複数の隣接する前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのうちの一方を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1連結体、前記第2連結体、及び前記第3連結体の直線セクションに、更に別のナノチューブロープ群、すなわち別の複数の隣接するナノチューブロープ、のうちの1つを巻き付け、そして前記第1ナノチューブロープ、前記第2ナノチューブロープ、及び前記第3ナノチューブロープそれぞれの自由端部を巻き付ける、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2ナノチューブロープを巻く工程は、巻取方法及び糸通し方法のうちの1つの方法により完了させる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第1ナノチューブロープ及び前記第2ナノチューブロープをスライスする工程は、マイクロマニピュレータにより完了させる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第1ナノチューブロープ及び前記第2ナノチューブロープ、並びに第3ナノチューブロープが存在する場合には前記第3ナノチューブロープを少なくとも含む、ナノチューブロープ群、すなわち複数の隣接する前記ナノチューブロープは、炭化珪素繊維及び窒化ホウ素繊維のうちの一方を交互に含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第1複数周回巻きして第1連結体を形成する第1ナノチューブロープと、
    第2複数周回巻きして第2連結体を形成する第2ナノチューブロープと、を備え、前記第2連結体は、前記第1連結体に連鎖状に相互接続される、物体。
  10. 更に:
    第3複数周回巻きして第3連結体を形成する第3ナノチューブロープを備え、前記第3連結体は前記第2連結体に相互接続され、そして前記第1連結体、前記第2連結体、及び前記第3連結体は順番に接続される、請求項9に記載の物体。
  11. 前記第1ナノチューブロープ、前記第2ナノチューブロープ、及び前記第3ナノチューブロープは、成長してナノチューブフォレストを構成するカーボンナノチューブバンドル、すなわちカーボンナノチューブの束を含む、請求項9または10に記載の物体。
  12. カーボンナノチューブ群、すなわち複数の隣接する前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのうちの一方を含む、請求項11に記載の物体。
  13. 前記第1連結体、前記第2連結体、及び前記第3連結体の直線セクションに、更に別のナノチューブロープ群、すなわち別の複数の隣接するナノチューブロープ、のうちの1つを巻き付け、そして前記第1ナノチューブロープ、前記第2ナノチューブロープ、及び前記第3ナノチューブロープそれぞれの自由端部を巻き付ける、請求項9または10に記載の物体。
  14. 前記第1ナノチューブロープ及び前記第2ナノチューブロープ、並びに第3ナノチューブロープが存在する場合には前記第3ナノチューブロープを少なくとも含む、ナノチューブローブ群、すなわち複数の隣接する前記ナノチューブロープは、各々の前記連結体を形成している際に加撚される、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の物体。
JP2014022339A 2013-02-12 2014-02-07 繊維をナノチューブ連結体を用いて形成するシステム及び方法 Active JP6274894B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/765,187 US8640435B1 (en) 2013-02-12 2013-02-12 System and method for fabrication of fibers using links of nanotubes
US13/765,187 2013-02-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014151437A JP2014151437A (ja) 2014-08-25
JP6274894B2 true JP6274894B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=50001500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014022339A Active JP6274894B2 (ja) 2013-02-12 2014-02-07 繊維をナノチューブ連結体を用いて形成するシステム及び方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8640435B1 (ja)
EP (1) EP2765335B1 (ja)
JP (1) JP6274894B2 (ja)
CN (1) CN103979486B (ja)
AU (1) AU2014200262B2 (ja)
CA (1) CA2838590C (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6476104B2 (ja) * 2015-09-30 2019-02-27 Jnc株式会社 Cnt構造体の製造方法および製造装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002515847A (ja) * 1997-05-29 2002-05-28 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ 単層カーボンナノチューブ類から形成された炭素繊維類
US6338238B1 (en) * 2000-01-27 2002-01-15 Charm Link, Inc. Coil link chain and method
CN1281982C (zh) * 2002-09-10 2006-10-25 清华大学 一种偏光元件及其制造方法
JP2004235618A (ja) * 2003-01-10 2004-08-19 Sanyo Electric Co Ltd カーボンナノチューブを用いた配線、単一電子トランジスタおよびキャパシタ
JP3834661B2 (ja) * 2004-03-16 2006-10-18 独立行政法人物質・材料研究機構 炭化ケイ素−二酸化ケイ素−炭素共軸ナノケーブルおよび炭化ケイ素ナノロッドとカーボンナノチューブが先端同士で交互に接合したナノチェーンの製造方法
CN105696139B (zh) * 2004-11-09 2019-04-16 得克萨斯大学体系董事会 纳米纤维纱线、带和板的制造和应用
WO2008054541A2 (en) * 2006-05-19 2008-05-08 Massachusetts Institute Of Technology Nanostructure-reinforced composite articles and methods
US7833355B2 (en) * 2006-06-02 2010-11-16 Peter David Capizzo Carbon nanotube (CNT) extrusion methods and CNT wire and composites
JP5517324B2 (ja) * 2007-05-11 2014-06-11 日機装株式会社 長鎖状カーボンナノチューブ
US7931784B2 (en) * 2008-04-30 2011-04-26 Xyleco, Inc. Processing biomass and petroleum containing materials
DE102008049246B4 (de) * 2008-09-26 2014-12-31 Tsubaki Kabelschlepp GmbH Leitungsführungseinrichtung sowie Verfahren zum Herstellen eines Elementes einer Leitungsführungseinrichtung
JP5699387B2 (ja) * 2010-03-29 2015-04-08 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 カーボンナノチューブ撚糸およびその製造方法
KR101813637B1 (ko) * 2011-05-19 2018-01-02 에스프린팅솔루션 주식회사 발열 복합체를 포함하는 가열장치와 정착장치
US8698365B2 (en) * 2012-04-03 2014-04-15 The Boeing Company Lightweight composite safety containment for flywheel energy storage

Also Published As

Publication number Publication date
CA2838590C (en) 2016-06-07
CN103979486B (zh) 2017-11-24
US8640435B1 (en) 2014-02-04
CN103979486A (zh) 2014-08-13
AU2014200262B2 (en) 2017-04-13
JP2014151437A (ja) 2014-08-25
EP2765335A1 (en) 2014-08-13
CA2838590A1 (en) 2014-08-12
EP2765335B1 (en) 2015-09-16
AU2014200262A1 (en) 2014-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2820556T3 (es) Materiales compuestos formados por mezcla de cizallamiento de nanoestructuras de carbono y métodos afines
US10035706B2 (en) Systems and methods for growth of nanostructures on substrates, including substrates comprising fibers
ES2387950T3 (es) Fibra infundida con CNT y cable de fibra
US20150075667A1 (en) Carbon macrotubes and methods for making the same
Miao The role of twist in dry spun carbon nanotube yarns
JP2015532255A (ja) カーボンナノ構造体及びその作成方法
KR20180103934A (ko) 카본나노튜브 실의 제조방법
CN104250940B (zh) 条状钢丝帘线、轮胎用带束层以及轮胎
JP2015534538A (ja) カーボンナノ構造層を作製する方法
US10376051B2 (en) Transportation of parallel wire cable
KR20120101373A (ko) 열경화성 매트릭스 내의 cnt 주입 섬유
EP2060673A1 (en) Steel cord
CN104185539A (zh) 用于复合部件的织物预制件的环绕材料束改型
EP2947191B1 (en) System and method for transport of fibers to/from a circular needle-punching loom
JP6274894B2 (ja) 繊維をナノチューブ連結体を用いて形成するシステム及び方法
KR20210005713A (ko) 나노섬유 직물
WO2021054154A1 (ja) カーボンナノチューブ撚糸の製造方法およびカーボンナノチューブ撚糸の製造装置
JP2011202300A (ja) 糸束把持機構およびこれを用いた糸束の製造装置、製造方法
JP2009171820A (ja) ケーブルグリップを用いたケーブル布設方法
KR101361852B1 (ko) 섬유보강재 제조방법 및 이에 의하여 제조된 섬유보강재
TWI438315B (zh) 奈米碳管複合線及其製備方法
JP5266637B2 (ja) ロービング、ロービングパッケージ、繊維強化樹脂成形体の製造方法
CN116969279A (zh) 一种具有中心定位功能的轮轴
JP5817275B2 (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法及び製造装置
JP2021050060A (ja) ロービングの糸継ぎ方法、糸継ぎ装置、及びロービング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250