JP6273926B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側突時におけるシートに着座する乗員を適切に拘束するシートベルト装置に関する。
車両は座席に着座する乗員をシートベルト装置を用いて座席に拘束している。
従来、乗員の移動を抑制する拘束作用を働かせるため、腰ベルトを2点で支持した二点式シートベルト装置や、肩ベルト及び腰ベルトを組み合わせそれらを3点で支持する3点式シートベルト装置等が用いられている。
ここで、肩ベルトの一端部は車体側に支持されたリトラクタに連結され、その巻き取り作動に応じて生じる張力で乗員を座席に拘束する。しかも、車両の衝突時にはロック機構が働き、肩ベルトの更なる引き出しをロックして、乗員の拘束性を確保している。
更に、このようなシートベルト装置には、車両の衝突時において乗員の拘束性をより向上させるために、プリテンショナが用いられる。プリテンショナは衝突時のように所定以上の衝撃を車両が受けた場合に、瞬時にベルトを巻き取ってベルト張力を増加させ、弛みを取り除き乗員をより早く適切に拘束する機能を有する。なお、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1中には、座席の後上側の車体内側壁に肩ベルト(ショルダーベルト)をリング状のベルト巻き掛け部材に係止した構成が開示される。更に、前方衝突時には下方にベルト巻き掛け部材を移動し、肩ベルト延在方向の水平方向との対向角度である拘束角度を小さくすることで、衝突初期の乗員の拘束性をより向上させ、乗員の移動を抑制している。
ところで、車両が車体側方から衝突したとき(以下側突という)、乗員は慣性によって車両に対し相対的に衝突方向である車幅方向外側に移動する。側突では、車体側方部(例えばドア等)が車両中央側に変形する場合もあり、乗員が車幅方向外側に過度に移動すると、車両内側壁に当接する虞があった。従来の3点式シートベルト装置では、乗員の前後方向の移動に対する規制効果は大きいが、特許文献1のように、下方にベルト巻き掛け部材を移動し衝突初期の乗員の拘束性を向上させるようにしたとしても、側突時の乗員の車幅方向への移動に対する規制効果は比較的小さく限界があった。
そこで、特許文献2、3に記載されているように、側突時に乗員の上体を車体中央側に強制的に保持して、車幅方向外側への移動をより確実に規制するシートベルト装置が考案されている。
特許文献2では、座席の後上側に肩ベルト(ショルダーベルト)を支持するウエビングクリップを設け、それを乗員の肩の上方位置から肩の側方位置に切り換える駆動機構を装着し、側突時に、ウエビングクリップとともに肩ベルト部を乗員の肩の側方位置に掛け回し、この肩ベルト部の張力により乗員の車幅方向外側への移動を効果的に拘束している。
に特許文献3では、3点式シートベルト装置に加えて、車両側壁側の胸部近傍から車内側の胸部近傍へ差し渡される胸部用シートベルトを追加したものが記載される。ここでは、車両側突の際に胸部用シートベルトを胸部用リトラクタで巻き取り、乗員の上半身を車両中央側に移動させ、乗員を侵入してくるドアから遠ざけている。
特開2013−14291号公報 特開2010−58723号公報 特開2009−101974号公報
しかしながら、特許文献2のように、ウエビングクリップを用いて肩ベルト部を乗員の肩の側方位置を巻き込む位置に切り換えた場合、乗員の車幅方向外側への移動を拘束することは可能となるが、肩部上部(鎖骨近傍)に対する規制効果が小さくなると考えられ、改善の余地があった。
更に、特許文献3のように、3点式シートベルト装置とは別に胸部用シートベルト及びその巻き取り用の胸部用リトラクタを用いた場合、装置が複雑となり、装置の大型化、設置スペース確保等の課題が生じる。
そこで、装置の大型化を抑えた簡素な構成で、衝突時の乗員の上体の上部(鎖骨近傍)および側部を拘束することができるシートベルト装置が望まれている。
本発明は以上のような課題を解決するもので、目的とするのは衝突の形態に関係なく、乗員の上体をより適切に拘束することが可能なシートベルト装置を提供することにある。
本願請求項1の発明は、車両の衝突時に乗員をシートに拘束するシートベルト装置であって、一端が乗員の車幅方向外側の肩部上方の上部アンカー位置で車体側に連結され、中間部に設けたスリップリングで折り返された後、他端側が前記上部アンカー位置の近傍に設けた引き込み穴に引き込まれてリトラクタに巻き取り可能に連結される上部ウェビングと、一端が前記スリップリングを介して前記上部ウェビングに摺動可能に連結され、中間部に前記シートの車幅方向中央側の中央アンカー位置のバックルに係合可能なタングを有し、他端が前記シートの車幅方向外側の下部アンカー位置で車体側に連結される下部ウェビングとから成るシートベルトと、前記引き込み穴の下方で上下方向に移動可能に設けられ、前記上部ウェビングの前記スリップリングより他端側の延出部が巻き掛けられて前記上部ウェビングの引き込み位置を規制する可変ガイドと、車両の衝突時に前記可変ガイドの引き込み位置を乗員の肩部より上方の定常位置から定常位置より下方の変位位置に移動する駆動手段とを備え、前記上部ウェビングは、前記可変ガイドが前記定常位置にあるときには、当該上部ウェビングの前記スリップリングより一端側の延出部と他端側の延出部とがともに乗員の肩部上方に配策される第1の状態とされ、前記可変ガイドが前記変位位置にあるときには、前記上部ウェビングの前記一端側の延出部が乗員の肩部上方に配策されるとともに前記他端側の延出部が乗員の肩部側方に配策される第2の状態とされ、前記可変ガイドが前記定常位置を占めたとき、前記上部ウェビングの前記他端側の延出部が巻き掛けられる掛止部は前記引き込み穴とほぼ平行な車両前後方向に延びる状態とされるとともに、前記第1の状態を占めた前記上部ウェビングの前記他端側の延出部は前記掛止部によって面が上下方向を向いた幅方向横向きの状態に配策され、前記可変ガイドが前記変位位置を占めたとき、前記掛止部は上下方向に延びる状態とされるとともに、前記第2の状態を占めた前記上部ウェビングの前記他端側の延出部は前記掛止部によって面が車幅方向を向いた幅方向縦向きの状態に配策されることを特徴とする。
本願請求項2の発明は、請求項1記載のシートベルト装置において、前記リトラクタは車両の衝突時に前記上部ウェビングを引き込んで前記シートベルトの張力を増加させるプリテンショナを備え、前記駆動手段は前記プリテンショナの駆動力を利用して前記可変ガイドを前記定常位置から前記変位位置に移動させることを特徴とする。
本願請求項3の発明は、請求項2に記載のシートベルト装置において、前記リトラクタは、前記可変ガイドと連結されるワイヤと、前記プリテンショナの駆動力を受けて前記ワイヤを巻き取って前記可変ガイドを移動させる巻き取り車とを備えており、前記リトラクタが前記駆動手段の機能を有することを特徴とする。
本願請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートベルト装置において、前記引き込み穴の下方で上下方向に延設され、前記可変ガイドを上端の前記定常位置から下端の前記変位位置に案内する案内レールを備え、前記案内レールは第1レール溝と第2レール溝とを有し、前記第1レール溝は上下方向に延びる直状部のみで形成され、前記第2レール溝は上下方向に延びる直状部とその下方に続く湾曲部により連続形成されるとともに、前記湾曲部は車両後方側に向けて湾曲しかつ前記第1レール溝の延長線上の直下位置にまで湾曲形成され、前記案内レールには、前記可変ガイドを前記第1レール溝及び第2レール溝の上端部で前記定常位置に保持するとともに、所定以上の荷重が作用した際に前記可変ガイドの移動を許容する位置規制部が設けられていることを特徴とする。
本願請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートベルト装置において、前記駆動手段は車両の側突時にのみ前記可変ガイドを前記定常位置から前記変位位置に移動することを特徴とする。
請求項1の発明では、車両の衝突時には、上部ウェビングの一端側延出部が乗員の肩部上方(鎖骨近傍)に配策され、上部ウェビングの他端側延出部が乗員の肩部側方に配策されるので、乗員の上体を前方および上方から拘束するだけなく、側方(車幅方向外側)からも拘束することが可能となるので、側突時において乗員の車幅方向外側への移動を確実に抑制することができる。したがって、前突や側突といった衝突の形態に関係なく、乗員の上体をより適切に拘束することができる。
請求項2の発明では、上部ウェビングの他端側延出部が乗員の肩部の側方にスムーズに回り込むよう配策されるので、乗員の状態を側部からより確実かつ適切に拘束することができる。
請求項3の発明では、衝突時に上部ウェビングがプリテンショナで引き込まれると同時に、可変ガイドが移動されて上部ウェビングが第2の状態とされるので、上部ウェビングの他端側の延出部で乗員を車幅方向内側に確実に引き寄せて拘束することができ、より適切に乗員の上体を拘束することができる。また、リトラクタのプリテンショナの駆動力を利用して可変ガイドが移動されるので、駆動手段を駆動するための駆動源を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができるので、コストの増加や装置の大型化を抑制することができる。
請求項4の発明では、ワイヤを巻き取り車で巻き取ることで可変ガイドを移動させるという簡素な構成でリトラクタに駆動手段の機能を持たせることができ、装置の大型化も抑制することができる。
請求項5の発明では、可変ガイドを案内レールにより定常位置から変位位置に確実に案内でき、しかも案内レールの位置規制部が所定以上の荷重が作用しない限り可変ガイドを定常位置に安定して保持できる。
請求項6の発明では、駆動手段により車両の側突時に可変ガイドを定常位置から変位位置に確実に移動できる。
本発明の第1実施形態としてのシートベルト装置を適用した車両の概略前席正面図である。 図1のシートベルト装置の前席概略斜視図で、(a)は可変ガイドが定常位置にある(通常時)状態、(b)は可変ガイドが変位位置にある(側突時)状態を示す。 図1のシートベルト装置の前席概略側面図で、(a)は可変ガイドが定常位置にある(通常時)状態、(b)は可変ガイドが変位位置にある(側突時)状態を示す。 図1のシートベルト装置のセンターピラの要部正面図である。 図4のセンターピラの引き込み穴およびスライド域の要部斜視図である。 図4のセンターピラの可変ガイドの説明図で、(a)は定常位置にある場合を、(b)は変位位置にある場合を示す。 図1のシートベルト装置に用いられるリトラクタの概略拡大断面図である。 車両横転による乗員転倒状態でのシートベルト装置の前席概略斜視図である。 本発明の他の実施形態としてのシートベルト装置で用いるガイド部材、ベルトの定常位置と変位位置での概略説明図を示す。
以下、本発明を適用したシートベルト装置の特徴について、以下の実施形態及び変形例等を用いて説明する。なお、実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより、以後の説明を省略する。
図1は本発明の適用される第1実施形態としてのシートベルト装置1を配備した車両の車室2の前部を示す。
車室2には前席として左右一対のシート3が配備され、各シート3は、シートバッグ5、シートクッション6、ヘッドレスト7をそれぞれ備え、それぞれにシートベルト装置1が左右対称の状態で配備される。
車室2の車幅方向車外側には左右の車体内側壁を構成する左右のセンターピラ8が対向配備され、センターピラ8の上端はルーフサイドレール9に、下端はサイドシル11に一体結合される。
以下、ここでは、運転席側のシート3(図1で左側)を例に説明する。
本明細書において「巻き掛け」とは、係止部材にシートベルトが係止され、しかも、シートベルトが巻き込まれ、折り返されて摺動可能にある状態を意味する。
図1に示すように、シートベルト装置1は、シート3の車幅方向Y車外側上方の上部アンカー位置P1と、シート3の車幅方向Y中央側の中央アンカー位置P2と、シート3の車幅方向Y車外側下方の下部アンカー位置P3との3点にわたりシートベルト4を掛け渡している。
本実施形態では、上部アンカー位置P1はシート3に着座した乗員の肩部上方で車体内側壁を成す内壁部材12(図4参照)に設定され、中央アンカー位置P2は乗員の腰部近傍でシート3(シートクッション6)に設定され、下部アンカー位置P3はフロア近傍の乗員の足元の位置で内壁部材12に設定される。なお、上部アンカー位置P1は固定アンカー23が前後方向に回動可能に設けられており、中央アンカー位置P2はブラケットを介してバックル20が設けられている。そして、本発明のシートベルト装置1に用いられるシートベルト4は、主に乗員の肩部および胸部を拘束する上部ウェビング21と、主に乗員の胸部より下方を拘束する下部ウェビング22との2本のウェビングから構成され、これらが組み合わされて3点P1〜P3にわたり掛け渡されている。
図1から図3に示すように、上部ウェビング21は一端(上端)が上部アンカー位置P1に固定アンカー23を介して内壁部材12に連結され、他端(下端)が内壁部材12と内壁部材12の表面側(室内側)を覆うピラートリム13(図4参照)との間に設けられるリトラクタ25に連結されている。また、上部ウェビング21の中間部には、上部ウェビング21に沿って摺動可能なスリップリング19が設けられている。
一方、下部ウェビング22は一端がスリップリング19に結合されてスリップリング19を介して上部ウェビング21に摺動自在に連結されており、他端が下部アンカー位置P3において内壁部材12下方のフロア近傍に固定されている。下部ウェビング22の中間部には、シート3の車幅方向Y中央側で中央アンカー位置P2に固定されるバックル20に着脱可能な板状のタング30が摺動可能に設けられている。
乗員にシートベルト4が装着された状態では、上部ウェビング21は上部アンカー位置P1から下方に延ばされ、スリップリング19に巻き掛けられて上方に折り返された後、上部アンカー位置P1の下側近傍においてピラートリム13に設けた引き込み穴24に引き込まれるよう配策される。このとき上部ウェビング21のスリップリング19より上部アンカー位置P1(一端側)の延出部211と、スリップリング19よりリトラクタ25側(他端側)の延出部212とがほぼ同一方向に延び、互いに重なるような状態で乗員の肩部上部(鎖骨近傍)を前方から拘束する。そして、下部ウェビング22はスリップリング19から車幅方向Y中央側へ斜め下方に延び、中央アンカー位置P2のバックル20に係合されたタング30に巻き掛けられて乗員の腰部前方を通って車幅方向Y車外側に延び下部アンカー位置P3まで配策され乗員の腰部を拘束する。
このように、上部ウェビング21(一端側延出部および他端側延出部)と下部ウェビング22の一端(スリップリング19)からタング30までの部分が乗員の肩部上部(鎖骨近傍)および胸部を拘束する肩ベルト部17を成し、下部ウェビング22のタング30から他端の下部アンカー位置P3までの部分が乗員の腰部を拘束する腰ベルト部18を成している。ここで、シートベルト4は肩ベルト部17と腰ベルト部18で構成され、常時リトラクタ25より比較的緩い張力が与えられて乗員を拘束している。このシートベルト4は通常の装着状態では、乗員の動きを妨げないように上部ウェビング21がリトラクタ25から繰り出し可能な状態とされている。なお、図1で右側のシート3(助手席)には非装着状態のシートベルト装置1を示した。
また、以後の説明では、上部ウェビング21のスリップリング19より上部アンカー位置P1側(一端側)を一端側延出部211とし、スリップリング19よりリトラクタ25側(他端側)を他端側延出部212として区分する。
図4、5に示すように、ピラートリム13の引き込み穴24は車両前後方向に長い長穴状に形成されている。つまり、上部ウェビング21の幅方向が車両前後方向に向いた状態で引き込み穴24に引き込まれるようになっている。
引き込み穴24と対向する内壁部材12には、上部ウェビング21の他端側延出部212を巻き掛け、下方に折り返して引き込むように係止する固定ガイド26が固定される。
固定ガイド26は、引き込み穴24の下縁部と平行に形成され、上部ウェビング21が巻き掛けられる摺接縁部261(図5参照)と、摺接縁部261の両端部から延びて内壁部材12に固定される左右脚部262とを有する。固定ガイド26は、左右脚部262がピラートリム13を貫通して摺接縁部261がピラートリム13の引き込み穴24の下縁部外面(車内側面)に対向するように配備される。
そして、上部ウェビング21の他端側延出部212は、固定ガイド26の摺接縁部261に巻き掛けられ、引き込み穴24から固定ガイド26の左右脚部262間を通って、内壁部材12とピラートリム13の隙間に引き込まれる。車体側壁部を成す内壁部材12の下部にはリトラクタ25(図4参照)が取り付けられており、このリトラクタ25に上部ウェビング21の他端側延出部212の下端(他端)が巻き取り可能に連結される。
このように固定ガイド26を設置することで、上部ウェビング21が引き込み穴24の縁部に直接接触して過度に摩耗することや、ピラートリム13の割れを抑制し、リトラクタ25が上部ウェビング21を滑らかに巻き取ることができる。
図4、5に示すように、ピラートリム13の引き込み穴24の下縁部に配備される固定ガイド26の下側には、上部ウェビング21の他端側延出部212が巻き掛けられて上部ウェビング21の引き込み位置(引き込み方向)を規制する可変ガイド50が設けられている。可変ガイド50は上下方向に移動可能に構成され、引き込み位置を可変可能とされている。
具体的には、ピラートリム13の引き込み穴24の下方の領域には、引き込み位置変更域Eが設けられ、ここに可変ガイド50が定常位置H0から変位位置H1に移動可能に設けられている。
引き込み位置変更域Eには、可変ガイド50の脚部502がスライド可能に嵌着される一対のレール溝51、52が形成される。一方のレール溝51は上下方向に延びる直状部のみで形成される。他方のレール溝52には上下方向に延びる直状部521とその下方に続く湾曲部522が連続形成される。湾曲部522は車両後方側に向けて湾曲し、直状部511の延長線上の直下位置にまで湾曲形成されている。
レール溝51、52に嵌着される可変ガイド50は、図4、5に示すように、コの字形を成す金属製部材である。可変ガイド50は、上部ウェビング21が巻き掛けられる掛止部500と掛止部500の両端部から延びてレール溝51、52にスライド可能に嵌着される一対の脚部502とで形成されている。
掛止部500の長さ、すなわち一対の脚部502の間隔は上部ウェビング21の幅よりわずかに大きく形成されている。
図5に示すように、レール溝(案内レール)51、52の上端部に設定された定常位置H0には、可変ガイド50を定常位置H0に位置決めして動かないようする位置規制部f1がレール溝(案内レール)51、52を狭めるように溝中央側に向かって突き出し形成されている。そして、通常、可変ガイド50は、位置規制部f1によって固定ガイド26(引き込み穴24)に近い定常位置H0に保持されている。なお、位置規制部f1は、所定以上の荷重が作用されると破壊(変形)されて可変ガイド50の移動を許容するように設定されている。可変ガイド50は、図6(a)に示すように、定常位置H0では、掛止部500が引き込み穴24と略並行な車両前後方向(横方向)に延びる状態(姿勢)とされている。つまり可変ガイド50は、掛止部500が横方向に延びる横向きの状態で定常位置H0に配置される。これにより、可変ガイド50が定常位置H0にあるときは、上部ウェビングの他端側延出部212の向き(幅方向の向き)が横(略水平)方向に向いた幅方向横向きの状態、すなわち上部ウェビング21の他端側延出部212の面が上下方向を向いて乗員の肩部上部(鎖骨近傍)と対向するように配策される(図2(a)参照)。なお、定常位置H0は、乗員の肩部より上方の位置となるよう設定され、通常の装着時において、上部ウェビング21(シートベルト4)の引き出し、引き込み作動がスムーズに行えるように構成されている。
また、詳しい構成は後述するが、本実施形態では、可変ガイド50は、その左右基端部が2本のワイヤswを介してリトラクタ25側に連結されており、側突時にリトラクタ25によって下方に引かれることでレール溝(案内レール)51、52の下端に設定された変位位置H1に移動可能とされている。つまり、車両が側突したと判断された場合には、リトラクタ25がプリテンショナ28によって駆動されて上部ウェビング21を巻き取ると同時に、可変ガイド50を下方へ引き、定常位置H0から下方の変位位置H1へ移動させる。そして、図2、3に示すように、可変ガイド50が変位位置H1に移動されることで、上部ウェビング21は、他端側延出部212が乗員の肩部上方に配策される第1の状態から、他端側延出部212が乗員の肩部側方に配策される第2の状態とされ、乗員の車幅方向外側への移動を阻止することが可能となる。なお、変位位置H1は、可変ガイド50が乗員の肩部とほぼ同じ高さか少し低い位置となるよう設定される。
可変ガイド50は、リトラクタ25のプリテンショナ28の駆動力によって下方に引かれた際、位置規制部f1を破壊し乗り越えたうえで、レール溝(案内レール)51、52に沿って降下される。このとき、図6(b)に示すように、レール溝52の湾曲部522がレール溝51に対して下方に長くかつ後方側に湾曲されているので、可変ガイド50は、変位位置H1に移動する際にレール溝(案内レール)51、52によって、掛止部500が上下方向(縦方向)に延びる縦向きの状態(姿勢)に案内される。これにより、上部ウェビング21は、第2の状態で他端側延出部212の向き(幅方向の向き)が縦方向(上下方向)に向いた幅方向縦向きの状態、すなわち上部ウェビング21の面が左右方向を向いて乗員の肩部側方と対向するよう配策され、乗員の肩部に対して側方から拘束しやすい状態とされる。
このように、可変ガイド50は、定常位置H0では掛止部500が横方向に延びる横向きとされ、変位位置H1では掛止部500が縦方向に延びる縦向きとされる。そして、この可変ガイド50の向きに対応して、上部ウェビング21の他端側延出部212は、第1の状態では面が上下方向を向いた幅方向横向きとされ、第2の状態では面が車幅方向を向いた幅方向縦向きとされる。
次に、リトラクタ25の構造について詳しく説明する。リトラクタ25は、常に、上部ウェビング21を巻き取るよう付勢されており、衝突時には、プリテンショナ28の作動により上部ウェビング21を引き込んで乗員に対する拘束力を増すように構成されている。
図7に示すように、リトラクタ25はその中央に主ケース27を備える。主ケース27には上部ウェビング21の他端側延出部212(シートベルト4の一部)を巻き付けるドラム32が内蔵されている。主ケース27の上部には、上部ウェビング21の他端側延出部212を引き出す開口部270が設けられ、主ケース27の一方の側方壁には一側方ケース271が固着され、その中にはベルト巻き取り用の弦巻状のバネ33が収容される。他方の側方壁には他側方ケース272が固着され、その中にはプリテンショナ28が収容されている。
ドラム32には、ドラム32の中心を貫通する中空状の回転外軸36が一体で設けられており、軸受37、38、39を介して主ケース27側に枢支されている。そして、ドラム32は、回転外軸36を介してバネ33、プリテンショナ28と連結されている。
ドラム32には、弦巻状のバネ33によって、常時、上部ウェビング21を巻き付ける方向への付勢力が付与されている。これにより、リトラクタ25から引き出された上部ウェビング21が弾性的に引き戻されるよう機能する。
プリテンショナ28は、車両の衝突時に瞬時にドラム32を巻き取り方向に回転させて上部ウェビング21を巻き取り、シートベルト4の張力を増加させる機能を有する。
プリテンショナ28は、ドラム32の巻取り軸である回転外軸36(図7参照)側に断続可能に連結されるリングギヤ29と、リングギヤ29の外周側を覆うケース31と、プリテンショナ28を作動させるガスジェネレータ46とを備える。
ケース31内には複数の不図示の玉が環状を成すように配設され、その配列系の外端にガスジェネレータ46が配備される。ガスジェネレータ46はジェネレータ駆動回路461を介して制御手段45に接続される。そして、プリテンショナ28は、このガスジェネレータ46を爆発駆動させることで押し出しされた複数の玉の押圧力により、リングギヤ29を回転させ、リングギヤ29の回転により回転外軸36を回転させるよう構成されている。
プリテンショナ28から回転力を受けた回転外軸36がドラム32を回転駆動することで、リトラクタ25の巻き取り張力を増加させることができる。このため、車両の衝突等により車両が所定以上の荷重を受けると、瞬時にプリテンショナ28が作動されて上部ウェビング21がドラム32に巻き取られ、シートベルト4の乗員拘束用の張力が増加される。なお、このようなプリテンショナを利用したリトラクタの構成は、公知の構造である。
プリテンショナ28のガスジェネレータ46は、制御手段45のジェネレータ駆動回路461に接続され、制御手段45で作動が制御されている。
なお、リトラクタ25には不図示のフォースリミッタが設けられている。フォースリミッタは公知の装置であって、上部ウェビング21(シートベルト4)に対し、必要以上の張力の付与を規制する機能を有する。
ここで、本実施形態のリトラクタ25は、さらに可変ガイド50を移動させるための駆動手段の機能を兼ね備えている。
リトラクタ25は、可変ガイド50の脚部502と連結された2本のワイヤswと、当該ワイヤswが巻き付けられた2つの巻き取り車43、44と、巻き取り車43、44側と回転外軸36との間に介在される電磁クラッチ34とを備えている。
巻き取り車43、44は、回転外軸36の内部に相対回転可能に嵌挿された内軸41の両端部に取り付けられている。回転外軸36と内軸41とは、電磁クラッチ34によって断接可能とされている。つまり、電磁クラッチ34で回転外軸36と内軸41とを断接することでプリテンショナ28のから巻き取り車43、44への駆動力の伝達を断接可能としている。電磁クラッチ34は、駆動回路345を介して制御手段45に接続され、制御手段45で作動が制御されている。
したがって制御手段45により電磁クラッチ34が接合されて回転外軸36と内軸41が一体化した状態で、プリテンショナ28が作動されると、プリテンショナ28の駆動力により巻き取り車43、44が巻き取り方向に回転され、可変ガイド50に連結されたワイヤswが巻き取られて可変ガイド50が移動される。このように本実施形態では、リトラクタ25のプリテンショナ28の駆動力を利用して可変ガイド50を移動させるよう構成しているので、別途専用の駆動手段(プリテンショナ等)を設ける必要がなく、設置スペースやコストを削減することができる。
次に、シートベルト4の張力制御を行う制御手段45について説明する。
図7に示した制御手段45には、少なくとも前突検知センサ54、側突検知センサ55、シートベルト装着センサ56が接続され、次の、制御機能を有する。シートベルト装着センサ56によりシートベルト装着の有無を検知する。シートベルト4の装着状態で、前突検知センサ54が、所定値以上の前後方向加速度や圧力変動を検出したときは、前突と見做して、ジェネレータ駆動回路461を介してガスジェネレータ46を爆発駆動させ、プリテンショナ28を作動させる。これによりドラム32が巻き取り方向に急速に回転される。また、シートベルト4の装着状態で、側突検知センサ55が車体側方からの所定値以上の側方加速度や圧力変動を検出したときは、側突と見做して、ジェネレータ駆動回路461を介してガスジェネレータ46を爆発駆動させ、プリテンショナ28を作動させると同時に、駆動回路345を介して電磁クラッチ34を接合させる。これにより、ドラム32と巻き取り車43、44が巻き取り方向に急速に回転される。
続いて、第1実施形態としてのシートベルト装置1の作用・効果について説明する。
まず、乗員がシートベルト4を装着した通常の状態では、図2(a)、図3(a)のように、位置規制部f1によって、可変ガイド50が定常位置H0に保持されている。可変ガイド50が定常位置H0にある状態では、上部ウェビング21は、上部アンカー位置P1から下方に延びる一端側延出部211と、スリップリング19で折り返されて可変ガイド50へ延びる他端側延出部212とが、ほぼ同じ方向に延びて乗員の肩部上方側(鎖骨近傍)に2重に配策された第1の状態とされている。そして、通常の状態では、上部ウェビング21を介して、下部ウェビング22を含めたシートベルト4全体にリトラクタ25から比較的緩い張力が与えられ、乗員はシート3に緩い張力で拘束される。
このとき、上部ウェビング21の他端側延出部212は、幅方向横向きの状態(図6(a))とされている。
次に、所定値以上の前後方向加速度や圧力変動が前突検知センサ54で検出されると、前突時と見做す。この場合、制御手段45によりリトラクタ25のプリテンショナ28を作動させる。これにより、ドラム32が回転して上部ウェビング21を巻き取り、上部ウェビング21に加える張力を増加させる。上部ウェビングを強固に巻き込むことで乗員拘束用の張力をシートベルト4側に追加付与し、乗員の前方への移動を抑えるように拘束する。このとき、可変ガイド50は移動されず定常位置H0にあるので、上部ウェビング21は、第1の状態のままであり、上部ウェビング21の一端側延出部211と他端側延出部212とが2重で乗員の肩部(鎖骨近傍)を前方および上方から拘束する。
次に、所定値以上の車幅方向Y加速度や圧力変動が側突検知センサ55で検出され、側突が生じたとする。この場合、側突時と見做して、制御手段45により、プリテンショナ28を作動させ、同時に、電磁クラッチ34を接合せる。
この場合、プリテンショナ28がドラム32を回転させ、上部ウェビング21に加える張力を増加させる。同時に、電磁クラッチ34により回転外軸36と内軸41とが結合され、プリテンショナ28からの回転力が巻き取り車43、44に伝達される。
巻き取り車43、44は、プリテンショナ28からの回転力で一対のワイヤswを巻き取り、各ワイヤswを介して可変ガイド50を定常位置H0から変位位置H1へ引っ張る。すると、図2(b)、図3(b)に示すように、可変ガイド50の突端部501が位置規制部f1を破壊し、乗り越えたうえで、レール溝(案内レール)51、52に沿って降下し、可変ガイド50が定常位置H0から変位位置H1へ移動する。これにより、上部ウェビング21は、他端側延出部212が乗員の肩部側方に配策される第2の状態とされ、乗員の肩部側部を拘束して車幅方向外側への移動を阻止する。
このように、可変ガイド50が変位位置H1に移動すると、可変ガイド50は、掛止部500の向きが横方向に向いた状態から縦方向に向いた状態に90°回転される。
これにより上部ウェビング21の他端側延出部212の向き(幅方向の向き)が90°回転して、幅方向が縦向きの状態(図6(b))とされる。このように変位することで、上部ウェビング21の他端側延出部212が乗員の肩部の側方にスムーズに回り込むよう配策され、乗員を車体中央側に引き寄せるように拘束することができる。なお、このとき上部ウェビング21の一端側延出部211は、乗員の肩部上部(鎖骨近傍)を前方および上方から拘束する。すなわち、上部ウェビング21は、乗員の肩部上方(鎖骨近傍)を通って下方に延び胸部で折り返されて乗員の肩部側方に延びるよう配策される。これにより、乗員の上体を肩部の上方および側方から同時に拘束することができ、より適切に乗員の上体を拘束することが可能となる。
以上のような構造により、本実施形態では、車両が側突により所定以上の荷重を受けたときにプリテンショナ28によって上部ウェビング21を引き込むと同時に、ワイヤswを瞬時に下方に引き込むようになっている。したがって、図6(b)に示すように、可変ガイド50が下方に移動して、引き込み位置が下方の変位位置H1に移動するようになる。
これにより、シート3に座った乗員と上部ウェビング21及び下部ウェビング22の弛みを瞬時になくし、衝突初期での拘束性を向上させることができる。
更に、本実施形態で用いる上部ウェビング21は一端側延出部211と他端側延出部212を2重に配策した構成を採り、特に、側突時には、一端側延出部211と他端側延出部212がV字形(図2(a)参照)に配策されて乗員の肩部上部(鎖骨近傍)と肩部側方を同時に拘束することができる。
このため、図8に示すように、側突から車両が横転するような場合であっても、本願発明のシートベルト装置は、上部ウェビング21の上部アンカー位置P1に連結されている上部ウェビング21の一端側延出部211が乗員の肩部上部の鎖骨位置と干渉し、押圧力Paで拘束する。更に、引き込み穴24より変位位置H1の可変ガイド50を経て、そこで幅方向が縦方向を向くように保持された他端側延出部212が乗員の肩部の側方を押圧力Pbで拘束する。このように上部ウェビング21の一端側延出部211と他端側延出部212をV字形に配置することで、車両横転時においても、確実に乗員をシート3に拘束できる。このように、本実施形態のシートベルト装置であれば、比較的簡単な構成で、前突や側突などの衝突の形態に関係なく乗員の上体をより適切に拘束することが可能となる。
なお、上述のところにおいて、可変ガイド部材は、その左右の脚部502間に上部ウェビング21の他端側延出部212を挿通していたが、これに限定されるものではなく、例えば、図9に示すように構成してもよい。
次に、第2実施形態としてのシートベルト装置について、以下で説明する。本実施形態では、可変ガイド50aとレール溝51aの構成、また可変ガイド50aに連結されるワイヤswおよび巻き取り車43の数が第1実施例と異なる。なお、それ以外の構成である
他端側延出部212を固定ガイド26に巻き掛け、下方に折り返して引き込み穴24に引き込む構成は、第1実施形態と同様であり、ここでの重複説明を略す。
図9に示すように、ピラートリム13の引き込み位置変更域Eには、縦向き直状のレール溝51aが形成される。
可変ガイド50aは扁平したリング状の掛止部501aを成し、その掛止部501aの大径側の幅が上部ウェビング21の他端側延出部212を挿通可能な幅に形成されている。一方、可変ガイド50aの掛止部501aの小径側の幅は上部ウェビング21の他端側延出部212の厚さより大きく形成される。図9に示すように、この可変ガイド50aは掛止部501aの大径方向における中央位置の外側より、レール溝51aにスライド可能に嵌着される脚部502aが延設されている。
ここでは、1本の脚部502a中心に、扁平リング状の可変ガイド50aが回動可能に支持される。そして、こでは、図示しないが可変ガイド50aに連結されるワイヤswは一本だけであり、ワイヤswを巻き付ける巻き取り車43も一つだけ設けられる。可変ガイド50aの引き込み位置は、通常は定常位置H0に位置され、側突時には変位位置H1へ移動するようリトラクタ25のプリテンショナ28及び電磁クラッチ34が作動される。これにより、プリテンショナ28からの回転力で巻き取り車43を駆動し、ワイヤswを瞬時に下方に引き込み、可変ガイド50aを変位位置H1へ移動できる。この際、掛止部501aは1本の脚部502aを中心に図9に2点鎖線で示すように回動する。
このように、可変ガイド50aの引き込み位置が定常位置H0及び変位位置H1のいずれの位置でも、掛止部501aが扁平リング状を成す可変ガイド50aが、上部ウェビング21の他端側延出部212の幅方向において最も抵抗の少ない状態で巻き掛けされた状態となる位置に回動できる。このため、上部ウェビング21の他端側延出部212が乗員の肩部の側方にスムーズに回り込むよう装着されるように、可変ガイド50aが回動でき、実施形態1と同様の効果が得られ、特に、構成の簡素化を図れる。
なお、上述の実施形態1、2においては、可変ガイド50、50aが、前突時には定常位置H0に維持され、側突時には変位位置H1へ移動するよう制御手段45によってリトラクタ25の電磁クラッチ34の作動が制御されている。これに代えて、前突時にも側突時にも共に可変ガイド50、50aが定常位置H0より変位位置H1へ移動するよう構成してもよい。
この場合、前突時に乗員を車体中央側に引き寄せるが、このような構成を採っても、乗員の安全性を十分に確保できる。しかも、電磁クラッチ34が必要ないので、リトラクタ25の構成が簡素化され、制御も容易となる。
なお、上述の実施形態1、2においては、上部ウェビングを巻き取るためのプリテンショナ28を利用することで、リトラクタ25に可変ガイド50、50aを移動させる駆動手段としての機能を持たせたが、別途専用の駆動手段(プリテンショナ等)を設けても良い。
以上、上述の実施形態では3点で支持する3点式シートベルト装置を説明したが、4点、5点式シートベルト装置にも、本発明を同様に適用でき、同様の効果が得られる。
1 シートベルト装置
3 前席(座席)
19 スリップリング
20 バックル
21 上部ウェビング(シートベルト)
211 一端側延出部
212 他端側延出部
22 下部ウェビング(シートベルト)
24 引き込み穴
25 リトラクタ(駆動手段を兼ねる)
28 プリテンショナ
30 タング
34 電磁クラッチ
36 回転外軸
41 内軸
45 制御手段
50 可変ガイド
d1 横長断面形状
d2 縦長断面形状
sw ワイヤ
H0 定常位置(引き込み位置)
H1 変位位置(引き込み位置)
P1 上部アンカー位置
P2 中央アンカー位置
P3 下部アンカー位置
Y 車幅方向

Claims (5)

  1. 車両の衝突時に乗員をシートに拘束するシートベルト装置であって、
    一端が乗員の車幅方向外側の肩部上方の上部アンカー位置で車体側に連結され、中間部に設けたスリップリングで折り返された後、他端側が前記上部アンカー位置の近傍に設けた引き込み穴に引き込まれてリトラクタに巻き取り可能に連結される上部ウェビングと、
    一端が前記スリップリングを介して前記上部ウェビングに摺動可能に連結され、中間部に前記シートの車幅方向中央側の中央アンカー位置のバックルに係合可能なタングを有し、他端が前記シートの車幅方向外側の下部アンカー位置で車体側に連結される下部ウェビングとから成るシートベルトと、
    前記引き込み穴の下方で上下方向に移動可能に設けられ、前記上部ウェビングの前記スリップリングより他端側の延出部が巻き掛けられて前記上部ウェビングの引き込み位置を規制する可変ガイドと、
    車両の衝突時に前記可変ガイドの引き込み位置を乗員の肩部より上方の定常位置から定常位置より下方の変位位置に移動する駆動手段とを備え、
    前記上部ウェビングは、前記可変ガイドが前記定常位置にあるときには、当該上部ウェビングの前記スリップリングより一端側の延出部と他端側の延出部とがともに乗員の肩部上方に配策される第1の状態とされ、前記可変ガイドが前記変位位置にあるときには、前記上部ウェビングの前記一端側の延出部が乗員の肩部上方に配策されるとともに前記他端側の延出部が乗員の肩部側方に配策される第2の状態とされ
    前記可変ガイドが前記定常位置を占めたとき、前記上部ウェビングの前記他端側の延出部が巻き掛けられる掛止部は前記引き込み穴とほぼ平行な車両前後方向に延びる状態とされるとともに、前記第1の状態を占めた前記上部ウェビングの前記他端側の延出部は前記掛止部によって面が上下方向を向いた幅方向横向きの状態に配策され、
    前記可変ガイドが前記変位位置を占めたとき、前記掛止部は上下方向に延びる状態とされるとともに、前記第2の状態を占めた前記上部ウェビングの前記他端側の延出部は前記掛止部によって面が車幅方向を向いた幅方向縦向きの状態に配策されることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記リトラクタは車両の衝突時に前記上部ウェビングを引き込んで前記シートベルトの張力を増加させるプリテンショナを備え、前記駆動手段は前記プリテンショナの駆動力を利用して前記可変ガイドを前記定常位置から前記変位位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記リトラクタは、前記可変ガイドと連結されるワイヤと、前記プリテンショナの駆動力を受けて前記ワイヤを巻き取って前記可変ガイドを移動させる巻き取り車とを備えており、前記リトラクタが前記駆動手段の機能を有することを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記引き込み穴の下方で上下方向に延設され、前記可変ガイドを上端の前記定常位置から下端の前記変位位置に案内する案内レールを備え、前記案内レールは第1レール溝と第2レール溝とを有し、前記第1レール溝は上下方向に延びる直状部のみで形成され、前記第2レール溝は上下方向に延びる直状部とその下方に続く湾曲部により連続形成されるとともに、前記湾曲部は車両後方側に向けて湾曲しかつ前記第1レール溝の延長線上の直下位置にまで湾曲形成され、前記案内レールには、前記可変ガイドを前記第1レール溝及び第2レール溝の上端部で前記定常位置に保持するとともに、所定以上の荷重が作用した際に前記可変ガイドの移動を許容する位置規制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートベルト装置。
  5. 前記駆動手段は車両の側突時にのみ前記可変ガイドを前記定常位置から前記変位位置に移動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートベルト装置。
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