JP6272550B2 - リラクタンスモータ、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法 - Google Patents

リラクタンスモータ、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リラクタンストルクを発生させるリラクタンスモータに関し、詳しくは、トルクリップルを低減するためのリラクタンスモータの構成、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法に関するものである。
リラクタンスモータは、ロータコアにスリット状のフラックスバリアを形成することで、ロータの回転方向における磁気抵抗が異なる構成とし、この構成を利用して、トルクを発生させるモータである。このようなリラクタンスモータは、インダクションモータ(誘導機)と比較して、回転子の二次銅損が発生しないなどのメリットが評価されている。そして、このようなメリットから、リラクタンスモータの用途として、空気調和機、自動車等に使用することが注目されている。
しかしながら、リラクタンスモータは、一般的にトルクリップルが大きいとされ、前述の用途に使用するには、さらなる改善が必要であった。
リラクタンスモータの出力トルクは、前述のように、ロータの回転方向における磁気抵抗の差異を発生原理としている。このような出力トルクは、リラクタンストルクTと称せられており、次式で表わされる。
T=Pn(Ld−Lq)id・iq
ここで、Pnは、極対数、Ldは、d軸インダクタンス、Lqは、q軸インダクタンス、idは、d軸電流、iqは、q軸電流である。上式より、リラクタンスモータの電流あたりのトルクを大きくして、効率を高めるためには、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスの差であるLd−Lqを大きくすることが有効であることがわかる。
また、力率を大きくするためには、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスの比であるLd/Lqを大きくすればよいことが知られている。この比Ld/Lqの値は、一般に、突極比と呼ばれている。
リラクタンスモータは、この差Ld−Lqや突極比Ld/Lqを大きくするために、ロータコアにフラックスバリアと呼ばれる複数層のスリットを設けている。これにより、複数層のスリットに沿った方向に、磁束を流し易くするd軸磁路を形成するとともに、複数層のスリットを横断するq軸磁路の磁気抵抗を大きくする構成としていた。
上述したフラックスバリア構造を基本構造として、トルクリップルを小さくするための従来技術の一例として、以下の構成を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、リラクタンスモータ用回転子積層鉄心として、回転軸孔側を凸とした複数の円弧状スリットを同心状に形成するとともに、複数の円弧状スリットを回転軸孔の周囲に間隔をおいて形成した鉄心片を積層している。
そして、円弧状スリットの延設方向に沿って磁束が流れ易い突極方向と、円弧状スリットの並設方向に沿って磁束が流れ難い非突極方向とのインダクタンスの差に基づいて生じるリラクタンストルクにより回転するリラクタンスモータ用回転子積層鉄心において、複数の円弧状スリットの端部を鉄心片の全周にわたって等間隔に形成している。このような構成とすることにより、特許文献1は、回転子のトルク変動、すなわちトルクリップル、を小さく抑えている。
特開2009−77458号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に記載されたリラクタンスモータは、複数のスリットを鉄心片から打ち抜いて形成する必要がある。このため、打ち抜き形成時の磁気特性の劣化が、各所に発生することとなる。そして、このような劣化を抑えるためには、焼鈍等の熱処理が必要になるか、あるいは劣化分の特性悪化を補うためにモータ自体が大型化する、という不都合があった。
特許文献1においても、この点は述べられており、1極あたりのスリットの数を5つに低減しているものの、抜本的な本数の削減には至っておらず、依然として、鉄心の磁気特性の劣化の影響を受けていた。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、より少ないスリット数の場合でも、トルクリップルを低減することのできるリラクタンスモータ、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係るリラクタンスモータは、ロータコアがシャフトに固定されて構成されるロータと、巻線を収納するスロットを有するステータとを備え、ロータとステータとが磁気ギャップを介して回転自在に配置されたリラクタンスモータにおいて、スロットの数をNsとし、ロータコアは、1つ以上のスリットとコア層とが径方向に交互に並んで形成されたフラックスバリアを周方向に極数分有し、1極あたりにおけるスリットの、ロータ外周に近接するスリット端部を1以上の群に分け、群番号をgとする1つの群に含まれるスリット端部の個数をmg個とし、スリット端部に対して周方向の右側から順に1番からmg番までの番号を付け、それぞれのスリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びるスリット壁に関して、周方向に見て右側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとし、niを1以上の自然数とし、αを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、δg iが特許請求の範囲の数式(1)を満たし、かつ、周方向に見て左側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をεg iとし、liを1以上の自然数とし、βを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、εg iが特許請求の範囲の数式(2)を満たすように、フラックスバリアが構成されているものである。
また、本発明の係るリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法は、ロータコアをシャフトに固定して構成されるロータと、巻線を収納するスロットを有するステータとを備え、ロータとステータとを磁気ギャップを介して回転自在に配置したリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法であって、スロットの数をNsとし、ロータコアは、1つ以上のスリットとコア層とを径方向に交互に並べて形成したフラックスバリアを周方向に極数分有し、1極あたりにおけるスリットの、ロータ外周に近接するスリット端部を1以上の群に分け、群番号をgとする1つの群に含まれるスリット端部の個数をmg個とし、スリット端部に対して周方向の右側から順に1番からmg番までの番号を付けた場合において、それぞれのスリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びるスリット壁に関して、周方向に見て右側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとし、niを1以上の自然数とし、αを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、δg iが特許請求の範囲の数式(5)を満たし、かつ、周方向に見て左側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をεg iとし、liを1以上の自然数とし、βを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、εg iが特許請求の範囲の数式(6)を満たすように、薄板鋼板に対して打ち抜き加工を施すことでスリットを形成する工程を有するものである。
本発明によれば、1つのフラックスバリア内に形成されるスロットが1つあるいは2つの場合にも、スリット端部の影響で発生するqNs/p次のトルクリップル成分を低減することができるように、スリット形状を規定している。この結果、より少ないスリット数の場合でも、トルクリップルを低減することのできるリラクタンスモータ、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータを利用する際の系を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるリラクタンスモータを軸線方向にカットした断面図である。 本発明の実施の形態1におけるリラクタンスモータの、先の図2におけるA−A断面図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータのロータコアの断面図である。 本発明の実施の形態1による制御装置2における電流制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1による制御装置2における、図5とは異なる構成を備えた電流制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータにおいて、トルクリップルのqNs/p次成分を低減できる様子を示した説明図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータのトルクリップルのqNs/p次成分が、係数αに依存している様子を示す図である。 本発明の実施の形態1による面取りをした場合のトルクリップルのqNs/p次成分の振幅を例示した図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータのロータコアの、図4とは異なる断面図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータのロータコアの、図10とは異なる断面図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータにおいて、スリットに隣り合うコア層同士を繋ぐリブが形成された断面図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータに段スキューを適用した例を示す図である。 本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータに斜めスキューを適用した例を示す図である。 本発明の実施の形態2によるリラクタンスモータのロータコアの断面図である。 本発明の実施の形態3によるリラクタンスモータのロータコアの断面図である。 本発明の実施の形態4によるリラクタンスモータのスリット端部を拡大したケース(a)の断面図である。 本発明の実施の形態4によるリラクタンスモータのスリット端部を拡大したケース(b)の断面図である。 本発明の実施の形態4によるリラクタンスモータのスリット端部を拡大したケース(c)の断面図である。 本発明の実施の形態5によるリラクタンスモータの壁長さとトルクリップルqNs/p次成分との関係を示す図である。 本発明の実施の形態6によるリラクタンスモータのスリット端部の角度と出力トルクの関係を示す図である。 本発明の実施の形態6によるリラクタンスモータのロータコアの断面図を示す図である。 本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータのロータの断面図を示す図である。 本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータのロータの断面図の、別の実施例を示す図である。 本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータのロータの斜視図である。 本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータのロータの断面図の別の実施例を示す図である。
以下、本発明のリラクタンスモータ、およびリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータを利用する際の系を示す図である。図1において、リラクタンスモータ1は、電源供給ライン3を介して制御装置2と接続されている。そして、リラクタンスモータ1は、制御装置2から供給される電気エネルギーを、機械エネルギーに変換する電気機械である。
図2は、本発明の実施の形態1におけるリラクタンスモータ1を軸線方向にカットした断面図である。図2において、フレーム15に圧入や焼き嵌めなどの方法により挿入されて固定されたステータ6と、ロータ9とが、軸受14を用いて機械的な隙間を介して互いに回転自在に配置されている。
ステータ6は、鉄心からなるステータコア4に巻線5を施して構成される。そして、ステータ6は、巻線5に対して制御装置2から電気エネルギーが与えられると、磁気ギャップ中に回転磁界を発生させる機能を有している。
ロータ9は、鉄心からなるロータコア7の中心にシャフト8を圧入または焼き嵌めなどの方法により挿入して一体としたものである。ここで、ロータコア7は、薄板の鋼板を軸方向に積層して構成されている。
図3は、本発明の実施の形態1におけるリラクタンスモータ1の、先の図2におけるA−A断面図である。この図3において、ステータ6とロータ9は、機械的な隙間の径方向距離Gをギャップ長として保つようにして、略同心円状に配置されている。ステータ6には、巻線5を収納するスロット51が形成されており、図3では、36個のスロット51を有している。
図4は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1のロータコア7の断面図である。具体的には、この図4は、先の図3から、ロータ部分のみを抜き出した図である。
この図4において、ロータコア7には、同一形状のフラックスバリア12が4つ、周方向に略等間隔に形成されている。したがって、本実施の形態1におけるリラクタンスモータ1は、4極のモータとして駆動できるように構成されている。
フラックスバリア12は、ロータコア7に設けられた鉄心とは異なる材料で形成されたスリット11が、径方向に列をなして並べられ、残された鉄心部分がコア層10として形成されている。なお、図4では、スリット11が、径方向に一列として並べられた状態を例示している。
1つのスリット11は、少なくともq軸線上の径方向幅が最も大きくなるように形成されている。好ましくは、スリット11の長手方向の端から端まで、同一幅を保つことが望ましいが、最外周側は、同一幅を保つことができない場合もある。また、スリットの端が、円弧状に面取りされる場合もある。しかしながら、これらの差異は、許容範囲である。
図4において、ロータコア7の断面上には、磁束を通し易い方向としてd軸、磁束を通しにくい方向としてq軸、がそれぞれ定義されている。d軸とq軸には、電気的に90度の位相差がある。
次に、スリット端部113を形成しているブリッジ13と、スリット壁111、112について説明する。本実施の形態1では、1極あたりにスリット端部113が2つ存在している。それらのスリット端部113について、以下の説明においては、軸中心に立って見て、周方向の右側にあるスリット端部を1番スリット端部113a、左側にあるスリット端部を2番スリット端部113bと便宜的に呼ぶこととする。
1番スリット端部113aにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111aから、2番スリット端部113bにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111bまでの、軸中心を基準とした角度δg iが、下式(1)で表わされる。
Figure 0006272550
上式(1)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、スリット端部の個数であり、図4では、mg=2となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとするので、ここでは、i=2となる。
・niは、1以上の自然数とし、図4では、ni=5とする。
・αは、−1/4〜1/4の範囲の数とし、図4では、α=0とする。
・qは、1以上の自然数とし、図4では、q=1とする。
・Nsは、先述のように36である。
そして、これらの設定から、上式(1)の左辺の値は、以下のように設定される。
δg i=55°
一方、1番スリット端部113aにおける軸中心に立って見て、周方向の左側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁112aから、2番スリット端部113bにおける軸中心に立って見て、周方向の左側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁112bまでの、軸中心を基準とした角度εg iは、下式(2)で表わされる。
Figure 0006272550
上式(2)おいて、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、スリット端部の個数であり、図4では、mg=2となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をεg iとするので、ここでは、i=2となる。
・liは、1以上の自然数とし、図4では、li=6とする。
・βは、−1/4〜1/4の範囲の数とし、図4では、β=0とする。
・qは、1以上の自然数とし、図4では、q=1とする。
・Nsは、先述のように36である。
そして、これらの設定から、上式(2)の左辺の値は、以下のように設定される。
εg i=65°
本実施の形態1によるリラクタンスモータ1は、図1で示したように、制御装置2から電気エネルギーを供給される構成を備えており、制御装置2は、ステータ6の巻線5に通電する電流を制御する。
図5は、本発明の実施の形態1による制御装置2における電流制御ブロック図である。
図5は、いわゆるベクトル制御のブロック図である。図5において、回転位置検出器20は、リラクタンスモータ1と連結されてロータの回転位置θを検出し、検出した回転位置θを、制御装置2に転送している。
図6は、本発明の実施の形態1による制御装置2における、図5とは異なる構成を備えた電流制御ブロック図である。回転位置θを検出するための構成は、図5における回転位置検出器20を備える構成の代わりに、図6に示したように、制御装置2内に配置した回転位置推定器26を用いることもできる。
ただし、図5に示したような回転位置検出器20を用いる場合には、検出される回転位置θの精度を高めることができるというメリットを有する。一方、図6に示したような回転位置推定器26を用いる場合には、精度は、回転位置検出器20に比較して劣るものの、部品点数を減らすことによる経済的なメリットがある。従って、アプリケーションに応じて、図5と図6の構成のいずれかを選択することで、好適なリラクタンスモータ1を提供することができる。
リラクタンスモータ1の制御をするに当たって、制御装置2は、内部または外部から与えられる電流指令id*およびiq*に基づいて、ステータ6の巻線5に通電する電流を制御する。電流検出器25から得られる3相電流iu、iv、iwの値は、回転位置θとともに、3相→2相変換器22に入力される。
3相→2相変換器22の出力として演算される2相の電流idおよびiqは、フィードバック情報として、電流制御器21に入力される。そして、電流制御器21は、電流指令id*およびiq*と、フィードバックされた2相の電流idおよびiqのそれぞれの偏差に基づいて、PID制御等の方法により、電圧指令Vd*およびVq*を演算して生成する。
生成された電圧指令Vd*およびVq*は、回転位置θとともに、2相→3相変換器22に入力される。そして、2相→3相変換器22は、3相分の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を計算し、出力する。電力変換器23は、これら3相分の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を入力として、シンクロナスリラクタンスモータ1に供給する電力を出力する。
このようにして、フィードバックされる電流idおよびiqは、電流指令id*およびiq*との差分が小さくなるように、すなわち、電流指令id*およびiq*に近づくように、フィードバック制御される。
図7は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1において、トルクリップルのqNs/p次成分を低減できる様子を示した説明図である。図4に示すようにフラックスバリア12を構成することで、スリット壁111aで発生するトルクリップルのqNs/p次成分と、スリット壁111bで発生するトルクリップルのqNs/p次成分の位相は、図7に示すように、およそ2π/(qNs)*1/2だけずれる。
この結果、スリット壁111aで発生するトルクリップル波形に対して、スリット壁111bで発生するトルクリップル波形を反転させることができ、トルクリップルのqNs/p次成分を低減させることができる。
同様にして、スリット壁112aで発生するトルクリップルのqNs/p次成分と、スリット壁112bで発生するトルクリップルのqNs/p次成分のトルクリップルの波形を反転することができる。この結果、トルクリップルのqNs/p次成分を低減させることができる。
図8は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1のトルクリップルのqNs/p次成分が、係数αに依存している様子を示す図である。具体的には、トルクリップルのqNs/p次成分の振幅のαに対する依存性を示している。αは、ゼロであるとき、トルクリップルのqNs/p次成分の振幅を最も小さくすることができ、最も好ましい。また、−1/4〜1/4の範囲であれば、α=−1やα=1の場合に比べて、60%以上低減でき、実用上問題のない範囲といえる。
また、スリット端部113における面取りなどの加工によって、トルクリップル波形の位相がずれることも考えられる。このため、αやβを、−1/4〜1/4の範囲で補正する可能性がある。
図9は、本発明の実施の形態1による面取りをした場合のトルクリップルのqNs/p次成分の振幅を例示した図である。通常は、0.5mm以下の半径で面取りをすることがあり、この影響によりロータ外周からみたスリット壁の周方向位置が磁気的にはぼやけて見え、トルクリップル波形の位相がずれることにより、αがゼロではない点で極小値を取る場合がある。この場合の対応として、前述のように、αやβを−1/4以上1/4以下の範囲で補正する。
ここまでは、非常に簡単に説明するために、フラックスバリア12におけるスリット11の数を1として説明してきた。しかしながら、フラックスバリア12におけるスリット11の数を2以上としても、スリット11の数が1の場合と同様な配置関係として構成にすることで、トルクリップルを低減することができる。
図10は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1のロータコア7の、図4とは異なる断面図である。この図10は、フラックスバリア12におけるスリット11の数が2の実施例を示している。図10において、1つのフラックスバリア12内でのスリット端部113の数は、4個となっている。
それら4個のスリット端部113c、113d、113e、113fについて、説明の便宜上、軸中心に立って見て、周方向の最も右側にあるスリット端部を1番スリット端部113cと呼び、次いで、その左側にあるスリット端部を2番スリット端部113dと呼び、次いで、その左側にあるスリット端部を3番スリット端部113eと呼び、最も左側にあるスリット端部を4番スリット端部113fと呼ぶこととする。
1番スリット端部113cにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111cから、2番スリット端部113dにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111dまでの軸中心を基準とした角度δg 2は、下式(3)で表される。
Figure 0006272550
上式(3)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、スリット端部の個数であり、図10では、mg=4となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとするので、ここでは、i=2となる。
・niは、1以上の自然数としている。
・αは、−1/4〜1/4の範囲の数としている。
・qは、1以上の自然数としている。
同様に、1番スリット端部113cにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111cから、3番スリット端部113eにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111eまでの軸中心を基準とした角度δg 3は、下式(4)で表される。
Figure 0006272550
上式(4)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、スリット端部の個数であり、図10では、mg=4となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔δg iとするので、ここでは、i=3である。
・niは、1以上の自然数としている。
・αは、−1/4〜1/4の範囲の数としている。
・qは、1以上の自然数としている。
さらに、同様に、1番スリット端部113cにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111cから、4番スリット端部113fにおける軸中心に立って見て、周方向の右側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁111fまでの軸中心を基準とした角度δg 4は、下式(5)で表される。
Figure 0006272550
上式(4)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、スリット端部の個数であり、図10では、mg=4となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔δg iとするので、ここでは、i=4となる。
・niは、1以上の自然数としている。
・αは、−1/4〜1/4の範囲の数としている。
・qは、1以上の自然数としている。
以上と同様にして、軸中心に立って見て、周方向の左側にある、ロータ外周に対して内周方面に伸びるスリット壁112cから111d、111e、111fのそれぞれまでの間隔εg 2、、εg 3、εg 4も、上式(2)と同様の形で表わされるように構成される。
そして、これらの内容をまとめると、図10における角度δg 2、δg 3、δg 4、εg 2、εg 3、εg 4は、表1のようになる。
Figure 0006272550
このように構成することで、スリット壁111c〜111fで発生するトルクリップルのqNs/p次成分の位相が、それぞれ2π/(qNs)*1/4ずつずれることとなる。従って、これらの和がゼロに近くなり、結果として、トルクリップルのqNs/p次成分を低減できる。
スリット壁112c〜112fも同様に作用し、トルクリップルのqNs/p次成分を低減することができる。
図11は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1のロータコア7の、図10とは異なる断面図である。フラックスバリア12におけるスリット11の数が2の別の実施例を示している。図11において、スリット端部113の数は、4個となっている。
図11の形態では、4つのスリット端部113g、113h、113i、113jを2つの群に分けている。軸中心に立って見て、周方向の最も右側にあるスリット端部を1群1番スリット端部113gと、次いで、その左側にあるスリット端部を1群2番スリット端部113hと、次いで、その左側にあるスリット端部を2群1番スリット端部113iと、最も左側にあるスリット端部を2群2番スリット端部113jと、説明のために便宜的に呼ぶこととする。
1群において、スリット壁111gと111hの相対角度δ1 2は、下式(6)で表される。
Figure 0006272550
上式(4)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・mgは、1群におけるスリット端部の個数であり、図11では、mg=2となる。
・周方向に見て同一方向側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδ1 iとするので、ここでは、i=2となる。
・niは、1以上の自然数としている。
・αは、−1/4〜1/4の範囲の数としている。
・qは、1以上の自然数としている。
この他、1群のε1 2、および2群のδ2 2とε2 2も、同様にして構成されている。
そして、これらの内容をまとめると、図11における角度δ1 2、δ2 2、ε1 2、ε2 2は、表2のようになる。
Figure 0006272550
このように構成することで、スリット壁111gとスリット壁111hで発生するトルクリップルのqNs/p次成分の位相が、2π/(qNs)*1/2ずつずれることとなる。従って、これらの和がゼロに近くなり、結果として、トルクリップルのqNs/p次成分を低減できる。
同様にして、スリット壁111iとスリット壁111jで発生するトルクリップルのqNs/p次成分、スリット壁112gとスリット壁112hで発生するトルクリップルのqNs/p次成分、およびスリット壁112iとスリット壁112jで発生するトルクリップルのqNs/p次成分も、それぞれ低減できる。
好ましくは、先の図8に示したように、αやβは、−1/4〜1/4の範囲であるとよく、実用上問題のない範囲にトルクリップルを低減することができる。さらに、好ましくは、前述のように、αやβは、ゼロに近いほど、トルクリップルの低減効果が高い。
さらに、好ましくは、フラックスバリア12内に含まれるスリット11の数は、2以下とすることが望ましい。その理由は、スリットの数が3以上である場合には、スリット11を打ち抜いた際に形成される鋼板の磁気劣化部分が占める割合が増えてしまい、所望のトルクを出力できなくなるか、または、所望のトルクを出力するためのリラクタンスモータ1の体格が大きくなってしまうからである。
したがって、スリット11の数は、2以下とすることで、所望のトルクを出力しやすくなり、かつ、リラクタンスモータ1の小型化を実現しつつ、トルクリップルを低減することができる。
なお、リラクタンスモータ1によっては、スリット11に隣り合うコア層同士を繋ぐリブ37を形成し、機械強度を向上させるものがあることが知られている。図12は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1において、スリット11に隣り合うコア層同士を繋ぐリブ37が形成された断面図である。
この場合、スリット11内にリブ側端部38が形成されることとなるが、このリブ側端部38は、本発明のスリット端部113としては数えないものとする。そして、リブ37の有無に依らず、同様の効果を発揮できる。
また、好ましくは、q=1とすることが望ましい。この理由は、できるだけ小さな次数のトルクリップルを低減しておくことが、例えば、一定回転で駆動させた場合の速度リップルを低減することに貢献できるためである。
さらに、好ましくは、段スキューを施したり、斜めスキューを施したりすることにより、qで表現される次数以外の次数のトルクリップルを低減することが望ましい。図13は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1に段スキューを適用した例を示す図である。さらに、図14は、本発明の実施の形態1によるリラクタンスモータ1に斜めスキューを適用した例を示す図である。
ここで、q=1としておけば、スキュー技術で低減すべきトルクリップルの次数が高くなるとともに、段スキューや斜めスキューのスキュー角θsを小さくすることができる。
このため、出力トルクの低下を防止するという、さらなる効果を得ることができる。
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2によるリラクタンスモータ1のロータコア7の断面図である。その構成は、先の図11とよく似ているが、1群1番スリット端部113kの右側スリット壁111kと2群1番スリット端部113mの右側スリット壁111mの相対角度ξ1 2と、1群2番スリット端部113lの左側スリット壁112lと2群1番スリット端部113mの左側スリット壁112mの相対角度ψ1 2とを、下式(7)、(8)で設定していることが異なる。
Figure 0006272550
上式(7)、(8)において、それぞれの符号は、以下の内容を示すものである。
・gは、群の個数であり、図15では、g=2である。
・群1と群jの間隔を、ξ1 jおよびψ1 jとするので、ここでは、j=2である。
・kiおよびsjは、1以上の自然数としている。
・γおよびηは、−1/4〜1/4の範囲の数としている。
・rは、1以上の自然数とし、かつ、r≠qとしている。
このように、rをqとを異ならせることで、qによって定まるqNs/p次成分のトルクリップルとは別の、rNs/p次成分のトルクリップルを、同時に低減することが可能となる。
本実施の形態2におけるγおよびηは、先の実施の形態1におけるαおよびβに相当し、好ましくは、γやηは、−1/4〜1/4の範囲であるとよく、実用上問題のない範囲にトルクリップルを低減することができる。さらに、好ましくは、前述のように、γやηは、ゼロに近いほどトルクリップルの低減効果が高い。そして、これらの内容をまとめると、図15における角度δ1 2、δ2 2、ε1 2、ε2 2、ξ1 2、ψ1 2は、表3のようになる。
Figure 0006272550
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3によるリラクタンスモータ1のロータコア7の断面図である。その構成は、先の図11とよく似ているが、1群をスリット端部113oと113rで構成し、2群をスリット端部113pと113qで構成している。さらに、それぞれの群でni=liとすることによって、スリット11の形状がスリット11の周方向の中心に対して線対象としている点が図11とは異なっている。
このように構成しても、トルクリップルのqNs/p次成分を低減できることに加えて、左方向にトルクを出力する際と、右方向にトルクを出力する際の特性を、同じにすることができるという効果を奏する。これらの内容をまとめると、図16における角度δ1 2、δ2 2、ε1 2、ε2 2は、表4のようになる。
Figure 0006272550
実施の形態4.
図17A〜図17Cのそれぞれは、本発明の実施の形態4によるリラクタンスモータ1のスリット端部を拡大した断面図である。具体的には、スリット端部113のバリエーションとして、図17Aにはケース(a)、図17Bにはケース(b)、図17Cにはケース(c)をそれぞれ例示している。いずれのバリエーションも、軸中心とスリット端部113の周方向中心を通る中心線が描かれている。図17A〜図17C中、スリット壁111およびスリット壁112は、中心線に対して線対象としている。
このように構成することで、スリット壁111、112によって発生するトルクリップルの波形を、基本的に同一波形とすることができ、先述の実施の形態1〜3で示したトルクリップル低減効果を、一層得やすくすることができるという効果を奏する。
実施の形態5.
本実施の形態5では、スリット端部113における壁長さとトルクリップルとの関係について検討する。先の実施の形態4で示した図17Cのケース(c)において、壁長さの定義を示している。この壁長さは、スリット端部113のロータ外周に対して内周方面に伸びる部分が2つあるが、その長さの短い側の長さに相当する。この部分が、トルクリップルを発生させる部分である。
ロータコア7は、薄板鋼板よりスリットを打ち抜いて製造される。このため、壁長さは、工作誤差によりばらつきを生じる。この部分の長さが長い程、工作誤差の影響を受けずに安定的なトルクリップル波形を発生することができる。その結果、実施の形態1〜3で示したトルクリップル低減の効果も発揮しやすくなる。
図18は、本発明の実施の形態5によるリラクタンスモータ1の壁長さとトルクリップルqNs/p次成分との関係を示す図である。この図18では、トルクリップルのqNs/p次成分の振幅が、壁長さに依存している様子を示している。スリット端部による磁気抵抗の脈動は、磁気ギャップ長が小さいほど顕著に影響として現れる。そこで、壁長さは、磁気ギャップ長で除して規格化しており、図18では、トルクリップルの振幅が1.0p.u.となる部分を太線で示している。
図18において、壁長さ/磁気ギャップ長が7.5以上の領域では、トルクリップルの振幅が、0.95〜1.00p.u.の範囲であり、安定となっている。したがって、壁長さ/磁気ギャップ長を7.5以上とすることで、トルクリップルの低減効果に対する工作誤差の影響を小さくすることができる。つまり、壁長さ/磁気ギャップ長を7.5以上とするようなスリット端部113の形状は、トルクリップル低減のために、望ましい構成といえる。
より好ましくは、壁長さ/磁気ギャップ長が10以上となるようにスリット端部113を構成することで、トルクリップルの振幅が0.98〜1.00p.u.の範囲で安定し、より工作誤差の影響を受けにくくすることができる。
実施の形態6.
図19は、本発明の実施の形態6によるリラクタンスモータ1のスリット端部の角度と出力トルクの関係を示す図である。より具体的には、スリット端部の角度と、同一電流を通電した場合のトルクとの関係を説明するための図である。図19において、スリット端部113の電気角が10〜20°の場合に、トルクのピークが表れており、高出力化できることを示している。したがって、先の実施の形態1〜5の構成を取りつつ、スリット端部113の角度θを、電気角で10°〜20°とすることが好ましい。
このような構成とすることで、出力トルクを大きくしながら、トルクリップルを低減することが可能となる。この構成の例を、図面を用いて具体的に説明する。図20は、本発明の実施の形態6によるリラクタンスモータ1のロータコア7の断面図を示す図である。
図20における角度δg 2、εg 2、θは、表5のようになる。
Figure 0006272550
図20におけるθは、表5に示したように、θ=5°としており、本実施の形態6は、4極であるから、電気角では10°となっている。
このように、実施の形態1の構成を取りながら、スリット端部113の角度θを電気角で10°に設定することで、出力トルクを大きくしながら、トルクリップルを低減するという、効果の両立を図ることができる。
実施の形態7.
図21は、本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータ1のロータの断面図を示す図である。ロータコア7の形状は、先の図16と同一形状であるが、スリット11内の一部に永久磁石40a、40bを配置している点が異なる。永久磁石40a、40bは、周方向に隣り合う磁極が互いに異極となるように着磁されており、同一フラックスバリア12内の永久磁石40a、40bは、同一磁極を形成するように着磁されている。
このように、永久磁石40a、40bを配置することで、永久磁石40a、40bに基づく磁束を得ることができる。この結果、リラクタンストルクに加えて、マグネットトルクを発生させ、モータの発生トルクを大きくすることができるメリットがあると同時に、トルクリップルを低減できるという効果を奏することができる。
ただし、永久磁石40a、40bに基づく磁束が大きすぎると、ロータコア7の磁気特性が変わってしまい、トルクリップル波形に影響を及ぼしてしまう。したがって、永久磁石40a、40bに基づく磁束により発生するマグネットトルクは、リラクタンストルクよりも小さいことが望ましい。そのため、永久磁石40a、40bは、例えば、ネオジムボンド磁石やフェライト磁石等の、残留磁束密度が1.0T以下の材質であることが望ましい。
さらに、好ましくは、スリット11は、長方形断面を有する永久磁石40a、40bを配置できるように、スリットの外周側と内周側を、並行な直線として構成することが望ましい。長方形断面とする理由は、永久磁石の加工工程を簡略化する狙いがある。一般に知られているように、永久磁石は、金型で形成された母材から切り出し、その後、研磨加工される。したがって、永久磁石が長方形断面として形成できれば、その加工が簡略化される。
図22は、本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータ1のロータの断面図の、別の実施例を示す図である。図22において、スリット端部113s、113tの構成は、先の実施の形態1〜6の構成とした上で、長方形断面を有する永久磁石40を配置した構成を実現している。このように構成することで、マグネットトルクによる発生トルクの増加効果と、トルクリップルの低減効果に加え、永久磁石の加工工程を簡略化する効果を得ることが可能となる。
図23は、本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータ1のロータの斜視図である。ロータコア7の軸方向端面には、端板50が設置され、永久磁石40の飛び出しを防ぐ構造となっている。なお、図23では、簡単のために、端板50を円板状としているが、永久磁石40の飛び出し防止機能を有し、かつ、回転バランスを保てることができれば、端板50の形状は、円板に限るものではない。
このような構造であれば、永久磁石40の飛び出し防止機能だけでなく、ロータ組立後に端板50にドリル等で穴をあけてバランスを取ることで、バランサの機能を持たせることができる。
図24は、本発明の実施の形態7によるリラクタンスモータ1のロータの断面図の別の実施例を示す図である。好ましくは、この図24に示すように、永久磁石40同士の周方向の中心の位相において、ロータコア7の外周面に窪み60を設けることが望ましい。窪み60を設けることによって、永久磁石40を配置したことで生ずるコギングトルクを低減することができる。

Claims (9)

  1. ロータコアがシャフトに固定されて構成されるロータと、
    巻線を収納するスロットを有するステータと
    を備え、前記ロータと前記ステータとが磁気ギャップを介して回転自在に配置されたリラクタンスモータにおいて、
    前記スロットの数をNsとし、
    前記ロータコアは、1つ以上のスリットとコア層とが径方向に交互に並んで形成されたフラックスバリアを周方向に極数分有し、
    1極あたりにおけるスリットの、ロータ外周に近接するスリット端部を1以上の群に分け、
    群番号をgとする1つの群に含まれるスリット端部の個数をmg個とし、スリット端部に対して周方向の右側から順に1番からmg番までの番号を付け、
    それぞれのスリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びるスリット壁に関して、周方向に見て右側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとし、niを1以上の自然数とし、αを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、δg iが下式(1)
    Figure 0006272550
    を満たし、かつ、周方向に見て左側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をεg iとし、liを1以上の自然数とし、βを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、εg iが下式(2)
    Figure 0006272550
    を満たすように、前記フラックスバリアが構成されている
    リラクタンスモータ。
  2. 前記群は、複数の群であり、
    1群1番スリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びる前記右側のスリット壁から、j群1番スリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びる前記右側のスリット壁までの、周方向に見た間隔をξg jとし、kjを1以上の自然数とし、γを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、rを1以上の自然数としたとき、ξg jが下式(3)
    Figure 0006272550
    を満たし、かつ、1群1番スリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びる前記左側のスリット壁から、j群1番スリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びる前記左側のスリット壁までの、周方向に見た間隔をψg jとし、sjを1以上の自然数とし、ηを−1/4以上1/4以下の範囲の数としたとき、rを1以上の自然数としたとき、ψg jが下式(4)
    Figure 0006272550
    を満たすように、前記フラックスバリアが構成されている
    請求項1に記載のリラクタンスモータ。
  3. 前記スリットは、スリット中心と軸中心を通る線に対して線対象である形状を有する
    請求項1または2に記載のリラクタンスモータ。
  4. 前記スリットは、前記スリット端部の周方向中央と軸中心を通る線に対して、前記右側のスロット壁と前記左側のスロット壁が線対象となる端部形状を有する
    請求項1から3のいずれか1項に記載のリラクタンスモータ。
  5. 前記スリットは、1つのスリット端部における前記右側のスロット壁と前記左側のスロット壁のうち、長さが短い方のスロット壁の長さを壁長さとしたとき、前記壁長さを分子とし、前記磁気ギャップの径方向長さを分母とした分数の値が、7.5以上となる端部形状を有する
    請求項1から4のいずれか1項に記載のリラクタンスモータ。
  6. 前記スリットは、前記スリット端部の電気角度が10°以上20°以下の範囲となる端部形状を有する
    請求項1から5のいずれか1項に記載のリラクタンスモータ。
  7. 前記スリットは、内部の一部に永久磁石が配置されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載のリラクタンスモータ。
  8. ロータコアをシャフトに固定して構成されるロータと、
    巻線を収納するスロットを有するステータと
    を備え、前記ロータと前記ステータとを磁気ギャップを介して回転自在に配置したリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法であって、
    前記スロットの数をNsとし、
    前記ロータコアは、1つ以上のスリットとコア層とを径方向に交互に並べて形成したフラックスバリアを周方向に極数分有し、
    1極あたりにおけるスリットの、ロータ外周に近接するスリット端部を1以上の群に分け、
    群番号をgとする1つの群に含まれるスリット端部の個数をmg個とし、スリット端部に対して周方向の右側から順に1番からmg番までの番号を付けた場合において、
    それぞれのスリット端部において、ロータ外周から内周方面に伸びるスリット壁に関して、周方向に見て右側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をδg iとし、niを1以上の自然数とし、αを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、δg iが下式(5)
    Figure 0006272550
    を満たし、かつ、周方向に見て左側のスリット壁の1番スリット端からi番スリット端までの間隔をεg iとし、liを1以上の自然数とし、βを−1/4以上1/4以下の範囲の数とし、qを1以上の自然数としたとき、εg iが下式(6)
    Figure 0006272550
    を満たすように、薄板鋼板に対して打ち抜き加工を施すことで前記スリットを形成する工程を有する
    リラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法。
  9. 前記スリットは、1つのスリット端部における前記右側のスロット壁と前記左側のスロット壁のうち、長さが短い方のスロット壁の長さを壁長さとしたとき、前記壁長さを分子とし、前記磁気ギャップの径方向長さを分母とした分数の値が、7.5以上となる端部形状を有する
    請求項8に記載のリラクタンスモータに用いられるロータコアの製造方法。
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