上記特許文献1に開示の第2フィルム折り癖付け装置(50)や上記特許文献2に開示の横方向フィルム折り線形成装置(30)は、筒状フィルム(包装体)の材料である1枚の帯状フィルム(11)(1)に対して、その進行方向と直交(横断)する折り線を一定間隔での1本づつ付与するものであり、製袋されたプラスチック包装袋の全体を小型扁平に折りたたむべく、その折り線を連続的なジグザグ状に付与するものではない。
従って、その装置の物理的な構成としても、上記特許文献1の第2フィルム折り癖付け装置(50)では第1折り癖付けローラ(51)における回転体(51a)の円周面から突出する単一の凸部(51c)と、第2折り癖付けローラ(52)における回転体(52a)の円周面から対応的に突出する単一の凹部(52c)とが、同期回転してタイミング良く咬み合い、帯状フィルム(11)を挟み込むようになっているため、これによって付与される折り線は1本であるに過ぎず、連続的なジグザグ状の折りたたみ癖付けを行うことはできない。
この点、上記特許文献2の横方向フィルム折り線形成装置(30)では矩形状の折り癖部材(31)(32)から各々突出する一方の挟持爪(36)が上下に3つの山を持ち、他方の挟持爪(37)が上下に2つの山を持ち、その挟持爪(36)(37)同士が左右方向から接近して、互いに咬み合うようになっている構成のため、やはり連続的なジグザグ状の折り線を付与することは不可能である。
更に念のため言えば、上記特許文献1に開示された第2フィルム折り癖付け装置(50)の第1,2折り癖付けローラ(51)(52)は、凸部(51c)を有する回転体(51a)と凹部(52c)を有する回転体(52a)との同期して回転するようになっているとしても、その回転は間歇的であるため、連続的なジグザグ状の折り線を付与することができないことに変りはない。
要するに、プラスチックフィルム包装袋を小型扁平に折りたたむため、その多数が連続する原反ロールからの引き出し過程において、その引き出し進行方向と直交(横断)するジグザグ状の折り線を付与する折りたたみ癖付け方法とその装置は、未だ開発されていない現状である。
本発明は上記課題に鑑み、新らしいプラスチック包装袋の折りたたみ癖付け方法並びにその装置の提供を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では底部封止用エンドシールと分割用ミシン目が予じめ施されたプラスチックフィルムから成る包装袋の多数連続する長尺な帯状体を、その長手方向に沿う所要数の縦折り線から折り重ねた厚みがある狭幅な帯状重合フィルムの連続する原反ロールとして、空転しない原反ロール支持用リールの垂立する回転芯筒へ上方から差し込みセットし、
その回転芯筒の張り出し円形フランジを水平な床面として下方から支持された上記原反ロールの起立状態にある上記帯状重合フィルムを、その原反ロールから一定な張力のもとで前方へ引き出す進行中に、垂直軸線廻りに咬み合い回転する一対の回転爪車により左右方向から挟み付けて、その進行方向と直交する横折り線をその山部と谷部とが交互する配列の連続的なジグザグ状に付与することを特徴とする。
また、請求項2では底部付近に被検知マークと底部封止用エンドシール並びに分割用ミシン目が予じめ施されたプラスチックフィルムから成る包装袋の多数連続する長尺な帯状体を、その長手方向に沿う所要数の縦折り線から折り重ねた厚みがある狭幅な帯状重合フィルムの連続する原反ロールとして、空転しない原反ロール支持用リールの垂立する回転芯筒へ上方から差し込みセットし、
その回転芯筒の張り出し円形フランジを水平な床面として下方から支持された上記原反ロールの起立状態にある上記帯状重合フィルムを、その原反ロールから一定な張力のもとで前方へ引き出す進行中に、垂直軸線廻りに咬み合い回転する一対の回転爪車により左右方向から挟み付けて、その進行方向と直交する横折り線をその山部と谷部とが交互する配列の連続的なジグザグ状に付与し、
その後、帯状重合フィルムが予じめ設定された進行量だけ進行した位置から最初に到来する目標位置の被検知マークを、センサーにより検知して、その検知出力信号に基き作動する回転カッターにより、上記帯状重合フィルムを後続する袋との分割用ミシン目に沿い横切り分割して、その分割した帯状重合フィルムの目標とする枚数の袋分を、上記回転爪車から前方のベルトコンベヤへ送り出すことを特徴とする。
請求項3では回転爪車の一方をサーボモーターにより回転駆動される駆動側爪車とし、残る他方を従動側爪車としてエヤーシリンダーで駆動側爪車へ押し付けることにより、
上記回転爪車における何れか一方の山部と他方の谷部とが、常時線接触する付勢圧力を与えたことを特徴とする。
更に、請求項4では一対の回転爪車における大きさと形状を互いに同一とし、帯状重合フィルムが面接触状態に挟み込まれる一方の山部と他方の山部との距離を、その帯状重合フィルムに付与する横折り線の間隔ピッチ寸法としたことを特徴とする。
他方、請求項5ではプラスチック包装袋の折りたたみ癖付け装置として、底部封止用エンドシールと分割用ミシン目が予じめ施されたプラスチックフィルムから成る包装袋の多数連続する長尺な帯状体を、その長手方向に沿う所要数の縦折り線から折り重ねた厚みがある狭幅な帯状重合フィルムの連続する原反ロールとして、その原反ロールを下方から支持する水平な床面となる円形フランジが、垂立状態の回転芯筒から一体的に張り出された空転しない原反ロール支持用リールと、
その原反ロール支持用リールの回転芯筒へ上方から差し込みセットされた原反ロールが全体的に同じ設置高さを保つ水平な床面となる上記回転芯筒の円形フランジと据付け機枠の天板並びにその機枠に付属するテンションロールの円形フランジにより下方から支持された起立状態の上記帯状重合フィルムを、左右方向から挟み込んで前方へ引き出し進行させるべく、垂直軸線廻りに回転する一対の回転爪車とを備え、
その回転爪車の一方を回転駆動される駆動側爪車とし、他方を従動側爪車として上記駆動側爪車へ押し付けることにより、上記回転爪車における何れか一方の山部と他方の谷部とが咬み合い回転して、上記引き出し進行中の帯状重合フィルムにその進行方向と直交する横折り線を、その山部と谷部とが交互する配列の連続的なジグザグ状に付与することを特徴とする。
また、請求項6では同じくプラスチック包装袋の折りたたみ癖付け装置として、底部付近に被検知マークと底部封止用エンドシール並びに分割用ミシン目が予じめ施されたプラスチックフィルムから成る包装袋の多数連続する長尺な帯状体を、その長手方向に沿う所要数の縦折り線から折り重ねた厚みがある狭幅な帯状重合フィルムの連続する原反ロールとして、その原反ロールを下方から支持する水平な床面となる円形フランジが、垂立状態の回転芯筒から一体的に張り出された空転しない原反ロール支持用リールと、
その原反ロール支持用リールの回転芯筒へ上方から差し込みセットされた原反ロールが全体的に同じ設置高さを保つ水平な床面となる上記回転芯筒の円形フランジと据付け機枠の天板並びにその機枠に付属するテンションローラーの円形フランジにより下方から支持された起立状態の上記帯状重合フィルムを、左右方向から挟み込んで前方へ引き出し進行させると同時に、その進行方向と直交する横折り線をその山部と谷部とが交互する配列の連続的なジグザグ状に付与すべく、垂直軸線廻りに咬み合い回転する一対の回転爪車と、
上記回転爪車により前方へ引き出し進行される帯状重合フィルムの途中を、その回転爪車よりも上流側において左右方向から挟み付けることができるように進退移動される一対のニップロールと、
上記回転爪車とニップロールとの前後相互間に介在して、帯状重合フィルムを横切り分割できるように進退作動される回転カッターと、
上記帯状重合フィルムに施された被検知マークのうち、その予じめ設定された目標位置にあるそれを検知するセンサーと、
上記回転カッターにより横切り分割された帯状重合フィルムを、その上記水平な床面により下方から支持された起立状態のままで回転爪車から受け取るべく、その回転爪車の前方に対応設置された送り出し用のベルトコンベヤとを備え、
上記回転爪車が帯状重合フィルムを前方へ引き出し進行させて、その進行方向と直交する横折り線をジグザグ状に付与中、その帯状重合フィルムにおける目標位置の被検知マークをその検知センサーが検知した時には、
その検知出力信号に基いて進行停止された帯状重合フィルムを、上記ニップロールが挟み付けると共に、その挟み付け状態にある帯状重合フィルムを、上記回転カッターが後続する袋との分割用ミシン目に沿って横切り分割し、
その横切り分割後には上記回転カッターが帯状重合フィルムから横方向へ退動すると共に、上記ニップロールがその帯状重合フィルムの挟み付けを解放して、上記回転爪車だけが横折り線の付与された先行の帯状重合フィルムを、前方のベルトコンベヤへ送り出す一方、
上記ニップロールが帯状重合フィルムを再度挟み付けて、その次の前端部を回転爪車へ導入させた後、その挟み付けを解放する運転開始当初に戻るという1サイクルを行うように設定したたことを特徴とする。
請求項7では一対の回転爪車における大きさと形状を互いに同一として、その仮想二等辺三角形をなす二等辺の交叉する山部と谷部とが交互する配列の全体的な鋸歯状に造形すると共に、
その山部の二等辺が交叉する角度を、谷部の二等辺が交叉する角度よりも小さく設定したことを特徴とする。
請求項8では回転爪車による帯状重合フィルムの引き出し進行量が予じめ設定された位置まで到達したか否かをロータリエンコーダーによって検知し、その検知出力信号に基いて上記帯状重合フィルムの進行を減速させ、その減速進行中に検知センサーが帯状重合フィルムにおける目標位置の被検知マークを検知するように定めたことを特徴とする。
請求項9では回転爪車を駆動側爪車と従動側爪車との左右一対とし、ニップロールを駆動側ニップロールと従動側ニップロールとの左右一対として各々並列設置すると共に、
その駆動側爪車と駆動側ニップロールとをサーボモーターによって、互いに同じ帯状重合フィルムを進行させる方向へ回転し得るように伝動連結する一方、
従動側爪車を駆動側爪車へエヤーシリンダーにより、また従動側ニップロールを駆動側ニップロールへエヤーシリンダーにより、各々進退移動させるように定めたことを特徴とする。
請求項10では回転カッターとその回転駆動用モーターとを共通の可動支持台へ軸架させ、その可動支持台をエヤーシリンダーによって帯状重合フィルムへ、横方向から進退移動させるように定めたことを特徴とする。
更に、請求項11では前方へ引き出し進行する帯状重合フィルムの下流側に並列設置された回転爪車と、同じく上流側に並列設置されたニップロールと、その前後相互間に介在する回転カッターとの全体を、上方から透明な開閉蓋付きのカバーケースによって包囲したことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭に挙げた公知技術と異なり、プラスチックフィルムから成る包装袋の新らしい折りたたみ癖付け方法として、その包装袋の多数連続する長尺な帯状体が、その長手方向(深さ方向/進行方向)に沿う所要数の縦折り線から折り重ねられた厚みのある狭幅な帯状重合フィルムを言わば材料又は対象物に使い、これをリール上の原反ロールから前方へ引き出す進行中において、左右方向から回転爪車に挟み込むことにより、その進行方向と直交する横折り線をジグザグ状に付与するようになっているため、その付与作用を多数の上記包装袋に対して効率良く行うことができ、その包装袋を小型扁平に縮め束ね得る効果がある。
その場合、上記帯状重合フィルムは原反ロールから起立状態として、しかも一定な張力のもとで前方へ引き出し進行され、その進行中に左右方向から咬み合う一対の回転爪車に挟み込まれるため、これによって付与されるジグザグ状の横折り線が、その進行中に短かく縮んだり、或いは長く間伸びしたりするおそれなく、均一な間隔ピッチの折りたたみ癖付け状態を得られるのである。
特に、請求項2の構成によれば、上記横折り線の付与された帯状重合フィルムを、その後回転カッターにより目標位置の分割用ミシン目に沿って横切り分割するようになっているため、その包装袋の目標とする枚数を自づと得られるのであり、上記折りたたみ癖付け作業性と使用上の利便性がますます向上する。
その場合、請求項3の構成を採用するならば、上記帯状重合フィルムに折り重ねの厚み変化があっても、常に鮮明なジグザグ状の横折り線を確実に付与することができる。
また、請求項4の構成を採用するならば、上記帯状重合フィルムに対して間隔ピッチ寸法の常に均一な横折り線を付与することができ、延いては整然とした縮め束ね状態を得られるのである。
他方、上記折りたたみ癖付け方法を実施するための折りたたみ癖付け装置として、請求項5の構成を採用するならば、駆動側爪車とこれに押し付けられた従動側爪車との何れか一方における山部と、残る他方の谷部とが咬み合い回転することにより、これに挟み込まれた帯状重合フィルムに対して、その進行方向と直交する横折り線をジグザグ状に付与することができ、その付与された多数のプラスチック包装袋を効率良く得られる効果がある。
特に、請求項6の構成を採用するならば、上記帯状重合フィルムに対する横折り線の付与と、その目標位置の分割用ミシン目に沿う横切り分割と、その分割された帯状重合フィルムの送り出しを、自動機械的に遂行することができ、量産性に著しく優れる。
その場合、請求項7の構成を採用するならば、互いに同じ大きさ・形状を備えた回転爪車の一対を用いながらも、その円滑な咬み合い回転を得られる効果がある。
請求項8の構成を採用するならば、上記帯状重合フィルムの減速進行中に目標位置の被検知マークを、その検知センサーによって検知するようになっているため、その検知ミスを生ずるおそれがなく、常に正しく対応位置する分割用ミシン目に沿って、その帯状重合フィルムを横切り分割できる効果がある。
また、請求項9の構成を採用するならば、互いに同期回転させ難い回転爪車とニップロールとを、上記帯状重合フィルムの同じ進行方向へ回転し得るように伝動連結しつつも、その一対のニップロールにおける一方の駆動側ニップロールに対して、他方の従動側ニップロールを時限的に順序良く進退移動させることにより、その帯状重合フィルムに対するジグザグ状横折り線の付与と、その目標位置の分割用ミシン目に沿う横切り分割と、その分割後の送り出しとを円滑に支障なく行える効果がある。
請求項10の構成を採用するならば、上記帯状重合フィルムの回転カッターとその回転駆動用モーターとをエヤーシリンダーによって、一緒に進退移動させることができ、その必要構成として著しく合理的である。
更に、請求項11の構成を採用するならば、回転爪車とニップロール並びに回転カッターの動きを透視することができ、それにも拘らず運転中の危険を予防し得る効果がある。
図1〜19は廃棄物(例えば飼い犬の糞)収容用の生分解性プラスチックフィルムから成る包装袋に適用した本発明の実施形態を示しており、その包装袋の必要枚数(例えば10袋)を1セット(1束)として、リストバンドなどにより使用者(飼い犬の散歩者)の手首へ巻き付け携帯するため、小型扁平に折りたたむのであるが、廃棄しない各種品物を収容して携帯するためのプラスチックフィルムから成る包装袋についても、本発明を広く適用することができる。
そのプラスチックフィルム包装袋(1)は例えばA4サイズ程度の大きさとして、一定の幅(W)と長さ(深さ)(L)を有するが、予じめ図1のように多数連続する長尺な帯状体(T)をなし、その帯状体(T)の1袋分づつについて、底部付近に被検知マーク(2)と底部封止用のエンドシール(3)並びに分割用ミシン目(4)が施されている。その被検知マーク(2)は帯状体(T)を分割用ミシン目(4)から分割するために、その位置を後述のセンサーによって検知されるものである。分割用ミシン目(4)は1袋づつの隣り合う境界部をなすため、これに沿って横切り分割されると、包装袋(1)の口部になる。
しかも、上記プラスチックフィルム包装袋(1)の多数連続する長尺な帯状体(T)は一旦図2から図3のように、その長手方向(後述の引き出し進行方向)に沿って平行に延在する所要数(図例では4本)の縦折り線(Y)から折り重ねられた厚みがある狭幅(W1)な帯状重合フィルム(F)の連続する原反ロール(10)として作成準備されている。
そして、その言わば縦折りたたみ状態にある狭幅(W1)な帯状重合フィルム(F)の原反ロール(10)が図4〜9のように、本発明に係る折りたたみ癖付け装置の原反ロール支持用リール(R)へ、上方から抜き差し自在に差し込みセットされ、そのセットされた原反ロール(10)の起立状態にある帯状重合フィルム(F)が、前方(下流側)(A)へ引き出され、後述のニップロールを経て横折り線付与用(横折りたたみ癖付け用)の回転爪車へ導入されるようになっているのである。
(M)は折りたたみ癖付け装置の据付け機枠であり、その天板(11)が上記起立状態において引き出し進行される帯状重合フィルム(F)のほぼ水平な床面となる。(12)は機枠(M)における左右何れかの一端部から後方(上流側)へ長く一体的に張り出すリール取付ステーであり、その張り出し先端部(後端部)から垂立する固定支軸(13)に、上記原反ロール支持用リール(R)の回転芯筒(14)が差し込み套嵌されており、その回転芯筒(14)に上記原反ロール(10)が差し込みセットされているのである。(15)はその回転芯筒(14)から一体的に張り出す円形のフランジであり、上記機枠(M)の天板(11)と同じ設置高さを保つほぼ水平な床面として、原反ロール(10)を下方から支持している。
その場合、上記リール(R)の回転芯筒(14)にはブレーキシュー(16)が巻き付けられており、空転しないようになっている。その回転芯筒(14)に差し込みセットされた原反ロール(10)から、帯状重合フィルム(F)が自由に引き出されてしまって、弛緩することを予防するためである。尚、ブレーキシュー(16)の一端部は上記リール取付ステー(12)へ直かに取り付け固定されており、他端部は引張りコイルバネ(17)を介して、同じくリール取付ステー(12)に取り付けられている。
(18)は上記機枠(M)における左右何れかの一端部から後方へリール取付ステー(12)とほぼ平行して、その取付ステー(12)よりも比較的短かく一体的に張り出されたテンション機構用支持ステーであり、その張り出し先端部(後端部)から垂立する固定支柱(19)の上端部に、固定アーム(20)と可動アーム(21)との上下一対が取り付けられている。
その固定アーム(20)と可動アーム(21)との上下一対は図8、9から明白なように、平面視のV字形をなす如く、その基端部において共通する上記固定支柱(19)へ、各々回動(方向変更)自在に枢着されているが、その固定アーム(20)が調整レンチ(22)での締め付け操作によって固定状態に保たれる一方、可動アーム(21)は常時自由に動く枢支状態にある。
そして、固定アーム(20)と可動アーム(21)はその基端部の共通する上記固定支柱(19)から、原反ロール(10)における外周面の接線をなす方向へ張り出しており、その固定アーム(20)の張り出し先端部には一定不変の張力を与える渦巻きバネ(ゼンマイ)(23)が、巻き付け状態に軸支されている一方、可動アーム(21)の張り出し先端部には原反ロール(10)のテンションローラー(24)が枢着されている。
しかも、上記渦巻きバネ(23)から引張り出された先端部は、可動アーム(21)の張り出し先端部に取り付け固定されている。そのため、原反ロール(10)から帯状重合フィルム(F)が引き出されて、そのロール径が次第に小さく変化するも、上記テンションローラー(24)は渦巻きバネ(23)の常時一定な張力を受けた状態のもとで、原反ロール(10)の外周面を弾圧することになり、その帯状重合フィルム(F)の弛緩するおそれを予防することができる。
その場合、上記固定アーム(20)を固定状態に施錠している調整レンチ(22)を緩め操作して、その可動アーム(21)との交叉角度(渦巻きバネの引き出し長さ)(θ)を変えることにより、その原反ロール(10)に与える一定な張力を予じめ強く又は弱く調整セットすることができる。
(25)は上記機枠(M)の中間部から後方へ一体的に張り出すローラー取付ステーであり、これには上記原反ロール(10)から引き出される帯状重合フィルム(F)を、機枠(M)上の第1フィルム進行ガイドプレート(26)へ導く所要数(図例では3個)のガイドローラー(テンションローラー)(27)が、並列状態に軸支されている。
そのガイドローラー(テンションローラー)(27)は上記機枠(M)の天板(11)やリール(R)の張り出しフランジ(15)と同じ設置高さのほぼ水平な床面になる円形フランジ(28)を備えたボビン型として、その下側の円形フランジ(28)によって上記起立状態の帯状重合フィルム(F)を下方から支持するようになっている。
また、上記第1フィルム進行ガイドプレート(26)は平面視の後向き拡開するラッパ状として、上記機枠(M)の天板(11)に取り付け固定されており、帯状重合フィルム(F)を一対のニップロール(29L)(29R)へ導入する。
上記原反ロール(10)から一定な張力のもとで前方(A)へ引き出される帯状重合フィルム(F)が、所要数のガイドローラー(テンションローラー)(27)と第1フィルム進行ガイドプレート(26)により、一対のニップロール(29L)(29R)を経て一対の横折り線付与用(横折りたたみ癖付け用)回転爪車(30L)(30R)へ円滑に正しく進行するようになっているのである。
回転爪車(30L)(30R)は上記原反ロール(10)から引き出された起立状態にある狭幅(W1)な帯状重合フィルム(F)を、左右方向から挟み込んで進行させることができる一対として、図4〜7のように上記機枠(M)の天板(11)に取り付けられている。
即ち、その何れか一方の回転爪車(30L)は駆動側爪車として、上記機枠(M)の天板(11)を貫通する垂直な車軸(31L)の上端部に嵌め付け一体化されており、その車軸(31L)の下端部に伝動カップリング(32)を介して連結一体化されたサーボモーター(33)によって、回転駆動されるようになっている。
そのサーボモーター(33)による駆動側爪車(30L)の回転数と延いては帯状重合フィルム(F)の引き出し進行量(長さ)は、ロータリエンコーダ(34)によって検知され、その予じめ設定された進行量(長さ)(減速位置)まで到達した時の検知出力信号に基き、その回転速度(進行速度)を減速させると共に、後述の回転カッターを回転させ始めるようになっている。
(35L)はその駆動側爪車(30L)の車軸(31L)を回転自在に軸受けするベアリングケースであり、上記機枠(M)の天板(11)へ下方から取付ボルト(36)によって裏付け状態に固定されている。(37)は上記車軸(31L)の中途高さ位置に嵌め付け一体化された出力プーリーであって、上記ベアリングケース(35L)と伝動カップリング(32)との上下相互間に介在している。(38)は機枠(M)内に設けられた上記サーボモーター支持台である。
そして、残る他方の回転爪車(30R)は従動側爪車として、やはり機枠(M)の天板(11)を貫通する垂直な車軸(31R)の上端部に嵌め付け一体化されているが、その従動側爪車(30R)は上記駆動側爪車(30L)と咬み合ったり、その駆動側爪車(30L)から離れたりできるように、エヤーシリンダー(39)によって左右方向へ進退作動されるようになっている。
そのために、従動側爪車(30R)の車軸(31R)を回転自在に軸受けするベアリングケース(35R)は、上記駆動側爪車(30L)のそれと異なって、機枠(M)の天板(11)に取り付け固定されておらず、その天板(11)とこれと平行な桟板(40)に各々形成された上下一対のスライドガイド切欠(41)に沿って、左右方向へスライドできるようになっている。
従動側爪車(30R)は運転中エヤーシリンダー(39)によって駆動側爪車(30L)へ押し付けられた状態にあり、上記帯状重合フィルム(F)を挟み込んで進行させるが、運転開始当初やトラブル発生後の運転再開時などに、帯状重合フィルム(F)の先端部(前端部)(a)を回転爪車(30L)(30R)へ手動操作により通し込むために、その従動側爪車(30R)を駆動側爪車(30L)から離すことができるようになっているのである。
尚、従動側爪車(30R)に対しては駆動側爪車(30L)に追従するように、軽くブレーキを与えることが好ましい。
上記回転爪車の一対は駆動側爪車(30L)と従動側爪車(30R)とから成るが、その大きさ(厚みを含む)と形状は互いに同一として、図10のような仮想二等辺三角形における二等辺(斜辺)の交叉する山部(凸部)(P)と谷部(凹部)(G)とが交互する配列の全体的な鋸歯状をなしており、その何れか一方の回転爪車(30L)における山部(凸部)(P)と他方の回転爪車(30R)における谷部(凹部)(G)とが咬み合い回転することによって、上記帯状重合フィルム(F)にその進行方向(A)と直交する横折り線(X)を連続的なジグザグ状に付与するようになっている。
その場合、一方の山部(谷部)(P)と他方の谷部(凹部)(G)とが咬み合う旨を上記したけれども、その山部(凸部)(P)の二等辺(斜辺)が交叉する角度(α)は、谷部(凹部)(G)の二等辺(斜辺)が交叉する角度(β)よりも小さく設定されており、その角度(β)(α)に大小差が与えられているため、上記回転爪車(30L)(30R)の一対は円滑に回転作用すると共に、その回転中に上記帯状重合フィルム(F)を一方の回転爪車(30L)における山部(凸部)(P)の斜辺と、他方の回転爪車(30R)における山部(凸部)(P)の斜辺との相互間へ、図11〜13のような面接触状態に挟み込むこととなる。
その斜辺同士は言うまでもなく等しい距離(長さ)(Z)を有しており、その距離(長さ)(Z)が上記帯状重合フィルム(F)にジグザグ状として付与される横折り線(X)の間隔ピッチ寸法になる。
しかも、運転中従動側爪車(30R)がエヤーシリンダー(39)によって、駆動側爪車(30L)へ押し付けられた付勢状態にあるため、上記帯状重合フィルム(F)の縦折り線(Y)から折り重なる厚みに厚薄変化があっても、その変化を言わば吸収する如く、その何れか一方の山部(凸部)(P)における最高点(頂点)の稜線と他方の谷部(凹部)(G)における最低点(谷底)の稜線とは、常時線接触することになる。その結果、帯状重合フィルム(F)に鮮明な横折り線(X)を確実に付与する(横折り癖付けを行う)ことができるのである。
この点、図示の実施形態では上記原反ロール(10)から前方(A)へ引き出される帯状重合フィルム(F)を、その回転爪車(30L)(30R)の1回転によって2袋分づつ進行させるようになっており、併せて回転爪車(30L)(30R)を合計10個づつの山部(凸部)(P)と谷部(凹部)(G)との交互する鋸歯状として、その1回転により平行な20本(20列)の横折り線(X)を付与するようになっているが、これらの数値だけに限らず、自由に設定できることは言うまでもない。
先に一言したニップロール(29L)(29R)は回転爪車(30L)(30R)よりも後方(上流側)の位置に並列しており、上記原反ロール(10)から引き出された起立状態にある狭幅(W1)な帯状重合フィルム(F)を、やはり左右方向から挟み付けることができる一対として、これも図4〜7のように上記機枠(M)の天板(11)に取り付けられている。
つまり、その一方のニップロールは駆動側ニップロール(フィードロール)(29L)として、上記機枠(M)の天板(11)を貫通する垂直なロール軸(42L)の上端部に嵌め付け一体化されており、そのロール軸(42L)の下端部に嵌め付け一体化された伝動プーリー(43)と、これと同一高さ位置にある上記駆動側爪車(30L)の出力プーリー(37)とが、無端なタイミングベルト(44)を介して伝動連結されており、その駆動側爪車(30L)と駆動側ニップロール(29L)は上記サーボモーター(33)によって、互いに同一方向(帯状重合フィルム(F)の引き出し進行方向)(A)へ回転されるようになっている。
(45L)は駆動側ニップロール(29L)のロール軸(42L)を回転自在に軸受けするベアリングケースであり、上記駆動側爪車(30L)における車軸(31L)のベアリングケース(35L)と同じく、機枠(M)の天板(11)へ下方から取付ボルト(46)によって、裏付け状態に固定されている。(47)は上記タイミングベルト(44)のテンションプーリーである。
そして、その残る他方のニップロールは従動側ニップロール(29R)として、やはり機枠(M)の天板(11)を貫通する垂直なロール軸(42R)の上端部に嵌め付け一体化されているが、その従動側ニップロール(29R)は上記駆動側ニップロール(29L)へ接触したり、或いは駆動側ニップロール(29L)から離れたりできるように、エヤーシリンダー(48)によって左右方向へ進退作動されるようになっている。
そのために、従動側ニップロール(29R)のロール軸(42R)を回転自在に軸受けするベアリングケース(45R)は、上記駆動側ニップロール(29L)のそれと異なって、機枠(M)の天板(11)へ取り付け固定されておらず、その天板(11)と上記桟板(40)に各々開口形成された上下一対の進退ガイド切欠(49)に沿って、左右方向へ進退移動できるようになっている。
従動側ニップロール(29R)も上記従動側爪車(30R)と同じく、運転開始当初やトラブル発生後の運転再開時などに、帯状重合フィルム(F)の先端部(前端部)(a)をニップロール(29L)(29R)へ、やはり手動操作によって通し込むために、その従動側ニップロール(29R)を駆動側ニップロール(フィードロール)(29L)から離すことができるようになっているのである。
上記回転爪車(30L)(30R)の咬み合い回転によって帯状重合フィルム(F)に横折り線(X)を付与している間、従動側ニップロール(29R)は駆動側ニップロール(29L)から離れた状態に退避されており、そのため回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)とがたとえ正しく同期回転しなくても、帯状重合フィルム(F)を確実に安定良く引き出し進行させることができる。
やがて、上記帯状重合フィルム(F)に対する横折り線(X)の付与(横折り癖付け)を終え、その帯状重合フィルム(F)を後述の回転カッター(50)によって横切り分割する時、その直前のタイミングで上記従動側ニップロール(29R)をエヤーシリンダー(48)により進出させて、駆動側ニップロール(29L)へ押し付けることにより、上記帯状重合フィルム(F)を両回転爪車(30L)(30R)と両ニップロール(29L)(29R)との前後相互間において、図14のように緊張させ、その緊張させた状態のもとで確実に安定良く横切り分割することができるようになっている。その横切り分割する時、上記サーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の引き出し進行)は一旦停止している。
そして、その分割し終わる否や、上記従動側ニップロール(29R)はエヤーシリンダー(48)によって、一旦駆動側ニップロール(29L)から離れる状態に退動されると共に、上記サーボモーター(33)が回転し始めて、その回転爪車(30L)(30R)により先の分割し終った帯状重合フィルム(F)を前方(A)へ送り出す一方、予じめ設定された時間の経過後、再度従動側ニップロール(29R)は駆動側ニップロール(29L)へ押し付けられて、左右方向から帯状重合フィルム(F)を挟むことにより、次の先端部(前端部)(a)を回転爪車(30L)(30R)へ導入して、前方(A)へ引き出し進行させることができるようになっている。
(51)はその帯状重合フィルム(F)の横切り分割された次の先端部(前端部)(a)を、回転爪車(30L)(30R)へ正しく導入するための第2フィルム進行ガイドプレートであり、その回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)との前後相互間において、上記機枠(M)の天板(11)に取り付け固定されている。
先に一言した帯状重合フィルム(F)の回転カッター(丸刃)(50)は図4や図14〜16に示す如く、その回転駆動用モーター(52)と共通の可動支持台(53)へ一緒に軸架されており、その可動支持台(53)が上記機枠(M)の天板(11)に据え付け固定されたエヤーシリンダー(54)によって、上記帯状重合フィルム(F)の進行方向(A)と直交する方向(左右方向)に沿い進退移動され、その進出する回転カッター(50)が帯状重合フィルム(F)を横切り分割するようになっている。
更に言えば、上記エヤーシリンダー(54)には少なくとも可動支持台(53)の退動時を検知するリードスイッチ(図示省略)が設置されており、そのリードスイッチによる退動時の検知出力信号に基いて、回転カッター(50)の回転を停止するようになっている。
(55)は上記可動支持台(53)と嵌合する進退ガイドレールであって、機枠(M)の天板(11)に敷設固定されている。上記モーター(52)の径大な出力プーリー(56)と回転カッター(50)の径小な入力プーリー(57)とは、何れも水平の設置状態にある回転軸(図示符号省略)に嵌め付け一体化されており、無端なタイミングベルト(58)を介して伝動連結されている。
(59)は上記機枠(M)の天板(11)に切り欠かれた回転カッター用逃し入れ長孔であり、帯状重合フィルム(F)の進行方向(A)と直交する関係状態として、上記回転カッター(50)が進退移動できる一定長さ分だけ開口している。尚、回転カッター(50)の約上半部は安全カバーによって被覆されているが、その安全カバーは図示省略してある。
また、回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)との前後相互間には、上記帯状重合フィルム(F)の回転カッター(50)が介在することになるだけでなく、その帯状重合フィルム(F)に予じめ施されている上記被検知マーク(2)を検知するためのセンサー(60)もその前後相互間へ、好ましくは回転カッター(50)と逆な横方向から帯状重合フィルム(F)へ臨む状態に設置されている。その検知センサー(60)として、図例では反射型のフォトセンサー(光電スイッチ)が採用されている。そのフォトセンサーからの投射光が、上記第2フィルム進行ガイドプレート(51)によって遮断されないことは言うまでもない。
そして、上記サーボモーター(33)の回転速度(帯状重合フィルム(F)の引き出し進行速度)が減速中に、予じめ設定された目標位置の被検知マーク(2)を、その検知センサー(60)により検知した時には、その検知出力信号に基いて、上記サーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の引き出し進行)が一旦停止されると共に、上記従動側ニップロール(29R)が駆動側ニップロール(29L)へ押し付けられ、その直後のタイミングで進出する回転カッター(50)が帯状重合フィルム(F)を、その分割用ミシン目(4)に沿って横切り分割するようになっている。
上記機枠(M)の天板(11)に取り付けられた第1フィルム進行ガイドプレート(26)から左右一対のニップロール(29L)(29R)と、エヤーシリンダー(48)によって左右方向へ進退移動される回転カッター(50)並びに第2フィルム進行ガイドプレート(51)を経て、左右一対の回転爪車(30L)(30R)に至るまでの全体は、図4〜7や図14、16のような機枠(M)の天板(11)を上方から覆う透明な開閉蓋(61)付きのカバーケース(62)によって包囲されている。
(63)は上記天板(11)の透明なカバーケース(62)とその開閉蓋(61)とを枢支連結する蝶番(ヒンジ)、(64)はそのカバーケース(62)の開口上縁部又は開閉蓋(61)の周縁部に付属一体化されたリミットスイッチ又は近接スイッチであり、これによって開閉蓋(61)がカバーケース(62)を閉鎖したか否か検知し、その検知出力信号に基いて本発明に係る折りたたみ癖付け装置の駆動源である上記サーボモーター(33)を回転させ、さもなければサーボモーター(33)が回転し始めないように自動制御している。上記リミットスイッチ(64)又は近接スイッチを電源スイッチとして機能させることにより、運転中の安全性を確保しているのである。
更に、(65)は上記機枠(M)から前方(下流側)へ帯状重合フィルム(F)の進行方向(A)に沿って長く一体的に張り出されたベルト支持フレームであり、これに各々軸架された駆動プーリー(66)と従動プーリー(67)との前後相互間に亘って、無端なベルトコンベヤ(68)が巻き掛けられている。(69)はそのベルトコンベヤ(68)を回走駆動するスピードコントロールモーターであり、その回走速度を速く又は遅く調整制御することができるようになっている。(70)はそのモーター(69)の出力プーリーと上記駆動プーリー(66)とを連結する伝動ベルトである。
上記ベルトコンベヤ(68)は機枠(M)の天板(11)と同じ設置高さのほぼ水平な搬送面を有し、上記回転爪車(30L)(30R)によって横折り線(X)が付与されると共に、回転カッター(50)によって横切り分割された後の帯状重合フィルム(F)を、その起立状態のまま回転爪車(30L)(30R)から受け取って、前方(A)へ送り出すことになる。
(71)は上記ベルト支持フレーム(65)の前後方向に沿って、そのベルトコンベヤ(68)との平行状態に取り付け固定された水平な長いスライドガイド棒であり、これにはベルトコンベヤ(68)の搬送面を横断するフィルム受け止めストッパー(72)が、スライド自在に嵌め付けられている。(73)はスライド位置決め固定用の調整ボルトであり、上記フィルム受け止めストッパー(72)をスライドガイド棒(71)へ押し付け固定する。
つまり、横折り線(X)がジグザグ状に付与された後、上記回転爪車(30L)(30R)からベルトコンベヤ(68)へ送り出される帯状重合フィルム(F)の折りピッチが広ければ、その帯状重合フィルム(F)の全体が間伸びした状態として長くなり、同じく折りピッチが狭ければ、その帯状重合フィルム(F)の全体が縮んだ状態として短かくなるため、その折りピッチと延いては帯状重合フィルム(F)の送り出される全体長さを適当に調整すべく、その状態を観察した作業者が、上記帯状重合フィルム(F)における先端部(前端部)(a)の受け止め位置を図14に示唆する如く、そのストッパー(72)のスライド操作によって決定することができるようになっているのである。
その場合、スピードコントロールモーター(69)によって回走駆動されるベルトコンベヤ(68)の回走速度と、上記回転爪車(30L)(30R)における回転速度とを比較して、前者が後者よりも速いと、上記折りピッチは広くなり、逆に後者が前者よりも速いと、上記折りピッチは狭くなる関係上、その速度を一旦調整した状態のもとで、上記のように帯状重合フィルム(F)の折りピッチを観察し、その折りピッチと延いては帯状重合フィルム(F)の送り出される全体長さを、人為的に微調整することが好ましい。
尚、図示の実施形態では先端部(前端部)(a)が上記ストッパー(72)によって受け止められた帯状重合フィルム(F)を、その横切り分割された後方から作業者が手押しすることにより、適度に縮めてベルトコンベヤ(68)から取り上げるようになっているが、その後方からの押圧作用を縮め爪や縮めアーム(図示省略)などの自動機械力によって付与するように構成しても良い。
更に、図17は上記実施形態に係る折りたたみ癖付け装置の操作スイッチ類を示しており、(74)は「単」(単一サイクル運転モード)と「連」(連続サイクル運転モード)との運転モード選択(切り替え)レバー、(75)は運転停止ボタン、(76)は表示ランプ付きの運転スタートボタンであり、運転中には点灯又は点滅される。(77)は送り寸動ボタンであり、サーボモーター(33)だけを回転させることによって、帯状重合フィルム(F)の先端部(前端部)(a)を回転爪車(30L)(30R)へ通し込むために使用する。(78)は非常停止ボタン、(79)はベルトコンベヤ(68)におけるスピードコントロールモーター(69)の電源スイッチ、(80)はそのモーター(69)によるベルトコンベヤ(68)の回走速度を調整するためのボリュームである。
また、図18、19は同じ操作パネル(81)を示しているが、その最上段位置に並んでいる「1」の指定個所をタッチすれば、図18の表示画面が現われる一方、「2」の指定個所をタッチすれば、別な図19の表示画面が現われるようになっている。尚、運転の非常停止時に「ALM」の指定個所をタッチすれば、その原因が点滅表示されるアラーム画面については、図示省略する。
図18の表示画面は運転開始当初やトラブル発生後の運転再開時などにおいて、上記原反ロール(10)から前方(A)へ引き出された帯状重合フィルム(F)の先端部(前端部)(a)を、ニップロール(29L)(29R)と回転爪車(30L)(30R)へ通し込む手動操作を行うための画面である。
その手動操作画面上にある「ニップロール」(82)のON・OFF操作を行うことによって、従動側ニップロール(29R)を駆動側ニップロール(29L)に対して接離自在に移動させることができ、「回転爪車」(83)のON・OFF操作を行うことによって、従動側爪車(30R)を駆動側爪車(30L)に対して接離自在に作動させることができる。尚、その駆動側爪車(30L)の駆動源であるサーボモーター(33)は、図17に示した送り寸動ボタン(77)の押し操作によって回転される。
同じく図18の手動操作画面上にある「回転カッター」(84)のON・OFF操作を行うことによって、上記回転カッター(50)の回転と停止を行うことができ、「カッター用シリンダー」(85)のON・OFF操作を行うことによって、その回転カッター(50)を帯状重合フィルム(F)に対して接離自在に移動させることができる。
更に、「ベルトコンベヤ」(86)のON・OFF操作を行うことによって、上記ベルトコンベヤ(68)の回走と停止を行えるが、図17に示した「ベルトコンベヤ」の電源スイッチ(79)がON操作されていなければ、そのベルトコンベヤ(68)は回走しない。
他方、図19の表示画面は各種の運転条件を設定するための画面であり、その画面上の「進行速度(PULSE/S) 」(87)に並ぶ「運転時」とは「減速時」との比較において、減速運転時の速度よりも高速な(定速)運転時の速度を意味し、「送出時」とは回転カッター(50)による横切り分割後の帯状重合フィルム(F)を、ベルトコンベヤ(68)が送り出す速度を意味する。
また、同じく運転条件設定画面上の「進行量(PULSE) 」(88)に並ぶ「減速位置」とは、サーボモーター(33)による帯状重合フィルム(F)の引き出し進行が減速開始する位置を意味し、「停止位置」とは検知センサー(60)の検知ミスなどが起った場合でも、その帯状重合フィルム(F)の進行が必らず停止する位置を意味し、何れにしても停止位置において帯状重合フィルム(F)が回転カッター(50)により横切り分割されることになる。「送り寸動位置」とはその回転カッター(50)による帯状重合フィルム(F)の横切り分割後、次の先端部(前端部)(a)が回転爪車(30L)(30R)へ導入されるまでの進行量を意味する。
更に、上記運転条件設定画面上の「時間(S) 」(89)に並ぶ「ニップ」とは、分割カッター(50)による横切り分割の直前において、ニップロール(29L)(29R)が帯状重合フィルム(F)を挟み付けている時間の意味であり、「解放」とはその横切り分割後に、帯状重合フィルム(F)の挟み付けを一旦解放する時間の意味である。「再ニップ」とは同じく横切り分割後、次の先端部(前端部)(a)を回転爪車(30L)(30R)へ導入するまで、その帯状重合フィルム(F)を再度挟み付けている時間の意味である。
「コンベヤ停止遅延」とはベルトコンベヤ(68)の停止をサーボモーター(33)の停止よりも遅延させる時間の意味であり、ベルトコンベヤ(68)だけを回走させることにより、帯状重合フィルム(F)の送り出し進行量に不足が生じることを防ぐ。
尚、上記運転条件設定画面上の「距離(mm)」(90)を設定される「マーク補正」とは、検知センサー(60)が帯状重合フィルム(F)の目標とする被検知マーク(2)を検知した時から、その検知出力信号に基きサーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の進行)が停止する位置までの距離を、長く又は短かく補正(調整)する意味であり、これによって上記進行速度に変化があっても、帯状重合フィルム(F)をその停止位置の分割用ミシン目(4)に沿って正確に横切り分割できるようになっている。
そして、上記運転条件設定画面上の「0」とある指定個所をタッチすれば、その個所にテンキーが現われるため、そのテンキーによって上記「進行速度(PULSE/S) 」(87)や「進行量(PULSE) 」(88)、「時間(S) 」(89)、「距離(mm)」(90)などの運転条件となる具体的な設定数値を入力するのである。その入力操作後、最上段位置に並ぶ「SET」の指定個所をタッチすれば、上記設定数値の確定となる。
その後は、図17に示された運転モード選択レバー(74)の操作によって、その「単」(単一サイクル運転モード)と「連」(連続サイクル運転モード)を選択した上、運転スタートボタン(76)を押し操作すれば、時限プログラムに従ってシーケンス制御される運転が行われることとなり、上記帯状重合フィルム(F)にジグザグ状の横折り線(X)を自動的に付与することができる。尚、そのシーケンス制御回路基板を内蔵した制御盤は、図示省略してある。
次に、上記実施形態に係る折りたたみ癖付け装置の作用(折りたたみ癖付け方法)を説明する。図17に示した「連」を選択した連続サイクル運転モードは、単一サイクル運転モードを一々運転スタートボタン(76)の押し操作の必要なく、自動的に何回も繰り返す運転モードであるため、その基本的な単一サイクル運転モードによる折りたたみ癖付け作用を説明し、連続サイクル運転モードによるそれの説明は省略する。
即ち、上記構成を備えた折りたたみ癖付け装置の使用により、プラスチック包装袋の折りたたみ癖付けを行うに当っては、図1から図2を経て図3のように予じめ作成準備された狭幅(W1)な帯状重合フィルム(F)の連続する原反ロール(10)を、その折りたたみ癖付け装置における原反ロール支持用リール(R)の就中回転芯筒(14)へ、上方から抜き差し自在に差し込みセットする。
他方、操作パネル(81)の手動操作画面上にある「ニップロール」(82)と「回転爪車」(83)、「回転カッター」(84)、「カッター用シリンダー」(85)並びに「ベルトコンベヤ」(86)を何れもOFF操作して、上記原反ロール(10)から前方(A)へ引き出した帯状重合フィルム(F)の先端部(前端部)(a)を、図20のように回転爪車(30L)(30R)まで通し込み、その帯状重合フィルム(F)の挟み付け状態に準備する。
また、同じく操作パネル(81)の各種運転条件設定画面上における「進行速度(PULSE/S)」(87)と「進行量(PULSE)」(88)、「時間(S)」(89)並びに「距離(mm) 」(90)の各々「0」とある指定個所をタッチ操作して、その運転条件となる各種の設定数値を入力する。
この点、図示の実施形態では上記帯状重合フィルム(F)におけるプラスチックフィルム包装袋(1)の10袋を1セットとし、その1セット分に対する横折り線(X)の付与を、単一サイクル運転モードでの運転によって行うと仮定した場合、上記運転条件設定画面上にある「進行量(PULSE)」(88)の減速位置に、帯状重合フィルム(F)の例えば10袋目における5本(5列)目の横折り線(X)が付与される予定位置の数値を入力する。この減速開始位置の設定数値は運転中、上記ロータリエンコーダー(34)によって検知されることになる。
上記各種運転条件となる数値を設定入力した後、運転スタートボタン(76)を押し操作して、運転開始すれば、上記帯状重合フィルム(F)は図20の初期セット状態から回転爪車(30L)(30R)の挟み込みにより、図21のように前方(A)へ引き出され進行すると同時に、連続するジグザグ状の横折り線(X)が付与されることとなる。
その進行中に予じめ設定された減速位置まで到着したことが、ロータリエンコーダー(34)によって検知されると、その検知出力信号に基いてサーボモーター(33)が減速し始めると共に、回転カッター(50)が回転し始める。
そして、そのサーボモーター(33)による上記帯状重合フィルム(F)の減速進行中に、その帯状重合フィルム(F)における10袋目の底部付近に予じめ施されている目標の被検知マーク(2)を、その検知センサー(60)が検知した時、その検知出力信号に基いてサーボモーター(33)の回転が停止される一方、それまで駆動側ニップロール(29L)から離れていた従動側ニップロール(29R)が、図22のように駆動側ニップロール(29L)への接触状態に進出されて、上記帯状重合フィルム(F)を挟み付け、その帯状重合フィルム(F)を回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)との前後相互間において、緊張状態に保つ。
その緊張状態の帯状重合フィルム(F)は図22に併せて示す如く、その直後のタイミングにおいて進出する回転カッター(50)により、後続する包装袋(1)との境界部をなす分割用ミシン目(4)に沿って、横切り分割されることとなる。サーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の進行)が停止する位置と、回転カッター(50)によって横切り分割するミシン目(4)の位置とは、正しく対応合致するようになっているが、そのタイミングは上記回転速度(進行速度)によって変化するおそれがあるため、これを上記運転条件設定画面上にあるマーク補正の「距離(mm) 」(90)よって、微調整するのである。
上記帯状重合フィルム(F)の分割終了後一定時間経過すると、図22から図23のように、回転カッター(50)が帯状重合フィルム(F)から離れると共に、従動側ニップロール(29R)が駆動側ニップロール(29L)から離れて、その帯状重合フィルム(F)の挟み付け状態を解放し、横折り線(X)を付与された先行の帯状重合フィルム(F)は、回転爪車(30L)(30R)の回転により前方(A)のベルトコンベヤ(68)上へ送り出されることになる。
他方、上記分割終了後やはり一定時間経過すると、図23から図24のように、従動側ニップロール(29R)が再度駆動側ニップロール(29L)に接触して、次の(後行の)帯状重合フィルム(F)を挟み付けながら、その先端部(前端部)(a)を引き続き前方(A)へ引き出し進行させて、回転爪車(30L)(30R)へ導入することにより、図20の初期セット状態に戻る。1セット−10袋に対して横折り線(X)を付与する作用の1サイクルが、これにて終了する。尚、連続サイクル運転モードの場合には、このような1サイクルの作用が自動的に繰り返し行われるのである。
上記回転カッター(50)による帯状重合フィルム(F)の横切り分割時に、サーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の進行)が停止され、これと連動してベルトコンベヤ(68)の回走も停止されると、横折り線(X)が付与された先行の帯状重合フィルム(F)の送り出し進行量に不足を生じるため、ベルトコンベヤ(68)だけを回走させて、その先行の帯状重合フィルム(F)と次の(後行の)帯状重合フィルム(F)との相互間に、必要な一定の間隔を確保するのである。
何れにしても、上記回転爪車(30L)(30R)からベルトコンベヤ(68)上へ送り出された帯状重合フィルム(F)の10袋−1セット分は、そのベルトコンベヤ(68)の水平な搬送面へ図25のような起立状態に載ったままで、前方(A)へ安定良く移動されることになる。
その場合、ベルトコンベヤ(68)の送り出し速度を低速として、上記帯状重合フィルム(F)をゆっくり移動させることにより、その横折り癖付け状態がいたずらに間伸びしたり、縮んだりせず、上記フィルム受け止めストッパー(72)の調整とも相俟って、一律に整然と縮めるのである。
尚、図25から図26のように縮め束ねられた10袋−1セット分のプラスチックフィルム包装袋(1)は、その後使用者(例えば飼い犬の散歩者)の手先により分割用ミシン目(4)から引き裂き分割されて、その1袋分づつ使用されることになる。
図示実施形態の上記構成を備えた折りたたみ癖付け装置の使用により、上記帯状重合フィルム(F)の横折りたたみ癖付け(横折り線付与)を行う方法によれば、その原反ロール(10)から回転爪車(30L)(30R)に至るまで、帯状重合フィルム(F)を水平な床面により下方から支持した起立状態として、前方(A)へ引き出し進行させながら、その垂直軸線廻りに回転する一対の回転爪車(30L)(30R)により挟み込んで、連続するジグザク状の横折り線(X)を付与するようになっており、更にその付与(癖付け)された帯状重合フィルム(F)を引き続き起立状態のままで、ベルトコンベヤ(68)により送り出すようになっているため、上記帯状重合フィルム(F)に対する横折り線(X)の付与(横折りたたみ癖付け)作用を円滑に安定良く行うことができ、いたずらに長く間伸びしたり、或いはアットランダムに短かく縮んだりするおそれなく、折りピッチの均一なジグザク状の癖付け状態を得られるのである。
この点、上記帯状重合フィルムをたとえ起立状態に保つとしても、下方に向かって垂直に引き出し進行させながら、水平軸線廻りに回転する一対の回転爪車によって、左右方向から挟み込むことにより、連続するジグザグ状の横折り線を付与する方法では、その帯状重合フィルムが自づと垂れ下がる状態になるため、いたずらに長く間伸びし、折りピッチの均一に安定したジグザグ状の癖付け状態を得られず、その下方から受け取り積み重ねる場合にも、不慮に倒れやすく、整然とした良好な積み重ね状態を容易に得られないのである。
また、上記横折り線付与用(横折りたたみ癖付け用)回転爪車(30L)(30R)の左右一対は互いに同じ大きさ・形状として、その山部(凸部)(P)と谷部(凹部)(G)とが交互する配列の全体的な鋸歯状をなし、しかもその何れか一方の駆動側爪車(30L)に対して他方の従動側爪車(30R)が、エヤーシリンダー(39)によって押し付けられた付勢状態にあるため、その両回転爪車(30L)(30R)の咬み合い回転によって上記帯状重合フィルム(F)へ、その折り重なる厚みに厚薄変化があっても、常に鮮明な横折り線(X)を確実に付与することができる。
更に、上記回転爪車(30L)(30R)の後方(上流側)には左右一対のニップロール(29L)(29R)が並列設置されているほか、その回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)との前後相互間には、帯状重合フィルム(F)への接離自在に進退移動する回転カッター(50)が介在しており、上記回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)との前後相互間において緊張状態に保った帯状重合フィルム(F)を、その回転カッター(50)の進出により横切り分割するようになっているため、上記帯状重合フィルム(F)の折り重なる厚み変化に拘らず、これをすばやく確実に横切り分割できるのである。
その場合、サーボモーター(33)の回転(帯状重合フィルム(F)の引き出し進行)を停止させる信号を出力する検知センサー(60)は、その帯状重合フィルム(F)の進行が減速し始めてから、目標とする位置の被検知マーク(2)を検知するようになっているため、検知ミスするなどのおそれがなく、上記帯状重合フィルム(F)の横切り分割を正確に行うことができる。
しかも、上記回転爪車(30L)(30R)の後方(上流側)に並列設置された左右一対のニップロール(29L)(29R)は、その何れか一方の駆動側ニップロール(29L)に対して他方の従動側ニップロール(29R)が、エヤーシリンダー(48)によって接離状態に進退移動されるようになっている。
そして、その従動側ニップロール(29R)は上記帯状重合フィルム(F)を横切り分割するまでのフィルム引き出し進行中、駆動側ニップロール(29L)から離れていて、回転爪車(30L)(30R)のみによって帯状重合フィルム(F)を前方(A)へ引き出し進行させ、その横切り分割する直前のタイミングでは従動側ニップロール(29R)が駆動側ニップロール(29L)に接して、帯状重合フィルム(F)を挟み付け、更に横切り分割し終った直後のタイミングでは次の(後行の)帯状重合フィルム(F)を、その先端部(前端部)(a)が回転爪車(30L)(30R)へ導入するまで引き出し進行させ、その後には再度従動側ニップロール(29R)が駆動側ニップロール(29L)から離れるという時限的な動きを順序良く行うようになっているため、上記回転爪車(30L)(30R)とニップロール(29L)(29R)とを同期回転させることができなくても、帯状重合フィルム(F)に対する連続的なジグザグ状の横折りたたみ癖付け(横折り線の付与)作用を、自動機械力での円滑に安定良く遂行し得るのである。