JP6270667B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、炭化珪素(SiC)を構成材料とした半導体層に形成される絶縁ゲート型トランジスタを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
SiC(炭化珪素)は、その物性値から従来パワーデバイスで主に用いられてきたシリコン(Si)に比べて、優れた性能を有しており、高耐圧、低損失なパワーデバイスの実現を可能にする。しかしながら、炭化珪素(SiC)/二酸化珪素(SiO)界面には多くの界面準位が存在する。この伝導帯に近い界面準位により、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの絶縁ゲート型トランジスタのチャネルにおける電子の移動度(チャネル移動度)はバルク中の電子移動度に比べて極めて小さくなり、オン抵抗値が理想的な値よりも高くなる。
なお、「MOS」という用語は、古くは金属/酸化物/半導体の積層構造に用いられており、上述したように、Metal-Oxide-Semiconductorの頭文字を採ったものとされている。しかしながら特にMOS構造を有するMOSFETにおいては、近年の集積化や製造プロセスの改善などの観点からゲート絶縁膜やゲート電極の材料が改善されている。
例えばMOSFETにおいては、主としてソース・ドレインを自己整合的に形成する観点から、ゲート電極の材料として金属の代わりに多結晶シリコンが採用されてきている。また電気的特性を改善する観点から、ゲート絶縁膜の材料として高誘電率の材料が採用されるが、当該材料は必ずしも酸化物には限定されない。
従って「MOS」という用語は必ずしも金属/酸化物/半導体の積層構造のみに限定されて採用されているわけではなく、本明細書でもそのような限定を前提としない。即ち、技術常識に鑑みて、ここでは「MOS」とはその語源に起因した略語としてのみならず、広く導電体/絶縁体/半導体の積層構造をも含む意義を有する。
SiC−MOSデバイスで用いるゲート絶縁膜材料に関し、近年、従来のSiOに代わる材料としてランタン酸化珪素(ランタン・シリケイト、LaSiO)が注目されている。LaSiOをゲート絶縁膜として利用することにより、SiOをゲート絶縁膜としたMOSFETに比べて、高いチャネル移動度が得られることが例えば非特許文献1にて報告されている。
LaSiOをゲート絶縁膜として利用したMOSFETのチャネル移動度が向上する理由として、SiC/LaSiO界面での格子ひずみの緩和が考えられる。LaSiOはSiOに比べて相転移温度が低く、SiOに比べてSiC結晶の格子定数に合わせて界面の構造緩和が期待できる。
また、LaSiOの特徴として、従来のSiO膜に比べて、誘電率が大きいことが上げられる。LaSiOの比誘電率は“15”であり、SiOの“3.9”に比べると4倍程度大きい。LaSiO中のSiの割合が大きくなると誘電率が低下する傾向にあるが、最も低下する場合でも比誘電率は“9”程度である。
50nm厚のSiOをゲート絶縁膜とした場合、界面準位密度が存在しないと仮定すると、チャネル領域のアクセプタ濃度が1×1017cm−3でしきい値電圧がおよそ3Vになる。チャネル領域のアクセプタ濃度が一定の場合、SiOからLaSiOにゲート絶縁膜の材料を変えようとすると、誘電率の違いを考慮して厚さが115nmのLaSiOが必要になる。この場合、15Vのゲート電圧を印加した場合、SiOでは3MV/cmの酸化膜電界が加わるが、膜厚が大きいLaSiOでは電界はわずか1.3MV/cm程度になる。
また、それぞれの絶縁膜の絶縁破壊電界はSiOがおよそ10MV/cmであるのに対して、LaSiOは16MV/cm以上である。このため、SiOからLaSiOにゲート絶縁膜材料を変えることにより、信頼性の大幅な向上が期待できる。
通常、炭化珪素基板上にLaSiO膜を形成するには、炭化珪素基板上にLa膜を堆積し、さらにその上にSiO膜を堆積した後、熱処理によりLaとSiOとを反応させ、LaSiO膜を形成する。
SiC/SiO界面に比べて小さいが、SiC/LaSiO界面にも界面準位が存在しており、この界面準位密度を低減すべく、SiC/SiO界面と同様に窒化処理によるパッシベーションが有効である。
窒化処理には一酸化窒素(NO)や一酸化二窒素(NO)などの酸化窒素ガス雰囲気での熱処理が効果的であるが、これら酸化窒素ガスに含まれる酸素原子はLaSiO中に取り込まれやすく、LaSiO中で酸素ラジカルになる。SiC/LaSiO界面に酸素ラジカルが到達すると、SiC/LaSiOの界面にはシリコン、炭素、酸素からなる界面層が形成され、SiC/LaSiO界面が本来有するチャネル特性からは劣化する。
SiO膜に1100℃のNOアニール(処理)を実施した場合、SiO中には21乗(atom/cm)のオーダーの窒素が導入される。SiO中のシリコン、酸素の濃度は22乗台であり、NOアニールの場合、窒素はシリコン、酸素の10分の1程度の割合で存在することになる。LaSiO膜にNOアニールを行った場合、LaSiO膜に取り込まれた酸素はラジカルになり、SiC/LaSiO界面でSiCの酸化が起こる。新たな酸化膜の成長と、LaSiO中の窒素拡散速度の低さから、LaSiO中の窒素濃度は21乗台よりも低いものになる。
また、LaSiOをNH雰囲気でアニールした場合も、元素組成比はLa9.7Si22.62.7となり、他の元素、特に酸素に比べて窒素濃度は低くなる。
ゲート絶縁膜成膜後のポストアニールによる界面準位のパッシベーションの他に、ゲート絶縁膜を熱酸化によって形成する場合、SiC基板中の窒素原子濃度をあらかじめ高くしておくことで、窒化処理と同様の効果が得られることが知られている。
この場合、熱酸化によりSiCが浸食される過程で、元々存在した窒素原子が界面に偏析し、窒化処理と同様の効果が得られる。
SiC基板上にLa膜を堆積し、熱処理を加えることで、SiCとLaが反応し、LaSiO膜を形成することが出来る。この場合も、SiC/LaSiO界面には窒素が偏析し、窒化処理と同様の効果が期待できる。
SiC基板上にエピタキシャル層を成長させる際、多形制御の観点からウエハを結晶軸に対して数度傾けて基板表面を出したオフウエハを用いたステップフロー成長技術が主流である。
オフ角の付いたウエハでは、露出した表面上にテラスと呼ばれる面{0001}と、ステップと呼ばれる面{1120}が存在し、それぞれの面で熱酸化による酸化膜の成長レートが異なる。{0001}面に比べ、{1120}面の酸化膜成長レートはおよそ5倍大きい。
SiCとLaとが反応する時も、この結晶面の違いによる反応速度の差が存在する。この反応速度の差により、LaSiO膜の組成比はSiC基板のステップバンチングの結晶面に沿って変化し、SiC基板上の全面で均一な品質を持つ絶縁膜とはならない。
SiC基板とLaとの反応は不活性ガス雰囲気中で起こることが良く、また不活性ガスに希釈されたO雰囲気もしくは酸素原子を含むガス中も適している。
例えば、SiC上にLa膜とSiO膜とを堆積し、NO雰囲気にて、900℃のアニールを実施する。この場合,LaとSiOとの反応が優先して起こると考えられるが、NO中に含まれる酸素元素によりSiCとLaの反応、及びSiCの熱酸化も同時に起こることが、例えば非特許文献1で開示されている。
SiCとLaとの反応、及びSiCの熱酸化により、SiC界面には界面層SiCOが生じ、界面準位密度が増加する。
X. Yang et al., "High Mobility 4H-SiC MOSFETs Using Lanthanum Silicate Interface Engineering and ALD Deposited SiO2," Materials Science Forum Vols. 778-780 (2014) pp 557-561.
上述したように、SiC/LaSiO界面の界面準位密度を低減するために、酸化窒素ガス雰囲気で窒化処理をした場合、SiC/LaSiO界面にはSiCOからなる界面層ができると同時に、SiC基板のステップバンチングに沿って、LaSiO層の組成比が変化し、界面品質と膜質がともに低下する。
したがって、ゲート絶縁膜としてLaSiOを用いた場合においても、従来のMOSFET等の絶縁ゲート型トランジスタにおける低いオン抵抗値及び高いチャネル移動度を確保することができず、装置全体の信頼性を高くすることができないという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、形成される絶縁ゲート型トランジスタにおける低いオン抵抗値及び高いチャネル移動度を確保するとともに、装置全体の信頼性を高くした半導体装置及びその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の半導体装置は、炭化珪素を構成材料とした半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、前記ゲート絶縁膜を介した前記ゲート電極下の前記半導体層の表面がチャネル領域となる絶縁ゲート型トランジスタが構成され、前記ゲート絶縁膜は、前記チャネル領域との間に元素比率が10%の窒素が存在する界面を形成するランタン酸窒化珪素膜を有する。
請求項1記載の本願発明の半導体装置における絶縁ゲート型トランジスタは、チャネル領域との間に元素比率が10%の窒素が存在する界面を形成し、窒素を高濃度に含むランタン酸窒化珪素膜を少なくとも一部に含むゲート絶縁膜を備えるため、珪素酸化膜等をゲート絶縁膜に用いる場合に比べて、チャネル領域を低い界面準位密度に設定することができ、その結果、上記絶縁ゲート型トランジスタのオン抵抗値を低く抑えることができる効果を奏する。

さらに、ランタン酸窒化珪素膜を含むゲート絶縁膜中に高い割合で存在する窒素原子により、チャネル領域との間の界面における界面準位のパッシベーション効果が得られる。このため、ゲート絶縁膜としてランタン珪素酸化膜等を形成した後に行う必要があった、チャネル領域,ゲート絶縁膜間に対する窒化処理が不要になる。その結果、請求項1記載の本願発明は、上記窒化処理に起因してチャネル領域の界面にシリコン、炭素、酸素からなる界面層が発生する現象を回避することができ、上記絶縁ゲート型トランジスタにおける高いチャネル移動度を確保できる効果を奏する。
加えて、上記ゲート絶縁膜を有する本発明の半導体装置は、ゲート絶縁膜として(ランタン)珪素酸化膜を用いた場合のような過剰な酸化反応を抑制することにより、ゲート絶縁膜全体におけるランタン酸窒化珪素の組成比が安定するため、信頼性が向上する。
この発明の実施の形態1である半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 従来のMOSFET及び実施の形態1のMOSFETそれぞれにおけるゲート電極から基板までの間のバンド構造を示すグラフである。 従来及び本実施の形態のMOSFETそれぞれに15Vのゲート電圧VGを印加した時のチャネルのキャリア密度を示すグラフである。 実施の形態2の半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。 前処理積層構造におけるSiN膜の膜厚に対する堆積膜中にトラップされる電荷量を示すグラフである。 実施の形態2の半導体装置におけるMOSFETのオフ時のゲート電極直下のバンド構造を示すグラフである。 実施の形態2の半導体装置におけるMOSFETのオン時のゲート電極直下のバンド構造を示すグラフである。 実施の形態3における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。 実施の形態3における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。 実施の形態4における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。 実施の形態4における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。 ゲート絶縁膜と炭化珪素半導体層との界面を含む深さ位置に対する元素比率を示すグラフである。
<実施の形態1>
(装置構造)
図1はこの発明の実施の形態1であるSiCを構成材料とした(炭化珪素)半導体装置の構造を示す断面図である。図1で示す構成例では、Nチャネル炭化珪素MOSFETの断面構造を示している。
同図において、N型の基板1(半導体基体)の表面(一方主面)上にSiCを構成材料とした炭化珪素ドリフト層2(半導体層)が形成される。この炭化珪素ドリフト層2の上層部にP型の一対のベース領域3が選択的に形成される。一対のベース領域3それぞれの上層部にN型のソース領域4が選択的に形成される。したがって、炭化珪素ドリフト層2の表面領域は、炭化珪素ドリフト層2の一部、ベース領域3の一部及びソース領域4が存在する。
そして、一対のソース領域4の一方の端部領域上、一対のベース領域3の一方の表面領域上、炭化珪素ドリフト層2の表面領域上、一対のベース領域3の他方の表面領域上、及び一対のソース領域4の他方の端部領域上にゲート絶縁膜5が形成される。すなわち、ゲート絶縁膜5は一対のベース領域3それぞれの領域を挟む領域上に形成される。
ゲート絶縁膜5はLaSiON膜5L(ランタン酸窒化珪素膜)の単一構造により構成される。
ゲート電極6はゲート絶縁膜5の端部を除く主要部上に形成され、ソース電極7はソース領域4上にゲート電極6とは電気的に独立して形成され、ドレイン電極8は基板1の裏面(他方主面)上に形成される。
このような構造の実施の形態1の半導体装置において、ゲート電極6を介したゲート絶縁膜5の直下の炭化珪素ドリフト層2の上層部に形成されたベース領域3の表面領域をチャネル領域とし、ゲート電極6、ソース電極7及びドレイン電極8を有するN型のMOSFETの主要構造を得ることができる。したがって、MOSFETのゲート絶縁膜5であるLaSiON膜5Lは、上記チャネル領域との間に界面を形成する。
(製造方法)
図2〜図10は図1で示した実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。以下、これらの図を参照して、実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、N型(第1導電型)の基板1(半導体基体)の表面(一方主面)上に、エピタキシャル結晶成長法により、SiCを構成材料としたN型の炭化珪素ドリフト層2を形成する。なお、N型の基板1としては、例えば、N型の炭化珪素基板が好適である。
エピタキシャル結晶成長後、図3に示すように、炭化珪素ドリフト層2の上層部において所定の間隔で離間した一対の領域に、レジスト(図示せず)をマスクとして不純物をイオン注入して、一対のP型(第2導電型)のベース領域3を形成する。なお、図3は、レジスト除去後の断面構造を示している。炭化珪素ドリフト層2内でP型となる不純物としては、例えばボロン(B)あるいはアルミニウム(Al)が挙げられる。
さらに、図4に示すように、一対のP型のベース領域3それぞれにおいて、レジスト(図示せず)をマスクとして不純物をイオン注入して、各ベース領域3の上層部に選択的にN型のソース領域4を形成する。なお、図4はレジスト除去後の断面構造を示している。N型不純物としては、例えばリン(P)あるいは窒素(N)が挙げられる。
N型及びP型不純物のイオン注入後、熱処理装置によって(実施の形態1の半導体装置を形成する)SiCウエハを高温で熱処理すると、注入イオンが電気的に活性化される。
続いて、図5に示すように、SiCウエハ全面、すなわち、ベース領域3及びソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2の表面上の全域にSiN膜5a(珪素窒化膜)を成膜する。
上述したSiN膜5aの堆積方法として種々の方法が考えられ、例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法を用いて良く、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法を用いても良い。また、SiN膜5aの堆積方法として、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法や、ALD(Atomic Layer Deposition)法を用いても良い。
続いて、図6に示すように、SiN膜5a上にLa膜5b(酸化ランタン膜)を成膜する。その結果、SiN膜5a及びLa膜5bの積層構造が得られ、この積層構造が後述するLaSiON膜5Lからなるゲート絶縁膜5を得るための前処理積層構造となる。
La膜5bの堆積方法として種々の方法が考えられ、例えば、MOCVD(Metal organic chemical vapor Deposition)法、電子ビーム蒸着法、MBE法、あるいはALD法を用いても良い。
その後、図7に示すように、図6で示した前処理積層構造に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行い、SiN膜5a及びLa膜5b間において、SiNとLaとを反応させることにより、LaSiON膜5Lの単一構造により構成されるゲート絶縁膜5を形成する。
上述した、不活性ガス雰囲気で行う熱処理は500℃から1300℃で行われ、熱処理時間は1分間から3時間程度である。
上記不活性ガス雰囲気に1%から50%の酸素ガスを加えることにより、上述したSiNとLaとの反応は促進する。
図21は上記不活性ガス雰囲気で行う熱処理後において、X線光電子分光法により得られたゲート絶縁膜と炭化珪素半導体層との界面を含む深さ位置に対する元素比率を示すグラフである。同図において、元素比率変化ER1は酸素原子(O)の比率を示し、元素比率変化ER2はシリコン原子(Si)の比率を示し、元素比率変化ER3は炭素原子(C)の比率を示し、元素比率変化ER4はランタン原子(La)の比率を示し、元素比率変化ER5は窒素原子(N)の比率を示している。同図の元素比率変化ER5に示すように、本実施の形態で得られるゲート絶縁膜5と炭化珪素半導体層(ベース領域3及びソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2)との界面には、元素比率10%の窒素原子が存在しており、窒素原子が比較的高い比率で存在することがわかる。
上記不活性ガス雰囲気でのアニールの他に、酸化窒素ガス雰囲気で熱処理を行っても良く、特にNO、NOガスを含む雰囲気で熱処理を行うことにより、LaSiON中の窒素の比率を高くすることができる。
そして、図8に示すように、ゲート絶縁膜5上にゲート電極材料を成膜した後、パターニングすることによりゲート電極6を形成する。ゲート電極6は、一対のベース領域3及びソース領域4上が両端部に位置し、ベース領域3間に露出した炭化珪素ドリフト層2の表面領域上が中央に位置するようにパターニングされる。すなわち、ゲート電極6はゲート絶縁膜5を介して、一対のベース領域3それぞれを挟む領域上に形成される。
さらに、図9に示すように、ゲート電極6をマスクとしたリソグラフィ技術及びエッチング技術によって、表面が露出したゲート絶縁膜5の大部分を除去し、エッチング等のゲート絶縁膜5の除去工程内容を調整して、端部がゲート電極6より水平方向に延出するようにゲート絶縁膜5をパターニングする。
その後、図10に示すように、ゲート電極6を覆う層間絶縁膜(図示せず)を形成後、ソース領域4を含む全面にソース電極材料を成膜した後、パターニングすることによりソース領域4上に選択的にソース電極7を形成する。この際、ソース電極7はゲート絶縁膜5の存在等によりゲート電極6と電気的に独立している。
最後に、基板1の裏面上にドレイン電極8を形成することにより、N型のMOSFETを作り込んだ図1に示した構造の半導体装置が完成する。
SiOの比誘電率“3.9”に比べて、LaSiONの比誘電率は“9”以上と大きく、同じ膜厚でゲート絶縁膜を形成した場合、LaSiONの方がMOSFETのしきい値電圧が小さくなる。
MOSFETのしきい値電圧は、チャネル長、ゲート絶縁膜(酸化膜)厚、チャネル領域のドーパント濃度で制御することができる。
図11はゲート絶縁膜としてSiO膜を用いた従来のMOSFETと、LaSiON膜を用いた実施の形態1のMOSFETとにおける、ゲート電極6から基板1上のベース領域3までの間のバンド構造を示すグラフである。同図において、実施の形態1のMOSFETのLaSiONエネルギー変化L1及び従来のMOSFETのSiOエネルギー変化L2を示している。なお、各MOSFETはチャネル領域のドーパント濃度を制御し、しきい値電圧を3Vに揃えている。同図に示すように、LaSiONエネルギー変化L1の方がSiOエネルギー変化L2に比べ、ベース領域3の上層部(チャネル領域)におけるエネルギー変化が急峻になっている。
図12は、従来及び本実施の形態のMOSFETそれぞれに15Vのゲート電圧VGを印加した時のチャネルのキャリア密度を示すグラフである。同図において、実施の形態1のLaSiONキャリア濃度変化L11と従来のSiOキャリア濃度変化L12とを示している。
実施の形態1のように、ゲート絶縁膜を従来のSiO膜からLaSiON膜に置き換えることにより、LaSiONキャリア濃度変化L11及びSiOキャリア濃度変化L12それぞれの積分結果として得られるキャリアの総数は5.1×1022cm−2から1.2×1023cm−2までおよそ2倍増加する。このキャリアの増加により、従来のMOSFETに比べ、実施の形態1のMOSFETのチャネル抵抗の低下が期待できる。
(効果)
図2〜図10で示した製造方法により製造される実施の形態1の半導体装置におけるMOSFETは、チャネル領域(ベース領域3の表面領域)との間に界面を形成し、窒素を高濃度に含むLaSiON膜5Lの単一構造によりなるゲート絶縁膜5を有するため、SiO膜等により構成される従来のゲート絶縁膜を用いる場合に比べて、チャネル領域を低い界面準位密度に設定することができ、その結果、MOSFETのオン抵抗値を低く抑えることができる効果を奏する。
さらに、ゲート絶縁膜5(=LaSiON膜5L)中に高い割合で存在する窒素原子により、チャネル領域との界面における界面準位のパッシベーション効果が得られる。このため、ゲート絶縁膜5としてLaSiOを用いた場合に不可欠となる、チャネル領域,ゲート絶縁膜5間に対する窒化処理が不要になり、この窒化処理に起因して起こるシリコン、炭素、酸素からなる界面層がチャネル領域との界面に発生する現象を回避でき、MOSFETにおける高いチャネル移動度を確保できる効果を奏する。
したがって、実施の形態1の半導体装置は、MOSFETにおけるオン抵抗値の低抵抗化及び高いチャネル移動度を図ることにより、省エネルギー効果を発揮することができる。
加えて、実施の形態1の半導体装置は、ゲート絶縁膜5をLaSiON膜5Lで構成することにより、ゲート絶縁膜としてLaSiO膜を用いた場合の過剰な酸化反応を抑制することができるため、ゲート絶縁膜5全体におけるLaSiONの組成比が安定する結果、装置の信頼性が向上する。
また、実施の形態1では、LaSiON膜5Lからなる単一構造のゲート絶縁膜5により、SiO膜やLaSiO膜をゲート絶縁膜とする悪影響を確実に回避することができる。
さらに、図5,図6で示した工程により、前処理積層構造としてSiN膜5a及びLa膜5bからなり、珪素、窒素、酸素及びランタン成分を含む積層構造を形成し、この前処理積層構造に対し図7で示した工程を実行するという比較的簡単な製造方法により、LaSiON膜5Lからなるゲート絶縁膜5を形成することができる。
なお、実施の形態1では、SiN膜5a、La膜5bの順に積層して前処理積層構造を得る工程を示したが、逆にLa膜及びSiN膜の順に積層して前処理積層構造を得るようにしてもよい。
<実施の形態2>
(装置構造)
実施の形態1の(炭化珪素)半導体装置に対して、実施の形態2の(炭化珪素)半導体装置は、LaSiON膜5Lの単一構造からなるゲート絶縁膜5に代えて、LaSiON膜13及びSiO膜14の積層構造によりなるゲート絶縁膜15を設けた点が異なっている。なお、実施の形態2の半導体装置はゲート絶縁膜5をゲート絶縁膜15に置き換えた点以外は、図1で示した実施の形態1の半導体装置と同様な構造を呈する。
(製造方法)
図13は実施の形態2の半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。以下、実施の形態2の製造方法について説明する。実施の形態2の半導体装置の製造方法は、LaSiON膜13を得る工程までは、図2〜図7で示した実施の形態1の製造方法と同様である。ただし、図7で示されたゲート絶縁膜5(=LaSiON膜5L)がLaSiON膜13となる。
その後、図13に示すように、LaSiON膜13上にSiO膜14を堆積する。その結果、LaSiON膜13及びSiO膜14の積層構造からなるゲート絶縁膜15を得ることができる。
なお、以降の処理は、図8〜図10で示した実施の形態1の製造方法と同様に行われる。
(チャージトラップ機能の抑制)
LaSiON膜13上にSiO膜14を堆積する場合、絶縁ゲート型トランジスタであるMOSFETの駆動で用いるゲート電圧は、ゲート絶縁膜15全体に加わることから、LaSiON膜13の膜厚はSiO膜14の膜厚に比べて薄くても良い。薄い膜厚のLaSiON膜13を形成するには、反応させる前処理積層構造のSiN膜(珪素窒化膜)及びLa膜(図6,図7のSiN膜5a,La膜5bに相当)の堆積膜厚を小さくすることが有効であり、反応時の熱処理温度も1000℃程度がよい。
図14は、前処理積層構造における初めに堆積するSiN膜(図5,図6のSiN膜5aに相当)に関し、その膜厚に対する堆積膜中にトラップされる電荷量(チャージトラップ電荷量(cm−2))を示すグラフである。なお、図14において、SiN膜上に堆積されるLa膜の膜厚が10nmの場合を示している。
同図に示すように、SiN膜が2.7nm付近でトラップされる電荷がゼロになる。すなわち、このSiN膜の膜厚(2.7nm程度)では、SiN膜内のSiNはLa膜中のLaとの反応により消費され、チャネル領域(ベース領域3の表面)とゲート絶縁膜5との界面において、精度良くSiC/LaSiON界面が形成されていることが分かる。
一方、SiNがLaと反応する際、反応せずにSiNが残ると、精度良くSiC/LaSiON界面が形成されず、SiC/SiN/LaSiONの積層構造が形成されることになる。この場合、SiCとLaに挟まれた残存SiN膜がチャージトラップ膜となり、所望しない働きをしてしまう。
このため、実施の形態2のように、1000℃程度の熱処理で、薄いLaSiON膜を形成する場合には、ベース領域3及びソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2上に堆積するSiN膜の厚さは望ましくは、1nm以上10nm以下で、特に3nm以下が望ましい。なお、図14で示したSiN膜に関する考察は、実施の形態1にも当てはまる。
実施の形態2では、ゲート絶縁膜15としてLaSiON膜13及びSiO膜14の積層構造を実現している。このような積層構造では、LaSiON膜13及びSiO膜14間の界面であるLaSiON/SiO界面も印加電圧によっては、チャージトラップ機能を有することになる。
図15及び図16はMOSFETのオフ時及びオン時のゲート電極6の直下のバンド構造を示すグラフである。これらの図において、横軸が深さ位置(Position(nm))、縦軸がエネルギー(Potential(eV))を示している。
図15に示すように、ゲートに電圧が加わらない(ゲート電圧VG=0)状態のMOSFETのオフ時には、SiO膜14及びLaSiON膜13に加わる電位VSiO2(off)及びVLaSiON(off)は小さく、ゲート絶縁膜15の膜厚全体に均等に加わる。
一方、図16に示すように、0Vからゲート電圧VG(=ゲート電位変化量ΔVG)を印加し、MOSFETをオン状態にした場合、SiO膜14及びLaSiON膜13に加わる電位はVSiO2(on)及びVLaSiON(on)になる。VLaSiON(on)がSiC/LaSiONのエネルギー障壁高さΔEcよりも大きくなると、LaSiON/SiO界面においてチャージがトラップされる。
チャージがトラップされた場合、MOSFETのしきい値電圧に変化が生じ、MOSFETの特性が変化する。したがって、ゲート絶縁膜15中にチャージがトラップされないことが理想であり、この理想を実現するため、LaSiON膜の膜厚は以下の式(1)を満たすことが望ましい。
Figure 0006270667
なお、式(1)において、tLaSiON及びtSiO2はLaSiON膜13及びSiO膜14の膜厚を意味し、ΔVSiC及びΔVGはMOSFETのオフ時からオン時のSiC基板(ベース領域3)内での電位の変化量及びゲート電圧VGの変化量(ゲート電位変化量)であり、εLaSiON及びεSiO2はLaSiON膜13及びSiO膜14の比誘電率である。なお、オフ時のゲート電圧VG=0Vである場合、ゲート電圧変化量ΔVGはオン時のゲート電圧VGに等しくなる。
以下、式(1)の導出原理について説明する。式(1)におけるゲート電圧変位量ΔVGは以下の式(2)を満足する。なお、式(2)において、ΔVLaSiON及びΔVSiO2は、MOSFETのオフ時(off)からオン時(on)における電位VLaSiON及びVSiO2の変化量を示している。
Figure 0006270667
さらに、式(1)におけるεLaSiON、εSiO2、tLaSiON及びtSiO2と、式(2)におけるΔVLaSiONとΔVSiO2とは以下の式(3)を満足し、ゲート絶縁膜15のゲート絶縁膜厚t15は以下の式(4)を満足する。
Figure 0006270667
Figure 0006270667
したがって、チャージトラップされない条件である以下の式(5)を満足するために、実施の形態の2の半導体装置におけるLaSiON膜13及びSiO膜14の膜厚tLaSiON及びtSiO2を上述した式(1)を満足するように形成する必要がある。
Figure 0006270667
(効果)
実施の形態2の半導体装置は、チャネル領域の界面にLaSiON膜13を有するゲート絶縁膜15を形成することにより、実施の形態1の半導体装置と同様な効果を奏すると共に以下で述べる効果を奏する。
実施の形態2の半導体装置は、LaSiON膜13に加え、SiO膜14をさらに有する積層構造のゲート絶縁膜15を形成することにより、SiO膜14によってMOSFETにおけるリーク電流の低減化を図ることができる。
加えて、ゲート絶縁膜15を構成するLaSiON膜13及びSiO膜14の膜厚tLaSiON及びtSiO2は、上述した式(1)を満足するように設定されるため、LaSiON膜13及びSiO膜14の積層構造によりゲート絶縁膜15を実現しても、LaSiON膜13及びSiO膜14間における界面がチャージトラップ機能を発揮してしまう現象を確実に回避することができる。
<実施の形態3>
実施の形態1の(炭化珪素)半導体装置に対して、実施の形態3の(炭化珪素)半導体装置はその実質構造は同一であり、製造方法において、ゲート絶縁膜となるLaSiON膜を形成する方法が異なる。
(製造方法)
図17及び図18は、実施の形態3における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。以下、実施の形態3の製造方法について説明する。実施の形態3の半導体装置の製造方法は、SiN膜5a(第1の珪素窒化膜)及びLa膜5b(酸化ランタン膜)を得る工程までは、図2〜図6で示した実施の形態1の製造方法と同様である。
その後、図17に示すように、La膜5b上にSiN膜5c(第2の珪素窒化膜)をさらに堆積する。その結果、SiN膜5a、La膜5b及びSiN膜5cの積層構造が得られ、この積層構造が実施の形態3のゲート絶縁膜25を得るための、珪素、窒素、酸素及びランタン成分を含む前処理積層構造となる。
その後、図18に示すように、図17で示した前処理積層構造に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行い、SiN膜5a及びLa膜5b間並びにLa膜5b及びSiN膜5c間において、SiNとLaとを反応させることにより、LaSiON膜25Lの単一構造により構成されるゲート絶縁膜25を形成する。
この際、上記熱処理に伴う反応はLa膜5bの両面から進むため、実施の形態1における前処理積層構造に対する熱処理に比べて、同じ反応温度で得られるLaSiON膜25Lの厚さを、実施の形態1のLaSiON膜5L以上に厚くすることができる。
さらに、前処理積層構造に対する熱処理によってゲート絶縁膜25を形成する際、La膜5bを基準として上方(外方側)にもSiN膜5cが存在する。このため、ゲート絶縁膜素材中での酸素の拡散エネルギーは、SiOが1.24eV、LaSiOで0.51eV〜0.80eV、SiNで3.67eVであるため、SiN膜5cが外方側(上方)に存在することにより、LaとSiNが反応する際に、SiCの酸化を抑制することができる。なお、以降の処理は、図8〜図10で示した実施の形態1の製造方法と同様に行われる。
(効果)
実施の形態3の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と実質等価な構造を呈しているため、実施の形態1と同様な効果を奏する。さらに、実施の形態3に固有の製造方法により以下の効果を奏する。
図18で示す工程における熱処理の実行時に、SiN膜5a及びSiN膜5cによりLa膜5bが挟み込まれているため、実施の形態1のようにSiN膜5a及びLa膜5bの2層の積層構造の場合に比べ、膜厚が厚いLaSiON膜25Lを得ることができる。
加えて、図18で示す工程における熱処理の実行時に、La膜5bを基準として上方にSiN膜5cが形成されているため、上方のSiN膜5cによって酸素の拡散を効果的に抑制することにより、SiN膜5a及びSiN膜5cとLa膜5bとが反応する際におけるベース領域3及びソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2におけるSiCの酸化を抑制することができる。
その結果、実施の形態3における半導体装置の製造方法により、より信頼性の高いMOSFETを有する半導体装置を得ることができる。
なお、実施の形態3の半導体装置の製造方法においては、SiN膜5a、La膜5b及びSiN膜5cからなる前処理積層構造に対する熱処理によりゲート絶縁膜25(=LaSiON膜25L)を得る工程を示したが、この工程を利用して実施の形態2のLaSiON膜13を形成することも勿論可能である。
<実施の形態4>
実施の形態1の(炭化珪素)半導体装置に対して、実施の形態4の(炭化珪素)半導体装置はその実質構造は同一であり、製造方法において、ゲート絶縁膜となるLaSiON膜を形成する方法が異なる。
(製造方法)
図19及び図20は、実施の形態4における半導体装置の製造方法の一部を示す断面図である。以下、実施の形態4の製造方法について説明する。実施の形態4の半導体装置の製造方法は、ソース領域4を得る工程までは、図2〜図4で示した実施の形態1の製造方法と同様である。
その後、図19に示すように、ベース領域3及びソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2の表面上の全域にSiO膜35aを成膜する。さらに、SiO膜35a上にLa膜35b(ランタン膜)を成膜し、最後にLa膜35b上にSiN膜35c(珪素窒化膜)を成膜する。その結果、SiO膜35a、La膜35b及びSiN膜35cの積層構造が得られ、この積層構造が実施の形態4のゲート絶縁膜35を得るための、珪素、窒素、酸素及びランタン成分を含む前処理積層構造となる。
その後、図20に示すように、図19で示した前処理積層構造に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行い、SiO膜35a、La膜35b及びSiN膜35c間において、SiOとLaとSiNとを反応させることにより、LaSiON膜35Lの単一構造により構成されるゲート絶縁膜35を形成する。
なお、以降の処理は、図8〜図10で示した実施の形態1の製造方法と同様に行われる。また、前処理積層構造を得るためのSiO膜35a、La膜35b及びSiN膜35c間における堆積順序は任意である。しかしながら、外方から拡散する酸素による酸化を考慮した場合、図19に示したようにSiN膜35cが最も外方側(最上部)に存在することが望ましい。
(効果)
実施の形態4の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と実質等価な構造を呈しているため、実施の形態1と同様な効果を奏する。さらに、実施の形態3に固有の製造方法により以下の効果を奏する。
実施の形態4の半導体装置の製造方法は、図19で示す前処理積層構造を得る工程において、それぞれが比較的簡単な化学構造のSiO膜35a、La膜35b及びSiN膜35cを用いて前処理積層構造を得ることができる。
なお、実施の形態4の半導体装置の製造方法においては、SiO膜35a、La膜35b及びSiN膜35cからなる前処理積層構造に対する熱処理によってゲート絶縁膜35(=LaSiON膜35L)を得る工程を示したが、この工程を利用して実施の形態2のLaSiON膜13を形成することも勿論可能である。
<その他>
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
この発明は、炭化珪素ドリフト層2等の炭化珪素基板(半導体層)上に形成される、従来、二酸化珪素膜をゲート絶縁膜として構成されるのが一般的であったMOSFET、IGBTなどの絶縁ゲート型トランジスタ構造を有する半導体素子に適用することができる。この発明によれば、チャネル抵抗が小さく絶縁膜信頼性の高い、炭化珪素を構成材料とした半導体装置の実現が可能になる。
1 基板、2 炭化珪素ドリフト層、3 ベース領域、4 ソース領域、5,15,25,35 ゲート絶縁膜、5a,5c,35c SiN膜、5b La膜、5L,13,25L,35L LaSiON膜、6 ゲート電極、7 ソース電極、8 ドレイン電極、14,35a SiO膜、35b La膜。

Claims (11)

  1. 炭化珪素を構成材料とした半導体層と、
    前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、前記ゲート絶縁膜を介した前記ゲート電極下の前記半導体層の表面がチャネル領域となる絶縁ゲート型トランジスタが構成され、
    前記ゲート絶縁膜は、前記チャネル領域との間に元素比率が10%の窒素が存在する界面を形成するランタン酸窒化珪素膜を有することを特徴とする、
    半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記ゲート絶縁膜は前記ランタン酸窒化珪素膜の単一構造である、
    半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記ゲート絶縁膜は、前記ランタン酸窒化珪素膜と珪素酸化膜との積層構造を含む、
    半導体装置。
  4. 請求項3記載の半導体装置であって、
    前記ランタン酸窒化珪素膜の膜厚及び比誘電率をtLaSiON及びεLaSiONとし、前記珪素酸化膜の膜厚及び比誘電率をtSiO2及びεSiO2とし、前記ランタン酸窒化珪素膜と前記チャネル領域との界面のエネルギー障壁高さをΔEcとし、前記絶縁ゲート型トランジスタのオンからオフ時の前記半導体層の電位変化量及びゲート電圧変化量をΔVSIC及びΔVGとしたとき、前記ランタン酸窒化珪素膜及び前記珪素酸化膜の膜厚は、以下の式(1)を満足するように設定される、
    Figure 0006270667
    半導体装置。
  5. (a)半導体基体の一方主面上に炭化珪素を構成材料とした半導体層を形成するステップと、
    (b)前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成するステップと、
    (c)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するステップとを備え、前記ゲート絶縁膜を介した前記ゲート電極下の前記半導体層の表面がチャネル領域となる絶縁ゲート型トランジスタが構成され、
    前記ステップ(b)は、
    (b-1)前記半導体層上に珪素、窒素、酸素及びランタン成分を含む前処理積層構造を形成するステップと、
    (b-2)前記前処理積層構造に対し熱処理を施し、前記チャネル領域との間に界面を形成するランタン酸窒化珪素膜を形成するステップとを含み、前記ゲート絶縁膜は前記ランタン酸窒化珪素膜を有する、
    半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(b-1)により形成される前記前処理積層構造は、珪素窒化膜及び酸化ランタン膜の積層構造を含む、
    半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(b-1)により形成される前記前処理積層構造は、第1の珪素窒化膜、酸化ランタン膜及び第2の珪素窒化膜の順で積層される積層構造を含む、
    半導体装置の製造方法。
  8. 請求項5記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(b-1)により形成される前記前処理積層構造は、珪素酸化膜、ランタン膜及び珪素窒化膜の積層構造を含む、
    半導体装置の製造方法。
  9. 請求項5から請求項8のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ゲート絶縁膜は前記ランタン酸窒化珪素膜の単一構造である、
    半導体装置の製造方法。
  10. 請求項5から請求項8のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(b)は、
    (b-3)前記ステップ(b-2)の後に実行され、前記ランタン酸窒化珪素膜上に珪素酸化膜を形成するステップをさらに含み、
    前記ゲート絶縁膜は前記ランタン酸窒化珪素膜及び前記珪素酸化膜の積層構造を含む、
    半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ランタン酸窒化珪素膜の膜厚及び比誘電率をtLaSiON及びεLaSiONとし、前記珪素酸化膜の膜厚及び比誘電率をtSiO2及びεSiO2とし、前記ランタン酸窒化珪素膜と前記チャネル領域との界面のエネルギー障壁高さをΔEcとし、前記絶縁ゲート型トランジスタのオンからオフ時の前記半導体層の電位変化量及びゲート電圧変化量をΔVSIC及びΔVGとしたとき、前記ランタン酸窒化珪素膜及び前記珪素酸化膜の膜厚は、以下の式(1)を満足するように前記ステップ(b)が実行される、
    Figure 0006270667
    半導体装置の製造方法。
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