JP6270180B2 - カルバミン酸エステルの製造方法 - Google Patents

カルバミン酸エステルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6270180B2
JP6270180B2 JP2016506403A JP2016506403A JP6270180B2 JP 6270180 B2 JP6270180 B2 JP 6270180B2 JP 2016506403 A JP2016506403 A JP 2016506403A JP 2016506403 A JP2016506403 A JP 2016506403A JP 6270180 B2 JP6270180 B2 JP 6270180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
isomer
metal alkoxide
carbamate
alkoxide compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016506403A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015133247A1 (ja
Inventor
準哲 崔
準哲 崔
俊也 小野澤
俊也 小野澤
訓久 深谷
訓久 深谷
弘之 安田
弘之 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JPWO2015133247A1 publication Critical patent/JPWO2015133247A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6270180B2 publication Critical patent/JP6270180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C269/00Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C269/04Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups from amines with formation of carbamate groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させてカルバミン酸エステルを製造する方法に関する。
ポリウレタンは、生活・建築資材、自動車部品、塗料などとして利用されている代表的な汎用ポリマーである。従来、ポリウレタンは、多官能性のイソシアネートを多官能性のアルコールと反応させることにより製造されている。イソシアネートはアミンとホスゲンから合成されるが、ホスゲンは猛毒であり、またホスゲンの反応では塩化水素が大量に副生するため、より環境負荷の低いイソシアネート合成法の開発が強く望まれていた。
ホスゲンを用いないイソシアネートの合成法としては、カルバミン酸エステルを熱分解する方法が有効とされている。このカルバミン酸エステルの合成法としては、(1)ニトロ化合物をアルコール存在下に一酸化炭素と反応させる方法(非特許文献1)、(2)アミンをアルコール存在下に一酸化炭素と反応させる方法(非特許文献1)、(3)アミン及び有機ハロゲン化合物と二酸化炭素を反応させる方法(非特許文献2)、(4)アミンを炭酸エステルと反応させる方法(非特許文献3)、(5)二酸化炭素とアミン及びアルコールとを脱水剤存在下に反応させる方法(非特許文献4)等が知られている。
しかしながら、上記(1)及び(2)の反応では、毒性ガスである一酸化炭素を加圧下で使用するため、製造設備の維持管理や作業員の安全確保に多大なコストと労力を要し、また、上記(3)の方法では、カルボニル源が環境に無害で毒性のない二酸化炭素ではあるが、カルバミン酸エステル一分子を合成するのに一分子の有機ハロゲン化物を消費し、かつ一分子のハロゲン化水素が副生するという欠点等があった。また、上記(4)の方法では、炭酸エステルを別途合成する必要があるため多大なコストを要し、上記(5)の方法では、安価で取り扱いやすいアミン及びアルコールを用いることから、安全かつ簡易な設備でカルバミン酸エステルを得ることができるメリットを有するものの、スズ又はニッケル触媒を必要とするとともに、比較的高価な脱水剤を必要とする点で問題があり、また、この方法では芳香族アミンから芳香族カルバミン酸エステルを得ることはできなかった。
Dalton Transactions誌、2009年、6251頁 Journal of Organic Chemistry誌、1995年、60巻、2820頁 Angewandte Chemie International Edition誌、2010年、49巻、1286頁 Chemical Communications誌、2001年、2238頁
本発明の目的は、従来の二酸化炭素とアミンを原料として用いるカルバミン酸エステルの合成における上記問題点を克服し、有機ハロゲン化合物や炭酸エステルを用いずに、芳香族カルバミン酸エステルをはじめとするカルバミン酸エステルを高収率・高選択率で得ることができる、工業的に有利なカルバミン酸エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アミン及び二酸化炭素を金属アルコキシド化合物の存在下で反応させることにより、高い収率および選択率でカルバミン酸エステルが得られることを見出した。そして、この反応により生じた残留液をアルコールと反応させることにより金属アルコキシド化合物が得られ、これを再び上記カルバミン酸エステルの合成反応に使用することができることも更に見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
〈1〉二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させる工程を含む、カルバミン酸エステルの製造方法。
〈2〉前記アミンが下記一般式(I)で表される〈1〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
Figure 0006270180
(式中、R1は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を、R2は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基又は水素を表す。)
〈3〉前記金属アルコキシド化合物が下記一般式(II)で表される金属アルコキシド化合物及び下記一般式(III)で表わされる金属アルコキシド化合物よりなる群から選ばれる〈1〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
Figure 0006270180
(式中、M1は周期律表第4族または第14族の金属原子を表す。R3、R4、R5及びR6はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R3、R4、R5及びR6は同一であってもよいし異なっていてもよい。a、b、c及びdは各々0〜4の整数であり、a+b=0〜3、c+d=1〜4、a+b+c+d=4である。)
Figure 0006270180
(式中,M2及びM3は周期律表第4族または第14族の金属原子を表し、M2及びM3は同一であってもよいし異なっていてもよい。R7、R8、R9、R10、R11及びR12はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は同一であってもよいし異なっていてもよい。e、f、g及びhは各々0〜2の整数であり、i及びjは各々1〜3の整数であり、e+f=0〜2、g+h=0〜2、e+f+i=3、g+h+j=3である。)
〈4〉二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させ、カルバミン酸エステルを含有する反応混合物を生成させる工程と、
前記反応混合物からカルバミン酸エステルを分離して残留液を得る工程と、
前記残留液をアルコールと反応させて、金属アルコキシド化合物を再生する工程と、
二酸化炭素とアミンと前記再生した金属アルコキシド化合物とを反応させる工程と
を含む、〈1〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
〈5〉前記アルコールが下記一般式(IV)で表される〈4〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
Figure 0006270180
(式中、R13は炭化水素基を表す。)
〈6〉前記残留液が金属−酸素結合または金属−窒素結合を有する周期律表第4族または第14族の金属化合物を含むものである〈4〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
〈7〉前記金属アルコキシド化合物を得る工程において、生成する水を反応系から除去しながら前記残留液とアルコールとの反応を行う〈4〉に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
本発明方法によれば、ポリウレタンの原料等として有用なカルバミン酸エステルを、二酸化炭素とアミン及び金属アルコキシド化合物を反応させることにより、高収率、高選択率で得ることができる。
また、上記反応により生じる反応残留液をアルコールと反応させることにより、上記反応に使用し得る金属アルコキシド化合物を得ることもできる。
このように、本発明方法は、原料として、環境に無害で毒性のない二酸化炭素、安価で取扱い易いアミン及び、簡便かつ効率よく反応系から再生・循環利用することのできる金属アルコキシド化合物を用いることから、安全かつ簡易な設備でカルバミン酸エステルを得ることができ、工業的に極めて有利な方法ということができる。
本発明のカルバミン酸エステルの製造方法は、二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させる工程を少なくとも含むものである。本製造方法により得られるカルバミン酸エステルは好ましくはN−置換カルバミン酸エステルである。また、得られるカルバミン酸エステルは好ましくは脂肪族カルバミン酸エステル、脂環族カルバミン酸エステル、又は芳香族カルバミン酸エステルであり、より好ましくは芳香族カルバミン酸エステルである。また、得られるカルバミン酸エステルは好ましくはモノカルバミン酸エステル又はジカルバミン酸エステルである。なお工業的にはジカルバミン酸エステル、特に芳香族ジカルバミン酸エステルが有利である。具体的には、本製造方法により得られるカルバミン酸エステルとしては、例えば、N−ブチルカルバミン酸メチル、N−ブチルカルバミン酸エチル、N−ブチルカルバミン酸プロピル、N−ブチルカルバミン酸ブチル、N−ブチルカルバミン酸ペンチル、N−ブチルカルバミン酸ヘキシル、N−ブチルカルバミン酸シクロヘキシル、N−t−ブチルカルバミン酸メチル、N−t−ブチルカルバミン酸エチル、N−t−ブチルカルバミン酸プロピル、N−t−ブチルカルバミン酸ブチル、N−t−ブチルカルバミン酸ペンチル、N−t−ブチルカルバミン酸ヘキシル、N−t−ブチルカルバミン酸シクロヘキシル、N−ペンチルカルバミン酸メチル、N−ペンチルカルバミン酸エチル、N−ペンチルカルバミン酸プロピル、N−ペンチルカルバミン酸ブチル、N−ペンチルカルバミン酸ペンチル、N−ペンチルカルバミン酸ヘキシル、N−ペンチルカルバミン酸シクロヘキシル、N−ヘキシルカルバミン酸メチル、N−ヘキシルカルバミン酸エチル、N−ヘキシルカルバミン酸プロピル、N−ヘキシルカルバミン酸ブチル、N−ヘキシルカルバミン酸ペンチル、N−ヘキシルカルバミン酸ヘキシル、N−ヘキシルカルバミン酸シクロヘキシル、N−シクロヘキシルカルバミン酸メチル、N−シクロヘキシルカルバミン酸エチル、N−シクロヘキシルカルバミン酸プロピル、N−シクロヘキシルカルバミン酸ブチル、N−シクロヘキシルカルバミン酸ペンチル、N−シクロヘキシルカルバミン酸ヘキシル、N−シクロヘキシルカルバミン酸シクロヘキシル、N−フェニルカルバミン酸メチル、N−フェニルカルバミン酸エチル、N−フェニルカルバミン酸プロピル、N−フェニルカルバミン酸ブチル、N−フェニルカルバミン酸ペンチル、N−フェニルカルバミン酸ヘキシル、N−フェニルカルバミン酸シクロヘキシル、N−トリルカルバミン酸メチル(各異性体)、N−トリルカルバミン酸エチル(各異性体)、N−トリルカルバミン酸プロピル(各異性体)、N−トリルカルバミン酸ブチル(各異性体)、N−トリルカルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−トリルカルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(フルオロフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(クロロフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(ブロモフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(ヨードフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(ニトロフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸メチル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸エチル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸プロピル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸ブチル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸ペンチル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、N−(メトキシフェニル)カルバミン酸シクロヘキシル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジメチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジエチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジブチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジペンチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジヘキシルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジカルバミン酸−ジシクロヘキシルエステル、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジエチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジプロピル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジペンチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘキシル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジシクロヘキシル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、3−(メトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル、3−(エトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸エチルエステル、3−(プロピルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、3−(ペンチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸シクロヘキシルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジメチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジエチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジプロピルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジブチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジペンチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジヘキシルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸−ジシクロヘキシルエステル(各異性体)、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジメチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジエチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジプロピルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジブチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジペンチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジヘキシルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ジカルバミン酸−ジシクロヘキシルエステル等が例示される。
上記のカルバミン酸エステル生成反応に用いられるアミンは、好ましくは脂肪族アミン、脂環族アミン、又は芳香族アミンであり、より好ましくは芳香族アミンである。また、使用するアミンは好ましくは1級アミン又は2級アミンであり、より好ましくは1級アミンである。また、使用するアミンは好ましくはモノアミン又はジアミンである。なお工業的にはジアミン、特に芳香族ジアミンの使用が有利である。使用するアミンは、好ましくは下記一般式(I)で表わされる。
Figure 0006270180
(式(I)中:R1は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素数1〜20の炭化水素基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基)で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基)を表し、R2は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素数1〜20の炭化水素基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基)で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基)又は水素を表す。)
上記ハロゲン原子は、F、Cl、Br及びIから選ばれるハロゲン原子である。好ましくはR1は置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24のシクロアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくはアリール基であり、R2は水素である。好ましいアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が例示される。
このようなアミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、アニリン、アミノトルエン(各異性体)、クロロアニリン(各異性体)、ブロモアニリン(各異性体)、ヨードアニリン(各異性体)、シアノアニリン(各異性体)、ニトロアニリン(各異性体)、トリフルオロメチルアニリン(各異性体)、メトキシアニリン(各異性体)、ジメチルアニリン(各異性体)、ジエチルアニリン(各異性体)、ジプロピルアニリン(各異性体)、アミノナフタレン(各異性体)、アミノメチルナフタレン(各異性体)、ジメチルナフチルアミン(各異性体)、トリメチルナフチルアミン(各異性体)、ジアミノベンゼン(各異性体)、ジアミノトルエン(各異性体)、メチレンジアニリン(各異性体)、ジアミノメシチレン(各異性体)、ジアミノビフェニル(各異性体)、ジアミノジベンジル(各異性体)、ビス(アミノフェニル)プロパン(各異性体)、ビス(アミノフェニル)エーテル(各異性体)、ビス(アミノフェノキシエタン)(各異性体)、ジアミノキシレン(各異性体)、ジアミノアニソール(各異性体)、ジアミノフェネトール(各異性体)、ジアミノナフタレン(各異性体)、ジアミノ−メチルベンゼン(各異性体)、ジアミノ−メチルピリジン(各異性体)、ジアミノ−メチルナフタレン(各異性体)エチレンジアミン、ジアミノプロパン(各異性体)、ジアミノブタン(各異性体)、ジアミノペンタン(各異性体)、ジアミノヘキサン(各異性体)、ジアミノデカン(各異性体)、トリアミノヘキサン(各異性体)、トリアミノノナン(各異性体)、トリアミノデカン(各異性体)、ジアミノシクロブタン(各異性体)、ジアミノシクロヘキサン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(シスおよび/またはトランス体)、メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)等が例示される。
上記のカルバミン酸エステル生成反応に用いられる金属アルコキシド化合物は、好ましくは下記一般式(II)で表わされる金属アルコキシド化合物及び下記一般式(III)で表わされる金属アルコキシド化合物から選ばれる。中でも下記一般式(II)で表わされる金属アルコキシド化合物が好ましい。本反応において金属アルコキシド化合物は反応剤として用いられる。
Figure 0006270180
(式(II)中:R3、R4、R5及びR6は同一であってもよいし異なっていてもよい、直鎖状あるいは分岐状の炭素数1〜14のアルキル基、炭素数5〜14のシクロアルキル基、直鎖状あるいは分岐状の炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜19のアリール基又は、炭素数7〜20のアラルキル基を示す。中でも、R3、R4、R5及びR6は同一であってもよいし異なっていてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。a及びbは各々0〜2の整数であり、a+b=0〜3、c及びdは各々0〜4の整数であり、c+d=1〜4、a+b+c+d=4である。好ましくは、a+b=0〜2、c+d=2〜4である。)
Figure 0006270180
(式(III)中:M2及びM3は同一であってもよいし異なっていてもよい。R7、R8、R9、R10、R11及びR12は同一であってもよいし異なっていてもよい、直鎖状あるいは分岐状の炭素数1〜14のアルキル基、炭素数5〜14のシクロアルキル基、直鎖状あるいは分岐状の炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜19のアリール基又は、炭素数7〜20のアラルキル基を示す。e+f=0〜2、g+h=0〜2、i及びjは同一であってもよいし異なっていてもよく、1〜3の整数であり、e+f+i=3、g+h+j=3である。)
このような金属アルコキシド化合物において、一般式(II)のM1及び一般式(III)のM2、M3は、周期律表第4族または第14族に含まれる金属であれば特に制限はないが、チタン、スズ及びジルコニウムが好ましく、安全性や収率、再生利用等の観点から特にチタンがより好ましい。
一般式(II)で示される金属アルコキシド化合物としては、特に制限はないが、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラペンチルオキシチタン、テトラヘキシルオキシチタン、テトラメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラペンチルオキシスズ、テトラヘキシルオキシスズ、テトラ−2−エチル−1−ヘキシルオキシスズ、ジ−メトキシ−ジエトキシスズ、ジメチルスズ−ジ−メトキシド、ジメチルスズ−ジ−エトキシド、ジメチルスズ−メトキシド−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジメチルスズ−ジ−ペンチルオキシド、ジメチルスズ−ジ−ヘキシルオキシド、ジメチルスズ−ジ−シクロヘキシルオキシド、ジメチルスズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジメチルスズ−ジ−プロペニルオキシド、メチルブチルスズ−ジ−メトキシド、メチルブチル−ジ−エトキシド、メチルブチルスズ−ジ−プロポキシド、メチルブチルスズ−ジ−(2−エチル−1−ブトキシド)、メチルブチルスズ−ジ−ペンチルオキシド、メチルブチルスズ−ジ−ヘキシルオキシド、メチルブチルスズ−ジ−シクロヘキシルオキシド、メチルブチル−スズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、メチルブチルスズ−ジ−プロペニルオキシド、メチルブチルスズ−ジ−ベンジルオキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−メトキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−エトキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−メトキシド−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−プロポキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ブトキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−(2−エチル−1−ブトキシド)、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ペンチルオキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ヘキシルオキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−シクロヘキシルオキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−プロペニルオキシド、メチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ベンジルオキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−メトキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−エトキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−メトキシド−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−プロポキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ブトキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−(2−エチル−1−ブトキシド)、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ペンチルオキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ヘキシルオキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−シクロヘキシルオキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−プロペニルオキシド、ブチル(2−エチル−ヘキシル)スズ−ジ−ベンジルオキシド、ジ−n−ブチルスズ−ジ−メトキシド、ジ−n−ブチルスズ−メトキシド−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−n−ブチルスズ−ジ−プロポキシド、ジ−n−ブチルスズ−ジ−ブトキシド、ジ−n−ブチルスズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−n−ブチルスズ−ジ−ヘキシルオキシド、ジ−n−ブチルスズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−n−ブチルスズ−ジ−ベンジルオキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−メトキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−プロポキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−ブトキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−ヘキシルオキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−シクロオキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−プロペニルオキシド、ジ−t−ブチルスズ−ジ−ベンジルオキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−メトキシド、ジ−フェニルスズ−メトキシド−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−フェニルスズ−ジ−プロポキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−ブトキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−フェニルスズ−ジ−ペンチルオキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−ヘキシルオキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシド)、ジ−フェニルスズ−ジ−シクロヘキシルオキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−プロぺニルオキシド、ジ−フェニルスズ−ジ−ベンジルオキシドなどが挙げられる。
一般式(III)で表わされる金属アルコキシド化合物としては、特に制限がないが、例えば、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−スタンオキシド、1,1,3,3−テロラブチル−1−(メトキシ)−3−(2−エチル−1−ヘキシルオキシ)−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−エトキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1、3−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシ)−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−プロポキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−ペンチルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−ヘキシルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−(2−エチル−1−ヘキシルオキシ)−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−シクロヘキシルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−ベンジルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−メトキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ−エトキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−メトキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−エトキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−ブトキシージースタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−(2−エチル−1−ブトキシ)−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−プロポキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−ペンチルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−ヘキシルオキシ−ジ−スタンオキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジ−シクロヘキシル−ジ−スタンオキサンのようなアルコキシジスタンオキサン、アラルキルオキシジスタンオキサンなどが挙げられる。
上記のカルバミン酸エステル生成反応は、その反応方法に特に制限はないが、例えばアミン及び金属アルコキシド化合物を仕込んだ反応装置に二酸化炭素を充填させることにより行うことができる。アミン及び金属アルコキシド化合物の使用量に特に制限はなく、使用する原料の種類などにより異なるが、アミンの使用量1モル当量に対し、金属アルコキシド化合物の使用量は例えば1/4モル当量以上、好ましくは1/3モル当量以上、より好ましくは1/2モル当量以上、更に好ましくは1モル当量以上である(上限に特に制限はないが好ましくは10モル当量以下である)。
上記のカルバミン酸エステル生成反応の反応温度は特に制限はないが、反応を十分に進行させ、かつウレア等の副生成物の生成を抑制する観点から、例えば室温〜300℃、好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは130〜200℃、更に好ましくは150〜180℃である。反応圧力は特に制限なく、反応に使用する耐圧装置の製造コストなどによって定められるが、通常1〜1000気圧、好ましくは5〜500気圧、更に好ましくは10〜100気圧である。具体的には、例えば1〜100MPa、好ましくは2〜50MPa、より好ましくは3〜20MPaである。上記のカルバミン酸エステル生成反応は従来の反応に比べ比較的低圧でも反応を進行させることができる。反応時間は用いる原料であるアミンや金属アルコキシド化合物の種類、反応温度、反応圧力など諸条件により異なるが、0.1〜24時間で充分である。具体的には、反応を十分に進行させ、かつウレア等の副生成物の生成を抑制する観点から、例えば10分〜2時間、好ましくは10〜60分である。
また、上記のカルバミン酸エステル生成反応は無溶媒でもよいが、反応を阻害しないような溶媒を用いることもできる。このような溶媒としては、例えば、炭化水素類、エーテル類などが挙げられ、具体的には、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが例示される。上記のカルバミン酸エステル生成反応では、反応を十分進行させる観点から、アルコール(メタノール、エタノール等)以外の溶媒を使用することが好ましい。
上記のように二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させることにより、一段階で、かつウレア等の副生成物の生成は少なく、カルバミン酸エステルを高収率、高選択率で得ることができる。また、上記のカルバミン酸エステル生成反応で使用した使用済み金属アルコキシド化合物は再生することができ、再生した金属アルコキシド化合物は、新たなカルバミン酸エステル生成反応に再利用することができる。よって、本発明のカルバミン酸エステルの製造方法は、金属アルコキシド化合物を再生し再利用する工程を更に含んでいてもよい。具体的には、本製造方法は、二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させてカルバミン酸エステルを含有する反応混合物を生成させる工程と、反応混合物からカルバミン酸エステルを分離して残留液を得る工程と、残留液をアルコールと反応させて金属アルコキシド化合物を再生する工程と、二酸化炭素とアミンと再生した金属アルコキシド化合物とを反応させる工程とを含むものであってもよい。
より具体的には、例えば以下の(イ)〜(ニ)の工程によりカルバミン酸エステルを再生し再利用することができる。好ましくは(イ)〜(ニ)の工程を2回以上連続的に繰り返すことでカルバミン酸エステルを連続的に得ることができ、工業的にも有利である。
(イ)二酸化炭素とアミン及び金属アルコキシド化合物とを反応させ、カルバミン酸エステルを含有する反応混合物を生成させる工程。
(ロ)反応混合物からカルバミン酸エステルを分離して残留液を得る工程。
(ハ)残留液をアルコールと反応させて、金属アルコキシド化合物を得る工程。
(ニ)工程(ハ)で得られた金属アルコキシド化合物を工程(イ)へ循環する工程。
上記の反応は、次式で表わすことができる。
(1)CO + アミン + 金属アルコキシド化合物
→ 使用済み金属アルコキシド化合物 + カルバミン酸エステル
(2)使用済み金属アルコキシド化合物 + アルコール
→ 金属アルコキシド化合物 + 水
(3)(2)の金属アルコキシド化合物 → (1)に循環使用
金属アルコキシド化合物を再生、再利用する場合、上記式に示すようにプロセス全体として消費されるのはCO、アミン、アルコールのみであり、また目的物以外の生成物は主に水のみであり、環境面、経済面で有利である。
(イ)の工程は、二酸化炭素とアミン及び金属アルコキシド化合物とを反応させて、カルバミン酸エステルを含有する反応混合物を生成させる工程である。反応方法、反応条件等は上記した通りである。
(ロ)の工程は、(イ)の反応工程で得られるカルバミン酸エステルと使用済み金属アルコキシド化合物を含む反応混合物から、目的生成物であるカルバミン酸エステルと使用済み金属アルコキシド化合物を含む残留液を分離するものである。この分離操作は従来公知の方法、たとえば蒸留等の手段によって行われる。
(ハ)の工程は、残留液から金属アルコキシド化合物を得る工程である。
この工程は、使用済み金属アルコキシド化合物をアルコールと反応させることからなる。
本発明の製造方法においては、金属アルコキシド化合物(金属−酸素−炭素結合)が二酸化炭素及びアミンと量論的に反応してカルバミン酸エステルが生成し、金属アルコキシド化合物は金属―酸素結合をもつ化合物、例えば金属ヒドロキシドあるいは金属オキシドなど、あるいは金属−窒素結合をもつ化合物、例えば原料アミンが金属に結合した金属アミドなどに変化する。すなわち使用済み金属アルコキシド化合物には、例えば金属ヒドロキシド、金属オキシドあるいは金属アミドなどが含有される。
本工程は、かかる金属−酸素結合あるいは金属−窒素結合を有する金属化合物をアルコールと反応させて、対応する金属アルコキシド化合物に変換するものである。この変換工程においては、反応の平衡が生成系側に有利になるようにするため、反応系中から水を除去することが重要である。水を反応系外に除去する方法としては蒸留や膜分離等でもよいが、脱水剤を使用してもよい。
このような脱水剤としては、有機、無機何れのものも使用できるが、有機脱水剤としては、下記一般式(V)で表されるアセタールを用いることが好ましい。
Figure 0006270180
式中、R14、R15及びR16で表わされるアルキル基は好ましくは低級アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4である。具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどが挙げられる。また、R14、R15及びR16で表わされるアラルキル基は好ましくは炭素数7〜20、さらに好ましくは7〜12であり、例えばベンジル、フェネチルが挙げられる。R14、R15及びR16で表わされるアリール基は好ましくは炭素数6〜14、さらに好ましくは6〜10であり、例えばフェニル、トリル、アニシル、ナフチル、などが挙げられる。
このようなアセタール化合物として、より具体的には、例えばベンズアルデヒド ジメチルアセタール、アセトアルデヒド ジメチルアセタール、ホルムアルデヒド ジメチルアセタール、アセトン ジメチルアセタール、アセトン ジエチルアセタール、アセトン ジベンジルアセタール、ジエチルケトン ジメチルアセタール、ベンゾフェノン ジメチルアセタール、ベンジルフェニルケトン ジメチルアセタール、シクロヘキサノン ジメチルアセタール、アセトフェノン ジメチルアセタール、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン アセタール、4、4−ジメトキシ−2、5−シクロヘキサジエン−1−オンアセタール、ジメチルアセトアミド ジエチルアセタールなどが挙げられる。
無機脱水剤としては、モレキュラーシーブ(3A)、モレキュラーシーブ(4A)等のゼオライト類、塩化カルシウム(無水)、硫酸カルシウム(無水)、塩化マグネシウム(無水)、硫酸マグネシウム(無水)、炭酸カリウム(無水)、硫化カリウム(無水)、亜硫化カリウム(無水)、硫酸ナトリウム(無水)、亜硫酸ナトリウム(無水)、硫酸銅(無水)などの無機無水塩類等が挙げられる。
(ハ)の工程で使用するアルコールに特に制限はないが、得られた金属アルコキシド化合物を(イ)の工程に循環することを考慮し、(イ)の工程で用いる金属アルコキシド化合物のアルコキシド成分と同種類のアルコールを用いることが好ましい。
(ハ)の工程における金属アルコキシド化合物を得る反応の反応温度は特に制限はないが、室温〜300℃、好ましくは80〜200℃で1〜100時間行う。
(ニ)の工程は、工程(ハ)で得られた金属アルコキシド化合物を工程(イ)へ循環するものである。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例1
Figure 0006270180
撹拌装置を具備した10mL容積のオートクレーブに、アニリン(0.8mmol)、金属アルコキシド化合物であるテトラメトキシチタン(0.8mmol)及び溶媒としてアセトニトリル(3mL)を仕込んだ後、二酸化炭素ボンベから液化二酸化炭素(約0.5MPa)を充填し、密封した。その後、オートクレーブ内を攪拌しつつ150℃にまで加熱し、二酸化炭素をさらに充填することにより、内圧を5MPaに昇圧後、20分間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物を液体クロマトグラフィーにより分析した。アニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率は61%であった。
実施例2〜4
金属アルコキシド化合物としてテトラメトキシチタンの代わりに、下記の金属アルコキシド化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例2;テトラエトキシチタン (収率:57%)
実施例3;テトラ−i−プロポキシチタン(収率:50%)
実施例4;テトラブトキシチタン (収率:50%)
実施例5〜8
原料及び反応条件は実施例1と同様にして、溶媒が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例5;1、4−ジオキサン(収率:50%)
実施例6;ジエチルエテール (収率:47%)
実施例7;テトラヒドロフラン(収率:48%)
実施例8;ジクロロメタン (収率:46%)
実施例9〜12
原料及び反応条件は実施例1と同様にして、金属アルコキシド化合物であるテトラメトキシチタンの量が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例9 ;0.2mmol(収率:20%)
実施例10;0.4mmol(収率:38%)
実施例11;0.6mmol(収率:45%)
実施例12;1.6mmol(収率:66%)
実施例13〜15
原料及び反応条件は実施例1と同様にして、反応時間が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例13;10分(収率:36%)
実施例14;30分(収率:57%)
実施例15;60分(収率:71%)
実施例16〜20
原料及び反応条件は実施例1と同様にして、反応温度が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例16;110℃(収率: 1%)
実施例17;130℃(収率:20%)
実施例18;170℃(収率:76%)
実施例19;180℃(収率:81%)
実施例20;200℃(収率:77%)
実施例21〜26
原料及び反応条件は実施例1と同様にして、二酸化炭素の内圧が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例21; 1MPa(収率:42%)
実施例22; 2MPa(収率:52%)
実施例23; 3MPa(収率:57%)
実施例24; 8MPa(収率:56%)
実施例25;10MPa(収率:59%)
実施例26;15MPa(収率:57%)
実施例27
金属アルコキシド化合物としてテトラメトキシチタンの代わりに、テトラブトキシチタンを用いたこと以外は、実施例19(反応温度180℃)と同様にして芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果、アニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率は82%であった。
実施例28〜31
原料及び反応条件は実施例19(反応温度180℃)と同様にして、反応時間が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例28;10分(収率:81%)
実施例29;30分(収率:85%)
実施例30;40分(収率:78%)
実施例31;60分(収率:79%)
実施例32〜37
原料及び反応条件は実施例29(反応温度180℃、反応時間30分)と同様にして、二酸化炭素の内圧が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例32; 1MPa(収率:52%)
実施例33; 2MPa(収率:72%)
実施例34; 3MPa(収率:73%)
実施例35; 4MPa(収率:82%)
実施例36; 8MPa(収率:82%)
実施例37;10MPa(収率:84%)
実施例38〜39
原料及び反応条件は実施例29(反応温度180℃、反応時間30分)と同様にして、金属アルコキシド化合物であるテトラメトキシチタンの量が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例38;0.4mmol(収率:47%)
実施例39;1.6mmol(収率:86%)
実施例40〜49
アニリンの代わりに、下記の各種アミンを用いたこと以外は、実施例28(反応温度180℃、反応時間30分)と同様にしてカルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアミン基準のカルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例40;4−メチルアニリン(p−アミノトルエン)(収率:90%)
実施例41;4−ブロモアニリン(収率:80%)
実施例42;4−シアノアニリン(収率:61%)
実施例43;4−ニトロアニリン(収率:53%)
実施例44;4−トリフルオロメチルアニリン(収率:69%)
実施例45;4−メトキシアニリン(収率:98%)
実施例46;3−メトキシアニリン(収率:85%)
実施例47;2−メトキシアニリン(収率:66%)
実施例48;シクロヘキシルアミン(収率:86%)
実施例49;t−ブチルアミン(収率:87%)
実施例50〜51
アニリンの代わりに、下記の各種ジアミンを用いたこと以外は、実施例28(反応温度180℃、反応時間30分)と同様にして芳香族ジカルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をジアミン基準の芳香族ジカルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例50;4,4’−メチレンジアニリン(収率:77%)
実施例51;2,4−ジアミノトルエン(収率:63%)
実施例52
撹拌装置を具備した10mL容積のオートクレーブに、アニリン(0.8mmol)、金属アルコキシド化合物であるジブチルスズジメトキシド(2.4mmol)及び溶媒として1、4−ジオキサン(3mL)を仕込んだ後、二酸化炭素ボンベから液化二酸化炭素(約0.5MPa)を充填し、密封した。その後、オートクレーブ内を攪拌しつつ150℃にまで加熱し、二酸化炭素をさらに充填することにより、内圧を5MPaに昇圧後、20分間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物を液体クロマトグラフィーにより分析した。アニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率は80%(=アニリン転化率84%×芳香族カルバミン酸エステル選択率95%)であった。
実施例53
金属アルコキシド化合物としてジブチルスズジメトキシドの代わりに、ジブチルスズジブトキシドを用いたこと以外は、実施例52と同様にして芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果、アニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率は35%であった。
実施例54〜55
原料及び反応条件は実施例52と同様にして、金属アルコキシド化合物であるジブチルスズジメトキシドの量が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例54;0.8mmol(収率:34%)
実施例55;1.6mmol(収率:68%)
実施例56〜59
原料及び反応条件は実施例52と同様にして、反応温度が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例56;100℃(収率: 1%)
実施例57;110℃(収率:10%)
実施例58;130℃(収率:37%)
実施例59;180℃(収率:72%)
実施例60〜62
原料及び反応条件は実施例52と同様にして、二酸化炭素の内圧が異なる条件で芳香族カルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果をアニリン基準の芳香族カルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例60; 1MPa(収率:68%)
実施例61; 2MPa(収率:77%)
実施例62;10MPa(収率:78%)
実施例63
アニリンの代わりに、2,4−ジアミノトルエンを用いたこと以外は、実施例52と同様にして芳香族ジカルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果、2,4−ジアミノトルエン基準の芳香族ジカルバミン酸エステルの収率は46%であった。
実施例64
原料及び反応条件は実施例63と同様にして、金属アルコキシド化合物であるジブチルスズジメトキシド(4.8mmol)で芳香族ジカルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果、2,4−ジアミノトルエン基準の芳香族ジカルバミン酸エステルの収率は65%であった。
実施例65
金属アルコキシド化合物としてジブチルスズジメトキシドの代わりに、ジブチルスズジブトキシドを用いたこと以外は、実施例63と同様にして芳香族ジカルバミン酸エステルの合成を行った。
その結果、2,4−ジアミノトルエン基準の芳香族ジカルバミン酸エステルの収率は44%であった。
実施例66
撹拌装置を具備した10mL容積のオートクレーブに、シクロヘキシルアミン(0.8mmol)、金属アルコキシド化合物であるテトラメトキシチタン(0.8mmol)及び溶媒としてアセトニトリル(3mL)を仕込んだ後、二酸化炭素ボンベから液化二酸化炭素(約3MPa)を充填し、密封した。その後、オートクレーブ内を攪拌しつつ150℃にまで加熱し、二酸化炭素をさらに充填することにより、内圧を5MPaに昇圧後、20分間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物を液体クロマトグラフィーにより分析した。シクロヘキシルアミン基準の脂肪族カルバミン酸エステルの収率は33%であった。
実施例67〜77(カルバミン酸エステルの合成及び使用済み金属アルコキシド化合物の金属アルコキシド化合物への変換・再利用)
Figure 0006270180
工程(イ):撹拌装置を具備した10mL容積のオートクレーブに、アニリン(0.8mmol)、金属アルコキシド化合物であるテトラブトキシチタン(0.8mmol)及び溶媒としてアセトニトリル(3mL)を仕込んだ後、二酸化炭素ボンベから液化二酸化炭素(約0.5MPa)を充填し、密封した。その後、オートクレーブ内を攪拌しつつ150℃にまで加熱し、二酸化炭素をさらに充填することにより、内圧を5MPaに昇圧後、20分間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物をNMR(メシチレン標準物質)により分析した。アニリン基準のカルバミン酸エステルの収率は50%であった。
工程(ロ):上記工程(イ)で得られた反応混合物にブタノール(20mL)を加えて、100mL容積のフラスコに移した。次に、ロータリー・エバポレーターを用いて室温で溶媒を含む低沸点物質を除去した。その後、100℃で減圧蒸留を行うことによりカルバミン酸エステルを分離して残留液を得た。
工程(ハ):上記工程(ロ)で得られた残留液にブタノール(50mL)を加えた。次に、フラスコ上部に水の除去をするためのディーン・スターク管を装着し、直管部分に枝のところまでトルエンを注入した。その後、160℃で24時間還流させた。冷却後、減圧蒸留により過剰のブタノールを除去し、黄色油状液体を得た。NMRによりチタンブトキシド化合物であることを確認した。
工程(二):上記工程(ハ)で得られたチタンブトキシド化合物を工程(イ)へ循環することで再利用した。その結果をアニリン基準のカルバミン酸エステルの収率(%)で示す。
実施例67;収率:50%(初回)
実施例68;収率:55%(再利用1回目)
実施例69;収率:53%(再利用2回目)
実施例70;収率:51%(再利用3回目)
実施例71;収率:50%(再利用4回目)
実施例72;収率:51%(再利用5回目)
実施例73;収率:52%(再利用6回目)
実施例74;収率:55%(再利用7回目)
実施例75;収率:55%(再利用8回目)
実施例76;収率:54%(再利用9回目)
実施例77;収率:52%(再利用10回目)

Claims (6)

  1. 二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させる工程を含前記金属アルコキシド化合物が下記一般式(II)で表される金属アルコキシド化合物及び下記一般式(III)で表わされる金属アルコキシド化合物よりなる群から選ばれるカルバミン酸エステルの製造方法。
    Figure 0006270180

    (式中、M 1 は周期律表第4族または第14族の金属原子を表す。R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 は同一であってもよいし異なっていてもよい。a、b、c及びdは各々0〜4の整数であり、a+b=0〜3、c+d=1〜4、a+b+c+d=4である。)

    Figure 0006270180

    (式中、M 2 及びM 3 は周期律表第4族または第14族の金属原子を表し、M 2 及びM 3 は同一であってもよいし異なっていてもよい。R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は同一であってもよいし異なっていてもよい。e、f、g及びhは各々0〜2の整数であり、i及びjは各々1〜3の整数であり、e+f=0〜2、g+h=0〜2、e+f+i=3、g+h+j=3である。)
  2. 前記アミンが下記一般式(I)で表される請求項1に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
    Figure 0006270180

    (式中、R1は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を、R2は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基、及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基又は水素を表す。)
  3. 二酸化炭素とアミンと金属アルコキシド化合物とを反応させ、カルバミン酸エステルを含有する反応混合物を生成させる工程と、
    前記反応混合物からカルバミン酸エステルを分離して残留液を得る工程と、
    前記残留液をアルコールと反応させて、金属アルコキシド化合物を再生する工程と、
    二酸化炭素とアミンと前記再生した金属アルコキシド化合物とを反応させる工程と
    を含む、請求項1に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
  4. 前記アルコールが下記一般式(IV)で表される請求項に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
    Figure 0006270180

    (式中、R13は炭化水素基を表す。)
  5. 前記残留液が金属−酸素結合または金属−窒素結合を有する周期律表第4族または第14族の金属化合物を含むものである請求項に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
  6. 前記金属アルコキシド化合物を再生する工程において、生成する水を反応系から除去しながら前記残留液とアルコールとの反応を行う請求項に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
JP2016506403A 2014-03-07 2015-02-13 カルバミン酸エステルの製造方法 Active JP6270180B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014045037 2014-03-07
JP2014045037 2014-03-07
PCT/JP2015/053954 WO2015133247A1 (ja) 2014-03-07 2015-02-13 カルバミン酸エステルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015133247A1 JPWO2015133247A1 (ja) 2017-04-06
JP6270180B2 true JP6270180B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=54055057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016506403A Active JP6270180B2 (ja) 2014-03-07 2015-02-13 カルバミン酸エステルの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6270180B2 (ja)
WO (1) WO2015133247A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10526287B2 (en) 2015-04-23 2020-01-07 Constellation Pharmaceuticals, Inc. LSD1 inhibitors and uses thereof
US20180346413A1 (en) * 2015-05-06 2018-12-06 Basf Se Process for preparing isocyanate compound
CN109641835B (zh) * 2016-09-02 2021-07-20 国立研究开发法人产业技术综合研究所 氨基甲酸酯的制造方法
CN109863137B (zh) 2016-10-26 2022-12-16 星座制药公司 Lsd1抑制剂及其医学用途
JP7458058B2 (ja) 2020-01-24 2024-03-29 国立研究開発法人産業技術総合研究所 カルバミン酸エステルの製造方法
EP4169901A1 (en) * 2020-06-05 2023-04-26 National Institute Of Advanced Industrial Science and Technology Carbamate production method, carbamate ester production method, and urea derivative production method
CN113201316B (zh) * 2021-04-25 2022-08-26 西南石油大学 温度/CO2/pH多重响应性乳化剂和乳状液及其应用
CN115703721A (zh) * 2021-08-09 2023-02-17 深圳有为技术控股集团有限公司 新型氨基甲酸酯化合物和其制备方法以及在制备异氰酸酯中的应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6469193B1 (en) * 1999-02-26 2002-10-22 University Of South Florida Efficient synthesis of alkyl carbonates
JP3543112B2 (ja) * 2001-01-18 2004-07-14 独立行政法人産業技術総合研究所 カルバミン酸エステルの製造方法
JP4235732B2 (ja) * 2002-11-28 2009-03-11 独立行政法人産業技術総合研究所 カルバミン酸エステルの製造方法
GB0522061D0 (en) * 2005-10-28 2005-12-07 Glaxo Group Ltd Chemical process
JP2012250930A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Showa Denko Kk カーバメートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015133247A1 (ja) 2015-09-11
JPWO2015133247A1 (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6270180B2 (ja) カルバミン酸エステルの製造方法
US8093435B2 (en) Reagent for organic synthesis and method of organic synthesis reaction with the reagent
JP2012250930A (ja) カーバメートの製造方法
Quaranta et al. The chemistry of N-CO 2 bonds: synthesis of carbamic acids and their derivatives, isocyanates, and ureas
JP5711350B1 (ja) アミンと二酸化炭素及びエポキシ化合物からの置換ウレア及びカルバメート類化合物の製造方法
JP5581324B2 (ja) N,n−ジアルキルラクタミドを製造する方法
JP6150347B2 (ja) アミノ基および/または水酸基を有する化合物の製造方法
JP2004262835A (ja) 芳香族イソシアネートの製造方法
Kaboudin et al. Calcium chloride as an efficient Lewis base catalyst for the one-pot synthesis of α-aminophosphonic esters
JPS6242896B2 (ja)
CN101245001A (zh) 氯代甲酸9-芴甲酯的合成方法
JP2004262834A (ja) 芳香族ウレタン化合物の製造方法
JP2012067030A (ja) クロロギ酸含フッ素アルキルの改良された製造方法
JP7458058B2 (ja) カルバミン酸エステルの製造方法
TW201900606A (zh) 異氰酸酯的製造方法
JP4521027B2 (ja) ジアルキルジカーボネートの製造方法
CN102659635B (zh) 一种制备甲苯二氨基甲酸丁酯的方法
EP3442941B1 (en) Process for preparation of carmustine
JP5434919B2 (ja) カルバメート化合物の製造方法
JP6980269B2 (ja) キラルロジウム錯体、及び光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法
KR20150134964A (ko) 디우레이도 화합물의 제조방법
JPS6312059B2 (ja)
JPH06128215A (ja) アルキル−n−アリ−ルカルバメ−トの製造法
KR100701743B1 (ko) 밤부테롤의 신규한 제조 방법
JP2007290987A (ja) クロロチオールホルメートの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20161111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6270180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250