JP6269544B2 - エンジン制御ユニットの監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン制御ユニットの監視装置に係る。特に、本発明は、燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する監視装置に関する。
従来、車両等に搭載されるエンジンでは、運転者の要求等に応じたエンジン出力を得るために燃料噴射量制御が行われている。この燃料噴射量制御は、エンジン制御ユニットによって行われる。エンジン制御ユニットは、演算処理を行うマイクロコンピュータと、インジェクタを駆動する電子駆動ユニット(EDU:Electric Driving Unit)とを備えている。
燃料噴射量制御では、マイクロコンピュータが、要求噴射量を演算すると共に、この要求噴射量を得るために必要なインジェクタ駆動電流の通電期間を演算する。この通電期間の情報がEDUに送信され、EDUは、その情報に応じた通電期間だけインジェクタに駆動電流を流す。これにより、インジェクタからの燃料噴射が実行される。
燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する監視装置として特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1では、インジェクタに流れる駆動電流を検出することで生成される噴射モニタ信号(パルス信号)をEDUからマイクロコンピュータに送信するようにしている。具体的には、前記駆動電流の上昇(EDUからの噴射指令信号のON)に応じて噴射モニタ信号を立ち下げ、駆動電流の下降(EDUからの噴射指令信号のOFF)に応じて噴射モニタ信号を立ち上げる。そして、この噴射モニタ信号が立ち下がったタイミング(燃料噴射開始時刻に略同期したタイミング)および噴射モニタ信号が立ち上がったタイミング(燃料噴射終了時刻に略同期したタイミング)から燃料噴射期間を算出する。そして、この算出された燃料噴射期間から求められる燃料噴射量(燃料噴射期間および燃料圧力から求められる燃料噴射量)と、要求されていた燃料噴射量とを比較することによって、燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視するようにしている。
特開2013−238203号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されている技術にあっては以下に述べる課題がある。
前述した監視(燃料噴射量制御が正常に行われているか否かの監視)を行う場合、この監視のために使用するマイクロコンピュータの入力ポートとしては少ない方が好ましい。つまり、マイクロコンピュータの1つの入力ポートのみを使用してEDUから噴射モニタ信号を受信する構成とすることが好ましい。
この場合、EDUからの噴射モニタ信号のレベル(以下、ポートレベルという)が変化した場合(噴射モニタ信号のエッジ割り込みコールが生じた場合)には、この噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)から、その噴射モニタ信号のポートレベルがHi(噴射モニタ信号の立ち上がり)またはLo(噴射モニタ信号の立ち下がり)の何れであるかを判別するまでに処理遅れが生じてしまう(エッジ割り込みコールの発生時点からポートレベル判別時点までの時間が処理遅れ時間となる)。このため、噴射モニタ信号のポートレベルが変化した後、短時間のうちにポートレベルが再び変化する状況が生じた場合であって、このポートレベルの変化時間(ポートレベルが変化した後、このポートレベルが再び変化するまでの時間)が前記処理遅れ時間よりも短い場合には、噴射モニタ信号のポートレベルを正確に判別することができなくなり、燃料噴射量を正確に算出することができなくなる可能性がある。以下、具体的に説明する。
図11は、従来技術において、短時間インターバルが生じている場合(燃料多段噴射を行う場合に燃料噴射停止期間が極端に短くなる噴射指令信号がEDUから出力されている場合)における噴射指令信号および噴射モニタ信号それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
この図11に示す波形では、図中のタイミングt1において、噴射指令信号がON(駆動電流の上昇)となり、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち下がっている。この際、このエッジ割り込みコールが生じた時点を記憶する。そして、このエッジ割り込みコールが生じた時点から処理遅れ時間をもって(図中のタイミングt2で)噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される。これにより、前記エッジ割り込みコールが生じた時点(前記記憶されている時点)が燃料噴射開始時刻として読み込まれる。また、図中のタイミングt3において、噴射指令信号がOFF(駆動電流の下降)となり、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち上がっている。この際、このエッジ割り込みコールが生じた時点を記憶する。そして、このエッジ割り込みコールが生じた時点から処理遅れ時間をもって(図中のタイミングt4で)噴射モニタ信号のポートレベルがHiであることが判別される。これにより、前記エッジ割り込みコールが生じた時点(前記記憶されている時点)が燃料噴射終了時刻として読み込まれる。なお、図中のタイミングt5においても前述と同様に噴射指令信号がONとなり、図中のタイミングt6で噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される。これにより、タイミングt5に対応するエッジ割り込みコールが生じた時点が燃料噴射開始時刻として読み込まれる。
そして、図中のタイミングt7からタイミングt8に示すように噴射指令信号がOFF(タイミングt7)となった後、短時間のうちに(前記処理遅れ時間よりも短い時間のうちに)噴射指令信号がON(タイミングt8)となって、短時間インターバルが生じる状況では、噴射モニタ信号が立ち上がった時点(タイミングt7で噴射指令信号がOFFとなったことに伴って噴射モニタ信号が立ち上がった時点)から処理遅れ時間を経過した時点(タイミングt9)では、既に噴射モニタ信号が立ち下がっている。このため、このタイミングt7に対応するエッジ割り込みコールに対しては噴射モニタ信号のポートレベルはLoであると判別されてしまうことになる。また、噴射モニタ信号が立ち下がった時点(タイミングt8で噴射指令信号がONとなったことに伴って噴射モニタ信号が立ち下がった時点)から処理遅れ時間を経過した時点(タイミングt10)でも噴射モニタ信号のポートレベルはLoであると判別されることになる。
燃料噴射動作にあっては、通常であれば燃料噴射開始時刻と燃料噴射終了時刻とが交互に現れるので、噴射モニタ信号のポートレベルはLoとHiとが交互に繰り返されることになる。しかしながら、前述したように、短時間インターバルが生じる状況では、連続するエッジ割り込みコールに対して、噴射モニタ信号のポートレベルがそれぞれLoであると判別されてしまう場合がある(タイミングt6、t9、t10を参照)。この場合、燃料噴射期間を正確に算出することができなくなって、燃料噴射量を正確に算出することができなくなる。例えば、タイミングt7に対応するエッジ割り込みコール時点を燃料噴射開始時刻と誤って読み込んでしまって、この燃料噴射開始時刻の情報と、タイミングt3に対応するエッジ割り込みコール時点の燃料噴射終了時刻の情報とを使用して燃料噴射量を算出してしまう可能性がある。このように燃料噴射量が正確に算出できない状況になると、燃料噴射量制御が正常に行われているにも拘わらず、燃料噴射量制御が正常に行われていないと誤判定してしまう可能性がある。
このような状況は、短時間インターバルが生じた場合に限らず、燃料噴射期間(燃料噴射開始から燃料噴射終了までの期間)が極端に短くなる(前記処理遅れ時間よりも短くなる)噴射指令信号がEDUから出力された場合においても同様に発生する可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、噴射モニタ信号のポートレベルが短時間のうちに変化する状況が生じた場合であっても燃料噴射量を正確に算出できるエンジン制御ユニットの監視装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、内燃機関の運転状態に応じて求められる要求燃料噴射量と、燃料噴射弁の駆動電流の通電期間から得られる噴射モニタ信号により算出されるモニタ噴射量とを比較することによって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視するエンジン制御ユニットの監視装置を前提とする。このエンジン制御ユニットの監視装置に対し、前記駆動電流が、前記燃料噴射弁の燃料噴射を実施する値と燃料噴射を停止する値との間で切り替わることに応じて、信号レベルがLoとHiとの間で切り替わる前記噴射モニタ信号を出力する噴射モニタ信号出力手段と、前記噴射モニタ信号出力手段からの前記噴射モニタ信号を受ける入力ポートを備えた中央処理装置とを備えさせる。また、前記中央処理装置に、時刻取得手段、ポートレベル検出手段、ポートレベル記憶手段、噴射量算出手段、および、監視手段を備えさせる。時刻取得手段は、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号の信号レベルであるポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった場合に、その時刻を取得する。ポートレベル検出手段は、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった場合に、その切り替わり後に処理時間遅れをもってポートレベルを検出する。ポートレベル記憶手段は、前記ポートレベル検出手段が前記切り替わり後のポートレベルを検出した際に、前記切り替わり後のポートレベルまたはそのポートレベルに対応して設定されるフラグ値を記憶する。噴射量算出手段は、前記時刻取得手段が取得した時刻および前記ポートレベル検出手段が検出したポートレベルから算出される噴射期間に基づいて前記モニタ噴射量を算出する。監視手段は、前記噴射量算出手段によって算出された前記モニタ噴射量と前記要求燃料噴射量とを比較することによって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する。そして、前記中央処理装置を、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルが、LoとHiとの間で切り替わった際、前記ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルと、前記ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたは前記フラグ値に対応するポートレベルとが異なる場合には、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用する時刻として確定する一方、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルが、LoとHiとの間で切り替わった後に、この噴射モニタ信号のポートレベルが再び切り替わるまでの時間が、前記処理遅れ時間よりも短いことに起因して、前記ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルと、前記ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたは前記フラグ値に対応するポートレベルとが一致している場合には、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用しない構成としている。
この特定事項により、中央処理装置の入力ポートが受けている噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった際、ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルが、ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたはフラグ値に対応するポートレベルと異なる場合には、時刻取得手段によって取得されている時刻を噴射期間の算出に使用する時刻として確定する。つまり、この噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった時点を、入力ポートが受けた噴射モニタ信号のポートレベルに応じて燃料噴射開始時刻または燃料噴射終了時刻として読み込む。そして、この読み込まれた時刻の複数(燃料噴射開始時刻および燃料噴射終了時刻)を使用して噴射期間を算出し、この噴射期間に基づいてモニタ噴射量を算出する。このモニタ噴射量が、燃料噴射量制御が正常に行われているか否かの監視に使用される。
一方、中央処理装置の入力ポートが受けている噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった際、ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルが、ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたはフラグ値に対応するポートレベルに一致している場合には、時刻取得手段によって取得されている時刻を噴射期間の算出に使用しない。つまり、この噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった時点を燃料噴射開始時刻および燃料噴射終了時刻として読み込むことはない。このため、噴射モニタ信号のポートレベルが短時間のうちに変化した場合であって、ポートレベルを判別するまでに処理遅れが生じていることに起因して、ポートレベル検出手段によってポートレベルが検出される時点で既にポートレベルが変化している状況が生じた場合には、前記時刻(燃料噴射開始時刻または燃料噴射終了時刻)の読み込み(噴射期間の算出に使用する時刻としての読み込み)を行わないことになる。これにより、噴射期間の算出に使用する時刻(時刻取得手段により取得されて噴射期間の算出に使用する時刻として確定された時刻)における噴射モニタ信号のポートレベルとしてはLoとHiとが交互に現れることになる。このため、連続して読み込まれる時刻それぞれの噴射モニタ信号のポートレベルが同一となることに起因して燃料噴射期間が正確に算出できなくなるといったことが回避される。このため、燃料噴射量を正確に算出することができ、誤判定を防止することができる。
また、中央処理装置としては、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用する時刻として確定した際、前記ポートレベル記憶手段が記憶するポートレベルまたはそのポートレベルに対応して設定されるフラグ値を切り替える構成とすることが好ましい。
これにより、ポートレベルまたはそのポートレベルに対応して設定されるフラグ値を適正値に設定しておくことができる。
本発明では、噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった際、検出されたポートレベルと、現在記憶されているポートレベルまたはフラグ値に対応するポートレベルとが異なる場合に限り、前記ポートレベルが切り替わった際の時刻を噴射期間の算出に使用するようにしている。このため、噴射モニタ信号のポートレベルが短時間のうちに変化した場合であっても、噴射期間の算出に使用する時刻における噴射モニタ信号のポートレベルとしてはLoとHiとが交互に現れることになり、燃料噴射量を正確に算出することができる。
実施形態に係るエンジン制御ユニットおよびエンジンの燃料供給系の構成を模式的に示す図である。 エンジン制御ユニットにおける燃料噴射量制御および燃料噴射監視に係る処理の流れを示す図である。 第1異常判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート図である。 実通電期間計測処理を実行するための構成を、噴射量換算処理および第2異常判定処理と共に示す機能ブロック図である。 短時間インターバルが生じていない場合における、クランク角信号、噴射指令信号、燃料噴射率、および、噴射モニタ信号それぞれの変化と、噴射時刻取得タイミングとの一例を示すタイミングチャート図である。 噴射量モニタ値算出ルーチンの処理手順を示すフローチャート図である。 通電モニタ期間INJMおよび噴射圧Pcrinjと噴射量モニタ値QMとの関係を示す図である。 第2異常判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート図である。 データ取得許可フラグ切替処理および噴射時刻読込処理の手順を示すフローチャート図である。 短時間インターバルが生じている場合における、クランク角信号、噴射指令信号、燃料噴射率、噴射モニタ信号、および、データ取得許可フラグそれぞれの変化と、噴射時刻取得タイミングとの一例を示すタイミングチャート図である。 従来技術において、短時間インターバルが生じている場合における噴射指令信号および噴射モニタ信号それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両に搭載されたディーゼルエンジン(内燃機関)のエンジン制御ユニットに本発明を適用した場合について説明する。
(エンジン制御ユニットおよび燃料供給系の全体構成)
図1は、本実施形態に係るエンジン制御ユニットおよびエンジンの燃料供給系の構成を模式的に示す図である。この図1に示すように、エンジンの燃料供給系には燃料ポンプ11が備えられている。この燃料ポンプ11は、燃料タンク10から汲み上げた燃料を加圧して吐出する。燃料ポンプ11には圧力調整弁(PCV)12が設けられている。このPCV12は、燃料ポンプ11から吐出する燃料の圧力を調整する。燃料ポンプ11が吐出した燃料は、コモンレール13に圧送され、このコモンレール13の内部に貯留される。コモンレール13に貯留された燃料は、各気筒のインジェクタ(燃料噴射弁)14に分配供給される。なお、コモンレール13には減圧弁15が設けられている。この減圧弁15の開弁時には、コモンレール13内部の燃料が燃料タンク10に戻されることにより、コモンレール13内部の燃料圧力(レール圧)が降下する。
前記燃料供給系を備えるエンジンは、エンジン制御ユニット20により制御される。エンジン制御ユニット20は、マイクロコンピュータ(中央処理装置)21、電子駆動ユニット(EDU)23および駆動回路24を備えている。マイクロコンピュータ21は、エンジン制御に係る各種演算処理を行う。EDU(噴射モニタ信号出力手段)23は、マイクロコンピュータ21からの指令に応じて各インジェクタ14を駆動する。駆動回路24は、マイクロコンピュータ21からの指令に応じてPCV12および減圧弁15を駆動する。
一方、エンジン制御ユニット20には、アクセルポジションセンサ26、水温センサ27、レール圧センサ28、クランク角センサ29などの各種センサからの検出信号が入力されている。アクセルポジションセンサ26は、アクセル操作量ACCPを検出する。水温センサ27は、エンジン水温THWを検出する。レール圧センサ28は、レール圧PCRを検出する。クランク角センサ29は、エンジン出力軸の回転に応じてパルス状のクランク角信号を出力する。なお、エンジン制御ユニット20にはADコンバータ(ADC)25が設けられている。アクセルポジションセンサ26、水温センサ27およびレール圧センサ28の各検出信号は、ADコンバータ25によってデジタル信号に変換されて、マイクロコンピュータ21に入力される。また、クランク角センサ29が出力するクランク角信号は、マイクロコンピュータ21に直接入力される。
以上のように構成されたエンジン制御ユニット20は、エンジン制御の一つとして、燃料噴射量制御を行う。次に、燃料噴射量制御の詳細を説明する。
(燃料噴射量制御)
図2(エンジン制御ユニットにおける燃料噴射量制御および燃料噴射監視に係る処理の流れを示す図)に示すように、マイクロコンピュータ21は、燃料噴射量制御に際して、燃料噴射量制御ルーチンR1の処理を行う。この燃料噴射量制御ルーチンR1では、インジェクタ駆動電流の通電期間τを算出するにあたり、要求噴射量演算処理P2、噴射量分割処理P3、通電期間演算処理P4の3つの処理が行われる。
要求噴射量演算処理P2は、エンジンの運転状態に応じて要求噴射量(要求燃料噴射量)Qfinを求める処理であって、エンジン回転速度NE、アクセル操作量ACCP等に基づいて、要求噴射量Qfinを演算する。この要求噴射量Qfinの演算に際しては、まず、エンジン回転速度NEおよびアクセル操作量ACCPからベース噴射量Qbseが算出される。ここでのベース噴射量Qbseの算出は、マイクロコンピュータ21に記憶されたベース噴射量算出用のマップに基づいて行われる。このマップには、エンジン回転速度NEおよびアクセル操作量ACCPと、ベース噴射量Qbseとの関係が記憶されている。そして、その演算したベース噴射量Qbseをエンジン水温THW等によって補正することで、要求噴射量Qfinが演算される。
なお、エンジン回転速度NEは、回転速度算出処理P1により算出されている。回転速度算出処理P1では、クランク角センサ29から入力されたクランク角信号に基づいて、エンジン回転速度NEの算出が行われる。
一方、噴射量分割処理P3では、要求噴射量Qfinが、パイロット噴射、メイン噴射、アフタ噴射の各噴射に割り振られる。これにより、各噴射の噴射量が決定される。なお、燃料噴射の分割数や各噴射の噴射量の分配比率は、そのときのエンジン運転状況に応じて定められる。
また、通電期間演算処理P4では、決定された噴射量が得られるように、各噴射のインジェクタ駆動電流の通電期間τが演算される。各噴射の通電期間τは、各噴射の噴射量とレール圧PCRとに基づき求められる。そして、マイクロコンピュータ21は、演算した各噴射の通電期間τをEDU23に指令する。
この指令を受けたEDU23は、指令された各噴射の通電期間τに基づき、噴射指令信号を生成する指令信号生成処理P5を行う。噴射指令信号は、通電期間の開始とともにインジェクタ14の電磁弁を開弁可能なレベルまで信号レベルが上がり、通電期間の終了に応じてその開弁を保持不能となるレベルまで信号レベルが下がるように生成される。そして、生成された噴射指令信号は、該当する(燃焼行程を迎えている)気筒のインジェクタ14に出力される。
また、EDU23は、各インジェクタ14の電磁弁に流れる電流を検出し、その結果から噴射モニタ信号を生成するモニタ信号生成処理P6も行っている。噴射モニタ信号は、インジェクタ14の電磁弁に通電される駆動電流の通電期間から得られるものであって、駆動電流が実際に通電されている期間(駆動電流が、インジェクタ14の燃料噴射を実施する値となっている期間)は信号レベルが「Lo」となり、通電がなされていない期間(駆動電流が、インジェクタ14の燃料噴射を停止する値となっている期間)は信号レベルが「Hi」となるパルス状の信号として生成されている。生成された噴射モニタ信号は、マイクロコンピュータ21の1つの入力ポート(割り込みポート)Port1に入力される。
(噴射圧制御)
次に、前述した燃料噴射量制御に付随して行われる噴射圧制御について説明する。
マイクロコンピュータ21は、前記回転速度算出処理P1で算出されたエンジン回転速度NEと、前記要求噴射量演算処理P2で演算された要求噴射量Qfinとに基づいて、目標レール圧を算出する目標レール圧算出処理P7を行う。そして、マイクロコンピュータ21は、算出した目標レール圧と、レール圧センサ28により検出された実際のレール圧PCRとに基づいて、ポンプフィードバック(F/B)制御処理P8と減圧弁制御処理P9とを実施する。
ポンプF/B制御処理P8では、目標レール圧と実際のレール圧PCRとの偏差に応じてPCV12の目標開度が演算される。演算された目標開度は、駆動回路24に出力される。そして、駆動回路24が、目標開度が得られるようにPCV12を駆動することで、燃料ポンプ11の吐出圧が調整される。
また、減圧弁制御処理P9では、実際のレール圧PCRが目標レール圧よりも高いときに、減圧弁15の作動指令が駆動回路24に出力される。駆動回路24は、この作動指令の入力に伴って減圧弁15を作動させて、コモンレール13から燃料を排出させることで、レール圧PCRを降下させる。
一方、マイクロコンピュータ21は、前記燃料噴射量制御と並行して、その制御が正常に行われているか否かを常時監視している。本実施形態では、こうした燃料噴射量制御の監視を、次の2つの監視ルーチンの処理を通じて行っている。すなわち、燃料噴射量制御ルーチンR1の要求噴射量Qfinの演算機能を監視する第1監視ルーチンR2と、要求噴射量Qfinに基づくインジェクタ14の駆動機能を監視する第2監視ルーチンR3とにより、燃料噴射量制御の監視が行われている。
(第1監視ルーチン)
第1監視ルーチンR2では、要求噴射量Qfinの演算値と、その演算に使用されたエンジン運転状態の検出値(エンジン回転速度NE、アクセル操作量ACCP、エンジン水温THW)とに基づいて、要求噴射量Qfinの演算が正常に行われたか否かが判定される。
図2に示すように、第1監視ルーチンR2は、噴射量モニタ値算出処理P10と第1異常判定処理P11との2つの処理を通じて行われる。
噴射量モニタ値算出処理P10では、エンジン回転速度NEとアクセル操作量ACCPとエンジン水温THWとに基づいて要求噴射量(要求噴射量モニタ値Qfinm)の算出が行われる。また、第1異常判定処理P11では、前記要求噴射量モニタ値Qfinmと前記要求噴射量Qfinとの比較により、要求噴射量Qfinの演算が正常に行われたか否かが判定される。前記要求噴射量モニタ値Qfinmの算出は、マイクロコンピュータ21に記憶された噴射量モニタ値算出用のマップに基づいて行われる。
第1異常判定処理P11は、図3に示す第1異常判定ルーチンの処理を通じて行われる。
図3に示すように、ステップST1において、前記要求噴射量Qfinが読み込まれる。そして、ステップST2において、前記要求噴射量モニタ値Qfinmと要求噴射量Qfinとの比較が行われる。本実施形態では、要求噴射量Qfinが過剰となる場合のみをフェールセーフ処理が必要な異常としている。そのため、ここでは、要求噴射量Qfinが、要求噴射量モニタ値Qfinmよりも既定値α以上大きい(Qfin≧Qfinm+α)場合に、それらの乖離が生じたと判定している。
ステップST2でNO判定されると、ステップST3において、この乖離が生じた状態の継続期間を示す異常検出カウンタC1の値がクリアされた後、リターンされる。
ステップST2でYES判定されると、ステップST4において、異常検出カウンタC1のカウントアップが行われる。そして、ステップST5において、異常検出カウンタC1が予め規定された異常判定値β以上であるか否かが判定される。ステップST5でNO判定されると、そのままリターンされる。
一方、ステップST5でYES判定されると、ステップST6において、噴射量演算機能異常フラグがセットされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。この際、マイクロコンピュータ21は、フェールセーフ処理として、要求噴射量Qfinの演算を停止し、この要求噴射量Qfinを予め規定された値に固定する。
(第2監視ルーチン)
次に、第2監視ルーチンR3の処理の詳細を説明する。第2監視ルーチンR3では、インジェクタ14から実際に噴射された燃料の量(実燃料噴射量;本発明でいうモニタ噴射量)と、燃料噴射量制御ルーチンR1が演算した要求噴射量Qfinとを比較する。これにより、要求噴射量Qfinの演算結果に基づくインジェクタ14の駆動が正常に行われたか否かが判定される。つまり、この第2監視ルーチンR3によって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かが監視されることになる。
図2に示すように、第2監視ルーチンR3は、実通電期間計測処理P20、噴射量換算処理P21および第2異常判定処理P22の3つの処理により構成されている。実通電期間計測処理P20では、EDU23から入力された前記噴射モニタ信号に基づいて、インジェクタ14の駆動電流の通電期間が計測される。噴射量換算処理P21では、その計測された通電期間から、インジェクタ14の実燃料噴射量(前記モニタ噴射量)が算出される。第2異常判定処理P22では、算出された実燃料噴射量と、燃料噴射量制御ルーチンR1で演算された要求噴射量Qfinとの比較により、要求噴射量Qfinに基づくインジェクタ14の駆動が正常に行われたか否か、つまり、燃料噴射量制御が正常に行われているか否かが判定される。
まず、実通電期間計測処理P20の詳細を説明する。
図4は、実通電期間計測処理P20を実行するための構成を、噴射量換算処理P21および第2異常判定処理P22と共に示す機能ブロック図である。この図4に示すように、実通電期間計測処理P20では、時刻取得処理P20a、ポートレベル検出処理P20b、および、ポートレベル記憶処理P20cの各処理が行われる。
時刻取得処理P20aは、マイクロコンピュータ21の1つの入力ポートPort1が受けている前記噴射モニタ信号の信号レベル(ポートレベル)がLoとHiとの間で切り替わった場合に(噴射モニタ信号のエッジ割り込みコールが生じた場合に)、その時刻を取得する処理である。この時刻取得処理P20aの詳細については後述する。マイクロコンピュータ21において、この時刻取得処理P20aを実行する処理部分が本発明でいう時刻取得手段に相当することになる。
ポートレベル検出処理P20bでは、前記入力ポートPort1が受けている噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった場合に(噴射モニタ信号のエッジ割り込みコールが生じた場合に)、その切り替わり後のポートレベルを検出する処理である。実際には、前述したように1つの入力ポートPort1で噴射モニタ信号を受けているため、噴射モニタ信号のエッジ割り込みコールが生じた後、噴射モニタ信号のポートレベルがLoであるのかHiであるのかを判別するのに要する処理遅れがある。このため、ポートレベル検出処理P20bでは、この処理遅れの後にポートレベルが検出(ポートレベルが判別)されることになる。マイクロコンピュータ21において、このポートレベル検出処理P20bを実行する処理部分が本発明でいうポートレベル検出手段に相当することになる。
ポートレベル記憶処理P20cは、前記入力ポートPort1が受けている噴射モニタ信号のポートレベルを記憶する処理であって、前記ポートレベル検出処理P20bで前記切り替わり後のポートレベルが検出された際に、前記切り替わり後のポートレベルを記憶する処理である。本実施形態では、このポートレベルをそのまま記憶するのではなく、このポートレベルに応じてONとOFFとが切り替わる(ポートレベルに対応して設定されるフラグ値がONとOFFとで切り替わる)データ取得許可フラグを記憶することで、ポートレベルの記憶に代用させている。このデータ取得許可フラグ、このフラグの切り替え動作、このフラグを使用したデータ読み込み動作(燃料噴射開始時刻および燃料噴射終了時刻のデータの読み込み動作)については後述する。マイクロコンピュータ21において、このポートレベル記憶処理P20cを実行する処理部分が本発明でいうポートレベル記憶手段に相当することになる。
ここで燃料噴射開始時刻および燃料噴射停止時刻を読み込む処理(噴射時刻読み込み処理)の基本動作について説明する。
図5は、燃料噴射時におけるクランク角信号、噴射指令信号、燃料噴射率、および、噴射モニタ信号それぞれの変化と、噴射時刻取得タイミングとの一例(後述する短時間インターバルが生じていない場合)を示すタイミングチャート図である。
この図5に示すように、各燃料噴射時において、EDU23がインジェクタ14に出力する噴射指令信号の信号レベルが立ち上がると、それに若干遅れてインジェクタ14の電磁弁に流れる駆動電流が同電磁弁を開弁可能なレベルまで上昇して、燃料噴射が開始される。そして、このときの駆動電流の上昇に応じて、EDU23が生成する噴射モニタ信号が立ち下げられる。その後、噴射指令信号の信号レベルが立ち下がると、それに若干遅れてインジェクタ14の電磁弁への駆動電流の通電が停止され、インジェクタ14からの燃料噴射が停止される。そして、このときの駆動電流の通電停止に応じて、噴射モニタ信号が立ち上げられる。
前記時刻取得処理P20aでは、こうした噴射モニタ信号の立ち下がり、および立ち上がりに応じた割り込み処理として、噴射時刻の取り込みを行う。また、ポートレベル検出処理P20bでは、噴射モニタ信号が立ち上がりと立ち下がりとの間で切り替わった際に、その切り替わり後のポートレベルが検出される。これにより、噴射モニタ信号が立ち下がったタイミングを燃料噴射開始時刻として読み込み、噴射モニタ信号が立ち上がったタイミングを燃料噴射停止時刻として読み込む。
具体的には、噴射指令信号がONとなった場合、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち下がる。この際、このエッジ割り込みコールが生じた時点を記憶する(この時点では噴射モニタ信号のポートレベルが判別されていないため、燃料噴射開始時刻であるのか燃料噴射終了時刻であるのかは確定されない)。そして、このエッジ割り込みコールが生じた時点から処理遅れ時間をもって噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される。これにより、前記エッジ割り込みコールが生じた時点(前記記憶されている時点)が燃料噴射開始時刻として読み込まれる。
また、噴射指令信号がOFFとなった場合、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち上がる。この際、このエッジ割り込みコールが生じた時点を記憶する(この時点では噴射モニタ信号のポートレベルが判別されていないため、燃料噴射開始時刻であるのか燃料噴射終了時刻であるのかは確定されない)。そして、このエッジ割り込みコールが生じた時点から処理遅れ時間をもって噴射モニタ信号のポートレベルがHiであることが判別される。これにより、前記エッジ割り込みコールが生じた時点(前記記憶されている時点)が燃料噴射終了時刻として読み込まれる。
そして、マイクロコンピュータ21は、各噴射の開始および終了の時刻から、各噴射における駆動電流の通電期間を通電モニタ期間INJMとして算出する。
なお、本実施形態では、マイクロコンピュータ21は、こうした各噴射の開始および終了の時刻の読み込みと同時に、インジェクタ14に供給される燃料の圧力(レール圧PCR)の取り込みも行っている。ここでは、各噴射の終了時に取り込まれたレール圧PCRを、各噴射の噴射圧Pcrinjとして取得している。
一方、本実施形態では、噴射量換算処理P21および第2異常判定処理P22は、クランク角割り込み処理として、燃料噴射の終了後の所定の時期に実施されている。
次に、噴射量換算処理P21の詳細を説明する。噴射量換算処理P21では、前記実通電期間計測処理P20によって計測された駆動電流の通電期間(前記時刻取得処理P20aによって取得された時刻および前記ポートレベル検出処理P20bによって検出されたポートレベルから算出される噴射期間)に基づいて前記モニタ噴射量を算出する。この噴射量換算処理P21を実行する処理部分が本発明でいう噴射量算出手段に相当する。この噴射量換算処理P21では、具体的には、図6に示す噴射量モニタ値算出ルーチンの処理を通じて行われる。同ルーチンの処理は、マイクロコンピュータ21により、インジェクタ14からの一連の燃料噴射の終了後に、クランク角割り込み処理として実施される。
図6に示すように、本ルーチンの処理が開始されると、まずステップST11において、各噴射の通電モニタ期間INJMと噴射圧Pcrinjとに基づいて、各噴射の噴射量が噴射量モニタ値QMとして算出される。なお、マイクロコンピュータ21には、図7に示すような通電モニタ期間INJMおよび噴射圧Pcrinjと、噴射量モニタ値QMとの関係を示す算出マップが記憶されている。そして、ここでの噴射量モニタ値QMの算出は、この算出マップを参照して行われる。
続いて、ステップST12において、各噴射の噴射量モニタ値QMの合計が、総噴射量モニタ値ΣQMに設定される。そして、その後、今回の本ルーチンの処理が終了される。なお、こうして求められた総噴射量モニタ値ΣQMは、今回の一連の燃料噴射(パイロット噴射からアフタ噴射までの燃料噴射)において、インジェクタ14から実際に噴射された燃料の総量を示している。
次に、第2異常判定処理P22の詳細を説明する。第2異常判定処理P22では、前記モニタ噴射量と前記要求噴射量Qfinとを比較することによって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する。この第2異常判定処理P22を実行する処理部分が本発明でいう監視手段に相当する。この第2異常判定処理P22では、具体的には、図8に示す第2異常判定ルーチンの処理を通じて行われる。同ルーチンの処理は、マイクロコンピュータ21により、上述の噴射量モニタ値算出ルーチンの処理に引き続いて実行される。
図8に示すように、本ルーチンの処理が開始されると、まずステップST21において、噴射量換算処理P21で算出された総噴射量モニタ値ΣQMと、燃料噴射量制御ルーチンR1で演算された要求噴射量Qfinとが乖離しているか否かが判定される。なお、本実施形態では、総噴射量モニタ値ΣQMが過剰となる場合のみをフェールセーフ処理が必要な異常としている。そのため、ここでは、総噴射量モニタ値ΣQMが要求噴射量Qfinよりも既定値α以上大きい場合に、それらの乖離が生じたと判定している。
ここで、乖離が生じていなければ(ステップST21でNO判定)、ステップST22において、異常検出カウンタC2の値がクリアされた後、リターンされる。なお、異常検出カウンタC2の値は、一定の時間毎に自動的にカウントアップされる。したがって、異常検出カウンタC2の値は、総噴射量モニタ値ΣQMと要求噴射量Qfinとが乖離した状態の継続に応じて、次第に大きくなる。
これに対して、総噴射量モニタ値ΣQMと要求噴射量Qfinとが乖離していると判定されたときには(ステップST21でYES判定)、ステップST23において、異常検出カウンタC2が予め規定された異常判定値γ以上であるか否かが判定される。ここで、異常検出カウンタC2が異常判定値γ未満であれば(ステップST23でNO判定)、そのままリターンされる。
一方、異常検出カウンタC2が異常判定値γ以上であれば(ステップST23でYES判定)、ステップST24において、通電期間演算機能異常フラグがセットされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。なお、通電期間演算機能異常フラグがセットされると、マイクロコンピュータ21は、フェールセーフ処理として、異常が生じた気筒を休止、すなわちその気筒の燃料噴射を停止する。
(データ取得許可フラグ)
本実施形態の特徴として、マイクロコンピュータ21には前記データ取得許可フラグが記憶されている。このデータ取得許可フラグは、後述するように噴射モニタ信号に基づく噴射開始時刻および噴射終了時刻それぞれの読み込みの許可および不許可を規定するために設けられたフラグである。
前述したように、EDU23からの噴射モニタ信号は、マイクロコンピュータ21の1つの入力ポートPort1に入力されるようになっている。このため、EDU23からの噴射モニタ信号のポートレベルが変化した場合(噴射モニタ信号のエッジ割り込みコールが生じた場合)には、このEDU23から噴射モニタ信号を受信した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)から、その噴射モニタ信号のポートレベルがHi(噴射モニタ信号の立ち上がり)またはLo(噴射モニタ信号の立ち下がり)の何れであるかを判別するまでに処理遅れが生じることになる(エッジ割り込みコールの発生時点からポートレベル判別時点までの時間が処理遅れ時間となる)。
従来技術にあっては、前述したように、噴射モニタ信号のポートレベルが変化した後、短時間のうちにポートレベルが再び変化する状況が生じた場合であって、このポートレベルの変化時間(ポートレベルが変化した後、ポートレベルが再び変化するまでの時間)が前記処理遅れ時間よりも短い場合には、噴射モニタ信号のポートレベルを正確に判別することができなくなり、燃料噴射量を正確に算出することができなくなる可能性があった。
この点に鑑み、本実施形態では、マイクロコンピュータ21にデータ取得許可フラグを記憶させておくと共に、実通電期間計測処理P20のポートレベル記憶処理P20cによってデータ取得許可フラグの切り替え動作および記憶動作を行わせ、このデータ取得許可フラグの状態(ON状態またはOFF状態)に応じて噴射モニタ信号に基づく噴射開始時刻および噴射終了時刻それぞれの読み込みの許可および不許可を規定するようにしている。以下、具体的に説明する。
前記データ取得許可フラグは、前記噴射モニタ信号のポートレベルがHiであるのかLoであるのかが判別された時点(前記処理遅れ時間が経過して噴射モニタ信号のポートレベルが判別された時点)で、そのポートレベルに応じてONとOFFとが切り替えられるものとなっている。具体的には、噴射モニタ信号のポートレベルがHiからLoに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグはOFFからONに切り替わる。また、噴射モニタ信号のポートレベルがLoからHiに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグはONからOFFに切り替わる。
このため、データ取得許可フラグがOFFとなっている状態において、噴射モニタ信号のポートレベルがLoであると判別された時点(ポートレベルがHiからLoに切り替わった時点)でデータ取得許可フラグはONとなる。また、データ取得許可フラグがONとなっている状態において、噴射モニタ信号のポートレベルがHiであると判別された時点(ポートレベルがLoからHiに切り替わった時点)でデータ取得許可フラグはOFFとなる。
つまり、燃料噴射の切り替え状態が、燃料噴射停止から燃料噴射開始に切り替えられることで噴射モニタ信号のポートレベルがLoとなった際に、データ取得許可フラグがOFFであった場合には、このデータ取得許可フラグがOFFからONに切り替わるようになっている。そして、このようにしてデータ取得許可フラグがOFFからONに切り替わった場合に、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)が燃料噴射開始時刻として認識される。
このため、噴射モニタ信号のポートレベルがLoとなったとしても、データ取得許可フラグがONであった場合には、このデータ取得許可フラグは切り替わることはなく、この場合には、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化していても燃料噴射開始時刻とは認識しないようにしている。つまり、前記時刻取得処理P20aで取得されている時刻を燃料噴射開始時刻とはせず、この時刻を、前記駆動電流の通電期間の算出には使用しないようにしている。
また、燃料噴射の切り替え状態が、燃料噴射状態から燃料噴射終了に切り替えられることで噴射モニタ信号のポートレベルがHiとなった際に、データ取得許可フラグがONであった場合には、このデータ取得許可フラグがONからOFFに切り替わるようになっている。そして、このようにしてデータ取得許可フラグがONからOFFに切り替わった場合に、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)が燃料噴射終了時刻として認識される。
このため、噴射モニタ信号のポートレベルがHiとなったとしても、データ取得許可フラグがOFFであった場合には、このデータ取得許可フラグは切り替わることはなく、この場合には、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化していても燃料噴射終了時刻とは認識しないようにしている。つまり、前記時刻取得処理P20aで取得されている時刻を燃料噴射終了時刻とはせず、この時刻を、前記駆動電流の通電期間の算出には使用しないようにしている。
このように、前記入力ポートPort1が受けている噴射モニタ信号のポートレベルが、LoとHiとの間で切り替わった際、ポートレベル検出処理P20bによって検出されたポートレベルと、前記ポートレベル記憶処理P20cによって現在記憶されているデータ取得許可フラグに対応するポートレベルとが異なる場合に限り(ポートレベルがLoとなった際に、データ取得許可フラグがポートレベルHiに対応するOFFであった場合、および、ポートレベルがHiとなった際に、データ取得許可フラグがポートレベルLoに対応するONであった場合に限り)、前記時刻取得処理P20aにより取得されている時刻を燃料噴射開始時刻または燃料噴射終了時刻として読み込むことで噴射期間の算出に使用する時刻として確定するようにしている。
(フラグ切替処理および噴射時刻読込処理)
次に、前記データ取得許可フラグの切替処理および噴射時刻読込処理の手順について図9のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップST31において、噴射モニタ信号のポートレベルが変化したか否か(エッジ割り込みコールが生じたか否か)が判定される。噴射モニタ信号のポートレベルが変化しておらずステップST31でNO判定された場合には、データ取得許可フラグの切り替えおよび噴射時刻の読み込みの何れも実行せずリターンされる。
噴射モニタ信号のポートレベルが変化し、ステップST31でYES判定された場合には、ステップST32で、噴射モニタ信号のポートレベルが判別されたか否か、すなわち、前記処理遅れ時間が経過して噴射モニタ信号のポートレベルが判別されたか否かが判定される。未だ噴射モニタ信号のポートレベルが判別されておらず、ステップST32でNO判定された場合には、噴射モニタ信号のポートレベルが判別されるのを待つ。
前記の処理遅れ時間が経過して噴射モニタ信号のポートレベルが判別され、ステップST32でYES判定された場合には、ステップST33に移り、その判別されたポートレベルがLo(噴射モニタ信号の立ち下がり)であるか否かが判定される。判別されたポートレベルがLoであり、ステップST33でYES判定された場合には、ステップST34に移る。一方、判別されたポートレベルがHiであり、ステップST33でNO判定された場合には、ステップST35に移る。
ステップST34では、以下の(1)〜(3)の全ての条件が満たされているか否かが判定される。
(1)クランク角度位置が噴射領域内であること。
(2)通電遮断がOFFとなっていること。
(3)データ取得許可フラグがOFFであること。
条件(1)は、現在のクランク角度位置が、対象とする気筒のインジェクタ14の燃料噴射期間にある場合に成立する。条件(2)はインジェクタ14への通電が禁止(通電遮断;例えばアクセルOFFによるフューエルカット)となっている制御状態にない場合に成立する。
これら(1)〜(3)の条件が満たされており、ステップST34でYES判定された場合には、ステップST36に移り、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)を燃料噴射開始時刻として読み込む。また、データ取得許可フラグをOFFからONに切り替える。その後、リターンされる。
一方、前記条件の何れかが満たされておらず、ステップST34でNO判定された場合には、データ取得許可フラグの切り替えおよび噴射時刻の読み込みの何れも実行せずリターンされる。
また、ステップST35では、データ取得許可フラグがONであるか否かが判定される。データ取得許可フラグがONとなっており、ステップST35でYES判定された場合には、ステップST37に移り、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)を燃料噴射終了時刻として読み込む。また、データ取得許可フラグをONからOFFに切り替える。その後、リターンされる。
一方、データ取得許可フラグがOFFとなっており、ステップST35でNO判定された場合には、データ取得許可フラグの切り替えおよび噴射時刻の読み込みの何れも実行せずリターンされる。
このような噴射時刻読込処理が行われるため、EDU23(特に、モニタ信号生成処理P6を実行する処理部分)、マイクロコンピュータ21(特に、実通電期間計測処理P20、噴射量換算処理P21および第2異常判定処理P22を実行する処理部分)によって本発明に係るエンジン制御ユニットの監視装置が構成される。この監視装置は、クランク角、アクセル操作量、エンジン水温、レール圧の各信号を入力信号として受信する。また、この監視装置は、燃料噴射量制御が正常に行われているか否かの監視結果信号を出力信号として出力する(例えば図示しないダイアグノーシスに監視結果を書き込む)構成となっている。
(短時間インターバル発生時)
次に、前述の如くデータ取得許可フラグの切替処理および噴射時刻読込処理が行われる場合において、短時間インターバルが生じた場合(燃料噴射停止期間が極端に短くなる噴射指令信号がEDU23から出力された場合)について説明する。
図10は、短時間インターバルが生じた場合における、クランク角信号、噴射指令信号、燃料噴射率、噴射モニタ信号、および、データ取得許可フラグそれぞれの変化と、噴射時刻取得タイミングとの一例を示すタイミングチャート図である。
このタイミングチャートでは、2回のパイロット噴射(第1パイロット噴射および第2パイロット噴射)、メイン噴射、アフタ噴射が順に実行される場合において、メイン噴射とアフタ噴射との間に短時間インターバルが生じる噴射指令信号がEDU23から出力された場合を示している。
この図10に示す波形では、図中のタイミングT1において、噴射指令信号がON(第1パイロット噴射を開始するために噴射指令信号がON;駆動電流の上昇)となり、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち下がっている。この際、この噴射モニタ信号が立ち下がった時点を記憶する。そして、この噴射モニタ信号が立ち下がった時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)から処理遅れ時間をもって(図中のタイミングT2で)噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される(図9のフローチャートにおけるステップST33でYES判定)。この噴射モニタ信号のポートレベルがLoと判定されるまでの(直前の)データ取得許可フラグはOFFとなっているので(図9のフローチャートにおけるステップST34でYES判定)、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)を燃料噴射開始時刻として読み込む。また、データ取得許可フラグをOFFからONに切り替える(図9のフローチャートにおけるステップST36)。
また、図中のタイミングT3において、噴射指令信号がOFF(第1パイロット噴射を停止するために噴射指令信号がOFF;駆動電流の下降)となり、これに伴って(僅かな時間遅れをもって)噴射モニタ信号が立ち上がっている。この際、この噴射モニタ信号が立ち上がった時点を記憶する。そして、この噴射モニタ信号が立ち上がった時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)から処理遅れ時間をもって(図中のタイミングT4で)噴射モニタ信号のポートレベルがHiであることが判別される(図9のフローチャートにおけるステップST33でNO判定)。この噴射モニタ信号のポートレベルがHiと判定されるまでの(直前の)データ取得許可フラグはONとなっているので(図9のフローチャートにおけるステップST35でYES判定)、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化した時点(エッジ割り込みコールが生じた時点)を燃料噴射終了時刻として読み込む。また、データ取得許可フラグをONからOFFに切り替える(図9のフローチャートにおけるステップST37)。
このようにして燃料噴射開始時刻および燃料噴射終了時刻の読み込みが行われることによって第1パイロット噴射の噴射期間が算出されることになる。
また、第2パイロット噴射においても同様である。つまり、図中のタイミングT5において噴射指令信号がONとなり、図中のタイミングT6で噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される。これにより、タイミングt5に対応するエッジ割り込みコールが生じた時点が燃料噴射開始時刻として読み込まれる。また、図中のタイミングT7において噴射指令信号がOFFとなり、図中のタイミングT8で噴射モニタ信号のポートレベルがHiであることが判別される。これにより、タイミングT7に対応するエッジ割り込みコールが生じた時点が燃料噴射終了時刻として読み込まれる。メイン噴射にあっては、図中のタイミングT9において噴射指令信号がONとなり、図中のタイミングT10で噴射モニタ信号のポートレベルがLoであることが判別される。これにより、タイミングT9に対応するエッジ割り込みコールが生じた時点が燃料噴射開始時刻として読み込まれる。
そして、この波形では、メイン噴射の終了時刻(図中のタイミングT11)とアフタ噴射の開始時刻(図中のタイミングT12)との間のインターバルが短く、短時間インターバルが生じる噴射指令信号がEDU23から出力されている。つまり、噴射指令信号がOFFとなった後、短時間のうちにONとなって、短時間インターバルが生じている。この場合、噴射モニタ信号が立ち上がったタイミング(タイミングT11で噴射指令信号がOFFとなったことに伴って噴射モニタ信号が立ち上がったタイミング)から処理遅れ時間を経過した時点(タイミングT13)では、既に噴射モニタ信号が立ち下がっており、噴射モニタ信号のポートレベルはLoであると判別されてしまうことになる(図9のフローチャートにおけるステップST33でYES判定)。この場合、本実施形態では、データ取得許可フラグがOFFでない限り(図9のフローチャートにおけるステップST34でYES判定されない限り)燃料噴射時刻の読み込みは行われないことになる。また、データ取得許可フラグはONに維持される。
つまり、短時間インターバルが生じている場合には、この短時間インターバルが生じていることに伴う噴射モニタ信号による燃料噴射時刻の読み込みは行われないことになる。
同様に、噴射モニタ信号が立ち下がったタイミング(タイミングT12で噴射指令信号がONとなったことに伴って噴射モニタ信号が立ち下がったタイミング)から処理遅れ時間を経過した時点(タイミングT14)でも噴射モニタ信号のポートレベルはLoであると判別されることになる(図9のフローチャートにおけるステップST33でYES判定)。前述したように、本実施形態では、データ取得許可フラグがOFFでない限り(図9のフローチャートにおけるステップST34でYES判定されない限り)燃料噴射時刻の読み込みは行われないことになる。また、データ取得許可フラグはONに維持される。従って、この場合にも、短時間インターバルが生じている場合には、この短時間インターバルが生じていることに伴う噴射モニタ信号による燃料噴射時刻の読み込みは行われないことになる。
なお、アフタ噴射にあっては、図中のタイミングT15において噴射指令信号がOFFとなり、図中のタイミングT16で噴射モニタ信号のポートレベルがHiであることが判別される。これにより、タイミングT15に対応するエッジ割り込みコールが生じた時点が燃料噴射終了時刻として読み込まれる。
従来技術にあっては、短時間インターバルが生じている場合に、この短時間インターバルが生じていることに伴う噴射モニタ信号の変化を認識するようにしていたため、噴射モニタ信号のポートレベルがLoであると判別されることが繰り返されることになって、燃料噴射期間を正確に算出することができず、燃料噴射量を正確に算出することができない可能性があった。
本実施形態では、マイクロコンピュータ21の入力ポートPort1が受けている噴射モニタ信号のポートレベルがLoであると判別されたとしても、データ取得許可フラグがONであった場合には燃料噴射時刻の読み込みは行わないようにしている。このため、短時間インターバルが生じている場合であっても、噴射期間の算出に使用する時刻(噴射期間の算出に使用する時刻として確定された時刻)における噴射モニタ信号のポートレベルとしてはLoとHiとが交互に現れることになる(図10におけるタイミングT2、T4、T6、T8、T10、T16の順でポートレベルとしてはLoとHiとが交互に現れることになる)。このため、連続して読み込まれる時刻それぞれの噴射モニタ信号のポートレベルが同一となることに起因して燃料噴射期間が正確に算出できなくなるといったことが回避される。その結果、燃料噴射量を正確に算出することができ、誤判定を防止することができる。
また、短時間インターバルが生じた場合、インジェクタ14内部のニードルは、噴射位置(後退位置)から噴射停止位置(前進位置)に向けて移動を開始したとしても、噴射停止位置に達するまでに噴射位置に向けての移動が開始されることになる。つまり、燃料噴射は停止されることなく継続されている可能性が高い。このため、短時間インターバルが生じたとしても、このインターバル期間にあっては、燃料噴射は停止しておらず、継続した燃料噴射が行われている。本実施形態では、前述したように短時間インターバルでの燃料噴射開始時刻および燃料噴射終了時刻の読み込みを行わないことで、この短時間インターバルにおいて燃料噴射が継続されたとみなして燃料噴射量を算出することができる。これによっても、燃料噴射量を正確に算出することができる。
また、本実施形態では、マイクロコンピュータ21の1つの入力ポートPort1のみを使用しながらも燃料噴射量制御の監視を正確に行うことができる。また、インジェクタ14の駆動が正常に行われているか否かを監視するための構成として、インジェクタ14の作動状態を直接的に検出する手段(例えばインジェクタ14内のニードルの位置を検出するセンサ等)が必要ないため、この監視のための構成の簡素化が図れる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、ポートレベル記憶処理P20cにおいて記憶する情報としてはデータ取得許可フラグとしていた。本発明はこれに限らず、ポートレベル検出処理P20bで切り替わり後のポートレベルが検出された際に、その切り替わり後のポートレベルをそのまま記憶するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、噴射モニタ信号のポートレベルがHiからLoに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグがOFFからONに切り替わり、また、噴射モニタ信号のポートレベルがLoからHiに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグがONからOFFに切り替わるものとしていた。本発明はこれに限らず、噴射モニタ信号のポートレベルがHiからLoに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグがONからOFFに切り替わり、また、噴射モニタ信号のポートレベルがLoからHiに切り替わったことが検出された際にデータ取得許可フラグがOFFからONに切り替わるものとしてもよい。この場合、噴射モニタ信号のポートレベルがLoとなったとしても、データ取得許可フラグがOFFであった場合には、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化していても燃料噴射開始時刻とは認識しないようにする。また。噴射モニタ信号のポートレベルがHiとなったとしても、データ取得許可フラグがONであった場合には、前記噴射モニタ信号のポートレベルが変化していても燃料噴射終了時刻とは認識しないようにする。
また、前記実施形態では、車両に搭載されたディーゼルエンジンのエンジン制御ユニットに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ガソリンエンジンのエンジン制御ユニットに対して適用することも可能である。また、車両以外のものに搭載されるエンジンのエンジン制御ユニットに対して適用することも可能である。
また、本発明では、燃料噴射期間(燃料噴射開始から燃料噴射終了までの期間)が極端に短くなる(前記処理遅れ時間よりも短くなる)噴射指令信号がEDU23から出力された場合においては、連続するエッジ割り込みコールに対して、噴射モニタ信号のポートレベルがそれぞれHiであると判別されてしまうことがなくなる。つまり、この場合にも、ポートレベルとしてはLoとHiとが交互に現れることになり、燃料噴射量を正確に算出することができる。
本発明は、ディーゼルエンジンのエンジン制御ユニットによる燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する監視装置に適用可能である。
14 インジェクタ(燃料噴射弁)
20 エンジン制御ユニット
21 マイクロコンピュータ(中央処理装置)
23 EDU(噴射モニタ信号出力手段)
P20 実通電期間計測処理
P20a 時刻取得処理(時刻取得手段)
P20b ポートレベル検出処理(ポートレベル検出手段)
P20c ポートレベル記憶処理(ポートレベル記憶手段)
P21 噴射量換算処理(噴射量算出手段)
P22 第2異常判定処理(監視手段)
Port1 入力ポート

Claims (2)

  1. 内燃機関の運転状態に応じて求められる要求燃料噴射量と、燃料噴射弁の駆動電流の通電期間から得られる噴射モニタ信号により算出されるモニタ噴射量とを比較することによって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視するエンジン制御ユニットの監視装置において、
    前記駆動電流が、前記燃料噴射弁の燃料噴射を実施する値と燃料噴射を停止する値との間で切り替わることに応じて、信号レベルがLoとHiとの間で切り替わる前記噴射モニタ信号を出力する噴射モニタ信号出力手段と、
    前記噴射モニタ信号出力手段からの前記噴射モニタ信号を受ける入力ポートを備えた中央処理装置とを備え、
    前記中央処理装置は、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号の信号レベルであるポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった場合に、その時刻を取得する時刻取得手段と、前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルがLoとHiとの間で切り替わった場合に、その切り替わり後に処理時間遅れをもってポートレベルを検出するポートレベル検出手段と、このポートレベル検出手段が前記切り替わり後のポートレベルを検出した際に、前記切り替わり後のポートレベルまたはそのポートレベルに対応して設定されるフラグ値を記憶するポートレベル記憶手段と、前記時刻取得手段が取得した時刻および前記ポートレベル検出手段が検出したポートレベルから算出される噴射期間に基づいて前記モニタ噴射量を算出する噴射量算出手段と、この噴射量算出手段によって算出された前記モニタ噴射量と前記要求燃料噴射量とを比較することによって燃料噴射量制御が正常に行われているか否かを監視する監視手段とを備えており、
    前記中央処理装置は、
    前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルが、LoとHiとの間で切り替わった際、前記ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルと、前記ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたは前記フラグ値に対応するポートレベルとが異なる場合には、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用する時刻として確定する一方、
    前記入力ポートが受けている前記噴射モニタ信号のポートレベルが、LoとHiとの間で切り替わった後に、この噴射モニタ信号のポートレベルが再び切り替わるまでの時間が、前記処理遅れ時間よりも短いことに起因して、前記ポートレベル検出手段によって検出されたポートレベルと、前記ポートレベル記憶手段に現在記憶されているポートレベルまたは前記フラグ値に対応するポートレベルとが一致している場合には、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用しない構成となっていることを特徴とするエンジン制御ユニットの監視装置。
  2. 請求項1記載のエンジン制御ユニットの監視装置において、
    前記中央処理装置は、前記時刻取得手段により取得される時刻を前記噴射期間の算出に使用する時刻として確定した際、前記ポートレベル記憶手段が記憶するポートレベルまたはそのポートレベルに対応して設定されるフラグ値を切り替える構成となっていることを特徴とするエンジン制御ユニットの監視装置。
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