JP6268051B2 - 容器本体が内容器および外容器を有する吐出容器 - Google Patents
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Description
この吐出容器では、空気弁が、吸気孔と容器本体の外部との連通を遮断した状態で、外容器が、内容器の弾性変形を伴って減容変形し、内容器内の内容物が吐出される。その後、外容器が復元変形するときに、空気弁が、吸気孔と容器本体の外部とを連通し、内容器と外容器との間に外気が吸入される。
本発明に係る吐出容器は、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装される弾性変形可能な外容器を有するとともに、前記内容器および前記外容器それぞれの周方向の一部同士が固着部を介して固着された容器本体を備え、前記外容器は、胴部と口部とが、前記口部に近づくに従い漸次縮径する肩部を介して連結された有底筒状に形成されるとともに、スクイズ変形可能とされ、前記外容器の前記肩部において前記固着部を回避した部分には、前記内容器と前記外容器との間に形成される中間空間に外気を導入するスリット部が形成され、前記中間空間は、前記内容器における内容物の減少に伴い前記内容器と前記外容器との間に負圧が生じるときに、内容物の減少量に応じて前記スリット部を通して吸気することを特徴とする。
その後、外容器の復元変形力に基づいて内容器と外容器との間に負圧が生じたときには、この負圧が、外容器におけるスリット部の周縁部に作用することでこの周縁部を変形させ、スリット部を拡開させる。その結果、スリット部から中間空間に外気が積極的に導入される。しかもこのとき、スリット部から中間空間に他の流路を通して外気が導入されるのではなく、スリット部から中間空間に外気が直接、導入される。したがって、中間空間に、内容器における内容物の減少量に応じた外気がスリット部を通して円滑に導入され、内容器の減容変形を保持したまま、外容器を速やかに復元変形させることができる。
以上より、単に外容器にスリット部を形成するという簡素な構造によって、外容器の弾性変形時に中間空間の空気の漏出を抑えつつ、外容器の復元変形時に中間空間への外気の導入を許容することが可能になり、構造の簡素化を図ることができる。
また、スリット部が外容器の胴部ではなく肩部に配置されているので、外容器の胴部を弾性変形させたときに、外容器におけるスリット部の周縁部の変形を効果的に抑えることができる。
しかしながら、この吐出容器では、内容器と外容器との間の正圧が外容器におけるスリット部の周縁部に作用することでこの周縁部を変形させ、スリット部を拡開させることができる。これにより、中間空間内の空気を外部に排出することが可能になり、内容物の意図しない吐出を抑えることができる。
図1に示すように、吐出容器1は、図示しない内容物が収容されると共に内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内容器(内層)2、および内容器2が内装される外容器(外層)3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4Aに離脱自在に装着された吐出キャップ5と、を備えている。
なお、内容器2および外容器3の材質は樹脂材料とされ、剥離可能な組み合わせであれば互いに同材質でも構わないし異材質でも構わない。樹脂材料の一例としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ナイロン(ポリアミド)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等が挙げられる。これらの樹脂材料の中から、外容器3と内容器2とは剥離可能(相溶性がない)となる組み合わせで形成される。
なお、容器本体4を構成する外容器3はスクイズ変形可能とされ、この外容器3のスクイズ変形に伴って内容器2は減容変形する。よって、外容器3のうち少なくとも胴部4Cに位置する部分は、容器内側に向けて弾性変形可能とされている。
内容器2の口部2Aの上端部には、径方向の外側に突出する環状の折り返し部2aが形成され、この折り返し部2aを利用して外容器3の口部3Aの開口端を上方側から塞いでいる。そのため、外容器3の口部3Aは、内容器2によって閉塞されている。
中栓部10は、容器本体4の口部4Aを閉塞する。中栓部10は、容器本体4の口部4Aの上端開口部上に配置されたベース部11と、ベース部11から下方に向けて延び口部4A内に嵌合されたシール筒部12と、を備えている。
なお、本体部20は、容器本体4の口部4Aに対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合されていても構わない。
天壁部22のうち中央部分22bには、垂下筒部24および吐出筒部25が形成されている。垂下筒部24は、天壁部22から下方に突出するように形成されている。
なお、弾性アーム42の数は3つに限定されるものではない。また、弁体部40としては、外容器3のスクイズ変形時に流通孔15を開放できれば良く、上記構成以外の弁構造としても良い。
頂壁部32には、下方に向けて突出したシール部33が形成されている。このシール部33は、吐出筒部25内に上方から挿入されていると共に、下端部が吐出筒部25の内側に着脱自在に嵌合されている。これにより、シール部33は吐出孔26を通じた内容物の吐出を規制している。
なお、周壁部31には、容器軸Oを挟んでヒンジ部34とは反対側に位置する部分から径方向外側に突出するように操作突片35が形成されている。これにより、操作突片35を利用して、蓋部30の回動操作を容易に行うことが可能とされている。
内容物を吐出する場合には、まず吐出キャップ5の蓋部30をヒンジ部34回りに回動させて吐出孔26を開放させた後、容器本体4の外容器3の胴部を容器内側(径方向内側)にスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2が外容器3と共に容器内側に変形して減容するので、内容器2の内圧が上昇する。
本発明では以上のように、前記中間空間が1つの場合および複数の場合のいずれの場合であっても、スリット部7が、外容器3において固着部6を回避した部分に、前記中間空間に対応して少なくとも1つ設けられ、対応する前記中間空間に外気を導入する。
ここで本実施形態では、スリット部7が、外容器3における固着部6の周辺部に形成されているので、外容器3の弾性変形時に、外容器3におけるスリット部7の周縁部の変形を効果的に抑えることができる。しかも、スリット部7が外容器3の胴部ではなく肩部に配置されているので、外容器3の胴部を弾性変形させたときに、外容器3におけるスリット部7の周縁部の変形を効果的に抑えることができる。さらに、スリット部7が容器軸O方向に延びているので、例えば、外容器3においてスリット部7に対して周方向にずらされた部分を押圧して外容器3を弾性変形させたとき等に、外容器3におけるスリット部7の周縁部が、スリット部7が拡開するように変形するのを効果的に抑えることができる。
以上より、前記中間空間内の空気が、スリット部7を通って外部に漏出するのを抑えることができる。これにより、外容器3に加えられる外力を、中間空間を介して速やかに内容器2に作用させることが可能になり、内容物を円滑に吐出させることができる。
しかしながら、この吐出容器1では、内容器2と外容器3との間の正圧が外容器3におけるスリット部7の周縁部に作用することでこの周縁部を変形させ、スリット部7を拡開させることができる。これにより、中間空間内の空気を外部に排出することが可能になり、内容物の意図しない吐出を抑えることができる。
この吐出容器60では、外容器3に陥没部61が形成されている。陥没部61は、外容器3の胴部に形成されている。陥没部61は、容器軸O方向に直交する横断面視において、径方向の内側に突となる曲面状に形成されている。陥没部61は、固着部6に対して容器軸O回りに90度離れた位置に配置されている。
この場合、スリット部7が、外容器3に形成された陥没部61に設けられているので、外容器3の弾性変形時に、陥没部61が、この陥没部61が反転する方向に向けて変形することで、スリット部7を画成する側壁面同士を強く圧接させ易くすることができる。これにより、スリット部7の拡開を効果的に抑えることができる。また、外容器3の復元変形時には、陥没部61もあわせて復元変形することで、陥没部61に、スリット部7を相対的に拡開させるような変形をさせることができる。これにより、外気を前記中間空間に円滑に導入させ易くすることもできる。
例えばスリット部7が、周方向に延びていてもよく、外容器3の胴部に設けられていてもよい。さらにスリット部7が、外容器3において固着部6から大きく離間した部分に配置されていてもよい。またスリット部7が1つでも複数でもよく、3つ以上でもよい。
前記実施形態では、吐出容器1として、内容器2が外容器3の内面に剥離可能に積層された積層剥離型容器としたが、これに限定されるものではなく、内容器2と外容器3との間に隙間が確保された吐出容器としても構わない。但し、積層剥離型容器とした場合には、汎用性を高めることができるので好ましい。
2 内容器
3 外容器
4 容器本体
6 固着部
7 スリット部
61 陥没部
O 容器軸
Claims (4)
- 内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装される弾性変形可能な外容器を有するとともに、前記内容器および前記外容器それぞれの周方向の一部同士が固着部を介して固着された容器本体を備え、
前記外容器は、胴部と口部とが、前記口部に近づくに従い漸次縮径する肩部を介して連結された有底筒状に形成されるとともに、スクイズ変形可能とされ、
前記外容器の前記肩部において前記固着部を回避した部分には、前記内容器と前記外容器との間に形成される中間空間に外気を導入するスリット部が形成され、
前記中間空間は、前記内容器における内容物の減少に伴い前記内容器と前記外容器との間に負圧が生じるときに、内容物の減少量に応じて前記スリット部を通して吸気することを特徴とする吐出容器。 - 前記スリット部は、前記外容器における前記固着部の周辺部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の吐出容器。
- 前記スリット部は、容器軸方向に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出容器。
- 前記スリット部は、前記外容器に形成された陥没部に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出容器。
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