JP6266298B2 - 電流検出回路、およびモータ制御装置 - Google Patents

電流検出回路、およびモータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電流検出回路、およびモータ制御装置に関する。より詳しくは、本発明は、スイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出回路、および、スイッチ素子を用いて直流電力を交流電力に変換し、該交流電力により交流モータを制御するモータ制御装置に関する。
従来、MOSFET等のスイッチ素子で構成されるフルブリッジ回路を用いて、交流モータの回転制御を行うモータ制御装置が知られている。特許文献1には、スイッチ素子における電圧降下を利用して、スイッチ素子が過電流状態にあるか否かを検出する手法が記載されている。
ここで、過電流状態とは、スイッチ素子に流れる電流(以下、単に「スイッチ電流」ともいう。)が所定の過電流検出閾値を上回る状態のことをいう。
上記の電圧降下を利用した手法によれば、分流器やホール素子等の電流センサを用いることなく、過電流状態にあるか否かを判定することが可能である。
また、通常、フルブリッジ回路のローサイドのスイッチ素子は、その一端がプリント配線板の配線パターン等の配線部材を介して接地されている。特許文献2には、配線部材の抵抗成分による電圧降下をキャンセルすることで、配線部材の抵抗値のばらつきに影響されずにスイッチ素子の電圧を出力可能な電流検出回路が提案されている。
特開平4−308420号公報 特開2013−70574号公報
ところで、スイッチ素子のオン抵抗は個体ごとにばらつきがある。このオン抵抗の個体ばらつき(初期ばらつき)は、無視できない程度に大きく、例えばTj=25℃で最大±20〜30%程度もある。この個体ばらつきにより、スイッチ電流の検出精度が大幅に低下するという課題がある。
また、上記のモータ制御装置については、スイッチ素子のオン抵抗の個体ばらつきにより、正確な過電流状態の判断を行うことが困難であるという課題がある。
そこで、本発明は、オン抵抗の個体ばらつきに影響されることなくスイッチ素子に流れる電流を高精度に検出できる電流検出回路、および、オン抵抗の個体ばらつきに影響されることなく過電流状態を正確に判断することが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電流検出回路は、
一端が配線部材を介して接地されたスイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出回路であって、
一端が前記スイッチ素子の他端に接続された第1の抵抗と、
一端が前記第1の抵抗の他端に接続され、他端が接地された第2の抵抗と、
を備え、
前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の接続点の電圧を、前記スイッチ素子に流れる電流を示す検出電圧として出力し、
前記第2の抵抗の抵抗値は、前記第1の抵抗の抵抗値、前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、および前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づく値である、
ことを特徴とする。
また、前記電流検出回路において、
前記第2の抵抗の抵抗値は、前記配線部材の抵抗値にも基づき、式(1)により算出された値であるようにしてもよい。
Figure 0006266298
ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rp:前記配線部材の抵抗値、Rd: 前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値である。
また、前記電流検出回路において、
前記第2の抵抗の抵抗値は、式(2)により算出された値であるようにしてもよい。
Figure 0006266298
ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rd:前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値、n:前記オン抵抗の仕様値を前記オン抵抗の最小値で割った値よりも大きい数である。
また、前記電流検出回路において、
前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値は、前記スイッチ素子に所定の測定電流を流した場合における前記スイッチ素子の電圧を測定し、前記測定された電圧を前記測定電流で割った値であるようにしてもよい。
また、前記電流検出回路において、
前記スイッチ素子の電圧は、前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値の温度条件と同じ温度で測定された値であるようにしてもよい。
また、前記電流検出回路において、
前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の合成抵抗の値は、前記スイッチ素子に流れる電流に対する所定の検出誤差を満たすように、前記配線部材の抵抗および前記スイッチ素子のオン抵抗の合成抵抗の値に比べて十分に大きいようにしてもよい。
本発明の第1の態様に係るモータ制御装置は、
一端が直流電源に接続されたハイサイドスイッチ素子と、一端が前記ハイサイドスイッチ素子の他端に接続され他端が配線部材を介して接地されたローサイドスイッチ素子とを有するスイッチ素子対を複数組含み、前記直流電源から入力された直流電圧を交流電圧に変換して交流モータに供給するフルブリッジ回路と、
前記ローサイドスイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出回路を、前記複数組のスイッチ素子対ごとに有する電流検出部と、
前記電流検出回路から出力された前記検出電圧が基準電圧よりも高い場合、過電流検出信号を出力する過電流判定部と、
前記ハイサイドスイッチ素子および前記ローサイドスイッチ素子を導通状態または遮断状態に制御する制御信号を出力する制御部と、
前記制御信号を受信し、前記過電流検出信号を受信していない場合には前記制御信号を出力し、前記過電流検出信号を受信している場合には前記制御信号を遮断する信号ゲート部と、
を備え、
前記各電流検出回路は、一端が前記ローサイドスイッチ素子の一端に接続された第1の抵抗と、一端が前記第1の抵抗の他端に接続され他端が接地された第2の抵抗とを有し、前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の接続点の電圧を前記ローサイドスイッチ素子に流れる電流を示す検出電圧として出力し、
前記第2の抵抗の抵抗値は、前記第1の抵抗の抵抗値、前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、および前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づく値であることを特徴とする。
また、前記モータ制御装置において、
前記フルブリッジ回路は、前記複数対のスイッチ素子対として、第1のスイッチ素子対と、第2のスイッチ素子対と、第3のスイッチ素子対とを含み、
前記電流検出部は、前記第1のスイッチ素子対のローサイドスイッチ素子を流れる電流を検出する第1の電流検出回路と、前記第2のスイッチ素子対のローサイドスイッチ素子を流れる電流を検出する第2の電流検出回路と、前記第3のスイッチ素子対のローサイドスイッチ素子を流れる電流を検出する第3の電流検出回路とを、前記電流検出回路として有し、
前記過電流判定部は、前記電流検出回路から出力された前記検出電圧が基準電圧よりも高い場合という判定条件に代えて、前記第1〜第3の電流検出回路からそれぞれ出力された検出電圧を平均化した平均電圧または前記平均電圧を増幅した電圧が基準電圧よりも高い場合に、前記過電流検出信号を出力するようにしてもよい。
また、前記モータ制御装置において、
前記第2の抵抗の抵抗値は、前記配線部材の抵抗値にも基づき、式(3)により算出された値であるようにしてもよい。
Figure 0006266298
ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rp:前記配線部材の抵抗値、Rd: 前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ):前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd):前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値である。
また、前記モータ制御装置において、
前記第2の抵抗の抵抗値は、式(4)により算出された値であるようにしてもよい。
Figure 0006266298
ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rd:前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値、n:前記オン抵抗の仕様値を前記オン抵抗の最小値で割った値よりも大きい数である。
また、前記モータ制御装置において、
前記ローサイドスイッチ素子の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記温度検出手段から前記ローサイドスイッチ素子の温度を入力し、前記温度が高くなるにつれて高くなる電圧を前記基準電圧として、前記過電流判定部に出力するようにしてもよい。
本発明の第2の態様に係るモータ制御装置は、
一端が直流電源に接続されたハイサイドスイッチ素子と、一端が前記ハイサイドスイッチ素子の他端に接続され他端が配線部材を介して接地されたローサイドスイッチ素子とを有するスイッチ素子対を複数組含み、前記直流電源から入力された直流電圧を交流電圧に変換して交流モータに供給するフルブリッジ回路と、
前記ハイサイドスイッチ素子および前記ローサイドスイッチ素子を導通状態または遮断状態に制御する制御信号を出力するとともに、前記ローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいて基準電圧を生成し、前記基準電圧を出力する制御部と、
前記制御部から前記基準電圧を入力し、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧が前記基準電圧よりも高い場合に、過電流検出信号を出力する過電流判定部と、
前記制御信号を受信し、前記過電流検出信号を受信していない場合には前記制御信号を出力し、前記過電流検出信号を受信している場合には前記制御信号を遮断する信号ゲート部と、
を備えることを特徴とする。
また、前記モータ制御装置において、
前記フルブリッジ回路は、前記複数対のスイッチ素子対として、第1のスイッチ素子対と、第2のスイッチ素子対と、第3のスイッチ素子対とを含み、
前記過電流判定部は、前記第1のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第1の電圧と、前記第2のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第2の電圧と、前記第3のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第3の電圧とを入力し、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧が前記基準電圧よりも高い場合という判定条件に代えて、前記第1の電圧、前記第2の電圧および前記第3の電圧を平均化した平均電圧または前記平均電圧を増幅した電圧が前記基準電圧よりも高い場合に、前記過電流検出信号を出力するようにしてもよい。
また、前記モータ制御装置において、
前記ローサイドスイッチ素子の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記温度検出手段から前記ローサイドスイッチ素子の温度を入力し、前記温度および前記オン抵抗の実測値に基づく基準電圧を生成し、前記基準電圧を前記過電流判定部に出力するようにしてもよい。
本発明の第3の態様に係るモータ制御装置は、
一端が直流電源に接続されたハイサイドスイッチ素子と、一端が前記ハイサイドスイッチ素子の他端に接続され他端が配線部材を介して接地されたローサイドスイッチ素子とを有するスイッチ素子対を複数組含み、前記直流電源から入力された直流電圧を交流電圧に変換して交流モータに供給するフルブリッジ回路と、
前記ハイサイドスイッチ素子および前記ローサイドスイッチ素子を導通状態または遮断状態に制御する制御信号を出力するとともに、前記ローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいて基準電圧を生成する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧を入力し、前記電圧が前記基準電圧よりも高い場合に、前記制御信号の出力を停止することを特徴とする。
前記モータ制御装置において、
前記フルブリッジ回路は、前記複数対のスイッチ素子対として、第1のスイッチ素子対と、第2のスイッチ素子対と、第3のスイッチ素子対とを含み、
前記制御部は、前記第1のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第1の電圧と、前記第2のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第2の電圧と、前記第3のスイッチ素子対におけるハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく第3の電圧とを入力し、前記第1の電圧、前記第2の電圧および前記第3の電圧を合計した合計電圧を算出し、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧が前記基準電圧よりも高い場合という判定条件に代えて、前記合計電圧が前記基準電圧よりも高い場合に、前記制御信号の出力を停止するようにしてもよい。
前記モータ制御装置において、
前記ローサイドスイッチ素子の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記温度検出手段から前記ローサイドスイッチ素子の温度を入力し、前記温度および前記オン抵抗の実測値に基づく基準電圧を生成するようにしてもよい。
本発明に係る電流検出回路では、第2の抵抗の抵抗値は、第1の抵抗の抵抗値、スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、およびスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づく値であるため、電流検出回路は、スイッチ素子のオン抵抗の個別ばらつきによらず、所定のスイッチ電流に対して一定の電圧を出力することができる。
よって、本発明の電流検出回路によれば、スイッチ素子に流れる電流を高精度に検出することができる。
本発明の第1の態様に係るモータ制御装置では、本発明に係る電流検出回路がフルブリッジ回路のローサイドスイッチ素子に流れる電流を検出し、電流検出回路から出力された検出電圧が基準電圧よりも高い場合に過電流判定部が過電流検出信号を出力する。
本発明の第2の態様に係るモータ制御装置では、制御部がローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいて基準電圧を生成し、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧が基準電圧よりも高い場合に過電流判定部が過電流検出信号を出力する。
本発明の第3の態様に係るモータ制御装置では、制御部が、ローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいて基準電圧を生成し、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧を入力し、当該電圧が基準電圧よりも高い場合に制御信号の出力を停止する。
よって、本発明の第1〜第3に係るモータ制御装置によれば、スイッチ素子のオン抵抗の個体ばらつきに影響されることなく、過電流状態を正確に判断することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電流検出回路の回路図である。 (a)、(b)および(c)のいずれも、第1の実施形態に係る電流検出回路の動作例を示す図である。 (a)、(b)および(c)のいずれも、本発明の第2の実施形態に係る電流検出回路の動作例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電流検出回路の製造工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るモータ制御装置の概略的な構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るモータ制御装置の概略的な構成図である。 第4の実施形態に係るモータ制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係るモータ制御装置の概略的な構成図である。 180度通電方式によりモータを駆動する場合における、ロータアングルと通電パターンとの関係を示す図である。 本発明の第3および第4の実施形態の本変形例に係る過電流判定部15Bの概略的な構成図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る電流検出回路(第1および第2の実施形態)およびモータ制御装置(第3〜第5の実施形態)について説明する。
なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電流検出回路1について、図1を参照して詳しく説明する。電流検出回路1は、スイッチ素子Qに流れる電流を検出する電流検出回路である。
図1に示すように、電流測定対象のスイッチ素子Qは、一端が配線部材を介して接地されている。また、配線部材Rpは、抵抗成分を有する。
例えば、スイッチ素子Qは、プリント配線板に実装された半導体スイッチであり、一端が配線パターンを介して設置されている。スイッチ素子Qがn型のMOSFETの場合、ソース端子が配線部材を介して接地される。この場合、スイッチ電流はドレイン電流Idである。
電流検出回路1は、図1に示すように、スイッチ素子Qの他端(ドレイン端子)と接地との間で直列接続された第1の抵抗Rdと、第2の抵抗Roffとを備えている。即ち、第1の抵抗Rdは、一端がスイッチ素子Qの他端(ドレイン端子)に接続され、第2の抵抗Roffは、一端が第1の抵抗Rdの他端に接続され、他端が接地されている。
なお、第1の抵抗Rdと第2の抵抗Roffの合成抵抗の値(Rd+Roff)は、スイッチ電流に対する所定の検出誤差を満たすように、配線部材の抵抗およびスイッチ素子Qのオン抵抗の合成抵抗の値(Rp+Ron)に比べて十分に(例えば10^5以上)大きいことが好ましい。
電流検出回路1は、第1の抵抗Rdおよび第2の抵抗Roffの接続点Nの電圧を、スイッチ素子Qに流れる電流を示す検出電圧として出力する。
また、電流検出回路1では、第2の抵抗Roffにより、スイッチ素子Qのオン抵抗の個体ばらつきによる電圧降下のばらつきを補償する。
第1の実施形態では、オン抵抗の個体ばらつきを補償するため、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値と仕様値との差分を配線部材の抵抗値に割り振る。即ち、配線部材の抵抗値に上記差分を足し、スイッチ素子Qのオン抵抗は仕様値に等しいとして、第2の抵抗Roffの抵抗値を決める。
具体的には、第2の抵抗Roffの抵抗値は、次の式(1)により算出する。
Figure 0006266298
ここで、Roff:第2の抵抗の抵抗値、Rp:配線部材の抵抗値、Rd:第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値である。
このように、第2の抵抗Roffの抵抗値は、第1の抵抗Rdの抵抗値、スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値Ron(typ.)、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値Ron(msd.)および配線部材の抵抗値Rpに基づく値である。
これにより、電流検出回路1は、スイッチ素子Qのオン抵抗の個体ばらつきに影響を受けずに、所定のスイッチ電流に対して一定の電圧を出力することができる。
次に、図2を参照して、電流検出回路1の動作例について詳しく説明する。図2(a)では、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値(Ron(msd.))は8mΩである。この抵抗値は、スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値(Ron(typ.))に等しい。図2(b)は、オン抵抗の実測値(Ron(msd.))が6mΩの場合を示し、図2(c)は、オン抵抗の実測値(Ron(msd.))が10mΩの場合を示している。
図2(a)、図2(b)および図2(c)のいずれの場合も、配線部材の抵抗値は5mΩであり、第1の抵抗Rdの抵抗値は1000Ωである。
式(1)に上記の値を代入して第2の抵抗Roffの抵抗値を算出すると、図2(a)の場合は1600Ωとなり、図2(b)の場合は2666Ωとなり、図2(c)の場合は1142Ωとなる。
スイッチ素子Qに電流を流した場合、スイッチ素子Qのドレイン端子の電圧は、スイッチ素子Qのオン抵抗に応じて異なる値をとる。例えばスイッチ素子Qに100Aの電流を流した場合、スイッチ素子Qのドレイン端子の電圧は、図2(a)の場合1.3Vとなり、図2(b)の場合1.1Vとなり、図2(c)の場合1.5Vとなる。
これに対して、電流検出回路1の出力電圧(接続点Nの電圧)の値は、図2(a)、図2(b)および図2(c)のいずれの場合も、一定の値(0.8V)となる。この出力値は、オン抵抗が仕様値に等しいスイッチ素子Qの電圧Vdsに等しい。
上記のように、電流検出回路1は、配線部材の抵抗成分による電圧降下をキャンセルして、スイッチ素子Qの電圧Vdsを出力することができるとともに、スイッチ素子Qのオン抵抗の個別ばらつきによらず、所定のスイッチ電流に対して一定の電圧を出力することができる。即ち、電流検出回路1の出力電圧は、スイッチ素子Qのオン抵抗の値に影響されることなく、スイッチ電流に応じて変化する。
よって、第1の実施形態に係る電流検出回路によれば、スイッチ素子に流れる電流を高精度に検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電流検出回路について説明する。本実施形態は、配線部材の抵抗成分による電圧降下をキャンセルする必要がない場合の実施形態である。例えば、配線部材の抵抗値がスイッチ素子Qのオン抵抗の値に比べて十分に小さい場合などに適用される。
以下、第2の実施形態に係る電流検出回路1Aについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
電流検出回路1Aの構成は、前述の電流検出回路1と同様であり、スイッチ素子Qのドレイン端子と接地との間で直列接続された第1の抵抗Rdおよび第2の抵抗Roffを備えている。
第2の実施形態では、スイッチ素子Qのオン抵抗の個体ばらつきを補償するため、スイッチ素子Qの電圧Vdsを1/n倍に変換するように、第2の抵抗Roffの抵抗値を決める。
具体的には、第2の抵抗Roffの抵抗値は、次の式(2)により算出する。
Figure 0006266298
ここで、Roff:第2の抵抗の抵抗値、Rd:第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値、n:オン抵抗の仕様値をオン抵抗の最小値で割った値よりも大きい数である。
なお、nの値は、換言すれば、式(2)の右辺の分母が正の値になるように選択される。
このように、第2の抵抗Roffの抵抗値は、第1の抵抗Rdの抵抗値、スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値Ron(typ.)、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値Ron(msd.)および所定の数(n)に基づく値である。
これにより、電流検出回路1Aは、スイッチ素子Qのオン抵抗の個体ばらつきに影響を受けずに、所定のスイッチ電流に対して一定の電圧を出力することができる。
次に、図3を参照して、電流検出回路1Aの動作例について詳しく説明する。図3(a)では、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値(Ron(msd.))は8mΩである。この抵抗値は、スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値(Ron(typ.))に等しい。図3(b)は、オン抵抗の実測値(Ron(msd.))が6mΩの場合を示し、図3(c)は、オン抵抗の実測値(Ron(msd.))が10mΩの場合を示している。
図3(a)、図3(b)および図3(c)のいずれの場合も、第1の抵抗Rdの抵抗値は1000Ωである。
式(2)に上記の値およびn=2を代入して、第2の抵抗Roffの抵抗値を算出すると、図2(a)の場合は1000Ωとなり、図2(b)の場合は2000Ωとなり、図2(c)の場合は666.66Ωとなる。なお、nの値は、オン抵抗の最小値が6mΩであるとし、1.33(=8mΩ/6mΩ)よりも大きい値として選択した。
スイッチ素子Qに電流を流した場合、スイッチ素子Qのドレイン端子の電圧は、スイッチ素子Qのオン抵抗に応じて異なる値をとる。例えばスイッチ素子Qに100Aの電流を流した場合、スイッチ素子Qのドレイン端子の電圧は、図3(a)の場合0.8Vとなり、図3(b)の場合0.6Vとなり、図3(c)の場合1.0Vとなる。
これに対して、電流検出回路1Aの出力電圧(接続点Nの電圧)の値は、図3(a)、図3(b)および図3(c)のいずれの場合も、一定の値(0.4V)となる。
このように、電流検出回路1Aは、スイッチ素子Qのオン抵抗の個別ばらつきによらず、所定のスイッチ電流に対して一定の電圧を出力することができる。即ち、電流検出回路1Aの出力電圧は、スイッチ素子Qのオン抵抗の値に影響されることなく、スイッチ電流に応じて変化する。
よって、第2の実施形態に係る電流検出回路によれば、スイッチ素子に流れる電流を高精度に検出することができる。
(電流検出回路1,1Aの製造方法)
次に、図4のフローチャートを参照して、上述の電流検出回路1,1Aの製造方法について説明する。
まず、測定対象のスイッチ素子Qをオンにし、スイッチ素子Qに所定の測定電流(Id)を流す(ステップS1)。
次に、スイッチ素子Qのソース・ドレイン間の電圧(Vds)を測定する(ステップS2)。電圧の測定は、スイッチ素子Qに並列接続された電圧計などを用いて行う。
次に、電圧(Vds)を測定電流(Id)で割って、スイッチ素子Qのオン抵抗の実測値(Ron(msd.))を得る(ステップS3)。このようにスイッチ素子Qのオン抵抗の実測値は、スイッチ素子Qに所定の測定電流を流した場合におけるスイッチ素子Qの電圧(Vds)を測定し、測定された電圧を測定電流で割った値である。
次に、第2の抵抗Roffの抵抗値を算出する(ステップS4)。具体的には、前述の式(1)または式(2)を用いて、第2の抵抗Roffの抵抗値を算出する。
次に、ステップS4で算出された抵抗値の抵抗を、第2の抵抗Roffとして電流検出回路に実装する(ステップS5)。
なお、ステップS5は、予め第1の抵抗Rdと接地との間に接続された可変抵抗の抵抗値を、ステップS4で算出された抵抗値に調整することにより行ってもよい。
また、ステップS2において、スイッチ素子Qの電圧(Vds)は、スイッチ素子Qのオン抵抗の仕様値(Ron(typ.))の温度条件と同じ温度で測定された値であることが好ましい。これにより、正確なオン抵抗の差分(Ron(msd.)−Ron(typ.))が求まるため、第2の抵抗Roffの抵抗値をより正確に算出することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るモータ制御装置11について、図5を参照して説明する。本実施形態に係るモータ制御装置11は、上述の電流検出回路1を備えており、ハードウェア(第1の抵抗Rdおよび第2の抵抗Roff)でオン抵抗の個体ばらつきを補正する。
モータ制御装置11は、三相交流モータ(以下、単に「モータ」ともいう。)10の回転制御を行う。モータ10は、例えば、車両のエンジンを始動させるためのスタータモータや、電動バイクの走行用モータである。
三相ブラシレスモータの場合、モータ10は、U相、V相およびW相のコイルを有するステータと、永久磁石からなるロータとで構成される。ステータには、3相(U、V、W)のコイルが周方向に順番に巻装される。
モータ制御装置11は、図5に示すように、フルブリッジ回路12と、信号ゲート部13と、電流検出部14と、過電流判定部15と、制御部16とを備えている。
フルブリッジ回路12は、ハイサイドスイッチ素子Q1,Q2,Q3およびローサイドスイッチ素子Q4,Q5,Q6を有する。なお、スイッチ素子Q1〜Q6は、例えば、プリント配線板に実装された半導体スイッチ(n型のMOSFET等)である。また、以下の説明において、ハイサイドスイッチ素子、ローサイドスイッチ素子のことを単に「スイッチ素子」ともいう。
フルブリッジ回路12は、直流電源Bから入力された直流電圧を交流電圧に変換し、該交流電圧をモータ10に供給する。このフルブリッジ回路12は、例えば、3組のスイッチ素子対(第1〜第3のスイッチ素子対)を含む三相ブリッジ回路であり、三相交流電圧を出力する。第1〜第3のスイッチ素子対は、直流電源Bと接地との間に接続されている。
各スイッチ素子対は、1つのハイサイドスイッチ素子と、1つのローサイドスイッチ素子とから構成される。
第1のスイッチ素子対は、一端(ドレイン端子)が直流電源Bに接続されたスイッチ素子Q1と、一端(ドレイン端子)がスイッチ素子Q1の他端(ソース端子)に接続されたスイッチ素子Q4とを有する。
同様に、第2のスイッチ素子対は、一端(ドレイン端子)が直流電源Bに接続されたスイッチ素子Q2と、一端(ドレイン端子)がスイッチ素子Q2の他端(ソース端子)に接続されたスイッチ素子Q5とを有する。第3のスイッチ素子対は、一端(ドレイン端子)が直流電源Bに接続されたスイッチ素子Q3と、一端(ドレイン端子)がスイッチ素子Q3の他端(ソース端子)に接続されたスイッチ素子Q6とを有する。
スイッチ素子Q4,Q5およびQ6の他端(ソース端子)は、それぞれ配線部材Rp1,Rp2およびRp3を介して接地されている。
ここで、配線部材Rp1,Rp2およびRp3は、例えば、スイッチ素子Q1〜Q6が実装されたプリント配線板の配線パターンである。配線パターンの抵抗値は、プリント配線板上に実装されるスイッチ素子Q1〜Q6の配置状況に応じて変化し、例えば、配線パターンの長さ、幅および厚みにより変化する。
信号ゲート部13は、制御部16から制御信号(ゲート信号)を受信し、過電流判定部15から過電流検出信号を受信する。制御信号は、ハイサイドスイッチ素子Q1〜Q6を導通状態または遮断状態に制御するための信号である。
信号ゲート部13は、過電流検出信号を受信していない場合には制御信号を出力し、過電流検出信号を受信している場合には制御信号を遮断する。よって、過電流判定部15が過電流検出信号を出力している場合は、信号ゲート部13により制御信号が遮断され、フルブリッジ回路12の動作は停止する。
なお、信号ゲート回路13は、スイッチ素子Q1〜Q6の仕様に応じた電圧を出力するプリドライバ回路を含んでもよい。
信号ゲート部13は、例えば、スイッチ素子Q1〜Q6ごとに設けられた2入力のANDゲート(図示せず)により構成される。
ANDゲートの第1の入力端子は、制御部16に接続され、制御部16から出力された制御信号を入力する。ANDゲートの第2の入力端子は、過電流判定部15の出力端子に接続され、比較器CP1,CP2およびCP3の出力信号の論理和をとった信号を入力する。ANDゲートの出力端子は、スイッチ素子のゲート端子に接続される。このようにした場合、スイッチ素子Q1〜Q6のいずれかが過電流状態にあるとき、ANDゲートの第2の入力端子に入力される信号がLレベルとなるため、第1の入力端子に入力される制御信号は遮断される。
電流検出部14は、ローサイドスイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出回路を、第1〜第3のスイッチ素子対ごとに有している。具体的には、電流検出部14は、図5に示すように、第3のスイッチ素子対用の電流検出回路1aと、第2のスイッチ素子対用の電流検出回路1bと、第1のスイッチ素子対用の電流検出回路1cとを有している。
電流検出回路1a,1b,1cは、前述の電流検出回路1と同じ構成である。即ち、電流検出回路1aは、スイッチ素子Q6のドレイン端子と接地との間で直列接続された第1の抵抗R1と第2の抵抗Ro1を有する。抵抗R1と抵抗Ro1の接続点N1が出力端子となる。
同様に、電流検出回路1bは、スイッチ素子Q5のドレイン端子と接地との間で直列接続された第1の抵抗R2と第2の抵抗Ro2を有し、抵抗R2と抵抗Ro2の接続点N2が出力端子となる。同様に、電流検出回路1cは、スイッチ素子Q4のドレイン端子と接地との間で直列接続された抵抗R3および抵抗Ro3からなる。抵抗R3と抵抗Ro3の接続点N3が出力端子となる。
電流検出回路1a,1bおよび1cはそれぞれ、接続点N1,N2およびN3の電圧を、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5およびQ6に流れる電流を示す検出電圧として出力する。
第2の抵抗Ro1,Ro2,Ro3の抵抗値は、前述の式(1)を用いて算出された値である。なお、配線部材Rp1,Rp2,Rp3の抵抗成分による電圧降下をキャンセルする必要がない場合には、前述の式(2)を用いて第2の抵抗Ro1,Ro2,Ro3の抵抗値を算出してもよい。
過電流判定部15は、電流検出部14の出力に基づいて、スイッチ素子Q4〜Q6が過電流状態に有るか否かを判定する。より詳しくは、過電流判定部15は、電流検出部14の電流検出回路1a,1bおよび1cのうち少なくともいずれか1つから出力された検出電圧が基準電圧よりも高い場合、信号ゲート部13および制御部16に過電流検出信号を出力する。
過電流判定部15は、例えば、図5に示すように、比較器CP1,CP2,CP3により構成される。比較器CP1の反転入力端子(−)は接続点N1に接続され、非反転入力端子(+)は基準電圧VR1に接続される。比較器CP1は、接続点N1の電圧が基準電圧VR1よりも高いときにLレベル信号を出力する。
同様に、比較器CP2の反転入力端子(−)は接続点N2に接続され、非反転入力端子(+)は基準電圧VR2に接続される。比較器CP2は、接続点N2の電圧が基準電圧VR2よりも高いときにLレベル信号を出力する。
同様に、比較器CP3の反転入力端子(−)は接続点N3に接続され、非反転入力端子(+)は基準電圧VR3に接続される。比較器CP3は、接続点N3の電圧が基準電圧VR3よりも高いときにLレベル信号を出力する。
図5に示すように、比較器CP1,CP2およびCP3の出力端子は、信号線OCLに共通に接続されてワイヤードOR回路を構成している。よって、比較器CP1,CP2およびCP3のいずれかの出力がLレベルになると、信号線OCLがLレベルとなる。
なお、過電流検出信号はLレベル信号とは限らない。例えば、比較器CP1,CP2,CP3の入力端子(+,−)の接続先を交換して、過電流検出信号をHレベル信号としてもよい。
制御部16は、モータ制御装置11全体の制御を行うものであり、例えばマイコンチップで構成される。制御部16は、スイッチ素子Q1〜Q6の制御信号を信号ゲート部13に出力する。また、制御回路16は、過電流検出信号を受信した場合に、過電流状態であることをユーザに知らせるために、ランプを点灯させたり、表示パネルにアラーム表示を行うようにしてもよい。
本実施形態のモータ制御装置11は、スイッチ素子に流れる電流を高精度に検出可能な電流検出回路1a,1b,1cの出力電圧に基づいて過電流状態を判定する。
よって、第3の実施形態に係るモータ制御装置によれば、スイッチ素子のオン抵抗の個体ばらつきに影響されることなく、過電流状態を正確に判断することができる。
さらに、第3の実施形態では、ハードウェア(電流検出回路1a,1b,1c)によりスイッチ素子Qのオン抵抗の個別ばらつきが補正されるとともに、ハードウェア(比較器CP1,CP2,CP3)により過電流判定が行われるため、過電流状態を素早く検出することができる。
なお、スイッチ素子のオン抵抗は温度によって変化することから、スイッチ素子の温度を考慮して過電流判定を行ってもよい。
この場合、モータ制御装置11は、ローサイドスイッチ素子の温度(ケース温度など)を検出する温度検出手段(図示せず)をさらに備える。この温度検出手段は、サーミスタ等であり、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5およびQ6の全てに設けてもよいし、少なくともいずれか1つに設けるようにしてもよい。
制御部16は、温度検出手段に接続され、温度検出手段からローサイドスイッチ素子の温度を入力する。
また、制御部16は、比較器CP1,CP2およびCP3に接続される。即ち、比較器CP1,CP2およびCP3の非反転入力端子(+)は、直流電源を介して接地されるのではなく、制御部16の端子(D/A出力端子等)に接続される。
制御部16は、基準電圧VR1,VR2およびVR3を出力する。より詳しくは、制御部16は、基準電圧として、温度検出手段から入力したローサイドスイッチ素子の温度に基づいて補正された基準電圧を出力する。
スイッチ素子のオン抵抗は温度が高くなるにつれて大きくなることから、所定の過電流検出閾値(過電流状態と判定するスイッチ電流の値)におけるスイッチ素子の電圧(Vds)は、オン抵抗の増加分だけ高くなる。
よって、制御部16は、スイッチ素子の温度に応じて、出力する基準電圧を変化させる。より詳しくは、制御部16は、ローサイドスイッチ素子の温度が高くなるにつれて高くなる電圧を基準電圧として、過電流判定部15に出力する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るモータ制御装置21について、図6を参照して説明する。本実施形態に係るモータ制御装置21は、制御部16Aが過電流判定部15Aに、スイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいてU,V,W各相の基準電圧を与える。以下、第3の実施形態との相違点を中心に、本実施形態に係るモータ制御装置21について説明する。
モータ制御装置21は、図6に示すように、フルブリッジ回路12と、信号ゲート部13と、過電流判定部15Aと、制御部16Aと、温度検出手段17と、電圧増幅部18と、記憶部19とを備えている。
制御部16Aは、スイッチ素子の制御信号を出力する他、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5,Q6のオン抵抗の実測値に基づいて、U,V,W各相の基準電圧(U相基準電圧、V相基準電圧、W相基準電圧)を生成する。なお、基準電圧は、配線部材Rp1,Rp2,Rp3の抵抗値も考慮して生成されてもよい。
また、制御部16Aは、生成した基準電圧を過電流判定部15Aに出力する。基準電圧は、制御部16AのD/A端子からアナログの電圧値として出力してもよいし、あるいは、制御部16AからPWM信号として出力し、過電流判定部15Aで該PWM信号をアナログの電圧値に変換してもよい。
過電流判定部15Aは、制御部16Aから基準電圧を入力し、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧が基準電圧よりも高い場合に、過電流検出信号を出力する。
即ち、過電流判定部15Aは、ハイサイドスイッチ素子Q3とローサイドスイッチ素子Q6の接続点N4の電圧(または該電圧を増幅した電圧)がW相基準電圧よりも高い場合に過電流検出信号を出力する。また、過電流判定部15Aは、ハイサイドスイッチ素子Q2とローサイドスイッチ素子Q5の接続点N5の電圧(または該電圧を増幅した電圧)がV相基準電圧よりも高い場合に過電流検出信号を出力する。また、過電流判定部15Aは、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q4の接続点N6の電圧(または該電圧を増幅した電圧)がU相基準電圧よりも高い場合に過電流検出信号を出力する。
過電流判定部15Aは、前述の過電流判定部15と同様、U,V,W各相用の3つの比較器を用いて構成される。例えば、比較器の反転入力端子(−)は電圧増幅部18の出力端子に接続され、非反転入力端子(+)は制御部16Aの基準電圧の出力端子に接続される。
温度検出手段17は、ローサイドスイッチ素子の温度(ケース温度など)を検出する。なお、温度検出手段17は、サーミスタ等であり、図1のようにローサイドスイッチ素子Q4にのみ設けてもよい。あるいは、温度検出手段17は、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5およびQ6の全てに設けてもよいし、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5およびQ6の少なくともいずれか1つに設けるようにしてもよい。
制御部16Aは、起動後、温度検出手段17からローサイドスイッチ素子の温度を入力する。そして、制御部16Aは、入力した温度およびオン抵抗の実測値に基づく基準電圧を生成し、その基準電圧を過電流判定部15Aに出力する。
電圧増幅部18は、オペアンプ等で構成され、接続点N4,N5,N6の各電圧を増幅する。なお、電圧増幅部18は、必須の構成ではなく、オン抵抗が比較的大きい場合等には削除してもよい。
記憶部19は、例えば不揮発性のメモリ(EEPROMなど)であり、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5,Q6の実測値を格納する。また、記憶部19は、予め学習されたデータに基づいて作成された各種変換テーブルを格納してもよい。
変換テーブルは、後述の温度−電圧テーブル、オン抵抗−温度テーブルなどである。温度−電圧テーブルは、スイッチ素子の温度と、温度検出手段17が出力する電圧とを対応付けたテーブルである。オン抵抗−温度テーブルは、スイッチ素子のオン抵抗と、スイッチ素子の温度とを対応付けたテーブルである。
信号線ADLは、接続点N4,N5,N6の電圧(または、接続点N4,N5,N6の電圧を増幅した電圧)を制御部16Aに伝えるための信号線である。信号線ADLは、3本用いられ、一端が電圧増幅部18の出力端子に接続され、他端が制御部16Aの端子(A/D入力端子等)に接続されている。なお、電圧増幅部18が省略される場合は、各信号線ADLの一端は接続点N4,N5,N6にそれぞれ直接接続される。
図6中のセレクト信号線SSLは、一端が制御部16Aのセレクト信号の出力端子に接続され、他端が電圧増幅部18の切り替えスイッチ(図示せず)のセレクト信号入力端子に接続される。この切り替えスイッチは3入力1出力の切り替えスイッチであり、セレクト信号を受信して該セレクト信号の示す入力端子の信号を出力する。
例えばセレクト信号線SSLを2本用いることで、切り替えスイッチの3つの入力の中からどれを出力するかを指定することができる。よって、切り替えスイッチの出力端子に信号線ADLを接続し、3つの入力端子にU,V,W各相の接続点の電圧(または該電圧を増幅した電圧)をそれぞれ接続することで、信号線ADLを一本のみで済ませることができる。これにより、制御部16AのA/D入力端子の数が限られておりモータの相数(3本)だけ確保できない場合でも、U,V,W各相のローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値を制御部16Aに入力することができる。
次に、図7のフローチャートを参照して、モータ制御装置21の動作について説明する。
まず、U,V,W各相のローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値(Ron(msd.))を学習し、記憶部に保存する(ステップS11)。オン抵抗の実測値は、図4のステップS1〜ステップS3と同様にして求める。求められた実測値は、記憶部19に格納される。なお、本ステップは、例えば、モータ制御装置21の製品出荷前(検査工程等)に行われる。
次に、スイッチ素子の温度を検出する(ステップS12)。より詳しくは、温度検出手段17により、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5およびQ6のうち少なくともいずれか1つの温度(ケース温度等)を検出する。温度の検出は、例えば、記憶部19に予め格納された温度−電圧テーブルを用いて行う。制御部16Aは、A/D入力端子等を介して取得(検出)した電圧をもとに、温度−電圧テーブルを用いて、現在のスイッチ素子の温度を取得する。なお、スイッチ素子の温度は、温度−電圧テーブルによらず、B定数による計算から求めてもよい。
次に、スイッチ素子のオン抵抗の実測値およびスイッチ素子の温度に基づいて、基準電圧を生成する(ステップS13)。この基準電圧の生成は、例えば以下のようにして行う。
ステップS12で得られた現在の温度をもとに、オン抵抗−温度テーブルを用いて、現在のスイッチ素子の温度に対応したオン抵抗の仕様値を取得する。次に、この抵抗値をRon(msd.)/Ron(typ.)倍することにより、現在のオン抵抗の値を算出する。
次に、現在のオン抵抗の値と、所定の過電流検出閾値(過電流状態と判定するスイッチ電流の値)とから、基準電圧を算出する。例えば、現在のオン抵抗の値が13.5mΩで、過電流検出閾値が100Aの場合、基準電圧として、1.35V(=13.5mΩ×100A)を出力する。
次に、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子の接続点(N4,N5,N6)の電圧と、基準電圧(U相基準電圧、V相基準電圧、W相基準電圧)とを比較する(ステップS14)。
次に、接続点の電圧が基準電圧よりも高い場合、スイッチ素子の制御信号を遮断する(ステップS15)。制御信号の遮断は、例えば、第3の実施形態で説明したように、信号ゲート回路13に過電流検出信号を送信することにより行う。
以上説明したように、第4の実施形態に係るモータ制御装置21では、制御部16Aがスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいてU,V,W各相の基準電圧を生成し、過電流判定部15Aがその基準電圧と、接続点の電圧に基づく電圧(接続点の電圧または該電圧を増幅した電圧)との比較を行い、過電流状態にあるか否かを判定する。
このようにオン抵抗の実測値に基づく基準電圧を用いるため、第4の実施形態に係るモータ制御装置によれば、スイッチ素子のオン抵抗の個体ばらつきに影響されることなく、過電流状態を正確に判断することができる。
さらに、スイッチ素子のオン抵抗の実測値およびスイッチ素子の現在の温度に基づいて生成された基準電圧を用いることにより、過電流状態をより正確に判断することができる。
(第3および第4の実施形態の変形例)
三相交流モータ10を180度通電方式により駆動した場合、図9に示すように、ある相のコイルを流れた電流が他の2相のコイルに流れるタイミングがある。例えば、図9のロータステージ2(ロータアングル60°〜120°)においては、U相のハイサイドスイッチ素子(Q1)が導通状態であって、V相およびW相のローサイドスイッチ素子(Q5およびQ6)の両方が導通状態である。よって、U相コイルを流れた電流は、V相コイルとW相コイルに半分ずつ流れることになる。
この場合、1相ごとに過電流判定を行った場合、接続点N1,N2(あるいは接続点N4,N5)の電圧が1/2になるため、過電流の検出が遅れたり、あるいは過電流の検出ができない。
そこで、本変形例では、U,V,W各相の電圧を平均化した電圧(平均電圧)または平均電圧を増幅した電圧を基準電圧と比較して過電流判定を行う。
図10は、本変形例の過電流判定部15Bの概略的な構成を示している。
過電流判定部15Bは、電圧増幅部22と、電圧生成部23と、瞬時過電流判定用の比較器CP4と、平均過電流判定用の比較器CP5とを有する。
電圧増幅部22は、オペアンプ22a,22bおよび22cを有し、接続点N1,N2,N3(またはN4,N5,N6)の電圧を増幅する。
電圧生成部23は、オペアンプ22a,22bおよび22cの各出力電圧を平均化した平均電圧、または平均電圧を増幅した電圧を生成する。図10に示すように、オペアンプ22a,22bおよび22cの各出力端子は、抵抗を介して接続点Mを介して電気的に接続されている。接続点Mの電圧は、オペアンプ22a,22bおよび22cの各出力電圧を平均化した電圧となる。
電圧生成部23は、図10に示すように、オペアンプ23aおよび23bを有してもよい。オペアンプ23aは接続点Mの電圧を増幅して比較器CP4に出力し、オペアンプ23bは接続点Mの電圧を増幅して比較器CP5に出力する。オペアンプ23a,23bは、例えば、入力電圧を3倍に増幅する。オペアンプ23aおよび23bを設けることで、平均電圧が小さい場合にノイズ等の影響を除去して判定精度を上げることができる。なお、オペアンプ23aおよび23bを設けることは必須ではない。
比較器CP4は、オペアンプ23aの出力電圧が基準電圧VR4よりも高いときにLレベル信号を出力する。比較器CP4の入力端子に接続された遅延回路(図示せず)の応答時間は例えば数マイクロ秒〜数十マイクロ秒である。このため、比較器CP4はスイッチ電流の瞬時的な変化を検出することが可能である。比較器CP4は、例えばスイッチ電流が瞬時的に200A以上に上昇したときLレベル信号を出力して、制御部16,16Aに過電流状態を通知する。
比較器CP5は、オペアンプ23bの出力電圧が基準電圧VR5よりも高いときにLレベル信号を出力する。比較器CP5の入力端子に接続された遅延回路(図示せず)の応答時間は例えば数ミリ秒〜数十ミリ秒である。このため、比較器CP5はスイッチ電流の平均的な変化を検出することが可能である。比較器CP5は、例えばスイッチ電流が平均的に150A以上に上昇したときLレベル信号を出力して、制御部16,16Aに過電流状態を通知する。
なお、比較器CP4と比較器CP5はいずれか一方のみ設けられてもよい。
また、オペアンプ23a,23bが設けられていない場合、比較器CP4と比較器CP5は、接続点Mの電圧が基準電圧VR4,VR5よりも高いときにLレベル信号を出力する。
また、オペアンプ23a,23bの出力電圧または接続点Mの電圧が基準電圧VR4,VR5よりも高いときに比較器CP4,CP5が出力する信号はLレベル信号とは限らず、Hレベル信号であってもよい。
上記の過電流判定部15Bの入力は、第3の実施形態の変形例としては電流検出部14の接続点N1,N2,N3に接続され、第4の実施形態の変形例としてはフルブリッジ回路12の接続点N4,N5,N6に接続される。
なお、第4の実施形態の変形例の場合、過電流判定部15Bの電圧増幅部22が図6で説明した電圧増幅部18と同様の機能を果すものであるため、電圧増幅部22と電圧増幅部18のいずれか一方を設けるようにすればよい。また、電圧増幅部18,22は、必須の構成ではなく、オン抵抗が比較的大きい場合等には削除してもよい。
過電流判定部15Bの出力は、第3の実施形態の変形例としては制御部16に接続され、第4の実施形態の変形例としては制御部16Aに接続される。
過電流判定部15Bは、第3の実施形態の変形例としては、電流検出回路1a,1b,1cからそれぞれ出力された検出電圧を平均化した平均電圧、または平均電圧を増幅した電圧が基準電圧よりも高い場合に、過電流検出信号を出力する。
過電流判定部15Bは、第4の実施形態の変形例としては、接続点N4,N5およびN6の電圧を直接あるいは電圧増幅部18を介して入力し、入力した電圧を平均化した平均電圧または平均電圧を増幅した電圧が基準電圧よりも高い場合に、過電流検出信号を出力する。
上記のように、本変形例では、過電流判定部15BがU,V,W各相の電圧を平均化した平均電圧または平均電圧を増幅した電圧を基準電圧と比較して過電流判定を行う。このため、180度通電方式でモータを駆動する場合のように、ある相のコイルを流れた電流が他の2相のコイルに分岐して流れるタイミングがある場合でも、過電流状態を正確に判断することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るモータ制御装置31について、図8を参照して説明する。本実施形態に係るモータ制御装置31は、制御部16Bがスイッチ素子の過電流状態を判定する。以下、第3および第4の実施形態との相違点を中心に、本実施形態に係るモータ制御装置31について説明する。
モータ制御装置31は、図8に示すように、フルブリッジ回路12と、制御部16Bと、温度検出手段17と、電圧増幅部18と、記憶部19と、プリドライバ部20とを備えている。
プリドライバ回路20は、制御部16Bから出力された制御信号を、スイッチ素子Q1〜Q6の仕様に応じた電圧に増幅して出力する。
なお、電圧増幅部18は、必須の構成ではなく、オン抵抗が比較的大きい場合等には削除してもよい。プリドライバ部20も、必須の構成ではなく、制御部16Bがスイッチ素子Q1〜Q6の仕様に応じた電圧を出力可能な場合には削除可能である。
制御部16Bは、スイッチ素子の制御信号を出力する他、ローサイドスイッチ素子Q4,Q5,Q6のオン抵抗の実測値に基づいて、U,V,W各相の基準電圧(U相基準電圧、V相基準電圧、W相基準電圧)を生成する。なお、基準電圧は、配線部材Rp1,Rp2,Rp3の抵抗値も考慮して生成されてもよい。
制御部16Bは、ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子の接続点の電圧に基づく電圧を入力し、その電圧が基準電圧よりも高い場合に、スイッチ素子Q1〜Q6への制御信号の出力を停止する。
即ち、制御部16Bは、ハイサイドスイッチ素子Q3とローサイドスイッチ素子Q6の接続点N4の電圧(または該電圧を増幅した電圧)がW相基準電圧よりも高い場合に制御信号の出力を停止する。また、制御部16Bは、ハイサイドスイッチ素子Q2とローサイドスイッチ素子Q5の接続点N5の電圧がV相基準電圧よりも高い場合に制御信号の出力を停止する。また、制御部16Bは、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q4の接続点N6の電圧がU相基準電圧よりも高い場合に制御信号の出力を停止する。
なお、制御部16Bは、温度検出手段17からローサイドスイッチ素子の温度を入力し、その温度およびオン抵抗の実測値に基づく基準電圧を生成し、基準電圧と電圧と比較してもよい。この基準電圧の生成方法は、第5の実施形態と同様であるので詳しい説明を省略する。
以上説明したように、第5の実施形態に係るモータ制御装置31では、制御部16Bがスイッチ素子のオン抵抗の実測値に基づいてU,V,W各相の基準電圧を生成するとともに、その基準電圧と、接続点の電圧に基づく電圧(接続点の電圧または該電圧を増幅した電圧)との比較を行い、過電流状態にあるか否かを判定する。
このようにオン抵抗の実測値に基づく基準電圧を用いるため、第5の実施形態に係るモータ制御装置によれば、スイッチ素子のオン抵抗の個体ばらつきに影響されることなく、過電流状態を正確に判断することができる。
さらに、スイッチ素子のオン抵抗の実測値およびスイッチ素子の現在の温度に基づいて生成された基準電圧を用いることにより、過電流状態をより正確に判断することができる。
(第5の実施形態の変形例)
第3および第4の実施形態の変形例で説明したように、三相交流モータ10を180度通電方式により駆動した場合、U相、V相およびW相のうち2つの相のローサイドスイッチ素子が導通状態となるタイミングがある。この場合、過電流の検出が遅れたり、あるいは過電流の検出ができない。
上記課題に対処するため、制御部16Bは、接続点N4,N5およびN6の電圧(あるいは電圧増幅部18により接続点N4,N5およびN6の電圧を増幅した電圧)を入力し、これらの電圧を合計した合計電圧を算出し、算出した合計電圧が所定の基準電圧(制御部16Bが生成した基準電圧)よりも高い場合に、制御信号の出力を停止する。合計電圧は、制御部16Bが実行するソフトウェアにより算出される。
上記のように、本変形例では、制御部16BがU,V,W各相の電圧を合計した合計電圧を基準電圧と比較して過電流判定を行う。このため、180度通電方式でモータを駆動する場合のように、ある相のコイルを流れた電流が他の2相のコイルに分岐して流れるタイミングがある場合でも、過電流状態を正確に判断することができる。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1,1A,1a,1b,1c 電流検出回路
10 三相交流モータ
11,21,31 モータ制御装置
12 フルブリッジ回路
13 信号ゲート部
14 電流検出部
15,15A,15B 過電流判定部
16,16A,16B 制御部
17 温度検出手段
18,22 電圧増幅部
19 記憶部
20 プリドライバ部
22a,22b,22c オペアンプ
23 電圧生成部
23a,23b オペアンプ
ADL 信号線
B 直流電源
CP1,CP2,CP3,CP4,CP5 比較器
Id ドレイン電流
M,N,N1,N2,N3,N4,N5,N6 接続点
OCL 信号線
Q スイッチ素子
Q1,Q2,Q3 ハイサイドスイッチ素子
Q4,Q5,Q6 ローサイドスイッチ素子
Rd,R1,R2,R3 第1の抵抗
Roff,Ro1,Ro2,Ro3 第2の抵抗
Rp,Rp1,Rp2,Rp3 配線部材
SSL セレクト信号線
VR1,VR2,VR3,VR4,VR5 基準電圧

Claims (5)

  1. 一端が配線部材を介して接地されたスイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出回路であって、
    一端が前記スイッチ素子の他端に接続された第1の抵抗と、
    一端が前記第1の抵抗の他端に接続され、他端が接地された第2の抵抗と、
    を備え、
    前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の接続点の電圧を、前記スイッチ素子に流れる電流を示す検出電圧として出力し、
    前記第2の抵抗の抵抗値は、次式により算出された値であることを特徴とする電流検出回路。
    Figure 0006266298
    ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rp:前記配線部材の抵抗値、Rd: 前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ.):前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd.):前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値である。
  2. 前記スイッチ素子のオン抵抗の実測値は、前記スイッチ素子に所定の測定電流を流した場合における前記スイッチ素子の電圧を測定し、前記測定された電圧を前記測定電流で割った値であることを特徴とする請求項1に記載の電流検出回路。
  3. 前記スイッチ素子の電圧は、前記スイッチ素子のオン抵抗の仕様値の温度条件と同じ温度で測定された値であることを特徴とする請求項2に記載の電流検出回路。
  4. 前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の合成抵抗の値は、前記スイッチ素子に流れる電流に対する所定の検出誤差を満たすように、前記配線部材の抵抗および前記スイッチ素子のオン抵抗の合成抵抗の値に比べて十分に大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電流検出回路。
  5. 一端が直流電源に接続されたハイサイドスイッチ素子と、一端が前記ハイサイドスイッチ素子の他端に接続され他端が配線部材を介して接地されたローサイドスイッチ素子とを有するスイッチ素子対を含むフルブリッジ回路と、
    前記ローサイドスイッチ素子に流れる電流を検出し、前記電流を示す検出電圧を出力する電流検出回路を有する電流検出部と、
    前記電流検出回路から出力された前記検出電圧が基準電圧よりも高い場合、過電流検出信号を出力する過電流判定部と、
    前記ハイサイドスイッチ素子および前記ローサイドスイッチ素子を導通状態または遮断状態に制御する制御信号を出力する制御部と、
    前記制御信号を受信し、前記過電流検出信号を受信していない場合には前記制御信号を出力し、前記過電流検出信号を受信している場合には前記制御信号を遮断する信号ゲート部と、
    を備え、
    前記電流検出回路は、一端が前記ローサイドスイッチ素子の一端に接続された第1の抵抗と、一端が前記第1の抵抗の他端に接続され他端が接地された第2の抵抗とを有し、前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の接続点の電圧を前記検出電圧として出力し、
    前記第2の抵抗の抵抗値は、次式により算出された値であることを特徴とするモータ制御装置。
    Figure 0006266298
    ここで、Roff:前記第2の抵抗の抵抗値、Rp:前記配線部材の抵抗値、Rd: 前記第1の抵抗の抵抗値、Ron(typ):前記ローサイドスイッチ素子のオン抵抗の仕様値、Ron(msd):前記ローサイドスイッチ素子のオン抵抗の実測値である。
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