JP6265749B2 - 光ファイバ巻取り用リール及びリール巻き光ファイバ - Google Patents

光ファイバ巻取り用リール及びリール巻き光ファイバ Download PDF

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Description

本発明は、通信用光ファイバ素線などの光ファイバを巻き取るための光ファイバ巻取り用リール、及び光ファイバ巻取り用リールに巻き取った状態の光ファイバ、すなわちリール巻き光ファイバに関するものである。
光ファイバ素線を巻き取るためのリール(ボビン)としては、一般に円筒状をなす巻胴(後述する主巻胴部)の両端に鍔部が設けられたものが使用される。また光ファイバ素線製品を出荷するに当たっては、光ファイバ素線をリールに巻き取った状態の製品、すなわちリール巻き光ファイバの形態で出荷するのが通常である。
ところで通信用光ファイバ素線は、リールに巻き取った状態で、品質保証などのため、伝送損失の測定など、種々の測定、検査を行うのが通常である。そのため、リールに巻き取られた状態の長尺の光ファイバ素線は、その両端部分を、例えば数mから十数m程度の長さ分だけ露出させる必要がある。
ここで、リール巻き光ファイバにおける巻き終わり側の端部(エンド端)は、リールの巻胴上の最外層側に位置するため、容易に露出させることができる。しかしながら巻き始め端部(スタート端)は、単純に巻きつけた場合は、巻胴上の光ファイバ素線の積層された巻層の最内周に位置して、巻層内に埋もれてしまう。そこで従来の光ファイバ巻取り用のリール10としては、例えば図18に示すように、巻胴(主巻胴部)12の両側の主鍔部14A、14Bのうち、少なくとも一方側(巻き始め側)の主鍔部14Aの外側に補助巻胴部16を設けておき、かつ主鍔部14Aにおける主巻胴部12の外周面付近に対応する位置に、その主鍔部14Aの内外両側面間を貫通する穴部18を形成したリール10を使用することが知られている(例えば特許文献1参照)。
図18に示すようなリール10を使用して光ファイバ素線を巻き取るにあたっては、光ファイバ素線の巻き始め側端末を、主鍔部14Aの内側(主巻胴部12の側)からその穴部18に差し込んで主鍔部14Aの外側に引き出し、さらにその穴部18を介して光ファイバ素線をある程度の長さにわたって手繰り、補助巻胴部16に巻き付けてから、主巻胴部12に光ファイバ素線を巻取ることが行われている。
しかしながら図18に示すようなリール10では、髪の毛ほどに細い光ファイバ素線を、細い穴部18に通したうえで、ある程度の長さだけ手繰り、この手繰った素線を補助巻胴部16に巻き付ける、という、人の手による作業(手作業)に頼らざるを得ない。そのため、巻き始め時の作業を機械化したり自動化したりすることが極めて困難であった。したがって巻取り作業の全自動化が困難であって、作業の効率化、コストダウンにも限界があった。
また一方、図19に示すように、巻き始め端部側の主鍔部14Aに、その外周縁から内側に向かい、主鍔部14Aの直径方向に沿って主巻胴部12の外周面の位置まで届くスリット17を形成したリール10も従来から使用されている(例えば特許文献2、特許文献3など)。
図19に示すようなリール10を使用する場合、光ファイバ素線の巻き始め側の部分を、まず補助巻胴部16に巻き付け、その後に光ファイバ素線を補助巻胴部16から前記スリット17を通して主巻胴部12に導き、主巻胴部12に巻き取っていくことができる。このような手法によれば、巻き始めの初期に補助巻胴部16から主巻胴部12に光ファイバ素線を導くにあたっては、光ファイバ素線を主鍔部14Aの外側からスリット17内に落とし込めばよいから、その作業を容易に機械化、自動化することが可能となる。したがって、巻取り作業工程の省力化、全自動化のためには、図18に示したリール10よりも、図19に示すように主鍔部14Aにスリット17を形成したリール10を用いることが望ましい。
しかしながら、図19に示すように主鍔部14Aにスリット17を形成したリール10では、次のような問題があった。
すなわち、主鍔部14Aの直径方向に沿って主巻胴部12の外周面の位置まで届くスリット17を形成したリールでは、スリット17を形成していない場合と比較して、主鍔部14Aの強度や剛性が低くならざるを得ない、という問題がある。特に、光ファイバ素線を巻き取った製品(リール巻き光ファイバ)を取り扱う場合、片手の手指によってリールを掴んで各種測定装置などの繰り出し装置や巻取り装置への装着、離脱、あるいは持ち運びなどを行ったりすることが多く、その場合、スリット形成に起因する主鍔部14Aの剛性低下は、大きな問題となっている。
この点について図20〜図22を参照して詳細に説明する。なお図20〜図22では、作図の都合上、図19とはリール10の左右を反転させて、右側の主鍔部に符号14Aを付している。
図20に示すように、片手30でリール10を掴む場合、親指31以外の指(例えば人差し指32及び中指33)を、リール10の端面側中央部に開口している軸孔11(巻取や繰り出しのために巻取機もしくは繰り出し機の回転軸が挿入される部分)に差し込み、親指31を主鍔部14Aの外周縁部に引っ掛けて、リール10を持つことが多い。また各種測定装置などの繰り出し装置や巻取り装置の回転軸は、水平方向に沿っているのが通常であるから、これらの装置へリール10を装着、離脱させる際には、一般にリール10の中心軸線Oが水平となるようにリールを持つ必要がある。このとき、親指31を引っ掛けた箇所(主鍔部14Aの外周縁部上の位置)Pは、リールの重心位置Gから側方に離れかつ重心位置Gを通る水平軸線Oから上方に離れた位置となる。そのため、その箇所Pには、矢印Fで示すように、鍔板面に対し直角な方向への力が加わる。すなわち主鍔部14Aを外側に変形させる(反り返らせる)力Fが箇所Pに作用する。
一方、スリット17を形成した主鍔部14Aは、そのスリット17の箇所で周方向への連続性が分断されているため、スリット17の近傍では、鍔板面に対し直角な方向への力に対して強度、剛性が低くなっている。そして、上記の親指引っ掛け位置Pが、スリット17の近傍であれば、その引っ掛け位置Pを含む部分において主鍔部14Aの鍔板が変形してしまうおそれがある。
具体的には、図21、図22に示すように、引っ掛け位置Pを含む部分において主鍔部14Aの鍔板が、外側に反り返って(めくれて)しまう。その場合、スリット17の近傍では、主巻胴部に巻き取られている光ファイバ層40の側面40aと主鍔部14Aの内面14Aaとの間に隙間Sが生じる。そしてその隙間Sの幅が大きければ、光ファイバ層40の光ファイバ素線が、巻取り時に付与されている巻取り張力によって、隙間S内に落ち込み、巻き崩れが生じてしまう。すなわち、巻取り張力には、鍔板半径方向内側に向う成分の力があるため、リール巻取り光ファイバの光ファイバ層40の光ファイバには常に鍔板半径方向内側に向う力が働いており、そのため光ファイバ層40の側面40a側に大きな隙間Sが生じれば、上記の鍔板半径方向内側に向う力によって、光ファイバ素線が隙間S内に落ち込んでしまう。そしてこのような隙間S内への光ファイバ素線の落ち込みによって、光ファイバ層40の整列状態が崩れ、いわゆる巻き崩れとなってしまう。
このような巻き崩れが生じれば、巻き取られた光ファイバ素線を円滑に引き出せなくなる事態が生じやすくなり、また光ファイバ素線に対して側圧が作用して、リール巻き光ファイバ内の光ファイバ素線に伝送ロスが生じ、巻取状態での光ファイバ素線性能を正確に把握できなくなってしまうおそれもある。
もちろん主鍔部14Aの厚みを増大させて、鍔板の剛性を高めておけば、前述のようにスリット17の近傍でリールを把持した場合でも、スリット17の近傍における反り返りの発生を防止して、隙間Sが生じないようにし、これによって前述のような片持ち把持時における光ファイバ素線の落ち込みを防止することが不可能ではない。
しかしながら、スリット近傍での反り返りを確実に防止しようとすれば、鍔板の厚みを著しく厚くせざるを得ないが、その場合、リールの重量が大きくなってしまって、リールのハンドリング性を悪化させ、またリールの材料コストを増大させてしまう問題が生じる。したがって鍔板の厚みを増加させることなく、上記のようなリール把持時における鍔板の反り返りに起因する隙間内への光ファイバ素線の落ち込みが生じないようにすることが望まれる。
特開2001−322767号公報 特開平9−120010号公報 特開平11−236171号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、主鍔部に、補助巻胴部から光ファイバを導くためのスリットを形成したリールにおいて、鍔板の厚みを増加させることなく、リールを片手で把持した際におけるスリット付近での鍔板の反り返り変形に起因する隙間内への光ファイバの落ち込みの発生を防止し得るようにしたリールを提供すること、及びそのリールに光ファイバを巻き取ってなるリール巻き光ファイバを提供することを課題としている。
前述のような課題を解決するための方策を見い出すべく、本発明者等が、スリットを形成したリールにおける鍔板の反り返りの際の光ファイバ素線の落ち込みの発生状況について詳細に観察・検討した。
その結果、鍔板の反り返りが広範囲にわたって生じて、隙間発生領域がリールの周方向に大きな角度で広がった場合に、光ファイバ素線が落ち込みやすくなることに着目した。
ここで、隙間Sの幅が光ファイバ素線の外径より小さければ、鍔板の反り返りによって隙間Sが生じても、光ファイバ素線が隙間に落ち込むことはない。一方、隙間Sの幅が光ファイバ素線の外径以上に大きくなれば、光ファイバ素線が隙間に落ち込みやすくなってしまう。一般に汎用されている通信用光ファイバ素線としては、その外径が0.25mmのものが多く、その場合、鍔板の反り返りによって生じる光ファイバ素線巻取り層の側面位置と鍔板内面との間の隙間Sが0.25mm以上となれば、光ファイバ素線の張力によって外層側の光ファイバ素線が内層側に向ってその隙間に落ち込みやすくなることは明らかである。
一方、本発明者等が実験・検討を重ねた結果、隙間S内への光ファイバ素線の落ち込みの生じやすさは、上記のような隙間Sの幅だけではなく、隙間の発生領域の鍔板外周方向への広がりの範囲(角度範囲もしくは長さ範囲)、すなわちリールの中心軸線に対して大きな隙間が生じている角度範囲もしくは鍔板周方向長さにも大きく依存していることが認識された。
すなわち、光ファイバ素線の外径以上の大きな隙間、例えば0.25mm以上の大きな隙間Sが生じても、その隙間発生領域が狭い場合(例えばリールの中心軸線Oに対しての隙間発生領域の角度範囲が小さい場合)には、光ファイバ素線の落ち込みが生じにくいことが知見された。逆に、光ファイバ素線の外径以上の大きな隙間、例えば0.25mm以上の大きな隙間の領域が、鍔板の周方向へ大きな角度にわたって生じた場合には、周方向に沿う素線張力における鍔板半径方向内側への成分の力によって、光ファイバ素線が内層側に向って落ち込みやすくなることが知見された。
このような知見から、鍔板が反り返った時の隙間の発生領域の範囲を狭くすれば、言い換えれば隙間発生領域の鍔板周方向への角度もしくは長さを小さくすれば、たとえ鍔板の反り返りが生じても、光ファイバ素線が隙間内に落ち込みにくくなるはずであると考えた。そしてこのことから、リールの片持ち把持時における反り返りの鍔板周方向への広がりを小さくすることが素線落ち込みの発生防止に有効であると考えた。
また一方、スリット付近に手指を引っ掛けてのリール片持ち把持時のスリット付近の鍔板の反り返りの変形は、前述のようにスリットの存在によってその付近の剛性が低くなっていることに起因している。
そこでこれらの考察から、スリット付近の狭い領域の範囲内の鍔板の剛性を、鍔板の他の部分よりも、局部的により一層低くしておけば、スリット付近での反り返りが生じる領域を、狭い範囲内に限定することが可能となると考えた。
そして実際に実験を重ねた結果、鍔板におけるスリット付近の狭い範囲の領域のみを、鍔板の他の部分よりも低剛性としておくことによって、前述のようなリール片持ち把持時における鍔板の反り返り領域の範囲を狭く限定することができ、またそれに伴って光ファイバ素線の外径以上、例えば0.25mm以上の大きな隙間が発生する領域の範囲を狭くすることが可能となり、隙間内への素線落ち込み防止に有効となることを見い出し、本発明をなすに至った。
したがって本発明の基本的な態様(第1の態様)による光ファイバ巻取り用リールは、
円筒状をなす主巻胴部の軸線方向両端にそれぞれ主鍔部が設けられ、かつ少なくとも一方の主鍔部の外側に補助巻胴部が設けられ、前記補助巻胴部を設けた側の主鍔部の周方向の一部に、リールの中心軸線に向かって延びるスリットが形成されている光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記主鍔部におけるスリットが形成された位置の両側部分は、それ以外の部分よりも主鍔部の板面に直交する方向の剛性が局部的に低い低剛性領域とされていることを特徴とするものである。
このような第1の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいては、主鍔部におけるスリットの両側の領域のみを、主鍔部におけるスリットから離れた部分よりも局部的に剛性が低い領域(低剛性領域)としているため、リール把持時にスリット付近(低剛性領域)に手指が掛けられた時に、主鍔部におけるスリットから離れた部分(高剛性領域)よりも容易に反り返ることになる。そしてその場合は、スリット付近において、主鍔部の内面と主巻胴部に巻き取られている光ファイバ層の側面との間に比較的大きな隙間、すなわち光ファイバの外径よりも大きい幅(例えば0.25mm以上)の隙間が生じることがある。
しかしながら、低剛性領域の範囲を狭い範囲内の局部的なものとすることによって、このような低剛性領域をスリット付近に形成しない場合と比較して、光ファイバの外径よりも大きい幅の隙間が発生する領域を狭くすることができる。その場合、主巻胴部に巻き取られている光ファイバ層の光ファイバが隙間内に落ち込みにくくなる。そのため、隙間内への光ファイバの落ち込みによる巻き崩れの発生を防止することが可能となり、また光ファイバ層内での光ファイバに対する側圧による伝送ロスの増大も防止することが可能となる。
また本発明の第2の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第1の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記主鍔部における低剛性領域が、主巻胴部の外周面の位置に達しないように形成されていることを特徴とするものである。
一般に光ファイバ巻取り用リールでは、その持ち運び時などにおいて主鍔部に外力が加わった場合、主鍔部の付け根部分(主巻胴部に連続する部分)に応力集中が生じることが多く、そのため主鍔部の付け根部分の強度が低ければ、その箇所から亀裂や折損が発生してしまうおそれがある。しかるに第2の態様の光ファイバ巻取り用リールによれば、スリット付近でも、主鍔部の付け根部分(主巻胴部に連続する部分)の剛性、強度は特に低くならないため、主鍔部の付け根部分の強度不足によってその箇所からの亀裂や折損が発生してしまうことを有効に防止できる。
また本発明の第3の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第1、第2のいずれかの態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記低剛性領域における、主鍔部の円周方向への幅が、主鍔部の外周縁側から主巻胴部の外周面の側に向かって小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
このような第3の態様の光ファイバ巻取り用リールでは、低剛性領域における、主鍔部の円周方向への幅が、主鍔部の外周縁側から主巻胴部の外周面に向かって小さくなっているため、スリット付近でも、主鍔部の付け根部分(主巻胴部に連続する部分)の強度が高く確保され、主鍔部の付け根部分への応力集中とその部位の強度不足によって、その箇所からの亀裂や折損の発生を有効に防止できる。
また本発明の第4の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第1〜第3のいずれかの態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
主鍔部の外周位置での前記低剛性領域における主鍔部の円周方向への範囲が、リールの中心軸線を基準とする角度範囲として、スリットの両側に、スリット間の中心線を基準として片側ずつそれぞれ30度以下の角度の範囲内とされていることを特徴とするものである。
このような第4の態様の光ファイバ巻取り用リールでは、主鍔部の低剛性領域、すなわち手指を掛けた際に反り返りやすくなっている領域が、スリットの両側に、片側ずつそれぞれ30度以下の角度の範囲内と、狭い範囲内に限定されており、このような範囲内であれば、汎用されている光ファイバ巻取り用リールに満杯に光ファイバを巻き取った状態で、反り返りにより光ファイバの外径よりも大きな幅となる隙間の発生領域は、片側20度程度以下と、きわめて狭い範囲内となり、隙間内に光ファイバが落ち込むことを有効に防止することができる。
なお好ましくは、上記の低剛性領域の範囲は、リールの中心軸線を基準とする角度範囲として、スリットの両側に、片側ずつそれぞれ22.5度以下の角度の範囲内とする。この場合には、反り返りにより光ファイバの外径よりも大きな幅となる隙間の発生領域を、片側それぞれ15度程度以下と、より狭い範囲内とすることができ、隙間内に光ファイバが落ち込むことを、より一層確実に防止することができる。
また本発明の第5の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第1〜第4のいずれかの態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記低剛性領域が、スリットの両側部分における主鍔部の厚みを、それ以外の部分よりも局部的に薄くすることによって形成されていることを特徴とするものである。
主鍔部の剛性(主鍔部の板面に直交する方向の剛性)は、その厚みに対応するから、スリットの両側部分における主鍔部の厚みを、それ以外の部分よりも局部的に薄くすることによって、その部位を低剛性領域とすることができる。
このように、スリットの両側部分における主鍔部の厚みを局部的に薄くすることによりその部位を局部的な低剛性領域とする場合、容易に低剛性領域を有するリールを製造することができる。例えばリールを樹脂成型する場合、最初から主鍔部のスリット付近の厚みが薄くなるように金型設計するだけで、スリット付近に局部的に低剛性領域を有するリールを容易に製造することができる。また既存のスリット付きリールについても、その一部(スリットの両側部分)を機械加工などによって削るだけで、スリットの両側に局部的に低剛性領域を有するリールを容易に得ることができる。したがって本発明を実際に適用する場合における、光ファイバ巻取り用リールの製造コスト上昇を最小限に抑えることができる。
また本発明の第6の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第5の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、主巻胴部に近い側から主鍔部の外周縁の位置に向って小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
このような第6の態様の光ファイバ巻取り用リールでは、主鍔部におけるスリット両側の低剛性領域の剛性が、主巻胴部に近い側から主鍔部の外周縁に向って小さくなるから、スリット近傍の主鍔部外周縁部に手指を掛けたときに、主鍔部外周端寄りの箇所が、より反り返りやすくなり、その反面、反り返りによって光ファイバ外径以上の大きな空隙が生じる領域の範囲が狭くなり、その結果、既に述べたような光ファイバの落ち込みの発生を、より確実に防止することができる。
さらに本発明の第7の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第5の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、主鍔部の外周方向にスリットから離れた位置から、スリットの位置に向って小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
第7の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいては、主鍔部におけるスリット両側の低剛性領域の剛性が、主鍔部の外周方向にスリットから離れた位置から、スリットの位置に向って小さくなるから、スリット近傍の主鍔部外周縁部に手指を掛けたときに、スリットに近い側の箇所が、より反り返りやすくなる。そのため反り返りによって光ファイバ外径以上の大きな空隙が生じる領域の範囲が狭くなり、その結果、既に述べたような光ファイバの落ち込みの発生をより確実に防止することができる。
さらに本発明の第8の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第5の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、均一な厚みとされていることを特徴とするものである。
このように低剛性領域における主鍔部の厚みを均一な厚みとした場合、低剛性領域内の剛性も全体的に均一となるが、その場合でも、既に第1の態様に関して説明したように、均一に薄い低剛性領域の範囲を、狭い範囲内の局部的なものとすることによって、低剛性領域をスリット付近に形成しない場合と比較して、光ファイバの外径よりも大きい幅の隙間が発生する領域の範囲を狭くすることができる。その場合、主巻胴部に巻き取られている光ファイバ層の光ファイバが隙間内に落ち込みにくくなり、そのため、隙間内への光ファイバの落ち込みによる巻き崩れの発生を防止することが可能となり、また光ファイバ層内での光ファイバに対する側圧による伝送ロスの増大も防止することが可能となる。
さらに本発明の第9の態様による光ファイバ巻取り用リールは、前記第1〜第8のいずれかの態様の光ファイバ巻取り用リールにおいて、
主鍔部における前記スリットが形成された部分を、主鍔部の板面の一方の側からリールの回転中心と平行な方向に見通した場合に、スリットにおける主鍔部の円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分と他方の側の端縁部分とが重なり合わないようにスリットが形成されていることを特徴とするものである。
第9の態様の光ファイバ巻取り用リールにおいては、例えばスリットにおける主鍔部の円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分の付近の鍔部外周縁部に前述のように手指を掛けて、その一方の側の低剛性領域が反り返っても、その側の端縁部分が他方の側の端縁部分に当たって、他方の側の端縁部分を含む低剛性領域が反り返ってしまうことを防止できる。その結果、光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間が生じる領域を、スリットの片側のみに限定させることができ、これによって光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間の発生領域を確実に狭くし、光ファイバ落ち込みを、より確実に防止することが可能となる。
さらに本発明の第10の態様のリール巻き光ファイバは、第1〜第9のいずれかの態様の光ファイバ巻取り用リールにおける主巻胴部に光ファイバが巻き取られてなるものである。
第10の態様のリール巻き光ファイバにおいては、製品として出荷される光ファイバとして、前記第1〜第9の態様に関して述べたような作用、機能を発揮することができる。
本発明によれば、補助巻胴部から光ファイバを導くためのスリットを主鍔部に形成した光ファイバ巻取り用リールとして、主鍔部の鍔板厚みを増加させることなく、したがってリール重量を増加させることなく、リールを片手で把持して指を主鍔部外周縁部のスリット付近に掛けた際における、スリット付近での鍔板の変形(反り返り、めくれ)に起因する光ファイバ巻取り層と鍔板内面との間の隙間が発生する範囲、とりわけ光ファイバ外径以上の大きな隙間が発生する領域の範囲を狭く限定することができる。その結果、リールの片手把持時における隙間内への光ファイバの落ち込みの発生を回避することができ、そのため、光ファイバの落ち込みに起因する巻き崩れの発生を防止することが可能となる。したがって、巻き崩れの発生によって光ファイバ巻取り層からの光ファイバの円滑な引き出しが困難となったり、あるいは巻き崩れによる側圧によって伝送ロスが増大してしまうことを防止することができ、またそのほかの巻き崩れに起因する諸問題、例えば光ファイバの変形や外傷の発生を防止することができる。
本発明の第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールを示す斜視図である。 図1に示されている第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールの平面図である。 図2のIII−III線における縦断面図である。 第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールの要部、特に主鍔部のスリット付近を拡大して示す斜視図である。 図4の矢視V方向からの平面図である。 図4の矢視VI方向からの縦断面図である。 図6のVII−VII線における横断面図である。 図6のVIII−VIII線における縦断面図である。 図6のIX−IX線における縦断面図である。 第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールを、その中心軸線が水平となるように片手の手指によって把持した際の、主鍔部のスリット付近の変形状況を概念的に示す略解図である。 従来のスリット付き光ファイバ巻取り用リールを片手持ち把持した比較実験例による隙間発生状況を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態によるスリット付き光ファイバ巻取り用リールを片手持ち把持した本発明実験例による隙間発生状況を示すグラフである。 第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールのスリットについて説明するための、図5に対応する平面視の模式図である。 本発明が適用される光ファイバ巻取り用リールのスリットの他の例について、図13に対応する平面視の模式図である。 第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールにおける、スリット両側の低剛性領域の範囲についての別の例を示すための、図6に対応する縦断面図である。 本発明の第2の実施形態の光ファイバ巻取り用リールについて示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態の光ファイバ巻取り用リールについて示す斜視図である。 従来の光ファイバ巻取り用リールの一例を示す斜視図である。 従来の光ファイバ巻取り用リールの別の例、特に主鍔部にスリットを形成したリールの一例を示す斜視図である。 図19に示される従来のリールを、その中心軸線が水平となるように片手の手指で把持する状況の一例を示す略解図である。 図19に示されように従来のリールを手指で把持した際の主鍔部のスリット付近の変形状況をリールの上面側から見た、段階的な略解図である。 図21の(b)に示される変形状況をリールの側面側から見た略解図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1〜図3には本発明の第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リール10の全体構成を示し、図4〜図9には、第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リール10の要部、特に主鍔部14Aのスリット17の近傍を拡大して示す。なお本発明のリールは、主として、いわゆる素線状態の光ファイバ(光ファイバ素線)、すなわちコアおよびクラッドからなる光ファイバ裸線を、保護被覆層によって被覆したものを巻取るために使用されるものであり、そこで以下の説明では、巻取り対象については、光ファイバ素線と記載する。
図1〜図9において、リール10は、基本的には、図19に示した従来のリールと同様に、円筒状をなす主巻胴部(主巻取り部)12の軸線方向の両端側に、主巻胴部12の外径よりも大径の鍔部14A、14Bを形成した構成とされている。なお本明細書では、後述する補助鍔部18A、18Bと区別するため、主巻胴部12の両側の大径の鍔部14A、14Bを主鍔部と称する。
さらに主鍔部14A、14Bの外側には、補助巻胴部16A、16Bが形成されており、各補助巻胴部16A、16Bの外側には、主鍔部14A、14Bの外径よりも小さい径の補助鍔部18A、18Bが設けられている。またリール10は、その全体が例えばABS樹脂などの比較的硬質な樹脂あるいはアルミなどの金属によって作られている。またリール10には、巻取り機もしくは繰出し機の回転軸を挿通させるための軸孔11が、回転中心軸線Oに沿って貫通形成されている。なお、一般的な光ファイバ素線巻取り用のリールにおいては、その軸線方向両端側の側面における軸孔11の外方の位置に、リールに回転動力を加えるためのピン(ケレピン)を挿入するためのケレ穴を形成しておくことが多い。また、主巻胴部12の外周面上に、光ファイバ巻取り層における下巻き層を圧迫することを防止するためにスポンジなどのクッション層を設けることが多い。そこで本発明のリールにおいても、図示はしないが、ケレ穴を形成したり、またクッション層を設けたりしてもよいことはもちろんである。
ここで、本実施形態では、リール10の軸線方向両側の鍔部に補助巻胴部16A、16Bおよび補助鍔部18A、18Bが設けられている構成としているが、補助巻胴部は、少なくとも巻き始め側となる端部側に設けられていればよい。したがって補助巻胴部および補助鍔部は、リール10のいずれか一方の端部側にのみ設けられていてもよい。また補助巻胴部および補助鍔部を、リール10の両端側に設ける場合には、一端側の主鍔部14A、補助巻胴部16Aおよび補助鍔部18Aと、他端側の主鍔部14B、補助巻胴部16Bおよび補助鍔部18Bとは、対称もしくは同一の形状であればよい。そこで以下の説明では、一端側の主鍔部14Aの側を巻き始め側と想定し、その側の主鍔部14Aについて説明し、他端側の主鍔部14Bについては、その詳細な説明は省略する。
主鍔部14Aは、従来の一般的なリールの鍔部と同様にその外周縁部から、回転軸線Oと平行に外側(補助巻胴部16Aが位置する側)に向けて張り出すフランジ部21が形成されている。このフランジ部21は、主鍔部14Aを補強するためのものであって、必ずしも必要ではないが、ここではフランジ部21があるものとして説明を進める。また一般に主鍔部14Aの外面14Aaには、直線状の突条部(リブ)を、周方向に間隔をおいて放射状に複数条形成して、主鍔部14Aを補強することが多く、本実施形態でもそのような突条部(リブ)を設けることが望ましいが、図面の煩雑化を避けるため、主鍔部14Aの外面14Aaの複数の直線状の突条部(リブ)は、図示を省略している。
さらに主鍔部14Aには、その外周縁部から、リールの中心軸線Oに向かって延びるスリット17が形成されている。このスリット17は、主鍔部14Aの外周縁部位置から主巻胴部(主巻取り部)12の外周面(巻胴面)12aの位置まで達するように形成されている。なお図示の例では、スリット17における主鍔部14Aの円周方向に向き合う一対の面(対向面)17a、17bは、主鍔部14Aの円周方向に直交する面(したがってリールの中心軸線Oに対して直交する面)に沿って、互いに平行な面とされている。またそのスリット幅(空隙の幅)W1、すなわち対向面17a、17bの間隔W1(図5、図6参照)は、主鍔部14Aの外周縁部位置から主巻胴部(主巻取り部)12の外周面(巻胴面)12aの位置まで同一とされているが、場合によっては主鍔部14Aの外周縁部位置から主巻胴部(主巻取り部)12の外周面(巻胴面)12aの位置に向ってスリット幅W1が若干変化するように形成されていてもよい。
このスリット17は、図19を参照して説明した従来の光ファイバ巻取り用リールにおけるスリットと同様に、光ファイバ素線を主鍔部14Aの外側(補助巻胴部16Aの側)から主巻胴部12に導くためのものである。すなわち、主鍔部14Aにスリット17を形成しておけば、リールに光ファイバ素線を巻き取るにあたって、光ファイバ素線の巻き始め側を、まず補助巻胴部16Aに巻き付け、その後に光ファイバ素線をスリット17内に落とし込むことによって、光ファイバ素線を主鍔部17Aの外側から主巻胴部12の外周面(巻取面)に容易に導くことができる。
ここでスリット17の幅W1は特に限定されないが、光ファイバ素線を円滑に導き得るように、光ファイバ素線の外径より大きい幅とし、同時に主鍔部14Aの強度に悪影響を及ぼさないような比較的小さい幅とすることが望ましく、通常は1mm〜10mm程度の幅とすればよい。
さらに本発明の特徴的な構成として、主鍔部14Aにおけるスリット17の両側の部分は、局部的に、スリット17から離れた箇所よりも剛性が低い低剛性領域23A,23Bとされている。この低剛性領域23A,23Bは、本実施形態では、スリット17の両側の部分における主鍔部14Aの板面の厚み(リールの中心軸線Oに平行な方向の厚み)Tを、スリット17から離れた箇所の厚みT(本来の主鍔部14Aの鍔厚)よりも小さくすることによって、低剛性とされている。すなわち、次に詳細に説明するように、主鍔部14Aにおけるスリット17の両側の部分の板面(鍔板面)を、局部的に傾斜面25A、25Bとすることによって形成されている。
また本実施形態の場合、低剛性領域23A,23Bにおける、主鍔部14Aの円周方向への幅W2が、主鍔部14Aの外周縁側から主巻胴部12の外周面の位置に向かって小さくなるように設定されている。なおここで、低剛性領域23A,23Bにおける主鍔部14Aの円周方向への幅W2は、フランジ部21は含めないものとしている。
さらに、低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置は、主鍔部14Aの半径方向内側に向って、主巻胴部12の外周面の位置にまで達しないように定められている。但し、本実施形態では、主巻胴部12の外周面位置の直近の位置までとされている。
主鍔部14Aにおけるスリット17の両側の低剛性領域23A、23Bについて、図4〜図9を参照してさらに詳細に説明する。
薄肉の低剛性部23A、23Bは、本実施形態では、均一な厚みではなく、主鍔部14Aのスリット17の両側の部分について、その鍔板面を傾斜面25A、25Bとすることによって、厚みが変化する面とされている。すなわちスリット17の両側の部分(但し、主鍔部14Aの半径方向内側に向って、主巻胴部12の外周面位置まで至らない直近の位置までについて、主鍔部14Aの外面14Aaを、本来の厚みTの部分(図5、図8参照)から鍔板面を傾斜状に削ぎ落とした傾斜面25A、25Bとすることによって形成されている。
具体的には、傾斜面25A、25Bは、主鍔部14Aの外周縁部の位置から、内側に向って徐々に鍔厚が大きくなり、最終的に主巻胴部(主巻取り部)12の外周面(巻胴面)12aの位置では、本来の鍔厚Tと同一となり、しかもスリット17の位置から主鍔部14Aの周方向両側に向って徐々に鍔板の厚みが大きくなって、最終的に本来の鍔厚Tに達するように、傾斜方向が定められている。したがって、傾斜面25A、25Bは、スリット17の両側部分の板面(主鍔部14Aの外面側の面)を、スリット17の外周側開口縁部17c、17dのリール外側位置(傾斜面25A、25Bを削り出していないと想定した時のリール外側位置)17p、17q(図5参照)を頂点とする略三角錐状の部分を削ぎ落とした形状、言い換えれば立体的な扇形の形状となっている。ここで、傾斜面25A、25Bによって薄肉化した低剛性部23A、23Bの最も薄い箇所(スリット17の外周側開口縁部17c、17d)の厚み(最小厚み)をTmであらわせば、その箇所から主鍔部14Aの内側及び円周方向両側に向って、厚みTが最小厚みTmから最大厚み(本来の鍔厚)Tまで徐々に増大することになる。なお傾斜面25A、25Bによる低剛性部23A、23Bの最小厚みTmは、低下させるべき剛性の程度と本来の鍔厚T、及び主鍔部14Aの高さ(もしくは傾斜面25A、25Bの傾斜角度)を考慮し、かつ過剰に薄肉化することによる過剰な強度低下を避けるように適宜定めればよく、一般的には、主鍔部14Aの本来の鍔厚Tの1/3〜2/3程度の範囲内とすることが好ましく、本実施形態の場合は、本来の鍔厚Tの約1/2としている。
なお本実施形態では、主鍔部14Aの外側にその外周縁部からフランジ部21が張り出しており、そのフランジ部21も、スリット17に近い箇所において前記傾斜面25A、25Bに連続する傾斜面21A、21Bが形成されるように、外側から削ぎ落とされている。
傾斜面25A、25Bによって形成されるスリット17の両側の薄肉の低剛性領域23A、23Bは、リールの中心軸線Oを基準として、ある限定された比較的小さい角度θの範囲内とすることが望ましい。これは、言い換えれば、主鍔部14Aの外周縁部における周方向の限定された狭い範囲内にのみ薄肉の低剛性領域23A、23Bを形成することが望ましいことを意味する。
なお上記の薄肉の低剛性領域23A、23Bの形成範囲についての角度θの範囲とは、図3、図4、図6に示しているように、スリット17の対向面17a、17bの間の中心の面を基準として、スリット17の片側あたりθ/2の角度の広がりを持つ範囲を意味している。またその角度設定の基準位置(角度測定位置)は、主鍔部14Aの外周縁部の位置としている。但し、上記の角度θは、フランジ部21の張り出し部分を除外して、もともとの主鍔板14Aの厚みTから薄肉化されている部分についてのみ考慮している。
このように角度θの範囲を狭くすることが望ましい理由は、次のとおりである。
すなわち、本発明では、主鍔部14Aにおけるスリット17の両側の狭い領域のみを、主鍔部14Aにおけるスリット17から離れた部分よりも局部的に剛性が低い領域(低剛性領域23A、23B)としており、その領域では、リール把持時に手指が掛けられた時に、スリット17から離れた部分(高剛性領域)よりも容易に反り返ることになるが、低剛性領域の範囲を狭い範囲内の局部的なものとすることによって、隙間の発生領域を狭くすることを主眼としている。このように隙間の発生領域を狭くすることによって、光ファイバ素線の外径よりも大きい幅の隙間が生じても、隙間内への光ファイバ素線の落ち込みが生じにくくなる。すなわち、低剛性領域23A、23Bの範囲が広すぎれば、逆に反り返りの領域が広くなって光ファイバ素線の外径以上の隙間の領域が広がってしまい、むしろ光ファイバ素線の隙間内への落ち込みを助長してしまう。そこで、低剛性領域23A、23Bは、リールの中心軸線Oを基準として、ある限定された比較的小さい角度θの範囲内とすることが好ましい。
なお、上記の角度θの適切な具体的数値範囲は、主鍔部14Aにおけるスリット17のいずれか一方の側の低剛性領域に手指を掛けて力を加えたとき(外周端に板面に直交する方向の荷重を加えたとき)の、低剛性領域の反り返りやすさの程度によって異なり、また同時に、光ファイバ素線以上の幅の隙間が生じたときの光ファイバ素線の落ち込みやすさの程度によっても異なる。
前者の反り返りやすさの程度は、リールの各部の寸法及びファイバ素線を巻き取った状態でのリールの全重量によって求められる片手把持時の主鍔部外周縁部に加わる力の大きさ、リール材質(材料自体の強度)、さらに低剛性領域の剛性の程度(本実施形態の場合、低剛性領域の厚みによる)などに依存し、また後者の落ち込みやすさは、巻き取られた光ファイバ素線の表面(被覆層)の性状(とりわけ表面の平滑度、粘性等)、さらには巻取り時に付与された張力の大きさなどに依存する。したがって上記の角度θの適切な具体的範囲は、リールや光ファイバ素線、巻取り条件のよって異なるから、一概には定められないが、後に改めて説明するように、一般的な形状、寸法の光ファイバ巻取り用リールを用いて、一般的な通信用光ファイバ素線を通常の巻取り張力でリールに満杯に巻き取った場合、60度以内、とりわけ45度以内が適切であることが判明している。
一方、薄肉化した低剛性領域23A、23Bの角度θの範囲が過度に狭い場合は、リール把持時において親指をその低剛性領域23A、23Bに掛けられなくなる懸念が生じる。そこで、上記の角度θは、ある程度以上の大きさとすることが望ましく、一般にはスリットの中心を基準として10度以上、すなわちスリット片側あたり5度以上とすることが好ましい。そこでこれらの観点から、本実施形態では、低剛性領域23A、23Bの角度θを、約30度に設定している。すなわち、スリットの片側あたりの角度θ/2を約15度に設定している。
以上のような第1の実施形態の光ファイバ巻取り用リールについて、その主巻胴部12に光ファイバ素線を巻き取った状態で、図20に示したと同様に、親指以外の指(例えば人差し指及び中指)を、リールの端面側中央部の軸孔に差し込み、親指を主鍔部14Aの外周縁部におけるスリット17の近傍外周縁部に引っ掛けて、リールをその中心軸線Oが水平となるように把持した場合の、スリット17付近の反り返りの発生状況を、従来のリールについての図21の(b)と対応させて、図10に示す。
本実施形態の光ファイバ巻取り用リールにおいては、主鍔部14Aにおけるスリット17の両側の領域のみを傾斜状に薄肉化して、主鍔部14Aにおけるスリット17から離れた部分よりも局部的に剛性が低い領域(低剛性領域23A、23B)としている。そして図10に示すように、そのスリット17の近傍において例えば一方の側の低剛性領域23Aに手指が掛けられて、主鍔部14Aの板面に直角な方向の力Fが加えられれば、その一方の側の低剛性領域23Aが容易に変形して比較的大きく反り返り、低剛性領域23Aの内面と主巻胴部12に巻き取られている光ファイバ層40の側面40aとの間に比較的大きな隙間Sが生じる。この際の隙間Sの幅の最大値は、図21の(b)に示した従来のリールの場合(スリットの両側に低剛性領域を形成していない場合)よりも大きくなる。そして、光ファイバの外径よりも大きい幅(例えば0.25mm以上)の隙間Sが比較的容易に生じてしまうことになる。
しかしながら低剛性領域23Aが相対的に大きく変形する結果、手指を掛けた際の力は、低剛性領域23Aの外側の部分(本来の主鍔部14Aの高剛性部分)にはほとんど加えられなくなる。また仮に両側の高剛性部分にまでその力が及んでも、その高剛性部分にまで加えられる力は相対的に小さくなるため、両側の高剛性部分が変形(反り返り)に至らないのが通常である。その結果、反り返り変形が生じて大きな隙間(光ファイバの外径よりも大きい幅の隙間)Sが生じる範囲SWは、図21の(b)に示した従来リールの場合よりも狭くなる。
そしてこのように光ファイバ素線の外径よりも大きい幅の隙間Sが生じる範囲が狭くなることによって、主巻胴部14Aに巻き取られている光ファイバ層40の光ファイバ素線が隙間S内に落ち込みにくくなる。そのため、隙間S内への光ファイバの落ち込みによる巻き崩れの発生を防止することが可能となり、また光ファイバ層内での光ファイバに対する側圧による伝送ロスの増大も防止することが可能となるのである。
以上のような本発明の第1の実施形態による光ファイバ巻取り用リール、およびスリットの両側に薄肉化した低剛性領域を形成しなかった従来のリールのそれぞれについて、実際に、図20に示すようにリール中心軸線Oが水平となるように片手で把持する実験を行って、隙間の発生状況を検証したので、その結果を本発明実験例、及び比較実験例として以下に示す。
〔比較実験例〕
スリットの両側に薄肉化した低剛性領域を形成しなかった従来のリール(概略的には図19に示す構成のもの)について検証した。リールの各部の寸法、材質は次の通りである。
主鍔部14Aの外径:265mm
主巻胴部12の外径:175mm
主鍔部14Aの高さ〔={(主鍔部14Aの外径)―(主巻胴部12の外径)}/2〕:45mm
主鍔部14Aの厚み(鍔厚):4mm
軸孔11の内径:25mm
主鍔部14Aの外周縁から外側へのフランジ部21:あり(厚み;2mm、張り出し長さ;10mm
主鍔部14Aの外面のリブ:あり(断面矩形状、リブ高さ;4mm、リブ幅;2mm、リブ本数;放射状に35本)
スリット17:対向面がリール中心軸線Oに対して直行する面に対し直角で、リール半径方向にほぼ平行であり、スリット幅は約5mmで、主巻胴面の位置まで達している。
リール材質:ABS
また巻き取った光ファイバ素線は、外径0.25mmで、表面は、紫外線硬化樹脂によって被覆されたものであり、巻取り張力70gにて巻取り、満杯状態まで巻取って、全重量が4.0kgとなったものである。
このように光ファイバが巻き取られた従来型のリールについて、図20に示すようにリール中心軸線Oが水平となるように片手で把持する実験、すなわち人差し指32及び中指33を、リール10の端面側中央部に開口している軸孔11に差し込み、親指31を主鍔部14Aの外周縁部(スリット17の中心位置から約10mmの位置)に引っ掛けて、リールを持つ実験を行った。そして主巻胴部12に巻き取られている光ファイバ層40の側面40aと主鍔部14Aの内面14Aaとの間に生じた隙間Sの大きさを測定した。ここで、上記の隙間Sの大きさと、スリット17の中心を基準とする主鍔部円周方向への角度θの片側分θ/2との関係を調べた結果を、図11に示す。なおばらつきを考慮して、実験は、リールを把持する実験者を変えて、2回行った(N=1、N=2)。
図11から分かるように、スリット17の中心位置を基準として、片側32度〜32度付近までは、光ファイバ素線径の0.25mm以上の隙間が広がっていた。そしてこのようにスリット17の中心を基準として片側32度〜32度付近まで、光ファイバ素線径以上(0.25mm以上)の隙間が存在する場合には、光ファイバ素線が隙間内に落ち込みやすいことが確認された。
〔本発明実験例〕
スリット17の両側に薄肉化した低剛性領域24A、24Bを形成した第1の実施形態のリールを用いて、比較実験例と同様に、リール中心軸線Oが水平となるように片手で把持する実験を行った。
使用したリールは、スリット17の両側に薄肉化した低剛性領域23A、23Bを形成したものである点以外は、比較実験例で使用したものと同じである。また巻き取った光ファイバ素線も、比較実験例と同じである。
なおスリット両側の薄肉化した低剛性領域23A、23Bは、図1〜図9を参照して説明したように鍔板面から傾斜面を削り出すことによって形成した。その薄肉化した低剛性領域24A、24Bにおける外周端側の最小肉厚部分の厚みTmは、主鍔部14Aの本来の厚みT(4mm)の約1/2である2mmとした。またその薄肉化した低剛性領域の角度範囲θは30度、したがってスリット片側あたり15度とした。この片側あたり15度という角度は、主鍔部の外周長さにして約35mmに相当する。
なおリール把持時に親指を掛ける位置は、比較実験例の場合と同様に、スリット17の中心から約10mmの位置とした。この位置は、スリット間の中心位置から約5度の位置であり、薄肉化した低剛性領域24A内の箇所である。
そして片持ち把持の際に、主巻胴部12に巻き取られている光ファイバ層40の側面40aと主鍔部14Aの内面14Aaとの間に生じた隙間Sの大きさを測定した。ここで、上記の隙間Sの大きさと、スリットの中心を基準とする主鍔部円周方向への角度(片側分θ/2)との関係を調べた結果を、図12に示す。
図12から分かるように、スリット中心位置を基準として、片側15度付近までは、光ファイバ素線径の0.25mm以上の隙間が存在していたが、片側15度を超える領域では、隙間は光ファイバ素線径(0.25mm)よりも小さくなった。
したがって、比較実験例の場合(図11)と比べて、光ファイバ素線径の0.25mm以上の隙間が発生する領域が、1/2以下に抑制されたことが明らかである。
ここで、上記の本発明実験例における光ファイバ素線径の0.25mm以上の隙間が発生する領域が、片側15度までという狭い領域となっている場合には、光ファイバ素線が隙間内に落ち込むおそれがほとんどないことが確認されている。
なお本発明者等の別の実験によれば、汎用されているサイズの光ファイバ巻取り用リール、例えば主鍔部14Aの外径が240〜280mm程度、主巻胴部12の外径が150〜180mm程度、主巻胴部12の軸線方向長さ(主鍔部14A、14B間の距離)が80〜160mm程度、主鍔部12の厚みが4〜10mm程度、軸孔の内径が25〜26mm程度のABS樹脂製のリールを用い、石英系ガラスからなる光ファイバ裸線に紫外線硬化型樹脂、シリコン樹脂、あるいはナイロン樹脂をコーティングした外径0.25mmの光ファイバ素線を、張力30〜100g程度で満杯に巻き取った状態でのリール全重量が2〜6kg程度の場合、スリット中心位置を基準とする低剛性領域の角度θの範囲は、60度以内、とりわけ45度以内が適切であることが判明している。ここで、角度θが60度とは、上記の寸法のリールの場合、主鍔部の円周方向長さにして、約125mm〜145mm程度に相当し、また角度θが45度とは、上記の寸法のリールの場合、主鍔部の円周方向長さにして、約95mm〜110mm程度に相当する。
ところで、前述の第1の実施形態においては、スリット17における主鍔部14Aの円周方向に向かい合う一対の面(対向面)17a、17bは、主鍔部14Aの円周方向を直角に横切り、リールの中心軸線Oとほぼ平行な面に沿う、互いに平行な面とされている。このようにスリット17における対向面17a、17bがリールの中心軸線Oとほぼ平行な面に沿う、互いに平行な面となっている場合、図13に模式的に示しているように、主鍔部14Aにおける前記スリット17が形成された部分を、主鍔部14Aの板面の一方の側からリールの中心軸線Oと平行な方向に見通した場合に、スリットにおける主鍔部14Aの円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分と他方の側の端縁部分とが重なり合わないことになる。言い換えれば、主鍔部における前記スリット17が形成された部分を、リールの中心軸線Oと平行な方向に、その回転中心に直交する仮想平面VP上に投影させたときに、前記スリット17における主鍔部の円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分と他方の側の端縁部分とが重なり合わず、投影されたスリット像にもスリット17内の空隙17´が存在するように、スリット17が形成されていることになる。
このようなスリット形状とすることによって、例えばスリット17における主鍔部14A、14Bの円周方向の両側の端縁部分(低剛性領域23A、23B)のうち、一方の側の端縁部分の付近の鍔部外周縁部に前述のように手指を掛けて、その側の低剛性領域が反り返っても、上記一方の側の端縁部分が他方の側の端縁部分に当たって、その他方の側の端縁部分を含む低剛性領域が反り返ってしまうことを防止できる。その結果、光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間が生じる領域を、スリット17の片側のみに限定させ、これによって光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間の発生領域を確実に狭くし、光ファイバ落ち込みをより確実に防止することができる。
但し、スリット17における対向面17a、17bは、必ずしもリールの中心軸線Oに対して直交する面に沿った平行な面とする必要はない。例えば図14に示しているように、対向面17a、17bリールの中心軸線Oに対して直交する面に対して所定角度αだけ傾斜する面とすることも許容される。但し、その場合においても、主鍔部14Aにおける前記スリット17が形成された部分を、リールの中心軸線Oと平行な方向に、その中心軸線Oに直交する仮想平面VP上に投影させたときに、前記スリット17における主鍔部の円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分と他方の側の端縁部分とが重なり合わないように、傾斜角度α及びスリット幅W1を定めることが望ましい。
図14に示す例の場合も、例えばスリット17における主鍔部14A、14Bの円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分の付近の鍔部外周縁部に前述のように手指を掛けて、その側の低剛性領域23Aまたは24Bが反り返っても、上記一方の側の端縁部分が他方の側の端縁部分に当たって、その他方の側の端縁部分を含む低剛性領域23Aまたは24Bも反り返ってしまうことを防止できる。したがって光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間が生じる領域を、スリット17の片側のみに限定させ、これによって光ファイバ外径よりも大きな幅の隙間の発生領域を確実に狭くし、光ファイバ落ち込みをより確実に防止することができる。
また前述の第1の実施形態では、薄肉化した低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置は、主巻胴部12の外周面位置の直近の位置とされていて、主巻胴部12の外周面の位置にまでは達しないものとされている。
ここで、上述のように低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置を、主巻胴部12の外周面の位置にまで達しないようにすることによって、既に述べたように、スリット17付近でも、主鍔部14Aの付け根部分(主巻胴部12に連続する部分)の剛性、強度の低下を回避できるため、主鍔部14Aの付け根部分の強度不足によってその箇所からの亀裂や折損が発生してしまうことを有効に防止できる。但し、その効果を得るためには、必ずしも低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置を、主巻胴部12の外周面位置の直近の位置とする必要はなく、例えば図15に示すように、低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置23a、23bを、主巻胴部12の外周面12aの位置から若干離れた位置(例えば鍔板高さの1/4程度の位置)となるようにしてもよいことはもちろんである。
図16には、本発明の第2の実施形態の光ファイバ巻取り用リールの要部、特に主鍔部14Aにおけるスリット17の近傍を示す。
この第2の実施形態の光ファイバ巻取り用リールでは、薄肉化した低剛性領域23A、23Bが、第1の実施形態の場合とは異なり、均一な厚みとされている。すなわち、低剛性領域23A、23Bは、主鍔部14Aの本来の厚み(低剛性領域23A、23B以外の領域の厚み)よりも一律に薄くされた平坦面によって形成されている。すなわち、低剛性領域23A、23Bは、主鍔部14Aの本来の厚み(低剛性領域23A、23B以外の領域の厚み)Tよりも全体的に薄い厚みTで平坦に形成されている。
ここで、厚みT以外についての低剛性領域23A、23Bの全体的な形状は、厚みTが変化しない点を除けば、第1の実施形態の場合とほぼ同様である。すなわち、低剛性領域23A、23Bにおける主鍔部14Aの円周方向への幅は、主鍔部14Aの外周縁側から主巻胴部12の外周面の位置に向かって小さくなるように設定されている。そして低剛性領域23A、23Bにおける主巻胴部12側の先端位置は、主巻胴部12の外周面の位置にまで達しないように定められている。但し、図16では、その先端位置は、主巻胴部12の外周面位置の直近の位置までとされている。
さらに平坦な薄肉部分によって形成されるスリット17の両側の薄肉の低剛性領域23A、23Bは、前記と同様に、リールの中心軸線Oを基準として、ある限定された比較的小さい角度θの範囲内とされている。この角度θは、前記同様に、例えば60度以内、とりわけ45度以内が適切であり、また10度以上が好ましい。本実施形態では、角度θは約30度、したがってスリット片側あたり約15度とされている。
図16に示される第2の実施形態においても、スリット17の両側に局部的に薄肉な低剛性領域23A、23Bが形成されていて、スリット17の両側の剛性が局部的に低くなっているため、第1の実施形態の場合と同様に、スリット17の近傍に手指を掛けてリールを把持した場合に、その箇所の反り返りの変形量自体は大きくなるが、光ファイバ素線の外径以上の大きな隙間が生じる範囲が局部的に限定されるため、光ファイバ巻取り層の光ファイバ素線が隙間内に落ち込みにくくなる。
図17には、本発明の第3の実施形態の光ファイバ巻取り用リールの要部、特に主鍔部14Aにおけるスリット17の近傍を示す。
この第3の実施形態の光ファイバ巻取り用リールでは、薄肉化した低剛性領域23A、23Bは、第1の実施形態の場合と第2の実施形態の場合との中間的(折衷的)な構成としている。
すなわち第3の実施形態におけるスリット17の両側の低剛性領域23A、23Bは、第1、第2の実施形態と同様に、局部的に鍔板厚を薄くすることによって、低剛性とされている。そして薄肉化した低剛性領域23A、23Bは、主鍔部14Aの周方向には均一な厚みとされ、また主鍔部14Aの半径方向には、主巻胴部12の外周面の側から、主鍔部14Aの外周縁部に向って薄くなるように設定されている。すなわち、主鍔部14Aの板面が、主巻胴部12の外周面の側から、主鍔部14Aの外周縁部に向って傾斜するように削り落とされて、低剛性領域23A、23Bが形成されている。
この場合もスリット17の両側の薄肉の低剛性領域23A、23Bは、リールの中心軸線Oを基準として、ある限定された比較的小さい角度θの範囲内とされる。この角度θは、前記同様に、例えば60度以内、とりわけ45度以内が適切であり、また10度以上が好ましい。本実施形態では、角度θは約30度、したがってスリット片側あたり約15度とされている。
図17に示される第3の実施形態においても、スリット17の両側に局部的に薄肉な低剛性領域23A、23Bが形成されていて、スリット17の両側の剛性が局部的に低くなっているため、第1、第2の実施形態の場合と同様に、スリット17の近傍に手指を掛けてリールを把持した場合に、その箇所の反り返りの変形量自体は大きくなるが、光ファイバ素線の外径以上の大きな隙間が生じる範囲が局部的に限定されるため、光ファイバ巻取り層の光ファイバ素線が隙間内に落ち込みにくくなる。
なおスリット17の両側の薄肉の低剛性領域23A、23Bは、要はそれ以外の主鍔部の領域の剛性より局部的に剛性が低い領域であればよく、したがって前述の第1〜第3の実施形態で示したような、主鍔部の厚み(鍔板厚)を局部的に薄くすることによる低剛性化の手法に限らず、それ以外の局部的低剛性化の手段を適用することも可能である。例えば、スリットの両側部分のみを、主鍔部を含むリールの材料よりも剛性が低い材料によって形成することによって、スリットの両側部分に低剛性領域を設けてもよい。具体的には、例えば主鍔部を含むリールの材料としてABS樹脂が使用されている場合、ABS樹脂よりも軟質な(低剛性の)樹脂によってスリットの両側部分となる部材を作り、その部材を主鍔部に融着などによって接合、一体化させてもよい。またそのほか、樹脂の密度、あるいは樹脂の構成物質の配合比を変えることによって、スリットの両側部分に低剛性領域を形成することもできる。
但し、第1〜第3の実施形態で示したような、主鍔部の厚み(鍔板厚)を局部的に薄くすることによる低剛性化の手法は、上記のような材料を異ならしめる手法と比較して、簡単かつ容易に低剛性領域を形成することが可能な点で有利である。
さらに、スリットの両側部分に、それぞれ主鍔部の半径方向(もしくはそれに近い方向)に沿う、断面U状もしくはV状の溝(切り込み)を形成することによって、低剛性領域を形成することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはもちろんである。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
10・・・光ファイバ巻取り用リール、12・・・主巻胴部、14A、14B・・・主鍔部、16・・・補助巻胴部、17・・・スリット、23A、23B・・・低剛性領域、25A、24B・・・傾斜面。

Claims (9)

  1. 円筒状をなす主巻胴部の軸線方向両端にそれぞれ主鍔部が設けられ、かつ少なくとも一方の主鍔部の外側に補助巻胴部が設けられ、前記補助巻胴部を設けた側の主鍔部の周方向の一部に、リールの中心軸線に向かって延びるスリットが形成されている光ファイバ巻取り用リールにおいて、
    前記主鍔部におけるスリットが形成された位置の両側部分は、それ以外の部分よりも主鍔部の板面に直交する方向の剛性が局部的に低い低剛性領域とされ
    前記低剛性領域における、主鍔部の円周方向への幅が、主鍔部の外周縁側から主巻胴部の外周面の位置に向かって小さくなるように設定されていることを特徴とする光ファイバ巻取り用リール。
  2. 前記低剛性領域が、主巻胴部の外周面の位置に達しないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  3. 主鍔部の外周位置での前記低剛性領域における主鍔部の円周方向への範囲が、リールの中心軸線を基準とする角度範囲として、スリットの両側に、片側ずつそれぞれ30度の角度の範囲内とされていることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか一の請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  4. 前記低剛性領域は、スリットが形成された位置の両側部分における主鍔部の厚みを、それ以外の部分よりも局部的に薄くすることによって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項のうちのいずれか一の請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  5. 前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、主巻胴部に近い側から主鍔部の外周縁の位置に向って小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  6. 前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、主鍔部の外周方向にスリットから離れた位置から、スリットの位置に向って小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  7. 前記低剛性領域における主鍔部の厚みが、均一な厚みとされていることを特徴とする請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  8. 主鍔部における前記スリットが形成された部分を、主鍔部の板面の一方の側からリールの回転中心と平行な方向に見通した場合に、スリットにおける主鍔部の円周方向の両側の端縁部分のうち、一方の側の端縁部分と他方の側の端縁部分とが重なり合わないようにスリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項のうちのいずれか一の請求項に記載の光ファイバ巻取り用リール。
  9. 請求項1〜請求項のうちのいずれか一の請求項に記載の光ファイバ巻取り用リールにおける主巻胴部に光ファイバが巻き取られてなるリール巻き光ファイバ。
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