JP6264947B2 - ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物の製造方法 - Google Patents

ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩酸を触媒としてアニリンとホルムアルデヒドを反応させ、二環のジフェニルメタンジアミンと、高度に縮合したポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を製造する方法に関するものである。尚、ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を総称して、以下「MDA」という場合がある。
MDAは、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂の硬化剤として使用されたり、あるいはホスゲンと反応させて、イソシアネートとすることでポリウレタン樹脂の原料として使用されている重要な有機化合物である。
このMDAは、一般的に酸を触媒としてアニリンとホルムアルデヒドを縮合反応させ、その後の転位反応によって製造する。特に酸としては塩酸が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
転位反応させた後の塩酸は水酸化ナトリウムで中和処理され、塩化ナトリウムが副生して水溶液(以下、塩水という)となり、MDAを主成分とする有機相と層分離される。
この有機相にはMDA以外に、原料由来のアニリン等の不純物が含まれるため、これらを蒸留等で除去した後、精製MDAとして製品化される。
一方、塩水中にはMDAやアニリン等の有機物が高濃度で含まれるため、公共水域へ排出する際には環境へのCOD(化学的酸素要求物質)負荷を軽減する必要性から、有機物を分離したり、除去する方法がとられる。しかしながら、効果的かつ効率的に有機物を分離したり、除去する方法として、従来法は必ずしも十分なものではなかった。
例えば、塩水に含まれる有機物をトルエンで抽出除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。確かに、この方法により有機物の一部は除去できるが、殆どは塩水中に残存するため、環境へのCOD負荷を十分に軽減できないといった課題があった。
また、塩水を有機溶剤で抽出した後、比較的沸点が低い有機物を蒸留にて除去し、引き続き活性炭等の吸着剤で残りの有機物を吸着除去する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。確かに、この方法により塩水中の有機物の多くは除去できるが、抽出や蒸留、更には活性炭等による吸着は塩水のpHに大きく影響を受ける。
このため、塩水のpHを8未満として抽出や蒸留等の精製を実施することで、処理塩水を食塩電解原料として再利用する方法が提案されている(特許文献4)。確かに、この方法によって、塩水はある程度精製できるが、pH8未満では有機物の種類によっては、十分に除去できず、その塩水をイオン交換膜法食塩電解の原料としてリサイクル利用すると、有機物がイオン交換膜の表面や内部に析出したり沈着して膜の抵抗が高まり、電解電圧を上昇させたり、イオン交換膜の寿命を短くさせるなどの弊害があった。更には、塩水中に残存している有機物の種類や濃度によっては、製品である苛性ソーダや塩素ガス中に不純物として混入し、品質の低下を招くこともあった。
特開平4−154744号公報 特開2004−26753号公報 特表2011−523648号公報 特開2009−209144号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩水中の有機物を高度に精製し、イオン交換膜法食塩電解の原料として利用できる、効果的かつ効率的なMDAの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、MDAを製造する際に副生する塩水を高度に精製する方法について、鋭意検討した結果、特定の処理方法及び特定の処理条件にて塩水を精製することで、塩水中の有機物を、イオン交換膜法食塩電解の原料として利用できる程度の低濃度にまで除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下に示すとおりのジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物の製造方法である。
[1]触媒として塩酸の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとを反応させる工程1、
工程1で得られたジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を含む反応液に水酸化ナトリウムを添加し、そのpHを10〜14の範囲とする工程2、
工程2で得られた反応液を、ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を含む有機相と塩化ナトリウムを主成分とする水相とに相分離する工程3、
工程3で得られた水相に有機溶剤を添加し、pH10〜14の範囲にて、当該水相中の有機物を抽出して、水相と有機相に相分離する工程4、
工程4で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、ストリッピングし、当該水相中の有機物を除去する工程5、
工程5で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を分離する工程6、並びに
工程6で得られた水相を、pH8〜10の範囲にて、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を除去する工程7、
を含むジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物の製造方法。
[2]工程6及び工程7の活性炭吸着処理を、固定床で行うことを特徴とする上記[1]記載の製造方法。
[3]工程6又は工程7で使用した活性炭を、再生液を通液することで再生し、再使用することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]工程7における水相のpHが9〜10の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]工程7で得られた水相中のTOC(全有機体炭素)濃度が、8重量ppm以下であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]工程7で得られた水相を、イオン交換膜法食塩電解の原料として使用することを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の方法によれば、MDA製造時に副生する塩水を、高度に精製でき、環境への負荷低減のみならず、イオン交換膜法食塩電解の原料にすることで、資源の有効利用にもつながる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において工程1は、触媒として塩酸の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとを反応させる工程であり、広く一般に知られている方法を用いることができる。具体的には、ホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比を1〜5とし、アニリンに対する塩酸のモル比を0.05〜1とすることが好ましい。アニリンとホルムアルデヒドと縮合反応させ、その後の転位反応によりMDAを合成することができる。この縮合反応の温度は70℃以下であることが好ましく、また、転位反応の温度は90℃以上であることが好ましい。反応形式は連続式でもバッチ式でも好適に実施できる。
本発明において工程2は、工程1で得られたMDAを含む反応液に水酸化ナトリウムを添加し、そのpHを10〜14の範囲とする工程である。ここで、pHが10より小さいと、水相と有機相の相分離性が低下し、14より大きいと、水酸化ナトリウムが大過剰に必要となり、薬剤コストがかさむため好ましくない。
本発明において工程3は、工程2で得られた反応液を、MDAを含む有機相と塩化ナトリウムを主成分とする水相(塩水)とに分離する工程である。有機相にはMDA以外に、原料由来のアニリン等の不純物が含まれるため、これらを蒸留等で除去することで、精製MDAを得ることができる。
一方、水相には、塩化ナトリウム以外に有機物であるMDA、アニリン、ホルムアルデヒド、メタノール、フェノール等が混入する。
本発明において工程4は、工程3で得られた水相に有機溶剤を添加し、pH10〜14の範囲にて、当該水相中の有機物を抽出して、水相と有機相に相分離する工程である。
抽出処理での水相のpHは10〜14を必須とする。このpH範囲とすることで有機物をより効率的に抽出できる。工程3で得られた水相に添加する有機溶剤としては、塩水に溶解しているMDAやアニリン等と反応せず、かつMDAやアニリンを溶解できるものであれば特に限定されない。MDAやアニリンの溶解性から芳香族系の有機溶媒が好ましく、具体的には、トルエン、ベンゼン、アニリン等を例示できる。これらのうち、特にアニリンはMDAの合成原料でもあることから好適に使用できる。
抽出温度については特に限定されず、反応時のままでも、蒸気や熱交換機などで加熱したり冷却したりしても構わない。ただし、温度が低すぎると抽出後の分相が悪くなり、高すぎると装置の腐食を抑制するため高級材質が必要となる。好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜95℃の範囲である。
抽出処理する塩水の濃度については、通常のMDA製造時に排出される濃度でよく、特に限定されない。具体的には、好ましくは10〜25重量%で、より好ましくは12〜24重量%の範囲である。
本発明において工程5は、工程4で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、ストリッピングし、当該水相中の有機物を除去する工程である。
ここで、水相に溶解している有機物のうち、沸点が低いものや水への溶解度が低い有機物をストリッピングにて除去する。水相のpHを10〜14とすることで、ストリッピングの効率が高められる。ストリッピングには、蒸気又は不活性ガス(例えば、窒素ガス)を用いることができる。コスト面から好ましくは、水蒸気である。ここでの処理形式は、連続式でもバッチ式でも構わない。
本発明において工程6は、工程5で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を分離する工程である。
工程6では、工程5で得られた水相中の有機物を吸着するため、pH10〜14の範囲で、当該水相を活性炭で処理する。ここで使用可能な活性炭の形状は、例えば、粒状、破砕状、球状、粉末状等が挙げられ、特に限定されない。これらのうち、ハンドリングの容易さや有機物の吸着量を考慮すると、粒状、破砕状の活性炭が好ましい。
当該水相と活性炭とを接触させる反応器の形式としては、水相の処理量、活性炭の形状や使用量等によって適宜選定でき、特に限定されない。有機物の吸着性や設備コストの面から、粒状や破砕状活性炭を充填した固定床、又は粉末状の活性炭を懸濁させた攪拌槽が好適に使用できる。より好ましくは粒状や破砕状の活性炭を充填した固定床である。尚、粉末状の活性炭を懸濁させて処理した場合は、その後に活性炭を水相から分離することが必要である。
活性炭の種類としては、例えば、椰子殻系、石炭系、一度使用した活性炭を再生処理した賦活炭等が挙げられ、特に限定されない。これらのうち、有機物の吸着性、価格面を考慮すると、椰子殻系や賦活炭が好ましく、より好ましくは椰子殻系である。
当該水相の活性炭による吸着処理温度は特に限定されない。ストリッピング時の水相温度のままであっても、蒸気や熱交換機等で加熱したり冷却しても構わない。処理温度を高くすると有機物の活性炭への吸着速度を大きくできるが、吸着量がやや低下し、温度が低すぎると有機物の吸着速度が低下する。好ましい温度は10〜90℃、より好ましくは15〜80℃の範囲である。
本発明において工程7は、工程6で得られた水相を、pH8〜10の範囲にて、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を除去する工程である。
ここでは、当該水相中に含まれる、フェノールをはじめとする有機物を吸着除去する。pHの調整には、当該水相中に鉱酸を添加することで実施できる。pHが8より小さいと鉱酸の使用量が多くなるためコストがアップし、10より大きいと有機物の吸着量が低下する。好ましくはpH9〜10の範囲である。
当該水相中に添加される鉱酸としては、特に限定するものではないが、例えば、薬剤コストの面から、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸であり、より好ましくは塩酸である。
活性炭の形状や種類、反応器の形式や温度については、前述の工程6での活性炭による処理条件を適用できる。
工程6又は工程7で使用した活性炭が飽和吸着量に達すると、それ以上有機物を吸着できなくなるため、飽和吸着量に達する前又は達した後、活性炭を交換することが好ましい。ここで好ましい方法は、交換される活性炭から有機物を脱着する等の再生処理を行うことである。再生処理に用いられる再生液としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール溶液や水酸化アルカリ水溶液が適用できる。好ましい再生液は薬剤コストが安価な水酸化ナトリウム水溶液である。例えば、再生液として水酸化ナトリウムを用いる場合の濃度としては、特に限定するものではないが、低すぎると再生に時間を要し、高すぎるとコストが高くなるため、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。
また、活性炭を固定床で使用する場合は、その再生液は連続式、半連続式又は回分式のいずれの方式で通液しても良いが、連続式、又は半連続式で通液することによって、再生処理の時間を短くでき、かつ再生液の使用量を少なくできるため好ましい。
以上の工程によって精製された当該水相中のTOC(全有機体炭素)濃度は、通常10重量ppm以下にまで低減でき、イオン交換膜法食塩電解の原料として使用できる。イオン交換膜法食塩電解の原料として、好ましくは8重量ppm以下、より好ましくは7重量ppm以下である。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、本発明におけるTOC濃度の定量分析は、TOC分析計(島津製作所製、TOCーV)を用い、絶対検量線法にて実施した。
実施例1.
容積500Lのジャケット付反応槽に、アニリンを125.0kg、37重量%ホルマリンを50.6kg、35重量%塩酸を130.0kg仕込み、攪拌回転数40rpm、温度50℃にて2時間反応させた。その後、攪拌回転数120rpmに高め、反応槽のジャケットにスチームをフィードし、反応温度90℃に高めて3時間反応させた。反応終了後、40重量%水酸化ナトリウム水溶液にて、pH13.5とし、その後、静定して2層分離させた。上層の有機相はMDAが主成分で、これから不純物を除去して精製MDAとして製品とした。
下層の水相は塩水で、286.3kg回収できた。この塩水のうち、250.3kgを、pH13.5のままトルエンで抽出した。引き続き、処理塩水をスチームにてストリッピングし、溶解しているトルエンをはじめとした有機物を除去して精製した。得られた塩水量は245.8kgで、NaCl濃度25.3重量%、TOC濃度10.3重量ppmであった。
処理塩水の温度を90℃にまで冷却した後、pH13.5で活性炭を充填した内径5cm、充填高さ1mの固定床カラムに塩水を10.2kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理し、アニリン等の有機物を吸着させた。
ここで得られた処理塩水に塩酸を添加し、pH9.0とし、温度60℃で、別途準備した活性炭を充填した内径5cm、充填高さ1mの固定床カラムに10.2kg/hrの流量にて10hr連続通液処理した。得られた塩水のTOC濃度は4.1重量ppmであった。
この処理塩水を膜面積30cmのイオン交換膜法食塩電解槽の陽極室に602g/hrの流量で連続的に供給し電解した。電流密度は6kA/mで100時間の連続運転を実施した結果、初期の槽電圧3.01V、電流効率96.8%、100時間後の槽電圧3.02V、電流効率96.9%で経時的な変化がみられず、処理塩水がイオン交換膜法食塩電解の原料として使用可能であることが判った。
比較例1.
実施例1のスチームストリッピングで得られた塩水の温度を80℃まで冷却した後、塩酸を添加してpH4.1とした後、実施例1にて用いた活性炭を充填した固定床カラムに塩水を10.1kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理した。
更に、ここで得られた処理塩水に塩酸を添加し、pH3.3とし、温度60℃で、実施例1に用いた活性炭を充填した固定床カラムに塩水を10.1kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理した。得られた塩水のTOC濃度は9.7重量ppmで、その内アニリンがTOC換算で4.9重量ppm残っていた。
この処理塩水を実施例1にて用いたイオン交換膜法食塩電解槽の原料として600g/hrの流量で連続的に供給し電解を開始したが、電解槽の陽極から生成する塩素ガス中に爆発の危険がある三塩化窒素が含まれることが判ったため、電解実験を直ぐに停止した。
比較例2.
実施例1のスチームストリッピングで得られた塩水の温度を90℃まで冷却した後、pH13.5で実施例1にて用いた活性炭を充填した固定床カラムに塩水を10.1kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理した。
更に、pH13.5のまま、温度60℃で、別途準備した活性炭を充填した内径5cm、充填高さ1mの固定床カラムに10.2kg/hrの流量にて10hr連続通液処理した。得られた塩水のTOC濃度は10.2重量ppmであった。
この処理塩水を実施例1にて用いたイオン交換膜法食塩電解槽の原料として603g/hrの流量で連続的に供給し電解を開始したが、電解した後の処理塩水中に黄色の油分の生成が認められたため、電解実験を停止した。
実施例2.
実施例1にて用いた容積500Lのジャケット付反応槽に、アニリンを192.3kg、37重量%ホルマリンを78.5kg、35重量%塩酸を40.5kg仕込み、攪拌回転数40rpm、温度40℃にて3時間反応させた。その後、攪拌回転数120rpmに高め、反応槽のジャケットにスチームをフィードし、反応温度95℃に高めて4時間反応させた。反応終了後、固形の水酸化ナトリウムにて、pH13.2とし、その後、静定して2層分離させた。上層の有機相はMDAが主成分で、これから不純物を除去して精製MDAとして製品とした。
下層の水相は塩水で、115.3kg回収できた。この塩水のうち、100.6kgを、pH13.5のままベンゼンで抽出した。引き続き、処理塩水をスチームにてストリッピングし、溶解しているベンゼンをはじめとした有機物を除去して精製した。得られた塩水量は98.7kgで、NaCl濃度18.8重量%、TOC濃度22.5重量ppmであった。
処理塩水の温度を90℃にまで冷却した後、pH13.2で、実施例1にて用いた活性炭を充填した固定床カラムに塩水を9.5kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理し、アニリン等の有機物を吸着させた。
ここで得られた処理塩水に塩酸を添加し、pH9.2とし、温度60℃で、実施例1にて用いた固定床カラムに9.3kg/hrの流量にて10hr連続通液処理した。得られた塩水のTOC濃度は6.2重量ppmであった。
この処理塩水を膜面積30cmのイオン交換膜法食塩電解槽の陽極室に601g/hrの流量で連続的に供給し電解した。電流密度は6kA/m2で100時間の連続運転を実施した結果、初期の槽電圧3.04V、電流効率97.5%、100時間後の槽電圧3.04V、電流効率97.4%で経時的な変化がみられず、処理塩水がイオン交換膜法食塩電解の原料として使用可能と判った。
実施例3.
実施例1にて用いた容積500Lのジャケット付反応槽に、アニリンを160.1kg、37重量%ホルマリンを65.4kg、35重量%塩酸を67.5kg仕込み、攪拌回転数50rpm、温度50℃にて2時間反応させた。その後、攪拌回転数150rpmに高め、反応槽のジャケットにスチームをフィードし、反応温度93℃に高めて4時間反応させた。反応終了後、48重量%水酸化ナトリウムにて、pH13.8とし、その後、静定して2層分離させた。上層の有機相はMDAが主成分で、これから不純物を除去して精製MDAとして製品とした。
下層の水相は塩水で、177.6kg回収できた。この塩水のうち、120.7kgを、pH13.8のままアニリンで抽出した。引き続き、処理塩水をスチームにてストリッピングし、溶解しているアニリンをはじめとした有機物を除去して精製した。得られた塩水量は117.7kgで、NaCl濃度21.2重量%、TOC濃度12.4重量ppmであった。
処理塩水の温度を80℃にまで冷却した後、pH13.2で実施例1にて用いた活性炭を充填した固定床カラムに塩水を11.3kg/hrの流量にて10hr連続的に通液処理し、アニリン等の有機物を吸着させた。
ここで得られた処理塩水に塩酸を添加し、pH9.1とし、温度60℃で、実施例1にて用いた固定床カラムに11.1kg/hrの流量にて10hr連続通液処理した。得られた塩水のTOC濃度は5.3重量ppmであった。
この処理塩水を膜面積30cmのイオン交換膜法食塩電解槽の陽極室に599g/hrの流量で連続的に供給し電解した。電流密度は6kA/mで100時間の連続運転を実施した結果、初期の槽電圧3.02V、電流効率97.3%、100時間後の槽電圧3.01V、電流効率97.2%で経時的な変化がみられず、処理塩水がイオン交換膜法食塩電解の原料として使用可能と判った。
本発明は、塩酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとを反応させて、ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を製造する方法であって、反応後の塩酸触媒を水酸化ナトリウムで中和処理することで得られる塩化ナトリウム水溶液(塩水)を高度に精製し、廃棄する際の環境への負荷を低減し、更には食塩電解の原料として再利用できるレベルにまで精製することができる。

Claims (6)

  1. 触媒として塩酸の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとを反応させる工程1、工程1で得られたジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を含む反応液に水酸化ナトリウムを添加し、そのpHを10〜14の範囲とする工程2、工程2で得られた反応液を、ジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を含む有機相と塩化ナトリウムを主成分とする水相とに相分離する工程3、工程3で得られた水相に有機溶剤を添加し、pH10〜14の範囲にて、当該水相中の有機物を抽出して、水相と有機相に相分離する工程4、工程4で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、ストリッピングし、当該水相中の有機物を除去する工程5、工程5で得られた水相を、pH10〜14の範囲にて、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を分離する工程6、並びに工程6で得られた水相に鉱酸を添加してpH8〜10の範囲としてから、活性炭で吸着処理し、当該水相中の有機物を除去する工程7、を含むジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物の製造方法。
  2. 工程6及び工程7の活性炭吸着処理を、固定床で行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 工程6又は工程7で使用した活性炭を、再生液を通液することで再生し、再使用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 工程7における水相のpHが9〜10の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 工程7で得られた水相中のTOC(全有機体炭素)濃度が、8重量ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程7で得られた水相を、イオン交換膜法食塩電解の原料として使用することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造方法。
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