JP6256807B2 - 熱交換器およびこれを備えた温水装置 - Google Patents
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Description
特許文献1,2に記載された熱交換器においては、第1および第2の熱交換部のそれぞれのフィンの上下幅が略同一に揃えられている。
まず、第1の熱交換部は、第2の熱交換部と比較して、伝熱管配列数が少なくされているが、これに対応して第1の熱交換部の複数のフィンの全部または一部は、第2の熱交換部の複数のフィンよりも加熱用気体流れ方向の幅が狭くされているために、フィンの伝熱面積に不足を生じないようにしつつ、フィンの合理的な小サイズ化が図られる。フィンは、熱回収量を多くする観点からその枚数が多く設けられるものであるため、第1の熱交換部の複数のフィンの小サイズ化を図れば、熱交換器全体の製造コストの大幅な低減、ならびに全体の軽量化を好適に図ることができる。
一方、第1の熱交換部のフィンの加熱用気体流れ方向の幅が狭くされることに伴い、缶体の側壁部のうち、第1の熱交換部に対応する部分には、フィンに対面しない領域が広く形成される虞がある。これに対し、第1の熱交換部には、缶体加熱抑制用のフィンが設けられて、このフィンと缶体の側壁部との間に形成されている第1の隙間が閉塞されているために、加熱用気体はこの第1の隙間を通過しないこととなって、高温の加熱用気体が缶体の側壁部に直接作用し難くすることが可能となる。したがって、フィンの幅を狭くしたことに起因して、缶体の側壁部が異常な高温に加熱されて熱損傷するといった不具合を生じないようにすることができる。
また、前記した構成においては、第2の隙間を閉塞するための手段として、フィンと、缶体のフランジ接続に用いられるシール部材とを利用しているために、特殊な専用部材を別途用いる必要はなく、製造コストの上昇を回避することができる。
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される熱交換器について述べたのと同様な効果が得られる。
図1によく表われているように、本実施形態の温水装置WHは、バーナ5、1次熱交換器HE1、2次熱交換器HE2、およびこれら全体を囲む外装ケース90を備えている。この温水装置WHは、一般給湯と、暖房用給湯または風呂給湯との2系統の給湯動作を独立して行なうことが可能であり、1次熱交換器HE1および2次熱交換器HE2は、とも
に1缶2回路方式である。
1次熱交換器HE1は、本発明に係る熱交換器の一例に相当する。2次熱交換器HE2は、本発明に係る熱交換器には相当しない。
6の上縁部と略同一高さである。フィン2A,2Bの相互間に形成された隙間68には、第1および第2の熱交換部A1,A2を仕切る仕切部材53が介装されている。図面では省略しているが、フィン2A,2Bには、これらのフィン2A,2Bの適当な箇所を部分的に突出させた複数の凸状部(切り起こしによる凸状部や、バーリング加工部分など)が設けられている。これら凸状部は、フィン2A,2Bと燃焼ガスとの接触度合いを高めて熱回収量を多くするのに役立つ。
より詳しくは、缶体6の上部の開口周縁部には、補助缶体3(集合筒)との接続を図るためのフランジ部62が設けられており、このフランジ部62と補助缶体3の下部との間には、シール部材30(パッキン)が介装されている。このシール部材30は、耐熱性に優れる材質からなり、かつフランジ部62と同様な平面視形状とされた矩形枠状であるが、その内周縁寄り部分は、フランジ部62よりも缶体6の内側に突出した突出部30aとされている。この突出部30aに対し、缶体加熱抑制用のフィン2A’の上部が当接している結果、第1の隙間c1の上部が閉塞されている。補助缶体3は、第1の熱交換器HE1を通過した燃焼ガスを、第2の熱交換器HE2の給気口71a,71bに導くためのものである。
よって仕切部材53の上部に燃焼ガスが直接進行することは抑制されている。また、フィン2A,2Bが仕切部材53に直接接触していることにより、仕切部材53の温度上昇が抑制される。このようなことから、仕切部材53が過熱状態になることの抑制が図られている。
まず、第2の熱交換部A2については、伝熱管11bが上下2段に設けられているために、第2の熱交換部A2の占有面積を第1の熱交換部A1の占有面積よりも小さくしたままで湯水加熱能力を高めることが可能である。したがって、大型の温水暖房装置を用いる場合であっても、1次熱交換器HE1の全体のサイズの拡大を生じさせることなく、好適に対処することが可能となる。一方、第1の熱交換部A1については、伝熱管11aが単段に設けられているために、その構造を簡素にすることができる。第1の熱交換部A1は、その占有面積が大きいために、伝熱管11aが単段であっても一般給湯に必要な湯水加熱能力を適切に具備させることが可能である。第1の熱交換部A1の各伝熱管11aと、第2の熱交換部A2の下段の伝熱管11bとは、略同一高さである。したがって、バーナ5からそれら伝熱管11a,11b迄の距離も略同一となり、伝熱管11a,11bの双方を熱回収に最適な配置とすることが可能である。フィン2A,2Bの下縁部22a,22bの高さも略同一高さであるために、フィン2A,2Bを利用した熱回収効率も高めることができる。
本実施形態においては、実質的には、缶体加熱抑制用のフィン2A’に屈曲部25を設けただけの構成によって第1の隙間c1を閉塞している。前記実施形態とは異なり、隙間c1の閉塞にシール部材30を利用しておらず、たとえば第1の熱交換部A1に対応する箇所においては、シール部材30に突出部30aを設ける必要をなくすことが可能である。このように、本実施形態によれば、全体の構成を簡素とし、製造コストを廉価にする上で、やはり好ましい。また、缶体加熱抑制用のフィン2A’を大きなサイズに形成する必要がない利点も得られる。
本実施形態においては、やはり隙間c1の閉塞にシール部材30を利用しておらず、ま
た缶体加熱抑制用のフィン2A’を大きなサイズに形成する必要もない。実質的には、缶体6の側壁部60a,60bにプレス加工を施すだけの構成によって第1の隙間c1を閉塞している。したがって、やはり全体の構成を簡素として製造コストを廉価にする上で好ましい。
HE1 1次熱交換器(本発明に係る熱交換器)
HE2 2次熱交換器
A1,A2 第1および第2の熱交換部
c1 第1の隙間
c2 第2の隙間
2A,2B フィン
2A’缶体加熱抑制用のフィン
3 仕切部材
6 缶体
11a,11b 伝熱管
25 屈曲部
60a〜60d 側壁部(缶体の)
65a,65b 突出段部(缶体の側壁部の)
Claims (6)
- 加熱用気体が内部に流入する1つの缶体と、
前記加熱用気体の流れ方向とは交差する方向に並ぶようにして前記缶体内に設けられ、かつそれぞれがプレート状の複数のフィンおよびこれら複数のフィンに貫通する伝熱管を有している第1および第2の熱交換部と、
を備えており、
前記第1の熱交換部は、前記第2の熱交換部よりも加熱用気体流れ方向の伝熱管配列数が少なくされている、熱交換器であって、
前記第1の熱交換部の複数のフィンの全部または一部は、前記第2の熱交換部の複数のフィンよりも加熱用気体流れ方向の幅が狭くされており、
前記第1の熱交換部の複数のフィンのうち、前記缶体の側壁部に第1の隙間を介して対面するフィンは、前記第1の隙間を閉塞して前記加熱用気体が前記第1の隙間を通過することを防止する缶体加熱抑制用のフィンとして構成されていることを特徴とする、熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器であって、
前記缶体の開口周縁に形成されたフランジ部とこのフランジ部の接続対象部材との間に介装されるシール部材を、さらに備えており、
このシール部材の一部は、前記フランジ部よりも前記缶体の内側に向けて突出した突出部とされており、
この突出部は、前記第2の熱交換部の複数のフィンのうち、前記缶体の側壁部に最接近しているフィンと前記側壁部との間に形成されている第2の隙間を閉塞している、熱交換器。 - 請求項2に記載の熱交換器であって、
前記シール部材の前記突出部は、前記第1の熱交換部に対応する箇所にも設けられており、
前記缶体加熱抑制用のフィンは、前記第1の熱交換部の他の複数のフィンよりも加熱用気体流れ方向の幅が大きくされて前記シール部材の突出部に当接していることにより、前記第1の隙間は閉塞されている、熱交換器。 - 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記缶体加熱抑制用のフィンは、前記缶体の側壁部に向けて屈曲した屈曲部を有し、かつこの屈曲部が前記側壁部に当接していることにより、前記第1の隙間は閉塞されている、熱交換器。 - 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記缶体の側壁部には、前記缶体の内側に向けて突出した突出段部が設けられ、かつこの突出段部と前記缶体加熱抑制用のフィンとが当接していることにより、前記第1の隙間は閉塞されている、熱交換器。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の熱交換器を備えていることを特徴とする、温水装置。
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