JP6255265B2 - 油圧作動油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、生分解性に優れ、且つ、熱酸化安定性、耐摩耗性及び極圧性に優れ、更に、低摩擦係数及び低流動点を有する油圧作動油組成物に関する。
近年、環境保全の重要性が高まっており、屋外や自然環境中で使用される機器や設備に使われる潤滑剤の分野では、使用中あるいは使用後に自然環境に放出される可能性があるため、生分解性が求められるケースが増えている。このような潤滑剤としては、例えば、建設機械又は農業機械に用いられる油圧作動油、グリース又は2サイクルエンジンオイル、船舶用の潤滑油又はグリース、チェーンソーオイルなどが挙げられる。そして、潤滑油の生分解性を示す指標として、財団法人日本環境協会が定めるエコマーク認定基準や、生分解性油圧作動油に関する国際規格ISO15380等が存在する。例えば、エコマーク認定基準においては、潤滑油はエコマーク商品類型No.110に分類され、認定基準書「生分解性潤滑油Version2.4」に従ってエコマークを取得した製品が一般に生分解性潤滑油として認められ、普及している。この「生分解性潤滑油Version2.4」によれば、エコマーク取得のためには、生分解性が次のいずれかの試験法で、28日以内の生分解率が60%以上であることが要件の一つとされている。すなわち、OECD 301B、301C、301F、又はASTM D5864、D6731のうち、いずれか一つの試験法において、28日以内の生分解率が60%以上であることが必要とされている。ISO 15380においても、28日以内の生分解率が60%以上であることが必要とされている。
このような中、油圧作動油においても生分解性が求められてきており、そのような油圧作動油としては、上述した建設機械や農業機械に用いられる油圧作動油の他に、例えば、河川・湖沼・海洋の付近あるいはそれらの環境中に設置される再生可能エネルギー用油圧機器に使用される油圧作動油などが挙げられる。その中でも、特に水力発電や揚水発電、地熱発電、風力発電、波力・潮力・海流発電等の設備において用いられる油圧機器に用いられる油圧作動油では、万が一の漏洩に備え、生分解性を有することが要望されるようになってきた。
一方で、油圧作動油は、基本性能として種々の性能が要求される。
まず、油圧作動油は、ポンプやアクチュエーター等の金属部品摺動部の保護のため、組成物の動粘度が低くなりすぎることは好ましくない。その一方で、撹拌抵抗、あるいは配管部やラインフィルター等で発生する圧力損失に起因する動力損失抑制の観点から、組成物の動粘度が高くなりすぎるのも好ましくない。そのため、油圧作動油の動粘度は、ISO粘度グレードにおいて、VG32(40℃動粘度が28.8〜35.2mm/s)、VG46(40℃動粘度:41.4〜50.6mm/s)及びVG68(40℃動粘度:61.2〜74.8mm/s)が一般的であり、その中でもVG46のものが最も一般的に用いられている。
また、油圧作動油に対しては、高圧、高温、高速、高荷重下で長期にわたり使用しても機械の性能を損なわないよう、充分な熱・酸化安定性、耐摩耗性、極圧性を備えることが求められる。特に、前述のように自然環境中に設置される油圧機器では更油が困難となることから、そこで用いられる油圧作動油はより熱酸化安定性に優れ長寿命であることが望まれている。更に、油圧作動油はしばしば自然環境中に設置される設備で使用されることも多いことから、冬季の運転や、寒冷地での運転にも支障のないよう十分な低温流動性が確保されていることが望ましく、流動点は−25℃以下を確保できていることが望ましい。加えて、転動型動力伝達装置を有する油圧機器などでは低い摩擦係数を有することも求められる場合がある。このように油圧作動油の基本性能としては、上記諸性能が必要とされるが、これらの性能は生分解性作動油においても当然良好であることが求められる。
ところで、一般に、潤滑油の生分解性を向上させる方法としては、その主成分である基油に生分解性の高い基油を用いるケースが多く、例えば、分岐鎖脂肪酸を原料に含むポリオールエステルに、各種の添加剤を配合した潤滑油(特許文献1)、ポリオールエステルとコンプレックスエステルの混合基油を用いた2サイクルエンジン油(特許文献2)、特定のポリオールエステルに特定の酸化防止剤を組み合わせた作動油(特許文献3)等が知られている。
しかしながら、油圧作動油において生分解性の向上のためにエステル基油を用いた場合、前記した油圧作動油に求められる諸性能を両立することが困難な場合があった。例えば、油圧作動油としては一般的なISO粘度グレードであるVG46の油圧作動油を、生分解性を確保するためにポリオールエステル基油を用いて調整しようとした場合、所定の高い動粘度を得るためには分子量の大きいエステルを用いる必要がある。この場合、この高い動粘度(すなわち大きな分子量)を確保しつつ、油圧作動油で必要とされる所定の低い流動点をも確保するためには、分子量の大きい直鎖不飽和脂肪酸エステルを用いるか、分子量の大きい分岐鎖飽和脂肪酸エステルを用いる必要がある。しかし、直鎖不飽和脂肪酸エステルを基油に用いた場合には、生分解性は良好であるが、油圧作動油で必要とされる熱酸化安定性が低くなってしまい、一方、分岐鎖飽和脂肪酸エステルを基油に用いた場合には、熱酸化安定性は良好であるが、生分解性が低くなってしまうという問題があった。
また、油圧作動油においては耐摩耗性及び極圧性の確保のために耐荷重性能添加剤が配合されるが、生分解性の向上のためにエステル基油を用いた場合には、以下の理由から、耐荷重能添加剤を配合しても十分な効果が得られず、耐摩耗性や極圧性を向上させることが困難な場合があった。すなわち、耐荷重性能添加剤は機器の金属表面に吸着することで、耐摩耗性や極圧性を発揮すると考えられているが、エステル基油は鉱油系基油に比較して添加剤の溶解性が高く、またエステル基油自身が金属表面への吸着性を有し耐荷重性能添加剤との競争吸着が生じると考えられるためである。
低摩擦化のために摩擦調整剤を配合した場合も同様で、エステル基油では配合した摩擦調整剤がその効果を十分発揮できず、十分な低摩擦係数が得られない場合もある。その場合には転動型動力伝達装置を有する油圧機器に用いることが困難な場合もある。
特開2004−315553号公報 特開平5−98276号公報 特開2010−202821号公報
従って、本発明は、上記の問題点を解決すべく、生分解性に優れ、且つ、熱酸化安定、耐摩耗性及び極圧性に優れ、更に、低摩擦係数及び低流動点を有する油圧作動油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のエステルを主成分とし、特定の酸化防止剤と特定の耐荷重能添加剤を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、(A)多価アルコール残基と、直鎖飽和脂肪酸残基及び炭素数が2〜14の直鎖飽和ポリカルボン酸残基と、からなるコンプレックスエステルであり、40℃における動粘度が20〜90mm/sであるコンプレックスエステルと、(B)フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤と、(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤と、を含有し、基油分中の(A)の含有割合が60質量%以上であり、流動点が−25℃以下であることを特徴とする油圧作動油組成物を提供するものである。
本発明によれば、生分解性に優れ、且つ、熱酸化安定、耐摩耗性及び極圧性に優れ、更に、低摩擦係数及び低流動点を有する油圧作動油組成物を提供することができる。
本発明の油圧作動油組成物は、(A)多価アルコール残基と、直鎖飽和脂肪酸残基及び直鎖飽和ポリカルボン酸残基と、からなるコンプレックスエステルであり、40℃における動粘度が20〜90mm/sであるコンプレックスエステルと、(B)フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤と、(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤と、を含有し、基油分中の(A)の含有割合が60質量%以上であり、流動点が−25℃以下であることを特徴とする油圧作動油組成物である。
本発明の油圧作動油組成物は、基油分として、(A)多価アルコール残基と、直鎖飽和脂肪酸残基及び直鎖飽和ポリカルボン酸残基と、からなるコンプレックスエステル(以下、「(A)コンプレックスエステル」とも記載する。)を含有する。
本発明の油圧作動油組成物に係る(A)コンプレックスエステルは、アルコールとカルボン酸又はカルボン酸誘導体との反応により生成するエステルであり、アルコール由来のアルコール残基とカルボン酸由来の酸残基とからなり、アルコール残基が多価アルコール残基であり、酸残基が直鎖飽和脂肪酸残基及び直鎖飽和ポリカルボン酸残基である。つまり、(A)コンプレックスエステルは、アルコール残基として、多価アルコール残基を有し、且つ、酸残基として、直鎖飽和脂肪酸残基及び直鎖飽和ポリカルボン酸残基の両方を有するエステルである。
(A)コンプレックスエステルにおいて、多価アルコール残基は、炭素数が2〜12であり且つ価数が2〜9である多価アルコール残基である。多価アルコール残基の炭素数は、好ましくは3〜6である。多価アルコール残基の炭素数が1だと、コンプレックスエステルの分子量が小さいため揮発し易くなり、また、多価アルコール残基の炭素数が12を超えると、コンプレックスエステルの分子量が大き過ぎるため流動点及び粘度が高くなり過ぎる。また、多価アルコール残基の価数は、3〜6が好ましく、3が特に好ましい。多価アルコール残基の価数が上記範囲にあることにより、基油としての適度な粘度と低い流動点を得易く、また生分解性と熱酸化安定性を両立し易くなる。なお、本発明において、多価とは、2価以上ということを指し、また、多価アルコール残基の価数とは、多価アルコール残基が形成しているエステル結合の数を指す。
(A)コンプレックスエステルに係る多価アルコール残基としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の2価アルコールの残基;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールノナン等の3価アルコールの残基;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の4価以上のアルコールの残基;エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イノシトール等の糖アルコールの残基などのアルコールの残基が挙げられる。これらのうち、多価アルコール残基としては、多価アルコール残基の価数が3〜6のものが、基油としての適度な粘度と低い流動点を得やすく、また生分解性と熱酸化安定性を両立し易い点で好ましく、3価の多価アルコール残基が特に好ましく、トリメチロールプロパン残基が更に好ましい。また、エステル基のβ位に水素がない構造をとなるヒンダードアルコールの残基が好ましい。このようなヒンダードアルコール残基としては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの残基が挙げられ、トリメチロールプロパン又はペンタエリスリトールの残基がより好ましく、トリメチロールプロパン残基が特に好ましい。多価アルコール残基が、エステル基のβ位に水素がない構造となるヒンダードアルコール残基であることにより、コンプレックスエステルの熱分解が起こり難くなる。多価アルコール残基は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(A)コンプレックスエステルの合成において、カルボン酸又はカルボン酸誘導体との反応により多価アルコール残基となる多価アルコールは、炭素数が2〜12であり且つ水酸基の数が2〜9である多価アルコールである。多価アルコールの炭素数は、好ましくは3〜6である。また、多価アルコールの水酸基数は、2〜6が好ましい。多価アルコールの炭素数が1だと、例えば、メタンジオール、メタントリオール等のメタンポリオールだと、コンプレックスエステルの分子量が小さくなるため揮発し易くなり、また、多価アルコールの炭素数が12を超えると、コンプレックスエステルの分子量が大きくなり過ぎるため流動点及び粘度が高くなり過ぎる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールノナン等の3価アルコール類;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の4価以上のアルコール類;エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イノシトール等の糖アルコール類などが挙げられる。これらのうち、多価アルコールの水酸基の数が3〜6であることが、基油としての適度な粘度と低い流動点を得やすく、また生分解性と熱酸化安定性を両立させ易いという点で好ましく、3価アルコールが特に好ましく、トリメチロールプロパンが更に好ましい。また、エステル化したときに、エステル基のβ位に水素がない構造をとなるヒンダードアルコールが好ましい。このようなヒンダードアルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられ、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールがより好ましく、トリメチロールプロパンが特に好ましい。多価アルコールが、エステル基のβ位に水素がない構造をとなるヒンダードアルコールであることにより、コンプレックスエステルの熱分解が起こり難くなる。多価アルコールは、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(A)コンプレックスエステルにおいて、直鎖飽和脂肪酸残基は、炭素数が3〜26であり且つ価数が1である直鎖飽和脂肪酸残基である。直鎖飽和脂肪酸残基の炭素数は、好ましくは4〜24、特に好ましは6〜16である。コンプレックスエステルの酸残基が、不飽和結合を有する酸残基であると、熱酸化安定性が低くなり、また、分岐鎖を有する飽和脂肪酸残基であると、生分解性が低くなる。また、直鎖飽和脂肪酸残基の炭素数が2以下だと、コンプレックスエステルの分子量が小さいため揮発し易くなり、また、直鎖飽和脂肪酸残基の炭素数が27を超えると、コンプレックスエステルの分子量が大き過ぎるため流動点及び粘度が高くなり過ぎ、更には、生分解性も低くなるおそれがある。直鎖飽和脂肪酸残基の価数は、1である。なお、本発明において、直鎖飽和脂肪酸残基の炭素数は、エステル結合を形成している炭素原子も含めた数である。また、本発明において、直鎖飽和脂肪酸残基の価数とは、直鎖飽和脂肪酸残基が形成しているエステル結合の数を指す。
(A)コンプレックスエステルに係る直鎖飽和脂肪酸残基としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ヤシ脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸等の1価の直鎖飽和脂肪酸の残基が挙げられる。直鎖飽和脂肪酸残基は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(A)コンプレックスエステルの合成において、多価アルコールとの反応により直鎖飽和脂肪酸残基となるカルボン酸又はカルボン酸誘導体は、多価アルコールとの反応により酸残基となる部分の炭素数が3〜26であり且つ価数が1である直鎖飽和脂肪酸、直鎖飽和脂肪酸クロライド又は直鎖飽和脂肪酸エステル等のカルボン酸又はカルボン酸誘導体である。直鎖飽和脂肪酸残基となるカルボン酸又はカルボン酸誘導体としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ヤシ脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸等の1価の直鎖飽和脂肪酸、これらの1価の直鎖飽和脂肪酸のクロライド又はこれらの1価の直鎖飽和脂肪酸のエステル等が挙げられる。直鎖飽和脂肪酸残基となるカルボン酸又はカルボン酸誘導体の多価アルコールとの反応により酸残基となる部分の炭素数は、4〜24が好ましく、6〜16が特に好ましい。直鎖飽和脂肪酸残基となるカルボン酸又はカルボン酸誘導体は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(A)コンプレックスエステルにおいて、直鎖飽和ポリカルボン酸残基は、炭素数が2〜14であり且つ価数が2以上である直鎖飽和ポリカルボン酸残基である。直鎖飽和ポリカルボン酸残基の炭素数は、好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜8、更に好ましくは4〜6である。コンプレックスエステルの酸残基が、不飽和結合を有する酸残基であると、熱酸化安定性が低くなり、また、分岐鎖を有する飽和脂肪酸酸残基であると、生分解性が低くなる。また、直鎖飽和ポリカルボン酸残基の炭素数が14を超えると、コンプレックスエステルの分子量が大き過ぎるため流動点及び粘度が高くなり過ぎ、更には、生分解性も低くなるおそれがある。直鎖飽和ポリカルボン酸残基の価数は、2以上、好ましくは2〜6、特に好ましくは2である。なお、本発明において、直鎖飽和ポリカルボン酸残基の炭素数は、エステル結合を形成している炭素原子も含めた数である。また、本発明において、直鎖飽和ポリカルボン酸残基の価数とは、直鎖飽和ポリカルボン酸残基が形成しているエステル結合の数を指す。
(A)コンプレックスエステルに係る直鎖飽和ポリカルボン酸残基としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸等の直鎖飽和ポリカルボン酸の残基が挙げられる。直鎖飽和ポリカルボン酸残基は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(A)コンプレックスエステルの合成において、多価アルコールとの反応により直鎖飽和ポリカルボン酸残基となるポリカルボン酸又はポリカルボン酸誘導体は、多価アルコールとの反応により酸残基となる部分の炭素数が2〜14であり且つ価数が2以上である直鎖飽和ポリカルボン酸、直鎖飽和ポリカルボン酸クロライド又は直鎖飽和ポリカルボン酸エステル等のポリカルボン酸又はポリカルボン酸誘導体である。直鎖飽和ポリカルボン酸残基となるポリカルボン酸又はポリカルボン酸誘導体としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸等の直鎖飽和ポリカルボン酸等の直鎖飽和ポリカルボン酸、これらの直鎖飽和ポリカルボン酸のクロライド又はこれらの直鎖飽和ポリカルボン酸のエステル等が挙げられる。直鎖飽和ポリカルボン酸残基となるポリカルボン酸又はポリカルボン酸誘導体の多価アルコールとの反応により酸残基となる部分の炭素数は、好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜8、更に好ましくは4〜6である。直鎖飽和ポリカルボン酸残基となるポリカルボン酸又はポリカルボン酸誘導体は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
なお、ヤシ油脂肪酸のように天然由来の脂肪酸は、直鎖飽和脂肪酸を主成分とするものの、少量の不飽和結合が含まれている。このようなヤシ油脂肪酸等の天然由来の脂肪酸のように少量の不飽和結合が含まれているものであっても、エステル化前又はエステル化後に、水素化処理等の処理によって不飽和結合の影響が出ない程度に不飽和結合の量が減じられるのであれば、(A)コンプレックスエステルの製造原料として用いられる。つまり、コンプレックスエステルの製造原料として、不飽和結合が含まれる酸を用いて製造されたコンプレックスエステルであっても、ヨウ素価が2gI/100g以下のものは、不飽和結合がほとんど存在しないものなので、不飽和結合の存在による熱酸化安定性の低下の影響はないため、本発明のタービン油組成物に係る(A)コンプレックスエステルである。
(A)コンプレックスエステルの40℃における動粘度が、20〜90mm/sであれば、多価アルコール残基、直鎖飽和脂肪酸残基及び直鎖飽和ポリカルボン酸残基の種類及び比率や、(A)コンプレックスエステルの分子量は、特に限定されない。また、(A)コンプレックスエステルの40℃における動粘度が、20〜90mm/sになるのであれば、(A)コンプレックスエステルの製造の反応条件やプロセスの種類は、特に限定されない。
(A)コンプレックスエステルの40℃における動粘度は、20〜90mm/s、好ましくは25〜80mm/s、特に好ましくは30〜70mm/sである。コンプレックスエステルの40℃における動粘度が20mm/s未満だと、添加剤を配合して油圧作動油組成物を調製したときの粘度が低くなり過ぎるので、充分な油膜を保持できない。また、コンプレックスエステルの40℃における動粘度が90mm/sを超えると、添加剤を配合して油圧作動油を調製したときの粘度が高くなり過ぎるので、油圧作動油として一般に使用されるISO粘度グレードに適さず、流動抵抗や撹拌抵抗が大きくなって動力の損失や、油圧構成機器の温度上昇などが起こる。
(A)コンプレックスエステルの流動点は、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−25℃以下、さらに好ましくは−30℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。コンプレックスエステルの流動点が−20℃より高いと、添加剤を配合して油圧作動油組成物を調製したときの流動点が高くなり、低温時に流動抵抗や撹拌抵抗が大きくなって動力の損失が起こる。
(A)コンプレックスエステルのヨウ素価は、好ましくは2gI/100g以下、特に好ましくは1.5gI/100g以下である。コンプレックスエステルのヨウ素価が上記範囲にあることにより、熱酸化安定性が高くなる。
(A)コンプレックスエステルの酸価は、好ましくは5mgKOH/g以下、特に好ましくは3mgKOH/g以下、更に好ましくは1.5mgKOH/g以下である。コンプレックスエステルの酸価が上記範囲にあることにより、熱酸化安定性や抗乳化性が高くなる。
本発明の油圧作動油おいて、基油分中の(A)コンプレックスエステルの含有割合(((A)の含有量/全基油分量)×100)は、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90%質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。なお、生分解性が良好となり且つ油圧作動油として各種性能が良好になるという点で、(A)コンプレックスエステル以外の基油の含有量は少ない方が好ましく、基油分中の(A)コンプレックスエステルの含有割合が100質量%であることがより好ましい。
本発明の油圧作動油組成物は、基油分として、(A)コンプレックスエステル以外の基油を含有することができる。このような(A)コンプレックスエステル以外の基油としては、以下に述べる第二基油が挙げられる。第二基油としては、油圧作動油組成物の生分解性及び熱酸化安定性を損なわないものであれば、特に制限されない。第二基油としては、例えば、直鎖アルキル基を有する飽和型のエステル基油、ポリグリコールなどが挙げられる。エステル基油としては、例えば、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和1価アルコールとからなるモノエステル、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和2価アルコールとからなるジエステル、直鎖飽和ジカルボン酸と直鎖飽和1価アルコールとからなるジエステル、直鎖飽和脂肪酸とポリオールとからなるポリオールエステルなどが挙げられる。またポリグリコールとしては、例えば、ポリエチレンオキサイドが挙げられる。
第二基油は、油圧作動油組成物の生分解性及び熱酸化安定性を損なわないものであれば、特に制限されない。第二基油としては、生分解性を有するもの、すなわち、OECD 301B、301C、301F、又はASTM D5864、D6731のうち、いずれか一つの試験法において、28日以内の生分解度が40%以上であるものが好ましい。また、第二基油としては、ヨウ素価が5gI/100g以下のものが好ましい。また、第二基油としては、酸価が5mgKOH/g以下であるものが好ましい。
本発明の油圧作動油組成物に係る(B)フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤は、主に(A)コンプレックスエステルの酸化劣化を防止するために用いられる。(B)フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤としては、ラジカルを吸収する連鎖停止剤であって、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
(B)酸化防止剤に係るフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−メチルフェノール、2,6−ジ−メチル−4−エチルフェノール、2,4−ジ−メチル−6−t−ブチル−フェノール等の単環フェノール類;4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−エチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6’−メチレンビス(2−ジ−t−ブチル―4―メチルフェノール)等のビスフェノール類;4,4’チオビス−(2,6−ジ−t−ブチル−フェノール)、4,4’チオビス−(2−メチル−6−t−ブチル−フェノール)等の硫黄含有フェノール類;下記一般式(1)で表されるエステル基含有フェノール類;下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される硫黄及びエステル基含有フェノール類などが挙げられる。これらは全てヒンダードフェノールである。
一般式(1):
(式(1)中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R3は炭素数1〜18のアルキレン基であり、R4は炭素数1〜20のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
一般式(2):
(式(2)中、R5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R7は炭素数1〜18のアルキレン基であり、A1は硫黄原子又は炭素数1〜20のサルファイド基であり、nは1〜4の整数である。)
一般式(3):
(式(3)中、R8は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R10は炭素数1〜20のアルキル基であり、A2は硫黄原子又は炭素数1〜20のサルファイド基であり、nは1〜4の整数である。)
これらのうち、(B)酸化防止剤に係るフェノール系酸化防止剤としては、単環フェノール類、ビスフェノール類、又はエステル基含有フェノール類が好ましい。エステル基含有フェノール類の場合、一般式(1)において、R1及びR2は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、イソアルキル基が特に好ましく、t−ブチル基が更に好ましい。一般式(1)中、R1及びR2が共に水素原子であるものは、ラジカルを補足した場合に安定化され難いので好ましくない。また、R3は炭素数1〜18のアルキレン基が好ましい。R3の炭素数が18より大きいと溶解性が劣る。また、R4は炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。R4の炭素数が18より大きいと溶解性が劣る。また、nは1又は2が好ましい。nが4より大きいと油溶性が低くなる。
フェノール系酸化防止剤は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(B)酸化防止剤に係るアミン系酸化防止剤としては、例えば、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン類;下記一般式(4)で表されるアルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン類;N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;フェノチアジンなどの芳香族硫黄含有アミン系化合物等が挙げられ、これらはアミノ基が芳香族類やt−ブチル基等で遮蔽されたヒンダードアミン類である。
一般式(4):
(式(4)中、R11は水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基であり、R12は水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)
これらのアミン系酸化防止剤のうち、ナフチルアミン類、ジフェニルアミン類又はフェニレンジアミン類が好ましく、ジフェニルアミン類が特に好ましい。ジフェニルアミン類の場合は、式(4)において、R11及びR12は、いずれも炭素数1〜18のアルキル基であることが好ましく、いずれも炭素数1〜12のアルキル基であることが特に好ましい。R11又はR12の炭素数が24より大きいと流動性が低くなる。また、R11及びR12は、分岐鎖を有するアルキル基を含むことがより好ましい。
アミン系酸化防止剤は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
(B)酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はアミン系酸化防止剤のいずれかであってもよいし、両者の組み合わせであってもよい。(B)酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤を組み合わせる場合、両者の比率は、フェノール系:アミン系が、含有量比で、10:1〜1:10が好ましく、5:1〜1:5が特に好ましく、3:1〜1:3が特に好ましい。
本発明の油圧作動油組成物中の(B)酸化防止剤の含有量は、組成物全量に対し、好ましくは0.01〜3質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%である。本発明の油圧作動油組成物中の酸化防止剤の含有量が上記範囲未満だと、酸化防止効果が小さくなり易く、また、上記範囲を超えると、効果の向上が期待できない上、スラッジの発生原因になったり、生分解性が低くなる可能性がある。なお、(B)酸化防止剤が、複数のフェノール系酸化防止剤の組み合わせ、複数のアミン系酸化防止剤の組み合わせ、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤の組み合わせの場合には、それらの酸化防止剤の合計の含有量が、本発明の油圧作動油組成物中の(B)酸化防止剤の含有量である。
本発明の油圧作動油組成物に係る(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤は、耐摩耗性、極圧性及び低摩擦係数を同時に発現するために配合されるものであり、チオリン酸化合物及びその誘導体やジチオリン酸化合物及びその誘導体等が挙げられる。
(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤に係るチオリン酸化合物及びその誘導体としては、例えば、チオリン酸エステル、チオリン酸エステルアミン塩、チオリン酸金属塩等が挙げられる。
(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤に係るジチオリン酸化合物及びその誘導体としては、例えば、ジチオリン酸エステル、ジチオリン酸金属塩等や以下の一般式(5)で表されるジチオリン酸誘導体が挙げられる。
一般式(5):
式(5)中、R13及びR14は、炭素数3〜6の炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及び脂環式炭化水素基のいずれであってもよく、直鎖でも分岐していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよいが、分岐しており且つ飽和であることが好ましい。R13及びR14は、同一であっても異なっていてもよい。R13及びR14としては、炭素数3〜6の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数4〜5の分岐飽和脂肪族炭化水素基がより好ましい。R15は炭素数2〜4の脂肪族炭化水素基であり、直鎖でも分岐していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよいが、分岐しており且つ飽和であることが好ましい。R15としては、炭素数2〜3の分岐飽和脂肪族炭化水素基が特に好ましい。R16は水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基である。R16は水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(5)で表されるジチオリン酸誘導体としては、例えば、3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−プロピオン酸、3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオン酸、3−(O,O−ジイソブチル−ジチオホスホリル)−プロピオン酸、3−(O,O−ジイソブチル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオン酸などのβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸類、メチル−3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−プロピオネート、エチル−3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−プロピオネート、メチル−3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオネート、エチル−3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオネート、エチル−3−(O,O−ジイソプロピル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオネート、エチル−3−(O,O−ジイソブチル−ジチオホスホリル)−プロピオネート、エチル−3−(O,O−ジイソブチル−ジチオホスホリル)−2−メチル−プロピオネートなどのβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸エステル類等が挙げられる。一般式(5)で表されるジチオリン酸誘導体は、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
本発明の油圧作動油に係る(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤としては、一般式(5)で表されるジチオリン酸誘導体が特に好ましい。(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤が、一般式(5)で表されるジチオリン酸誘導体であることにより、耐摩耗性と極圧性共に、低摩擦性にも優れる。
本発明の油圧作動油組成物中、(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤の含有量は、油圧作動油組成物全量に対して、0.005〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.02〜0.3質量%である。(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤の含有量が、上記範囲未満だと、耐荷重能添加剤による効果を十分に得ることができず、一方、上記範囲を超えると、熱酸化安定性が劣る場合や摩擦係数が逆に高くなる場合がある。なお、(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤が、2種類以上組み合わせである場合には、それらの耐荷重能添加剤の合計の含有量が、本発明の油圧作動油組成物中の(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤の含有量である。
本発明の油圧作動油組成物の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、ISO VG22、32、46、68、100のいずれか、もしくは旧粘度グレードのVG56に適合する範囲で、20〜90mm/sであることが好ましく、ISO VG32、46、68のいずれかに適合する範囲がより好ましく、22〜85mm/sであることがさらに好ましく、28〜80mm/sであることが最も好ましい。28〜80mm/sの40℃動粘度は、脂肪酸エステル系の油圧作動油組成物としては一般的な動粘度であるが、そのような動粘度の範囲で脂肪酸エステル系の油圧作動油組成物を調製しようとすると、前述の通り、従来のポリオールエステル系では、生分解性、熱酸化安定性及び低流動点の全てを優れたものにすることが難しかった。それに対して、本発明の油圧作動油組成物は、40℃動粘度が20〜90mm/s、好ましくは22〜85mm/s、特に好ましくは28〜80mm/sの範囲の油圧作動油組成物であり、且つ、生分解性、熱酸化安定性及び低流動点の全てに優れた油圧作動油組成物である。
本発明の油圧作動油組成物の流動点は、−25℃以下、好ましくは−30℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。油圧作動油組成物の流動点が−25℃より高いと、寒冷地における使用に適さない他、低温時に油圧システムの流動抵抗や撹拌抵抗による圧力損失が大きくなって動力損失が起こる可能性がある。
本発明の油圧作動油組成物は、前記(A)〜(C)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を適量含有することができる。その他に含有される基油としては、例えば、灯油留分、溶剤精製鉱油、水素化精製鉱油、水素化分解鉱油等の鉱油系基油、ポリ−α―オレフィンやオレフィン−コポリマー、ポリブテン等のオレフィン系基油、ポリアルキレングリコール等のグリコール系基油、フェニルエーテル系基油等が挙げられる。
その他必要に応じて含有される添加剤としては、例えば、2次酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、油性剤、清浄分散剤、さび止め剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤、抗乳化剤、粘度指数向上剤、摩擦調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
2次酸化防止剤としては、リン系化合物や硫黄系化合物が挙げられ、亜リン酸エステル、アルキル化リン酸亜鉛、ZnDTP、スルフィド化合物等が挙げられる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイルアミン等のアミン、ブチルステアレート等のエステルが挙げられる。
清浄分散剤としては、Caサリシレート、Caフェネート、Caスルホネート、ホウ酸カリウム等の金属系清浄分散剤、アルケニルコハク酸イミド系分散剤、ホウ酸変性コハク酸イミド系分散剤等の無灰系分散剤が挙げられる。
さび止め剤としては、CAスルホネートやナフテン酸金属塩などの金属石けん、アルキルコハク酸誘導体、アルケニルコハク酸誘導体、ラノリン化合物、ソルビタンモノオレエートやペンタエリスリトールモノオレエートなどの界面活性剤、ワックスや酸化ワックス、ペトロラタム、N−オレイルザルコシン、ロジンアミン、ドデシルアミンやオクタデシルアミン等のアルキル化アミン系化合物、オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸、フォスファイト等のリン系化合物等が用いられ、アルキルコハク酸誘導体、アルケニルコハク酸誘導体、界面活性剤、アルキル化アミン系化合物が好ましく用いられ、アルキルコハク酸誘導体、アルケニルコハク酸誘導体がさらに好ましい。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体、ベンズイミダゾール及びその誘導体、インドール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体、等が用いられ、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体が好ましく用いられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアルキルアクリレート等が挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルシリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのシリコーン系消泡剤や、ポリアクリレート系消泡剤等が挙げられる。
抗乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。具体的には、ポリアルキレングリコールが好ましく用いられる。このときのポリアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールをモノマーとし、これらをそれぞれ単独で重合させたホモポリマーや、それぞれを組み合わせて重合させたコポリマーが用いられ、ホモポリマーとコポリマーはそれぞれ単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良いが、コポリマーが好ましく用いられ、エチレングリコールとプロピレングリコールを組み合わせて重合させたエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドコポリマーが特に好ましく用いられる。
粘度指数向上剤としては、ポリ(メタ)クリレート(以下、PMAということもある)やオレフィンコポリマーが挙げられる。ポリ(メタ)クリレートとしては、重量平均分子量が3万から20万のものが挙げられ、またモノマーとして極性基を有さない非分散型PMAと、極性基を有するモノマーを用いた分散型PMAが挙げられる。またオレフィンコポリマーとしては、重量平均分子量が5000〜10万のものが挙げられ、オレフィンの共重合体であればどのようなものであってもよく、例えばエチレンとエチレン以外のモノマーとの共重合体が挙げられる。
摩擦調整剤としては、有灰型としてはMoDTCやMo酸アミン等の有機モリブデン化合物、無灰型としては多価アルコールのハーフエステル及び/またはフルエステル系化合物、脂肪酸、アミド系化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、リン酸エステル系化合物、酸性リン酸エステルアミン塩、等が挙げられる。具体的には、モノオレイルグリセリルエステル、オレイン酸、オレイン酸アミン塩、オレイン酸アミド、オレイルアミン、ステアリルアミド、ステアリルアミン、酸性リン酸エステルオレイルアミン塩等が挙げられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルシリコーンが好ましい。消泡剤としては、25℃の動粘度が500〜100,000mm/sのものが好ましく、1000〜50,000mm/sのものが特に好ましい。消泡剤の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは1〜50ppm、特に好ましくは2〜30ppmである。消泡剤の含有量が上記範囲未満だと効果が小さく、また、上記範囲を超えると凝集及び沈降し易くなる。
本発明の油圧作動油組成物が、その他の添加剤を含有する場合は、(B)、(C)成分とその他の添加剤を合わせた合計含有量が、15質量%を超えると、生分解性が低くなる可能性が高いため、本発明の油圧作動油組成物中の(B)、(C)成分とその他の添加剤を合わせた合計含有量は、15質量%以下であることが好ましい。
本発明の油圧作動油組成物は、種々の工業用油圧作動油に適用され、ベーンポンプ、ピストンポンプ、ギヤポンプ等、いずれのポンプ形式の油圧機器でも用いられる。また、本発明の油圧作動油組成物は、生分解性と低温流動性に優れることから、屋外で使用される油圧機器用に適している。さらに、本発明の油圧作動油組成物は、境界潤滑条件での低摩擦係数を有しているため、転動型動力伝達部を有する油圧機器にも好ましく用いられる。転動型動力伝達部を有する油圧機器としては、例えば、国際公開第2011/104543号、米国特許出願公開第2009/0241530号明細書、特開2013−209918号公報等に記載されている、クランクシャフトを中心にして放射状に配置されている油圧ピストンで駆動される油圧モータなどが挙げられる。
以下に、実施例および比較例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例のタービン油で用いた各エステル基油の原料及び物性を表1に示す。なお、それぞれの性状試験は以下の試験法に基づき実施した。
・動粘度:JIS K 2283「動粘度試験方法」
・粘度指数:JIS K 2283「粘度指数算出方法」
・引火点:JIS K 2265−4「引火点試験方法(クリーブランド開放法)」
・流動点:JIS K 2269「流動点試験方法」
・酸価:JIS K 2501「中和価試験方法」
・ヨウ素価:JIS K 0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」
表1に示すエステル基油と、以下に示す(B)、(C)及びその他の添加剤を、表2及び表3に示す割合で配合し、油圧作動油組成物を調製した。
<(B)成分:フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤>
・フェノール系酸化防止剤A:イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(一般式(1)におけるR1及びR2がt−ブチル基、R3がエチレン基、R4がイソオクチル基、nが1の化合物)
・フェノール系酸化防止剤B:DBPCジ−t−ブチル−p−クレゾール
・アミン系酸化防止剤A:アルキル化ジフェニルアミン(一般式(4)におけるR11及びR12がC4及びC8のアルキル基の混合物
・アミン系酸化防止剤B:フェニレンジアミン
<(C)成分:P及びS原子を有する耐荷重能添加剤>
・β−ジチオホスホリル化プロピオン酸(一般式(5)におけるR13及びR14がイソブチル基、R15がイソプロピレン基、R16が水素の化合物)
<その他の添加剤>
・リン系耐荷重能添加剤A:酸性リン酸エステルアミン塩
・リン系耐荷重能添加剤B:トリクレジルホスフェート
・金属不活性化剤:ベンゾトリアゾール
・さび止め剤:アルケニルコハク酸ハーフエステル
・抗乳化剤:エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドコポリマー
・消泡剤:ジメチルシリコーン
・摩擦調整剤:N−オレオイルサルコシン
・分散剤:ポリブテニルコハク酸イミド
・流動点降下剤:ポリメタクリレート
表2及び表3に、それぞれの配合により調製した実施例1〜5及び比較例1〜5の油圧作動油組成物について、一般性状、性能試験結果、及び生分解性試験を行った結果を示す。なお、油圧作動油組成物の性状、性能、生分解性について、以下の試験法により評価を行った。
・動粘度:JIS K 2283「動粘度試験方法」
・流動点:JIS K 2269「流動点試験方法」
・抗乳化性試験:JIS K 2520「水分離性試験方法 5.抗乳化性試験方法」に準拠し、抗乳化性を評価した。
・MTM Traction Coefficient(トラクション係数測定試験):PCS Instruments社製「MTMトラクション測定器」を用いて、以下の条件のもと、トラクション係数を測定し、転がり速度10mm/s〜5mm/sにおけるトラクション係数の平均値をその試料におけるトラクション係数とした。この数値は境界潤滑条件での摩擦係数の指標であり、従って、数値が小さいほど境界潤滑条件で低摩擦係数であることを示す。
<MTM試験条件>
油温80℃、荷重50N、すべり率(SRR)100%、転がり速度100mm/s〜0mm/s
・シェル4球試験(耐摩耗試験):JPI−5S−32「潤滑油の耐摩耗性試験方法(シェル4球式)」に準拠し、回転数1200rpm、荷重40kgf、油温75℃、60分後の摩耗痕径を評価した。
・熱安定性試験:試料を40mlのサンプル瓶に取り、160℃の回転盤付き恒温槽内で所定の時間(168h)静置し、試験後のスラッジ発生量と動粘度(40℃)を測定した。スラッジを採取する際のフィルターは、孔径0.8μmのメンブレンフィルターを用いた。
・酸化安定度試験 :JIS K 2514 「回転ボンベ式酸化安定度試験方法」に基づき、RPVOT試験を行った。
・FZGギヤ試験(極圧性試験):FZGギヤ試験機を用い、ドイツ工業規格(DIN)のDIN51354−2に「Mechanical testing by the FZG gear rig method」準拠して実施した。具体的には、規格に沿った荷重をギヤに負荷したのち、ギヤ回転速度1,440rpmで21,700回転に達するまで試験を行う。ここまでを1ステージとする。以下、荷重ステージを段階的に上昇させ、各ステージ終了時におけるピニオンの16歯面における摩耗傷の合計面積を測定し、20mm未満を合格とした。表2及び3では不合格になったステージを示す。
・生分解性試験:OECD301B法で、試験期間を28日間として実施した。
表2に示すように、コンプレックスエステルAを基油として調製した油圧作動油組成物は、生分解率が全て70%以上と高く、財団法人 日本環境協会が指定する「生分解性潤滑油Version2.4」における、エコマーク認定基準であり、 且つ、ISO 15380に規定するtypeHEES(合成エステル系油圧作動油)の要求値でもある生分解率60%以上の基準を達成している。また本発明の構成を満たす実施例1〜5は全て、40℃動粘度が20〜90mm/sの間にあり、流動点が−50℃以下と低く、油圧作動油として良好な特性を有している。また、実施例1〜5は、抗乳化性、耐摩耗性、熱・酸化安定性のいずれの性能試験においても優れた結果となっており、油圧作動油として良好な性能を有している事がわかる。さらに、実施例1〜5は全て、FZG試験において、Failure Load Stageが11ステージ以上となっており、ISO 15380に規定するtypeHEES(合成エステル系油圧作動油)の要求値である10ステージ以上を達成しており、油圧作動油として様々な油圧機器に広範に用いる事ができる極圧性能を有していることがわかる。すなわち、これらの油圧作動油はベーンポンプ、ピストンポンプ、ギヤポンプ等、いずれのポンプ形式の油圧機器でも用いることもできることがわかる。また、実施例1〜5は、トラクション係数が低いことから、境界潤滑条件で低摩擦係数を有していることがわかる。そのため、実施例1〜5は、境界潤滑条件での低摩擦係数が必要とされる転動型動力伝達装置を有する油圧機器にも好ましく用いられる。
一方、比較例1は、コンプレックスエステルAを基油として用いているが、耐荷重能添加剤を含んでおらず、耐摩耗性、極圧性が劣っている。比較例2は、コンプレックスエステルAを基油として用いているが、P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤の代わりにリン系耐荷重能添加剤Aを含んでいるため、耐摩耗性が劣り、熱安定性試験における対スラッジ性が劣っており、さらにトラクション係数が高いことから境界潤滑条件での摩擦係数も高い。比較例3は、ポリオールエステルを基油として用いており、生分解性は高いものの、不飽和結合を有するポリオールエステルを基油に用いていることと耐荷重能添加剤を含んでいないことから、耐摩耗性、熱安定性、酸化安定性、極圧性が劣っている。比較例4は、分岐鎖を有するポリオールエステルを基油として用いていることと耐荷重能添加剤を含んでいないことから、生分解性が低く、耐摩耗性、熱安定性、酸化安定性に劣り、またトラクション係数が高いことから境界潤滑条件での摩擦係数も高い。比較例5は、P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤Aを含んでおり耐摩耗性と極圧性に優れるものの、鉱油系基油を用いているため生分解性は有しておらず、流動点が高く、熱安定性及び酸化安定性も劣っている。
本発明の油圧作動油組成物は、生分解性を有する種々の工業用潤滑油として適用され、特に屋外で用いられる油圧システム用の油圧作動油として好ましく用いられる。

Claims (3)

  1. (A)多価アルコール残基と、直鎖飽和脂肪酸残基及び炭素数が2〜14の直鎖飽和ポリカルボン酸残基と、からなるコンプレックスエステルであり、40℃における動粘度が20〜90mm/sであるコンプレックスエステルと、(B)フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤と、(C)P原子及びS原子を有する耐荷重能添加剤と、を含有し、基油分中の(A)の含有割合が60質量%以上であり、流動点が−25℃以下であることを特徴とする油圧作動油組成物。
  2. 前記多価アルコール残基がヒンダードアルコール残基であり、前記直鎖飽和脂肪酸残基の炭素数が4〜24であり、前記直鎖飽和ポリカルボン酸残基が直鎖飽和二塩基酸残基であり、前記(A)コンプレックスエステルのヨウ素価が2gI/100g以下であることを特徴とする請求項1記載の油圧作動油組成物。
  3. 転動型動力伝達部を有する油圧機器に用いられることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の油圧作動油組成物。
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