JP6254434B2 - 敏捷性改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、敏捷性を改善する敏捷性改善剤に関する。
敏捷性とは、身体全体又は身体の一部を速やかに動かしたり、すばやく方向転換をしたりする能力をいい、当該敏捷性は、動作のすばやさ(瞬発力)と正確さ(調整力)などを含む能力を測定することが一般的である。敏捷性は、感覚器の刺激閾値、中枢神経での判断処理時間、神経伝導速度、筋収縮速度などに依存しているため、一般的に測定される筋力や持久力とは異なる能力と考えられている(非特許文献1、2)。
また、敏捷性は神経インパルスの伝達速度や正確性、筋収縮の速度によって決定されるため、これらの要因において生じる加齢に伴う機能・能力低下に大きく影響を受ける。
一般的に、敏捷性を改善させるためには、運動トレーニングとバランスの良い栄養補給が重要と考えられている。最近では、運動愛好者やアスリートにおいて、より効率的に敏捷性の改善を図るため、単にトレーニングを行うだけでなく、サプリメント等の栄養補給を併用する試みがなされている(特許文献1)。
しかしながら、一部のタンパク質やアミノ酸を過剰摂取した状態でトレーニングを行うことは、腎機能等に悪影響を及ぼす原因になりうることが懸念されている(非特許文献3)。
一方、乳脂肪球皮膜(MFGM: milk fat globule membrane)は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜であって、脂肪を乳汁中に分散させる機能を有するのみならず、新生動物の食物として多くの生理的機能を有している。例えば、血中アディポネクチン増加及び/又は減少抑制効果(特許文献2)、学習能向上効果(特許文献3)、シアロムチンの分泌促進効果等(特許文献4)の生理機能、運動機能向上(特許文献5)、ミトコンドリア機能向上(特許文献6)を有すること報告されている。
しかしながら、斯かる乳脂肪球皮膜に、敏捷性改善作用があることはこれまで全く知られていない。
特開2002−065212公報 特開2007−320901公報 特開2007−246404公報 特開2007−112793公報 特開2010−059155公報 特開2011−157329公報
Anderson, JAMA, 223, 1973
本発明は、敏捷性改善作用を有し、且つ安全性が高い医薬品、医薬部外品、食品、飼料及びそれらに配合可能な素材を提供することに関する。
本発明者らは、敏捷性改善作用に有効な成分の探索を行った結果、乳脂肪球皮膜に敏捷性改善作用があり、これが当該作用を発揮し得る素材として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は乳脂肪球皮膜を有効成分とする敏捷性改善剤に関するものである。
本発明は、幅広い年齢層に対して、日常の活動時における敏捷性を改善するための食品、医薬品、医薬部外品、飼料として、又は医薬品や食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材として有用である。
筋力測定中の表面筋放電量を測定した結果を示す図である。 試験例2で測定する際に用いたプレートを示す図である。 (a)プレート移動の動作開始時間を測定した結果を示す図である。(b)プレート移動の移動時間を測定した結果を示す図である。 試験例3で測定する際の立ち座り運動の態様を示す図である。 試験例3で立ち座り時間を測定した結果を示す図である。
本発明において、「敏捷性」とは、脳からの指令に従って身体全体又は身体の一部を速やかに動かしたり、すばやく方向転換をしたりする能力を意味し、神経インパルスの伝達速度や正確性、筋収縮の速度によって決定される。すなわち、敏捷性は、感覚器の刺激閾値、中枢神経での判断処理時間、神経伝導速度、筋収縮速度などに依存するものであり、筋力や持久力の増大により向上する運動機能とは異なる能力である。
本発明における乳脂肪球皮膜としては、乳中の脂肪球を皮膜している成分及びそれに由来する膜成分混合物が挙げられる。
乳脂肪球皮膜は、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られ、乳脂肪球皮膜の乾燥量の約半分が脂質で構成されている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009)。当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質(例えば、スフィンゴリン脂質、グリセロリン脂質等)が多く含まれ、これ以外にスフィンゴ糖脂質(例えば、グルコシルセラミド、ガングリオシド等)が含まれることが知られている(Keenan、Applied Sci、1983)。また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖蛋白質(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)等の蛋白質が含まれることが知られている。
本発明における乳脂肪球皮膜に含まれるリン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質の他、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が挙げられる。この中で、乳由来の特徴的なリン脂質であるスフィンゴミエリンが乳脂肪球皮膜に含まれることが好ましい。
本発明における乳脂肪球皮膜中の脂質の含有量は、特に限定されないが、乾燥物換算で、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜60質量%の範囲である。
本発明における乳脂肪球皮膜中のリン脂質の含有量は、特に限定されないが、乾燥物換算で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上、そして好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。また、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは8〜90質量%、更に好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは20〜60質量%の範囲である。
乳脂肪球皮膜中の各リン脂質の含有量は、特に限定されないが、例えば、スフィンゴミエリンの含有量は、乳脂肪球皮膜中、乾燥物換算で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上、そして好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。また、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%、更に好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは4〜20質量%の範囲である。
乳脂肪球皮膜の乳原料としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられるが、乳の中でも牛乳由来のものは、食経験が豊富であり、高純度かつ安価なものも上市されており、特に好ましい。
また、乳原料には、生乳、脱脂乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれるが、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られるが、乳脂肪球皮膜はバターミルク中に多く含まれているので、バターミルクをそのまま使用することができる。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜が多く含まれるのでバターセーラムをそのまま使用してもよい。
乳脂肪球皮膜の調製法としては、例えば、乳やホエータンパク質濃縮物(WPC)等の乳製品をエーテルやアセトンで抽出する方法(特開平3−47192号公報)、バターミルクを酸性域に調整、等電点沈殿を行うことにより生じたタンパク質を除去し、上清を精密濾過膜処理して得られる濃縮液を乾燥する方法(特許第3103218号公報)等が挙げられる。また、バターセーラム中よりタンパク質を凝集除去後に濾過濃縮し乾燥する方法(特開2007−89535号公報)等も使用することができる。本製法によると、例えば、乳由来の複合脂質を乾燥物中20質量%以上含有する乳脂肪球皮膜を調製することができる。なお、乳脂肪球皮膜の形態は、特に限定されず、液状、半固体状や個体状、粉状等の何れでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
斯くして調製された乳脂肪球皮膜は、必要に応じて、さらに透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを使用してもよい。
なお、乳脂肪球皮膜の形態は、特に限定されず、液状、半固体状や個体状、粉状等の何れでもよく、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、乳脂肪球皮膜は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC-5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500, 700)」等が挙げられる。
上記脂肪球皮膜は、後記実施例に示すように、ヒトにおいて、エアロバイクを用いた自転車漕ぎ運動(15-20%/最大筋力)等の定期的な運動との併用により、筋放電量を増加させる作用を有する。筋放電量は筋肉を収縮させる電気信号が筋肉に到達して初めて検出されるため、筋放電量の増加は、筋肉の量の増減とは異なり、筋肉と(機敏に動くための)神経との繋がりを向上させて、より多くの筋肉が活動するようになったことを示し(De Luca, 1997, Journal of Applied Biomechanics, 13: 135-163)、敏捷性が改善することに繋がる。また、上記脂肪球皮膜は、定期的な運動との併用により筋と神経の繋がりを向上させ、敏捷性を改善する作用を有する。
また、本発明の敏捷性改善剤は、通常の日常生活における摂取で敏捷性を改善することができるが、更に運動と組み合わせて摂取することにより敏捷性の改善をより一層促進することができる。
運動負荷は、ウォーキングやジョギングなどの低度〜中度のもので十分であり、強度が3〜6メッツであることが好ましく、3〜4メッツが更に好ましい。なお、4メッツとは座位安静時のエネルギー消費量の4倍のエネルギーを消費させる強度の運動をいう。厚生労働省が提言している“健康づくりのための運動指針2006”では、3メッツの運動は軽い筋力トレーニング、バレーホール、歩行であり、4メッツの運動は速歩、ゴルフ、自転車こぎ、子供と遊ぶ、6メッツの運動は軽いジョギング、エアロビクス、階段昇降などの強度とされている。
前述のように、本発明の敏捷性改善剤は自由に摂取することが可能であるが、敏捷性改善効果を効果的に発揮させるために、1日あたりの有効量の摂取から、前後120分以内に前記強度の運動を開始することが好ましく、前後60分以内がより好ましく、前後30分以内が更に好ましい。
運動は日常の生活に組み込むことが可能な時間行えばよく、前記強度の運動を1日あたり5分以上行うことが好ましく、10分以上行うことがより好ましく、20分以上行うことが更に好ましい。運動は一度に実施しても、複数回に分割しても良く、その日の都合に合わせて調整することができる。
したがって、本発明で用いる乳脂肪球皮膜は、敏捷性改善剤として、使用することができ、更にこれらの剤を製造するために使用することができる。
当該敏捷性改善剤は、それ自体、ヒトを含む動物に摂取又は投与した場合に敏捷性改善の効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料であってもよく、或いは当該医薬品、医薬部外品、食品又は飼料に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。なお、乳脂肪球皮膜は、溶解状態であっても、分散状態であっても良く、その存在状態は問わない。
上記敏捷性改善剤を、ヒト又は動物に投与して使用する場合の使用は、治療的使用であっても、非治療的使用であってもよい。
ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない、すなわちヒトを手術、治療又は診断する方法を含まない概念である。
また、当該食品には、運動不足者や運動愛好者における敏捷性改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品が包含される。これらの食品は機能表示が許可された食品であるため、一般の食品と区別することができる。
上記乳脂肪球皮膜を含有する上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤型は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、軟膏、ローション、クリーム、湿布剤、バップ剤、静脈内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射用剤、輸液、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等のいずれかでもよい。投与形態も経口投与(内用)、非経口投与(経皮、経腸、経粘膜等の外用、注射)のいずれであってもよい。これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与である。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
また、このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、上記乳脂肪球皮膜を其々単独で、又は薬学的に許容される担体とを組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、香料、被膜剤等や、他の薬効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。
上記乳脂肪球皮膜(乾燥物換算)を経口投与用製剤に配合して使用する場合、その含有量は、製剤全質量中、通常好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、好ましくは50質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。また、好ましくは0.001〜50質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
上記乳脂肪球皮膜を含有する上記食品の形態としては、パン類、麺類、菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、澱粉加工製品、加工肉製品、その他加工食品、飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品、清涼飲料水、茶系飲料、コーヒー飲料、果汁飲料、炭酸飲料、ジュース、ウエハース、ビスケット、ソーセージ等の飲食品や栄養食等の各種食品及びそれらの原料等のいずれかでもよい。更には、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、粉末剤、顆粒剤等)の栄養補給用組成物が挙げられる。
種々の形態の食品は、上記乳脂肪球皮膜を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、本発明以外の有効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。
当該食品中の、上記乳脂肪球皮膜(乾燥物換算)の含有量は、その使用形態により異なるが、飲料の形態では、通常好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。また、好ましくは0.001〜30質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
錠剤や加工食品等の固形食品の形態では、上記乳脂肪球皮膜(乾燥物換算)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。また、好ましくは0.05〜50質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、更に好ましくは0.2〜10質量%である。
飼料としては、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、犬、猫等に用いるペットフード等が挙げられ、上記食品と同様の形態に調製できる。
なお、飼料を製造する場合には、上記乳脂肪球皮膜の他に、牛、豚、羊等の肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類等一般に用いられる飼料原料、更に一般的に飼料に使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等を組み合わせて用いることができる。
飼料中の、上記乳脂肪球皮膜(乾燥物換算)の含有量は、その使用形態により異なるが、通常好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、好ましくは80質量%%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。また、0.02〜80質量%が好ましく、0.2〜75質量%がより好ましく、2〜50質量%が更に好ましい。
本発明の敏捷性改善剤等の摂取量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得るが、成人(60kg)に対して1日あたり、上記乳脂肪球皮膜(乾燥物換算として、通常好ましくは10mg以上、より好ましくは100mg以上、更に好ましくは500mg以上、好ましくは10000mg以下、より好ましくは5000mg以下である。また、好ましくは10〜10000mg、より好ましくは100〜5000mg、更に好ましくは500〜5000mgである。
上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日当たり1回〜数回に分けて投与することが好ましい。 摂取方法は食事時や食間、運動の前後など、特に限定なく摂取することが可能であるが、運動の直前或いは直後に摂取することが好ましい。また、1回で摂取してもよく、複数回に分けて自由に摂取してもよい。
摂取期間は特に限定されないが、継続して摂取することが好ましく、十分に敏捷性を増加させる効果を奏するという観点より、4日以上連続して摂取することがより好ましく、7日以上連続して摂取することが更に好ましく、14日以上連続して摂取することが特に好ましい。
投与又は摂取対象者としては、病者又は健常者に関わらず、それを必要若しくは希望する人であれば特に限定されないが、特に、アスリート、運動不足者或いは高齢者における摂取が有効である。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>乳脂肪球皮膜を有効成分とする敏捷性改善剤。
<2>敏捷性改善剤を製造するための、乳脂肪球皮膜の使用。
<3>敏捷性改善に使用するための、乳脂肪球皮膜。
<4>非治療的に使用するための、<2>に記載の乳脂肪球皮膜。
<5>乳脂肪球皮膜を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する敏捷性改善方法。
<6>非治療的方法である、<5>に記載の方法。
<7>運動を併用して摂取されるように用いられる<1>〜<6>に記載の乳脂肪球皮膜。
調製例:乳脂肪球皮膜の調製
乳脂肪球皮膜としては、メグレジャパン社製BSCPを使用した。
BSCPには、乾燥物換算で、蛋白質49質量%及び脂質39質量%が含まれ、スフィンゴリン脂質としてスフィンゴミエリン3.7質量%が含まれ、スフィンゴ糖脂質としてグルコシルセラミド2.4質量%、およびガングリオシド0.4質量%が含まれる。
脂肪球皮膜中の蛋白質及び脂質の分析方法としては、ケルダール法(神立誠著、最新食品分析法、同文書院)及びレーゼゴットリーブ法(日本食品工業学会編、食品分析法、光琳)で行った。
また、脂肪球皮膜中のリン脂質の分析は、LC−MS法にて行った。すなわち、脂肪球皮膜よりクロロホルム/メタノール(=2:1)を用いて脂質画分を抽出し、窒素気流下で乾固した後、ヘキサン/イソプロパノール(=95:5)に溶解した。この試料を、下記LC−MS分析に供し、リン脂質の定量を行った。
具体的な分析手段としては、以下のものを用いた。
カラム:Inertsil SIL 100A-3 (GLサイエンス社、1.5mm×150mm)
カラム温度:40℃
流速:0.1 mL/min
検出器:アジレント、1100 LC/MSD
移動相:A液(ヘキサン:イソプロパノール:ギ酸=95:5:0.1)およびB液(ヘキサン:イソプロパノール:50mMギ酸アンモニウム=25:65:10)のグラジエント分離
試験例1
年齢20〜40歳代の健常男性14名を対象とし、脂肪球皮膜が運動ユニットの活動性に及ぼす影響を検証した。まずアスコルビン酸180mg、クエン酸50mg、アスパルテーム12mg、ステアリン酸マグネシウム24mg、結晶セルロース120mg、乳糖274mg、および上記脂肪球皮膜440mgからなる処方(1日量2200mg)で、日本薬局方(製剤総則「錠剤」)に準じて錠剤を製造し、脂肪球皮膜成分を含有するタブレットを得た。実施例1では、対象者に当該乳脂肪球皮膜を含むタブレットを、1日1回ずつ4週間摂取させ、最大脚伸展力の15%の負荷にて60秒間×3回、その後20%の負荷にて40秒間×7回、各トレーニングセッションの間には20秒間のインターバルを設けた運動を、週2回(約10分間/日)で1週間行った。また、比較例1では実施例1で用いたタブレットから乳脂肪球皮膜を除いたタブレットを用いて同様の運動を行った。その後、被験者はペダル駆動型測定機器(三菱社製StrengthErgo240)を用いて脚伸展力測定を行い、その筋力測定中の内側広筋における筋放電積分量(RMS)を表面筋電位計(PowerLab/Chartpro)に用いて測定した。得られた結果を図1に示す。
図1より、実施例1は比較例1に対して、筋放電量が増加した。筋放電(筋電位)は、筋肉が収縮した結果として発生するものではなく、筋肉を収縮させる電気信号が筋肉に到達して初めて検出される。したがって、運動をしたときの筋放電量(筋電位量)は、運動への活動に参加する運動単位(筋肉単位)数に比例する。そのため、実施例1における筋放電量の増加は、筋と神経の繋がりが向上し、より多くの筋肉が活動したことを示す。
試験例2
年齢60−74歳の健常男女33名を各11人ずつの群として検証した。実施例2、3では、対象者に上記乳脂肪球皮膜を含むタブレット(乳脂肪球皮膜として1g/日又は1.5g/日)を、1日1回ずつ10週間摂取させ、Borgの自覚的運動強度(ratings of perceived exertiom : RPE)の12〜13「ややきつい」を目安にエアロバイクやウォーキングの運動を1週間に2回各15分間行った。また、比較例2では乳脂肪球皮膜を除いたタブレットとした。そして、被験者は、図2に示すような装置(竹井機器工業株式会社製リアクションMR)を用いて、ランプの指示に従ってプレートを移動させる試験を行った。被験者の動作開始時間と移動時間を計測し、その結果を図3に示す。
図3より、実施例2、3は比較例2に対して、動作開始時間及び移動時間が短縮した。この結果より、実施例2、3では定期的な運動との併用により筋と神経の繋がりが向上し、より速く正確な動きができるようになり、4方向反応時間:すなわち敏捷性が改善した。
試験例3
年齢60−74歳の健常男女22名を各11人ずつの群として検証した。実施例4では、対象者に上記乳脂肪球皮膜を含むタブレット(乳脂肪球皮膜として1g/日)を、1日1回ずつ10週間摂取させ、自覚的運動強度:ややきつい(RPE:12〜13)を目安にエアロバイクやウォーキングの運動を1週間に2回各15分間行った。また、比較例3では乳脂肪球皮膜を含まないタブレットとした。そして、被験者は、図4に示すような態勢で、椅子に立ち座り運動を行った。被験者が5回の運動終了の際の時間を計測し、その結果を図5に示す。
図5より、5週時において、実施例4では接種前より約22%時間を短縮したのに対し、比較例3では摂取前より14%時間を短縮した。この結果より、実施例4では定期的な運動との併用により筋と神経の繋がりが向上し、よりすばやく筋収縮か可能になり、敏捷性が改善した。

Claims (4)

  1. 乳脂肪球皮膜を有効成分とする敏捷性改善剤。
  2. 乳脂肪球皮膜が、運動を併用して摂取されるように用いられる請求項1に記載の敏捷性改善剤。
  3. 乳脂肪球皮膜を有効成分とする敏捷性改善用食品又は食品組成物
  4. 乳脂肪球皮膜が、運動を併用して摂取されるように用いられる請求項3に記載の敏捷性改善用食品又は食品組成物
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