JP6253694B2 - 防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメント - Google Patents

防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメント Download PDF

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Description

本発明は、骨セメントとして用いる防腐性組成物、特に硬化されうる防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントを提案し、そして、酸化効果を有する化合物または酸化効果を有する化合物を放出しうる化合物である少なくとも1つの構成成分を含む。好ましくは、過酸化水素は、放出され、または放出されうる。本願明細書において、水の存在下または水溶性条件で過酸化水素を放出する過酸化水素の付加体または塩を用いるのが特に好ましい。防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントは、主な関節全内部人工器官の機械的固定、再置換した関節全内部人工器官の機械的固定、およびスペーサ製造に用いられうる。
本発明の主題は、防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントである。このセメントは、特に、関節の全内部人工器官(TEP)の2段階の腐敗性再置換の目的におけるスペーサー(一時的なプレースホルダ―)の製造用であることを意図する。
関節全内部人工器官は、関節機能、主に膝関節または股関節を保護するために広く用いられている。より少ない程度ではあるが、肩TEPおよび肘TEPも用いられている。TEPは、セメントを用いない人口装置の場合に、ポリメチルメタクリレート骨セメントまたは圧力嵌めにより、骨インプラントベッドに固定されうる。
残念ながら、最新の衛生および外科技術にもかかわらず、TEPの着床はまだTEPのまわりの骨および軟組織の感染のきわめて少数と関連する。これに関して、早期感染および晩期感染は区別される必要がある。早期感染はTEPの着床中にヒト組織に入る病原体をしばしば原因となる。晩期感染において、いつも、病原体の造血性播種が議論されている。上記感染は、患者にとって極めて深刻な合併症である。極端な場合は、TEPに関連する感染は慢性の骨炎や、きわめて極端な場合は生命を危うくする敗血症さえも引き起こす。
TEPの関連する感染は、主に第一段階および第二段階のTEP再置換により処置される。いずれの場合において本質的であるものは、創面切除の段階で徹底的に感染組織が除去されることである。第一段階のTEP再置換において、主なTEPは外植され、そして徹底的な創面切除はすぐに達成され、次いで再置換TEPは抗生物質ドープのポリメチルメタクリレート骨セメントを用いてすぐに創傷した骨インプラントベッドに機械的に固定される。第二段階TEP再置換において、第一外科手術は、感染した主要TEPを除去するために用いられ、その後に感染組織を創傷切除し、次いで抗生物質を含有するポリメチルメタクリレート(スペーサ)からなる一時的なプレースホルダ、またはほとんどの場合2以上の抗生物質が移植される。当該スペーサは除去されている主要なTEPを複製し、いわゆるデッドスペースマネージメント(dead−space management)に役立つ。このことは、スペーサが再発を示してよい拡大血腫の形成を妨げ、かつ筋肉システムおよび腱システムの委縮を大きく妨げる。さらに、抗生物質ドープのスペーサは連続的に、存在する抗生物質を周辺組織に連続的に放出する。その周囲組織および主にスペーサの表面上に未だ存在しているかもしれない任意の残留微生物病原体は従って効果的に制御される。スペーサの着床後約4〜6週間、微生物病原体の結合を生検し、かつ微生物病原体の存在の生検被検査物を試験するのは慣用的である。典型的な臨床炎症マーカー(CRPなど)、発赤、膨潤、および温度上昇は、この場合同様に見出される。感染が弱まっていることが見出された場合、第二外科手術はスペーサを除去し、別の創傷切除を行うために実施される。その後、再置換TEPはセメントまたはポリメチルメタクリレート骨セメントを用いずに移植される。
スペーサ製造の間、抗生物質の組み合わせをセメント粉末へ添加するのは一般的であり、抗生物質は感染の原因となる微生物病原体を一致させるために選択される(非特許文献1)。この文脈において、2〜4の抗生物質の組み合わせを用いるのは慣用的なことである。しかしながら、抗生物質の使用は、抵抗力の形成に起因する意義のあるディベートの主題である。多くの関連する抗生物質(例えば、ゲンタマイシンおよびバンコマイシン)は、人体でほとんど非修飾形態で腎臓で***される。
抗生物質の代わりに防腐剤をポリメチルメタクリレート骨セメントに組み込むことが試みられている。
従って、特許文献1は、最大5重量%の銀塩を含有する骨セメントを提案した。銀元素を最大10重量%含有する抗菌性の組成物、加えて、二酸化チタンまたは酸化タンタルが特許文献2に開示された。特許文献3は20μmの大きさの銀粒子を含有する骨セメントを開示している。その銀粒子は最大、ナノメートルの大きさの銀粒子より小さい粒子を生成している。
銀元素または銀塩の使用は実際殺菌性の作用を示す銀イオンは微生物構造とだけでなく、ヒト組織構造とも同様に非選択的に、相互作用するので、問題である。従って、貧水溶性塩はシステインおよびタンパク質含有システインと共に形成されうる。さらに、銀イオンはリン酸イオンと反応し、難溶性オルトリン酸銀を形成しうる。長い間知られている銀症の現象、すなわち、銀に起因する不可逆的な皮膚の変化から明らかなように、人体に導入される銀化合物は基本的に排除されない。
特許文献4は、カチオン性防腐剤を含有するポリメチルメタクリレート骨セメントを開示し、このポリヘキサメチレンバイグアニドが防腐剤として特に好ましい。しかしながら、この文献で議論されている問題は、上記カチオン性防腐剤はヒト組織により劣化し、かつ局所的蓄積の危険性があることである。
国際公開第8201990(A1)号明細書 米国特許第4849223(A)号明細書 欧州特許出願公開第1313518(A1)号明細書 欧州特許出願公開第1648531(A1)号明細書
L. Frommelt: LokaleAntibiotikatherapie. In: Septische Knochenchirurgie. Eds. R. Schnettler、H.−U. Steinau、Georg Thieme Verlag Stuttgart New York2004、82−90
本発明は、着床後、体液の影響において広い範囲への防腐剤を放出する骨セメント、好ましくはポリメチルメタクリレート骨セメントを開発する目的に基づき、その防腐剤は一時的な強い殺菌性効果を示すだけでなく、逆に作用する毒性効果を妨げるためヒト組織に蓄積すべきでなくまたはしてはならない。さらに、可能である場合、防腐剤は遅延様式で放出されるべきである。
本発明の目的は、本発明の請求項1および2と請求項23および24において満たされた。好ましい実施形態は従属請求項および発明の詳細な説明に詳細に記載されている。
本発明は、骨セメント用組成物(ポリメチルメタクリレート骨セメントなど)に少なくとも1つの過酸化水素化合物を導入する論理的根拠に基づき、過酸化水素化合物は酸化効果を有する化合物として定義された条件、好ましくは遅延放出よる、過酸化水素を放出することができる。本願明細書において、過酸化水素付加体および/またはその塩をポリメチルメタクリレート骨セメントに導入するのが特に好ましい。好ましい付加体および/またはその塩は、水または水溶液(体内の水溶液条件など)の影響にさらされたとき、過酸化水素を放出する。過酸化水素は、酸化効果に起因して強い殺菌性効果を有する広範囲の防腐剤である。人体が過酸化水素を分解するカタラーゼおよびペルオキシダーゼを含有するので、過酸化水素は人体に蓄積し得ないのが特に有利である。本発明に係る組成物または本発明に係る骨セメントの特に有利な点は、抗生物質に基づく治療に伴って発生しうる、微生物による抵抗形態を防止することである。本発明に係る使用の別の有利な点は、上述したカタラーゼおよびペルオキシダーゼが形成された過酸化水素を分解しうるので、防腐剤の効果が極めて局所にとどまることである。
本発明の主題は、骨セメント用組成物は硬化しかつ酸化効果を有する化合物または酸化効果を有する化合物を放出しうる化合物である少なくとも1つの構成成分を含み、酸化化合物が水の存在下でその成分から放出される骨セメント用組成物、特にポリメチルメタクリレート骨セメント用組成物である。別の本発明の主題は、防腐性骨セメント中の少なくとも1つの酸化効果を有する化合物の使用である。好ましくは、酸化効果を有する化合物は、HOの存在下(水分、水または体液の水溶液条件)で過酸化水素の形態で、成分から放出される。このため、本発明に係る酸化効果を有する化合物は、過酸化水素または少なくとも1つのペルオキシ基(−O−O−)を含有し、かつ水と反応して過酸化水素(H、H−O−O−H)を放出する化合物を包含する。
本発明おいて、組成物は、防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントである。
広範囲の防腐剤、遅延様式で放出される過酸化水素は、スペーサまたは内部人工器官上の表面病原体を減少させ、順に体内でカタラーゼ(遺伝子名:CAT)(過酸化水素(H)を変換して酸素(O)および水(HO)を形成する酵素)により分解される。この手段により、抗菌剤の効果はインプラント、スペーサまたは内部人工器官の領域に局所的に制限され、患者の体内に蓄積されない。
別の本発明の主題は骨セメント用組成物、特にポリメチルメタクリレート骨セメント用組成物であり、骨セメント用組成物は硬化し、過酸化水素を放出し、または過酸化水素は組成物から放出され、および/または組成物に由来し得る。特に好ましくは、過酸化水素は、遅延放出により硬化し得る組成物または硬化した組成物から放出される。好ましくは、特に、過酸化水素の部分はすぐに放出され、すなわち最大4週間または6週間、存在する病原体をすぐに殺すため、好ましくは低濃度の放出により追随され、該当する場合、その後の期間において、濃度は減少し続ける。
本発明の主題は、骨セメント用組成物、特にポリメチルメタクリレート骨セメント、特に好ましくは防腐性骨セメント用組成物でもある。本願明細書において、その組成物は硬化し、そして、好ましくは成分として過酸化水素である過酸化水素化合物、または過酸化水素を放出する過酸化水素化合物を含有する。好ましくは、過酸化水素化合物は、過酸化水素、過酸化水素付加体、過酸化水素錯体、過酸化水素塩、過酸化水素を包含している共結晶、過酸化水素放出化合物(例えば、酵素作用に起因して過酸化水素を放出する化合物など)、非化学量論の組成物を有する固体の過酸化水素を含有する溶液または上述した化合物を少なくとも2つ含有する混合物から選択される。本発明おいて、過酸化水素は、過酸化水素化合物、好ましくは硬化プロセス(液体モノマーおよび当該モノマーに溶解し得る少なくとも1つの有機ポリマーとの重合による硬化プロセスなど)の後、放出されうる。
上述した過酸化水素化合物、好ましくは上述した付加体、塩、錯体および/または共結晶は、一般に組成物中に多形、水和物(化学量論のまたは非化学量論の水和物など)として、溶媒和物として、または非晶形態において互いに独立に用いられうる。過酸化水素塩または過酸化水素付加体、錯体、または共結晶、一般的に全ての薬学的に許容できる化合物または薬物法において認可された化合物を使用することは、上述した過酸化水素化合物中の第二分子化合物または有機化合物もしくは無機イオン化合物として存在するのに好適である。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよび/または亜鉛のカチオンが好ましい。
一般に、薬理学的に許容できる化合物は、組成物中、好ましくは骨セメント中、過酸化水素化合物として用いられる。関連する例はグルコン酸塩、マレイン酸塩、などを包含する。
用語「ポリメチルメタクリレート骨セメント」は、ポリマー粉末成分および液体モノマー成分が混合されてラジカル重合を通して自己硬化セメント生地を形成する従来のセメントを言及することが理解されるだろう。この用語は、2つの分離した事前に膨張するセメントペーストを混合して自己硬化セメント生地を製造する、ペースト状ポリメチルメタクリレート骨セメントも包含する。例示は、未審査の独国特許出願公開第102007050762(B3)号明細書、独国特許出願公開第102010024653(B4)号明細書、および独国特許出願公開第102010005956(B4)号明細書を包含する。
骨セメントとして用いられうる本発明に係る組成物は、好ましくは少なくともa)過酸化水素、湿気、水、水性条件または水溶液の存在下で、酸化効果を有する化合物として過酸化水素を放出する過酸化水素付加体、過酸化水素錯体、または過酸化水素塩、および/またはb)酵素触媒作用において過酸化水素を放出する過酸化水素化合物を含む。それゆえ、代替物に関して、酵素の存在に起因して過酸化水素を放出する過酸化水素化合物は適当な過酸化水素放出化合物として用いられうる。
本発明において、水、水分の存在下、水溶液中、または水溶液条件で過酸化水素を放出し、特に硬化状態を形成する少なくとも1つの過酸化水素付加体または過酸化水素塩を含む防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントが特に好ましい。
さらに、過酸化水素化合物として酸性化合物でありかつペルオキシ酸でないもの(過酢酸など)を用いないのが好ましい。しかしながら、一般的に、ペルオキシ酸の塩は、緩衝液としても作用するペルオキシ酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩または亜鉛塩などが用いられうる。
少なくとも1つの過酸化水素化合物のような本発明において特に好ましい成分は、少なくとも1つの尿素−過酸化水素付加体(CAS 124−43−6)および/または過炭酸ナトリウム(CAS 15630−89−4、過酸化水素と炭酸ナトリウムとの付加体)を含む。
好ましい代替物に関して、過酸化カルシウム(CAS 1305−79−9)、過酸化カルシウム八水和物(CAS 78403−22−2)および/または過酸化ナトリウム(1313−60−6)または上述したものを含む混合物は、構成成分として、好ましくは過酸化水素化合物として用いられる。さらに別の好ましい代替物に関しても、尿素−過酸化水素付加体および過酸化カルシウムを含む混合物は、構成成分として、特に過酸化水素化合物として組成物中に用いられる。尿素−過酸化水素付加体は、水の存在下で比較的早く過酸化水素を放出するので、尿素−過酸化水素付加体と過酸化カルシウムとを含む混合物は特に有利である。対照的に、過酸化カルシウムは、水の存在下でよりゆっくり過酸化水素を放出する。過酸化水素だけでなく水酸化カルシウムも、この加水分解の間に製造される。水酸化カルシウムは、緩衝液物質、特に緩衝液物質のアルカリ塩(例えば、不溶性の塩を形成するもの)を用いて捕捉されうる中間の強さの塩基である。
それゆえ、異なるが、定義される過酸化水素放出プロファイルを有する過酸化水素化合物を混合することは、放出速度放出の継続期間、および上記表面および/または硬化組成物(インプラントまたはスペーサなど)の周りの組織において過酸化水素の局所的な濃度が非常に十分かつ必要に応じて制御されることを可能とする。
要望通り、過酸化水素の放出を調整するため、組成物、特に骨セメントは、全組成物に対して、0.001〜10重量%、特に0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜2.5重量%、より好ましくは0.01〜1重量%の過酸化水素化合物を含有し得る。本願明細書において、組成物は、2以上のペーストまたはペーストおよび粉末成分を混合して製造するのが適当であり得、過酸化水素化合物は、1つまたは両方のペースト中、ならびに粉末組成物中に適当に存在し得る。本願明細書において、過酸化水素化合物は、硬化後およそ0.01〜5重量%の含有量に対応する含有量で組成物中に存在するのが好ましい。本発明に係る、少なくとも1つの過酸化水素付加体または過酸化水素塩は、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%で硬化ポリメチルメタクリレート骨セメント中に存在する。
付加体(http://goldbook.iupac.org/A00138.html)−Adduktは、可能な接続性において、変更することによる形成方法で2つの異なる分子AおよびBの直接の組み合わせにより分子を含む化学種ABであると理解されるが、分子AおよびBに原子の損失はない。付加体は、異なる分子のそれらと異なる特性を有し得る。付加体の化学量論は1:1でありうるが、他の考えられる化学量論、例えば、ビス付加体(2:1)または2:3付加体、などでありもする。分子内付加体は、群AおよびBが同じ実体分子に存在するときに形成されうる。ルイス付加体、π付加体、σ付加体または錯体も公知である(http://goldbook.iupac.org/C01203.html)。錯体は、イオン性でありまたは電荷を帯びていない2以上の分子化合物の関連性を喪失することにより形成される分子単位であると理解される。とりわけ、用語「電子ドナー・アクセプター複合体」も公知である。共結晶は結晶性の化合物であると理解され、用いる分子の化学量論は固定され、そして通常水素架橋結合または弱い相互作用(例えば、(π)C−H−O/N−、−(O)C−H−O/N−結合など)を通して形成される。
例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、スクシンイミド、アスパラギン、ヘキサメチレンテトラミンの薬学的に許容できる付加体およびさらなる過酸化水素の付加体と薬学的に許容できる分子または塩との薬学的に許容できる付加体は過酸化水素付加体として用いられうる。
過酸化水素付加体の保管でので安定性を改善する試みにおいて、多くの提案がなされている:独特特許発明第681205(C)号は撥水剤(例えば、脂肪またはワックス)を伴う過酸化水素−尿素を浸透させることが提案されている。独特特許発明第687217(C)号は、表面活性物質の付加体を開示している。U3629331Aによれば、過酸化尿素に、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびリン酸二水素ナトリウムを添加することが勧められている。さらに、3〜9重量%のコロイドシリカは、そのフロー特性を改善するために添加されうる。独特特許出願公開第1169901(B)号は、過酸化水素含有ペーストの製造方法を開示しており、そこにおいて過酸化水素またはウレア過水和物をポリエチレンオキシドに溶解している。
さらに、組成物は、少なくとも1つの緩衝液物質、好ましくは第一級アルカリホスフェート、第二級アルカリホスフェート、第一級アルカリクエン酸、第二級アルカリクエン酸および/またはカルボン酸の塩からなる群から選択される緩衝液物質、特に1〜20個の炭素原子を有する第一級アルカリホスフェート、第二級アルカリホスフェート、第一級アルカリクエン酸、第二級アルカリクエン酸および/またはカルボン酸の塩からなる群から選択される緩衝液物質、好ましくはフルーツ酸の塩、α−ヒドロキシ酸の塩および/または脂肪酸の塩、特に1〜20個の炭素原子を有するフルーツ酸の塩、α−ヒドロキシ酸の塩および/または脂肪酸の塩を含むのが好ましい。上述した酸の塩は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸および/または乳酸のアルカリ、アルカリ土類および/または亜鉛塩であるのが特に好ましい。特に好ましい塩は、上述したホスフェートまたはカルボキシレートのナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/または亜鉛のカチオンを含む。
従って、フルーツ酸の塩、特にフルーツ酸の水溶性塩、例えば、クエン酸、リンゴ酸、サリチル酸、酒石酸、および乳酸からなる群からの塩は防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントに存在しうる。この緩衝液物質を適切な量で用いることは過酸化カルシウムの加水分解の間に製造される水酸化カルシウムが中和されることを可能とする。緩衝液物質として、1〜8個の炭素原子を有するα−ヒドロキシカルボン酸または脂肪酸のアルカリ、アルカリ土類、亜鉛の塩を使用するのが、同等に好適である。
本願明細書において、pHを制御するための緩衝液物質および過酸化水素の放出を制御するための緩衝液物質は過酸化水素化合物と一緒にi)緩衝液物質を含有している付加体として、ii)緩衝液物質を伴う共結晶中に、iii)少なくとも1つの緩衝液物質と一緒の形態中に、特に粒状、コンパクテート、押出成形品としてマトリクス、被覆形態、エンベロープ型のペレット中に、またはiv)少なくとも1つの緩衝液物質を包含している混合物中に、さらなる緩衝液物質および/またはさらなる慣用的な製薬形剤および/または放出遅延のコーティング剤の存在下でそれぞれ任意に存在しうる。
別の実施形態によれば、過酸化水素化合物は、さらにより強く遅延放出の速度を制御するために、HOにより膨張されうる、そして特に細孔を形成しかつ浸食するアクリレートにより組み込まれまたは包まれうる。EUDRAGIT(ユードラジット)(登録商標)粉末の塊、例えば、典型的な遅延放出アクリレートである。
過酸化カルシウムおよび緩衝液物質は一緒に粒状化され、当該粒状化したものがポリメチルメタクリレート骨セメントに添加される場合、特に有利である。粒子の各粒が過酸化カルシウムの加水分解の間pHを安定化する緩衝液物質を含有することはとても有利である。しかしこの全ては局所的なアルカリ反応を妨げる。組成物の緩衝液物質含有量は、それぞれ全組成物に関して0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.001〜2.5重量%、さらにより好ましくは0.001〜1重量%でありうる。過酸化水素化合物と一緒に緩衝液物質を含有する形態において、上記濃度は、過酸化水素化合物および緩衝液物質はポリマーおよびモノマーと単に混合されているときよりも低くありうる。
本発明に係る組成物は、少なくとも1つの有機ポリマーまたは有機ポリマー混合物を含む骨セメントであり、特にモノマー中に安定であり、ここでポリマーはポリアクリレートである。有機ポリマーは、特にポリ(アルキル−2−アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アリール−2−アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アリールアルキル−2−アクリル酸アルキルエステル)から選択され、それぞれ独立に1〜18個の炭素原子のアルキル基、特に1〜4個の炭素原子のアルキル基を有し、それぞれ独立に6〜13個の炭素原子のアリール基、特に6、10、12または13個の炭素原子のアリール基を有し、それぞれ独立に6〜14個の炭素原子のアリールアルキル基、特に8〜12個の炭素原子のアリールアルキル基、およびそれぞれ独立に1〜10個の炭素原子のアルキルエステル基、特に1〜4個の炭素原子のアルキルエステル基、または前記ポリマーを含む少なくとも2つの混合物から選択される
有機ポリマー、特にそのモノマーに溶解し得るポリマーは、ポリ(メタクリル酸メチルエステル)、ポリ(メタクリル酸エチルエステル)、ポリ(メチルメタクリル酸プロピルエステル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピルエステル)、ポリ(メチルメタクリレート−co−メチルアクリレート)、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート)、前記化合物のコポリマー、および前記ポリマーを少なくとも2つ含む混合物の群から選択されるのが特に好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましく用いられる。
ラジカル重合用のモノマーに溶解し得るポリマーは、少なくとも10g/L、好ましくは少なくとも25g/L、より好ましくは少なくとも50g/L、およびさらにより好ましくは少なくとも100g/Lのポリマーがラジカル重合用モノマーに溶解すると理解されるものとする。重合性モノマーに溶解し得るポリマーは、ホモポリマーまたは共重合体でありうる。その溶解し得るポリマーは、好ましくは少なくとも150,000g/mol、特に少なくとも200,000g/molおよび最大5,000,000g/mol以上の(重量)平均モル質量(Mw)を伴うポリマーである。溶解し得るポリマーは、例えば、メタクリル酸エステルのポリマーまたは共重合体でありうる。特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの溶解し得るポリマーは、ポリメタクリル酸メチルエステル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチルエステル(PMAE)、ポリメタクリル酸プロピルエステル(PMAP)、ポリメタクリル酸イソプロピルエステル、ポリ(メチルメタクリレート−co−メチルアクリレート)、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート)、および前記コポリマーの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
本発明に係る組成物中に存在するラジカル重合用の上記モノマーに溶解し得るポリマーの量は、通常、本発明に係る組成物の総重量に対して1〜85重量%である。従って、以下のペーストAおよび/またはペーストBのポリマー含有量および粉末成分Dおよび/または粉末成分Cのポリマー含有量は、ペースト、粉末成分またはモノマー成分のそれぞれの全組成物に対して互いに独立して1〜85重量%でありうる。
少なくとも1つのポリ(メタクリル酸メチルエステル)(PMMA)およびメタクリル酸メチルエステル(MMA)は、特に好ましい有機ポリマーとしておよびモノマーとして用いられ、さらなるモノマーまたはPMMA共重合体を含有しているこれらの混合物は適当に用いられうる。
ポリマー、特に好ましくは200,000g/mol以上の分子量(MW)を有するポリアクリレートは粉末成分を製造するためのモノマーに溶解し得るポリマーとして用いられ、500,000g/mol以上の分子量が好ましい。500,000g/mol以下の分子量を有するポリマーもペースト中に用いられうる。一方では、本願明細書において、好適な分子量は、ペーストまたは粉末成分が製造され、ならびにペースト中に存在するさらなる成分によりおよび用いられるモノマーに溶解し得るポリマーにより定められる。
組成物、とりわけモノマー成分中に用いられるラジカル重合用モノマー、またはモノマー成分は、好ましくは少なくとも1つのアルキル−2−アクリル酸アルキルエステル、アリール−2−アクリル酸アルキルエステル、アリールアルキル−2−アクリル酸アルキルエステル、それぞれ独立に1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜18個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝状または環状のアルキル基、それぞれ独立に6〜13個の炭素原子を有するアリール基、それぞれ独立に6〜14個の炭素原子、特に8〜12個の炭素原子を有するアリールアルキル基、およびそれぞれ独立に1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキルエステル基から選択され、アルキルエステル基は、線状、分枝状または環状のアルキル基、特に1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝状または環状のアルキル基または前記モノマーを少なくとも2つ含む混合物を含み得、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エステルまたはアルキルアクリル酸メチルエステルが好ましい。メタクリル酸メチルエステル(メタクリレートモノマーなど、特に温度25℃および圧力1,013hPaで液体であるメタクリレートモノマー)が特に好ましい。好ましくは、ラジカル重合用モノマーは、ビスフェノールA−誘導メタクリル酸エステルではない。
好ましくは、メタクリレートモノマーは、メタクリル酸エステルである。好ましくは、メタクリル酸エステルは、一官能化メタクリル酸エステルである。好ましくは、上記物質は疎水性である。疎水性の一官能性メタクリル酸エステルの使用は、後で水の増加に起因して骨セメントの体積を増加させ、従って骨への損傷が抑えられる。好ましい実施形態によれば、一官能性メタクリル酸エステルがエステル基とは別にさらなる極性基を含有しない場合、そのエステルは疎水性である。一官能性の疎水性のメタクリル酸エステルは、好ましくはカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド基、スルホン酸基、スルフェート基、ホスフェート基またはホスホネート基を含まない。
本発明において用いられるラジカル重合用モノマーは、好ましくは1,000g/mol未満のモル質量を有する。このラジカル重合用モノマーは、モノマーの混合物の成分であるラジカル重合用モノマーを含み、モノマーの混合物のラジカル重合用モノマーのうちの少なくとも1つは1,000g/mol未満のモル質量を有する定義された構造を含む。
ラジカル重合用モノマーは、好ましくはラジカル重合用モノマーが1:1で添加された水溶液で、pH5〜9、好ましくは5.5〜8.5、さらにより好ましくは6〜8、および特に好ましくは6.5〜7である。
特に好ましい実施形態によれば、メタクリレートモノマーは、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステルまたは上記2つのモノマーの混合物である。
好ましくは、本発明に係るペーストは、本発明に係るそれぞれのペーストの総重量に対して、15〜85重量%、より好ましくは20〜70重量%、さらにより好ましくは25〜60重量%、および特に好ましくは25〜50重量%の範囲の量のラジカル重合用モノマーを含有する。
本発明の主題も、微粒子無機添加剤、特に少なくとも40m/gのBET表面を有するものを含む組成物であり、その添加材は、好ましくは共有結合されたヒドロキシル基を含む。本発明に関して好適な微粒子無機添加剤は、粒子に共有結合されているHO−Si基(シラノール基)を含む。粒子の表面上に配置されている上記ヒドロキシル基は充填剤粒子間に水素結合を形成し、力学的エネルギーまたは熱エネルギーの作用を通して可逆的に放出されうる。
微粒子無機添加剤は、発熱性酸化ケイ素、発熱性金属−酸化ケイ素混合物、ベントナイト、モンモリロナイト、および上記添加剤の少なくとも2つを含有する混合物からなる群から選択される。
さらに、疎水性の発熱性二酸化ケイ素を用いることも適している。疎水性の二酸化ケイ素は、ジアルキルジクロロシラン(例えば、ジメチルジクロロシラン)をともなる発熱性二酸化ケイ素を処置する先行技術に従って製造されうる。
少なくとも40m/g、特に好ましくは200m/g、および最も好ましくは300m/gのBET表面を有する発熱性二酸化ケイ素は微粒子無機充填剤として特に好ましい。その発熱性二酸化ケイ素は50m/g、90m/g、200m/g、および380m/gの具体的なBET表面を有するアエロジル(登録商標)のブランド名で市販されている。
少なくとも200m/gのBET表面を有する発熱性酸化ケイ素が特に好ましい。少なくとも300m/gのBET表面を有する発熱性酸化ケイ素を微粒子無機添加剤として用いるのも好ましい。本発明において好適な微粒子無機添加剤は、好ましくは270〜330m/gの比表面積を有するおよそ7nmの一次粒子を含む。
BET測定は、ガス吸着を用いて固体表面の特徴を分析する手法である。この測定方法はDIN ISO 9277:2003−05(BET方法のガス吸着による固体の比表表面の測定)に記載されている。
本発明に係る組成物は、溶解性有機ポリマー(特にポリメチルメタクリレート(PMMA))およびラジカル重合用モノマー(特にメタクリル酸メチルエステル)とは別に、微粒子無機添加剤を全組成物に対して好ましくは0.01〜0.5重量%、特に0.01〜0.25重量%、好ましくは0.02〜0.14重量%の濃度で含む。本発明において、粉末成分および液体モノマー成分を混合することにより製造されるセメント生地は、微粒子無機添加剤を0.01〜0.14重量%の濃度で含む。上述の構成成分に加えて、本発明に係る組成物は、放射線不透過性物質、重合開始剤および/または重合加速剤を含み、肥大効果を単に有する添加剤以外の追加の充填剤を任意に含む。
さらに、組成物は、慣用的な無機充填剤または有機充填剤(有意に35m/g未満のBET表面を有する二酸化ケイ素など)を含有し得る。
本発明の1つの実施形態によれば、キット、好ましくは本発明に係るペーストAおよびペーストBを含む組成物および/または骨セメントの製造用キットは、開示され、
(a)ペーストAが、それぞれ、ペーストAの総重量に対して、
(a1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、特に15〜85重量%、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは25〜60重量%、さらにより好ましくは25〜50重量%の少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
(a2)少なくとも1つの有機ポリマー、特に5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらにより好ましくは20〜30重量%の(a1)に溶解する少なくとも1つの有機ポリマー、および
(a3)少なくとも1つの重合開始剤、および任意にさらなる成分((a1)に不溶性である放射線不透過性物質および/または充填剤など)、特に0.1〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、さらにより好ましくは0.01〜5重量%の少なくとも1つの重合開始剤、および任意にさらなる成分、
を含有し、
(b)ペーストBが、それぞれ、ペーストBの総重量に対して、
(b1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、特に15〜85重量%、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは25〜60重量%、さらにより好ましくは25〜50重量%の少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
(b2)少なくとも1つの有機ポリマー、特に5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらにより好ましくは20〜30重量%の(b1)に溶解する少なくとも1つの有機ポリマー、および
(b3)少なくとも1つの重合加速剤、および任意にさらなる成分((b1)に不溶性である放射線不透過性物質および/または充填剤など)、特に0.0005〜0.5重量%の少なくとも1つの重合加速剤、および任意にさらなる成分、
を含有し、
ペーストAおよびBのうちの少なくとも1つ、またはペーストAおよびBの両方は、成分(a4)および/または(b4)として、ペーストの全組成物に対して、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.001〜2.5重量%、さらにより好ましくは0.001〜1重量%の少なくとも1つの過酸化水素化合物の成分を含む。
本願明細書において、各ペーストは、0.001〜2重量%、特に0.001〜1重量%の濃度で微粒子無機添加剤を含有し得、全組成物に対して、添加剤は、ペーストAおよびBをおよそ1:1(いずれの値において±0.5)で混合して得られうる組成物中に0.01〜0.5重量%、特に0.01〜0.25重量%、好ましくは0.02〜0.14重量%で存在し得る。同じようなことは、以下の粉末成分CおよびペーストDに適用される。
上記されているモノマーおよびポリマーはペーストAおよびB中にモノマーおよびポリマーとして用いられる。
さらなる実施形態によれば、キット、好ましくは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを含む本発明に係る組成物および/または骨セメントの製造用キットは開示され、
(c)粉末成分Cが、それぞれ、粉末成分Cの祖重量に対して、
(c1)少なくとも1つの粉末形状のポリアクリレート、特に1〜95重量%、好ましくは最大85重量%の少なくとも1つの粉末形状のポリアクリレート、
(c2)少なくとも1つの粉末形状の放射線不透過性物質、特に3〜60重量%、好ましくは3〜30重量%の少なくとも1つの粉末形状の放射線不透過性物質、および
(c3)少なくとも1つの重合開始剤、および任意にさらなる成分((a1)に不溶性である放射線不透過性物質および/または充填剤)、特に0.1〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、さらにより好ましくは0.01〜5重量%の少なくとも1つの重合開始剤、および任意にさらなる成分、
を含有し、ならびに
(d)モノマー成分Dが、それぞれ、モノマー成分Dの総重量に対して、
(d1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、特に90〜99.9995重量%の少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
(d2)(d1)に溶解する任意の少なくとも1つの有機ポリマー、
(d3)少なくとも1つの重合加速剤、および、任意にさらなる成分(放射線不透過性物質および/または(d1)に不溶性である充填剤)、特に0.0005〜0.5重量%の少なくとも1つの重合加速剤、および、任意にさらなる成分、
を含有し、ならびに、
少なくとも粉末成分Cまたはモノマー成分Dは、成分(c4)または(c4)を含み、および粉末成分Cおよびモノマー成分Dは、成分(c4)および(d4)として、CまたはDの1つの全組成物に対して、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.001〜2.5重量%、さらにより好ましくは0.001〜1重量%の少なくとも1つの過酸化水素化合物の構成成分を含む。
本願明細書において、過酸化水素化合物として、ペーストAおよび/もしくはペーストBまたは、あるいは、粉末成分Cおよび/もしくはモノマー成分Dの1つに、上述した化合物、特に過酸化水素、過酸化水素付加体、過酸化水素錯体、過酸化水素塩、過酸化水素共結晶、過酸化水素放出化合物または上述した化合物を少なくとも2つ含有する混合物を、全組成物100重量%に対して、具体的な量で用いることが好ましい。
別の本発明の主題は、緩衝液物質または緩衝液物質の混合物の構成成分を含有するキットは、成分(a4)または(b5)として、ペーストAもしくはBのうちの少なくとも1つまたはペーストAおよびBの両方に存在する。本発明の主題は、成分(c5)または(d5)として、粉末成分Cもしくはモノマー成分Dに、または、粉末成分Cおよびモノマー成分Dの両方に緩衝液物質または緩衝液物質の混合物の構成成分を含有するキットである。緩衝液物質の含有量は、ペーストまたはモノマーおよび粉末成分のそれぞれの全組成物の0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.001〜2.5重量%、さらにより好ましくは0.001〜1重量%でありうる。
上述に係る粉末の形態の有機ポリマーは、粉末形状のポリアクリレートとして用いられ、粉末形状のPMMAが好ましい。一般に、添加剤の構成成分は、粉末成分およびペーストの両方に存在し得る。
2成分系の2つのペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合することにより得られた本発明に係る組成物の場合に、当該組成物は(他の2成分系の1つのペースト/成分に存在した)少なくとも1つの重合開始剤、および(他の2成分系の他のペースト/成分に存在した)少なくとも1つの重合促進剤を含む。
上述のモノマーおよびポリマーは、粉末成分Cおよびモノマー成分Dにおいてモノマーおよびポリマーとして用いられる。
通常、ペーストAおよび/またはペーストBならびに粉末成分Cおよび/またはモノマー成分Dは、それぞれ互いに独立に、放射線不透過性物質を含有する。
上記ペーストAおよびBは、互いに任意の割合で混合され得、実質的に1:1の割合で混合するペーストAおよびBの使用は好ましいと証明され、その割合は互いに独立して±50%で変動し得る。
本発明に係る組成物、ペーストおよび/または粉末成分は、少なくとも1つの重合開始剤(好ましくはラジカル重合用モノマーに溶解し得る)、少なくとも1つの重合加速剤(好ましくはラジカル重合用モノマーに溶解し得る)、適用できる場合少なくとも1つの共重合加速剤、または適用できる場合少なくとも1つの共重合加速剤を含有し得る。
本発明に係る組成物である一成分系の場合、重合開始剤は、好ましくは活性化可能な 重合開始剤であり、例えば、組成物中に溶解または懸濁し、ペーストとして存在する光開始剤またはペーストに溶解または懸濁する光開始剤系である。重合開始剤は、例えば、容器部分、投薬設備または輸送カニューレ内で、一時的にペーストと接触して、開始剤または開始剤を与えるのに適当である。さらに、一成分系において、本発明に係る組成物またはペーストは活性化可能な重合開始剤とは別に電気伝導性の放射線不透過性物質も含有しうる。0.5〜500μmの粒径を有するコバルト、鉄、NdFeB、SmCo、コバルト−クロム鋼鉄、ジルコニウム、ハフニウム、チタン、チタン−アルミニウム−ケイ素合金、およびチタン−ニオブ合金から構成される粒子は、本発明において特に適切である。放射線不透過性物質を熱する原因となる、500Hz〜50kHzの範囲内の周波数の代替磁界を通して上記電気伝導性の放射線不透過性物質に渦電流を導入するのは容易である。伝熱に起因して、開始剤は十分に加熱され、熱分解が誘導される。
本発明の主題は、ペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合して得られうる硬化性骨セメント、本発明に係る組成物を重合して得られうる硬化骨セメントまたはペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合かつ重合して得られうる硬化骨セメントであり、骨セメントは、全組成物に対して0.01%以上〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%の含有量の過酸化水素化合物を含む。考えられる重合開始剤は、特に、過酸化物およびバルビツール酸誘導体であり、好ましくは少なくとも1g/L、より好ましくは少なくとも3g/L、さらにより好ましくは少なくとも5g/L、および特に好ましくは少なくとも10g/Lの過酸化物およびバルビツール酸誘導体は25℃で、重合性モノマーに溶解しうる。
別の本発明の主題は硬化骨セメントであり、硬化骨セメント、a)過酸化水素化合物は、上で定義されたとおり、好ましくは過酸化水素付加体、過酸化水素錯体、過酸化水素共結晶または湿気、水、水性条件または水溶液の存在下で、酸化効果を有する化合物として過酸化水素を放出する過酸化水素塩、および/またはb)酵素で触媒された過酸化水素を放出する過酸化水素化合物であり、過酸化水素はa)およびb)で遅延放出により放出される。
別の本発明の主題は、本発明に係る組成物の重合、またはペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合し、そして重合を行って得られうる形体である。これに関して、硬化形体中の過酸化水素化合物は水、水分または水溶液条件(体液など)に接するだけで過酸化水素を放出することも好ましい。特に好ましくは、硬化形体は、0.01〜5重量%の硬化ポリメチルメタクリレート骨セメント中に好ましくは、少なくとも1つの過酸化水素付加体または過酸化水素塩など全硬化形体に関する過酸化水素化合物を含む。
別の本発明の主題は、主な関節全内部人工器官の機械的固定用、再置換した関節全内部人工器官の機械的固定用、骨粗しょう症の骨組の増強用、そして、特に好ましくは、椎体形成術用、椎骨形成術用、および骨粗しょう症の骨組織の穿孔の増強用、骨空洞の充填用、大腿骨形成術、スペーサ製造用、内部人工器官関節の機械的固定用、頭蓋骨欠陥被膜用または局所的抗生物質治療用の担体材料の製造または極性製薬活性物質の局所的放出用の担体材料として、インプラント、腐性インプラント、再置換インプラントを製造用の本発明に係る組成物または本発明に係るキットの使用である。
重合開始剤として考え得るものは、特に、過酸化物およびバルビツール酸誘導体であり、好ましくは少なくとも1g/L、より好ましくは少なくとも3g/L、さらにより好ましくは少なくとも5g/L、および特に好ましくは少なくとも10g/L、より好ましくは少なくとも5g/L、および特に好ましくは少なくとも10g/Lの過酸化物およびバルビツール酸誘導体は。25℃で重合性モノマーに溶解し得る。重合開始剤はラジカル反応を通して分解し、通常、水素ラジカルの形成および酸素を切断する。開始剤は、水の存在下で過酸化水素を形成しない。クメンヒドロペルオキシドは水の存在下で配列し直し、ケトンおよびフェノールを形成し得る。H−O−O*、R−O−O*、R=有機残渣のようなラジカルは過酸化水素であると考えない。
本発明に係る過酸化物は、少なくとも1つのペルオキソ基(−O−O−)を含有する化合物を意味すると理解される。過酸化物は、好ましくは遊離酸基を含まない。過酸化物は、無機過酸化物または有機過酸化物(例えば、毒性学的に許容し得るヒドロペルオキシドなど)で有り得る。特に好ましい実施形態において、過酸化物はクメンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、およびこれらの物質の少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
バルビツール酸誘導体は、好ましくは1−一置換バルビツール酸、5−一置換バルビツール酸、1,5−二置換バルビツール酸、および1,3,5−三置換バルビツール酸からなる群から選択されるバルビツール酸誘導体である。本発明に係る特に詳細なペーストにおいて、バルビツール酸誘導体は、1,5−二置換バルビツール酸および1,3,5−三置換バルビツール酸からなる群から選択される。
バルビツール酸の置換基の種類に関して限定されない。置換基は、例えば脂肪族または芳香族置換基でありうる。この文脈において、アルキル、シクロアルキル、アリルまたはアリール置換基は好ましい。置換基はヘテロ原子も包含しうる。特に、置換基はチオール置換基でありうる。したがって、1,5−二置換チオバルビツール酸または1,3,5−三置換チオバルビツール酸は好ましい。好ましい実施形態において、各置換基は1〜10個の炭素原子の長さ、より好ましくは1〜8個の炭素原子の長さ、および特に好ましくは2〜7個の炭素原子の長さを有する。本発明に係るバルビツール酸は、1位または5位のそれぞれに1つの置換基を有し、または1、3、5位に1つの置換基を有するのが好ましい。別の好ましい実施形態において、バルビツール酸誘導体は、1,5−二置換バルビツール酸または1,3,5−三置換バルビツール酸である。特に好ましい実施形態において、バルビツール酸誘導体は、1−シクロヘキシル−5−エチル−バルビツール酸、1−フェニル−5−エチル−バルビツール酸、および1,3,5−トリメチル−バルビツール酸からなる群から選択される。
重金属塩および重金属錯体からなる群から選択される重金属化合物は、重合加速剤として好ましい。本発明において好ましい重金属化合物は水酸化銅(II)、メタクリレート銅(II)、アセチルアセトナト銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、水酸化コバルト(II)、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ベーシック炭酸銅(II)、2−エチルヘキサン酸鉄(II)、2−エチルヘキサン酸鉄(III)、およびこれらの物質の少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
本発明に係る組成物またはペーストの別の詳細において、重合加速剤は、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビスヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化リチウム、サッカリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノン−5−エン、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド、ピロメリット酸ジイミド、およびこれらの物質の少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
本発明の別の有利な詳細において、重合加速剤として、重金属塩およびN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビスヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化リチウム、サッカリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノン−5−エン、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド、およびピロメリット酸ジイミドを含む群からなる少なくとも1つとの組み合わせの使用を含む。この文脈において、2つまたは3つの重合加速剤は、本発明の範囲に開示される。
本発明の有利な詳細は、本発明に係る組成物または少なくとも1つの重合共加速剤を含有するペーストA、BまたはDのいずれかからなり、適用できる場合、第三級アミンおよびアミジンは重合共加速剤として好ましく、そしてN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビスヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデク−7−エン、および1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノン−5−エンが共加速剤として特に好ましい。
本発明に係る組成物は、特にペースト形態で、本発明に係る組成物の総重量に対して、またはそれぞれ互いに独立して、ペーストA、BまたはDのいずれかの総重量に対して最大10重量%の量の重合開始剤、重合加速剤、共重合加速剤または重合開始剤、重合加速剤、および共重合加速剤を含有しうる。
本発明に係る組成物は、特にペースト形態で、または粉末成分Cと同様にペーストA、BもしくはDの形態で上述した成分とは別のさらなる成分を含有しうる。
本発明に係る組成物の好ましい実施形態、またはペーストA、BまたはDおよび粉末成分Cのいずれかの好ましい実施形態において、これらは、それぞれ互いに独立して、少なくとも1つの放射線不透過性物質を含みうる。放射線不透過性物質は、この分野で一般的な放射線不透過性物質でありうる。好適な放射線不透過性物質はラジカル重合用のモノマーに溶性または不溶性でありうる。放射線不透過性物質は、好ましくは金属酸化物(例えば、酸化ジルコニウムなど)、硫酸バリウム、毒性学的に許容し得る重金属粒子(適用できる場合、例えば、タンタルなど)、フェライト、磁鉄鉱(超磁気磁鉄鉱も)、および生体適合性カルシウム塩)、からなる群から選択される。上記放射線不透過性物質は、好ましくは、10nm〜500μmの範囲の粒径を有する。さらに、考えられる放射線不透過性物質は、3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨード安息香酸エステル、ガドリニウム化合物(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTA)のエステルを含むガドリニウムキレート)も包含する。本発明に係る組成物またはペーストA、BまたはDおよび粉末成分Cのいずれかの放射線不透過性物質の濃度、特に二酸化ジルコニウムの濃度は、それぞれ互いに独立して、対応する全組成物に対して例えば、3〜30重量%の範囲でありうる。放射線不透過性物質は、本明細書において充填剤とは考えられない。
さらに好ましい実施形態において、本発明に係る組成物または詳しく上述したいずれかのペーストは、少なくとも1つの着色料を含有しうる。着色料は、この分野において一般的な着色料で有り得、好ましくは食品の着色料でありうる。さらに、着色料は少なくとも1つのラジカル重合用モノマーに溶解性または不溶性でありうる。特に好ましい実施形態において、着色料はE101、E104、E132、E141(クロロフィリン)、E142、リボフラビン、およびリサミングリーンからなる群から選択される。本発明に係る用語「着色料」は、色ワニス(例えば、色ワニスグリーン、E104およびE132の混合物のアルミニウム塩など)も包含するだろう。
さらに好ましい実施形態において、本発明に係る組成物は、少なくとも1つの生体適合性エラストマーを含有しうる。好ましくは、生体適合性エラストマーは、微粒子である。好ましくは、生体適合性エラストマーは、少なくとも1つのラジカル重合用モノマーに可溶性である。生体適合性エラストマーとしてブタジエンの使用は特に適切なものとして証明されている。
さらに好ましい実施形態において、本発明に係る組成物は、吸着基を有する少なくとも1つのモノマーを含有しうる。吸着基は、例えば、アミド基でありうる。したがって、吸着基を有するモノマーは、例えば、メタクリル酸アミドでありうる。吸着基を有する少なくとも1つのモノマーを用いることは、関節内部人工器官に骨セメントを結合し、目的の態様で影響することを可能とするだろう。
さらに好ましい実施形態において、本発明に係る組成物またはペーストA、BまたはDのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの安定剤含有しうる。安定剤は、ペーストに含有されるラジカル重合用のモノマーの自然の重合を妨げるのに好適であるべきである。さらに、安定剤は、本発明に係るペーストに含有される他の成分との干渉相互作用を起こすべきでない。当該種の安定剤は先行技術において公知である。好ましい実施形態において、安定剤は2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび/または2,6−ジ−tert−ブチルフェノールである。
本発明に係るキットは、少なくとも2つの成分からなる系であると理解されるものとする。以下において2つの成分(すなわちペーストAおよびペーストB)の対照が生成されるが、当該キットは、必要に応じて、2超の成分(例えば3、4、5または5超の成分)を適当に含有しうる。個々の成分は、好ましくは、1つのキットの構成要素の成分は別のキットの構成要素の成分と接触しないように包装して互いに分離して提供される。したがって、例えば個々のキットの構成成分を包装して互いに分離させ、そして保存容器内にそれらを一緒に貯蔵できる。
好ましくは、キットは、第1容器および第2容器を含む適切な方法で骨セメント用組成物を製造する装置として設計され、第1容器はペーストAを含み、第2容器はペーストBを含み、少なくとも1つの容器は、開封され、ペーストAおよびペーストBを開封後に混合し、そしてペーストAおよびペーストBの混合用単位を混合する。したがって、本発明に係る組成物の製造用装置としてのキットは粉末成分Cおよびモノマー成分D用の第1容器を含みうる。
キットを言及するにおいて、この目的のために、少なくとも2つのペーストAおよびBを、本発明に係る組成物が得られるように互いに混合される。それらの混合比は、好ましくは、0.5〜1.5重量部のペーストAおよび0.5〜1.5重量部ペーストBである。特に好ましい実施形態において、ペーストAおよびBのそれぞれの総重量に対して、それぞれ、ペーストAの分画は30〜70重量%であり、そしてペーストBの分画は30〜70重量%である。粉末成分Cおよびモノマー成分Dの混合比は、好ましくは、重量において、3:1〜1:3、特に2:2である。プロセスの混合は共通の混合装置(例えば、スタティックミキサーまたはダイナミックミキサー)と関与し得る。
キットのペーストを混合した後、最終的に得られる組成物は、1〜2分後にISO5833標準に従って不粘着性である。
本発明に係る防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントは、セメントとして主に関節全内部人工器官の機械的固定用、再置換した関節全内部人工器官の機械的固定用、およびスペーサ製造用に用いられうる。
本発明は、以下にある実施例を通してより詳細に説明されるが、本発明の範囲を限定しない。
以下の実施例は、Palacos(登録商標)Rセメント粉末(バッチナンバーB7457)、PMMAセメント粉末を用いて行われた。尿素−過酸化物付加体および過酸化カルシウムは、シグマ・アルドリッチ製だった。
いずれの場合も、10.0gのPalacos(登録商標)Rセメント粉末および微粉末尿素−過酸化物付加物または過酸化カルシウムを図り、ねじぶたを有する100mLのプラスチック容器に入れ、トルブラミキサー(Turbula mixer)中、30分間混合した。実施例1〜9の組成物を以下の2つの表に示す。
その後、当該混合物を、それぞれ、モノマー液体である5mLのPalacosモノマー液体と混合した。不粘着性セメント生地を60秒以内に形成した。その後、前記セメント生地を円筒形のプラスチック鋳型ペーストした。円筒形の試験体(高さ12mm、直径6mm)を硬化プロセスが完了したのちに除いた。
Figure 0006253694
Figure 0006253694
参照(実施例10)のため、純粋なPalacos(パラコス)(登録商標)R粉末を5mLのモノマー液体と混合し、そして円筒形試験体(高さ12mm、直径6mm)を、この場合も同様に製造した。
当該試験体をQualityLabs BTgmbH Nuremberg(測定報告20120807−RB01−10)によりそれらの抗菌活性について試験した。MRSA試験株黄色ブドウ球菌DSM 21979/EDCC 5247を当該試験において試験病原体として用いた。抗菌の有効性の試験を、2008年8月5日からのStaphylococcusepidermidis(スタフィロコッカス・エピデルミデス、表皮ブドウ球菌)用のSOP、SOP3.2に従って、MRSA試験株、黄色ブドウ球菌を用いて実施した。Certika増殖試験を実施した。当該試験体をこの目的のために菌液中にまずインキュベーションした。その後、試験体を洗浄し、次いで新鮮な栄養分媒体中、37℃で18時間インキュベーションした。その後、200μLの一定分量(アリコート)を採取し、マイクロタイタープレートに移した。その後、光学密度を48時間の間30分毎に測定した。光学密度は、微生物増殖がある場合、時間の関数として増加した。当該目的は、試験表面上の細菌の増殖を見出すことであった。
実施例1〜9の試験体のアリコートは、以下の表に示すように、全ての試験病原体で48時間超成長を示さなかった。当該細菌は37℃で48時間以上周囲媒質において増殖し得ず、妹細胞を製造しなかった。このことは、試験体は目立った抗菌性効果を有することを意味する。
対照的に、実施例10の対照試験体の溶出は試験病原体の成長を妨げなかった。
Figure 0006253694

Claims (20)

  1. 組成物が硬化性であり、かつ、湿気、水、水性条件または水溶液の存在下で、酸化効果を有する化合物として過酸化水素を放出する少なくとも1つの過酸化水素塩を含み、
    第一級アルカリクエン酸、第二級アルカリクエン酸の群ならびに/またはカルボン酸(1〜20の炭素原子を有する)、フルーツ酸、α−ヒドロキシ酸、脂肪酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、および乳酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩ならびに/または亜鉛塩の群から選択される、少なくとも1つの緩衝液物質または緩衝液物質の混合物を含み、
    過酸化水素が、硬化性の前記組成物から、体液との接触下で放出される
    防腐性骨セメント用組成物。
  2. 前記過酸化水素塩が、過酸化カルシウム、過酸化カルシウム八水和物、および/または過酸化ナトリウムである、請求項1に記載の組成物。
  3. 全組成物が0.01〜10重量%の過酸化水素塩を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記過酸化水素化合物が、
    i)緩衝液物質を含有している付加体として、
    ii)前記緩衝液物質を伴う共結晶中に,
    iii)少なくとも1つの緩衝液物質を伴う形態中に、または
    iv)少なくとも1つの緩衝液物質を包含している混合物中に、
    存在している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 防腐性ポリメチルメタクリレート骨セメントである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、少なくとも1つのラジカル重合用モノマーおよび少なくとも1つの有機ポリマーを含み、前記有機ポリマーが前記ラジカル重合用モノマーに溶解する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記有機ポリマーは、ポリ(アルキル−2−アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アリール−2−アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アリールアルキル−2−アクリル酸アルキルエステル)、または前記ポリマーを少なくとも2つ含む混合物から選択され、それぞれ独立にアルキル基に1〜20個の炭素原子を有し、それぞれ独立にアリール基に6〜14個の炭素原子を有し、それぞれ独立にアリールアルキル基に6〜14個の炭素原子を有し、およびそれぞれ独立にアルキルエステル基に1〜10個の炭素原子を有する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記有機ポリマーが、ポリ(メタクリル酸メチルエステル)、ポリ(メタクリル酸エチルエステル)、ポリ(メチルメタクリル酸プロピルエステル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピルエステル)、ポリ(メチルメタクリレート−co−メチルアクリレート)、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート)、前記化合物のコポリマー、および前記ポリマーの少なくとも2つを含む混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記モノマーが、少なくとも1つのアルキル−2−アクリル酸アルキルエステル、アリール−2−アクリル酸アルキルエステル、アリールアルキル−2−アクリル酸アルキルエステルまたは前記モノマーを少なくとも2つ含む混合物から選択され、それぞれ独立にアルキル基に1〜20個の炭素原子を有し、それぞれ独立にアリール基に6〜14個の炭素原子を有し、それぞれ独立にアリールアルキル基に6〜14個の炭素原子を有し、およびそれぞれ独立にアルキルエステル基に1〜10個の炭素原子を有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記有機ポリマーが、少なくとも1つのポリ(メタクリル酸メチルエステル)(PMMA)、およびモノマーとしてメタクリル酸メチルエステル(MMA)を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、少なくとも1つの微粒子無機添加剤を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記微粒子無機添加剤は、少なくとも40m/gのBET表面を有する、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記微粒子無機添加剤は、共有結合されたヒドロキシル基を含む、請求項11または12に記載の組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物を調製するためのキットであって、ペーストAおよびペーストBを含み、
    (a)ペーストAが、
    (a1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
    (a2)(a1)に溶解する少なくとも1つの有機ポリマー、および
    (a3)少なくとも1つの重合開始剤、
    を含有し、
    (b)ペーストBが、
    (b1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
    (b2)(b1)に溶解する少なくとも1つの有機ポリマー、および
    (b3)少なくとも1つの重合加速剤、
    を含有し、
    ここで、ペーストAおよび/またはペーストBのうちの少なくとも1つが、成分(a4)および/または(b4)として少なくとも1つの過酸化水素塩の成分を含む、キット。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物を調製するためのキットであって、粉末成分Cおよびモノマー成分Dを含み、
    (c)粉末成分Cが、
    (c1)少なくとも1つの粉末形状のポリアクリレート、
    (c2)少なくとも1つの粉末形状の放射線不透過性物質、および
    (c3)少なくとも1つの重合開始剤、
    を含有し、
    (d)モノマー成分Dが、
    (d1)少なくとも1つのラジカル重合用モノマー、
    (d2)任意に、(d1)に溶解する少なくとも1つの有機ポリマー、および
    (d3)少なくとも1つの重合加速剤、
    を含有し、
    ここで、少なくとも粉末成分Cおよび/またはモノマー成分Dが、成分(c4)および/または(d4)として少なくとも1つの過酸化水素塩の成分を含む、キット。
  16. 前記ペーストAおよび/またはペーストBのうちの少なくとも1つが、成分(a4)および/または(b5)として、または少なくとも粉末成分Cおよび/またはモノマー成分Dが成分(c5)および/または(d5)として、少なくとも1つの緩衝液物質または緩衝液物質の混合物の成分を含む、請求項14または15に記載のキット。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載のペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合して得られ得る硬化性骨セメント。
  18. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物を重合して、または請求項14〜16のいずれか1項に記載のペーストAおよびBまたは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合かつ重合して得られ、前記硬化骨セメントが全組成物に対して、0.01〜5重量%以上の過酸化水素化合物を含みうる硬化骨セメント。
  19. 前記過酸化水素化合物が、a)湿気、水、水性条件または水溶液の存在下で、酸化効果を有する化合物として過酸化水素を放出する過酸化水素付加体、過酸化水素錯体、過酸化水素共結晶または過酸化水素塩、および/またはb)酵素により触媒されて過酸化水素を放出するもの、であり、前記過酸化水素がa)ならびにb)において遅延放出により放出される、請求項18に記載の硬化骨セメント
  20. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物を重合することにより、または請求項14〜16のいずれか1項に記載のペーストAおよびBもしくは粉末成分Cおよびモノマー成分Dを混合することによりおよび重合することにより得られうる形体。
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