JP6252727B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理システム及び移動装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理システム及び移動装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理システム及び移動装置に関する。
従来、車両、船舶、航空機、または産業用ロボット等(以降、車両等という)の移動において、移動の障害となる立体物を検知する技術の開発が進められている。特に、車両等が走行する道路を認識し、道路上に立体物が存在するか否かを判断する技術が知られている。
特許文献1には三次元的な位置情報を利用し、実際の道路上の白線だけを分離して道路形状を認識する技術が記載されている。特許文献1に記載の技術においては、2台のCCDカメラを有するステレオ画像処理装置が撮影した画像を処理することによって、画像を表す二次元の情報と、撮像物までの距離データと、を含む三次元の情報を取得する。そして、三次元の情報が表す空間では白線は道路の平面上にあり、一方、先行車などの立体物は道路の平面より高い位置にあるとしている。このようにして、ステレオ画像処理装置は取得された三次元の情報により白線からの高さによって道路か立体物であるかを区別している。
また、一般的に車両等に搭載されている撮像装置によって撮像される撮像画像においては、撮像画像の左右それぞれに建物、ガードレール、壁等(以降、建物等という)が撮像される。特許文献2に記載の技術では、複数の撮像画像から算出された視差に基づいて建物等の壁に相当する部分を検出することによって、走行領域を検出している。ここで走行領域とは、左右に撮像されている建物等の間にある領域をいう。
しかしながら、路面が進行方向に対して右にカーブしている場合、図24に示されるように撮像装置から離れるほど車両等が走行できる走行領域は右にあることが想定される。
走行領域が右にあることが想定されるにもかかわらず、画像内の全ての領域から走行領域を検出しようとすると、たとえばノイズ等のために、図24のCで示されるような画像内の左上端部の近傍で走行領域が検出されてしまうことがある。同様に、路面が進行方向に対して左にカーブしている場合、撮像装置から離れるほど走行領域は左にあることが想定される。それにもかかわらず、画像内の全ての領域で白線を検出しようとすると、画像内の右上端部の近傍の領域で走行領域が検出されてしまうことがある。
このように、画像内の全ての領域について走行領域であるか否かを判定すると誤判定が発生し、画像内に撮像されている走行領域を高い精度で検出することができないという課題が発生している。
上述した課題を解決するため請求項1に係る発明は、複数の境界が撮像された複数の画像を処理する画像処理装置であって、前記画像に撮像されている境界領域を検出する境界領域検出手段と、複数の前記画像を構成する小領域の視差を算出する視差算出手段と、前記視差算出手段によって算出された前記視差について、前記画像の水平方向の位置ごとに前記小領域の視差の度数を算出する度数算出手段と、前記境界領域検出手段によって検出された2つの境界領域の間にある所定の小領域である境界間小領域を算出する境界間小領域算出手段と、前記境界間小領域から前記画像内における水平方向の端部の小領域に向かって、前記度数に基づいて走行領域を検出する走行領域検出手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である
本発明によれば、視差算出手段によって算出された視差について、画像の水平方向の位置ごとに小領域の視差の度数を算出する度数算出手段と、境界領域検出手段によって検出された2つの境界領域の間にある所定の小領域である境界間小領域を算出する境界間小領域算出手段と、前記境界間小領域から前記画像内における水平方向の端部の小領域に向かって順に、前記度数に基づいて走行領域を検出する走行領域検出手段と、を有するため、画像内における走行領域を高い精度で判定することができるという効果を奏する。

画像処理システム1を搭載した車両等の一例を表す概略図である。 画像処理システム1のハードウェア構成図である。 画像処理システム1の機能構成図である。 撮像部が撮像した撮像画像の一例である。 視差dxyについて説明するための図である。 基準画像Iaの一部Aを拡大した図、一部Aの小領域ごとの輝度を表した図、および一部Aの小領域ごとの輝度差を表した図である。 白線エッジの位置を表すy座標とその位置における視差dの対応関係を表す図である。 基準画像Iaから度数Cを算出するために用いる図である。 基準画像Iaにおける度数Cの分布を表す度数分布図である。 画像処理システム1の処理の概要を表すフロー図である。 信号変換部52の処理を表すフロー図である。 エッジ候補検出部55の第一の処理を表すフロー図である。 エッジ候補検出部55の第二の処理の概要を説明するためのフロー図である。 エッジ候補検出部55の第二の処理の詳細を表すフロー図である。 基準画像Iaの一部Aを拡大した図である。 カーブ方向判定部58の処理を表すフロー図である。 直線交点検出部581の処理を表すフロー図である。 消失点検出部582の処理を表すフロー図である。 白線視差決定部56の処理を表すフロー図である。 走行領域検出部57の処理を表すフロー図である。 度数判定部572の処理を表すフロー図である。 画像処理システム1の機能構成図の他の例である。 基準画像Iaの一部Aの小領域ごとの輝度差を表した図、および一部Aの小領域ごとの視差を表した図である。 撮像部が撮像した撮像画像の一例である。
本発明の実施形態について図1乃至図24を用いて説明する。
〔画像処理システム1のハードウェア構成〕
まず、本発明の実施形態における画像処理システム1のハードウェア構成について説明する。図1は本実施形態に係る画像処理システム1を搭載した自動車を表す概念図である。図1(1)は画像処理システム1が設けられている車両等の一例である自動車の側面の概観図である。図1(2)は図1(1)に表されている自動車の前面の概観図である。図2は、画像処理システム1のハードウェア構成図である。
図1(1)及び(2)に示されるように、画像処理システム1は撮像装置10a及び撮像装置10bを備えており、撮像装置10a及び撮像装置10bは自動車の進行方向前方の光景を撮像するように設置されている。図2に示されるように、画像処理システム1は撮像装置10a、撮像装置10b、信号変換装置20a、信号変換装置20b、及び画像処理装置30を有している。撮像装置10aは前方の光景を撮像して撮像画像を表すアナログ信号を生成するものであり、撮像レンズ11a、絞り12a、画像センサ13aを有している。
撮像レンズ11aは、撮像レンズ11aを通過する光を屈折させて被写体Sの像を結像させるための光学素子である。絞り12aは、撮像レンズ11aを通過した光の一部を遮ることによって、後述する画像センサ13aに入力される光の量を調整する。画像センサ13aは、撮像レンズ11a及び絞り12aから入力された光を電気的なアナログの画像信号に変換する半導体の素子であり、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)によって実現される。
また、撮像装置10bは撮像装置10aと同じ構成を有している。そのため撮像装置10bについての説明は省略する。また、撮像レンズ11aに係る撮像面と撮像レンズ11bに係る撮像面が同一平面内となるように、撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bは設置されている。
信号変換装置20aは、撮像画像を表すアナログ信号をデジタル形式の撮像画像データに変換するものであり、CDS(Correlated Double Sampling)21a、AGC(Auto Gain Control)22a、ADC(Analog Degital Converter)23a、及びフレームメモリ24aを有している。
CDS21aは、画像センサ13aによって変換されたアナログの画像信号から相関二重サンプリングによってノイズを除去する。AGC22aは、CDS21aによってノイズが除去されたアナログの画像信号の強度を制御する利得制御を行う。ADC23aは、AGC22aによって利得制御されたアナログの画像信号をデジタル形式の撮像画像データに変換する。フレームメモリ24aは、ADC23aによって変換された撮像画像データを記憶する。
信号変換装置20bは撮像装置10bによって変換されたアナログの画像信号から撮像画像データを取得するものであり、CDS21b、AGC22b、ADC23b、及びフレームメモリ24bを有している。CDS21b、AGC22b、ADC23b、及びフレームメモリ24bはそれぞれCDS21a、AGC22a、ADC23a、及びフレームメモリ24aと同じ構成であるため、それらについての説明は省略する。
画像処理装置30は、信号変換装置20a及び信号変換装置20bによって変換された撮像画像データを処理するためのものであり、FPGA(Field Programmable Gate Array)31、CPU(Central Processing Unit)32、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34を有している。FPGA31は、撮像画像データが表す撮像画像における視差dを算出する処理を行う。CPU32は、画像処理装置30の各機能を制御する。ROM33は、CPU32が画像処理装置30の各機能を制御するために実行する画像処理プログラムを記憶している。RAM34はCPU32のワークエリアとして使用される。
上記画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させてもよい。
〔画像処理システム1の機能構成〕
次に、本実施形態の画像処理システム1の機能構成について説明する。図3は、画像処理システム1の機能構成図である。画像処理システム1は、撮像部51、信号変換部52、視差算出部53、距離算出部54、エッジ候補検出部55、白線視差決定部56、走行領域検出部57及びカーブ方向判定部58を有している。
図4は撮像部51が撮像した撮像画像の一例である。撮像部51は図4(1)に示されるような自動車の進行方向前方の光景を撮像画像として生成するものであり、撮像装置10a及び撮像装置10bによって実現される。信号変換部52は撮像部51によって生成された撮像画像を表すアナログ信号をデジタル形式の撮像画像データに変換するものであり、信号変換装置20a及び信号変換装置20bによって実現される。
視差算出部53、距離算出部54、エッジ候補検出部55、白線視差決定部56、走行領域検出部57及びカーブ方向判定部58はROM33に記憶されているプログラムに従ったCPU32によって実現される。
なお、本実施形態の説明においては撮像画像に撮像されている被写体Sの、撮像画像内における位置を表すために、図4(2)に示されるような座標を用いる。図4に示される座標の1単位は一の画素から構成されてもよいし、隣接する二以上の画素群から構成されてもよい。図4(2)に座標(x,y)で示される黒色で塗布された部分は、一または隣接する二以上の画素群から構成される一の小領域Pxyという。以降における各機能部の構成及び動作の説明においては、各機能部は各小領域Pxyに対して処理を行うものとする。また、撮像画像において図4(2)に示されるy座標は、路面に垂直な方向についての画像内の位置を表す情報である。
<<視差算出部>>
視差算出部53は撮像画像の各小領域Pxyに撮像されている被写体Sの視差dxyを算出する。ここで図5を用いて視差dxyについて説明する。図5は、視差dxyについて説明するための図である。以降の説明では図5で示される撮像装置10a、撮像装置10bによって撮像された撮像画像をそれぞれ基準画像Ia、比較画像Ibという。また、撮像画像における各小領域Pxyの位置は図4(2)に示されるように座標(x,y)(x=1〜1280、y=1〜960)で表されるとする。なお、基準画像Iaにおいて図4(2)に示されるx軸方向を画像の水平方向、y軸方向を画像の鉛直方向という。また、基準画像Iaにおいてx座標が大きくなる方向を右方向、x座標が小さくなる方向を左方向という。また、基準画像Iaにおいてy座標が大きくなる方向を上方向、y座標が小さくなる方向を下方向という。
図5で、被写体Sの結像位置Saにおける撮像レンズ11aの結像中心からの距離をΔaとし、被写体Sの結像位置Sbにおける撮像レンズ11bの結像中心からの距離をΔbとした場合、視差dxyはdxy=Δa+Δbである。すなわち、視差dxyとは基準画像Iaにおいて図5に示されるように被写体Sが撮像されている位置の座標(x,y)と、比較画像Ibにおいて被写体Sが撮像されている位置の座標(x’,y)におけるx座標の差(x’−x)である。
視差算出部53は、基準画像Iaにおける所定の小領域群に含まれる小領域Pxyの各座標(x,y)について視差dxyを算出する。なお、座標(x,y)と視差dxyを関連付けた情報を視差画像データという。なお、所定の小領域群とは、基準画像Ia、比較画像Ibの両方の画像に撮像されている被写体Sに係る小領域Pxy以外の小領域Pxyの集合である。たとえば基準画像Iaの左端近傍に撮像されている被写体Sのうち、比較画像Ibの撮像範囲を超えているため比較画像Ibには撮像されていない被写体Sがある。このような被写体Sに係る小領域Pxyについては座標x’を認識することができないため視差dxyを算出できない。このような小領域Pxyは所定の小領域群に含まれないものとする。
<<距離算出部>>
距離算出部54は、視差算出部53によって算出された視差dxyを用いて、距離Zを算出する。距離Zとは撮像レンズ11aの中心と撮像レンズ11bの中心を含み、撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bの撮像面に平行な面から被写体Sまでの距離である。具体的には、図5に示されるように撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bの焦点距離f、撮像レンズ11aの中心と撮像レンズ11bの中心との間の長さである基線長B、及び視差dを用いて、距離算出部54が距離Z=(B×f)/dと算出する。なお、基線長B、焦点距離fは一例としてそれぞれ5〜30(cm)、4〜15(mm)とすればよい。
ここで、距離Zと視差dの関係について更に説明する。Z=(B×f)/dの計算式より、視差dが大きいほど距離Zは小さく、視差dが小さいほど距離Zは大きい。たとえば、図4(2)での座標(k、l)における視差dklは座標(j,l)における視差djlより大きい値であるとすれば、座標(k,l)における距離Zklは座標(j,l)における距離Zjlより小さい値となる。
すなわち、座標(k,l)にある被写体(図4(2)においては自動車)は、座標(j,l)にある被写体(図4(2)においては白線)より近くにあると判定される。このようにして、各小領域Pxyにおける視差dxyを、白線が撮像されている画像内の小領域(白線領域Pという。)における視差dと比較することによって、各小領域Pxyが路面を表すものか否かを判定することが可能となる。
<<エッジ候補検出部>>
エッジ候補検出部55は、基準画像Iaに撮像されている路面上の白線のエッジ(以降、白線エッジという)を表す小領域Pxyの候補(以降、白線エッジ候補領域Pという)を検出する。ここで、白線とは、一般の路面において描かれている白線を表す画像の部分である。すなわち、本実施形態における白線とは、一次元の線ではなくx軸方向に幅をもった帯状の部分をいう。
図6を用いてエッジ候補検出部55の機能について説明する。図6は基準画像Iaの一部を拡大した図である。図6(1)は図4(1)の一部である部分Aを拡大して表しているものであり、白色で表される部分は基準画像Iaにおける白線の一部を表し、斜線で表される部分は基準画像Iaにおける白線以外の路面の一部を表している。
図6(2)は図6(1)に表される撮像画像の各小領域Pxyを構成する画素の輝度Lを表す図である。図6(2)に示されるように白線の一部を形成する小領域Pxyの画素の輝度は、白線以外の路面の一部を形成する小領域Pxyの画素の輝度より高くなっている。図6(3)は図6(2)で表されている各小領域Pxyを構成する画素の輝度差ΔLを表す図である。なお、本実施形態において輝度Lは0から255の値をとるものとして説明する。
エッジ候補検出部55は図6(2)に示されるような基準画像Iaを構成する各小領域Pxyについてx軸方向に隣接する二つの小領域Pxyの輝度Lの差(以降、輝度差ΔLという)を算出する。具体的には、エッジ候補検出部55は座標(x,y)にある小領域Pxyの輝度L(x,y)から座標(x+1,y)にある小領域Pxyの輝度L(x+1,y)を減算した輝度差ΔL(x,y)=L(x,y)−L(x+1,y)を算出する。
このようにして算出された輝度差ΔL(x,y)が図6(3)に示されており、白線のエッジ部分を表す小領域P(図6(3)におけるPで示される小領域)における輝度差ΔL(x,y)はその他の部分に比べ大きくなる。
エッジ候補検出部55は算出された輝度差ΔL(x,y)が所定の閾値、たとえば120以上であるか否かを判定する。そして、エッジ候補検出部55は輝度差ΔL(x,y)が120以上と判定した場合には、その座標(x,y)における小領域Pxyを白線エッジ候補領域Pとして検出する。
なお、小領域Pxyが2以上の画素からなる場合、エッジ候補検出部55は、小領域Pxyの輝度Lとはその小領域Pxyを構成する画素群の輝度Lの平均値とすればよい。また、エッジ候補検出部55は、各画素について隣接する画素との輝度差ΔLを算出し輝度差ΔLが120以上であると判定された画素を含む小領域Pxyを白線エッジ候補領域Pとして検出してもよい。
なお、エッジ候補検出部55は、基準画像Iaのy座標一定の小領域Pxy群において、中央の小領域Pxy(図4(2)においてx=640に位置する小領域)から左端の小領域Pxyに向けて順に上記の算出及び判定を行う。また、エッジ候補検出部55は左側の白線エッジ候補領域Pelが検出された時点で該y座標に係る小領域Pxy群についての算出及び判定の処理を終了する。したがって、図6(3)に示される図において、輝度差ΔL(x,y)が120以上である小領域Pxyより左側に位置する小領域Pxyについての輝度差ΔL(x,y)は算出されない。
同様に、エッジ候補検出部55は、基準画像Iaのy座標一定の小領域Pxy群における中央の小領域Pxy(図4(2)においてx=640に位置する小領域)から右端の小領域Pxyに向けて順に上記の算出及び判定を行う。また、エッジ候補検出部55は右側の白線エッジ候補領域Perを検出する。
<<白線視差決定部>>
白線視差決定部56はエッジ候補検出部55によって決定された白線エッジ候補領域Pに基づいて、白線領域Pの視差である白線視差dを決定する。図3に示されるように白線視差決定部56は回帰直線算出部561及び決定部562を有する。
<回帰直線算出部>
回帰直線算出部561はエッジ候補検出部55によって検出された白線エッジ候補領域Pのy座標と視差dの回帰直線を算出する。ここで、回帰直線算出部561の機能について図7を用いて説明する。図7は白線エッジ候補領域Pの位置を表すy座標とその位置における視差dの対応関係を表す図である。図7においては縦軸にy座標、横軸に視差dが示され、白線エッジ候補領域P群の各y座標と、対応する視差dが点で表されている。これらの点に対して、回帰直線算出部561は公知の回帰直線算出方法であるHough変換によって回帰直線Reg−Lineを算出する。
<決定部>
決定部562は回帰直線Reg−Line上にある視差dを白線領域Pにおける視差である白線視差dとして決定する。
<<走行領域検出部>>
走行領域検出部57は、基準画像Iaを形成する小領域Pxyから走行領域を検出する。基準画像Iaに建物、ガードレール、壁等(以降、建物等という)が撮像されている小領域を物体領域Pとしたとき、走行領域とは左側の物体領域Pblと右側の物体領域Pbrの間にある小領域群である。走行領域検出部57は、度数算出部571、度数判定部572、検出部573を有している。
<度数算出部>
度数算出部571は、視差算出部53が算出した視差dxyの度数Cを算出する。度数Cとは、基準画像Iaにおいて座標xで表される小領域Pxyのうち視差dxyが所定の値である小領域Pxyの数である。
ここで、度数算出部571が度数Cを算出する機能について図8及び図9を用いて具体例によって説明する。図8は基準画像Iaから度数Cを算出するために用いる図であり、図9は基準画像Iaにおける度数Cの分布を表す度数分布図である。図8(1)は図4(1)に示される基準画像Iaについて各小領域Pxyの位置を表す座標を示している。この具体例においては、説明を容易にするために小領域Pxyを図4(2)に示される例より大きく設定しているが、この小領域Pxyの大きさは適宜設定すればよい。
図8(2)は図8(1)に示される基準画像Iaの一部の小領域Pxyについてその視差dxyを表した図である。例えば図8(1)に示される座標(3,1)乃至座標(3,4)の小領域Pxyについては被写体Sが路面であって高さが同一であるため、図8(2)では座標(3,1)乃至座標(3,4)の小領域Pxyについてy座標が大きくなるに伴い撮像装置10a、10bからの距離Zが大きくなる。よって、基線長Bと焦点距離fが一定の下で先に説明したZ=(B×f)/dの式より、視差dxyが小さくなっていることが表されている。また、座標(3,5)乃至座標(3,10)の小領域Pxyについては被写体Sが建物の壁であるため、y座標が大きくなっても撮像装置10a、10bからの距離Zは同一であるのでその視差dxyはほぼ同じであることが表されている。さらに、座標(3,11)及び座標(3,12)については被写体Sが空であるため距離Zは無限大に近似されるので視差dxyはほぼ0であることが表されている。図9は図8(2)に示される座標xを横軸に、視差dxyを縦軸にし、座標xにある小領域Pxyのうち視差dxyの度数Cを表している図である。
図8(1)に示される基準画像Iaについて、度数算出部571が度数Cを算出すると、図8(2)に示されるようにx=3である小領域Pxyのうち、視差dxyが100であるものは6つある(図8(2)のW1を参照)。したがって、度数算出部571は図9に示される度数分布図上の(x,dxy)=(3,100)に対応して度数C「6」を表している。同様にして、x=3である小領域Pxyのうち、視差dxyが120、115、110、105のものはそれぞれ1つずつあるため、度数算出部571は度数分布図の(x,dxy)=(3,120)、(3,115)、(3,110)、(3,105)に対応して度数C「1」を表している。
同様にして図8(2)に示されるようにx=4である小領域Pxyのうち、視差dxyが95であるものは5つある(図8(2)のW2を参照)ため、度数算出部571は度数Cを「5」と算出する。したがって、度数算出部571は図9に示される度数分布図上の(x,dxy)=(4,95)に対応して度数C「5」を表している。また、図8(2)に示されるようにx=15である小領域Pxyのうち視差dxyが80であるものは5つ(図8(2)のW3を参照)あるため、度数算出部571は度数Cを「5」と算出する。したがって、度数算出部571は度数分布図上の(x,dxy)=(15,80)に対応して度数C「5」を表している。このようにして、度数算出部571は所定の小領域群に含まれる小領域Pxyのx座標について度数Cを算出する。
<度数判定部>
度数判定部572は度数算出部571によって算出された度数Cが所定の閾値Cp以上であるか否かを判定する。具体的には、度数判定部572はエッジ候補検出部55によって検出された左白線エッジ候補領域Pelを横軸にx座標、縦軸に視差dxyを表した度数分布図上に表示する。そして、所定の視差dxy未満に表示された左白線エッジ候補領域を直線近似し、近似直線(図9におけるlineL3を参照)を算出する。また、所定の視差dxy未満(本実施例では所定の視差dxy=100とする)に表示された左白線エッジ候補領域を曲線近似し、近似曲線(図9におけるlineL4を参照)を算出する。
図8及び図9に示される例によってこの機能を説明する。たとえば、エッジ候補検出部55によって座標(3,2)で表される小領域Pxyが左白線エッジ候補領域Pelであると検出されている。図8(2)に示されるように座標(3,2)で表される小領域Pxyの視差dxy=115であるから、度数判定部572は度数分布図の座標x=3、dxy=115に左白線エッジ候補領域Pelである旨を表示する(図9の(v)参照)。
同様に、エッジ候補検出部55によって座標(4,3)で表される小領域Pxyが左白線エッジ候補領域Pelであると検出されている。図8(2)に示されるように座標(4,3)で表される小領域Pxyの視差dxy=110であるから、度数判定部572は度数分布図の座標x=4、dxy=110に左白線エッジ候補領域Pelである旨を表示する(図9(vi)印参照)。
同様にして全ての左白線エッジ候補領域を度数分布図に表示し、その近似直線を算出したものが図9に示されるlineL3となる。
同様にして、度数判定部572はエッジ候補検出部55によって検出された右白線エッジ候補領域Perを横軸にx座標、縦軸に視差dxyを表した度数分布図上に表示する。そして、所定の視差dxy未満に表示された左白線エッジ候補領域を直線近似し、近似直線lineR3を算出する。また、所定の視差dxy未満に表示された左白線エッジ候補領域を曲線近似し、近似曲線lineR4を算出する。
さらに、度数判定部572は近似直線lineL3と近似直線lineR3における同一のy座標にあたる小領域の中間にある小領域を近似した直線(以降、二等分線lineh3という)を算出する。また、度数判定部572は近似直線lineL4と近似直線lineR4における同一のy座標にあたる小領域の中間にある小領域を近似した直線(以降、二等分線lineh4という)を算出する。さらに、二等分線lineh3及び二等分線lineh4を含む線linehを表す数式(x=f(dxy)とする。)を算出する。
この線分linehにあたる度数分布図上の座標(f(d),d)から度数分布図の端部の座標(1,dxy)及び座標(xmax,dxy)に向かって順に各座標(x,dxy)に対応する度数Cが所定の閾値Cp以上であるか否かを判定する。ここで、xmaxは基準画像Ia及び度数分布図におけるx座標の最大値であり、図9に示される具体例においてはxmax=16である。
度数判定部572によってC≧Cpであると判定された場合、度数判定部572は度数分布図における座標(x,dxy)に対応する基準画像Ia上の小領域Pxyは建物等を表すものとされる。また、度数判定部572によってC≧Cpでないと判定された場合、度数判定部572は度数分布図における座標(x,d)に対応する基準画像Ia上は建物等を表すものでないとされる。
<検出部>
検出部573は度数判定部572による判定に基づいて、基準画像Iaに撮像されている各小領域Pxyのうち走行領域を検出する。先に説明したように被写体Sが建物等である小領域Pxyの度数Cは被写体Sが路面である小領域Pxyの度数Cより大きい。すなわち、度数Cが所定の閾値Cp以上である場合にはその度数Cに係る小領域Pxyは建物等であるため、基準画像Ia内において該小領域Pxyを物体領域Pとして検出する。検出部573は基準画像Iaに撮像されている左側の物体領域Pblおよび右側の物体領域Pbrを検出し、これらの間にある小領域Pxyを走行領域として検出する。
<<カーブ方向判定部>>
カーブ方向判定部58は、基準画像Iaに撮像されている路面が右の方向へカーブしているか、左の方向へカーブしているかを判定する。カーブ方向判定部58は直線交点検出部581、消失点検出部582及び判定部583を有している。
一般的にカーブしている路面が撮像された基準画像Iaにおいては、図4(2)に示されるように撮像装置10からみて手前の部分、すなわち所定のy≦yの部分の白線は直線(以降、直線部分という)をなしている。また、そのような基準画像Iaにおいては、撮像装置10からみて奥の部分、すなわち所定のy>yの部分の白線は曲線(以降、曲線部分という)をなしている。
<直線交点検出部>
直線交点検出部581はy≦yの左側の白線エッジ候補領域Pel、右側の白線エッジ候補領域Perのそれぞれの近似直線の交点Pを検出する。具体的には、直線交点検出部581は図4(2)の点で表される左側の白線エッジ候補領域Pelを直線近似し、近似直線lineL1を算出する。同様にして、直線交点検出部581は図4(2)の点で表される右側の白線エッジ候補領域Perを直線近似し、近似直線lineR1を算出する。さらに、直線交点検出部581は近似直線lineL1と近似直線lineR1との交点となる小領域を表す座標(x、y)を算出し、直線交点Pとして検出する。
<消失点検出部>
消失点検出部582は所定のy>yの左側の白線エッジ候補領域Pelに係る近似曲線lineL2と、右側の白線エッジ候補領域Perに係る近似曲線lineR2との交点となる小領域を表す座標(x、y)を算出し、その交点を消失点Pとして検出する。なお、消失点検出部582は消失点検出手段の一例である。
<判定部>
判定部583は、消失点検出部582によって検出された消失点P及び直線交点検出部581によって検出された交点Pに基づいて路面がカーブしている方向を判定する。具体的には、判定部583は消失点Pのx座標xが交点Pのx座標xより小さいか、大きいか、またはxと同一であるかを比較する。
この比較によってx>xであった場合は、カーブ方向判定部58は路面が右にカーブしていると判定する。また、x<xであった場合は、カーブ方向判定部58は路面が左にカーブしていると判定する。また、x=xであると判定された場合には、カーブ方向判定部58は路面がカーブしていないと判定する。
なお、白線は境界の一例であり、白線領域Pは境界領域の一例であり、エッジ候補検出部55は境界領域検出手段の一例である。視差算出部53は、視差算出手段の一例である。走行領域検出部57は走行領域検出手段の一例である。度数算出部571は度数算出手段の一例である。度数判定部572は度数判定手段の一例である。
〔画像処理システム1の動作〕
続いて、図10乃至図21を用いて、本実施形態に係る画像処理システム1の動作について説明する。なお、図10は、画像処理システム1の処理の概要を表すフロー図である。図11は、信号変換部52の処理を表すフロー図である。図12は、エッジ候補検出部55の第一の処理を表すフロー図である。図13は、エッジ候補検出部55の第二の処理の概要を説明するためのフロー図である。図14は、エッジ候補検出部55の第二の処理の詳細を表すフロー図である。図15は、基準画像Iaの一部Aを拡大した図である。図16は、カーブ方向判定部58の処理を表すフロー図である。図17は、直線交点検出部581の処理を表すフロー図である。図18は、消失点検出部582の処理を表すフロー図である。図19は、白線視差決定部56の処理を表すフロー図である。図20は、走行領域検出部57の処理を表すフロー図である。図21は、度数判定部572の処理を表すフロー図である。
<<撮像画像の生成処理>>
図10に示されるように、まず、撮像部51が自動車の進行方向前方の光景を撮像して所定の時間間隔で撮像画像を生成する(ステップS1)。具体的には、撮像部51を実現する撮像レンズ11aが通過する光を屈折させ、絞り12aが撮像レンズ11aを通過した光の一部を遮ることによって光の量を調整する。そして、撮像レンズ11aから入力された光が結像され、画像センサ13aは結像された像を電気的なアナログの画像信号に変換する。また、撮像レンズ11b、絞り12b、画像センサ13bもそれぞれ撮像レンズ11a、絞り12a、画像センサ13aと同様に動作する。
<<信号変換をする処理>>
続いて、信号変換部52がアナログの画像信号をデジタル形式の撮像画像データに変換する(ステップS2)。具体的には、図11に示されるように、まずCDS21aがアナログの画像信号を相関二重サンプリングしてノイズを除去する(ステップS21)。そして、AGC22aが、ノイズが除去されたアナログの画像信号の強度を制御する利得制御を行う(ステップS22)。AGC22aによってアナログの画像信号が利得制御されると、ADC23aがアナログの画像信号をデジタル形式の撮像画像データに変換する(ステップS23)。ADC23aがアナログの画像信号を撮像画像データに変換すると、フレームメモリ24aは撮像画像データを記憶する。また、CDS21b、AGC22b、ADC23bもそれぞれCDS21a、AGC22a、ADC23aと同様に動作する。
<<視差を算出する処理>>
図10に戻って、次に、視差算出部53は撮像画像データが表す基準画像Ia内における所定の小領域群に含まれる小領域Pxyについて視差dxyを算出する(ステップS3)。
<<エッジ候補を検出する処理>>
次に、図10に示されるように、エッジ候補検出部55が基準画像Iaの白線エッジ候補領域Pを検出する(ステップS4)。エッジ候補検出部55は基準画像Iaにおいて、各小領域Pxyについてx軸方向に隣接する小領域Pxyにある画素との輝度差ΔL(x,y)=L(x,y)−L(x+1,y)を算出する。ΔL(x,y)が所定の閾値以上であれば、エッジ候補検出部55はその小領域Pxyをエッジ候補領域Pとして検出する。
既に説明したように一般的に路面が撮像された基準画像Iaにおいては、図4(2)に示されるように撮像装置からみて手前の部分、すなわち所定のy座標y以下の部分の白線は直線をなしている(以降、この部分を直線部分という)。また、そのような基準画像Iaにおいては、撮像装置からみて奥の部分、すなわち所定のy座標yより大きい部分の白線は曲線をなしている(以降、この部分を曲線部分という)。なお、yは実験の結果から定められた値であり、カーブ路を走行しているときy座標がy以下の小領域では白線は直線をなしているとして処理されるのが好適となる値である。一例としてyは基準画像Iaのy軸方向の中間付近の値とすることが好適である。
次に説明する<エッジ候補領域の第一の検出処理>では、エッジ候補検出部55は白線の直線部分の白線エッジ候補領域Pを検出する。また、白線の曲線部分については、精度を高めることを目的として後述する<エッジ候補領域の第二の検出処理>によって白線エッジ候補領域を検出する。
また、これらの処理の説明において、基準画像Iaにおける各小領域Pxyの位置は図4(2)に示されるように座標(x,y)(x=1〜1280、y=1〜960)で表されるとする。
<エッジ候補領域の第一の検出処理>
第一の検出処理においては、図12に示されるように、まず、エッジ候補検出部55がy=0(ステップS41)に1を加算したy=1(ステップS42)、x=641(ステップS43)から1を減算したx=640(ステップS44)に係る座標にある小領域Pxyにある画素の輝度L(640,1)について輝度差ΔL(640,1)=L(640,1)−L(641,1)を算出する(ステップS45)。そして、ステップS45で算出された輝度差ΔL(640,1)が120以上であるか否かをエッジ候補検出部55が判定する(ステップS46)。ステップS46でΔL(640,1)が120以上でないと判定された場合には、その輝度差に係るx座標を1減算した(ステップS44)座標にある小領域Pxyに係る輝度差ΔL(639,1)=L(639,1)−L(640,1)をエッジ候補検出部55は算出する(ステップS45)。そして、エッジ候補検出部55は輝度差ΔL(639,1)が120以上であるか否かを判定する(ステップS46)。
さらに、ステップS46でΔL(639,1)が120以上でないと判定された場合には、ΔL(639,1)に係るx座標を1減算した(ステップS44)座標にある小領域Pxyの輝度差ΔL(638,1)=L(638,1)−L(639,1)をエッジ候補検出部55が算出する(ステップS45)。そして、エッジ候補検出部55は輝度差ΔL(638,1)が120以上であるか否かを判定する(ステップS46)。このようにして、x座標を1ずつ減算した座標にある小領域Pxyに係る輝度差ΔLの算出(ステップS45)及び判定(ステップS46)を繰り返し、輝度差ΔLが120以上であると判定されたら、その輝度差ΔLに係る小領域Pxyを白線エッジ候補領域Pとして検出する(ステップS47)。
また、白線エッジ候補領域Pが検出されたら、そのy座標についてy≧yであるか否かをエッジ候補検出部55が判定する(ステップS48)。
ステップS418で白線エッジ候補領域Pのy座標がy≧yでないと判定された場合には、y座標に1を加算し(ステップS42)、x=641(ステップS43)から1を減算した(ステップS44)座標(640,2)に係る輝度差ΔL(640,2)=L(640,2)−L(641,2)を算出する(ステップS45)。そして、上述と同様にステップS42乃至ステップS48の処理を繰り返す。これらの処理を繰り返して、処理に係るy≧yであると判定されたら白線エッジ候補領域Pを検出する処理を終了する。
このようにして、基準画像Iaの各小領域Pxyについて順に輝度差ΔLを算出することによって、y座標ごとに白線エッジ候補領域Pを算出することができる。
なお、ステップS43乃至ステップS46の処理の説明で記載したように、基準画像Iaにおける中央部分の小領域Pxy(座標(640,y))から外側の小領域Pxy(座標(1,y))に向けて順にエッジ候補検出部55は輝度差ΔLを算出及び判定し、白線エッジ候補領域Pが検出されたらこの処理を終了する。すなわち、白線エッジ候補領域Pのx座標より小さいx座標の小領域Pxyについてのこれらの処理は行わない。このため、エッジ候補検出部55を実現するCPU32の負荷を削減することが可能となる。
ステップS48までの処理が終了すると、図6(3)に示されるように座標(x,y)ごとに輝度差ΔL(x,y)が算出される。
なお、図12を用いて説明した処理は基準画像Iaにおける中央より左側の小領域(座標x=1〜640)に撮像されている白線エッジ候補領域Pを検出することを目的とするものである。そのため、ここで検出された白線エッジ候補領域Pは中央より左側の白線エッジを表す左白線エッジ候補領域Pelである。また、車両が走行する一般的な路面には、左側だけではなく右側にも白線が描かれている。このため、エッジ候補検出部55は基準画像Iaにおける中央より右側の小領域(座標x=641〜1280)についても同様の処理を行う。そして、検出された白線エッジ候補領域Pは右白線エッジ候補領域Perとされる。
<エッジ候補領域の第二の検出処理(概要)>
図13乃至図15を用いて、エッジ候補領域の第二の検出処理について説明する。図13は、エッジ候補検出部55の第二の処理の概要を説明するためのフロー図である。図14は、エッジ候補検出部55の第二の処理の詳細を表すフロー図である。図15は、基準画像Iaの一部Aを拡大した図である。
ここで、第二の検出処理の詳細について説明する前に、カーブ方向判定部58による判定の結果を第二の検出処理で用いることを説明する。既に説明したとおり、撮像部51は所定の時間間隔で撮像画像を生成する(図10のステップS1)。この所定の時間に画像処理システム1が搭載された車両等は進行方向に向かって所定の距離だけ移動するので、順次撮像される画像はそれぞれ異なったものとなる。図13に示されるように撮像部が1回目に生成した(ステップS1−1)撮像画像については、上記<エッジ候補領域の第一の検出処理>に記載したようにエッジ候補検出部55が白線の直線部分のエッジ候補領域P及び白線の曲線部分のエッジ候補領域Pを検出する(ステップS4−1)。そして、検出されたこれらのエッジ候補領域Pに基づいて、カーブ方向判定部58は路面がカーブしている方向を判定する(ステップS6−1)。なお、ステップS6−1でカーブ方向判定部58が行う処理の詳細については追って説明する。
撮像部が2回目に生成した(ステップS1−2)撮像画像については、上記<エッジ候補領域の第一の検出処理>に記載したように白線の直線部分のエッジ候補領域Pを検出する(ステップS4−2)。そして、1回目にカーブ方向判定部58によって判定されたカーブの方向に基づいて<エッジ候補領域の第二の検出処理(詳細)>で追って説明するように白線の曲線部分のエッジ候補領域を検出する(ステップS5−2)。続いてこれらのエッジ候補領域Pそれぞれを用いてカーブ方向判定部58は、路面がカーブしている方向を判定する(ステップS6−2)。
同様に、撮像部がn回目(n≧2)に生成した(ステップS1−n)撮像画像については、上記<エッジ候補領域の第一の検出処理>に記載したように白線の直線部分のエッジ候補領域Pを検出する(ステップS4−n)。そして、(n−1)回目にカーブ方向判定部58によって判定された方向に基づいて<エッジ候補領域の第二の検出処理(詳細)>で追って説明するように白線の曲線部分のエッジ候補領域Pを検出する(ステップS5−n)。そして、これらのエッジ候補領域Pそれぞれを用いてカーブ方向判定部58は、路面がカーブしている方向を判定する(ステップS6−n)。
<エッジ候補領域の第二の検出処理(詳細)>
次に、ステップS5でエッジ候補検出部55が行う第二の検出処理の詳細について図14及び図15を用いて説明する。ここでは、まず、当該第二の検出処理に係る撮像画像が撮像された時刻の所定の時間前に撮像された撮像画像の路面が右にカーブしていると判定された場合の検出処理について説明する。上記、第一の検出処理においてy=yにおける白線エッジ候補領域Pは既に検出されており、ここでの説明においてはその座標を(x,y)とする(図15(i)で示される小領域)。
まず、エッジ候補検出部55はy=y(ステップS51)に1を加算したy=y+1(ステップS52)、x=x−1(ステップS53)に1を加算したx=x(ステップS54)に係る座標にある小領域Pxy(図15(ii)を参照)の画素の輝度L(x,y+1)について輝度差ΔL(x,y+1)=L(x,y+1)−L(x+1,y+1)を算出する(ステップS55)。そして、ステップS55で算出された輝度差ΔL(x,y+1)が120以上であるか否かをエッジ候補検出部55が判定する(ステップS56)。ステップS56でΔL(x,y+1)が120以上でないと判定された場合には、その輝度差に係るx座標に1を加算した(ステップS54)座標にある小領域Pxy(図15(iii)を参照)に係る輝度差ΔL(x+1,y+1)=L(x+1,y+1)−L(x+2,y+1)をエッジ候補検出部55は算出する(ステップS55)。そして、エッジ候補検出部55は輝度差ΔL(xs1+1,y+1)が120以上であるか否かを判定する(ステップS56)。
さらに、ステップS56でΔL(x+1,y+1)が120以上でないと判定された場合には、ΔL(x+1,y+1)に係るx座標に1を加算した(ステップS54)座標にある小領域Pxyの輝度差ΔL(x+2,y+1)=L(x+2,y+1)−L(x+3,y+1)をエッジ候補検出部55が算出する(ステップS55)。そして、エッジ候補検出部55は輝度差ΔL(x+2,y+1)が120以上であるか否かを判定する(ステップS56)。このようにして、x座標を1ずつ加算した座標にある小領域Pxyに係る輝度差ΔLの算出(ステップS55)及び判定(ステップS56)を繰り返し、輝度差ΔL(x+n,y+1)が120以上であると判定されたら、その輝度差ΔLに係る小領域Pxyを白線エッジ候補領域Pとして検出する(ステップS57)。
ステップS57で白線エッジ候補領域Pの輝度差ΔLが120以上であると判定されたら、そのy座標が消失点Pのy座標であるy以上であるか否かをエッジ候補検出部55が判定する(ステップS58)。
ステップS58で白線エッジ候補領域Pのy座標がy以上でないと判定された場合には、y座標に1を加算し(ステップS52)、x=x+n(=xs1とする)とした座標(xs1,y+2)にある小領域Pxy(図15(iv))を参照)に係る輝度差ΔL(xs1,y+2)=L(xs1,y+2)−L(xs1+1,y+2)を算出する(ステップS55)。そして、上述と同様にステップS52乃至ステップS58の処理を繰り返す。これらの処理を繰り返して、y座標がy以上であると判定されたら白線エッジ候補領域Pを検出する処理を終了する。
所定の時間前に生成された基準画像Iaに撮像されている路面が右にカーブしている場合には、撮像画像内における白線エッジ候補領域Pのx座標はy座標の増加に伴い増加するため、上記のようにy座標の増加に伴いx座標を増加させながら輝度差ΔLの算出及び判定をする。すなわち、既に白線エッジ候補領域Pが検出されている小領域Pxyより右上の小領域Pxyについて白線エッジ候補領域Pを検出するために輝度差ΔLが所定の値以上であるか否か判定する処理を行う。このような順に処理を行うことによって白線エッジ候補領域Pの誤検出を減少させることができ、路面を判定する処理の精度が向上する。
同様にして、所定の時間前に生成された基準画像Iaに撮像されている路面が左にカーブしていると判定された場合には、ステップS54でx座標を1ずつ減算した座標にある小領域Pxyに係る輝度差ΔLの算出(ステップS55)及び判定(ステップS56)を繰り返し、輝度差ΔLが120以上であると判定されたら、その輝度差ΔLに係る小領域Pxyを白線エッジ候補領域Pとして検出する(ステップS57)。
路面が右にカーブしている場合にy座標の増加に伴いx座標を減少させながら白線エッジ候補領域Pを検出したら、その白線エッジ候補領域Pは誤検出である可能性が高い。そのため、y座標の増加に伴いx座標を増加させながら輝度差ΔLの算出及び判定をすることにより、白線エッジ候補領域Pの誤検出を減少させることができ、路面を判定する処理の精度が向上する。
なお、路面が左にカーブしている場合には、撮像画像内における白線エッジ候補領域Pのx座標はy座標の増加に伴い減少するため、上記のようにy座標の増加に伴いx座標を減少させながら輝度差ΔLの算出及び判定をする。
<<カーブを判定する処理>>
図10に戻って、エッジ候補検出部55が白線エッジ候補領域Pを検出する(ステップS4及びステップS5)と、カーブ方向判定部58は基準画像Iaに撮像されている路面が右の方向へカーブしているか、左の方向へカーブしているかを判定する(ステップS6)。
<近似直線の交点を検出する処理>
まず、図16に示されるように直線交点検出部581が基準画像Ia上の左側の白線の直線部分の延長線と右側の直線部分の延長線との交点Pを算出する(ステップS61)
具体的には、図17に示されるように直線交点検出部581が左側の直線部分についての白線エッジ候補領域Pel群について直線近似し、左側の近似直線lineL1(図4(2)を参照)を算出する(ステップS611)。同様にして、直線交点検出部581は右側の直線部分についての白線エッジ候補領域Per群を直線近似し、近似直線lineR1(図4(2)を参照)を算出する(ステップS612)。そして、直線交点検出部581は右側の近似直線lineL1と近似直線lineR1との交点Pの位置を表す座標(x、y)を算出する(ステップS613)。なお、左側の近似直線lineL1を算出する処理、右側の近似直線lineR1を算出する処理はいずれを先に行ってもよい。
<消失点の検出処理>
続いて、図16に戻って消失点検出部582は左右の白線の消失点Pを検出する(ステップS62)。具体的には、図18に示されるように消失点検出部582が左側の曲線部分の白線エッジ候補領域Pel群について近似曲線lineL2(図4(2)を参照)を算出する(ステップS621)。同様にして、消失点検出部582は右側の曲線部分の白線エッジ候補領域Per群について近似曲線lineR2(図4(2)を参照)を算出する(ステップS622)。さらに、消失点検出部582は近似曲線lineL2と近似曲線lineR2との交点である消失点Pの位置を表す座標(x、y)を算出する(ステップS623)。なお、左側の近似曲線lineL2を算出する処理、右側の近似曲線lineR2を算出する処理はいずれを先に行ってもよい。
<判定処理>
そして、再び図16に戻って、近似直線lineL1と近似直線lineR1との交点Pと消失点Pに基づいて、判定部583が基準画像Iaに撮像されている路面が右の方向へカーブしているか、左の方向へカーブしているかを判定する(ステップS63)。具体的には、交点Pの座標を(x、y)としたときに、判定部583は消失点Pの位置を表すx座標であるxがxより大きいか、小さいか、またはx=xであるかを判定する。図4(2)に示されるようにxがxより大きいと判定された場合には、判定部583は路面が右にカーブしていると判定する。また、xがxより小さいと判定された場合には、判定部583は路面が左にカーブしていると判定する。また、x=xであると判定された場合には、判定部583は路面が直線であると判定する。
<<白線視差を決定する処理>>
続いて、図10に戻って、白線視差決定部56はステップS4及びステップS5でエッジ候補検出部55によって検出された白線エッジ候補領域Pに基づいて白線領域Pの視差dを決定する(ステップS7)。具体的には、図19に示されるように、まず回帰直線算出部561が白線エッジ候補領域Pのy座標と視差dの回帰直線を算出する(ステップS71)。具体的には、白線エッジ候補領域Pの各y座標と視差dについて、白線視差決定部56がHough変換によって図7に示される回帰直線Reg−lineを決定する。そして、白線視差決定部56は各y座標における回帰直線Reg−line上の視差dを各y座標の左白線視差dと決定する(ステップS72)。
基準画像Iaにおいてこのように回帰直線Reg−lineを算出することによって白線エッジ候補領域Pに含まれるノイズを除去することができ、白線視差dを高い精度で決定することができる。これにより、距離Zを正確に算出することができる。
<<走行領域を検出する処理>>
続いて、図10に戻って走行領域検出部57が、基準画像Iaの所定の小領域群に含まれる小領域Pxyから走行領域を検出する(ステップS8)。
<度数を算出する処理>
まず、図20に示されるように度数算出部571が所定の小領域群に含まれる小領域Pxyについて、基準画像Iaの座標xで表される小領域Pxyのうち視差dxyである小領域Pxyの度数Cを算出する(ステップS81)。既に説明したように度数算出部571によって算出された結果が図9に示されている。
<度数を判定する処理>
度数判定部572は度数算出部571によって算出された度数Cが閾値Cp以上であるか否かを判定する(ステップS82)。<度数算出部>で説明したように被写体Sが建物等である小領域Pxyに係る度数分布図上の度数Cは被写体Sが路面である小領域Pxyに係る度数分布図上の度数Cより大きい。すなわち、度数Cが所定の閾値Cpより大きいか否かを判定することにより小領域Pxyが建物等を表すものであるか否かを判定することができる。
ここで、度数判定部572が、度数Cが所定の閾値Cpより大きいか否かを判定する処理の詳細について図21を用いて説明する。度数判定部572が判定する処理をするために、まず境界間小領域算出部574がエッジ候補検出部55によって検出された左右の白線エッジ候補領域P群の度数分布図上での近似直線lineL3と近似直線lineR3との二等分線lineh3、近似曲線lineL4と近似曲線lineR4との二等分線lineh4を含む線lineh(図9参照)を算出する(ステップS821)。具体的には、境界間小領域算出部574は左白線エッジ候補領域Per、右白線エッジ候補領域Perそれぞれのx座標、視差dを度数分布図に表示する。そして、図9に示されるように境界間小領域算出部574は左白線エッジ候補領域Pelの近似直線lineL3と右白線エッジ候補領域Perの近似直線lineR3、及びそれらの二等分線lineh3を算出する。また、図9に示されるように境界間小領域算出部574は左白線エッジ候補領域Pelの近似曲線lineL4と右白線エッジ候補領域Perの近似曲線lineR4、及びそれらの二等分線lineh4を算出する。以降の説明では、二等分線lineh3および二等分線lineh4を含む線をlinehとし、linehは度数分布図上で数式x=f(d)で表されるものとする。なお、linehに対応する小領域Pxyは所定の小領域の一例であり、境界間小領域算出部574は境界間小領域算出手段の一例である。
そして、度数判定部572は、座標(x,d)で表される度数分布図上で線分lineh上にある座標(f(d),d)(図9(i)を参照)の度数Cについて(ステップS822)、C≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)。ステップS823でC≧Cpであると判定された場合、度数判定部572は度数分布図における座標(x,d)に対応する基準画像Ia上の小領域Pxyを建物等が表されているものであると判定する(ステップS824)。ステップS823でC≧Cpでないと判定された場合、度数判定部572は度数分布図における座標xから1を減算した(ステップS825)座標(f(d)−1,d)(図9(ii)を参照)に係る度数CについてC≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)。
さらにC≧Cpでないと判定された場合、度数判定部572は度数分布図における座標xから1を減算した(ステップS825)座標(f(d)−2,d)(図9(iii)を参照)に係る度数CについてC≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)。このように、順次、x座標から1を減算しながら(ステップS825)度数Cについて判定を行い(ステップS823)、座標(f(d)−n,d)(図9(iv)を参照)に係る度数CについてC≧Cpであると判定されたら、度数判定部572は座標x=f(d)−n,視差dに対応する小領域Pxyを建物等が表されているものであると判定する(ステップS824)。
ここで図9に示される度数分布図の具体例を用いて、度数判定部572が、度数Cが所定の閾値以上であるか否かを判定する処理について説明する。この具体例において上記の所定の閾値はCp=4であるとする。たとえば、度数分布図の視差d=100についての処理は次のとおりである。度数判定部572は度数分布図上の二等分線linehの視差d=100に対応するx座標をx=f(100)と算出する(ステップS822)。図9に示される具体例ではx=f(100)=9である。このとき度数判定部572は座標(x,d)=(9,100)(図9(i)を参照)における度数CについてC≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)。この具体例ではC=1、Cp=4であるため、C≧Cpではないと判定される。
次に度数判定部572は座標xについて1を減算した(ステップS825)座標(x,d)=(8,100)(図9(ii)を参照)における度数CについてC≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)。この処理を繰り返して座標(x,d)=(3,100)(図9(iv)を参照)における度数CについてC≧Cpであるか否かを判定する(ステップS823)と、C=6、Cp=4であるためC≧Cpであると判定される。これにより、度数判定部572は座標x=3、視差d=100に対応する小領域Pxyを建物等であると判定して(ステップS824)処理を終了する。建物等であると判定されたら、座標x=1〜2、視差d=100における度数CがC≧Cpであるか否かの判定は行わない。
上記において視差d=100に係る処理を説明したが、度数分布図上の全ての視差dについて同様の処理を行う。また、上記においては線分linehより左の座標(x,d)についての度数Cを処理の対象としていたが、ステップS825での処理を度数分布図における座標xに1を加算することによって線分linehより右の座標(x,d)についての度数Cについても同様に建物等であるか否かを判定する。
<検出する処理>
検出部573は度数判定部572によって検出された左の物体領域Pbrおよび右の物体領域Pbrの間にある小領域Pxyを走行領域として検出する。
このように、度数分布図において決定された線分lineh上の座標(x,d)についての度数Cからx軸方向端部の座標(1,d)に向かって順に建物等であるか否かを判定する処理を行う。そして、ある座標(x,d)に係る度数Cについて建物等であると判定されたら、該座標(x,d)より端部の座標(x,d)に係る度数Cについての判定を行わない。これによって、たとえば図4(1)に示される部分B、すなわちカーブの方向が右である場合の左側の部分については路面であるか否かの判定が行われない。そのため、ノイズ等による誤検出を防ぐことができ、画像内に撮像されている路面を高い精度で検出することができる。
〔実施形態の補足〕
上記の実施形態においては、度数判定部572は度数分布図上の線分linehにあたる座標(f(d),d)から端部の座標(1,d)に向かって順に各座標(x,d)に対応する度数Cが閾値Cp以上であるか否かを判定している。しかし、線分linehではなく近似直線lineL3と近似直線lineR3の間にある所定の座標(x,d)から端部の座標(1,d)に向かって順に各座標(x,d)に対応する度数Cが閾値Cp以上であるか否かを判定してもよい。
また、消失点検出部582によって検出された消失点Pに基づいて上述の判定を行ってもよい。具体的には、度数分布図において最も大きいdxy座標に係る小領域Pxyのうち中央に位置する小領域Pxyと、消失点Pとを結んだ線分lineh’をlinehの代わりに用いる。消失点Pは無限遠に存在するものであるからd=0であること及び消失点検出部582によって消失点Pのx座標が検出されていることから、図9に示されるように度数分布図上の消失点の位置Pは度数分布図上に表すことができ、これによりlineh’を算出すればよい。
また、判定部583によってカーブ方向が判定された場合、カーブ方向に応じて上述の判定を行ってもよい。具体的には、カーブ方向判定部58によって路面が右方向にカーブしていると判定された場合、度数分布図上に表された消失点Pを通りlineL3に平行な線分lineh’’を算出し、これをlinehの代わりに用いる。なお、ここではlineL3に平行な線分を用いているが、これに限るものではなく、カーブ方向に傾きをもつ線分を広く用いることが可能である。また、カーブ方向判定部58によって路面が右方向にカーブしていると判定された場合、度数分布図上に表された消失点Pを通りlineR3に平行な線分lineh’’を算出し、これをlinehの代わりに用いる。
このように度数判定部572は、消失点Pに基づいて度数Cが所定の値Cp以上であるか否かを判定するため、近似曲線lineL4と近似曲線lineR4が正確に算出されないことがあっても、走行領域検出部57は効率的に走行領域を検出することができる。
なお、上記消失点に基づいた判定においては、消失点と度数分布図におけるdxy座標が最も大きい小領域Pxyによって算出される線分を用いているが、dxy座標が最も大きい小領域Pxyである必要はなく、度数分布図におけるdxy座標が所定の値となる小領域Pxyを線分lineh’の算出に用いてもよい。ここでの所定の値とは、経験的に定められる最大の視差dxy等である。
図9の視差分布図に表されるように、dxy座標が大きい小領域PxyにおいてはlineL3、LineR3が存在しない場合がある。このような場合に度数判定部572が既に説明した判定をしても判定部572を実現するCPU32の負荷が高くなってしまう。したがって、このような場合にはdxy座標が所定の値未満となる小領域Pxyのみに対して度数判定部572が判定をすることによって効率的に処理することができる。これにより、画像処理装置のCPU32等の負荷を軽減することが可能となる。
また、線分linehではなく左白線エッジ候補画素Pelの近似直線LineL3上の座標から端部の座標(1,d)に向かって順に各座標(x,d)に対応する順に各座標(x,d)に対応する度数Cが閾値Cp以上であるか否かを判定してもよい。左白線エッジ候補領域Pelと右白線エッジ候補領域Perの度数分布図における座標の間にある座標(x,d)に係る小領域Pxyは建物等でないことが想定される。そのため、度数分布図において左白線エッジ候補領域Pelと右白線エッジ候補領域Perの間にない座標(x,d)の度数Cのみについて閾値Cp以上であるか否かを判定する処理を行えばCPUの負荷を削減することが可能となる。
図22は画像処理システム1の機能構成図の他の例である。上記の実施形態において、白線視差決定部56は図22に示されるように白線確度決定部563を有することによって、白線エッジ候補領域Pが白線エッジを表す小領域である確からしさ(以降、白線確度という。)を判定するとしてもよい。ここで、白線確度決定部563が白線確度を判定する処理について図23を用いて説明する。図23は図6に示される図と同様であり、エッジ候補検出部55によって検出された白線エッジ候補領域P群のうち、一の白線エッジ候補領域P、及びその白線エッジ候補領域Pに隣接する3つの小領域Pe1、Pe2、Pe3に符号を付したものである。図23は、基準画像Iaの一部を拡大した図である。
まず、白線確度決定部563はステップS4またはステップS5で図23(1)に示されるエッジ候補領域Pが検出されたら、図23(2)に示される白線エッジ候補領域Pとx軸方向に外側で隣接する3つの小領域Pe1、Pe2、Pe3について視差を比較する。具体的には、白線エッジ候補領域Pの視差dと、小領域Pe1、Pe2、Pe3の視差de1、de2、de3それぞれとの差d−de1、d−de2、d−de3(それぞれ、以降においては視差差分Δd、Δd、Δdという)を算出する。そして、視差差分Δd、Δd、Δdそれぞれが所定の値、たとえば10以下であるか否かを判定する。図23(2)に示される例においてはd=132、de1=130、de2=128、de3=132であるから、Δd=132−130=2、Δd=132−128=4、Δd=132−132=0となる。そして、これらの値が所定の値以下、すなわち10以下であるか否かを判定する。
視差差分Δd、Δd、Δdがいずれも所定の値以下である場合、白線確度決定部563は、白線エッジ候補領域Pが白線領域Pであると判定する。また、視差差分Δd、Δd、Δdのいずれかが所定の範囲でない場合、白線確度決定部563は、白線エッジ候補領域Pが白線領域Pではないと判定する。図23に示される例においては、上述のとおり視差差分Δd、Δd、Δdはいずれも10以下であるため白線確度決定部563は、白線エッジ候補領域Pが白線領域Pであると判定する。さらに、これらの判定を全ての白線エッジ候補領域Pについて行い、白線領域Pであると判定されたエッジ候補領域Pのみを用いて回帰直線算出部561が回帰直線を算出する処理を行う。
路面における白線はx軸方向に幅がある帯状の部分である。そのため、白線エッジ候補領域Pから所定の幅(上記の例ではx軸方向に隣接する3つの小領域Pxy)における視差de1、de2、de3が白線エッジ候補領域Pにおける視差dに近似している値である場合、これらの小領域Pxyが表す被写体Sは互いに近傍にあることを表している。すなわち白線エッジ候補領域Pが路面上にある白線を表すものである確度が高いと考えられる。よって、このような確度が高い白線エッジ候補領域Pのみを用いることによって走行領域検出部57はより精度の高い路面判定を行うことが可能となる。
なお、上記の例では隣接する3つの小領域を用いて、白線エッジ候補領域Pの確度を判定したが、撮像レンズ11aおよび撮像レンズ11bの画角、解像度、白線の種類等により判定に用いられる小領域の数を決定するのが好ましい。
また、本実施形態では、基準画像Iaのy座標一定の小領域Pxy群において、中央の小領域Pxyから左端の小領域Pxyに向けて順に、エッジ候補検出部55が輝度差ΔLの算出及び判定を行うとしているが、中央の小領域Pxyから所定数の小領域Pxyおきに左端の小領域Pxyに向けて輝度差ΔLの算出及び判定を行うとしてもよい。
また、本実施形態では白線エッジを検出する処理を行っているが、ここで検出する対象は白色の帯状の部分ではなく、路面において車道と歩道の境界、または車線間の境界を表すために用いられる他の色の帯状の部分であってもよい。
また、本実施形態の<エッジ候補領域の第一の検出処理>では、エッジ候補検出部55は基準画像Iaの中央にある小領域Pxy(x座標640に位置する小領域)からx軸方向に左端及び右端の小領域Pxyに向けて順に輝度差ΔLの算出及び輝度差ΔLに基づく判定を行っている。しかし、エッジ候補検出部55は中央の小領域Pxyではなく他の小領域Pxyから順に算出及び判定を行ってもよい。基準画像Iaの特徴に応じてエッジ候補領域Pが早く検出できるように算出及び判定を行うように適宜設定することが好ましい。
また、本実施形態においては撮像装置10、信号変換装置20及び画像処理装置30が一つの筐体として構成されている。しかし、別の筐体として独立したステレオカメラが撮像装置10及び信号変換装置20を有し、画像処理装置30が別の筐体として構成されてもよい。
また、本実施形態では画像処理システム1を自動車に搭載するものとしているが、自動車の他に車両、船舶、航空機、または産業用ロボット等を例とする移動装置に搭載してもよい。
1 画像処理システム
10 撮像装置
11 撮像レンズ
12 絞り
13 画像センサ
20 信号処理部
21 CDS
22 AGC
23 ADC
24 フレームメモリ
30 画像処理装置
31 DSP
32 CPU
33 ROM
34 RAM
50 画像処理部
51 撮像部
52 信号変換部
53 視差算出部
55 エッジ候補検出部
56 白線視差決定部
561 回帰直線算出部
562 決定部
57 走行領域検出部
571 度数算出部
572 度数判定部
573 検出部
58 カーブ方向判定部
581 直線交点検出部
582 消失点検出部
583 判定部
特開平5−265547号公報 Proceedings of the fifth international Conference on 3D Digital Imaging and Modeling 1550-6185/05 $20.00 2005 IEEE

Claims (11)

  1. 複数の境界が撮像された複数の画像を処理する画像処理装置であって、
    前記画像に撮像されている境界領域を検出する境界領域検出手段と、
    複数の前記画像を構成する小領域の視差を算出する視差算出手段と、
    前記視差算出手段によって算出された前記視差について、前記画像の水平方向の位置ごとに前記小領域の視差の度数を算出する度数算出手段と、
    前記境界領域検出手段によって検出された2つの境界領域の間にある所定の小領域である境界間小領域を算出する境界間小領域算出手段と、
    前記境界間小領域から前記画像内における水平方向の端部の小領域に向かって、前記度数に基づいて走行領域を検出する走行領域検出手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記境界間小領域は鉛直方向の位置が同じ2つの前記境界領域の中点であることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記境界間小領域は前記境界領域であることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記度数算出手段によって算出された前記度数が所定の値以上であるか否かを判定する度数判定手段を有し、
    前記度数判定手段によって前記度数が所定の値以上であると判定された前記小領域を物体領域とし、
    前記画像内における左側の物体領域と右側の物体領域の間にある小領域を前記走行領域として検出することを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記境界領域検出手段は、
    前記画像を形成する画素の輝度に基づいて、前記境界領域を検出することを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記境界領域検出手段は、
    隣接する画素の輝度の差が所定の閾値以上である画素がある小領域を境界領域の候補として検出することを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
    前記境界領域検出手段によって検出された2つの境界領域の交点である消失点を検出する消失点検出手段を有し、
    前記消失点検出手段は、前記消失点検出手段によって前記画像が撮像された時刻の所定の時間前に撮像された画像において検出された消失点に基づいて、前記画像の境界領域を検出することを特徴とする画像処理装置。
  8. 複数の境界が撮像された複数の画像を処理する画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
    前記画像に撮像されている境界領域を検出する境界領域検出工程と、
    複数の前記画像を構成する小領域の視差を算出する視差算出工程と、
    前記視差算出工程によって算出された前記視差について、前記画像の水平方向の位置ごとに前記小領域の視差の度数を算出する度数算出工程と、
    前記境界領域検出工程によって検出された2つの境界領域の間にある所定の小領域である境界間小領域を算出する境界間小領域算出工程と、
    前記境界間小領域から前記画像内における水平方向の端部の小領域に向かって、前記度数に基づいて走行領域を検出する走行領域検出工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  9. コンピュータに、請求項8に記載の画像処理方法を実行させる画像処理プログラム。
  10. 画像を撮像する撮像装置と、
    複数の境界が撮像された複数の画像を処理する画像処理装置であって、
    前記画像に撮像されている境界領域を検出する境界領域検出手段と、
    複数の前記画像を構成する小領域の視差を算出する視差算出手段と、
    前記視差算出手段によって算出された前記視差について、前記画像の水平方向の位置ごとに前記小領域の視差の度数を算出する度数算出手段と、
    前記境界領域検出手段によって検出された2つの境界領域の間にある所定の小領域である境界間小領域を算出する境界間小領域算出手段と、
    前記境界間小領域から前記画像内における水平方向の端部の小領域に向かって、前記度数に基づいて走行領域を検出する走行領域検出手段と、
    を有する画像処理装置と、
    を含むことを特徴とする画像処理システム。
  11. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置または請求項10に記載の画像処理システムを有することを特徴とする移動装置。
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