JP6251019B2 - 負荷制御装置 - Google Patents
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Description
本発明が解決しようとする課題は、操作スイッチが離間した位置に設置されている状況であっても、電磁継電器の開閉状態を適切に制御することができる負荷制御装置を提供することにある。
図1に示すように、本実施形態の負荷制御装置1では、コントロールセンタとして用いられる閉鎖配電盤(図示省略)に格納されたユニット本体2が、母線3(例えば図1ではR、S、Tの三相)から電力の供給を受けている。この負荷制御装置1は、それぞれの負荷(モータ4)に対する電力の供給、遮断、保護、監視などの制御を行うものであり、母線3とモータ4との間に設けられ、モータ4への通電経路を閉鎖状態または開放状態に切り替える電磁継電器5を備えている。また、母線3と電磁継電器5との間には、周知の配線用遮断器6が設けられている。また、電磁継電器5とモータ4との間には、電流を検出するための周知の電流検出器7が設けられている。なお、図示は省略するが、負荷制御装置1には、母線3(より厳密には、後述する二次巻線側)とコイル5bとの間に負荷を始動させるための始動スイッチや停止させるための停止スイッチ等が設けられている。
制御回路10(制御手段、判定手段)は、図示しないCPU、ROMおよびRAM等を有するマイクロコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて、負荷制御装置1の全体を制御する。本実施形態では、この制御回路10により実行されるコンピュータプログラムによって、後述するように判定手段および制御手段がソフトウェア的に実現されている。
電圧検出回路12は、電源線3aの電圧である電源電圧(V1)、操作スイッチ9の後段においてコイル5bに入力される電圧である端子電圧(V2)を検出する。検出された電圧値は、電気信号として制御回路10に入力される。なお、電源電圧(V1)および端子電圧(V2)は交流であるので、電圧検出回路12も交流電圧を検出可能であり、本実施形態では交流電源の実効値をそれぞれの電圧値としている。
上記したように操作スイッチ9がユニット本体2から離れた位置に設置されているとき、操作スイッチ9までのケーブルの長さに応じて浮遊容量Cp(図1参照)が生じる。このため、仮に操作スイッチ9の切りスイッチ9bを操作しても、浮遊容量Cpによってコイル5bの端子電圧が釈放電圧を下回らなくなる(あるいは、下回るまでの時間が長くなる)おそれがある。このとき、どの程度の浮遊容量Cpであれば許容できるかは、電圧や周波数によって変化するとともに、電磁継電器5の接点構成やコイル5bの釈放電圧(の標準値)、コイル5bのインピーダンス等にも大きく依存する。
負荷制御装置1の制御回路10は、図2に示す制御処理を実行する。なお、この制御処理は、始動スイッチが操作されて上記したアンサーバック信号が入力された時点以降(つまり、モータ4が始動した以降)に実質的に開始される。
一方、負荷制御装置1は、端子電圧<基準電圧となった場合には(S3:YES)、つまり、切り操作が行われたと判定した場合には、端子電圧が釈放電圧を下回ったか否かを判定する(S4)。なお、制御回路10でステップS3:YESの判定をした直後には、CPUの処理速度にも依存するものの、必ず端子電圧<釈放電圧と判定されてしまうおそれがあることから、ステップS3の処理後に、許容できる程度(例えば、数十〜数百ミリ秒)の応答待ち時間を設定してもよい。
これに対して、負荷制御装置1は、端子電圧<釈放電圧にならなかった場合には(S4:NO)、変数N(最初の段階ではN=1)が直列回路数(本実施形態ではn個の複数)を超えたかを判定する(S6)。このステップS6では、オンすることができる直列回路があるか否かを判定している。
負荷制御装置1は、電源電圧端子電圧を検出する電圧検出手段と、コイル5bに並列に設けられ、コンデンサCと当該コンデンサCに直列に接続されたスイッチSWとからなる直列回路を有するコンデンサスイッチ回路14と、電源電圧が予め定められている基準電圧を下回ったか否か、および端子電圧が釈放電圧を下回ったか否かを判定し、電源電圧が基準電圧を下回ったと判定された状態で端子電圧が釈放状態を下回っていないと判定したときコンデンサスイッチ回路14(より厳密には、各直列回路に設けられているスイッチSW)をオンする制御を行う制御回路10(判定手段、制御手段)と、を備えている。これにより、操作スイッチ9が遠方に設置され、その間をつなぐケーブルに浮遊容量Cpが発生し、さらにはその浮遊容量Cpの大きさが個々の負荷制御装置1において異なるような場合であっても、適切に切り操作を行うことができる等、電磁継電器5の開閉状態を適切に制御することができる。
コンデンサスイッチ回路14には、直列回路が複数設けられており、制御回路10は、判定手段による判定結果に応じて直列回路をオンする数を自動で制御するので、1つのコンデンサCをコイル5bに並列に付加しても釈放電圧まで下がらなかった場合には、次のコンデンサCをさらに並列に付加することができる。これにより、浮遊容量Cpがそれぞれ異なる等の場合であっても、電磁継電器5の開閉状態を制御することができる。
一実施形態で例示した負荷制御装置1は、例えば以下のように変形あるいは拡張することができる。
コンデンサスイッチ回路14を複数の直列回路で構成する場合には、それぞれの直列回路でコンデンサCの容量を異なるようにしてもよい。また、一実施形態ではコンデンサCが同一容量であるためスイッチSWを順次オンしていく処理としたが、容量が異なるコンデンサが複数設けられている場合、容量の大きいものから順にオンしていく、あるいは、容量の小さいものから順にオンしていく処理としてもよい。つまり、直列回路をオンする順番を自動で制御してもよい。この場合、端子電圧のコンデンサCをオンする前後の端子電圧の変化に応じて、複数のスイッチSWを同時にオンする処理としてもよいし、操作スイッチ9までのケーブルのおおよその長さを予め設定/登録しておき、そのケーブルの長さに応じたコンデンサCのスイッチSWを最初にオンする構成としてもよい。
一実施形態のようにコンデンサスイッチ回路14を自動でオフする際、コンデンサスイッチ回路14において複数のスイッチSWをオンしなければ端子電圧が釈放電圧を下回らなかった場合には、各スイッチSWの状態をデータとして記憶回路11等に記憶しておき、次にオンする際にはそのデータに基づいて最初から複数のスイッチSWをオンする構成としてもよい。これにより、端子電圧が釈放電圧を下回るまでの期間をより短くすることができる。この場合、釈放電圧を下回った場合にコンデンサスイッチ回路14を自動でオフするか否かを、オペレータが選択可能にするとよい。あるいは、ユニット本体2の電源がオフされたときにコンデンサスイッチ回路14もオフされる構成としてもよい。
報知手段は、ユニット本体2の操作パネルに設けてもよいが、操作スイッチ9の近傍(同じ視界内)等の操作スイッチ9を操作したオペレータが報知を把握できる位置に設置するとよい。あるいは、ユニット本体2とオペレータが報知を把握できる位置の双方に設けてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1は負荷制御装置、3は母線、3aは電源線3a、4はモータ(負荷)、5は電磁継電器、5aは主回路接点、9は操作スイッチ、10は制御回路(制御手段、判定手段)、12は電圧検出回路(電圧検出手段)、14はコンデンサスイッチ回路、15は報知回路(報知手段)、16はランプ(報知手段)、17はスピーカ(報知手段)、C1〜Cnはコンデンサ、SW1〜SWnはスイッチ、V1は電源電圧、V2は端子電圧を示す。
Claims (4)
- 母線と負荷との間に設けられ、前記負荷への通電経路を閉鎖状態または開放状態に切り替える電磁継電器と、
前記母線と前記電磁継電器のコイルとの間に設けられ、当該コイルへの通電経路を閉鎖状態または開放状態に切り替えるための操作スイッチと、
前記操作スイッチの後段において前記コイルに入力される電圧である端子電圧を検出する電圧検出手段と、
前記コイルに並列に設けられ、コンデンサと当該コンデンサに直列に接続されたスイッチとからなる直列回路を有するコンデンサスイッチ回路と、
前記端子電圧が予め定められている基準電圧を下回ったか否か、および、前記端子電圧が前記コイルの釈放電圧を下回ったか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記端子電圧が前記基準電圧を下回ったと判定された状態で前記端子電圧が前記釈放電圧を下回っていないと判定されたとき、前記コンデンサスイッチ回路をオンする制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする負荷制御装置。 - 前記電圧検出手段は、前記母線の電圧である電源電圧をさらに検出し、
前記判定手段は、前記電源電圧が前記基準電圧を下回ったか否かをさらに判定し、
前記制御手段は、前記判定手段により前記電源電圧が前記基準電圧を下回っていないと判定された状態であって、前記端子電圧が前記基準電圧を下回ったと判定された状態で前記端子電圧が前記釈放電圧を下回っていないと判定されたとき、前記コンデンサスイッチ回路をオンする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の負荷制御装置。 - 前記コンデンサスイッチ回路は、前記直列回路が複数設けられており、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に応じて、複数の前記直列回路のうちオンする直列回路の数および/または複数の前記直列回路のうち前記直列回路をオンする順番を自動で制御することを特徴とする請求項1または2記載の負荷制御装置。 - 前記制御手段により前記コンデンサスイッチ回路がオンされても前記端子電圧が前記コイルの釈放電圧を下回らなかった場合、その旨を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の負荷制御装置。
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