JP6248820B2 - 連携シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計算機システムを用いて、離散系システム及びこれに連携された連続系システムの動作を模擬する連携シミュレーション装置に関するものである。
民生用、産業用を問わず、様々な装置やシステムがマイコンシステムにより制御されるようになっている。例えば、電動機を駆動する電力変換器の主回路をマイコンシステムにより制御する技術が知られており、この種の制御では、例えば、電動機に対する一次角周波数指令から位相角を演算する際のアルゴリズムとして積分が用いられている。
しかし、マイコンシステムでは積分のような連続系アルゴリズムをそのまま表現することができないため、積分をオイラー法等の離散積分アルゴリズムにより近似して実現することが行われている。この場合、時間軸は連続でなくなり、マイコンシステムは離散系システムとなる。
離散積分アルゴリズムには種々のものが存在し、また、オイラー法は計算量が少なくて済むという利点があるため、実時間で高速制御を要求される場合に多く用いられている。このようにオイラー法を用いる場合には、等間隔の時間刻みで計算することが常套的に行われているため、マイコンシステムによる演算を一定周期で行い、その演算結果を用いて連続系システムとしての制御対象(電力変換器及び電動機等)を制御することになる。
ところで、このようなマイコンシステムからなる制御装置を開発するに当たっては、通常、試作品を製作して動作を確認することが行われている。しかし、この方法では、不具合が見つかってこれを修正する場合、その都度、試作品を再度製作することが必要となり、多くの費用や時間がかかるという問題があった。
上記の問題を解決する方法としては、シミュレータを用いて装置を模擬する方法が提案されている。この場合、シミュレータによる模擬対象としては、制御装置のみでなく、その制御対象も含めなければ、十分な動作確認を行うことができない。
そこで、離散系システムである制御装置と連続系システムである制御対象とを含めたシステム全体の模擬技術が必要となり、この種の模擬技術は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
まず、特許文献1には、ソフトウェアのエミュレーションを行うソフトウェアデバッガと機械系の動作を模擬的に実現するシミュレータとを協調(連携)させて動作させる技術が開示されている。
この従来技術では、中間インターフェース部を用いて、ソフトウェアデバッガとシミュレータとを時間同期させつつ協調動作させることにより、ソフトウェアにより制御した機械系の動きをアニメーション等により確認しながらデバッグを実行可能としている。
また、特許文献2には、ソフトウェアや機械系、電気系等の複数のシミュレータを連携させた統括シミュレーションシステムにおいて、各シミュレータ間のシミュレーション時刻を時間管理モジュールによって管理する技術が開示されている。
この従来技術によれば、ソフトウェアシミュレータが機械系、電気系の動作状態をフィードバックする場合等に、各シミュレータの時間軸を同期させる必要性があり、また、シミュレーション速度が遅いシミュレータに合わせて同期をとると、各シミュレータの実行効率が低下し、各シミュレータの機能を低下させることが指摘されており、各シミュレータの実行効率及び機能を確保して互いに同期させることが課題として挙げられている。
更に、特許文献3には、離散系システム及び連続系システムからなるハイブリッドシステムにおいて、各システムの挙動をそれぞれ模擬する連続系シミュレータと離散系シミュレータとの間のデータ通信量を少なくすることにより、両シミュレータを効率良く協調動作させ、シミュレーションの実行効率を向上させる技術が開示されている。
ここで、図6は、特許文献3に記載されたシミュレーション処理のフローチャートであり、離散系シミュレータ及び連続系シミュレータが連携してい実行する処理を時系列的に示したものである。
このシミュレーション処理の概要を説明すると、まず、離散系シミュレータは、現在時刻を初期化してイベント処理を実行した後(ステップSA1,SA2)、次のイベントの処理時刻や使用変数の値などを含む要求メッセージのデータを作成して連続系シミュレータに送信し、連続系シミュレータからの応答メッセージの受信を待つ(SA3〜SA5)。
連続系シミュレータでは、現在時刻を初期化した後に、離散系シミュレータから受信した要求メッセージを解析し(ステップSB1〜SB3)、そのデータに基づき作業表(イベント発生条件式の活性表、離散系モデルの変数表等)を更新してシミュレーションを1ステップ実行し、現在時刻を増加させる(SB4〜SB6)。更に、活性化されたイベント発生条件式を選択して評価する処理を一定条件のもとで繰り返し(SB7〜SB11)、応答メッセージを作成して離散系シミュレータに送信する(SB12,SB13)。
すなわち、イベント発生条件式の評価値が真(SB10 Yes)になるまで現在時刻を1ステップずつ進め、イベント発生時刻までの連続系シミュレータの計算が終わって上記評価値が真になった段階で応答メッセージのデータを作成し(SB12)、離散系シミュレータに応答している(SB13)。
また、離散系シミュレータでは、連続系シミュレータから受信した応答メッセージのデータを解析し(SA5,SA6)、シミュレーションの終了時刻に達するまで、現在時刻の更新及びイベント処理等を実行する(SA7,SA8,SA2〜)。
特開平11−327956号公報(段落[0006]〜[0013]、図1,図2等) 特開2006−350549号公報(段落[0055]〜[0060]、図4,図5等) 特開2010−224894号公報(段落[0073]〜[0083]、図10等)
前述した特許文献1〜3に開示された従来技術によると、オイラー法を用いてマイコンシステムにより一定周期の演算を行う制御装置においては、シミュレータ相互間の同期をとる処理に冗長さが残っており、各シミュレータの機能を十分に発揮させて効率良くシミュレーションを行うためには未だ改良の余地がある。
ここで、図3(c)は、特許文献3における離散系シミュレータ及び連続系シミュレータの連携動作を示す概念図である。図3(c)において、離散系シミュレータ及び連続系シミュレータの動作を示すバーグラフに付記した時間「100μs,160μs,……」は、各シミュレータによる処理開始時刻からの経過時間であり、各シミュレータが100μs周期で図6に示した一連の処理をそれぞれ実行しているものとする。
特許文献3では、図3(c)に示すように、連続系シミュレータが応答メッセージを離散系シミュレータに送信し(ステップSB13)、その後、離散系シミュレータが応答メッセージを受信して(SA5)、所定の処理(SA6〜SA3)を実行してから連続系シミュレータに要求メッセージを送信し(SA4)、この要求メッセージを連続系シミュレータが受信する(SB2)までの間、つまり、上記ステップSB13とSB2との間に待ち時間が発生する。
同様にして、離散系シミュレータにおいても、上記ステップSA4とSA5との間に待ち時間が発生する。
このように一方のシミュレータが他方のシミュレータからメッセージを受信するのを待機する処理方法では無駄な待ち時間が発生するので、シミュレーションの効率を向上させることができない。
そこで、本発明の解決課題は、両シミュレータにおける待ち時間を極力なくしてシミュレーションの効率を向上させた連携シミュレーション装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、周期的に演算処理を行う離散系システムと、前記離散系システムによる演算結果が反映されて状態が連続的に変化する連続系システムと、を備えたシステムの挙動を模擬する連携シミュレーション装置であって、前記離散系システムの演算処理を模擬する模擬処理実行手段を備えた離散系シミュレータと、前記連続系システムの状態を計算により模擬する模擬計算実行手段を備えた連続系シミュレータと、を計算機システムにより構成してなる連携シミュレーション装置において、
前記離散系シミュレータは、
前記模擬処理実行手段による模擬処理結果を一次的に保存する処理結果保存手段と、
前記模擬計算実行手段による模擬計算結果を取得可能な時刻であるか否かを判定する計算結果取得可否判定手段と、
前記計算結果取得可否判定手段による判定結果を参照して、前記模擬処理を行う時刻及び前記模擬処理結果を保存する時刻を管理する離散系模擬時刻管理手段と、を備え、
前記連続系シミュレータは、
前記模擬計算実行手段による模擬計算結果を一次的に保存する計算結果保存手段と、
前記模擬処理実行手段による模擬処理結果を供給可能な時刻であるか否かを判定する供給時刻判定手段と、
前記供給時刻判定手段による判定結果を参照して、前記模擬計算を行う時刻及び前記模擬計算結果を保存する時刻を管理する連続系模擬時刻管理手段と、を備え、
前記計算結果取得可否判定手段は、前記連続系模擬時刻管理手段を参照して前記模擬計算実行手段がどの時刻までの計算を終了しているかを示す情報から取得可能な前記模擬計算結果を判定し、
前記模擬処理実行手段は、現在時刻が前記模擬計算結果を必要とする時刻か否かに応じて、前記模擬計算結果を用いなければ模擬処理を実行できなくなる時刻まで、前記計算結果取得可否判定手段による判定結果に基づき取得可能となった前記模擬計算結果を前記計算結果保存手段から読み出して、前記離散系模擬時刻管理手段により管理された時刻に従って模擬処理を所定の周期で実行し、
前記模擬計算実行手段は、現在時刻が前記模擬処理結果を必要とする時刻か否かに応じて、前記模擬処理結果を用いなければ模擬計算を実行できなくなる時刻まで、前記供給時刻判定手段による判定結果に基づき取得可能となった前記模擬処理結果を前記処理結果保存手段から読み出して、前記連続系模擬時刻管理手段により管理された時刻に従って模擬計算を所定の周期で実行し、
前記離散系シミュレータと前記連続系シミュレータとは時刻同期を行わずに、前記模擬処理実行手段による模擬処理と前記模擬計算実行手段による模擬計算とをそれぞれ独立して実行するものである。
求項2に係る発明は、請求項1に記載した連携シミュレーション装置において、前記離散系シミュレータが、制御装置として機能するマイコンシステムの処理動作を模擬するためのシミュレータであり、かつ、前記連続系シミュレータが、前記マイコンシステムにより電気系、機械系が制御される制御対象の動作を模擬するためのシミュレータであることを特徴とする。
本発明によれば、離散系シミュレータと連続系シミュレータとの間で時刻同期をとるためにデータを送受信するタイミングで処理や計算を停止することなく、それぞれの模擬動作を実行するため、従来よりも実質的に短時間で効率的にシステムの挙動を模擬することが可能である。これにより、システム全体の動作の確認を容易にして制御システム等の開発効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る連携シミュレーション装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る連携シミュレーション装置を実現する計算機システムの構成図である。 (a)は模擬対象の実際の動作状態を時間軸に沿って示した概念図、(b)は本発明の実施形態におけるシミュレータ間の連携動作を示す概念図、(c)は特許文献3におけるシミュレータ間の連携動作を示す概念図である。 本発明の実施形態における離散系模擬時刻管理手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における連続系模擬時刻管理手段の動作を示すフローチャートである。 特許文献3に記載された従来技術の処理を示すフローチャートである。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る連携シミュレーション装置100の構成を示している。この連携シミュレーション装置100は、例えば制御装置として機能するマイコンシステム(離散系システム)の処理動作を模擬するための離散系シミュレータ110と、マイコンシステムにより電気系、機械系が制御される電力変換器や電動機等の制御対象(連続系システム)の動作を模擬するための連続系シミュレータ120と、によって構成されている。
離散系シミュレータ110は、状態取得手段111,模擬処理実行手段112,処理結果保存手段113,処理結果供給手段114,計算結果取得可否判定手段115及び離散系模擬時刻管理手段116からなり、連続系シミュレータ120は、模擬計算実行手段122,計算結果(状態)保存手段123,供給時刻判定手段125及び連続系模擬時刻管理手段126からなる。
なお、離散系シミュレータや連続系シミュレータは、図示するように各一つに限定されるものではなく、例えば一つの離散系シミュレータに対して複数の連続系シミュレータを連携させても良い。
この連携シミュレーション装置100は、図2に示すような汎用的な計算機システムにより所定のプログラムを実行することにより実現可能である。図2において、101はCPU等からなる演算装置、102はプログラム及びデータが記憶されるROM,RAM等の主記憶装置、103はディスプレイ装置、104はハードディスク等の補助記憶装置、105はキーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置、106はシステムバスである。
次に、離散系シミュレータ110及び連続系シミュレータ120を構成する各手段の機能について説明する。
まず、連続系シミュレータ120の模擬計算実行手段122は、制御対象に供給される電圧、電流や制御対象の速度、温度等の所定の物理量を用いた模擬計算を所定の周期で実行し、その計算結果は、計算が終了する都度、計算結果(状態)保存手段123に逐次保存される。これらの計算及び保存のタイミングは、連続系模擬時刻管理手段126が管理している。
模擬計算実行手段122による模擬計算は、計算終了後にその計算結果が離散系シミュレータ110によって直ちに利用されるか否かに関係なく、処理結果供給手段114を介して離散系シミュレータ110による処理結果を用いなければ模擬計算が実行できなくなる時刻まで実行される。この模擬計算を実行できなくなる時刻は、模擬計算実行手段122が、供給時刻判定手段125を参照することで取得可能であるが、連続系シミュレータ120の動作は周期的である。このため、離散系シミュレータ110の処理結果を用いなければ模擬計算を実行できなくなる時刻も周期的であり、供給時刻判定手段125は連続系シミュレータ120の計算結果を参照しなくても当該時刻が到来したことを判定可能である。
連続系シミュレータ120が、模擬計算実行手段122による計算結果を計算結果(状態)保存手段123に逐次保存することにより、離散系シミュレータ110は任意の時刻に計算結果(状態)保存手段123から計算結果を取得することができる。従って、連続系シミュレータ120側の模擬計算を停止することなく、離散系シミュレータ110は、上記計算結果を用いて模擬処理を進めることが可能となる。すなわち、離散系シミュレータ110側では、連続系シミュレータ120による模擬計算が終了するまでの「待ち時間」が生じるのを防止することができる。
一方、離散系シミュレータ110では、模擬処理実行手段112が、状態取得手段111により取得した連続系シミュレータ120の計算結果を用いて所定の周期で模擬処理を行う。その処理結果は、模擬処理が終了する都度、処理結果保存手段113に逐次保存される。これらの模擬処理及び保存のタイミングは、離散系模擬時刻管理手段116が管理している。
模擬処理実行手段112による模擬処理は、処理終了後にその処理結果が連続系シミュレータ120によって直ちに参照されるか否かに関係なく、状態取得手段111を介して連続系シミュレータ120による計算結果を用いなければ模擬処理を実行できなくなる時刻まで実行される。模擬処理を実行できなくなる時刻は、計算結果取得可否判定手段115を参照して取得することが可能であるが、離散系シミュレータ110の動作は周期的であるため、模擬処理を実行できなくなる時刻も周期的であり、連続系シミュレータ120の計算結果を参照しなくても当該時刻が到来したことを判定可能である。
離散系シミュレータ110が、模擬処理実行手段112による処理結果を処理結果保存手段113に逐次保存することにより、連続系シミュレータ120は、任意の時刻に処理結果保存手段113から処理結果供給手段114を介して処理結果を取得することができる。従って、離散系シミュレータ110側の模擬処理を停止することなく、上記処理結果を用いて連続系シミュレータ120の計算を進めることが可能となる。また、連続系シミュレータ120側では、離散系シミュレータ110による模擬処理が終了するまでの「待ち時間」が生じるのを防止することができる。
上記のように、本実施形態では、計算結果(状態)保存手段123や処理結果保存手段113に計算結果や処理結果を逐次保存している。このため、各シミュレータ110,120が相手方の計算結果や処理結果を用いなければ自己の処理や計算を行えない場合を除いて、模擬計算や模擬処理をそれぞれ独立して実行することができ、連続系シミュレータ120と離散系シミュレータ110との間で時刻同期をとる必要もない。
ここで、図3(a)は連携シミュレーション装置100が模擬する離散系システム及び連続系システムの実際の動作状態を時間軸に沿って示した概念図である。
前述したように、離散系システムとしては、例えば制御装置を構成するマイコンシステムを想定し、連続系システムとしては、マイコンシステムにより制御される電力変換器とその駆動電動機を想定している。
図3(a)において、連続系システムでは、電圧、電流、速度、温度等が変化する現象が連続的に進行するため、時間軸上では、システムの振る舞いを連続的なバーグラフで表現している。
一方、離散系システムとしてのマイコンシステムは、各種の処理が所定のインターバルをおいて一定周期で実行される。すなわち、ある時点で処理が開始され、例えば100μs経過後に連続系システムの状態を取得すると共にその状態に基づいて処理を実行し、160μsの時点で処理結果を連続系システムに送り、その処理結果によって連続系システムの振る舞いに影響を及ぼす、というような動作を繰り返す。
なお、離散系システムが連続系システムの状態を取得する処理としては、連続系システムがセンサにより検出した各種の物理量(例えば、電圧や電流、温度等)を取得し、これをA/D変換してメモリに格納する処理等がある。また、離散系システムによる処理結果を連続系システムに出力してその振る舞いに影響を及ぼす処理としては、マイコンによる演算結果に基づき、ポート出力やパルス幅変調(PWM:Pulse width modulation)タイマにより、ディジタル電圧値を出力して端子をON/OFFさせ、あるいはディジタル電圧値をアナログ電圧値に変換して出力する処理がある。更には、信号の出力先に接続されたアクチュエータを動作させて各種の機械を制御し、連続系システムとしての電気系、機械系システムの動作に反映させる処理等が考えられる。
図3(b)は、本発明の実施形態に係るシミュレータ110,120間の連携動作の一例を示しており、離散系シミュレータ110による模擬処理や連続系シミュレータ120による模擬計算を実時間でどのように進めるかを示した概念図である。
前述したごとく、図3(c)に示す特許文献3の処理方法では、連続系シミュレータ側においてステップSB13とSB2との間に待ち時間が発生し、離散系シミュレータ側においても、ステップSA4とSA5との間に待ち時間が発生する。
これに対し、本実施形態では、離散系シミュレータ110及び連続系シミュレータ120が、相手方のシミュレータによる計算結果や処理結果が自己の処理に必要不可欠な場合を除いて、相手方のシミュレータの状態に関わりなく、自己の計算結果や処理結果をその都度、保存手段113,123にそれぞれ保存し、相手方のシミュレータによる利用を可能にしている。このため、特許文献3のような「待ち時間」は発生せず、各シミュレータ110,120はそれぞれ連続的に模擬処理または模擬計算を行うことができ、何れのシミュレータ110,120においても時間を浪費せずに効率的に模擬動作を行うことができる。
特に、この種のシミュレータのハードウェアは、マルチプロセッサ等の複数の演算手段を備えているのが一般的であり、図3(b)では複数の演算手段による同時処理が必要であるが、図3(c)に示したような待ち時間がない分、500μsの時刻の状態を計算するのに要する時間は短くなっており、短時間で所望の結果を得ることが可能である。
次に、図4は、図1における離散系模擬時刻管理手段116の動作を示すフローチャートである。
離散系模擬時刻管理手段116は、まず、計算結果取得可否判定手段115による判定結果を参照し、連続系シミュレータ120による計算結果の取得が可能か否かを判定する(ステップS401)。判定の結果、可能でない場合には一定時間待機した後、上記の判定を再度行うようにしてポーリングを行う(ステップS401 NO,S402)。そして、計算結果の取得が可能になったら、模擬処理実行手段112に実際の模擬処理を1ステップ行うように指令を送り、模擬処理を実行する(ステップS401 YES,S403)。
なお、計算結果取得可否判定手段115は、判定を行うに当たり、連続系模擬時刻管理手段126を参照して、連続系シミュレータ120がどの時刻までの計算を終えているかの情報を取得し、離散系シミュレータ110が必要とする時刻の計算を終えていれば、連続系シミュレータ120による計算結果を取得可能と判定する。また、ステップS401において計算結果を取得可能と判断したら、連続系の状態を必要とする時刻を計算結果取得可否判定手段115により更新する。例えば、離散系シミュレータ110による模擬処理がΔtの周期で実行されている場合には、連続系の状態を必要とする時刻をΔtだけ進める。
図4のステップS403で模擬処理を1ステップ実行した後、シミュレーションの終了時刻に達しているか否かを判定し(ステップS404)、達していたらシミュレーションを終了させる(ステップS404 YES)。終了時刻に達していない場合には(ステップS404 NO)、計算結果取得可否判定手段115を参照し、現在時刻が、更新済みの連続系の状態を必要とする時刻に達しているか否かを判定する(ステップS405)。この判定の結果、当該時刻に達していない場合には模擬処理を再度実行し(ステップS405 NO,S403)。当該時刻に達した場合には(ステップS405 YES)、ステップS401の処理に移行する。
図5は、図1における連続系模擬時刻管理手段126の動作を示すフローチャートであり、上述した離散系模擬時刻管理手段116の動作とほぼ同様である。
連続系模擬時刻管理手段126は、まず、供給時刻判定手段125の判定結果を参照し、計算結果の供給先である離散系シミュレータ110が模擬処理済みであるか否かを判定する(ステップS501)。判定の結果、処理済みでない場合には一定時間待機した後、上記の判定を再度行うようにしてポーリングを行う(ステップS501 NO,S502)。そして、処理済みになったら、模擬計算実行手段122に実際の模擬計算を1ステップ行わせるように指令を送り、模擬計算を実行する(ステップS501 YES,S503)。
なお、供給時刻判定手段125は、判定を行うに当たり、離散系模擬時刻管理手段116を参照して、離散系シミュレータ110がどの時刻までの処理を終えているかの情報を取得し、必要とする時刻の処理を離散系シミュレータ110が終えていれば、離散系シミュレータ110による処理結果を取得可能と判定する。また、ステップS501において処理済みと判断したら、離散系の処理結果を必要とする時刻を供給時刻判定手段125により更新する。
ステップS503で模擬計算を1ステップ実行した後、シミュレーションの終了時刻に達しているか否かを判定し(ステップS504)、達していたらシミュレーションを終了させる(ステップS504 YES)。終了時刻に達していない場合には(ステップS504 NO)、供給時刻判定手段125を参照し、現在時刻が、更新済みの離散系の処理結果の供給を必要とする時刻に達しているか否かを判定する(ステップS505)。この判定の結果、当該時刻に達していない場合には模擬計算を再度実行し(ステップS505 NO,S503)、当該時刻に達している場合には(ステップS505 YES)、ステップS501の処理に移行する。
なお、図4のステップS403により行う模擬処理、または図5のステップS503により行う模擬計算の1ステップは、等間隔刻みの1ステップであっても良いが、特に連続系においては、微分方程式を収束させ、あるいは効率よく計算を進めるために、可変時間刻みの1ステップであっても良い。
100 連携シミュレーション装置
101 演算装置
102 主記憶装置
103 ディスプレイ装置
104 補助記憶装置
105 入力装置
106 システムバス
110 離散系シミュレータ
111 状態取得手段
112 模擬処理実行手段
113 処理結果保存手段
114 処理結果供給手段
115 計算結果取得可否判定手段
116 離散系模擬時刻管理手段
120 連続系シミュレータ
122 模擬計算実行手段
123 計算結果(状態)保存手段
125 供給時刻判定手段
126 連続系模擬時刻管理手段

Claims (2)

  1. 周期的に演算処理を行う離散系システムと、前記離散系システムによる演算結果が反映されて状態が連続的に変化する連続系システムと、を備えたシステムの挙動を模擬する連携シミュレーション装置であって、前記離散系システムの演算処理を模擬する模擬処理実行手段を備えた離散系シミュレータと、前記連続系システムの状態を計算により模擬する模擬計算実行手段を備えた連続系シミュレータと、を計算機システムにより構成してなる連携シミュレーション装置において、
    前記離散系シミュレータは、
    前記模擬処理実行手段による模擬処理結果を一次的に保存する処理結果保存手段と、
    前記模擬計算実行手段による模擬計算結果を取得可能な時刻であるか否かを判定する計算結果取得可否判定手段と、
    前記計算結果取得可否判定手段による判定結果を参照して、前記模擬処理を行う時刻及び前記模擬処理結果を保存する時刻を管理する離散系模擬時刻管理手段と、を備え、
    前記連続系シミュレータは、
    前記模擬計算実行手段による模擬計算結果を一次的に保存する計算結果保存手段と、
    前記模擬処理実行手段による模擬処理結果を供給可能な時刻であるか否かを判定する供給時刻判定手段と、
    前記供給時刻判定手段による判定結果を参照して、前記模擬計算を行う時刻及び前記模擬計算結果を保存する時刻を管理する連続系模擬時刻管理手段と、を備え、
    前記計算結果取得可否判定手段は、前記連続系模擬時刻管理手段を参照して前記模擬計算実行手段がどの時刻までの計算を終了しているかを示す情報から取得可能な前記模擬計算結果を判定し、
    前記模擬処理実行手段は、現在時刻が前記模擬計算結果を必要とする時刻か否かに応じて、前記模擬計算結果を用いなければ模擬処理を実行できなくなる時刻まで、前記計算結果取得可否判定手段による判定結果に基づき取得可能となった前記模擬計算結果を前記計算結果保存手段から読み出して、前記離散系模擬時刻管理手段により管理された時刻に従って模擬処理を所定の周期で実行し、
    前記模擬計算実行手段は、現在時刻が前記模擬処理結果を必要とする時刻か否かに応じて、前記模擬処理結果を用いなければ模擬計算を実行できなくなる時刻まで、前記供給時刻判定手段による判定結果に基づき取得可能となった前記模擬処理結果を前記処理結果保存手段から読み出して、前記連続系模擬時刻管理手段により管理された時刻に従って模擬計算を所定の周期で実行し、
    前記離散系シミュレータと前記連続系シミュレータとは時刻同期を行わずに、前記模擬処理実行手段による模擬処理と前記模擬計算実行手段による模擬計算とをそれぞれ独立して実行することを特徴とする連携シミュレーション装置。
  2. 請求項1に記載した連携シミュレーション装置において、
    前記離散系シミュレータが、制御装置として機能するマイコンシステムの処理動作を模擬するためのシミュレータであり、かつ、前記連続系シミュレータが、前記マイコンシステムにより電気系、機械系が制御される制御対象の動作を模擬するためのシミュレータであることを特徴とする連携シミュレーション装置。
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