JP6248669B2 - 太陽電池モジュール用の封止材シート - Google Patents

太陽電池モジュール用の封止材シート Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池モジュール用の封止材シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発されている。一般に、太陽電池モジュールは、透明前面基板と太陽電池素子と裏面保護シートとが、封止材シートを介して積層された構成である。
太陽電池モジュール内に充填され、太陽電池素子を外部衝撃から保護し、又、太陽電池モジュール内への水分の侵出を防止するために使用される封止材シートとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)が最も一般的なものとして使用されてきた。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。この問題を解決するものとして、EVA樹脂に代えてポリエチレン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用の封止材シートが提案されている(特許文献1参照)。
ポリエチレン系の封止材シートとしては、例えば、アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂による封止材も知られている。又、このような変性エチレン系樹脂に架橋剤を配合して、モジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋した封止材シートが知られている(特許文献2参照)。このようなポリエチレン系の封止材シートは、EVA樹脂の封止材と同等以上の耐候性、耐久性を備えるものとして、太陽電池モジュール用の封止材シートとして好ましく用いることができる。
一方、太陽電池モジュール用の封止材シートには、太陽電池モジュール内において上下に積層される他の部材との高い密着性も要求される。特に、喫緊の課題として、近年、需要が増大しつつあるバックコンタクト型の太陽電池素子を搭載するモジュールにおいて、封止材シートと集電シートの金属配線部との間における、封止材シートの金属密着性の向上が強く求められるようになっている。集電シートは、その樹脂基材上の多くの部分が銅箔等の金属箔で覆われている構成となっており、上記太陽電池モジュールにおいては、その構造上、封止材シートの金属密着性向上が必須の課題となっている。
封止材シートの金属密着性を向上させるための手段としては、まず、材料樹脂の流動性を高めることにより、その濡れ性を高める手段が考えられる。しかしながら、流動性と耐熱性はトレードオフの関係にあり、必要な耐熱性を保持したまま、流動性の調整のみで十分に高い金属密着性を有する封止材シートとすることは極めて困難である。
封止材シートの金属密着性を向上させるための他の手段として、金属密着成分として特定の密着成分を添加して化学結合による密着性向上を実現した封止材シートも提案されている(特許文献3参照)。
特開2002−235048号公報 国際公開2011/152314号公報 特開2012−195661号公報
上記の通り、ポリエチレン系の封止材シートにおいては、太陽電池モジュール用途のシートとして求められる耐熱性と金属密着性とは、一般的にはトレードオフの関係にあり、両物性を高い水準で両立させることは極めて困難であった。
特許文献3の封止材シートによれば、金属密着性の向上は可能であるが、金属密着成分の結合反応が封止材組成物の押出し成形時にも進行することによって、当該組成物が押出しスクリューに密着して生産性を低下させてしまう場合があるという問題があった。
太陽電池モジュール用の封止材シートに望まれる高い耐熱性を保持したまま、同時に、優れた金属密着性を有し、更には、生産性についても良好な、太陽電池モジュール用の封止材シートが求められていた。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、水蒸気バリアに優れるポリエチレン系の封止材シートであって、耐熱性と、金属密着性を高い水準で兼ね備える太陽電池モジュール用の封止材シートを、良好な生産性の下で提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、太陽電池モジュール用の封止材シートを、中間層と、金属部分との密着面となる最外層と、からなる多層構造とし、各層の厚さと各層のトルク値との組合せを独自の範囲に最適化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層と、密度0.870g/cm以上0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層と、を含む複数の層によって構成され、総厚さが300μm以上1000μm以下である多層の封止材シートであって、前記中間層は、前記総厚さに対する厚さ比が、0.6以上0.94以下であって、下記測定条件でのトルク値が、0.11N・m以上であり、前記最外層は、各単独の最外層の厚さの前記総厚さに対する厚さ比が、0.03以上0.2以下の範囲であって、前記トルク値が、0.11N・m未満である太陽電池モジュール用の封止材シート。
[トルク値の測定条件]
トルク値は、JIS K6300−2に準拠し、キュラストメーターを用いて、温度150℃、ねじり振動数100±6回/分の条件で測定する。
(2) 前記中間層の厚さが180μm以上であって、前記最外層の厚さが140μm以下である(1)に記載の封止材シート。
(3) 前記ポリエチレン系樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである(1)又は(2)に記載の封止材シート。
(4) 前記ポリエチレン系樹脂がα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなる共重合体を含有する(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シート。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の封止材シートの製造方法であって、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層用組成物を溶融成形してなる中間層と、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層用組成物を溶融成形してなる最外層と、を積層して未架橋の多層シートを成形するシート化工程と、前記未架橋の多層シートに電離放射線の照射による架橋処理を行う架橋工程と、を備え、前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.5質量%未満であって、前記最外層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.02質量%未満である封止材シートの製造方法。
(6) 前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0.02質量%以上0.5質量%未満である(5)に記載の封止材シートの製造方法。
(7) (1)から(4)のいずれかに記載の封止材シートの製造方法であって、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層用組成物を溶融成形してなる中間層と、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層用組成物を溶融成形してなる最外層と、を積層して予備多層シートを成形するシート化工程を備え、前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0.02質量%以上0.5質量%未満であって、前記最外層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.02質量%未満である封止材シートの製造方法。
(8) (1)から(4)のいずれかに記載の封止材シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、前記封止材シートの最外層が、前記太陽電池モジュールを構成する他の部材の金属部分と対面するように配置されている太陽電池モジュール。
(9) 前記太陽電池素子がバックコンタクト型の太陽電池素子であり、樹脂基材の表面に金属配線部が形成された集電シートを更に備え、前記封止材シートの最外層が、前記集電シートの金属配線部と対面するように配置されている(8)に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、水蒸気バリア性等に優れるポリエチレン系の封止材シートであって、耐熱性と、金属密着性を高い水準で兼ね備える太陽電池モジュール用の封止材シートを、良好な生産性の下で提供することができる。
本発明の封止材シートの層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の封止材シートと、バックコンタクト型の太陽電池素子を積層した太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、先ず、本発明の太陽電池モジュール用の封止材シートを製造するための封止材組成物について説明し、以後、本発明の太陽電池モジュール用の封止材シート、及び、本発明の太陽電池モジュールの順に、その詳細を説明する。
<封止材組成物>
本発明の封止材組成物としては、ポリエチレン系樹脂をベースとする樹脂組成物を用いる。本発明の封止材シートの製造においては、多層の封止材シートの中間層、或いは、最外層の各層を成形するために、各層毎に最適な組成物を使い分けることが好ましい。具体的には、各層用の封止材組成物を、成形後の封止材シートの上記各層のトルク値を、各層毎にそれぞれ異なる本発明独自の最適トルク値範囲に調整することができる範囲で、各層用の封止材組成物を適宜選択すればよい。尚、本発明独自の最適トルク値とは、具体的には、上述の通り、封止材シート各層のトルク値について、中間層のトルク値は0.11N・m以上、最外層のトルク値は、0.11N・m未満である。
尚、封止材シートのトルク値を、上記範囲に最適化するための手段としては、封止材組成物の選択から溶融押出し時までの組成物段階での調整手段と、シート成形後の架橋処理段階での調整手段とを挙げることができる。前者の好ましい具体例としては、特許文献2に記載されている方法、即ち、封止材組成物への適量の架橋剤の添加による弱架橋処理によって、トルク値を所望の範囲に調整する方法を挙げることができる。又、後者の好ましい具体例としては、特開2013−115212号公報に記載されている方法、即ち、封止材シート成形後に電離放射線による架橋処理によってトルク値を所望の範囲に調整する方法を挙げることができる。これらのトルク値の調整方法の詳細については後述する。
[中間層用組成物]
中間層用組成物は、多層の封止材シートである本発明の封止材シートの中間層を成形するために用いる封止材組成物である。尚、本明細書において、多層の封止材シートとは、封止材シートの少なくともいずれか一方の最表面側に成形される層である最外層と、最外層以外の層である中間層と、からなる2層以上の複数層構造を有する封止材シートのことを言う。中間層とは、最外層以外の層のことを言い、単層構造であってもよく、或いは、中間層それ自体が複数の層からなる多層構造を有するものであってもよい。
中間層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を好ましく用いることができる。中でも、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であるLLDPEは、シート加工性を維持しつつ封止材シートに良好な柔軟性を備えさせることができる。
中間層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、0.870以上0.940g/cm以下、好ましくは、0.870以上0.930g/cm以下である。この中間層用組成物のベース樹脂の密度は、最外層用組成物のベース樹脂と、同じであるか、或いは、最外層用組成物のベース樹脂よりも高密度であることが好ましい。
又、中間層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂は、製膜性を良好に保つ観点から、JIS7210に準じて測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値(本明細書における「MFR」とは、この値のことを言う。)が、0.5g/10min以上30.0g/10min以下の範囲であることが好ましく、1.0g/10min以上15.0g/10min以下であることがより好ましい。
尚、封止材シートの各層のトルク値は、例えば、MFRと架橋反応の進行度の組合せを調整することによって最適化が可能である。架橋反応は、具体的には、架橋剤による反応、紫外線又は電離放射線による架橋反応が考えられる。又、中間層用組成物のベース樹脂として、上記の製膜上好ましいMFR範囲内において、最外層用組成物のベース樹脂よりもMFRが低い樹脂を用いることによって、例えば、各層に同等の強度で電離放射線による架橋処理を行った場合において、各層のトルク値を、上述のそれぞれの最適範囲に調整することができる。或いは、各層毎に架橋剤又は架橋助剤の添加量に傾斜をつけることによっても、各層毎のトルク値の最適化は可能である。
このように、封止材シートのトルク値は、封止材組成物の物性や、架橋処理時の処理条件のいずれか一つの要素によって一義的に決まるものではなく、製造を実施する製造設備等の現実的条件に応じて、上記の諸物性や諸条件を任意に組合せて調整することが可能である。よって、そのような任意の物性や条件の調整によって、最終的なトルク値を本願規定の上記範囲に調整したものであれば、組成物段階での封止材組成物のMFRや、他の添加剤の含有量等の諸物性、或いは架橋条件等が必ずしも上記範囲のものでなくても本発明の範囲内である。又、そのような各種の調整手段により、封止材シートの中間層のトルク値については、0.11N・m以上とすることが可能であり、これにより、封止材シートに十分な耐熱性を付与することができる。
中間層用組成物に含まれる上記ベース樹脂の含有量は、組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上99質量部以下、より好ましくは50質量部以上99質量部以下であり、更に好ましくは90質量部以上99質量部以下である。上記の組成範囲内において他の樹脂を含んでいてもよい。尚、本明細書において全樹脂成分という場合は、上記の他の樹脂を含む。
[最外層用組成物]
最外層用組成物は、多層の封止材シートである本発明の封止材シートの最外層を成形するために用いる封止材組成物である。本明細書における最外層の定義については上述の通りである。
最外層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂としては、中間層用組成物のベース樹脂と同様、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を適宜好ましく用いることができる。中でも、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものであるM−LLDPEは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一であるため、分子量分布が狭く、以下に詳述する通りの超低密度にすることが容易であり、封止材シートの最外層に対して好ましい柔軟性を付与することができる。その結果、太陽電池モジュールにおいて封止材シートと積層される他部材との密着性を高めることができる。
最外層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、0.870以上0.940g/cm以下、好ましくは、0.870以上0.930g/cm以下である。この最外層用組成物のベース樹脂の密度は、中間層用組成物のベース樹脂と、同じであるか、或いは、中間層用組成物のベース樹脂よりも低密度であることが好ましい。
又、最外層用組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂は、中間層用組成物のベース樹脂と同様に、製膜性を良好に保つ観点から、JIS7210に準じて測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値が、0.5g/10min以上30.0g/10min以下の範囲であることが好ましく、1.0g/10min以上15.0g/10min以下であることがより好ましい。
封止材シートの最外層用のトルク値を0.11N・m未満とするための組成物や処理条件の選択については、中間層の場合と同様であり、MFRと架橋反応の進行度の組合せを調整することによって最適化が可能である。そのようにして、封止材シートの最外層のトルク値については、0.11N・m未満とすることが可能であり、これにより、シートとして必要とされるラミネート時の流動性や太陽電池素子の保護性能を保持しながら、封止材に十分なモールディング特性を付与することができる。
最外層用組成物に含まれる上記ベース樹脂の含有量は、上述の中間層用組成物の場合と同一量比である。そして、上記組成範囲内において、同様に他の樹脂を含んでいてもよい。
(シラン変性ポリエチレン系樹脂)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有させることができる。但し、封止材シートと他部材との密着性を効率よく高めるためには、他部材との密着面となる最外層への重点的な同樹脂の添加がとりわけ好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなる。これにより、封止材シートの他部材への密着性を向上させることができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
LLDPE等とグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、封止材組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、例えば、0.001〜15質量部、好ましくは、0.01〜5質量部、特に好ましくは、0.05〜2質量部となるように適宜調整すればよい。本発明において、エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
(架橋剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、架橋剤を含有させることができる。架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
架橋剤を封止材組成物に含有させる場合、その含有量は、封止材シートの製造方法に応じて適宜調整すればよい。尚、架橋剤の含有量の最適範囲は、封止材シートの製造におけるトルク値の最適化手段の選択によって異なる範囲となる。
例えば、特開2013−115212号公報に記載されている方法、即ち、封止材シート成形後に電離放射線による架橋処理によってトルク値を所望の範囲に調整する方法によって封止材シートを製造する場合には、架橋剤の添加は必須ではなく、その封止材組成物中の含有量は、封止材組成物の全樹脂成分に対する含有量が0質量%以上0.5質量%未満であり、好ましくは0.02質量%以上0.5質量%以下の範囲である。0.02質量%以上の架橋剤を添加することにより、本発明の封止材シートに用いるポリエチレン系樹脂により好ましい耐熱性を付与し、同時にトルク値を所望の範囲に調整することができる。
一方、例えば、特許文献2に記載の通り、成形中に、押出し装置に過度な負担を及ぼさない程度のごく弱い架橋反応(弱架橋)を進行させることによって耐熱性を付与する製造方法によって封止材シートを製造する場合には、封止材組成物の全樹脂成分に対して、0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を添加することにより、本発明の封止材シートに用いるポリエチレン系樹脂に好ましい耐熱性を付与し、同時にトルク値を所望の範囲に調整することができる。一方、架橋剤の添加量が0.5質量%を超えると、成形中にゲルが発生する等して製膜性が低下し、透明性も低下するため好ましくない。
(架橋助剤)
本発明においては架橋助剤として、炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーを用いることができる。架橋助剤としてより好ましくは、多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基であるものが用いられる。このような架橋助剤の添加により、低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ、低温柔軟性に優れる架橋済みの封止材シートを得ることができる。
ただし、上記の弱架橋反応によるトルク調整を行う場合においては、架橋助剤は使用しないことが好ましい。尚、架橋効果を示さない程度の微量が含有されている場合については、この限りではない。架橋効果を示さない程度の微量とは、具体的には、組成物中に0.01質量%未満である。
架橋助剤を用いる場合、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。これらは単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
上記のなかでも、ガラス面との密着性向上の効果が特に高く、又、低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、耐熱性の向上が期待できるトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを特に好ましく使用できる。架橋助剤の含有量としては、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上2.0質量部以下の範囲である。
(密着性向上剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、密着性向上剤を添加することにより、更に、他基材との密着耐久性を高めることができる。密着性向上剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤等を好ましく用いることができる。尚、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。
密着性向上剤として、シランカップリング剤を添加する場合、その含有量は、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下であり、上限は好ましくは5.0質量部以下、以下である。シランカップリング剤の含有量が上記範囲にあり、且つ、封止材組成物を構成するポリオレフィン系の樹脂に適量のエチレン性不飽和シラン化合物の含量されているときには、密着性がより好ましい範囲へと向上する。
但し、上記範囲内であっても、密着性向上剤の添加は封止材シートの物性に悪影響を及ぼす場合がある。具体的には、シランカップリング剤が経時により凝集固化し封止材シート表面で粉化する、所謂ブリードアウトが発生する場合である。又、製膜条件によっては、シランカップリング剤の添加に起因する反応が、製膜中に過剰に進行して、封止材組成物が押出し機の搬出スクリューへ密着して生産性を低下させてしまう場合もある。
本発明の封止材シートは、必ずしも密着性向上剤の添加を必須とはしておらず、各層毎の厚さとトルク値の組合せの最適化によって必要な密着性を担保している。よって、生産性低下等の上記リスクを負ってまで過剰な密着性向上剤を添加する必要はない。密着性向上剤無添加、或いは、通常より少量の添加によっても、他部材への十分な密着性、特に優れた金属密着性を発揮するものとすることができる。
(ラジカル吸収剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物において、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を更に微細に調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の使用量は、封止材組成物の全樹脂成分に対して0.01質量%以上3質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲である。
(その他の成分)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材組成物の組合せセットを用いて製造された封止材シートに耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれの封止材組成物の全樹脂成分に対して0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材シートに対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、封止材シートに良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明にベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂でもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
尚、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<封止材シート>
本発明の封止材シートは、中間層と、中間層のいずれか一方、好ましくは両方の最外面に配置される最外層と、を含む複数の層によって構成される多層の封止材である。そして、本発明の封止材シートは、封止材シートの総厚さと、中間層と各単独の最外層の厚さの総厚さに対する厚さ比、及び、各層のトルク値に着目して、それらの組合せを最適化することによってのみ得られるものである。本明細書において「各単独の最外層の厚さ」とは、上記の両方の最外面に配置される計2層の最外層のうちの1層の単層の厚さのことを言い、最外層が中間層の片面のみに形成されている場合には、当該片面に形成されている最外層の単層の厚さのことを言う。以下、本発明の好ましい一実施形態として、図1を参照しながら、単層である中間層の上下に各1層計2層の単層の最外層を含む3層構造の封止材シート1について説明する。本明細書における但し、本発明はこの実施形態に限られるものではない。
[トルク値の測定条件]
ここで、本明細書におけるトルク値とは、JIS K6300−2に準拠し、キュラストメーターを用いて、温度150℃、ねじり振動数100±6回/分の条件で測定した値のことを言う。本発明の封止材シートは、このトルク値を、その中間層と最外層において、それぞれ異なる範囲内に最適化したものである。
封止材シート1は、中間層11を有し、中間層11の両面に最外層12が配置されている。但し、例えば、中間層の片面のみに最外層が配置されている2層構造の封止材や、中間層が多層構造を有し当該中間層内にその他の機能層が配置されている封止材シートであっても、本発明の構成要件を備える中間層と最外層を備え、且つ、本発明のその他の構成要件を備える封止材シートである限り本発明の範囲内である。
中間層11は、封止材シート1において、基板層として主たる部分を構成する層である。中間層11は、架橋度の調整等により、そのトルク値が0.11N・m以上となるように成形することにより、封止材シート1に十分な耐熱性を付与しうるものとなっている。又、これにより、封止材シート1を用いた太陽電池モジュールの耐久性を向上させることができる。
最外層12は、封止材シート1において、封止材シートの最外面に配置され、表面材料として従たる部分を構成する層である。最外層12は、架橋度の調整等により、そのトルク値が0.11N・m未満となるように成形することにより、封止材シート1に十分な柔軟性を付与しうるものとなっている。これにより、太陽電池モジュールとしての一体化工程時におけるモールディング特性や基材密着性、とりわけ、金属密着性を顕著に向上させることができる。
封止材シート1の中間層11と最外層12の各層のトルク値は、上述の通り、封止材組成物中の架橋剤及び架橋助剤の含有量や種類及び製膜条件の調整によって、或いは、その後の工程における架橋条件の調整によって、任意に所望の値に調整することが可能である。
中間層11と両最外層12を含む封止材シート1の総厚さは300μm以上1000μm以下であることが好ましく、350μm以上800μm以下であることがより好ましい。300μm未満であると、太陽電池素子に対する衝撃を十分に緩和することが難しい。一方、1000μmを超えても衝撃緩和の効果向上は得られないため経済性の面で好ましくない。又、本発明の封止材シートは、外層に柔軟性を、内層に耐熱性を持たせる事で、ラミネート工程中の流れ出しや膜厚変化を抑えたものであるため、400μm程度に薄膜化した場合においても十分に好ましいモールディング性と耐熱性、太陽電池素子の保護性能を備えるものとすることができる。
中間層11は、前記総厚さに対する厚さ比が、0.6以上0.94以下であればよく、好ましくは同厚さ比が、0.6以上0.86以下である。又、中間層11の厚さは、その絶対値としては、180μm以上であればよく、好ましく240μm以上である。
最外層12は、各単独の最外層の厚さの前記総厚さに対する厚さ比が、0.03以上0.2以下であればよく、好ましくは同厚さ比が、0.07以上0.2以下である。又、最外層12の厚さは、各単独の最外層の絶対値としては、140μm以下であればよく、好ましくは、100μm以下である。
相対的にトルク値の大きい中間層11と相対的にトルク値の小さい最外層12の厚さ比を上記範囲とすることによって、封止材シート1の耐熱性と金属密着性をいずれも良好な範囲に保持することができる。又、中間層11と最外層12のそれぞれの厚さを上記範囲とすることによって、封止材シート1の耐熱性を十分に好ましい範囲に保持することができる。
封止材シート1は、このようにトルク値の異なる樹脂シートを、特定の厚さ比で積層して多層化した多層シートである。又、材料とする封止材組成物のベース樹脂は低密度のポリエチレン系樹脂であるため、当然に透明性や水蒸気バリア性には優れる。そして、更に、封止材シート1は、そのような低密度のポリエチレン系樹脂を用いたものでありながら、優れた耐熱性と金属密着性とを高い水準で兼ね備えるものとなっている。
<封止材シートの製造方法(第一の実施態様)>
封止材シート1の製造方法の第一の実施態様は、多層シートの各層のトルク値に着目して、中間層11と最外層12の各層毎に封止材組成物を選択し、更に、溶融形成後の電離放射線の照射による架橋度の進行程度を適切に制御することにより、封止材シート各層のトルク値を所定範囲に最適化する方法である。
又、本発明の封止材シートの製造方法の第二の実施態様は、製膜中に弱架橋を進行させ、その架橋の進行程度を制御することによって、封止材シート各層のトルク値を最適化する方法である。この第二の実施態様においては、第一の実施態様と異なり、製膜後の別途の架橋処理は不要である。但し、製膜後の別途の架橋工程が不要である点と、製膜中に弱架橋を進行させるための架橋剤の添加量や製膜温度条件の範囲が異なる点の他は、第二の実施態様は、第一の実施態様と同様のプロセスである。以下、先ずは、本発明の封止材シートの製造方法の第一の実施態様の製造方法について、説明する。
[シート化工程]
中間層用及び最外層用の各組成物の溶融成形は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。多層シートとしての成形方法としては、一例として、2種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。
成形時の成形温度の下限は封止材組成物の融点を超える温度であればよい。成形温度の上限は、架橋剤を使用する場合には、当該架橋剤の1分間半減期温度に応じて、製膜中に架橋が開始しない温度、即ち、封止材組成物のゲル分率を0%に維持できる温度であればよい。
ここで、本発明の封止材シートの製造方法(第1の実施態様)においては、封止材組成物中において架橋剤は必須ではなく、又、架橋剤を添加する場合であってもその含有量は0.5質量%未満とする。このため、通常の低密度ポリエチレン樹脂の成形温度、例えば、120℃程度の加熱条件下では、ゲル分率の変化は現れず、樹脂の物性に実質的な影響を与えるような架橋は進行しない。製膜中の封止材組成物のゲル分率を0%に維持する本発明の製造方法によれば、製膜時に押出機等にかかる負荷を低減し、封止材シートの生産性を高めることが可能である。
[架橋工程]
上記のシート化工程後の未架橋の封止材シートに対して、電離放射線による架橋処理を施す架橋工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材シートを他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前に行う。この架橋処理によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材シートとする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。
電離放射線の照射による架橋処理については、個別の架橋条件は特に限定されない。本発明の封止材シートの製造方法は、従来方法とは異なり、基本的に、照射条件の微調整にはよらずに、組成物の側の物性の限定により架橋の進行度を最適化する方法であるためである。大凡の具体的な照射量の目安としては、架橋処理後の中間層のゲル分率が、10%程度以上の範囲となるように適宜設定すればよい。具体的には、電子線(EB)、α線、β線、γ線、中性子線等の電離放射線によって行うことができるが、なかでも電子線を用いることが好ましい。電子線照射における加速電圧は、被照射体であるシート厚みによって決まり、厚いシートほど大きな加速電圧を必要とする。例えば、0.5mm厚みのシートでは100kV以上、好ましくは200kV以上で照射する。加速電圧がこれより低いと、中間層の架橋が十分に進行しない。照射線量は5kGy〜500kGy、好ましくは5〜200kGyの範囲である。照射線量が5kGyより小さいと中間層の架橋が十分に進行せず、又500kGyを超えると、発生する熱による封止材シートの変形や着色等が懸念されるようになる。尚、電離放射線の照射は、中間層の架橋を上述の程度に十分に進行させうる条件であれば、片面側から或いは両面側からの照射いずれであってもよい。又、照射は大気雰囲気下でもよく窒素雰囲気下であってもよい。
ここで、ゲル分率(%)とは、封止材シート0.1gを樹脂メッシュに入れ、60℃トルエンにて4時間抽出したのち、樹脂メッシュごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い、残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率としたものである。
本発明の製造方法によれば、上記の通り中間層の架橋の進行度を最適化する照射条件を設定することにより、当該照射条件の下で、最外層の架橋の進行度の適切な抑制も同時に実現できる。このため架橋条件の管理が容易であり、複雑且つ煩雑な架橋条件の管理からの解放による生産性の向上が可能である。又、照射条件の設定については、必ずしも上記ゲル分率によるものに限られない。例えば、サンプル封止材シートの架橋後の熱収縮率を初期段階で測定して、結果を初期照射条件にフィードバックし、その後は、同一の条件で照射を継続する等の方法であってもよい。
尚、この架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。又、架橋処理が一般的な加熱処理である場合は、一般的に、架橋剤の含有量として封止材シートの全成分100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下が必要とされているが、本願発明の封止材シートにおいては、架橋剤の含有量が0であってもよく、含有する場合であっても0.5質量部未満であることが好ましい。これにより、封止材組成物のシート化工程における封止材組成物のゲル化による生産性低下のリスクが低減できる。尚、このようにして得られた本発明の封止材シートは架橋処理が施されているために、再度のアニール処理等は不要であり、このままモジュール化工程で使用できる。
<封止材シートの製造方法(第二の実施態様)>
本発明の封止材シートの製造方法の第二の実施態様は、封止材組成物への架橋剤の添加量を製膜性の低下にはつながらない適量範囲で増量して、製膜中に弱架橋を進行させ、これを適切に制御することによって、封止材シート1の各層のトルク値をそれぞれ本願独自の最適範囲に調整する方法である。以下、本発明の封止材シートの製造方法の第二の実施態様について、第1の実施態様と同様の部分については説明を省略し、第1の実施態様と異なる部分についてのみ説明する。
この第二の実施態様によって封止材シート1を製造する場合には、封止材組成物の全樹脂成分に対して、0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を添加する。
第二の実施態様における封止材シートのシート化は、第一の実施態様と同様の方法で行うことができる。ただし、成形中に弱架橋反応を促進させるために、成形温度は封止材組成物を構成するポリエチレン系樹脂の融点+50℃以上であることが好ましい。具体的には150から250℃の高温とすることが好ましく、より好ましくは190から230℃の範囲である。尚、この成形温度は架橋剤の1分間半減期温度以上であるので、成形後には架橋剤はほとんど残留しない。このため、弱架橋はこの成形段階で終了する。
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい一実施形態について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態であるバックコンタクト型の太陽電池素子6と集電シート4とを備える太陽電池モジュール10について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール10は、入射光7の受光面側から、ガラス基板3、ガラス本発明の封止材シート1、集電シート4上に配置された太陽電池素子6、裏面側封止材シート2、及び裏面保護シート5が順に積層されている。集電シート4は樹脂基材41上に銅箔等からなる金属配線部42が密に形成されたものである。太陽電池モジュール10は、少なくとも金属配線部42等の金属配線部との密着が要求される層に本発明の封止材シート1を用いるものである。集電シートの樹脂基材41の背面に配置される裏面側封止材シート2については、表面側と同じく本発明の封止材シートを用いてもよいが、必須ではない。例えば、光反射性に優れる白色の封止材シートを用いる等、適宜最適な封止材シートを選択することができる。
ここで集電シート4の金属配線部42及び太陽電池素子6上に積層する封止材シートには、衝撃緩衝機能や、更には絶縁機能まで求められるため、特段に高い水準の金属密着性が要求される。本発明の封止材シート1は、太陽電池素子6の受光面側と非受光面側のいずれの側にも積層して用いることができるが、極めて良好な金属密着性を有するものであるため、バックコンタクト型の太陽電池素子6を用いた太陽電池モジュール10において、集電シート4の金属配線部42と対向する表面(受光面側)へ配置する場合にとりわけ好ましく用いることができる。
尚、本発明の封止材シートが中間層11と片面側の最外層に配置される1層の最外層12との2層からなる封止材シートである場合には、当該最外層12の露出する面を集電シート4の金属配線部42と密着する層として、上記同様に積層する。
太陽電池モジュール10は、封止材シート1を、少なくとも集電シート4の金属配線部42と対面する位置に積層して使用することにより、特に高温環境下での使用時における太陽電池モジュールとしての耐熱性と、高い金属密着性に裏づけられた水蒸気バリア性及び耐久性と、を高い水準で兼ね備えるものである。
又、例えば、太陽電池素子が、薄膜系の太陽電池素子であって、金属電極部分のみが凸出した形状となっているような場合であっても、封止材シート1は、トルク値の小さい最外層12の優れたモールディング特性によって、このような凹凸にも十分に追従して高い密着性を確保することができる。
更に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい他の実施形態として、集電シートと、本発明の封止材シートと、が一体化されている構成を含む太陽電池モジュールを挙げることができる。
太陽電池モジュール10は、封止材シート1、集電シート4、太陽電池素子6を含む上記各部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
本発明の太陽電池モジュール10の製造時における上記の加熱圧着処理は、当該加熱圧着処理を行っている間の封止材シート1の樹脂温度が50℃以上100℃以下となるような加熱条件で行うことができる。例えば、従来のEVA封止材を用いる場合には一般に140℃を超える加熱が必須である。又、一般的なポリエチレン系の封止材シートは架橋速度が遅いため、これを用いた場合に、例えば140℃以下の温度でラミネート処理を行うと、長時間の加熱が必要となり、ラミネート処理中の膜厚変化が大きくなったり、或いは、一体化後の再度の熱キュアが必要になる等の不都合があった。本発明の太陽電池モジュール10は、上記加熱条件の範囲においても、太陽電池モジュールの製造を好ましい態様で実施することができる。モジュール化時の一体化工程における加熱条件をこのような低温度範囲とできることにより、太陽電池モジュールの生産性と品質の安定性を高めることができる。
尚、本発明の太陽電池モジュール10において、封止材シート1以外の部材であるガラス基板3、太陽電池素子6及び裏面保護シート5は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。又、本発明の太陽電池モジュール10は、上記部材以外の部材を含んでもよい。尚、本発明の封止材シートはバックコンタクト型の太陽電池素子6を備える太陽電池モジュール10に限らず、その他の全ての太陽電池モジュールに好ましく適用することができる。
尚、上記の封止材シートの樹脂温度は、加熱時の封止材シートの上面部に温度センサー熱電対を貼付し、温湿度データロガーを用いて測定することが可能であり、本発明における樹脂温度とは、例えば、そのようにして測定した封止材シートの樹脂温度のことを言うものとする。
以上、実施形態を示して本発明を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、適宜変更を加えて実施することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<太陽電池モジュール用の封止材シートの製造>
以下において説明する封止材組成物原料を下記表1の割合(質量部)で混合し、それぞれ実施例、比較例の封止材シートの中間層用組成物及び最外層用組成物とした。それぞれの封止材組成物をφ30mm押出し機、200mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで中間層用及び最外層用とするための各樹脂シートを作製し、これらの各樹脂シートを積層して、中間層と両最外層を備える実施例及び比較例の3層構造の封止材シートを製造した。実施例、比較例の各封止材の総厚さと、各層の厚さ及び総厚さに対する各層の厚さ比は、それぞれ下記表2に記載の通りとした。
封止材用の各樹脂シートを成形するための封止材組成物原料としては、以下の原料を使用した。
ベース樹脂1(表1にて「P1」と表記、以下同様):密度0.880g/cm、融点60℃であり、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
ベース樹脂2(「P2」):密度0.885g/cm、融点66℃であり、190℃でのMFRが3.6g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
ベース樹脂3(「P3」):密度0.885g/cm、融点66℃であり、190℃でのMFRが19g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
シラン変性ポリエチレン系樹脂1(「S1」):密度0.880g/cm、MFRが30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.880g/cm、MFR13.0g/10分。融点60℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂2(「S2」):密度0.880g/cm、MFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.880g/cm、MFR1.0g/10分。融点60℃。
架橋剤(「架橋剤」):t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名「ルペロックスTBEC」)
その他、下記の添加材を実施例、比較例の各封止材組成物に添加した。
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製、商品名「タイク」)。実施例、比較例の各封止材組成物に、いずれも0.5質量部添加。
UV吸収剤:ケミプロ化成株式会社製、商品名KEMISORB12。実施例、比較例の各封止材組成物に、0.3質量部添加。
耐候安定剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Tinuvin770。実施例、比較例の各封止材組成物に、いずれも0.2質量部添加。
酸化防止剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076。実施例、比較例の各封止材組成物に、いずれも0.05質量部添加。
次に、実施例1〜2と4〜5及び比較例1〜3と5〜6の成形後の封止材シートに対して電子線照射装置(岩崎電気株式会社製、製品名EC250/15/180L)を用い、加速電圧200kV、照射強度については表1に記載の各強度で両面からそれぞれ照射して、架橋済の封止材シートとした。
そして、実施例3、比較例4の成形後の封止材シートについて、上記の電子線照射による架橋処理を行わずに、そのまま各実施例、比較例の封止材シートとした。
Figure 0006248669
上記の通り、作成した実施例及び比較例の封止材シートの各層毎のトルク値を測定した。測定は上述の定義に則り、JIS K6300−2に準拠し、キュラストメーターを用いて、温度150℃、ねじり振動数100±6回/分の条件で測定した。結果を表2に記す。
<評価例>
ガラス基板上(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)に、15mm幅にカットした実施例及び比較例の各封止材シートを積層し、150℃、18分で、真空加熱ラミネータで処理を行い、それぞれの実施例及び比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。これらの太陽電池モジュール評価用サンプルについて、下記の試験条件において、それぞれ、耐熱性と金属密着性を測定して評価した。結果を表2に示す。
[耐熱クリープ試験]
7.5×5.0cmにカットした実施例、比較例の封止材シートを、ガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 150mm×150mm×3.2mm)上に2枚重ね置き、その上からガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)を重ね置き、下記の熱ラミネート条件(a)〜(d)により、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について耐熱性評価用サンプルを得た。これらの耐熱性評価用サンプルについて、下記の試験条件における耐熱クリープ試験を行い、耐熱性を評価した。
測定は、上記の各耐熱性評価用サンプルを垂直に置き、120℃で12時間放置し、放置後のガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)の移動距離を計測することにより行い、測定結果を、以下の評価基準A〜Dにより評価した。
(熱ラミネート条件) (a)真空引き:4.0分
(b)加圧(0kPa〜100kPa):1.5分
(c)圧力保持(100kPa):7.0分
(d)温度150℃
(評価基準) A:1.5mm未満
B:1.5mm以上3.5mm未満
C:3.5mm以上5.5mm未満
D:5.5mm以上
[金属密着性試験]
15mm幅にカットした実施例、比較例の封止材シートを、それぞれ銅箔(75mm×50mm×0.035mm)上に密着させて、上記熱ラミネート条件(a)〜(d)と同条件で、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について金属密着性評価用サンプルを得た。これらの各金属密着性評価用サンプルについて、下記の試験条件における密着強度を測定して金属密着性を評価した。
測定は、上記の金属密着性評価用サンプルにおいて、銅箔上に密着している封止材シートを、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、測定結果を、以下の評価基準A〜Dにより評価した。
を評価した。
(評価基準) A:20.0N/15mm以上
B:15.0N/15mm以上20.0N/15mm未満
C:10.0N/15mm以上15.0N/15mm未満
D:10.0N/15mm未満
Figure 0006248669
表1及び2より、各層のトルク値と、総厚さ及び総厚さに対する各層の厚さ比を、特定の範囲に最適化した本発明の封止材シートは、水蒸気バリアに優れるポリエチレン系の封止材シートであって、耐熱性と、金属密着性を高い水準で兼ね備えるものであることが分かる。
1 封止材シート
11 中間層
12 最外層
2 裏面側封止材シート
3 透明前面基板
4 集電シート
41 樹脂基材
42 金属配線部
5 裏面保護シート
6 太陽電池素子
7 入射光
10 太陽電池モジュール

Claims (9)

  1. 密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層と、密度0.870g/cm以上0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層と、を含む複数の層によって構成され、
    総厚さが300μm以上1000μm以下である多層の封止材シートであって、
    前記中間層は、前記総厚さに対する厚さ比が、0.6以上0.94以下であって、下記測定条件でのトルク値が、0.11N・m以上であり、
    前記最外層は、各単独の最外層の厚さの前記総厚さに対する厚さ比が、0.03以上0.2以下の範囲であって、前記トルク値が、0.11N・m未満である太陽電池モジュール用の封止材シート。
    [トルク値の測定条件]
    トルク値は、JIS K6300−2に準拠し、キュラストメーターを用いて、温度150℃、ねじり振動数100±6回/分の条件で測定する。
  2. 前記中間層の厚さが180μm以上であって、前記最外層の厚さが140μm以下である請求項1に記載の封止材シート。
  3. 前記ポリエチレン系樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1又は2に記載の封止材シート。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂がα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなる共重合体を含有する請求項1から3のいずれかに記載の封止材シート。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の封止材シートの製造方法であって、
    密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層用組成物を溶融成形してなる中間層と、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層用組成物を溶融成形してなる最外層と、を積層して未架橋の多層シートを成形するシート化工程と、
    前記未架橋の多層シートに電離放射線の照射による架橋処理を行う架橋工程と、を備え、
    前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.5質量%未満であって、
    前記最外層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.02質量%未満である封止材シートの製造方法。
  6. 前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0.02質量%以上0.5質量%未満である請求項5に記載の封止材シートの製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載の封止材シートの製造方法であって、
    密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層用組成物を溶融成形してなる中間層と、密度0.870g/cm以上0.940g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする最外層用組成物を溶融成形してなる最外層と、を積層して予備多層シートを成形するシート化工程を備え、
    前記中間層用組成物中の架橋剤の含有量が、0.02質量%以上0.5質量%未満であって、
    前記最外層用組成物中の架橋剤の含有量が、0質量%以上0.02質量%未満である封止材シートの製造方法。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の封止材シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、
    前記封止材シートの最外層が、前記太陽電池モジュールを構成する他の部材の金属部分と対面するように配置されている太陽電池モジュール。
  9. 前記太陽電池素子がバックコンタクト型の太陽電池素子であり、樹脂基材の表面に金属配線部が形成された集電シートを更に備え、前記封止材シートの最外層が、前記集電シートの金属配線部と対面するように配置されている請求項8に記載の太陽電池モジュール。
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