前記課題を解決するためになされた第1の発明は、受付番号に基づいて順番に役務または物品を利用者に提供する施設において来場した利用者を撮影した人物画像を表示させると共に、利用者ごとの状態を閲覧可能にする利用者管理装置であって、来場した利用者に受付番号札を発行する番号札発行部と、前記施設に入場してから前記受付番号札を受け取るまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した複数の第1の人物画像を取得する第1の画像取得部と、前記受付番号による呼び出しを受けてから前記役務または物品の提供が終了するまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した複数の第2の人物画像を取得する第2の画像取得部と、少なくとも前記施設から退場する時点で利用者を撮影した複数の第3の人物画像を取得する第3の画像取得部と、利用者ごとの利用者画像を含む状態表示情報を生成して管理する利用者情報管理部と、この利用者情報管理部で生成した前記状態表示情報をユーザに提示する利用者情報提示部と、を備え、前記利用者情報管理部は、前記第1、第2および第3の人物画像の間で複数回の人物照合を行う人物照合部と、利用者の種類を判定する利用者種類判定部と、を有し、前記人物照合部による照合結果に応じて、前記役務または物品の提供に係る利用者の状態を検知し、その検知された利用者の状態に基づき、利用者の種類を判定し、その種類によってグループ分けして表示される前記状態表示情報を生成する構成とする。
これによると、施設において来場した利用者を撮影した人物画像から人物照合の結果に応じて、役務または物品の提供に係る利用者の状態を検知し、その検知された利用者の状態に基づき、利用者の種類を判定し、その種類によってグループ分けして表示される状態表示情報を生成するようにしたので、受付番号札を受け取らない利用者など、通常の行動とは異なる変則的な行動をとる利用者も含めて、施設に来場した利用者の状態を漏れなくユーザが把握することができる。
また、第2の発明は、前記利用者情報管理部は、前記人物照合部により検知された利用者の状態、および前記人物画像の撮影時刻に基づき、利用者の状態に関する経過時間を利用者ごとに計測する時間計測部をさらに備えた構成とする。
これによると、利用者の状態に関する経過時間をユーザが把握することができる。これにより、施設内の混雑状態や、役務または物品の提供に係る業務の効率などを評価することができる。
また、第3の発明は、前記時間計測部は、前記経過時間として、利用者が入場してから退場するまでに要した場内滞在時間を利用者ごとに計測する構成とする。
これによると、利用者ごとの場内滞在時間をユーザが把握することができる。
また、第4の発明は、前記時間計測部は、前記経過時間として、前記役務または物品の提供に関する業務を開始してから終了するまでに要した業務所要時間を利用者ごとに計測する構成とする。
これによると、利用者ごとの業務所要時間をユーザが把握することができる。そして、利用者ごとの業務所要時間を、業務を行う窓口ごとに集計して、窓口ごとの業務所要時間を取得すると、窓口ごとの業務効率などを評価することができる。
また、第5の発明は、前記利用者情報管理部は、前記時間計測部により取得した前記利用者ごとの経過時間を集計して、所定期間ごとの経過時間を取得する集計処理部をさらに備えた構成とする。
これによると、所定期間ごとの経過時間をユーザが把握することができる。そして、所定期間ごとの経過時間を時系列で並べて表示するようにすれば、経過時間の時間的な推移状況をユーザが簡単に把握することができ、また、異なる日時の経過時間を対比可能に並べて表示するようにすれば、経過時間の日時による違いをユーザが簡単に把握することができる。
また、第6の発明は、前記利用者種類判定部は、前記人物照合部により、前記役務または物品の提供が不明な利用者が退場したことが検知されるとともに、その利用者が再度入場したことが検知されると、その利用者を、施設から一時的に外出した一時外出者と判定する構成とする。
これによると、一時外出者をユーザが把握することができる。
また、第7の発明は、前記利用者情報管理部は、前記人物画像の撮影時刻に基づき、利用者が入場してから退場するまでに要した場内滞在時間を利用者ごとに計測する時間計測部を備え、前記利用者種類判定部は、前記時間計測部による計測結果に基づき、前記利用者の種類を判定する構成とする。
これによると、人物画像間の人物照合のみで判定することができない利用者の種類を判別することができる。
また、第8の発明は、前記利用者種類判定部は、前記人物照合部により、前記役務または物品の提供が不明な利用者が退場したことが検知されるとともに、前記時間計測部による前記場内滞在時間が所定時間以内である場合に、その利用者を、入場した後に前記役務または物品の提供を受けないまま直ちに退場した即時退場者と判定する構成とする。
これによると、即時退場者をユーザが把握することができる。
また、第9の発明は、前記利用者種類判定部は、前記人物照合部により、前記役務または物品の提供が不明な利用者が退場したことが検知されるとともに、前記時間計測部による前記場内滞在時間が所定時間を超える場合に、その利用者を、利用者の操作に応じて前記役務または物品の提供を行うセルフ機を利用したセルフ機利用者と判定する構成とする。
これによると、セルフ機利用者をユーザが把握することができる。
また、第10の発明は、前記利用者情報管理部は、前記利用者種類判定部により取得した利用者ごとの種類を集計して、所定期間ごとの種類別の利用者の人数を取得する集計処理部をさらに備えた構成とする。
これによると、所定期間ごとの種類別の利用者の人数をユーザが把握することができる。そして、所定期間ごとの種類別の利用者の人数を時系列で並べて表示するようにすれば、種類別の利用者の人数の時間的な推移状況をユーザが簡単に把握することができ、また、異なる日時の種類別の利用者の人数を対比可能に並べて表示するようにすれば、種類別の利用者の人数の日時による違いをユーザが簡単に把握することができる。
また、第11の発明は、受付番号に基づいて順番に役務または物品を利用者に提供する施設において来場した利用者を撮影した人物画像を表示させると共に、利用者ごとの状態を閲覧可能にする利用者管理システムであって、前記施設に設置されたカメラと、来場した利用者に受付番号札を発行する番号札発行装置と、複数の情報処理装置と、を有し、前記複数の情報処理装置のいずれかが、前記カメラにより前記施設に入場してから前記受付番号札を受け取るまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した複数の第1の人物画像を取得する第1の画像取得部と、前記カメラにより前記受付番号による呼び出しを受けてから前記役務または物品の提供が終了するまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した第2の人物画像を取得する複数の第2の画像取得部と、前記カメラにより少なくとも前記施設から退場する時点で利用者を撮影した複数の第3の人物画像を取得する第3の画像取得部と、利用者ごとの利用者画像を含む状態表示情報を生成して管理する利用者情報管理部と、この利用者情報管理部で生成した前記状態表示情報をユーザに提示する利用者情報提示部と、を備え、前記利用者情報管理部は、前記第1、第2および第3の人物画像の間で複数回の人物照合を行う人物照合部と、利用者の種類を判定する利用者種類判定部と、を有し、前記人物照合部による照合結果に応じて、前記役務または物品の提供に係る利用者の状態を検知し、その検知された利用者の状態に基づき、利用者の種類を判定し、その種類によってグループ分けして表示される前記状態表示情報を生成する構成とする。
これによると、前記第1の発明と同様に、施設に来場した利用者の状態を漏れなくユーザが把握することができる。
また、第12の発明は、受付番号に基づいて順番に役務または物品を利用者に提供する施設において来場した利用者を撮影した人物画像を表示させると共に、利用者ごとの状態を閲覧可能にする処理を情報処理装置により行う利用者管理方法であって、来場した利用者に受付番号札を発行するステップと、前記施設に入場してから前記受付番号札を受け取るまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した複数の第1の人物画像を取得するステップと、前記受付番号による呼び出しを受けてから前記役務または物品の提供が終了するまでの少なくともいずれかの時点で利用者を撮影した複数の第2の人物画像を取得するステップと、少なくとも前記施設から退場する時点で利用者を撮影した複数の第3の人物画像を取得するステップと、利用者ごとの利用者画像を含む状態表示情報を生成して管理するステップと、このステップで生成した前記状態表示情報をユーザに提示するステップと、を備え、前記状態表示情報を生成して管理するステップでは、前記第1、第2および第3の人物画像の間で複数回の人物照合を行うステップと、利用者の種類を判定するステップと、を有し、前記人物照合の結果に応じて、前記役務または物品の提供に係る利用者の状態を検知し、その検知された利用者の状態に基づき、利用者の種類を判定し、その種類によってグループ分けして表示される前記状態表示情報を生成する構成とする。
これによると、前記第1の発明と同様に、施設に来場した利用者の状態を漏れなくユーザが把握することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る顧客管理システムの全体構成図である。この顧客管理システム(利用者管理システム)は、銀行を対象にして構築されるものであり、カメラ1a〜1cと、レコーダ(映像蓄積装置)2と、PC(利用者管理装置)3と、を備えている。
カメラ1a〜1cは店舗内の適所に設置され、カメラ1a〜1cにより店舗内が撮影され、これにより得られた映像がレコーダ2に蓄積される。
PC3には、管理者などのユーザが種々の入力操作を行うマウスなどの入力デバイス6と、監視画面を表示するモニタ(表示装置)7と、プリンタ8とが接続されている。このPC3は、店舗内の適所に設置され、ユーザが、モニタ7に表示される監視画面により、カメラ1a〜1cで撮影された店舗内の映像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の映像を閲覧することができる。
また、カメラ1a〜1c、レコーダ2およびPC3は、複数の店舗(施設)の各々に設置されており、複数の店舗を総括する本部にはPC11が設置されており、このPC11では、カメラ1a〜1cで撮影された店舗内の画像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の画像を閲覧することができ、これにより本部で店舗内の状況を確認することができる。
店舗に設置されたPC3は、店舗に来店した顧客(利用者)の状態を管理する利用者管理装置として構成され、このPC3で生成した顧客情報(利用者情報)は、PC3自身で閲覧することができ、さらに、本部に設置されたPC11に送信されて、このPC11でも閲覧することができ、PC3,11が顧客情報を閲覧する閲覧装置として構成される。
次に、図1に示した店舗のレイアウト、カメラ1a〜1cの設置状況、および顧客の状態について説明する。図2は、店舗のレイアウト、カメラ1a〜1cの設置状況、および顧客の状態を説明する店舗の平面図である。
店舗には、出入口と、ロビーと、窓口と、バックヤードと、が設けられている。顧客は出入口から出入りし、入店した顧客はロビーに滞在する。ロビーには、待合エリアが設けられており、窓口を利用する顧客は、呼び出しを受けるまで待合エリアで待機する。窓口は複数設けられており、各窓口では、店員(テラー)が顧客からの依頼を受け付けて所要の窓口業務を行う。バックヤードでは、窓口業務を支援する後方支援業務を店員(オペレータ)が行う。
ロビーには、発券機21と、両替機22と、が設置されている。発券機21は、窓口を利用する顧客を来店した順番に呼び出すための受付番号札を発行するものである。両替機22は、顧客自らが操作して両替を行うものである。
窓口には、呼出表示パネル23と、操作端末24と、が設置されている。呼出表示パネル23は、受付番号を表示して顧客の呼び出しを行うものである。操作端末24は、店員(テラー)が操作するものであり、図示しない操作ボタンを備えている。先客の業務が終了して呼び出しボタンを操作すると、呼出表示パネル23に受付番号が表示される。呼び出した顧客が窓口に現れると、受付ボタンを操作する。呼び出した顧客が窓口に現れないと、不在ボタンを操作し、これに応じて次の受付番号による顧客の呼び出しが行われる。
また、店舗には、来店した顧客を撮影する複数のカメラ1a〜1cが設置されている。本実施形態では、出入口から入店する顧客を撮影する入店カメラ1aと、窓口で手続きを行う顧客を撮影する窓口カメラ1bと、出入口から退店する顧客を撮影する退店カメラ1cと、が設置されている。これらのカメラ1a〜1cは、顧客の顔を概ね正面から撮影するように設置されている。
なお、本実施形態では、1つの出入口で顧客が店舗に出入りするようにしたが、入口および出口を別々に設けるようにしてもよい。この場合、入店カメラ1aおよび退店カメラ1cは入口および出口にそれぞれ設置される。
店舗に来店した顧客は、来店した目的や店舗の混雑状況や顧客自身の都合などに応じて種々の行動をとる(図2の点線で示す顧客Cの経路参照)。すなわち、窓口を利用する顧客(窓口利用客)の場合には、出入口から入店すると、まず、発券機で受付番号札を受け取り、呼び出しを受けるまで待合エリアで待機する。そして、呼び出しを受けると、窓口で各種の手続きに関する業務の依頼を行い、窓口業務が終了すると、出入口から退店する。また、バックヤードでの後方支援業務に時間を要する場合には、窓口で依頼を行った後に、窓口から一時的に退席して待合エリアで再度の呼び出しを待ち、呼び出しを受けて窓口業務が終了すると、出入口から退店する。
また、両替機22を利用する顧客(両替機利用客)の場合には、出入口から入店すると、発券機21で受付番号札を受け取ることなく両替機22に向かい、両替機22で両替を済ませると、出入口から退店する。
また、店舗内が混雑している、特に窓口での順番待ちの顧客が多いと、窓口を利用する目的で来店した顧客の中から、入店して直ちに帰る顧客(即時退店客)や、店舗外で待ち時間潰しをするために店舗から一時外出する顧客(一時外出客)が現れる。
次に、図1に示したPC3で行われる顧客管理処理の概要について説明する。図3、図4、図5および図6は、PC3で行われる顧客管理処理の概要を説明する説明図である。図3は、窓口利用客の場合を示し、図4は、両替機利用客の場合を示し、図5は、即時退店客の場合を示し、図6は、一時外出客の場合を示す。
図3(A)に示すように、窓口利用客の場合には、まず、顧客が出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が失敗する、すなわち入店した人物が登録された顧客および店員の中に存在しない場合には、新規の顧客が入店したことが検知され、その人物が新規に顧客として登録される。
次に、入店した顧客は発券機21で受付番号札を受け取った後、待合エリアで呼び出しを待つ。そして、顧客が呼び出しを受けると、顧客は窓口で店員に業務の依頼を行い、その顧客が窓口カメラ1bで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功すると、顧客に役務を提供する業務が実施されたことが検知され、該当する顧客の顧客情報が更新される。窓口での業務が終了すると、顧客は出入口から退店し、その顧客が退店カメラ1cで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功すると、役務の提供が完了した顧客が退店したことが検知されて、顧客の登録が抹消される。
また、入店時の人物画像および退店時の人物画像の各撮影時刻から入店時刻および退店時刻を取得して、入店してから退店するまでの時間、すなわち店内滞在時間が計測される。また、窓口カメラ1bにより顧客が窓口に滞在する間継続して顧客が撮影され、この間に取得した窓口利用時の人物画像の各撮影時刻から窓口業務の開始時刻および終了時刻を取得して、顧客が窓口で業務を依頼してからその業務が終了するまでに要した時間、すなわち業務所要時間を算出する。
また、窓口業務に関連してバックヤードで行われる後方支援業務が時間を要するものである場合には、図3(B)に示すように、窓口業務が複数回(ここでは2回)に分けて実施される場合がある。この場合、業務所要時間の計測にあたっては、バックヤードでの後方支援業務に要する時間を含めるようにするとよく、最初の窓口業務の開始時刻から最後(ここでは2回目)の窓口業務の終了時刻までの時間が業務所要時間となる。
図4に示すように、両替機利用客の場合には、まず、顧客が出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影され、その撮影画像から検出された人物が顧客として登録される。そして、入店した顧客は両替機22に向かい、両替機22で両替を済ませると、出入口から退店し、そのときの顧客が退店カメラ1cで撮影される。このとき、顧客が窓口カメラ1bで撮影されないため、役務の提供が完了したことの検知はなく、退店カメラ1cによる撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われて人物照合が成功すると、役務の提供が不明な顧客が退店したことが検知されて、顧客情報が更新される。
また、入店時の人物画像および退店時の人物画像の各撮影時刻から入店時刻および退店時刻を取得して、店内滞在時間が計測される。
図5(A)に示すように、即時退店客の場合には、まず、顧客が出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影され、その撮影画像から検出された人物が顧客として登録される。そして、入店した顧客は店内の様子を見て、窓口で手続きを行うことを断念すると、出入口から退店し、そのときの顧客が退店カメラ1cで撮影される。このとき、顧客は窓口カメラ1bで撮影されないため、役務の提供が完了したことの検知はなく、退店カメラ1cによる撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われて人物照合が成功すると、役務の提供が不明な顧客が退店したことが検知されて、顧客情報が更新される。また、図5(B)に示すように、顧客が発券機21で受付番号札を受け取った後に、店内の様子を見て直ちに帰る場合もあり、この場合も図5(A)に示した場合と同様である。
また、入店時の人物画像および退店時の人物画像の各撮影時刻から入店時刻および退店時刻を取得して、店内滞在時間が計測される。
図6に示すように、一時外出客の場合には、まず、顧客が出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影され、その撮影画像から検出された人物が顧客として登録される。次に、入店した顧客は発券機21で受付番号札を受け取った後、店内の様子を見て、すぐに呼び出しがないものと考えて、店外で待ち時間潰しをするため、出入口から退店し、そのときの顧客が退店カメラ1cで撮影される。このとき、顧客は窓口カメラ1bで撮影されないため、役務の提供が完了したことの検知はなく、退店カメラ1cによる撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われて人物照合が成功すると、役務の提供が不明な顧客が退店したことが検知されて、顧客情報が更新される。
そして、顧客が店舗に戻って出入口から入店すると、顧客が入店カメラ1aで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功する、すなわち入店した人物が登録された顧客の中に存在することで、外出した顧客が店舗に戻ったことが検知される。これ以降は、図3に示した窓口利用客と同様である。
ここで、一時外出客の場合には、顧客が店舗に戻るため、役務の提供が不明な状態で退店した顧客が入店したことが検知された時点で一時外出客を判別することができる。また、両替機利用客および即時退店客の場合には、一時外出客とは異なり、店舗に戻ることはないため、閉店時刻までに戻らない、あるいは所定時間が経過しても戻らないことで、一時外出客と区別することができる。
一方、両替機利用客および即時退店客はともに、退店した時点では役務の提供が不明な状態であるため、人物画像による人物照合のみでは、両替機利用客と即時退店客とを判別することができない。そこで、本実施形態では、店内滞在時間に基づいて両替機利用客と即時退店客とを判別する。すなわち、両替機利用客は両替機を利用するが、即時退店客はなにもしないため、両替機利用客の方が即時退店客より店内滞在時間が長くなる場合が多い。したがって、店内滞在時間を基準時間(しきい値)と比較して、両替機利用客および即時退店客のいずれであるかの判定を行い、店内滞在時間が基準時間より長い場合には両替機利用客と判定し、店内滞在時間が基準時間より短い場合には即時退店客と判定する。
なお、両替機利用客は受付番号札を受け取らないため、図5(B)に示すように、即時退店客が受付番号札を受け取っていた場合には、受付番号による呼び出しを行った時点で不在と判断することができるため、この時点で即時退店客と判定するようにしてもよい。
次に、図1に示したPC3で行われる待ち時間計測処理の概要について説明する。図7は、PC3で行われる待ち時間計測処理の概要を説明する説明図である。
窓口利用客は、先客の業務が終了して呼び出しを受けるまで待合エリアで待つことになるが、順番待ちの顧客が多いと、顧客が長時間待たされることがあり、これは顧客にとって大きな不満に感じる。そこで、本実施形態では、PC3で入店した顧客の状態を管理し、特に顧客ごとの待ち時間を計測して、店員に必要な接客行為、すなわち長時間待たせていることを詫びる旨の声掛けを行わせるようにして、顧客満足度の向上を図るようにしている。
具体的には、顧客が店舗の出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影され、このとき、撮影画像から検出された人物が顧客として登録されるとともに、待ち時間の計測が開始される。そして、先客の業務が終了して呼び出しを受けて顧客が窓口に現れると、その顧客が窓口カメラ1bで撮影され、このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間での人物照合が成功して、顧客に役務を提供する業務が実施されたことが検知されると、待ち時間の計測が終了する。
ここで、顧客が入店したところで計測が開始された待ち時間が長くなり、この待ち時間が所定の基準時間を超えると、店員に接客行為を促す通知が行われ、これに応じて、店員は、待合エリアに滞在する顧客の中から該当する顧客を見つけ出して、その顧客に必要な接客行為、すなわち長時間待たせていることを詫びる旨の声掛けを行う。
次に、図1に示したPC3で行われる顧客管理処理について詳しく説明する。図8は、PC3の概略構成を示す機能ブロック図である。
PC3は、第1の画像取得部31と、第2の画像取得部32と、第3の画像取得部33と、顧客情報管理部(利用者情報管理部)34と、入出力制御部35と、を備えている。
第1の画像取得部31では、出入口から入店してから受付番号札を受け取るまでの少なくともいずれかの時点で顧客を撮影した人物画像を取得する。本実施形態では、入店カメラ1aにより出入口から入店する顧客を撮影した入店時の人物画像(第1の人物画像)を取得する。
第2の画像取得部32では、受付番号による呼び出しを受けてから役務の提供が終了するまでの少なくともいずれかの時点で顧客を撮影した人物画像を取得する。本実施形態では、窓口カメラ1bにより窓口で手続きを行う顧客を撮影した窓口利用時の人物画像、すなわち、役務の提供を受ける最中の顧客を撮影した役務提供時の人物画像(第2の人物画像)を取得する。
第3の画像取得部33では、退店カメラ1cにより出入口から退店する顧客を撮影した退店時の人物画像(第3の人物画像)を取得する。
第1〜第3の画像取得部31〜33では、カメラ1a〜1cから入力された撮影画像から人物を検出する人物検出処理と、この人物検出処理で検出された人物の顔領域の画像(顔画像)を撮影画像から切り出す画像処理と、が行われ、顔画像が人物画像として出力される。
顧客情報管理部34は、第1〜第3の画像取得部31〜33によりそれぞれ取得した人物画像に基づいて、顧客の状態に関する顧客情報を生成して管理するものであり、除外人物登録部41と、人物照合部42と、顧客登録部43と、顧客情報蓄積部44と、時間計測部45と、顧客種類判定部46と、接客要否判定部47と、接客情報取得部48と、集計処理部49と、を備えている。
除外人物登録部41では、顧客管理の対象から除外する人物を登録する処理が行われる。顧客が滞在するロビーには、顧客を案内する業務を専門に行う店員(ロビーアテンダント)が配置され、このような店員がカメラ1a〜1cで撮影されて顧客管理の対象に含まれると、顧客管理の精度が低下する。このため、本実施形態では、除外人物登録部41において、店員などの対象外とする人物を撮影した人物画像を用いて、対象外の人物を予め登録する処理が行われる。これにより、店員などの対象外の人物が顧客として登録されることを避けることができる。
人物照合部42では、第1〜第3の画像取得部31〜33によりそれぞれ入店カメラ1a、窓口カメラ1bおよび退店カメラ1cによる撮影画像を取得すると、その撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、この人物照合の結果に応じて、顧客の状態を検知する。本実施形態では、顧客の状態として、新規の顧客が入店したこと、顧客に役務を提供する業務が実施されたこと、役務の提供が完了した顧客が退店したこと、役務の提供が不明な顧客が退店したこと、および役務の提供が不明な状態で退店した顧客が再度入場したことを検知する。
すなわち、人物照合部42では、第1の画像取得部31により入店カメラ1aによる撮影画像を取得すると、その撮影画像から抽出された人物画像と登録された顧客の人物画像との間で人物照合が行われる。さらに、除外人物登録部41により対象外として登録された人物の人物画像との間で人物照合が行われる。そして、両方の人物照合が失敗する、すなわち入店した人物が、登録された顧客および対象外として登録された人物の中に存在しない場合には、新規の顧客が入店したことを検知する(新規顧客入店検知)。また、このときの人物画像の撮影時刻から入店時刻を取得する。
また、人物照合部42では、第2の画像取得部32により窓口カメラ1bによる撮影画像を取得すると、その撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功する、すなわち同一の人物と判定されると、顧客に役務を提供する業務が実施されたことを検知する(提供顧客検知)。また、このときの人物画像の撮影時刻から窓口業務の開始時刻および終了時刻を取得する。
また、人物照合部42では、第3の画像取得部33により退店カメラ1cによる撮影画像を取得すると、その撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功する、すなわち同一の人物と判定されると、顧客が退店したことを検知する。そして、顧客が、役務の提供が完了した状態であれば、役務の提供が完了した顧客が退店したことを検知する(提供完了顧客退店検知)。一方、顧客が、役務の提供が完了していない状態であれば、役務の提供が不明な顧客が退店したことを検知する(提供不明顧客退店検知)。また、このときの人物画像の撮影時刻から退店時刻を取得する。
また、人物照合部42では、第1の画像取得部31により入店カメラ1aによる撮影画像を取得すると、その撮影画像から抽出された人物画像と、役務の提供が不明な状態で退店した顧客の人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功する、すなわち同一の人物と判定されると、外出した顧客が店舗に戻ったことを検知する(外出顧客戻り検知)。また、このときの人物画像の撮影時刻から外出戻り時刻を取得する。
この人物照合には、公知の人物認識技術を用いればよく、例えば、2つの画像から抽出された特徴量データを比較して同一の人物か否かの判定を行えばよい。また、人物照合のたびに画像から特徴量データを取得する必要はなく、既に特徴量データを取得していれば、その特徴量データを用いて人物照合を行えばよい。
顧客登録部43では、人物照合部42により新規の顧客が入店したことが検知されると、人物画像に映った人物を新規の顧客として登録する処理が行われる。この顧客登録処理では、入店の順番にしたがって通し番号が顧客に付与され、人物画像および通し番号を含む顧客情報が生成される。この顧客登録処理で生成した顧客情報は顧客情報蓄積部44に蓄積される。なお、顧客情報には、人物画像および通し番号の他に、入店時の人物画像の撮影時刻、すなわち入店時刻などの情報も含まれる。
また、顧客登録部43では、人物照合部42により役務の提供が完了した顧客が退店したことが検知されると、その顧客の登録を抹消する処理が行われる。なお、登録が抹消された顧客の顧客情報を顧客情報蓄積部44から消去するようにしてもよいが、履歴として残すようにしてもよい。ただし、履歴として活用する場合には、プライバシーを保護する形で顧客情報を残すことが望ましい。例えば人物画像は消去し、集計処理部49での処理に必要となる顧客の状態に関する情報は保持するようにするとよい。
また、顧客登録部43では、人物照合部42により、顧客に役務を提供する業務が実施されたこと、役務の提供が不明な顧客が退店したこと、および外出した顧客が店舗に戻ったことがそれぞれ検知されると、これらの顧客の状態を表す状態情報をその顧客に関する顧客情報に付加する更新処理が行われる。
時間計測部45では、人物照合部42による検知結果に基づき、顧客の状態に関する経過時間を顧客ごとに計測する処理が行われる。本実施形態では、経過時間として、顧客の待ち時間をリアルタイムで計測する処理が行われる。この待ち時間計測処理では、待ち時間として、人物照合部42における新規顧客入店検知処理により取得した入店時刻から現在までの経過時間を計測する。この待ち時間計測処理は、人物照合部42により、顧客に役務を提供する業務が開始されたことが検知されるまで継続される。
また、本実施形態では、経過時間として、顧客が入店してから退店するまでに要した店内滞在時間を計測する。また、本実施形態では、経過時間として、役務の提供に関する業務、すなわち窓口利用客に対する窓口業務を開始してから終了するまでに要した業務所要時間を計測する(図3参照)。
店内滞在時間は、人物照合部42における新規顧客入店検知処理により取得した入店時刻と、退店検知処理により取得した退店時刻とから算出する。また、業務所要時間は、人物照合部42における提供顧客検知処理により取得した窓口業務の開始時刻および終了時刻から算出する。なお、窓口業務が1回で済む場合(図3(A)参照)には、その窓口業務の開始時刻から終了時刻までの時間が業務所要時間となるが、窓口業務が複数回に分けて実施される場合(図3(B)参照)には、最初の窓口業務の開始時刻から最後の窓口業務の終了時刻までの時間が業務所要時間となる。
顧客種類判定部46では、人物照合部42により検知された顧客の状態に基づき、顧客の種類を判定する処理が行われる。本実施形態では、顧客の種類として、窓口利用客、両替機利用客、即時退店客および一時外出客のいずれであるかを判定する。
すなわち、窓口利用客の場合には、人物照合部42により、窓口で顧客に役務を提供する業務が実施されたことが検知されることから、この検知結果に基づいて窓口利用客と判定する。また、一時外出客の場合には、人物照合部42により、外出した顧客が店舗に戻ったことを検知されることから、この検知結果に基づいて一時外出客と判定する。
一方、両替機利用客および即時退店客の場合には、人物照合部42により、役務の提供が不明な顧客が退店したことが検知されるが、この検知結果は両替機利用客と即時退店客とで同一であるため、人物照合部42における検知結果のみでは両替機利用客と即時退店客とを判別することができない。そこで、本実施形態では、店内滞在時間を基準時間(しきい値)と比較して両替機利用客と即時退店客とを判別する。すなわち、店内滞在時間が基準時間より長い場合には両替機利用客と判定し、店内滞在時間が基準時間より短い場合には即時退店客と判定する。
接客要否判定部47では、時間計測部45により取得した待ち時間に基づいて、待ち時間が長くなる際に必要となる接客行為、すなわち長時間待たせていることを詫びる旨の声掛けの要否を判定する処理が行われる。この接客要否判定処理では、待ち時間を所定の基準時間と比較して、待ち時間が基準時間を超えた場合に接客行為が必要と判断する。
なお、人物照合部42により、役務の提供が不明な顧客が退店したことが検知された場合に、待ち時間の計測を終了するようにしてもよいが、待ち時間の計測を継続して、一時外出客にも対応するようにしてもよい。この場合、時間計測部45により取得した待ち時間が基準時間を超過していても、店舗に滞在していなければ、接客行為を不要と判断して、その顧客に関する接客要否判定を行わないようにすればよい。
また、例えば店舗側の方針で顧客の外出を原則禁止するような場合には、顧客が外出すると時間計測部45での待ち時間の計時を一時的に停止する、また、外出時間分だけ基準時間を長く設定する、また、顧客が店舗に戻ってきてからの待ち時間で接客要否判定を行う、また、外出から戻った顧客には接客行為(声掛け)を行わない、などの方法も可能であり、接客要否判定の条件を店舗側の必要に応じて種々に変更設定することができるようにしてもよい。
接客情報取得部48は、店員から接客情報を取得するものであり、この接客情報取得部48では、接客情報として、店員による接客行為の実施状況に関する情報や、接客行為の必要のない顧客に関する情報を、入出力制御部35を介して取得する処理が行われる。接客情報取得部48で取得した情報は、該当する顧客の顧客情報として顧客情報蓄積部44に蓄積される。
集計処理部49では、時間計測部45により取得した顧客ごとの経過時間を集計して、所定期間ごとの経過時間を取得する処理が行われる。本実施形態では、時間計測部45により取得した顧客ごとの店内滞在時間を時間帯ごとに集計して、時間帯ごとの店内滞在時間を取得する。また、時間計測部45により取得した顧客ごとの窓口での業務所要時間を時間帯ごとに集計して、窓口ごとの業務所要時間を取得する。
また、集計処理部49では、顧客種類判定部46により取得した顧客ごとの種類を集計して、所定期間ごとの種類別の顧客の人数を取得する処理が行われる。本実施形態では、顧客種類判定部46により取得した両替機利用客および即時退店客を集計して、時間帯ごとの両替機利用客および即時退店客の人数を取得する。
入出力制御部35は、モニタおよびマウスなどの入力デバイス6を用いたGUI(Graphical User Interface)により、顧客情報管理部34で生成した顧客情報を出力して店員に提示する処理、および店員の入力操作による入力情報を取得する処理を行うものであり、表示情報生成部(利用者情報提示部)51と、入力情報取得部52と、を備えている。
表示情報生成部51では、登録された顧客の顧客情報を一覧表示する顧客状態表示画面(図13参照)に関する表示情報を生成してモニタ7に出力する処理が行われ、顧客状態表示画面がモニタ7に表示される。また、表示情報生成部51では、集計処理部49で生成した集計結果情報に関する表示情報(図11,12参照)を生成してモニタ7やプリンタ8に出力する処理が行われる。入力情報取得部52では、店員が入力デバイス6を用いてモニタ7に表示された画面上で行った入力操作に応じて入力情報を取得する処理が行われる。
また、本実施形態では、顧客情報管理部34において、窓口受付システムと連携して顧客情報を管理する処理が行われる。窓口受付システムは、発券機21と呼出表示パネル23と操作端末24とで構成される。発券機21は、窓口受付システムの制御部も備えている。
この窓口受付システムでは、先客に対する窓口業務が終了して、店員(テラー)が操作端末24の呼出ボタンを操作すると、呼出表示パネル23に次の受付番号が表示されて顧客を呼び出し、これに応じて顧客が窓口に来たところで、店員が操作端末24の受付ボタンを操作する。このとき、店員が操作端末24の呼出ボタンを操作した時刻を呼出時刻とし、店員が操作端末24の受付ボタンを操作した時刻を窓口受付時刻として、この呼出時刻および窓口受付時刻と受付番号とが発券機21から顧客登録部43に送られる。
顧客登録部43では、顧客と受付番号とを対応付ける処理が行われ、該当する顧客の顧客情報に受付番号が付加される。顧客と受付番号との対応付けは時刻に基づいて行われる。すなわち、第2の画像取得部32において、窓口カメラ1bにより撮影された窓口利用時の人物画像が取得され、人物照合部42により窓口業務が開始されたことが検知されると、人物画像および撮影時刻が顧客登録部43に送られ、顧客登録部43では、発券機21から取得した窓口受付時刻と撮影時刻とが近接していることを条件に、顧客と受付番号との対応付けを行う。
なお、このように窓口受付システムでは呼出時刻および窓口受付時刻を取得することができ、この呼出時刻および窓口受付時刻を顧客情報として顧客情報蓄積部44に蓄積するようにすると、時間計測部45において、入店時刻から呼出時刻または窓口受付時刻までの経過時間を待ち時間として計測することもできる。
なお、図8に示したPC3の各部は、PC3のCPUに顧客管理用のプログラムを実行させることで実現される。このプログラムは、情報処理装置としてのPC3に予め導入して専用の装置として構成する他、汎用OS上で動作するアプリケーションプログラムとして適宜なプログラム記録媒体に記録して、またネットワークを介して、ユーザに提供されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、接客のために顧客情報をリアルタイムでユーザに提示する都合上、第1〜第3の画像取得部31〜33、人物照合部42、顧客登録部43、および時間計測部45の各部の処理をリアルタイムで行う必要があるが、接客のための処理が必要ない場合には、前記の各部の処理はリアルタイムで実行する必要はない。この場合、第1〜第3の画像取得部31〜33はレコーダ2から画像を取得すればよい。
次に、図8に示した除外人物登録部41で行われる除外人物登録処理について説明する。図9は、図1に示したモニタ7に表示される映像表示画面および除外人物登録画面を示す説明図である。
本実施形態では、除外人物登録部41において、店員などの顧客管理の対象から除外する人物を登録する処理が行われる。この除外人物登録処理では、図9に示す映像表示画面61および除外人物登録画面62がモニタ7に表示され、この映像表示画面61および除外人物登録画面62上でユーザが所要の操作を行うことで、除外人物登録部41で除外人物登録処理が実行される。
具体的には、映像表示画面61にカメラ1a〜1cごとの映像が表示され、登録したい人物をカメラ1a〜1cで撮影して、映像表示画面61に人物が写る映像が表示されると、STOPボタン63を操作して映像の再生を停止した上で登録ボタン64を操作すると、ホップアップで除外人物登録画面62が表示され、このとき、映像から検出された人物の顔画像が抽出されて除外人物登録画面62に表示される。この除外人物登録画面により、顧客管理の対象から除外する人物の顔画像と、その人物の属性などに関する情報を登録することができる。
除外人物登録画面62には、人物ごとに、顔画像表示部71と、属性表示部72と、コメント表示部73と、が設けられている。顔画像表示部71には、人物の顔画像が表示される。属性表示部72には、顔画像および人物に関する属性(撮影日時、氏名、従業員など)が表示される。コメント表示部73には、職名などのコメントが表示される。
また、除外人物登録画面62には、ファイル読込ボタン74、従業員ボタン75、登録顔編集ボタン76および削除ボタン77が設けられている。ファイル読込ボタン74は、別に用意した画像ファイルを読み込むものであり、その画像ファイルに格納された顔画像を用いて除外人物登録が行われる。従業員ボタン75は、従業員を選択する画面を表示させるものであり、従業員として予め登録された人物の中から該当する人物を選択すると、その人物の属性(氏名および従業員)が設定される。登録顔編集ボタン76は、顔画像に対する画像編集を開始させるものである。削除ボタン77は、除外人物登録画面62から不要な人物を削除するものである。なお、属性表示部72およびコメント表示部73では、必要な情報を直接入力することができるようにしてもよい。
次に、図8に示した人物照合部42で行われる人物照合処理について説明する。図10は、人物照合部42で行われる人物照合処理の概要を説明する説明図である。
本実施形態では、出入口から入店する顧客が入店カメラ1aで撮影され、第1の画像取得部31において、人物追跡により入店カメラ1aで撮影された画像から人物が検出されるたびにその人物の顔画像を取得し、この顔画像が顧客情報蓄積部44に蓄積される。これにより、顧客情報蓄積部44には、複数の人物ごとの顔画像が蓄積され、さらに1人の人物に関する複数の顔画像が蓄積される。
一方、出入口から退店する顧客が退店カメラ1cで撮影され、第3の画像取得部33において、人物追跡により退店カメラ1cで撮影された画像から人物が検出されるたびにその人物の顔画像を取得する。そして、人物照合部42において、第3の画像取得部33で取得した顔画像と、顧客情報蓄積部44に蓄積された全ての顔画像との間で人物照合が行われ、この人物照合は、第3の画像取得部33において顔画像を取得するたびに行われる。
人物照合部42では、入店時の複数の顔画像と退店時の複数の顔画像との間で類似度を算出し、類似度が所定のしきい値以上となると、2つの顔画像を同一人物と判断する。
このように人物照合部42では、複数の顔画像で人物照合を行うため、誤照合の発生を抑えることができる。すなわち、第1,第3の画像取得部31,33では、必ずしも正面を向いた適切な顔画像を取得することができるとは限らないため、1つの顔画像で人物照合を行うと、誤照合が発生するおそれがあるが、本実施形態では、複数枚の顔画像で人物照合を行うため、人物照合の精度を向上させて、誤照合の発生を抑えることができる。一方、複数枚の顔画像で人物照合を行うと、人物照合の回数が増加するが、人物照合の対象となる顧客、すなわち店舗内に滞在する顧客は数十人程度であり、人物照合の処理負荷はさほど大きくなく、リアルタイムな処理が可能である。
このようにして人物照合が成功すると、該当する人物の入店時の顔画像のうち、最初に取得した顔画像の撮影時刻を入店時刻とし、該当する人物の退店時の顔画像のうち、最後に取得した顔画像の撮影時刻を退店時刻とする。
なお、窓口カメラ1bで撮影されて第2の画像取得部32で取得した窓口利用時の顔画像についても同様の要領で、顧客情報蓄積部44に蓄積された入店時の顔画像との間で人物照合が行われる。
次に、図8に示した集計処理部49での集計結果について説明する。図11および図12は、図1に示したプリンタ8で出力される集計結果を表す帳票を示す説明図である。
本実施形態では、集計処理部49において、時間計測部45により取得した顧客ごとの店内滞在時間を時間帯(1時間)ごとに集計して、時間帯ごとの店内滞在時間を取得する処理が行われ、これにより図11(A)に示すグラフが表示情報生成部51において生成されてプリンタ8で出力される。この場合、集計処理部49では、顧客ごとに店舗滞在時刻に基づいて、各時間帯で店舗に滞在した顧客を抽出し、その顧客ごとの店内滞在時間を平均することで、時間帯ごとの店内滞在時間を求めればよい。なお、店舗滞在時刻は、入店時刻、退店時刻、およびその間の適宜な時刻とすればよい。
このグラフにより、店内滞在時間の時間的な推移状況を把握することができる。そして、店内滞在時間は、店内の混雑の程度に応じて変化することから、このグラフにより、店内の混雑状況を把握することができる。
また、本実施形態では、集計処理部49において、時間計測部45により取得した顧客ごとの窓口での業務所要時間を時間帯ごとに集計して、時間帯ごとの窓口別の業務所要時間を取得する処理が行われ、これにより図11(B)に示すグラフが表示情報生成部51において生成されてプリンタ8で出力される。この場合、集計処理部49では、顧客ごとの窓口利用時刻に基づいて、各時間帯で各窓口を利用した顧客を抽出し、その顧客ごとの業務所要時間を平均することで、時間帯ごとの窓口別の業務所要時間を求めればよい。なお、窓口利用時刻は、窓口業務の開始時刻、終了時刻、およびその間の適宜な時刻とすればよい。
このグラフにより、窓口ごとの業務所要時間の時間的な推移状況を把握することができる。そして、窓口ごとの業務所要時間は、窓口ごとの業務効率に応じて変化することから、このグラフにより、窓口ごとの業務効率を把握することができる。
また、本実施形態では、集計処理部49において、顧客種類判定部46により両替機利用客および即時退店客と判定された顧客を時間帯ごとに集計して、時間帯ごとの両替機利用客および即時退店客の人数を取得する処理が行われ、これにより図12(A),(B)に示すグラフが表示情報生成部51において生成されてプリンタ8で出力される。この場合、集計処理部49では、両替機利用客および即時退店客と判定された顧客のうち、顧客ごとの店舗滞在時刻に基づいて、各時間帯で店舗に滞在した顧客を抽出し、その顧客の人数を時間帯ごとに集計することで、時間帯ごとの両替機利用客および即時退店客の人数を求めればよい。
これらのグラフにより、両替機利用客および即時退店客の人数の時間的な推移状況を把握することができる。
なお、図11および図12に示した例では、集計単位期間を時間帯としたが、集計単位期間を1日、1週間、および1月などとしてもよい。また、本実施形態では、集計結果を表す帳票をプリンタ8で出力するものとしたが、集計結果を表す画面をモニタ7に表示させるようにしてもよい。
次に、顧客の状態を店員に提示する顧客状態表示画面について説明する。図13は、図1に示したモニタ7に表示される顧客状態表示画面を示す説明図である。図14は、図13に示した顧客状態表示画面の要部を示す説明図である。
本実施形態では、表示情報生成部51において、呼び出し待ちの状態にある顧客の顧客情報を一覧表示する顧客状態表示画面に関する表示情報を生成する処理が行われ、図13に示す顧客状態表示画面がモニタ7に表示される。
この顧客状態表示画面には、顧客ごとの顧客情報を表示する顧客情報表示部81が並べて設けられている。また、この顧客状態表示画面には、全ての顧客の待ち時間を平均した平均待ち時間が表示される。
顧客情報表示部81は、顧客が存在する場所(待合エリアおよび店舗外)でグループ分けして表示されており、待合エリアの欄には、待合エリアにいると想定される顧客、すなわち店舗に滞在する顧客のうち、呼び出しを受けていない顧客が表示され、店舗外の欄には、店舗外にいる顧客、すなわち役務の提供が不明なまま退店した顧客が表示される。顧客が店舗に入店して登録されると、その顧客に関する顧客情報表示部81が待合エリアの欄に表示され、役務の提供が不明なまま顧客が退店すると、待合エリアの欄から店舗外の欄に顧客情報表示部81が移動し、顧客が店舗に戻ると、店舗外の欄から待合エリアの欄に顧客情報表示部81が移動する。
なお、一時外出客の他に、両替機利用客や即時退店客の場合も、役務の提供が不明なまま退店した顧客となることから、その顧客に関する顧客情報表示部81は店舗外の欄に表示される。
図14(A)に示すように、顧客情報表示部81には、通し番号表示部82と、人物画像表示部83と、待ち時間表示部84と、外出状態表示部85と、接客情報入力表示部86と、削除ボタン87とが設けられている。通し番号表示部82には、顧客登録部43で登録時に顧客に入店順に付与された通し番号が表示される。人物画像表示部83には、顧客登録部43で登録された顧客の顔画像が表示される。待ち時間表示部84には、時間計測部45で取得した待ち時間が表示される。
外出状態表示部85には、外出に関する状態情報が表示され、具体的には、退店していない場合には空欄となり、退店して店舗内にいない場合には「外出中」の文字が表示され、外出から戻った場合には「外出戻り」の文字が表示される。
接客情報入力表示部86では、店員による接客行為の実施状況、すなわち店員が実際に行った接客行為が店員により入力され、入力内容に応じた接客行為の実施状況が表示される。
具体的には、図14(B)に示すように、接客情報入力表示部86を操作すると、プルダウンメニューとして、未対応、対応1回、対応2回、および対象外の各選択項目が表示される。この接客情報入力表示部86には、初期状態として「未対応」が表示され、最初に接客行為を行った場合に「対応1回」を選択し、2回目の接客行為を行った場合に「対応2回」を選択する。また、店員が実際に行った接客行為などにより、同伴者であることが判明した場合や、呼び出しを待つ以外の理由で待合エリアにいることが判明した場合には、接客行為の必要のない顧客と判断して「対象外」を選択する。この選択操作に応じて接客情報入力表示部86の表示文字が切り換えられる。
ここで、「対象外」が選択された顧客は、接客要否判定部47で行われる接客要否判定処理の対象外となり、その顧客については、待ち時間が超過したことに関する通知は行われない。
また、窓口業務が複数回に分けて行われる場合(図3(B)参照)に、2回目以降の待ち状態を表す選択項目を接客情報入力表示部86に設けるようにしてもよい。このようにすると、呼び出しを2回以上待つ顧客を店員が把握することができる。
図14(A)に示したように、削除ボタン87は、手動で顧客の登録を抹消するものであり、この削除ボタン87を操作すると、顧客登録部43で登録抹消処理が実行され、その顧客の顧客情報表示部81が顧客状態表示画面から削除される。この削除ボタン87により手動で顧客の登録を抹消する場合としては、接客行為の対象外の人物、すなわち同伴者などの接客行為の必要のない人物の場合、何等かの誤った処理で同一人物が重複して登録された場合、ならびに未登録の店員が顧客として登録された場合などである。
また、誤操作により誤って顧客の登録が抹消されることを避けるため、削除ボタン87を操作すると、確認画面がポップアップで表示され、その確認画面でOKボタンを操作すると、削除が確定するようにするとよい。また、接客情報入力表示部86で「対象外」を選択した人物のみを削除することができるようにしてもよい。
なお、人物照合部42により役務の提供が完了したことが検知された顧客については、自動的に顧客登録部43で登録抹消処理が実行され、その顧客の顧客情報表示部81が顧客状態表示画面から削除される。
また、図13に示した顧客状態表示画面では、接客要否判定部47において、待ち時間が基準時間を超えて、接客行為、すなわち、長時間待たせていることを詫びる旨の声掛けが必要と判断された顧客を店員に通知するため、該当する顧客の顧客情報表示部81が強調表示される。特にここでは、顧客情報表示部81が反転表示される。なお、顧客情報表示部81を反転表示させる他に、顧客情報表示部81の表示色を変更するようにしてもよい。また、接客行為を促すメッセージをポップアップで表示するようにしてもよい。
また、図13に示した顧客状態表示画面では、接客情報入力表示部86の入力内容(未対応、対応1回、対応2回、および対象外)に応じて、接客情報入力表示部86の表示文字とともに顧客情報表示部81の表示色が変更される。
以上のように、本実施形態では、顧客情報管理部34により、役務の提供に係る顧客の状態を取得することができ、さらに、カメラ1a〜1cにより撮影された人物画像のみで顧客の状態を取得することができ、受付番号札に依存しないことから、受付番号札を受け取らない顧客など、通常の行動とは異なる変則的な行動をとる顧客の状態の情報をも取得することができ、これにより、店舗に来店した顧客の状態を漏れなくユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、時間計測部45において、人物照合部42により検知された顧客の状態、および人物画像の撮影時刻に基づき、顧客の状態に関する経過時間を顧客ごとに計測するようにしたため、顧客の状態に関する経過時間をユーザが把握することができる。これにより、店舗内の混雑状態や、役務の提供に係る業務の効率などを評価することができる。
また、本実施形態では、時間計測部45において、経過時間として、顧客が入場してから退場するまでに要した場内滞在時間を顧客ごとに計測するようにしたため、顧客ごとの場内滞在時間をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、時間計測部45において、経過時間として、役務の提供に関する業務を開始してから終了するまでに要した業務所要時間を顧客ごとに計測するようにしたため、顧客ごとの業務所要時間をユーザが把握することができる。そして、顧客ごとの業務所要時間を、業務を行う窓口ごとに集計して、窓口ごとの業務所要時間を取得すると、窓口ごとの業務効率などを評価することができる。
また、本実施形態では、集計処理部19において、時間計測部45により取得した顧客ごとの経過時間を集計して、所定期間ごとの経過時間に関する顧客情報を生成するようにしたため、所定期間ごとの経過時間をユーザが把握することができる。そして、所定期間ごとの経過時間を時系列で並べて表示するようにすれば、経過時間の時間的な推移状況をユーザが簡単に把握することができ、また、異なる日時の経過時間を対比可能に並べて表示するようにすれば、経過時間の日時による違いをユーザが簡単に把握することができる。
また、本実施形態では、顧客種類判定部46において、人物照合部42により検知された顧客の状態に基づき、顧客の種類(窓口利用客、両替機利用客、即時退店客および一時外出客)を判定するようにしたため、顧客の種類をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、顧客種類判定部46において、人物照合部42により、役務の提供が不明な顧客が退場したことが検知されるとともに、その顧客が再度入場したことが検知されると、その顧客を、施設から一時的に外出した一時外出客と判定するようにしたため、一時外出客をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、時間計測部45において、人物画像の撮影時刻に基づき、顧客が入場してから退場するまでに要した場内滞在時間を顧客ごとに計測し、顧客種類判定部46において、時間計測部による計測結果に基づき、顧客の種類を判定するようにしたため、人物画像間の人物照合のみで判定することができない顧客の種類を判別することができる。
また、本実施形態では、顧客種類判定部46において、人物照合部42により、役務の提供が不明な顧客が退場したことが検知されるとともに、時間計測部45による場内滞在時間が所定時間以内である場合に、その顧客を、入場した後に役務の提供を受けないまま直ちに退場した即時退場客と判定するようにしたため、即時退場客をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、顧客種類判定部46において、人物照合部42により、役務の提供が不明な顧客が退場したことが検知されるとともに、時間計測部45による場内滞在時間が所定時間を超える場合に、その顧客を、顧客の操作に応じて役務の提供を行う両替機などを利用したセルフ機利用客と判定するようにしたため、セルフ機利用客をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、集計処理部49において、顧客種類判定部46により取得した顧客ごとの種類を集計して、所定期間ごとの種類別の顧客の人数を取得するようにしたため、所定期間ごとの種類別の顧客の人数をユーザが把握することができる。そして、所定期間ごとの種類別の顧客の人数を時系列で並べて表示するようにすれば、種類別の顧客の人数の時間的な推移状況をユーザが簡単に把握することができ、また、異なる日時の種類別の顧客の人数を対比可能に並べて表示するようにすれば、種類別の顧客の人数の日時による違いをユーザが簡単に把握することができる。
また、本実施形態では、人物照合部42により検知された顧客の状態に関する顧客情報をリアルタイムでユーザに提示するようにしたため、役務の提供待ちの状態にある顧客、すなわち接客行為が必要とされる顧客の状態を店員が漏れなく把握することができる。これにより、店員が必要な接客行為を行い、また、顧客が役務の提供を受けないまま放置されることを避けることができるため、顧客の満足度を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る顧客管理システムについて説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の第1実施形態と同様である。図15は、店舗のレイアウト、カメラ1a〜1cの設置状況、および顧客の状態を説明する店舗の平面図である。図16は、PC3で行われる顧客管理処理の概要を説明する説明図である。
この第2実施形態では、図15に示すように、両替機22を利用する顧客を撮影する両替機カメラ1dが設置されている。
この場合、図16に示すように、顧客が出入口から入店すると、その顧客が入店カメラ1aで撮影され、その撮影画像から検出された人物が顧客として登録される。そして、顧客が両替機22で両替を行うと、その顧客が両替機カメラ1dで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功すると、顧客が両替機22を利用したこと、すなわち役務の提供が完了したことが検知されて、該当する顧客の顧客情報が更新される。
そして、顧客が両替機22で両替を済ませて出入口から退店すると、その顧客が退店カメラ1cで撮影される。このとき、撮影画像から抽出された人物画像と登録された人物画像との間で人物照合が行われ、人物照合が成功すると、役務の提供が完了した顧客が退店したことが検知されて、顧客の登録が抹消される。
このように第2実施形態では、顧客が両替機22を利用したことが両替機カメラ1dの映像で検知されるため、より一層精度良く両替機利用客を判別することができる。また、第1実施形態では、顧客が退店した時点では両替機利用客と一時外出客との判別ができないが、第2実施形態では、顧客が退店した時点で両替機利用客を判別することができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る利用者管理装置、利用者管理システムおよび利用者管理方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、本実施形態では、銀行などの金融機関の例について説明したが、発券機で利用者に受付番号札を発行する施設、例えば携帯電話ショップ、旅行会社、調剤薬局、病院などの医療施設、百貨店、官公庁、およびイベント会場などに広く適用することができる。また、本実施形態では、銀行などの金融機関の例で利用者に役務を提供するものとしたが、商品などの物品を利用者に提供する店舗などに適用することも可能である。
また、本実施形態では、セルフ機(セルフサービス型の役務提供装置)として両替機を設けたが、ATM(automated teller machine)など、この他の装置であってもよい。ATMは通常専用のエリアに設置されているが、窓口を利用する顧客が滞在するエリア(ロビー)内に設置されることもある。
また、本実施形態では、発券機から受付番号札を受け取る顧客をカメラで撮影しないようにしたが、このような顧客を撮影する発券機カメラを設置するようにしてもよい。また、発券機は出入口の近傍に設置されるため、入店カメラ1aにより、出入口から入店する顧客とともに、発券機で受付番号札を受け取る顧客も撮影するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1の画像取得部31において、入店カメラ1aにより入店する顧客を撮影した人物画像を取得するようにしたが、この第1の画像取得部31では、入店してから受付番号札を受け取るまでの少なくともいずれかの時点で顧客を撮影した人物画像を取得すればよい。なお、両替機利用客を対象とする場合には、発券機を利用しないため、少なくとも店舗に入店する時点で利用者を撮影した人物画像を取得する必要がある。
また、本実施形態では、第2の画像取得部32において、窓口カメラ1bにより窓口に現れた顧客を撮影した人物画像を取得するようにしたが、この第2の画像取得部32では、受付番号による呼び出しを受けてから役務の提供が終了するまでの少なくともいずれかの時点で顧客を撮影した人物画像を取得すればよい。これにより、顧客に役務を提供する業務が実施されたことを検知することができる。
また、本実施形態では、第1〜第3の画像取得部31〜33をPC3に設けたが、PC3とは別に画像取得装置を設けることも可能である。また、この画像取得装置をカメラ1a〜1cに一体化して画像取得機能付きカメラとして構成することも可能である。
また、本実施形態では、PC3で人物追跡処理を行うものとしたが、この人物追跡処理をPC3とは別の装置で構成することも可能である。また、人物追跡の機能をカメラ1a〜1cに実装して人物追跡機能付きカメラとして構成することも可能である。
また、本実施形態では、顧客管理に必要な処理を、店舗に設けられたPC3に行わせるようにしたが、この必要な処理を、図1に示したように、本部に設けられたPC11や、クラウドコンピューティングシステムを構成するクラウドコンピュータ12に行わせるようにしてもよい。また、必要な処理を複数の情報処理装置で分担し、IPネットワークやLANなどの通信媒体を介して、複数の情報処理装置の間で情報を受け渡すようにしてもよい。この場合、必要な処理を分担する複数の情報処理装置で顧客管理システムが構成される。
このような構成では、顧客管理に必要な処理のうち、少なくとも演算量が大きな処理、例えば人物検出処理を、店舗に設けられたPC3などに行わせるようにするとよい。このように構成すると、残りの処理で必要となる情報のデータ量が少なくて済むため、残りの処理を店舗とは異なる場所に設置された情報処理装置、例えば本部に設置されたPC11に行わせるようにしても、通信負荷を軽減することができるため、広域ネットワーク接続形態によるシステムの運用が容易になる。
また、顧客管理に必要な処理のうち、少なくとも演算量が大きな処理、例えば人物検出処理を、クラウドコンピュータ12に行わせるようにしてもよい。このように構成すると、残りの処理は演算量が小さくて済むため、店舗などのユーザ側の装置に高速な処理能力が不要となり、ユーザが負担するコストを軽減することができる。
また、クラウドコンピュータ12に必要な処理の全部を行わせ、あるいは、必要な処理のうちの少なくとも表示情報生成処理をクラウドコンピュータ12に分担させるようにしてもよく、このように構成すると、店舗や本部に設けられたPC3,11の他に、スマートフォン13やタブレット端末14などの携帯型端末でも顧客情報を表示させることができるようになり、これにより店舗や本部の他に外出先などの任意の場所で顧客の状態を確認することができる。
また、本実施形態では、店舗に設置されたPC3に顧客管理に必要な処理を行わせるとともに、PC3のモニタ7にGUIの画面を表示させて、PC3で必要な入力および出力を行うようにしたが、顧客管理に必要な処理を行う情報処理装置とは別の情報処理装置、例えば本部に設置されたPC11やタブレット端末14などの携帯型端末で必要な入力および出力を行うようにしてもよい。特に、タブレット端末14などの携帯型端末を、接客を専門に担当する店員などが閲覧および入力操作を行うことができるように、店員に所持させ、あるいは店舗の適宜な場所に設置するようにすると、利便性を高めることができる。