JP6240382B2 - 放射性セシウム吸着剤及びそれを用いた放射性セシウムの回収方法 - Google Patents

放射性セシウム吸着剤及びそれを用いた放射性セシウムの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性物質に汚染された廃水やガスから放射性物質を分離回収し、環境の除染に活用することが可能な放射性物質吸着剤、それを用いた放射性物質の回収方法及び回収装置に関する。
原子力発電所等においては、核***反応による副産物として、ヨウ素、ストロンチウム、セシウム、セリウム等の放射性同位体が生成し、また、医療/産業界においては、放射線治療等の照射処理に使用した後の放射性廃棄物が生じる。このような放射性廃棄物、特に、甲状腺に取り込まれ易い放射性ヨウ素や、半減期が30年と長く、カリウムと同様の代謝挙動を示す放射性セシウムは、放射線被曝を引き起こす要因となる。従って、放射性廃棄物の処理は厳重な管理の下で行われるが、事故等によって放射性物質が外部に飛散した場合には、極めて重要な問題となり、環境を汚染している放射性物質を迅速に取り除く(除染)必要がある。
セシウム(Cs)の種々の放射性同位体の中で、137Csは、核***による副産物のうちで最も重要な物質であると共に、産業及び医療分野で用いられる密封線源において有効成分として用いられる一般的な物質でもあり、特に、放射線腫瘍学において重要な放射性核種であり、実験や診断、治療等を目的とする放射性セシウムの使用機会は増加する可能性がある。従って、放射性セシウムの取り扱い技術は、原子炉の偶発的事故対応や、原子炉周辺における労働者環境及び近隣住民の安全性の確保だけでなく、産業又は医療利用において通常の生活環境の汚染を防止する上でも非常に重要である。
チェルノブイリ発電所の事故以来、除染処理を目的として、例えば、植物の生長に伴う取り込みや物理化学的な吸収・吸着作用を利用して放射性物質を除去することが試みられ、有機又は無機の多孔質材や高分子材料などを含む様々な材料の利用可能性について検討がなされている。その中で、着色剤として用いられているフェロシアン化鉄化合物である紺青は、放射性セシウムを除去するために利用可能であることが知られ、下記非特許文献1においては、鉄、銅、銀等の2価金属を構成成分とするフェロシアン化鉄化合物を用いて放射性セシウムを吸着することが記載されている。
V.V. Milyutin, V.M. Gelis, V.G. Klindukhov, and A.V. Obruchikov, "Coprecipitation of Microamounts of Cs with Ferrocyanides of Various Metals", Radiochemistry Vol. 46(2004), 479-480
除染処理における放射性物質の除去精度は高いことが好ましいが、実際には、費用や処理に要する時間の増大が障害となるため、除染対象によって除去精度を適宜設定することが必要となり、飲用水や農業生産用水等の体内摂取の対象となるものについては、放射性物質による内部被爆を極力防止するために、より高い除去精度の処理が必要である。
このように、除染処理の対象に応じた除去精度を実現するためには、除去特性の異なる様々な処理方法を開発し、必要に応じて大量処理や高精度の除去処理に特化することが望まれる。
本発明の課題は、上述の問題を解決し、高い精度で放射性物質を除去可能な放射性物質吸着剤を提供することである。
又、本発明の他の課題は、水やガスに含まれる放射性物質を高収率で除去可能な放射性物質の回収方法及び回収装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のフェロシアン化鉄化合物を吸着剤として使用すると、放射性物質の回収精度が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、放射性セシウム吸着剤は、下記式で表されるヘキサシアノ鉄酸化合物を含有することを要旨とする。
aNi[Fe(CN) 6
又、本発明の一態様によれば、放射性セシウムの回収方法は、上記放射性セシウム吸着剤を用いて放射性セシウムを吸着する吸着工程を有することを要旨とする。
上記吸着行程において、前記放射性セシウム吸着剤は、前記放射性セシウムを含む水性液又はガスと接触させることによって前記放射性セシウムを吸着することができ、ガスに含まれる放射性セシウムは、ガスから水分に移行して吸着される
上記担体は粒状であり、前記吸着床は、前記担体によって多孔質状に形成することができる。
本発明によれば、放射性物質を高い精度で吸着回収可能な放射性物質吸着剤が提供でき、それを用いた放射性物質の回収方法によって飲料用水や農業用水等へ適用可能な除染処理を可能とし、放射性物質の回収装置を用いて、発電所や産業/医療施設からの放射性物質の漏洩を好適に防止することが可能である。
本発明における放射性物質の回収方法を実施する回収装置の一実施形態を示す概略構成図。
放射性セシウムの1種である137Csは、経口接種、吸息又は皮膚浸透によって身体に吸収され易く、体内ではカリウムやナトリウムと近似した性質を示してほぼ全身に分散される。又、高エネルギーのβ線及び浸透型γ線を放射し、物理的半減期が30年と長いだけでなく、生物的半減期も約100〜110日と比較的長い。従って、放射性セシウムの環境からの除去は、身体的安全を維持する上で非常に重要である。
放射性セシウムの除去に利用可能であることが知られている紺青は、一般式:MFe[Fe(CN)]で表される、フェロシアン酸鉄を共通要素とする錯化合物(式中のMは、NH、K及び/又はFe)であり、現在工業用として製造される紺青はアンモニウム紺青が主であり、ヘキサシアノ鉄酸と錯化する成分Mがカリウムであるものは、市販の化合物を利用して容易に調製される。紺青のセシウム除去作用については完全に解明されていないが、かなりの高率で放射性セシウムを除去できる。
本願発明者らは、種々のフェロシアン酸系化合物について検討した結果、上述のアンモニウム紺青等よりも除去効率が高い化合物が存在することが判明し、放射性物質の吸着剤として高い価値を有することを見出した。本発明の放射性物質吸着剤は、一般式:NaNi[Fe(CN)](但し、式中のx及びyは各々実数を表し、Feが3価の鉄である時に、x+2y=3を満たし、Feが2価の鉄である時に、x+2y=4を満たす)で表されるヘキサシアノ鉄酸化合物(1)を有効成分として含有する。このヘキサシアノ鉄酸化合物(1)は、ヘキサシアノ鉄酸と錯化する成分Mとしてニッケル及びナトリウムを含有する。
上記ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)は、アンモニア紺青やカリウム系ヘキサシアノ鉄酸化合物に比べて、放射性物質の吸着性能が高い。これは、錯化成分Mがナトリウムである点に起因すると考えられる。紺青を含むヘキサシアノ鉄酸化合物が放射性セシウムを吸着する機構は、イオン交換、つまり、錯化成分Mの代わりに放射性セシウムが置き換わることによって達成され、上記ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)においては、ナトリウムイオンが脱離した結晶内の空孔にセシウムイオンが取り込まれる。アルカリ金属のイオン半径の大きさは、以下のような順序であるので、置き換わったセシウムイオンは、イオン交換前より密な状態で空孔内に収まり、脱離し難くなる。しかも、セシウムイオンとナトリウムイオンとの差は、セシウムイオンとカリウムイオンとの差より大きいので、ナトリウム系のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)に取り込まれたセシウムイオンは、カリウム系ヘキサシアノ鉄酸化合物の場合より脱離し難いと考えられる。従って、イオン交換によって取り込まれたセシウムイオンの脱離率が低下することによって、セシウムの除去効率が向上する。
Cs>Rb>K>Na
又、カリウム系ヘキサシアノ鉄酸化合物は、比重が比較的大きく、水に対する分散性が劣るのに対し、ナトリウム系ヘキサシアノ鉄酸化合物は、比較的比重が小さく、水中へ均一に分散させ易いので、上記ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)は、放射性物質に汚染された水性液に混合した際に容易に均一分散される。従って、バッチ式除染処理を効率よく進めることができるので、大量の放射能汚染水を効率的に除染処理するのに適している。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明における放射性物質吸着剤は、上述のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)を有効成分として含有し、この放射性物質吸着剤を用いて、放射性物質を回収する。フェロシアン化鉄にナトリウム及びニッケルをドープした化合物の一般的な合成方法については、C. Loos-Neskovicらによる文献(C. Loos-Neskovic, M. Fedorff, E. Garnier and P. Gravereaufe, "ZINC AND NICKEL FERROCYANIDES: PREPARATION, COMPOSITION AND STRUCTURE", Talanta, Vol.31(1984) 1133-1147)に記載があり、ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)は、この文献に記載される合成方法を用いて調製可能である。具体的には、原料として、硝酸ニッケルとナトリウムフェロシアン化鉄との組み合わせ、又は、硫酸ニッケルとナトリウムフェロシアン化鉄との組み合わせを用いて調製できる。又、後述の実施例に記載する文献に従った合成も可能である。
放射性物質吸着剤の有効成分であるヘキサシアノ鉄酸化合物(1)は、単独化合物でも、式中のx及び/又はyが異なる複数種の化合物の組み合わせであっても良い。又、上記ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)の作用を阻害しない限り、他の吸着性成分やキレート剤を含有しても良い。例えば、紺青や他のヘキサシアノ鉄酸化合物類、フェロシアン化鉄、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、ハスクレイ(非晶質アルミニウムケイ酸塩と層状粘土鉱物との複合体)、イモゴライト、イオン交換樹脂、キトサン、フィチン酸、ジビコリン酸、ペクチン又はその加工複合物等と組み合わせて吸着剤として使用しても良い。
放射性物質の回収方法は、放射性物質吸着剤(以下、吸着剤と記載)に放射性物質を接触させて吸着剤に吸着する吸着工程を有し、具体的には、以下の2つの形態に大別される。第1の形態では、放射性物質を含む水性液に吸着剤を投入して攪拌することによって吸着剤と放射性物質とを接触させる。これにより、接触した放射性物質は水性液から吸着剤に取り込まれて吸着される。第2の形態では、放射性物質を含んだガスを吸着剤と接触させる。これにより、ガス中の放射性物質が吸着剤に取り込まれて吸着される。本発明のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)を吸着剤として用いることによって、放射性物質を高い吸着率で回収することができ、放射性物質として、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素及びセリウムが回収できる。特に、放射性セシウムの吸着回収において高い除去性能を発揮し、98%以上の吸着率で廃水の除染処理を行うことが可能である。
第1の形態において、吸着剤は、処理する水性液に対するヘキサシアノ鉄酸化合物(1)の量が3.0〜5.0g/L程度となる割合で使用すると良く、放射性物質である放射性セシウムの濃度が10mg/L程度の廃水に対して、98%程度以上の吸着率で放射性物質を回収除去することができる。吸着工程の後に、吸着剤を水性液から分離除去する分離工程を経ることによって、放射性物質は吸着剤と共に水性液から回収され、放射性物質を除去した除染水性液が得られる。
水性液に分散した状態で放射性物質を吸着した吸着剤は、フィルターを用いた濾過や遠心分離等の分離方法によって水性液から分離除去することができるが、実用的には、分離に要する時間を短縮して効率的に分離することが好ましい。このためには、凝集沈殿法に従って吸着剤の凝集処理を行うとよい。凝集処理は、凝集剤を用いて吸着剤を凝集させて沈降し易くする処理であり、固液分離の速度が速まるので、大量処理を好適に進行できる。又、フィルター濾過や大容量での遠心分離も行い易くなるので、分離作業の効率がよい。
凝集剤として、硫酸ニッケル、硫酸第一鉄等のような強酸とニッケル又は鉄との塩が用いられ、凝集剤を添加することによって、ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)及びその放射性物質吸着体中のナトリウムがニッケルに置換されることにより凝集が進行して沈降が促進される。吸着剤から脱離したナトリウムは、強酸との塩として溶解する。この反応は、セシウム吸着体では下記式のように示される(但し、吸着剤として、Feが3価であるフェリシアン系のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)を用いた場合、α、β及びγは、α+β+2γ=6となる実数であり、Feが2価であるフェロシアン系のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)の場合は、α+β+2γ=8となる)。
NaαCsβNiγ[Fe(CN)62 + (α/2)NiSO4
CsβNi(γ+α/2)[Fe(CN)62↓ + (α/2)Na2SO4
尚、凝集沈降が進行する間に、水性液に含まれるマグネシウムやナトリウム等の金属イオンによって吸着剤中の放射性物質が再度置換されて放出される可能性があるが、これは、水性液のpHが6〜10である状態で凝集処理を行うことによって防止可能である。従って、凝集沈降処理を施す前に、水性液のpHを確認し、上記範囲にない場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基性水溶液、又は、硫酸ニッケル、硫酸第一鉄等の強酸性水溶液を用いてpHを調整すると良い。このように適正なpHに調整された水性液に凝集剤を添加すれば、放射性物質を再放出することなく、吸着剤のフロックが良好に形成されて沈降し、固液分離によって吸着剤を容易に除去することができる。従って、除染された水性液を効率よく得ることができ、放射性物質は吸着剤と共に回収される。固液分離によって得られた上澄みの水性液を、更にフィルターによって濾過すれば、吸着剤の除去が確実になるので好ましい。
第2の形態は、ガス中に含まれる放射性物質を吸着剤に吸着させるために、吸着剤を保持する吸着床を用意し、これにガスを供給して接触させることによってガス中の放射性物質を吸着剤に吸着させ、除染されたガスを排出する。この際、放射性物質をイオン状態で吸着剤に接触させるために、保水性を有する担体(又は支持材)を用いて吸着床を形成して、担体に水分を保持させることにより、吸着剤と水分とを共存させる。ガスに含まれる放射性物質は、担体に保持される水分に捕捉され、溶解・イオン化して吸着剤と接触する。従って、担体は、保水性を有し、吸着剤の作用を阻害せず、意図しない反応や変質を起こさないものであれば良い。吸着床に保持される吸着剤は、担体との混合状態でも担体上に載置した状態でもよく、担体に吸着剤を固着又は結合する必要はない。吸着床を粒状の担体を用いて形成すると、通気性を有する多孔質層状の吸着床が形成され、ガスは吸着床の担体粒子間の間隙を通過するので、ガスから水分への放射性物質の移行が容易になる。このような吸着床は、通気性を有する網目状部材、有孔板等の支持部材上に粒状の担体を用いて形成すると、吸着床が好適に支持され、これを利用して吸着塔や吸着カラムを好適に構成することができる。吸着床は、担体と吸着剤との混合物による均一な層状に形成しても、担体層上に吸着剤を載せた積層状、或いは、その上に更に担体層を積層した多層状に形成してもよい。或いは、粒状の担体の代わりに、通気性を有する多孔質体を吸着床として、その上に吸着剤を支持したり、複数の多孔質体間に吸着剤を挟持するように構成しても良い。吸着床から水滴が落下することなく適量の水分を保持する湿潤状態を維持可能であることが好ましく、吸着剤を有する吸着床(担体層)中の水分量が1〜3g/L程度となるような保水性を有する担体であると好ましい。吸着床を構成するのに適した担体(又は支持材)として、例えば、アンスラサイト等の炭素材、ガラスビーズ、グラスファイバー等のガラス材、シリカ、アルミナ、ゼオライト、セライト、モレキュラーシーブ、濾過砂等のセラミックなどが挙げられる。粒状の担体は、通気性の良い孔を粒子間に形成可能な大きさの粒子サイズのものを適宜選択して使用するとよく、粒径が50〜100nm程度のものであると好適である。濾材として通常使用されるような粒状材から好適なものを適宜選択して使用しても良い。上述のように、粒状の担体を用いて、通気性を有する支持部材上に吸着床を形成することができ、吸着剤が吸着床に保持される。これに関して、例えば、吸着剤を混合した粒状の担体を、加圧圧縮して圧粉成形したり、結合剤を用いて固着成形すると、担体による硬質の多孔質体が形成されるので、吸着床を支持するための通気性支持部材を省略することができる。又、担体と吸着剤との混合物をカラム内に充填して吸着層を形成し、これを吸着床として使用すると、吸着床にガスを通過させるためのガス供給に関した形態の設計が容易であるので、実用的で汎用性が高い。
上述のように調製される吸着床に放射性物質を含んだガスを供給して、ガスが吸着床を通過することにより、ガス中の放射性物質が吸着剤に接触する。この際、水分が存在することによって、ガス中の放射性物質が水に捕捉・吸収されて溶解し、イオンとなって吸着剤に取り込まれるので、吸着剤が処理当初から高い吸着性能を発揮するためには、吸着床に予め水分を供給して湿潤させておくことが好ましい。つまり、ボイラー等から放出されるガスのような水蒸気を含むガスの場合には、ガス中の水蒸気が吸着床を湿潤させるので、吸着床への外部からの水分供給は必要としないが、乾燥したガスや低湿度のガスの処理の場合には、予め吸着床に水分を供給して吸着床の水分量を適正に調整する必要があり、例えば、吸着床に水蒸気を通過させることによって容易に吸着床を湿潤させることができる。
図1は、ガスに含まれる放射性物質を回収するための回収装置の一実施形態を示す概略構成図である。この実施形態では、回収装置1は、原子炉Rから大気中へガスを放出するベントスタックVに装備されるフィルター手段として構成され、2つの吸着カラム2A,2Bと、放射性物質を含んだガスGを吸着カラム2A,2Bへ供給するガス管3と、吸着カラム2A,2Bから放出されるガスG’をベントスタックVへ供給するガス管4とを備える。原子炉Rから放出されるガスGは、開閉弁5を開放すると、ガス管3を通じて吸着カラム2A,2Bの下端に供給され、各吸着カラム内を上昇する間に吸着処理が施されて、ガスG中の放射性物質が除去される。放射性物質が除去されたガスG’は、吸着カラム2A,2Bの上端からガス管4を通じてベントスタックVへ供給されて放出される。
吸着カラム2A,2Bは、各々、その内部に、濾過砂を担体Cとする2つの吸着床10a,10bを有し、第1の吸着床10aは、濾過砂とヘキサシアノ鉄酸化合物(1)との混合物によって形成される通気性の吸着層6を有し、第2の吸着床10bは、濾過砂とゼオライト−鉄吸着剤との混合物によって形成される通気性の吸着層7を有する。吸着層6及び吸着層7は、各々、ガスを通過させるための多数の小孔を有する有孔部材8又は有孔部材9によって支持される。吸着層6を支持する有孔部材8は、各吸着カラム内の下側に水平に固定され、吸着層7を支持する有孔部材9は、各吸着カラム内の上側に水平に固定される。
吸着層6,7は、各々、水分を含んだ湿潤状態に調整され、吸着カラム2A,2Bの下端から上昇するガスGは、先ず、有孔部材8を通って吸着層6の粒子間を通過する。この時、ガスG中の放射性物質が水分に捕捉されて溶解・イオン化し、ヘキサシアノ鉄酸化合物(1)に取り込まれる。吸着層6を通過したガスは、更に、吸着層7の粒子間を通過し、この時、ゼオライト−鉄吸着剤によって更に放射性物質が吸着される。このような構成によって、例えば、ガス中に含まれる放射性セシウムの濃度は、1/1000程度に低減することができる。
放射性物質の吸着剤は、種類によって吸着特性が異なるので、図1のように、吸着カラム内に異なる種類の吸着剤を用いて吸着層を設けることによって、多様な放射性物質に対する対応が可能である。この実施形態では、第1の吸着床10aは、放射性セシウムに対して特に高い吸着性能を発揮し、第2の吸着床10bは、放射性ストロンチウムに対して優れた吸着性を示す。吸着カラム内の吸着層の段数を更に増加したり、他の吸着剤を用いた吸着層を増設することによって更に吸着性能を高めることができる。これは、複数の吸着カラムを直列に接続する構成によっても可能である。
又、図1のように吸着カラムを並列に接続する構成は、ガスの通気抵抗が減少し、ガスの処理速度を高め易いので、並列する吸着カラムの数を更に増加すると処理速度の向上に有効である。又、複数の吸着カラムを並列に接続した構成では、一部の吸着カラムの通気を停止してもガスの処理を継続可能であるので、ガスの処理を中断せずに吸着剤の交換をすることができる。従って、吸着剤の吸着容量に基づいて吸着床の交換を行う上で有利である。
(吸着剤1)
W.D. Treadwellらによる文献(W.D. Treadwell and D. Chervert, Helv. Chim. Acta 6 (1923) 550)に従って、ヘキサシアノ鉄酸化合物を調製した。具体的には、体積モル濃度が0.0033mol/Lのナトリウムフェロシアン化鉄(NaFe(CN))水溶液300ml中に、体積モル濃度が5×10-3mol/Lの硫酸ニッケル水溶液100mlを注ぎ込み、55℃で一日保持した。この後、溶液から析出した生成物を分別して(収量517mg)、原子吸光光度(空気−アセチレン炎)を測定して組成分析を行ったところ、組成はNaNi[Fe(CN)]であり、鉄は2価で、x=2,y=1のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)であることが確認された。これを吸着剤1として、後述する放射性セシウムの除去に用いた。
(吸着剤2)
J. Dolezalらによる文献(J. Dolezal and V. Kourim, Radiochem. Radioanal. Lett, 1 (1969) 295)に従って、ヘキサシアノ鉄酸化合物を調製した。具体的には、体積モル濃度が0.1mol/Lの硝酸ニッケル水溶液100mlと、体積モル濃度が0.1mol/Lのナトリウムフェロシアン化鉄水溶液300mlとをフラスコ中で混合し、このフラスコを沸騰した水浴に浸して2時間加熱した。この後、フラスコを室温に戻して、大気中で24時間静置し、水溶液から析出した生成物をフィルターで分別して乾燥し(収量476mg)、原子吸光光度(空気−アセチレン炎)を測定して組成分析を行ったところ、組成はNaNi[Fe(CN)]であり、鉄は3価で、x=1,y=1のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)であることが確認された。これを吸着剤2として、後述する放射性セシウムの除去に用いた。
(吸着剤3)
C. Loos-Neskovicらによる文献(C. Loos-Neskovic, M. Fedorff and G. Revel, Radiochem. Radioanal. Lett, 26 (1976) 725)に従って、ヘキサシアノ鉄酸化合物を調製した。具体的には、体積モル濃度が0.4mol/Lの硫酸ニッケル水溶液100mlと、体積モル濃度が0.4mol/Lのナトリウムフェロシアン化鉄水溶液300mlとをフラスコ中で混合し、24時間静置した後、80℃で16時間加熱して水を留去し、得られた生成物(収量508mg)を、原子吸光光度(空気−アセチレン炎)を測定して組成分析を行ったところ、組成はNaNi[Fe(CN)]であり、鉄は2価で、x=2,y=1のヘキサシアノ鉄酸化合物(1)であることが確認された。これを吸着剤3として、以下の放射性セシウムの除去に用いた。
(吸着剤4)
比較のために、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(和光純薬製、製造コード:161-03742)を用意し、これを吸着剤4として、以下の放射性セシウムの除去に用いた。
(セシウムの除去処理)
放射性セシウム除去処理の模擬実験として、「福島第一原子力発電所内汚染水処理技術のための基礎データ収集」(社団法人日本原子力学会バックエンド部会)を参照し、非放射性セシウムを用いて、以下の処理操作を行った。
模擬海水として、試薬の塩化ナトリウムを用いて濃度0.06Mの水溶液を調製し、容量が100mlのビーカーに模擬海水50mlを投入して、マグネットスターラーを用いて攪拌しながら、セシウム濃度が10ppm(mg/L)となるように秤量した塩化セシウムを添加して溶解して試験液とした。
次に、吸着剤1〜4のうちの1つを0.01g秤量して少量の水と混合し、これをビーカーの試験液に加えて1時間攪拌した。この後、フィルターを用いて吸着剤を試験液から濾別し、濾過後の試験液に残留するセシウムイオンの濃度を、誘導結合高周波プラズマ分光分析によって測定した。吸着剤による処理前後の試験液のセシウムイオン濃度(C0:処理前濃度、C:処理後濃度)から、セシウムイオンの吸着率(%):100×(C0−C)/C0、を算出した。結果を表1に示す。
(表1)
吸着剤によるセシウムの除去
吸着剤 使用量 試験液セシウム濃度 吸着率
1 0.01g 10ppm 98.2%
2 0.01g 10ppm 99.1%
3 0.01g 10ppm 98.5%
4 0.01g 10ppm 95.1%
表1において、吸着剤1〜3は、錯化成分としてニッケル及びナトリウムを含有するヘキサシアノ鉄酸化合物であり、吸着剤4の錯化成分はカリウムである。何れもセシウムに対する吸着性能を示すが、吸着剤1〜3の吸着率は特に高く、放射性物質に汚染された廃液を飲用や農業生産用として除染する上で有効であることが解る。
本発明は、原子力発電所や放射線照射処理を行う産業/医療施設において生じる放射性物質を含んだ廃水や排ガスの処理において利用でき、放射性物質を効率的に回収し、その放出量や環境に与える影響を軽減する上で有用である。処理性能の向上や、対象となるガスへの対応力の向上に有用であるので、適用性が高く、環境保護に貢献可能な放射性物質吸着剤及び放射性物質の回収装置を提供できる。
1:回収装置、 R:原子炉、 V:ベントスタック、 G,G’:ガス、
2A,2B:吸着カラム、 C:担体、 3,4:ガス管、
6,7:吸着層、 8,9:有孔部材、 10a,10b:吸着床。

Claims (7)

  1. 記式で表されるヘキサシアノ鉄酸化合物を含有する放射性セシウム吸着剤。
    aNi[Fe(CN) 6
  2. 請求項1に記載の放射性セシウム吸着剤を用いて放射性セシウムを吸着する吸着工程を有する放射性セシウムの回収方法。
  3. 前記吸着工程において、前記放射性セシウム吸着剤を、前記放射性セシウムを含む水性液と接触させることによって前記放射性セシウムを吸着する請求項2に記載の放射性セシウムの回収方法。
  4. 更に、前記吸着工程の後に、前記放射性セシウム吸着剤を前記水性液から除去する除去工程を有する請求項3に記載の放射性セシウムの回収方法。
  5. 更に、前記除去工程の前に、凝集剤を用いて前記放射性セシウム吸着剤を凝集させる凝集工程を有する請求項4に記載の放射性セシウムの回収方法。
  6. 更に、前記凝集工程の前に、水性液のpHを6〜10の範囲に調整する調製工程を有する請求項5に記載の放射性セシウムの回収方法。
  7. 前記吸着工程において、水分の共存下で前記放射性セシウム吸着剤を前記放射性セシウムを含むガスと接触させて、前記ガスから水分に移行する放射性セシウムを前記放射性セシウム吸着剤に吸着させる請求項2に記載の放射性セシウムの回収方法。
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