JP6239960B2 - レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、および樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、熱伝導性に優れ、適切にメッキが形成でき、さらに、機械的強度および流動性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
<2>スチレン系樹脂が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体である、<1>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<3>さらに、エラストマーを含む、<1>または<2>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<4>エラストマーが、ポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、および、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分をコア層と、コア層に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層を有する、コア/シェル型グラフト共重合体である、<3>に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<5>レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤に含まれる金属成分のうち最も配合量が多い成分がスズである、<1>〜<4>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<6>さらに、リン系安定剤および/または酸化防止剤を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
<7><1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<8>さらに、表面にメッキ層を有する、<7>に記載の樹脂成形品。
<9>機構部品である、<7>または<8>に記載の樹脂成形品。
<10>携帯電子機器部品である、<7>〜<9>のいずれかに記載の樹脂成形品。
<11>メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、<8>〜<10>のいずれかに記載の樹脂成形品。
<12><1>〜<6>のいずれかに記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<13>メッキ層が銅メッキ層である、<12>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<14><12>または<13>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分を含む。
本発明の樹脂組成物において、樹脂成分は、ポリカーボネート樹脂60〜100重量%と、スチレン系樹脂40〜0重量%を含み、ポリカーボネート樹脂70〜100重量%とスチレン系樹脂30〜0重量%を含むことがより好ましい。
樹脂成分は、他の樹脂成分を含んでいてもよい。しかしながら、前記他の樹脂は全樹脂成分の5重量%以下であることが好ましい。樹脂成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂としては特に制限されず、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートのいずれも用いることができる。中でも芳香族ポリカーボネートが好ましく、さらに、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分として、ポリカーボネート樹脂の他にスチレン系樹脂を含んでいてもよい。スチレン樹脂を配合することにより、流動性がより向上する傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、窒化硼素を含む。窒化硼素を配合することによって、本発明の樹脂組成物の熱伝導性を大きく向上させることができる。
窒化硼素としては、25℃における熱伝導率が30W/(m・K)以上であることが好ましく、中でも50W/(m・K)以上であるものが好ましい。
本発明で用いるLDS添加剤は、アンチモンおよびスズを含むことを特徴とする。好ましくは、LDS添加剤に配合される金属成分のうち最も配合量が多い成分がスズであり、次に配合量が多い成分がアンチモンである。さらに、鉛および/または銅を含むことが好ましい。鉛と銅は一方が含まれても良いし、両方が含まれていても良い。好ましい態様として、最も配合量が多い成分がスズであり、次に配合量が多い成分がアンチモンであり、その次に配合量が多い金属成分が鉛であり、鉛の次に配合量が多い金属成分が銅である態様が例示される。
本発明におけるLDS添加剤は、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン(登録商標)、S−3000F)100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製M−Copper85のメッキ槽にて実施し、レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。
より具体的には、本発明で用いるLDS添加剤は、酸化スズ90重量%以上と、酸化アンチモン3〜8重量%を含むことが好ましく、また、酸化鉛0.01〜0.1重量%および/または酸化銅0.001〜0.01重量%含むことが好ましい。特に好ましい実施形態としては、酸化スズ90重量%以上と、酸化アンチモン3〜8重量%と、酸化鉛0.01〜0.1重量%と、酸化銅0.001〜0.01重量%含むLDS添加剤を用いる形態であり、よりさらに好ましい実施形態としては、酸化スズ93重量%以上と、酸化アンチモン4〜7重量%と、酸化鉛0.01〜0.05重量%と、酸化銅0.001〜0.006重量%含むLDS添加剤を用いる形態である。
本発明の樹脂組成物は、LDS添加剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明では、LDS添加剤と窒化硼素の重量比(窒化硼素/LDS添加剤)が2〜7であるが、3〜6が好ましく、く、4.5〜5.5がより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果をより効果的に発揮される傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維を含んでいてもよい。ガラス繊維としては、ガラス繊維、板状ガラス、ガラスビーズ、ガラスフレークが挙げられ、中でもガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維とは、長さ方向に直角に切断した断面形状が真円状、多角形状で繊維状外嵌を呈するものをいう。
ガラス繊維の形態は、単繊維や複数本撚り合わせたものを連続的に巻き取った「ガラスロービング」、長さ1〜10mmに切りそろえた「チョップドストランド」、長さ10〜500μm程度に粉砕した「ミルドファイバー」などのいずれであってもよい。かかるガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。ガラス繊維は、形態が異なるものを併用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、エラストマーを含有することも好ましい。エラストマーを含有することで、樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。
これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムが好ましい。ここで、IPNとは、相互侵入高分子網目(Interpenetrating polymer network)をいう。
これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、リン系安定剤を含むことが好ましく、有機リン系安定剤を含むことがより好ましい。有機リン系安定剤を配合することで、LDS添加剤によるポリカーボネート樹脂を分解しにくくし、本発明の効果がより効果的に発揮される。有機リン系安定剤としては、特開2009−35691号公報の段落番号0073〜0095の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。より好ましい有機リン系安定剤としては、下記一般式(3)で表される化合物である。
O=P(OH)m(OR)3-m・・・(3)
(一般式(3)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは0〜2の整数である。)
Rは炭素数1〜30のアルキル基または、炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジtert−ブチルフェニル基、2,4−ジtert−ブチルメチルフェニル基、トリル基がより好ましい。
一般式(3’)中、R’は炭素数2〜25のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。m’は1または2である。ここで、アルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基が好ましく、オクタデシル基が特に好ましい。
一般式(4)
R'は炭素数1〜25のアルキル基または、炭素数6〜12のアリール基であることが好ましい。R’がアルキル基である場合、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。R’がアリール基である場合、炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤が好ましく、より具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、および3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。中でも、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましい。
本発明の樹脂組成物は酸化防止剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、および数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。中でも、脂肪族カルボン酸、および脂肪族カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物は離型剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、酸化チタンを含むことが好ましい。
酸化チタンとしては、一般に市販されているもののなかで白色度と隠蔽性の点で、酸化チタンを80重量%以上含有するものを用いるのが好ましい。本発明で使用する酸化チタンとしては、例えば、一酸化チタン(TiO)、三酸化ニチタン(Ti2O3)、二酸化チタン(TiO2)などが挙げられ、これらのいずれを使用してもよいが、二酸化チタンが好ましい。また、酸化チタンとしては、ルチル型の結晶構造を有するものが好ましく使用される。
本発明の樹脂組成物が酸化チタンを含む場合、酸化チタンの配合量は、樹脂成分100重量部に対し、0.5〜10重量部含有することが好ましく、1.0〜6重量部含有することがより好ましい。本発明の樹脂組成物は、酸化チタンを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
これらの成分については、特開2007−314766号公報、特開2008−127485号公報および特開2009−51989号公報、特開2012−72338号公報等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の樹脂組成物を製造することもできる。
また、平均肉厚が1.6mmにおける樹脂成形品のUL−94試験の評価がV−0であることが求められる用途に適している。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀およびパラジウムの少なくとも1種を含むものが好ましく、銅を含むことがより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回路間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。メッキは、形成した回路の腐食や劣化を抑えるために、例えば無電解メッキを実施した後にニッケル、金で更に保護することも出来る。また、同様に無電解メッキ後に電解メッキを用い、必要な膜厚を短時間で形成することも出来る。
本発明の樹脂組成物は、成形方法にもよるが、白色度が高く、反射率に優れた成形品を与える。本発明の樹脂組成物から得られる成形品の白色度(ハンター式)は、通常92以上、好ましくは94以上である。また、本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、耐熱性に優れるとともに、実際の使用環境下での光安定性に優れている。従って、本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、光を反射する機能を有する部品、特に、LED機器部品、好ましくは、LEDの反射板や導電回路として働く。メッキ層は、1層のみであってもよいし、多層構造であってもよい。
PC樹脂:ポリカーボネート樹脂、ユーピロンE−2000、三菱エンジニアリングプラスチックス製、ビスフェノールAを出発原料とする芳香族ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:27000
ABS樹脂:サンタックAT−08、日本エイアンドエル製
AS樹脂:テクノポリマー290FF、テクノポリマー製
PW50:窒化硼素、Zibo Jonye Ceramic Technologies製
CP5C:Keeling&Walker社製、アンチモンドープ酸化スズ(酸化スズ95重量%、酸化アンチモン5重量%、酸化鉛0.02重量%、酸化銅0.004重量%からなる)
Irg1076:BASF社製、Irganox1076
<リン系安定剤>
AX−71:ADEKA社製、モノ−およびジ−ステアリルアシッドホスフェートのほぼ等モル混合物
VPG861:ペンタエリスリトールテトラステアレート、コグニスオレオケミカルズジャパン社製
M711:カネカ製、カネエース
T−187:日本電気硝子社製、平均繊維長3mm、平均繊維径13μm、円形断面を有するガラス繊維(扁平率1)
CP−K:レジノカラー工業製、酸化チタン
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られたペレットを100℃で4時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、278℃、荷重160kgfの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:0.01cm3/sec)を測定して、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
<<引張弾性率、引張破壊点強度、引張破壊点呼び歪>>
上記の方法で得られた樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度270〜290℃、金型温度100℃、射出時間2秒、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
得られたISO試験片を用い、ISO規格527−1及びISO527−2に準拠して23℃の温度で、引張弾性率(単位:MPa)、引張破壊点強度(単位:MPa)、引張破壊点呼び歪(単位:%)を測定した。
上記引張特性評価と同様にして製造した曲げ試験片(厚さ4mm)を用いて、ISO178に準拠して、23℃の温度で曲げ弾性率(単位:MPa)、曲げ応力(単位:MPa)を測定した。
上記で得られたISO多目的試験片を0.15〜0.5mm厚のスライス状に切削し、これを試料として、(株)アイフェイズ製温度波熱分析装置「ai−Phase Mobile1」を使用し、MD方向(成形時の樹脂流れ方向)及び厚み方向について、測定した。
2mm厚さ/3mm厚さの2段プレートの表面に1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sの条件でレーザー照射を行い、続いて、MacDermid社製M−Copper85のメッキ層にて無電解メッキを行った。銅メッキの厚みより、以下の通りLDS活性を評価した。厚さが厚いほど、メッキ性が高いことを示している。
Claims (14)
- ポリカーボネート樹脂60〜83.5重量%と、スチレン系樹脂40〜16.5重量%を含む樹脂成分100重量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤5〜20重量部と、窒化硼素30〜60重量部と、ガラス繊維10〜50重量部を含み、前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、アンチモンおよびスズを含み、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤と窒化硼素の重量比(窒化硼素/レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤)が3〜6である、レーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- スチレン系樹脂が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体である、請求項1に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、コア/シェル型グラフト共重合体であるエラストマーを含む、請求項1または2に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記エラストマーが、ポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、および、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分を含むコア層と、該コア層に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層とを有する、コア/シェル型グラフト共重合体である、請求項3に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤に含まれる金属成分のうち最も配合量が多い成分がスズである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、リン系安定剤および/または酸化防止剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
- さらに、表面にメッキ層を有する、請求項7に記載の樹脂成形品。
- 前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、請求項8に記載の樹脂成形品。
- 機構部品である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
- 携帯電子機器部品である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザーダイレクトストラクチャリング用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
- 前記メッキ層が銅メッキ層である、請求項12に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
- 請求項12または13に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
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