JP6239300B2 - 時計用部品の製造方法、時計用部品、ムーブメント及び時計 - Google Patents

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Description

本発明は、時計用部品の製造方法、時計用部品、ムーブメント及び時計に関する。
従来、小型の精密機械の1つである機械式時計には、歯車やレバー等の小型の時計用部品が多く搭載されている。時計用部品には、例えばアンクルやアンクル受けなど、他の部品と摺動するように配置されるものがある。このような他部品と摺動する時計用部品においては、摺動部分の耐摩耗性を高めるため、摺動部分にはルビーなどの硬質部材が配置されている。
一方、上記のような時計用部品は、従来、打ち抜き加工等の機械加工によって主に製造されていたが、近年では電鋳法を用いて製造する方法が採用されている。電鋳法を用いることにより、機械加工に比べて機械公差を小さくすることができる上、複雑な外形形状であっても精度良く作製することができる。
電鋳材料(例えば、ニッケル等)は、通常の圧延材料よりも耐摩耗性が劣るという特性を有している。このため、電鋳法を用いて製造された時計用部品においては、他部品との摺動部分の耐摩耗性を高めることが特に重要視されている。例えば、特許文献1に示すように、硬質部材が電鋳材料の表面に配置されるようにインサート成型する手法が知られている。
欧州特許出願公開第1916567号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の電鋳方法では、硬質部材を電鋳型に固定することなく載置した状態で電鋳が行われる。この場合、硬質部材が電鋳型に単に載置されただけであり、電鋳時に硬質部材の位置がずれたり、硬質部材が電鋳型から外れたりするおそれがある。このような硬質部材のズレや外れを防ぐための作業が電鋳工程において必要となり、作業が煩雑になるという問題があった。
また、特許文献1に記載の電鋳方法によって得られた電鋳物は、電鋳時に硬質部材の位置ズレなどが発生すると、寸法精度が得られないという問題がある。また、硬質部材が電鋳部材の表面に配置されるため、硬質部材と電鋳部材との間の固定が不十分となる場合がある。この場合、硬質部材が電鋳部材から外れる可能性もあり、品質の面で問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、作業性及び品質に優れた時計用部品の製造方法、時計用部品、ムーブメント及び時計を提供することを目的とする。
本発明に係る時計用部品の製造方法は、所定の形状を有する第一部材の一部分の全体が埋められた基部と、前記第一部材及び前記基部によって形成された空間部とを備える電鋳型を形成する電鋳型形成工程と、電鋳法を用いて、前記空間部に、第二部材を埋めることにより、前記第一部材と前記第二部材を一体的に形成する電鋳工程と、前記第一部材及び前記第二部材から、前記基部を除去する除去工程と、を有する。
本発明によれば、所定の形状を有する第一部材の一部分の全体が埋められた基部によって第一部材を支持することにより、電鋳時に第一部材の位置ズレを防ぐことができる。これにより、第一部材の位置ズレを防ぐために別途行っていた作業が必要なくなるため、作業性が向上する。また、第一部材及び基部によって形成された空間部に第二部材を埋めることにより、第一部材と第二部材を一体的に形成するため、第一部材と第二部材との固定が十分なものとなる。これにより、品質に優れた時計用部品が得られる。
上記の時計用部品の製造方法において、前記電鋳型として、レジストを用いることが好ましい。
この構成によれば、電鋳型として、フォトレジストを用いることにより、フォトリソグラフィ法によって電鋳型を形成することができる。これにより、高精度な電鋳型を形成することができる。
上記の時計用部品の製造方法は、前記電鋳型形成工程において、前記電鋳型を形成する工程は、光を透過可能な基板の第一方向の面に前記光を透過可能な電鋳電極を形成することと、前記基板の前記第一方向の面上に前記光に対して感光する第一レジスト層を形成することと、前記第一レジスト層に前記第一部材を配置する凹部を形成することと、前記凹部に前記第一部材を配置することと、前記第一レジスト層及び前記第一部材を覆うように、前記光に対して感光する第二レジスト層を形成することと、前記第二レジスト層の前記第一方向の面のうち前記第一部材の一部に重なる第一領域に対して、前記第二レジスト層の前記第一方向の面側から前記第二レジスト層及び前記第一レジスト層を透過するように、前記第二レジスト層の前記第一方向の面にほぼ垂直な方向に前記光を照射することと、前記基板の前記第一方向の面とは反対側の第二方向の面のうち前記第一領域に重なる第二領域に対して、前記基板の前記第二方向の面側から前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層を透過するように、前記基板の前記第二方向の面にほぼ垂直な方向に前記光を照射することと、前記光が照射された前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層の現像を行って、前記基板上に残った前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層により前記電鋳型を形成することとを含むことが好ましい。
この構成によれば、第二レジスト層の第一方向の面のうち第一部材の一部に重なる第一領域に対して光を当該第一方向の面にほぼ垂直に照射すると共に、基板の第一方向の面とは反対側の第二方向の面のうち第一領域に重なる第二領域に対して光を当該第二方向の面にほぼ垂直に照射することにより、第一部材を挟んだ両面側(第二レジスト層の表面側、基板側)から第一レジスト層及び第二レジスト層に光が照射されることになる。これにより、露光不良の発生を抑えることができる。また、現像を行うことにより、第一部材の一部は、基板上に残った第一レジスト層及び第二レジスト層(すなわち電鋳型)の内部に埋まった状態となる。これにより、第一部材の位置ズレをより確実に防ぐことができる。
本発明に係る時計用部品は、所定の形状を有する第一部材と、前記第一部材の一部を埋めるように前記第一部材と一体に電鋳法を用いて形成された第二部材とを備える。
本発明によれば、第二部材が、第一部材の一部を埋めるように第一部材と一体に電鋳法を用いて形成されているため、第一部材と第二部材との固定が十分なものとなる。これにより、品質に優れた時計用部品が得られる。
上記の時計用部品において、前記第一部材は、互いに平行な第一面及び第二面と、前記第一面と前記第二面とを接続する側面と、を有し、前記第二部材は、前記第一面、前記第二面及び前記側面に跨って形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第二部材が、互いに平行な第一面及び第二面と、第一面と第二面とを接続する側面とを有する第一部材のうち、第一面、第二面及び側面に跨って形成されているため、第一部材の一部が埋まる構成を確実に形成することができる。
上記の時計用部品において、前記第一部材及び前記第二部材のうち少なくとも一方には、前記第一部材が前記第二部材から抜けるのを規制する抜け規制部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、抜け規制部によって第一部材が第二部材から抜けるのを規制することができるため、第一部材と第二部材との固定力がより強くなる。
上記の時計用部品において、前記抜け規制部は、前記第一部材及び前記第二部材のうち一方に設けられた凹部と、前記第一部材及び前記第二部材のうち他方に設けられ前記凹部内に配置された凸部とを有することが好ましい。
この構成によれば、抜け規制部が、凹部と当該凹部内に配置された凸部とを有するため、簡単な構成で固定力の強化を図ることができる。
上記の時計用部品において、前記第一部材及び前記第二部材は、歯車、アンクル、受け、地板及びジャンパのうち少なくとも1つの一部として用いられることが好ましい。
この構成によれば、煩雑な作業を行うことなく、品質に優れた歯車、アンクル、受け、地板及びジャンパを得ることができる。
本発明に係るムーブメントは、上記の時計用部品を備える。
この構成によれば、煩雑な作業を行うことなく、品質に優れたムーブメントを得ることができる。
本発明に係る時計は、上記の時計用部品を備える。
この構成によれば、煩雑な作業を行うことなく、品質に優れた時計を得ることができる。
本発明によれば、作業性及び品質に優れた時計用部品の製造方法、時計用部品、ムーブメント及び時計を提供することができる。
時計用部品の構成を示す平面図及び断面図である。 時計用部品の製造方法を説明するためのフローチャートである。 時計用部品の製造方法を説明するための工程図(断面図)である。 時計用部品の製造方法を説明するための工程図(断面図)である。 時計用部品の製造方法を説明するための工程図(断面図)である。 電鋳装置の概略構成図である。 時計の外観図である。 ムーブメント表側の平面図である。 香箱車からがんぎ車の部分を図示する概略部分断面図である。 がんぎ車及びアンクルの平面図である。 時ジャンパの平面図である。 アンクルビーム及び爪石の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
[時計用部品]
図1は、本実施形態に係る時計用部品30の構成を示す図である。図1(a)は時計用部品30の平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。本実施形態では、時計用部品30として、アンクル受けを例に挙げて説明する。なお、このような時計用部品30としては、アンクル受けの他に、例えば歯車、アンクル、受け、地板及びジャンパ(例、時ジャンパ等)などが挙げられる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、時計用部品30は、硬質部材10(本発明の「第一部材」の一例)及び電鋳部材20を有している。本実施形態に係る時計用部品(例えばアンクル受け)30は、機械式時計などの時計を構成する部品であり、他部品(例えばアンクル真)との間で摺動するような部品として用いることができる。
硬質部材10は、例えば金属、ルビー、セラミック、ガラス、シリコンなど、所定の硬度を有する材料によって形成されている。本実施形態では、硬質部材10は、リング状に形成されており、第一面11(本発明の「外周面の他の部分」の一例)、第二面12(本発明の「外周面の他の部分」の一例)及び側面13(本発明の「外周面の一部」の一例)を有している。硬質部材10は、他部品との間で摺動する摺動部分に配置される。平面視において硬質部材10の中央には、円形の貫通孔10aが形成されている。貫通孔10aの内部には、時計を構成する他部品(例、アンクル真)が配置されるようになっている。硬質部材10は、貫通孔10aの内部に配置される他部品との間で摺動するようになっている。
電鋳部材20は、例えばニッケルなどの金属材料を用いて形成されている。電鋳部材20は、電鋳法によって硬質部材10と一体に形成されている。電鋳部材20は、硬質部材10の一部を埋めるように形成されている。具体的には、電鋳部材20は、円形の貫通孔20aを有しており、貫通孔20aの内壁部分に硬質部材10の外周側の一部を埋めるように形成されている。当該電鋳部材20は、硬質部材10の第一面11、第二面12及び側面13に跨る部分を覆うように形成されている。
このように、時計用部品30は、他部品との間で摺動する摺動部分に硬質部材10が配置されるため、耐摩耗性に優れた構成となっている。しかも、硬質部材10の一部が電鋳部材20に埋まるように形成されているため、硬質部材10と電鋳部材20との間の固定が十分なものとなる。これにより、品質に優れた時計用部品30となっている。
[時計用部品の製造方法]
図2は、時計用部品30の製造方法を説明するためのフローチャートである。図3〜図5は時計用部品の製造方法を説明するための工程図であって、図1(a)のA−A線に相当する部分における断面図である。
本実施形態に係る時計用部品30の製造方法では、電鋳法によって時計用部品30を製造する。時計用部品30の製造方法は、電鋳型形成工程(S10)及び電鋳工程(S20)を有している。
<電鋳型形成工程>
電鋳型形成工程S10では、電鋳型15(図4(h)等参照)を形成すると共に、当該電鋳型15に硬質部材10を配置する。
まず、電鋳型形成工程S10では、図2(S11)及び図3(a)に示すように、基板Gを準備する。この基板Gの第一面(第一方向の面)Gaには、ほぼ全面に亘って電鋳電極Eが形成されている。また、基板Gの第二面(第一面Gaの反対側の面、第二方向の面)Gbには、遮光パターンPが形成されている。
基板Gは、露光光EL2を透過可能な材料(例、ガラスなど)で構成されている。電鋳電極Eは、いわゆる透明電極であり、例えばITOやIZOなどの材料を含んで構成されている。このため電鋳電極Eは、所定のフォトレジストを感光させることが可能な光(紫外光など)を透過可能である。遮光パターンPは、上記の光を吸収あるいは反射可能な材料(例、Crなど)を用いて形成されている。遮光パターンPの形状及び寸法は、平面視における電鋳部材20の形状及び寸法に等しくなっている。なお、遮光パターンPは、基板Gの第一面Gaに形成されていてもよい。
次に、図2(S12)及び図3(b)に示すように、上記基板Gのうち電鋳電極E上に第一レジスト層R1を形成する。第一レジスト層R1は、電鋳電極Eの表面のうちほぼ全面に形成される。第一レジスト層R1は、紫外光など所定の波長の光の照射を受けると感光する。本実施形態では、第一レジスト層R1として、ネガ型のフォトレジストが用いられる。
次に、図2(S13)及び図3(c)に示すように、第一レジスト層R1の表面に凹部Raを形成する。凹部Raは、エッチング法やプレス加工法などの手法によって形成することができる。凹部Raを形成する際には、凹部Raの形状及び寸法が硬質部材10の形状及び寸法とほぼ同一となるようにする。したがって、凹部Raの深さは、硬質部材10の厚さ方向の寸法にほぼ等しくなっている。
次に、図2(S14)及び図3(d)に示すように、凹部Raの内部に硬質部材10を配置する。このとき、凹部Raの形状及び寸法と硬質部材10の形状及び寸法とがほぼ等しくなっているため、硬質部材10は凹部Raの内部にほぼ隙間無く配置される。また、第一レジスト層R1の表面と硬質部材10の表面とが面一状態となる。なお、硬質部材10の一部が凹部Raから表面側にはみ出すような寸法に凹部Raを形成しておいてもよい。
次に、図2(S15)及び図4(e)に示すように、第一レジスト層R1及び硬質部材10を覆うように第二レジスト層R2を形成する。第二レジスト層R2は、第一レジスト層R1の表面及び硬質部材10の表面の全面に形成される。第二レジスト層R2が形成されることにより、硬質部材10は、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2によって全面が覆われた状態となる。
なお、硬質部材10の一部が凹部Raから表面側にはみ出すように保持される場合には、硬質部材10のはみ出した部分を埋めるように第二レジスト層R2を厚めに形成する。これにより、上記同様に硬質部材10の全面が第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2によって覆われた状態となる。なお、硬質部材10と凹部Raとの間に隙間があっても、当該隙間を埋めるように第二レジスト層R2が形成される。これにより、上記同様に硬質部材10の全面が第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2によって覆われた状態となる。
第二レジスト層R2は、紫外光など第一レジスト層R1を感光する光の照射を受けて感光する。本実施形態では、第二レジスト層R2として、第一レジスト層R1と同様に、ネガ型のフォトレジストが用いられる。例えば第二レジスト層R2として、第一レジスト層R1と同一のフォトレジストが用いられてもよい。
次に、図2(S16)及び図4(f)に示すように、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2に対して第一の露光を行う。第一の露光では、第二レジスト層R2の表面(第一方向の面)側から露光光EL1を照射する。露光光EL1としては、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2を感光させることが可能な波長の光(例、紫外光など)が用いられる。
第一の露光では、まず所定のマスクMを第二レジスト層R2の表面側に配置させ、マスクM越しに第二レジスト層R2の表面に露光光EL1を照射する。当該マスクMは、露光光EL1を透過可能な材料(例、ガラスなど)によって板状に形成されており、露光光EL1を遮光する遮光パターンMpが形成されている(外周部は遮光パターンPと同じである必要があるが、内周は同じでなくても構わない)。遮光パターンMpは、基板Gの第二面Gbに形成された遮光パターンPと同一である。したがって、遮光パターンMpの形状及び寸法は、平面視における電鋳部材20の形状及び寸法に等しくなっている。マスクMは、第二レジスト層R2の表面に平行に配置される。露光光EL1は、マスクM及び第二レジスト層R2の表面に対してほぼ垂直な方向に照射される。
露光光EL1の一部は遮光パターンMpによって遮光され、マスクMを通過した一部が第二レジスト層R2の表面の第一領域Q1に対してほぼ垂直方向に照射される。第一領域Q1は、第二レジスト層R2の表面のうち遮光パターンPに重なる領域から外れた領域となる。第一領域Q1に照射された露光光EL1は、第二レジスト層R2を感光させると共に第二レジスト層R2を透過して第一レジスト層R1に到達し、第一レジスト層R1を感光させる。
なお、図4(f)に示すように、第一レジスト層R1のうち硬質部材10に重なる部分Rbについては、硬質部材10によって露光光EL1が遮光されるため、露光光EL1が到達せず、感光されないままの状態となる。このように、第一の露光により、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2に感光部分R1a、R2aが形成される。
次に、図2(S17)及び図4(g)に示すように、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2に対して第二の露光を行う。第二の露光では、基板Gの第二面Gb側から露光光EL2を照射する。露光光EL2としては、第一の露光で用いた露光光EL1と同一波長の光を用いることができる。なお、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2を感光させることが可能な波長の光であれば、第一の露光で用いた露光光EL1と異なる波長の光が露光光EL2として用いられてもよい。露光光EL2は、基板Gの第二面Gbに対してほぼ垂直方向に照射される。
第二の露光では、露光光EL2の一部は遮光パターンPによって遮光され、一部が基板Gの第二面Gbのうち遮光パターンPから外れた第二領域Q2に照射される。なお、第二領域Q2は、上記第一の露光において露光光EL1が照射される第一領域Q1と平面視で重なる領域となる。第二領域Q2に照射された露光光EL2は、基板Gを透過し、第一レジスト層R1に到達して第一レジスト層R1を感光させると共に、第一レジスト層R1を透過して第二レジスト層R2に到達し、第二レジスト層R2を感光させる。
このとき、図4(f)に示すように、第一レジスト層R1のうち硬質部材10に重なっている部分Rbについては、第一の露光では露光光EL1が到達せず、感光されなかったが、図4(g)に示す第二の露光ではこの部分Rbに露光光EL2が到達するため、この部分Rbは露光光EL2によって感光されることとなる。このように、第一の露光及び第二の露光により、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2のうち、平面視で遮光パターンP(遮光パターンMp)に重なる部分とは異なる部分に感光部分R1a、R2aが形成される。
次に、図2(S18)及び図4(h)に示すように、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2の現像を行う。この現像工程では、ネガ型のフォトレジストに対応した現像液を第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2に供給することにより、第一レジスト層R1及び第二レジスト層R2のうち第一の露光及び第二の露光によって感光されなかった部分が現像液によって溶解されて除去される。
現像を行うことにより、図4(h)に示すように、電鋳型15が形成される。電鋳型15は、基板Gの第一面Gaに形成された電鋳電極Eと、基板Gの第二面Gbに形成された遮光パターンPと、電鋳電極E上に配置された第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2aとを有する構成である。
電鋳型15のうち基板Gの第一面Ga上には、平面視で遮光パターンPに重なる部分に凹部16が形成されている。凹部16は、感光部分R1a、R2aによって囲まれた状態で形成されている。凹部16が形成されることにより、電鋳電極Eのうち遮光パターンPに重なる領域が露出している。なお、凹部16は、電鋳部材20に対応した形状を有している。
電鋳型15には、硬質部材10が配置されている。硬質部材10は、感光部分R1a、R2aに支持されている。硬質部材10は、内周側の一部分10b(本発明の「第一部材の一部分の全体」の一例)が第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2a(本発明の「基部」の一例)に埋められた状態で支持されている。換言すれば、硬質部材10のうち、第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2aに埋められていない部分は、凹部16内に支持されている。なお、本発明では、凹部16内において、第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2aと、硬質部材10のうち第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2aに埋められていない部分によって囲まれた空間を、「空間部K」とする。このように、硬質部材10は、電鋳部材20に埋まる予定の部分とは異なる部分が感光部分R1a、R2aに埋められた状態で電鋳型15に配置されている。これにより、硬質部材10の位置ズレが抑制されることになる。
このように、硬質部材10が配置された状態で電鋳型15を形成することにより、電鋳型形成工程S10が完了する。
<電鋳工程>
電鋳型形成工程S10が完了した後、電鋳工程S20を行う。
電鋳工程S20では、まず、図2(S21)及び図5(i)に示すように、電鋳型15の空間部Kに電鋳体21(本発明の「第二部材」の一例)を形成する。電鋳体21を形成する際には、まず、電鋳型15を所定の電鋳装置にセットする。
図6は、電鋳体21を形成するための電鋳装置40の構成を示す模式図である。
図6(a)に示すように、電鋳装置40は、電鋳槽41、電極42、電気配線43及び電源部44を有している。電鋳槽41には、電鋳液Wが貯液されている。電極42は、電鋳液Wに浸漬されている。電極42は、電鋳部材20と同一の金属材料(本実施形態ではニッケル)を用いて形成されている。電気配線43は、第一配線43a及び第二配線43bを有している。第一配線43aは、電極42と電源部44の陽極側とを接続している。第二配線43bは、電鋳電極Eと電源部44の陰極側とを接続している。この構成より、電源部44の陽極側には電極42が接続され、陰極側には電鋳電極Eが接続される。
電鋳液Wは、電鋳材料に応じて選択される。本実施形態のようにニッケルからなる電鋳部材20を形成する場合には、例えばスルファミン酸浴、ワット浴や硫酸浴等が用いられる。スルファミン酸浴を用いてニッケル電鋳を行う場合には、例えば電鋳槽41の中にスルファミン酸ニッケル水和塩を主成分とするスルファミン酸を入れる。
電鋳型15の電鋳電極Eを第二配線43bに接続し、電鋳槽41内に貯液された電鋳液W中に電鋳型15を浸漬させることで、電鋳装置40への電鋳型15のセットが完了する。本実施形態では、硬質部材10が電鋳型15に固定されているため、電鋳型15を電鋳装置40にセットする際に、電鋳型15から硬質部材10が外れるおそれはない。
電鋳型15をセットした後、電源部44を作動させて、電極42と電鋳電極Eとの間に電圧を印加する。この動作により、電極42を構成するニッケルがイオン化して電鋳液Wを移動し、電鋳液W内にて電鋳電極E上に金属として析出する。所定時間が経過すると、図5(i)及び図6(b)に示すように、ニッケルが徐々に成長し、空間部Kに電鋳体21が形成される。本実施形態では、空間部Kが埋まると共に、空間部Kから少しはみ出す程度に電鋳体21が成長したら、電鋳体21の形成を終了する。電鋳体21は、空間部K側に突出した硬質部材10を埋めるように形成される。このため、電鋳体21は硬質部材10と一体に形成される。
次に、図2(S22)及び図5(j)に示すように、電鋳体21の研磨を行う。具体的には、電鋳体21が形成された電鋳型15を電鋳槽41から取り出した後、電鋳体21が所望の厚み寸法となるように電鋳型15ごと研磨を行う。本実施形態では、電鋳型15の表面上に形成された電鋳体21が除去されるように研磨を行い、電鋳体21の上面と第二レジスト層R2の感光部分R2aの上面とが面一状態となるようにする。これにより、電鋳部材20が形成される。電鋳部材20を形成することにより、硬質部材10と当該硬質部材10と一体に形成された電鋳部材20とを備える時計用部品30が電鋳型15内に形成される。このようにして、電鋳工程S20が完了する。
<除去工程>
電鋳工程S20が完了した後、除去工程S30を行う。
除去工程S30では、図2(S31)及び図5(k)に示すように、電鋳型15のうち第一レジスト層R1の感光部分R1a及び第二レジスト層R2の感光部分R2aを溶解等によって除去することで、形成された時計用部品30を電鋳型15から取り出す。その後、電鋳部材20を電鋳電極E及び基板Gから剥離することにより、時計用部品30が取り出される。時計用部品30の取り出し方法としては、上記のような溶解に限られず、物理的な方法を用いてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、硬質部材10のうち電鋳部材20に埋まる部分とは異なる部分を埋めるように電鋳型15を形成することで硬質部材10を支持することにより、電鋳時に硬質部材10の位置ズレを防ぐことができる。これにより、硬質部材10の位置ズレを防ぐために別途行っていた作業が必要なくなるため、作業性が向上する。また、硬質部材10の一部を埋めるように硬質部材10と一体に電鋳部材20を電鋳法を用いて形成するため、硬質部材10と電鋳部材20との固定が十分なものとなる。これにより、品質に優れた時計用部品30が得られる。
[時計、ムーブメント]
次に、機械式の腕時計(請求項の「時計」に相当。)およびこの腕時計に組み込まれたムーブメント(請求項の「ムーブメント」に相当。)について説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図7は、実施形態に係る時計1の外観図である。
図7に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋、およびガラス2からなる時計ケース3内に、ムーブメント100と、時に関する情報を示す目盛り等を有する文字板4と、時を示す時針5、分を示す分針6および秒を示す秒針7を含む指針と、を備えている。文字板4には、日付を表す数字を明示させる日窓4aが開口している。これにより、時計1は、時刻に加え、日付を表示することが可能とされている。
図8は、ムーブメント100の表側から見た平面図である。なお、図8では、図面を見やすくするため、ムーブメント100を構成する時計部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計部品を簡略化して図示している。
図8に示すように、ムーブメント100は、このムーブメント100の基板を構成する地板102を有している。地板102の巻真案内穴102aには、巻真110が回転可能に組み込まれている。
香箱車120は、地板102及び香箱受160に対して回転可能に支持されている。すなわち、香箱真の上軸部は、香箱受160に対して回転可能に支持されている。香箱真の下軸部は、地板102に対して回転可能に支持されている。
また、二番車124、三番車126、四番車128及びがんぎ車130は、地板102及び輪列受162に対してそれぞれ回転可能に支持されている。すなわち、二番車124の上軸部124a、三番車126の上軸部126a、四番車128の上軸部128a、及びがんぎ車130の上軸部130aは、それぞれ輪列受162に対して回転可能に支持されている。また、二番車124の下軸部、三番車126の下軸部、四番車128の下軸部128b(図9参照)、及びがんぎ車130の下軸部130b(図9参照)は、それぞれ地板102に対して回転可能に支持されている。
図9は、がんぎ車130、アンクル142及びてんぷ140の部分を図示する概略部分断面図である。
図9に示すように、アンクル142は、アンクル体142dと、アンクル真142fとを備えている。アンクル真142fは、上軸部142aと、下軸部142bとを備えている。アンクル142は、地板102及びアンクル受け164に対して回転可能に支持されている。アンクル142の下軸部142bは、地板102に対して回転可能に支持されている。
アンクル真142fの上軸部142aは、アンクル受け164に対して回転可能に支持されている。このアンクル受け164として、上記実施形態に記載の時計用部品30が用いられている。アンクル受け164は、硬質部材164aと、電鋳部材164bとを有している。硬質部材164aは、金属、ルビー、セラミック、ガラス、シリコンなど、所定の硬度を有する材料によってリング状に形成されている。硬質部材164aの開口部には、アンクル真142fの上軸部142aが挿入されている。硬質部材164aは、上軸部142aとの間で摺動するように配置されている。
電鋳部材164bは、電鋳法によって硬質部材164aと一体に形成されている。電鋳部材164bは、硬質部材164aの一部を埋めるように形成されている。具体的には、電鋳部材164bは、円形の貫通孔を有しており、貫通孔の内壁部分に硬質部材164aの外周側の一部を埋めるように形成されている。
上記構成によれば、アンクル受け164の摺動部分には硬質部材164aが配置されており、当該硬質部材164aの一部は電鋳部材164bに埋まるように配置されている。このため、アンクル受け164の耐磨耗性を向上させることができ、しかも硬質部材164aと電鋳部材164bとの間が強固に固定されることとなる。
図10は、がんぎ車及びアンクルの平面図である。
図10に示すように、がんぎ車130は、複数の歯部132aがアンクル142に噛合するようになっている。アンクル142は、3つのアンクルビーム143によってT字状に形成されたアンクル体142dと、アンクル真142fとを備えたもので、軸であるアンクル真142fを中心にしてアンクル体142dが回転可能に構成されている。なお、アンクル真142fは、各アンクル体142d同士の接続部分に形成された図示しない保持孔内に打ち込まれることで取り付けられている。
3つのアンクルビーム143のうち2つのアンクルビーム143の先端には、略四角柱状に形成された爪石144a,144bが固定されている。爪石144a,144bは、上記の電鋳法によってアンクルビーム143に一体に固定することが可能である。爪石144a,144bの一部は、アンクルビーム143に埋められている。
このように構成されたアンクル142は、アンクル真142fを中心に回転した際に、爪石144a或いは爪石144bが、がんぎ車130の歯部132aの先端、より詳細には摺動面132bに接触するようになっている。
このように、がんぎ車130の歯部132aの摺動面132bに接触する爪石144a,144bが電鋳法によってアンクルビーム143に一体に固定されており、爪石144a,144bの一部がアンクルビーム143に埋められているため、爪石144a,144bとアンクルビーム143との間は強固に固定されることになる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、時計用部品30の一例として、アンクル受の構成を例に挙げて説明したが、これに限られることはない。
図11は、時ジャンパ190の構成を示す平面図である。
図11に示すように、時ジャンパ190は、電鋳部材190aと、硬質部材190bとを有している。硬質部材190bは、略四角柱状に形成されている。電鋳部材190aは、硬質部材190bの一部を埋めるように硬質部材190bと一体に電鋳形成されている。この場合、時ジャンパ190の電鋳部材190aと硬質部材190bとの間が強固に固定されることになる。
また、上記実施形態の構成に加えて、硬質部材10の抜けを規制する抜け規制部が硬質部材10と電鋳部材20との間に設けられていてもよい。以下、抜け規制部について説明する。
図12(a)〜図12(h)は、それぞれ図10におけるB−B断面に沿った構成を示す図である。図12(a)〜図12(h)では、いずれも爪石144aの一部がアンクルビーム143に埋められた構成となっている。すなわち、爪石144aの一部がアンクルビーム143の端面143tから当該端面143tに垂直な方向(以下、第三方向と言う。)へ向けて突出した構成となっている。以下、爪石144aのうちアンクルビーム143に埋められた部分の端部を基端部と表記し、端面143tから突出する部分の端部を先端部と表記する場合がある。図12(a)〜図12(h)のうち、図12(a)では、爪石144aとアンクルビーム143との間には、抜け規制部は設けられていないのに対して、図12(b)〜図12(h)では、爪石144aとアンクルビーム143との間に抜け規制部147a〜147gが設けられている。
図12(b)に示す抜け規制部147aの構成では、爪石144aのうち対向する2面の間に貫通孔(凹部)146aが形成されている。これに対して、アンクルビーム143には、爪石144aの貫通孔146aを埋めるように充填部143a(凸部)が設けられている。爪石144aのうち貫通孔146aが設けられた部分を埋めるようにアンクルビーム143を電鋳形成することにより、このような充填部143aが形成される。貫通孔146aと充填部143aとの間は、第三方向において係合された状態となっている。これにより、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
図12(c)に示す抜け規制部147bの構成では、爪石144aの基端部に段部(凸部)146bが形成されている。段部146bは、爪石144aの表面から第三方向と交差する方向に突出している。段部146bでは、爪石144aが他の部分に対して太くなっている。また、アンクルビーム143のうち段部146bに接する部分には、対応する段部(凹部)143bが形成されている。段部143bでは、他の部分に比べて厚さが薄くなっている。この構成では、段部同士(段部146b及び段部143b)が第三方向において係合された状態となっているため、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
図12(d)に示す抜け規制部147cの構成では、爪石144aのうち基端部とは異なる部分に段部(凹部)146cが形成されている。段部146cでは、爪石144aの他の部分に比べて細くなっている。また、アンクルビーム143のうち段部146cに接する部分には、対応する段部(凸部)143cが形成されている。段部143cでは、他の部分に比べて厚さが厚くなっている。この構成では、段部同士(段部146b及び段部143b)が第三方向において係合された状態となっているため、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。なお、段部146cが凸部(他の部分よりも太く形成される)であり、段部143cが凹部(他の部分よりも薄く形成される)であってもよい。
図12(e)に示す抜け規制部147dの構成では、爪石144aが基端部から先端部にかけて徐々に細くなるように形成されている。したがって、爪石144aには、基端部へ向けて太さが太くなるように傾斜部(凸部)146dが形成されている。また、アンクルビーム143のうち爪石144aに接する部分には、傾斜部146dに対応する傾斜部(凹部)143dが形成されている。傾斜部143dは、端面143tから内部へ向けて徐々に厚さが薄くなるように形成されている。この構成では、傾斜部146d及び傾斜部143dは、第三方向において係合された状態となっているため、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
図12(f)に示す抜け規制部147eの構成では、爪石144aにネジ山(凸部)146eが形成されており、アンクルビーム143にはネジ孔(凹部)143eが形成されている。この構成では、ネジ山146eとネジ孔143eとが螺合することで係合された状態となっている。これにより、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
図12(g)に示す抜け規制部147fの構成では、爪石144aの一部に溝部(凹部)146fが形成されている。溝部146fは、第三方向に対して交差する方向に形成されている。アンクルビーム143のうち溝部146fに対応する位置には、凸条(凸部)143fが形成されている。この構成では、第三方向において溝部146fと凸条143fとが係合された状態となっている。これにより、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
図12(h)に示す抜け規制部147gの構成では、爪石144aの基端部に段部(凸部)146gが形成されている。段部146gは、爪石144aがアンクルビーム143の上下の一方(図12(h)では上側)に突出するように形成されている。アンクルビーム143のうち段部146gに対応する部分には、段部143gが形成されている。段部143gは、アンクルビーム143が上下の一方に薄くなるように形成されている。この構成では、第三方向において段部146gと段部143gとが係合された状態となっている。これにより、爪石144aがアンクルビーム143から第三方向に抜けるのを防ぐことができる。
S10…電鋳型形成工程 S20…電鋳工程 S30…除去工程 1…機械式時計(時計) 100…ムーブメント 10…硬質部材(第一部材) 10b…一部分 15…電鋳型 16…凹部 K…空間部 20…電鋳部材(第二部材) 30…時計用部品 R1…第一レジスト層 R2…第二レジスト層 G…基板 Ga…第一面 Gb…第二面 Q1…第一領域 Q2…第二領域 147a〜147g…抜け規制部

Claims (8)

  1. 所定の形状を有する第一部材の一部分の全体が埋められた基部と、前記第一部材及び前記基部によって形成された空間部とを備える電鋳型を形成する電鋳型形成工程と、
    電鋳法を用いて、前記空間部に、第二部材を埋めることにより、前記第一部材と前記第二部材を一体的に形成する電鋳工程と、
    前記第一部材及び前記第二部材から、前記基部を除去する除去工程と、
    を有し、
    前記電鋳型形成工程において、前記電鋳型を形成する工程は、
    光を透過可能な基板の第一方向の面に前記光を透過可能な電鋳電極を形成することと、
    前記基板の前記第一方向の面上に前記光に対して感光する第一レジスト層を形成することと、
    前記第一レジスト層に前記第一部材を配置する凹部を形成することと、
    前記凹部に前記第一部材を配置することと、
    前記第一レジスト層及び前記第一部材を覆うように、前記光に対して感光する第二レジスト層を形成することと、
    前記第二レジスト層の前記第一方向の面のうち前記第一部材の一部に重なる第一領域に対して、前記第二レジスト層の前記第一方向の面側から前記第二レジスト層及び前記第一レジスト層を透過するように、前記第二レジスト層の前記第一方向の面にほぼ垂直な方向に前記光を照射することと、
    前記基板の前記第一方向の面とは反対側の第二方向の面のうち前記第一領域に重なる第二領域に対して、前記基板の前記第二方向の面側から前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層を透過するように、前記基板の前記第二方向の面にほぼ垂直な方向に前記光を照射することと、
    前記光が照射された前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層の現像を行って、前記基板上に残った前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層により前記電鋳型を形成することと
    を含むことを特徴とする時計用部品の製造方法。
  2. 前記電鋳型として、フォトレジストを用いる
    請求項1に記載の時計用部品の製造方法。
  3. 所定の形状を有する第一部材と、
    前記第一部材の一部を埋めるように前記第一部材と一体に電鋳法を用いて形成された第二部材と
    を備え
    前記第一部材は、互いに平行な第一面及び第二面と、前記第一面と前記第二面とを接続する側面と、を有し、
    前記第二部材は、前記第一面、前記第二面及び前記側面に跨って形成されていることを特徴とする時計用部品。
  4. 前記第一部材及び前記第二部材のうち少なくとも一方には、前記第一部材が前記第二部材から抜けるのを規制する抜け規制部が設けられている
    請求項に記載の時計用部品。
  5. 前記抜け規制部は、
    前記第一部材及び前記第二部材のうち一方に設けられた凹部と、
    前記第一部材及び前記第二部材のうち他方に設けられ前記凹部内に配置された凸部と
    を有する
    請求項に記載の時計用部品。
  6. 前記第一部材及び前記第二部材は、歯車、アンクル、受け、地板及びジャンパのうち少なくとも1つの一部として用いられる
    請求項から請求項のうちいずれか一項に記載の時計用部品。
  7. 請求項に記載の時計用部品を備えたムーブメント。
  8. 請求項に記載の時計用部品を備えた時計。
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