JP6238411B2 - 非水二次電池用電解液および非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池用電解液および非水二次電池 Download PDF

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Description

本発明は非水二次電池用電解液およびそれを用いた非水二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、充放電において、大きなエネルギー密度を実現することができる。この特性を利用して、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器への適用が広く普及している。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、特に軽量で高エネルギー密度が得られる二次電池の開発が進められている。さらには、その小型・軽量化および長寿命、信頼性が強く求められている。今後大容量化が予想される電気自動車や蓄電設備等の用途においては高い信頼性が求められ、電池性能と信頼性との両立が一層強く要求される。
リチウムイオン二次電池の電解液としては、プロピレンカーボネートあるいはジエチルカーボネートなどのカーボネート系の溶媒と、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩との組み合わせが広く用いられている。これらの物質は導電率が高く、電位的にも安定だからである。
一方、このような低分子量の可燃性有機化合物を成分に含むため、その難燃性の付与が重要である。この改善を目的として、電解液中にホスファゼン化合物を含有させる技術が提案されている(特許文献1〜6参照)。
特開2005−190873号公報 国際公開第2010/101179号パンフレット 特許第4458841号明細書 特開2006−286571号公報 特開2009−161559号公報 国際公開第2013/047342号パンフレット
近年、難燃性だけでなく電池の諸性能との両立が必要とされ、充放電を繰り返しても電池特性の劣化が生じない電池が求められてきている。さらに、その利用が進む高電位の電池使用にも好適に対応することが望まれる。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、電池性能の低下を抑制しつつ、難燃性を向上させることができる非水電解液および二次電池の提供を目的とする。また、必要により、高電位や高温・低温の使用条件にも適合し、上記の優れた性能を発揮する非水二次電池用電解液および二次電池の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕非水溶剤、電解質、リン含有化合物(A)および金属錯体(B)を含有し、
上記金属錯体(B)が、下記式(I)で表される化合物、下記式(II)で表される部分構造を有し、Mに配位する配位子がNRm3m4のみである化合物、下記式(1)で表される化合物または下記式(8’)で表される化合物であり、
上記リン含有化合物(A)が下記式(A1)で表される化合物または下記式(A2)で表される構造を有する化合物である非水二次電池用電解液。
Figure 0006238411
式(I)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
m1はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基またはハロゲン原子を表す。複数のRm1が互いに連結して、脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。
aは0〜5の整数を表す。
およびYはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、−(S)n−Ra、ホスフィニル基、カルボニル基含有基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。ここで、Raは水素原子または置換基を表し、nは1〜8の整数を表す。さらに、XとYが互いに連結して、Mを含む環を形成してもよい。
m1およびn1は0≦m1+n1≦3を満たす整数である。cは0〜2の整数である。
は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル基含有基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリール基、または上記式(C)で表される基を表す。
式(CP)中、Rm2はRm1と同義の基を表す。*はMと結合する結合手を表す。bは0〜5の整数を表す。Rm1とRm2は互いに連結していてもよい。
式(II)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
m3およびRm4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基またはハロゲン原子を表す。Rm3とRm4は互いに連結していてもよい。
式(1)中、Mは中心金属を表す。
は芳香族環または芳香族複素環を表す。
はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表す。Rが複数ある場合、Rは互いに結合もしくは縮合してもよく、複数のRで環を形成してもよい。
XはCRまたは窒素原子を表す。ここで、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表す。RとRは互いに結合または縮合して環を形成してもよい。
Yは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアン酸基、イソチオシアン酸基、−S−Ra、ホスフィニル基、カルボニル基含有基およびハロゲン原子から選択される1座の配位子を表す。ここで、Raは水素原子または置換基を表す。
は置換基を表す。
kは1〜4の整数を表す。lは0〜3の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。
式(8’)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基またはハロゲン原子を表す。Rooは水素原子またはRで規定される基を表す。複数のRは互いに異なっていてもよい。
noは1〜8の整数を表す。
Figure 0006238411
式(A1)、(A2)中、Ra 11 〜Ra 13 は独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基または−(CH n3 C(=O)−(O) m3 Rb を表す。n3は0または1を表す。m3は0または1を表す。Rb はアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。X は酸素原子、硫黄原子またはN(Ra 14 )を表す。Ra 14 は水素原子または1価の置換基を表す。Ra 21 はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のR 21 は置換基同士が環を形成していてもよい。n2は2以上の整数を表し、結合端同士が結合して環を形成してもよい。
〔2〕上記金属錯体(B)の中心金属が第4〜第8族遷移元素またはランタノイドである〔1〕に記載の非水二次電池用電解液。
〔3〕上記式(1)で表される化合物が下記式(2)〜(5)のいずれかで表される〔1〕または〔2〕に記載の非水二次電池用電解液。
Figure 0006238411
式(2)〜(5)中、M、A、R、Y、k、lおよびmは上記式(1)における各定義と同じである。Aは上記式(1)におけるAと同義である。BおよびBは含窒素芳香族複素環を表す。R〜Rは上記式(1)におけるRと同義である。RとRは、互いに結合もしくは縮合してBおよびBの一部とともに環を形成してもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、上記式(1)におけるRと同義である。Lはアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはアルケニレン基を表す。n、oおよびpは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
〕上記式(A2)で表される構造を有する化合物が下記式(A2−1)または(A2−2)で表される〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
Figure 0006238411
式(A2−1)、(A2−2)中、Ra31〜Ra36、Ra41〜Ra48は、上記Ra21と同義である。
〕上記式(A2−1)で表される構造を有する化合物が下記式(A2−1−1)または(A2−1−2)のいずれかで表される〔〕に記載の非水二次電池用電解液。
Figure 0006238411
式(A2−1−1)、(A2−1−2)中、Ra51〜Ra52はそれぞれ独立にアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。
〕上記Ra51〜Ra52がジアルキルアミノ基である〔〕に記載の非水二次電池用電解液。
〕電解液が更に、芳香族性化合物、ハロゲン含有化合物、重合性化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物、ニトリル化合物、ホウ素含有化合物およびイミド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する〔1〕〜〔〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
〕上記リン含有化合物(A)の電解液(電解質を含む全量)中の濃度が0.5質量%以上30質量%以下である〔1〕〜〔〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
〕上記金属錯体(B)の電解液(電解質を含む全量)中の濃度が0.001質量%以上10質量%以下である〔1〕〜〔〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
10〕上記リン含有化合物(A)の含有量(100質量部)に対して、上記金属錯体(B)の含有量が0.01質量部以上10質量部以下である〔1〕〜〔〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
11〕上記金属錯体(B)の中心金属が、Ti、Zr、HfまたはVである〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
12〕正極、負極および〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液をそれぞれ具備する非水二次電池。
13〕上記正極の活物質が、Niおよび/またはMn原子を含有する〔12〕に記載の非水二次電池。
14〕上記負極の活物質が、炭素、ケイ素、チタンおよびスズから選ばれる少なくとも1種を含有する〔12〕または〔13〕に記載の非水二次電池。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合したり縮合したりして環を形成していてもよい。
本発明の非水電解液は、これを備えた二次電池において、充放電における容量劣化を抑制し、かつ難燃性を向上させることができる。さらに、必要により、高電位や高温・低温の使用条件にも適合し、上記の優れた性能を発揮する。
本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の機構を模式化して示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の具体的な構成を示す断面図である。
本発明の非水二次電池用電解液は、リン含有化合物と金属錯体とを含有する。以下、本発明の好ましい実施形態を中心に詳細に説明する。
[リン含有化合物(A)]
リン含有化合物(A)としては、特に制限はないが、P−O結合、P=O結合、P−N結合、P=Nから選ばれる少なくとも1種を有している化合物が好ましい。リン含有化合物(A)としては下記式(A1)で表される化合物または下記式(A2)で表される構造を有する化合物が好ましい。
このため、本発明では、リン含有化合物(A)として下記式(A1)で表される化合物または下記式(A2)で表される構造を有する化合物を使用する。
Figure 0006238411
(A1)において
Ra11〜Ra13は、それぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、または−(CHn3C(=O)−(O)m3Rb(n3=0または1、m3=0または1、Rbはアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基である。)である。
は酸素原子、硫黄原子、N(Ra14)を表す。Ra14は水素原子または1価の置換基を表す。
Ra11〜Ra13におけるアルキル基としては炭素数1〜4が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数7〜11のアラルキル基であることがより好ましい。具体的には、−Alk−Arにおいて、Alkが炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、Arが炭素数6〜14のアリール基が好ましい。
アルコキシ基としては炭素数1〜8が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの無置換アルコキシ基、2、2、2−トリフロロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロポキシ基、パーフロロブチルエチル基などのフッ素置換されたアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、2、2、2−トリフロロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロポキシ基が好ましい。
アラルキルオキシ基としては、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基であることが好ましく、炭素数7〜11のアラルキルオキシ基であることがより好ましい。具体的には、−O−Alk−Arにおいて、Alkが炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、Arが炭素数6〜14のアリール基が好ましい。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、フッ素置換されたフェノキシ基が好ましい。
ハロゲン原子としては塩素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
アミノ基としてはジアルキルアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基など総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基が好ましい。
−(CHn3C(=O)−(O)m3RbにおけるRbとしては、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
Ra14における1価の置換基として好ましくはアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、−S(=O)Ra15(Ra15はアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜15が好ましい)、アルケニル基(炭素数1〜6が好ましい))、−P(=O)(Ra16(Ra16はアルコキシ基(炭素数1〜6が好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜14が好ましい)、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ハロゲン原子)を挙げることができる。
上記のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、Rb、Ra14、Ra15、Ra16は置換基Tを有してもよく、なかでもハロゲン原子(フッ素原子)を有することが好ましい。
(A2)において
Ra21はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のR21は置換基同士が環を形成していても良い。n2は2以上の整数を表し、結合端同士が結合して環を形成しても良い。n2は2以上6以下が好ましく、3又は4がより好ましい。
Ra21としては、ハロゲン原子(特にフッ素原子が好ましい)、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、チオアルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アリールチオ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、アミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)が挙げられる。
Ra21としてより好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基である。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの無置換アルコキシ基、2、2、2−トリフロロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロポキシ基、パーフロロブチルエチル基などのフッ素置換されたアルコキシ基が好ましい。
アリールオキシ基としはフェノキシ基、フッ素置換フェノキシ基が好ましい。
Ra21がアミノ基である場合、N(Ra23として示されることが好ましい。Ra23は、一価の置換基であり、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。2つのRa23は互いに異なっていてもよい。Ra23は互いに結合してまたは縮合して環を形成していてもよい。このとき、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を取り込んでいてもよい。形成される環として好ましくは、5員環または6員環が好ましい。5員環としては、含窒素の5員環を含む化合物が好ましく、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、インダゾール、インドール、ベンゾイミダゾール、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、インドリン、カルバゾール、またはこれらの誘導体など(いずれもN置換)が挙げられる。6員環としては、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはこれらの誘導体など(いずれもN置換)が挙げられる。
上記式(A2)で表される構造を有する化合物は、下記式(A2−1)または下記式(A2−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
Ra31〜Ra36はRa21と同義であり、好ましくはRa31〜Ra36のうち3〜6個(好ましくは4又は5個、より好ましくは5個)がフッ素原子であり、0〜3個(好ましくは1又は2個、より好ましくは1個)がアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、およびアミノ基のいずれかである。
Ra41〜Ra48はRa21と同義であり、好ましくはRa41〜Ra48のうち5〜8個(好ましくは6又は7個、より好ましくは7個)がフッ素原子であり、0〜3個(好ましくは1又は2個、より好ましくは1個)がアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基である。
上記式(A2−1)で表される構造を有する化合物は、下記式(A2−1−1)または(A2−1−2)のいずれかで表される化合物が好ましく、式(A2−1−1)で表されることが特に好ましい。
Figure 0006238411
Ra51〜Ra52はそれぞれ独立にRa21と同義であり、好ましくはアルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜14が好ましい)、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、ハロゲン原子、アミノ基(炭素数0〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)である。電解液への難燃性付与の観点から、Ra51〜Ra52はそれぞれ独立にアルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、又はジアルキルアミノ基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)が好ましく、ジアルキルアミノ基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)がさらに好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基が特に好ましい。
なお、1分子中に複数存在するRa11〜Ra16、Ra21〜Ra23、Ra31〜Ra36、Ra41〜Ra48、Ra51〜Ra52、Rbは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(A1)または(A2)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示す(Phはフェニル基、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基)。
Figure 0006238411
Figure 0006238411
上記リン含有化合物は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記リン含有化合物の非水二次電池用電解液中の濃度は特に限定されないが、電解質を含む量を全量として、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが特に好ましい。上限側の規定としては、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。リン含有化合物をこの下限値以上で配合することにより、十分な難燃性を付与することができ、かつ電池性能においても良好な充放電性を実現することができる。
リン酸化合物やホスファゼン化合物は市販のものを利用する、あるいはそれを修飾して所望の構造の化合物とすることができる。ホスファゼン化合物に特定の置換基を導入する方法としては、例えばアルコキシ置換されたフッ化ホスファゼンは、(PNFで表される化合物と、R−OM(式中、Rはアルキル基、Mはアルカリ金属を示す。)で表されるアルコラート、あるいはR−OH(式中、Rは上記と同義。)で表されるアルコールを、無触媒、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基性触媒の存在下に反応させる方法等が提案されている(特開2009−161559号公報、特開2001−335590号公報、特開2001−139584号公報、国際公開第03/005479号パンフレット、特表2001−516492号公報)。また、アミノ基が置換されたフッ素化ホスファゼンの合成については、(PNFで表される化合物と、2当量のアミンを反応させる方法(Journal of the Chemical Society [Section] A: Inorganic, Physical, Theoretical, 1970 , p.2324 - 2329)が知られている。
[金属錯体(B)]
属錯体は、金属原子またはイオンに他の原子、分子、イオンが結合した化学種をいう。結合の種類としては、共有結合、イオン結合、配位結合が挙げられる。これらの中でも金属−炭素結合(アルケン錯体、シクロペンタジエニル錯体などの金属−炭素π結合も含む)、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合、金属−リン結合から選ばれる少なくとも1種を含有していることが好ましい。また、金属に結合している他の原子、分子、イオン(これらを配位子と呼ぶこともある)のうち少なくとも1つは炭素原子を有する有機金属錯体であることが好ましい。
本発明において、「中心金属」とは、金属元素の他、金属酸化物も含めるものとする。中心金属は、第4族遷移元素(例えば、Ti、Zr、Hfなど)、第5族遷移元素(例えば、V、Nb、Taなど)、第6族遷移元素(例えば、Cr、Moなど)、第7族遷移元素(例えば、Mnなど)、第8族遷移元素(例えば、Fe、Ruなど)、第11族遷移元素(例えば、Cuなど)、第12族遷移元素(例えば、Znなど)などが挙げられる。中でも、第4族〜第8族遷移元素が好ましく、Ti、Zr、Hf、Vであることがより好ましく、Ti、Zrであることが最も好ましい。希土類金属元素としては、具体的に、ランタノイド(例えば、Y、La、Ce、Sw、Nd、Lu、Er、Yb、Gdなど)が挙げられる。中でも、Ce、Cd、Erであることが好ましい。非遷移金属としてはAl、Si、SnSbが好ましい。金属酸化物としては、上記で例示した金属元素の酸化物が挙げられ、上記好ましい範囲で例示した金属元素の酸化物が好ましい。
金属−炭素結合を形成する配位子としては、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。金属−炭素π結合を形成する配位子としては、アルケン配位子、アリル配位子、シクロペンタジエニル構造を有する配位子が挙げられる。
金属−窒素結合を形成する配位子としては*−NR−*(Rは1価の有機基)、*−N−*、*−C(=O)−N−*、*−N=*から選ばれる構造を有する配位子が揚げられる(*は結合手)。ピリジン構造、イミダゾール構造、フェナントロリン構造など含窒素ヘテロ環構造も好ましい。
金属−酸素結合を形成する配位子としては、アルコキシド、アリールオキシド、カルボニル基、カルボキシレート基、エーテル基、などが挙げられる。金属アルコキシド、金属アセチルアセトナト錯体、金属カルボキシレート錯体などが好ましい。
金属−硫黄結合を形成する配位子としては、チオカルボキシレート、チオレートなどが挙げられる。
金属−リン結合を形成する配位子としては、ホスフィン誘導体が挙げられる。
好ましい配位子として具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、イミダゾール、ジメチルグリオキシマト、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、オキザラト、アセチルアセトナト、グリシナト、アラニナト、エチレンジアミンテトラアセテート、テトラフェニルポルフィニラト、N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミン、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、インダニル、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
上記金属錯体は、金属メタロセンであることが好ましく、さらに下記式(I)で表されるものが好ましい。
Figure 0006238411
式中、Mは遷移元素または希土類元素を表す。好ましい遷移元素は、第4〜第8族遷移元素またはランタノイドであり、さらに好ましくは第4〜第6族遷移元素又はランタノイドである。具体的にMは、Fe、Ru、Cr、V、Ta、Mo、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Sw、Nd、Lu、Er、Yb、Gdであることが好ましく、次にTi、Zr、Hf、V、Nb、FeEr、Gdであることがさらに好ましく、最も好ましくはTi、Zr、Hf、V、Erである。
・Rm1
m1はアルキル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜6、より好ましくは炭素数1〜4)、アミド基(カルバモイル基)(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基(Ra−CO−)(好ましくは炭素数2〜7、より好ましくは炭素数2〜4)、スルホニル基含有基(Ra−SO−)、ホスフィノ基[PR−:Rは水素原子またはアルキル基](好ましくは炭素数0〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、またはハロゲン原子を表す。複数のm1 が互いに連結して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。
上記Rm1の好ましいものとしては、上記例示置換基の範囲で、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4)が好ましい。なお、上記Raは水素原子または置換基を表し、置換基の好ましいものとして、後記置換基Tの例が挙げられる。Raはなかでも水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくはメチル基、エチル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜6、より好ましくは炭素数2〜4)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、アリール基(好ましくは、炭素数6〜12、より好ましくはフェニル基)、パーフルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくはトリフルオロメチル基)が好ましい。Raについては、以下も同様である。複数のRm1は互いに結合ないし縮合して環を形成していてもよい。
・a
aは0〜5の整数を表す。なかでも、0〜4が好ましく、最も好ましくは0あるいは1である。aが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
・X,Y
,Yはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、シリルアミノ基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、スルホン酸基、イソシアネート基(NCO)、イソチオシアネート基(NCS)、スルファニル基(Ra−(S)n−)(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3、nは1〜8の整数を表す。)、ホスフィニル基((Ra)(O=)P−)(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数0〜6)、カルボニル基含有基(Ra−CO−)(好ましくは、炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、ハロゲン原子、アリール基(好ましくは、炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜10)、またはヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜4)を表す。X,Yはそれぞれあるいは互いに結合ないし縮合して を含む環を形成していてもよい。例えば、複数のスルファニル基が結合し環状のポリスルフィドとして配位していてもよい。なかでも、メチル基、n−ブチル基、ジアルキルアミノ基、ビス(トリアルキルシリル)アミノ基、イソチアシアネート(NCS)基、X,Yが縮環した を含む環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)が好ましい。上記X,Yは、さらに置換基を有していてもよく、その好ましいものとしては、後記置換基Tの例が挙げられる。置換基としては、なかでも、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シリル基、アルキル基などが好ましい。
・m1,n1
m1,n1は0≦m1+n1≦3を満たす整数である。n1+m1は1以上であることが好ましい。m1,n1が2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
・T
は、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキルアミノ基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、シリルアミノ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましい)、スルホン酸基、イソシアネート基(NCO)、イソチオシアネート基(NCS)、スルファニル基(SH)、ホスフィニル基、カルボニル基含有基、ハロゲン原子、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、ヘテロアリール基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)、または式P)で表される基である。なかでも、水素原子、メチル基、n−ブチル基、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜6)、または式(CP)で表される基であることが好ましい。
m2はRm1と同義の基を表す。*は金属原子Mと結合する結合手を表す。bは0〜5の整数を表す。bが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。Rm2は互いに連結されていてもよい。Rm2が結合ないし縮合して形成される環の好ましいものはRm1と同じである。
がアルキルアミノ基であるとき、炭素数1〜6のアルキルアミノ基であることが好ましく、中でも、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好ましい。
cは0〜2の整数である。cが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
上記式(I)は、下記式(Icp−1)〜(Icp−3)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0006238411
式中、M、Rm1、Rm2、a、b、X、Y、m1、n1は上記式(I)と同義である。
上記式(Icp−1)〜(Icp−3)がそれぞれ下記式(Ia−1)〜(Ia−3)のいずれかであることが好ましい。
Figure 0006238411
式中、Xm1およびYm1は、上記X,Yと同義であり、それぞれ、メチル基、n−ブチル基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、イソチオシアネート基であることが好ましい。Xm1,Ym1が縮環して環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)を形成してもよい。M、m1、n1は式(I)と同義である。
上記金属錯体は、下記式(II)で表される部分構造を有するものであることも好ましい。

−NRm3m4 ・・・ 式(II)
式中、Mは遷移元素または希土類元素を表す。その好ましいものは上記式(I)と同義である。
m3,Rm4は水素原子、アルキル基(好ましい炭素数は1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルキニル基(好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アリール基(好ましい炭素数は6〜22、より好ましくは炭素数6〜10)、ヘテロアリール基(好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2〜4)、アルキルシリル基(好ましい炭素数は1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、またはハロゲン原子を表す。Rm3,Rm4は互いに連結されていてもよい。Rm3,Rm4はそれぞれあるいは結合ないし縮合して環を形成していてもよい。Rm3,Rm4の好ましいものとしては、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、トリメチルシリル基が好ましい。
上記式(II)は下記式(IIa)で表されることが好ましい。

−(NRm3m4)q ・・・ 式(IIa)
式中、M、Rm3、Rm4は式(II)と同義である。qは1〜4の整数を表し、2〜4の整数が好ましい。更に好ましくは2または4である。qが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
上記金属錯体の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。なお、TMSはトリメチルシリル基を表す。
Figure 0006238411
Figure 0006238411
上記金属錯体は、下記式(L)の構造部を有する多座配位子を有することもまた好ましい。ここで、多座配位子は2座〜4座の配位子であることが好ましい。

*−E−A−X=N(R)−* ・・・(L)

式(L)のA、X、Rについては、後記式(1)の項で説明するものと同じであり、その好ましいものも同義である。*は中心金属との結合位置を示す。Eは酸素原子または硫黄原子を表す。
特定金属錯体は、下記式(1)で表される化合物であることもまた好ましい。
Figure 0006238411
・M
式(1)中、Mは中心金属を表す。中心金属をなす遷移元素としては、具体的に、第4族遷移元素(例えば、Ti、Zr、Hfなど)、第5族遷移元素(例えば、V、Nb、Taなど)、第6族遷移元素(例えば、Cr、Moなど)、第7族遷移元素(例えば、Mnなど)、第8族遷移元素(例えば、Fe、Ruなど)、第11族遷移元素(例えば、Cuなど)、第12族遷移元素(例えば、Znなど)などが挙げられる。中でも、第4族〜第8族遷移元素が好ましく、Ti、Zr、Hf、V、Crであることがより好ましい。希土類金属元素としては、具体的に、ランタノイド(例えば、Y、La、Ce、Sw、Nd、Lu、Er、Yb、Gdなど)が挙げられる。中でも、Ce、Gd、Erであることが好ましい。金属酸化物としては、上記で例示した金属元素の酸化物が挙げられ、上記好ましい範囲で例示した金属元素の酸化物が好ましい。
中心金属は、以下にまとめて記載すると、第4族〜第8族遷移元素またはランタノイドがより好ましく、Ti、Zr、ZrO、Hf、HfO、V、Nb、NbO、Ta、Cr、Mo、MoO、Mn、Fe、Ru、Cu、Zn、Ce、Gd、Erがさらに好ましく、Ti、Zr、ZrO、Hf、V、Cr、Fe、Ceが特に好ましく、Ti、Zr、Hf、V、Crが最も好ましい。
・A
式(1)中、Aは、芳香族環または芳香族複素環を表す。芳香族環は、炭素数6〜14の芳香族環が好ましく、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられ、中でも、ベンゼン環がより好ましい。芳香族複素環は、炭素数2〜12の芳香族複素環が好ましく、具体的には、ピロール環、チオフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環などが挙げられ、中でも、ピラゾール環、(イミダゾール環、オキサゾール環、ピリジン環)がより好ましく、ピラゾール環がさらに好ましい。Aは、ベンゼン環またはピラゾール環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
の好ましい具体例を下記に示す。
Figure 0006238411
ここで、*はXまたは酸素原子との結合手を表す。このとき、ピラゾール環又はベンゼン環は置換基Tを有していてもよい。
・R
式(1)中、Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアルケニル基を表す。アルキル基は、直鎖構造でも分岐構造でも環状構造でもよく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基がより好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、中でも、メチル、エチルが好ましい。炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、具体的に、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられ、中でも、シクロヘキシルが好ましい。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどが挙げられ、中でも、フェニルがより好ましい。ヘテロアリール基は、炭素数1〜12のヘテロアリール基が好ましく、具体的には、環を構成する化合物名でいうと、ピロール、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾールなどが挙げられ、中でも、トリアジン、ピラジンがより好ましい。アルケニル基は、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、具体的には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニルなどが挙げられ、中でも、エテニルがより好ましい。上記各基は、さらに置換基を有してもよく、アルキル基(好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル)、アルコキシ基(好ましくは、メトキシ、エトキシ)、アリール基(好ましくは、フェニル)、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が挙げられる。Rが分子内に複数ある場合、Rは互いに結合もしくは縮合してもよい。このとき、複数のRで環を形成していてもよい。Rが隣接する配位子間で結合ないし縮合する形態を含めていうと、Rはアルキル基、アリール基、またはアルケニル基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましく、シクロヘキシル基、フェニル基、エテニル基がさらに好ましい。
・X
Xは、CRまたは窒素原子を表し、CRが好ましい。
・R
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基(チオール基、アルキルチオ基、またはアリールチオ基を表す。アルキル基は、直鎖構造でも分岐構造でも環状構造でもよく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基がより好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、中でも、メチル、エチルが好ましい。炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、具体的に、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられ、中でも、シクロヘキシルが好ましい。アルケニル基は、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、具体的には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニルなどが挙げられ、中でも、エテニルがより好ましい。アルコキシ基は、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられ、中でも、メトキシ、エトキシがより好ましい。アリールオキシ基は、炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましく、具体的には、フェノキシ、ナフトキシなどが挙げられ、中でもフェノキシがより好ましい。アルキルチオ基は、炭素数1〜6のアルキルチオ基が好ましく、具体的には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられ、中でも、メチルチオ、エチルチオが好ましい。アリールチオ基は、炭素数6〜14のアリールチオ基が好ましく、具体的には、フェニルチオ、ナフチルチオなどが挙げられ、中でもフェニルチオがより好ましい。Rは、水素原子、水酸基、メルカプト基が好ましく、水素原子がより好ましい。
はRと結合または縮合して、環を形成してもよい。環は、複素環を形成し、含窒素芳香族複素環を形成するのが好ましい。形成される好ましい環は、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、キノリン環、イソキノリン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環である。
・R
は、置換基を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、ハロゲン原子が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、パーフルオロメチル、メトキシ、フェニル、エテニルがさらに好ましい。上記各基は、さらに置換基を有してもよく、アルキル基(好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル)、アルコキシ基(好ましくは、メトキシ、エトキシ)、アリール基(好ましくは、フェニル)、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が挙げられる。Rが複数存在する場合、互いに結合もしくは縮合して環を形成してもよい。
・Y
Yは1座の配位子を表す。Yは、具体的には、水素原子、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6)、アルケニル基(好ましくは、炭素数2〜6)、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜6)、アルキルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜10)、シリルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜10)、スルホン酸基、イソシアン酸基(NCO)、イソチオシアン酸基(NCS)、スルファニル基(Ra−S−)(好ましくは、炭素数1〜6)、ホスフィニル基(RaO(Ra)PO−)(好ましくは、炭素数0〜10)、カルボニル基含有基(Ra−CO−)(好ましくは、炭素数1〜6)、ハロゲン原子、アリール基(好ましくは、炭素数6〜22)、またはヘテロアリール基(好ましくは、炭素数3〜8)が挙げられる。ここで、Raは、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6)を表す。Yは、炭素数1〜6のアルキル基またはビス(トリアルキルシリル)アミノ基が好ましく、メチル基またはビス(トリメチルシリル)アミノ基がより好ましい。
・k
kは、1〜4の整数を表し、2〜4の整数が好ましい。kが2以上のとき、そこで規定される複数の構造部は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
・l
lは0〜3の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。lが2以上のとき、そこで規定される複数の構造部は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
・m
mは0〜2の整数を表す。mが2以上のとき、そこで規定される複数の構造部は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
式(1)は、下記式(2)〜(5)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0006238411
式中、M、A、R、Y、k、l、およびmは、式(1)における各定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。
・A
は、式(1)におけるAと同義であり、好ましい範囲も同じである。
・B、B
およびBは、それぞれ独立に、含窒素芳香族複素環を表す。含窒素芳香族複素環は、環構造中に、窒素原子の他に、酸素原子または硫黄原子のようなヘテロ原子が含まれていてもよい。含窒素芳香族複素環は、炭素数1〜12の含窒素芳香族複素環が好ましく、具体的には、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、キノリン環、イソキノリン環などが挙げられ、中でも、ピリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環がより好ましく、ピリジン環がさらに好ましい。
およびBの好ましい具体例を下記に示す。
Figure 0006238411
ここで、*はAまたはAとの結合手、#は中心金属との配位結合を示す。このとき、ピリジン環又はベンゼン環は置換基Tを有していてもよい。
・R〜R
〜Rは、式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。RとRは、互いに結合もしくは縮合してBおよびBの一部とともに環を形成してもよい。形成される環は、芳香族環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
・R、R
およびRは、それぞれ独立に、式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
・L
Lは、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、またはアルケニレン基を表す。アルキレン基は、直鎖構造でも分岐構造でも環状構造でもよく、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数3〜6のシクロアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜6のアルキレン基としては、具体的に、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンなどが挙げられ、中でも、メチレン、エチレンが好ましい。炭素数3〜6のシクロアルキレン基としては、具体的に、シクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられ、中でも、シクロヘキシレンが好ましい。アリーレン基は、炭素数6〜14のアリーレン基が好ましく、具体的には、フェニレン、ナフチレン、アントラセニレンなどが挙げられ、中でも、フェニレンがより好ましい。ヘテロアリール基は、炭素数1〜12のヘテロアリーレン基が好ましい。具体的には、ピロール、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、およびベンゾピラゾールから水素原子を2つ除いた構造を有する連結基などが挙げられ、中でも、トリアジン、ピラジンがより好ましい。アルケニレン基は、炭素数2〜6のアルケニレン基が好ましく、具体的には、エテニレン、1−プロペニレン、2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1−ヘキセニレン、3−ヘキセニレンなどが挙げられ、中でも、エテニレンがより好ましい。上記各基は、さらに置換基を有してもよく、アルキル基(好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル)、アルコキシ基(好ましくは、メトキシ、エトキシ)、アリール基(好ましくは、フェニル)、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が挙げられる。Lはアルキレン基、アリーレン基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基がより好ましく、シクロヘキシレン、フェニレンがさらに好ましい。
・n、o、p
n、o、およびpは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。n、o、およびpが2以上のとき、そこで規定される複数の構造部は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
式(2)は、下記式(2−1)または式(2−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
式(2−1)、式(2−2)中、M、B、R、R、Y、k、l、m、nは、式(2)における各定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。R31は、水素原子または式(1)におけるRの置換基である。このとき置換基の好ましい範囲も、上記Rの好ましい置換基と同じである。
・R
は、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、またはヘテロアリール基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)を表す。Rは、アルキル基またはアリール基が好ましく、メチルまたはフェニルがより好ましい。
式(3)は、下記式(3−1)または式(3−2)で表されることが好ましい。
Figure 0006238411
式(3−1)、式(3−2)中、M、B、B、R、R、R、R、Y、l、m、n、o、pは、式(3)における各定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。RおよびR10は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるRと同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。R31およびR51は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるR31と同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。
式(4)は、下記式(4−1)または式(4−2)で表されることが好ましい。
Figure 0006238411
式(4−1)、式(4−2)中、M、R、R、R、R、L、Y、l、m、oは、式(4)における各定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。RおよびR10は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるRと同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。R31およびR51は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるR31と同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。
式(5)は、下記式(5−1)または式(5−2)で表されることが好ましい。
Figure 0006238411
式中、M、R、R、R、R、L、Y、l、m、oは、式(5)における各定義と同じであり、好ましい範囲も同じである。RおよびR10は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるRと同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。R31およびR51は、それぞれ独立に、式(2−2)におけるR31と同じ定義であり、好ましい範囲も同じである。
以下に特定金属錯体の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
Figure 0006238411
Figure 0006238411
Figure 0006238411
Figure 0006238411
属錯体としては、配位結合として金属−酸素結合のみを有するもの(MO型錯体)も好ましい。上記MO型錯体は下記式(6)で表される部分構造を有する化合物であることが好ましい。
−O (6)
は遷移元素または希土類元素である。 は上記Mと同義である。好ましくは、Zr、Ti、Hf、Al、Feであり、より好ましくは、Zr、Ti、Alである。
式(6)は下記式(7)であることが好ましい。
Figure 0006238411
は上記と同義である。RはRm1と同義である。Rは互いに連結していてもよい。連結してなる構造部は炭素数3〜12のジエン構造であることが好ましく、例えばブタジエン構造が挙げられる。複数のRは互いに異なっていてもよい。noは1〜8の整数であり、1〜4の整数が好ましい。
式(7)は下記式(8)であることが好ましい。
Figure 0006238411
、no、及びRは上記と同義である。複数のRは互いに異なっていてもよい。
以下に、配位結合として金属−酸素結合を有するもの(MO型錯体)の例を参考例とともに挙げるが、本発明がこれらに限定して解釈されるものではない。
Figure 0006238411
上記金属錯体は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、本発明で使用する金属錯体(B)は、上記式(I)で表される化合物、上記式(II)で表される部分構造を有し、M に配位する配位子がNR m3 m4 のみである化合物、上記式(1)で表される化合物または下記式(8)で表される化合物である。
ただし、上記式(1)におけるYは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアン酸基、イソチオシアン酸基、−S−Ra、ホスフィニル基、カルボニル基含有基およびハロゲン原子から選択される1座の配位子を表す。ここで、Raは水素原子または置換基を表す。
また、式(8)の−OC(R )=C(R )C(R )=O…における中央のR は、R m1 で規定される基に加えて、水素原子であってもよい。
上記リン含有化合物との関係で言うと、リン含有化合物100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましい。上限としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることが特に好ましい。金属錯体には、リン含有化合物の難燃性の向上効果を維持して、その電池性能に対する影響を抑える働きがある。これは、正極で金属錯体の反応物が特有の被膜を形成し、リン含有化合物の分解や、正極の劣化を抑える作用を奏したためと解される。その観点からは、上記のとおり、金属錯体については、リン含有化合物の配合量に対して、少ない量の適用で所望の効果を得ることができる。
(電解質)
本発明の電解液に用いる電解質は周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンの塩であることが好ましい。その材料は電解液の使用目的により適宜選択される。例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。本発明の電解液をリチウム二次電池用非水系電解液として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩が好ましく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)が好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
なお、電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における電解質(好ましくは周期律表第一族又は第二族に属する金属のイオンもしくはその金属塩)は、以下に電解液の調製法で述べる好ましい塩濃度となるような量で添加されることが好ましい。塩濃度は電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは15質量%〜30質量%である。モル濃度としては0.5M〜1.5Mが好ましい。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定されればよい。
(非水溶剤)
本発明に用いられる非水溶剤としては、非プロトン性有機溶媒であることが好ましく、なかでも炭素数2〜10の非プロトン性有機溶媒であることが好ましい。上記非水溶剤は、エーテル基、カルボニル基、エステル基、またはカーボネート基を有する化合物であることが好ましい。上記化合物は置換基を有していてもよく、その例として後記置換基Tが挙げられる。
非水溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシド燐酸などが挙げられる。これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、特に、エチレンカーボネートあるいはプロピレンカーボネートなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)とジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
しかしながら、本発明に用いられる非水溶剤は、上記例示によって限定されるものではない。
(機能性添加剤)
本発明の電解液には、各種の機能性添加剤を含有させることが好ましい。この添加剤により発現させる機能としては、例えば、難燃性の向上、サイクル特性の良化、容量特性の改善が挙げられる。以下に、本発明の電解質に適用することが好ましい機能性添加剤の例を示す。
<芳香族性化合物>
芳香族性化合物としては、ビフェニル化合物、アルキル置換ベンゼン化合物が挙げられる。ビフェニル化合物は2つのベンゼン環が単結合で結合している部分構造を有しておりベンゼン環は置換基を有してもよく、好ましい置換基は、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)、炭素原子数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチルなど)である。
ビフェニル化合物としては、具体的に、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、及び4−tert−ブチルビフェニルを挙げることができる。
アルキル置換ベンゼン化合物は、炭素数1〜10のアルキル基で置換されたベンゼン化合物が好ましく、具体的には、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、t−アミルベンゼン、t−ブチルベンゼン、テチラヒドロナフタレンを挙げることができる。
<ハロゲン含有化合物>
ハロゲン含有化合物が有するハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、または、臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。ハロゲン原子の数としては1〜6個が好ましく、1〜3個が更に好ましい。ハロゲン含有化合物としてはフッ素原子で置換されたカーボネート化合物、フッ素原子を有するポリエーテル化合物、フッ素置換芳香族化合物が好ましい。
ハロゲン置換カーボネート化合物は鎖状、または、環状いずれでもよいが、イオン伝導性の観点から、電解質塩(例えばリチウムイオン)の配位性が高い環状カーボネート化合物が好ましく、5員環環状カーボネート化合物が特に好ましい。
ハロゲン置換カーボネート化合物の好ましい具体例を以下に示す。この中でもBex1〜Bex4の化合物が特に好ましく、Bex1が特に好ましい。
Figure 0006238411
<重合性化合物>
重合性化合物としては炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの二重結合を有するカーボネート化合物、アクリレート基、メタクリレート基、シアノアクリレート基、αCFアクリレート基から選ばれる基を有する化合物、スチリル基を有する化合物が好ましく、二重結合を有するカーボネート化合物、あるいは重合性基を分子内に2つ以上有する化合物が更に好ましい。
<硫黄含有化合物>
含硫黄化合物としては−SO−、−SO−、−OS(=O)O−結合を有する化合物が好ましく、プロパンサルトン、プロペンサルトン、エチレンサルファイトなどの環状含硫黄化合物、スルホン酸エステル類が好ましい。
含硫黄環状化合物としては、下記式(E1)、(E2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
式中、X、Xはそれぞれ独立に、−O−、−C(Ra)(Rb)−を表す。ここで、Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。置換基として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基、フッ素原子、炭素原子数の6〜12のアリール基である。αは5〜6員環を形成するのに必要な原子群を表す。αの骨格は炭素原子のほか、硫黄原子、酸素原子などを含んでもよい。αは置換されていてもよく、置換基としては置換基Tがあげられ、好ましくはアルキル基、フッ素原子、アリール基である。
Figure 0006238411
<ケイ素含有化合物>
ケイ素含有化合物としては、下記式(F1)または(F2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
F1はアルキル基、アルケニル基、アシル基、アシルオキシ基、または、アルコキシカルボニル基を表す。
F2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。
なお、1つの式に複数あるRF1及びRF2はそれぞれ異なっていても同じであってもよい。
<ニトリル化合物>
ニトリル化合物としては、下記式(G)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
式中、RG1〜RG3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルホニル基、ハロゲン原子、またはホスホニル基を表す。各置換基の好ましいものは、置換基Tの例を参照することができるが、なかでも、RG1〜RG3のいずれか一つ以上がシアノ基を含むニトリル基を複数有する化合物が好ましい。
・ngは1〜8の整数を表す。
式(G)で表される化合物の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、プロパンテトラカルボニトリル等が好ましい。特に好ましくは、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、プロパンテトラカルボニトリルである。
<ホウ素含有化合物>
ホウ素含有化合物としては、下記式(H1)〜(H3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006238411
式中、RH1、RH4〜RH11はアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、カルバモイル基、またはハロゲン原子を表し、互いに連結し環を形成しても良い。RH2〜RH3はそれぞれ独立にアルキル基、アルキルカルボニル基、アリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールカルボニル基、またはホウ素原子を表し、互いに連結し環を形成しても良い。Z+は無機又は有機カチオンを表し、好ましくはアンモニウムカチオン、Li+、Na、Kである。ホウ素含有化合物として、具体的には下記の構造が挙げられ、より好ましくはHex1〜Hex2である。
Figure 0006238411
<イミド化合物>
イミド化合物としては、耐酸化性の観点よりパーフルオロ基を有するスルホンイミド化合物が好ましく、具体的にはパーフルオロスルホイミドリチウム化合物が挙げられる。
イミド化合物として、具体的には下記の構造が挙げられ、より好ましくはCex1、Cex2である。
Figure 0006238411
本発明の電解液には、上記のものを始め、負極被膜形成剤、難燃剤、過充電防止剤等から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。非水電解液中におけるこれら機能性添加剤の含有割合は特に限定はないが、非水電解液全体(電解質を含む)に対し、それぞれ、0.001質量%〜10質量%が好ましい。これらの化合物を添加することにより、過充電による異常時に電池の破裂を抑制したり、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させたりすることができる。
上記例示化合物は任意の置換基Tを有していてもよい。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、1−ピロリル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、シリル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルシリル基、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシル基である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
[電解液の調製方法等]
本発明の非水電解液は、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた例を含め、上記各成分を上記非水電解液溶媒に溶解して、常法により調製される。
本発明において、「非水」とは水を実質的に含まないことをいい、発明の効果を妨げない範囲で微量の水を含んでいてもよい。良好な特性を得ることを考慮して言うと、水の濃度が200ppm(質量基準)以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく20ppm以下であることが更に好ましい。下限値は特にないが、不可避的な混入を考慮すると、1ppm以上であることが実際的である。本発明の電解液の粘度は特に限定されないが、25℃において、10〜0.1mPa・sであることが好ましく、5〜0.5mPa・sであることがより好ましい。
<粘度の測定方法>
本明細書において粘度は以下の方法で測定した値を言うこととする。サンプル1mLをレオメーター(CLS 500)に入れ、直径4cm/2°のSteel Cone(共に、TA Instrumennts社製)を用いて測定する。サンプルは予め測定開始温度にて温度が一定となるまで保温しておき、測定はその後に開始する。測定温度は25℃とする。
[二次電池]
本発明においては上記非水電解液を含有する非水二次電池とすることが好ましい。好ましい実施形態として、リチウムイオン二次電池についてその機構を模式化して示した図1を参照して説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1,正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出又は溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これら部材に加え、電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、及び外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部及び電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受a,bが生じ、充電α、放電βを行うことができ、回路配線7を介して動作機構6を介して運転あるいは蓄電を行うことができる。以下、本発明の好ましい実施形態であるリチウム二次電池の構成について、さらに詳細に説明する。
(電池形状)
本実施形態のリチウム二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状、及び、ペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや機器の形を考慮した馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかもで、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100の例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。
有底角型形状では、一番大きい面の面積S(端子部を除く外形寸法の幅と高さとの積、単位cm)の2倍と電池外形の厚さT(単位cm)との比率2S/Tの値が100以上であることが好ましく、200以上であることが更に好適である。最大面を大きくすることにより高出力かつ大容量の電池であってもサイクル性や高温保存等の特性を向上させるとともに、発熱時の放熱効率を上げることができ、後述する「弁作動」というな状態になることを抑制することができる。
(電池を構成する部材)
本実施形態のリチウム二次電池は、図1に基づいて言うと、電解液5、正極及び負極の電極合剤C,A、セパレータの基本部材9を具備して構成される。以下、これらの各部材について述べる。
(電極合材)
電極合材は、集電体(電極基材)上に活物質と導電剤、結着剤、フィラーなどの分散物を塗布したものであり、リチウム電池においては、活物質が正極活物質である正極合材と活物質が負極活物質である負極合材が使用されることが好ましい。次に、電極合材を構成する分散物(電極用組成物)中の各成分等について説明する。
・正極活物質
正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。この、遷移金属酸化物として例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、あるいはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活物質を用いてもよい。具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、上記特定遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。
遷移金属酸化物としては、上記遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移金属の量に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
〔式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
Li ・・・ (MA)
式中、Mは上記Maと同義である。aは0〜1.2を表し、0.1〜1.15であることが好ましく、さらに0.6〜1.1であることが好ましい。bは1〜3を表し、2であることが好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。上記式(MA)で表される遷移金属酸化物は典型的には層状岩塩型構造を有する。
本遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものであることがより好ましい。
(MA−1) LiCoO
(MA−2) LiNiO
(MA−3) LiMnO
(MA−4) LiCoNi1−j
(MA−5) LiNiMn1−j
(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
ここでgは上記aと同義である。jは0.1〜0.9を表す。iは0〜1を表す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bと同義である。上記遷移金属化合物の具体例を示すと、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.01Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)である。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(i)LiNiMnCo(x>0.2,y>0.2,z≧0,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNiCoAl(x>0.7,y>0.1,0.1>z≧0.05,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
〔式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下記式(MB)で表されるものも好ましい。
Li ・・・ (MB)
式中、Mは上記Maと同義である。cは0〜2を表し、0.1〜1.15であることが好ましく、さらに0.6〜1.5であることが好ましい。dは3〜5を表し、4であることが好ましい。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものであることがより好ましい。
(MB−1) LiMn
(MB−2) LiMnAl2−p
(MB−3) LiMnNi2−p
mはcと同義である。nはdと同義である。pは0〜2を表す。上記遷移金属化合物の具体例を示すと、LiMn、LiMn1.5Ni0.5である。
式(MB)で表される遷移金属酸化物はさらに下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極が更に好ましい。
〔式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
リチウム含有遷移金属酸化物としてはリチウム含有遷移金属リン酸化物を用いることも好ましく、中でも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ (MC)
式中、eは0〜2を表し、0.1〜1.15であることが好ましく、さらに0.5〜1.5であることが好ましい。fは1〜5を表し、0.5〜2であることが好ましい。
上記MはV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択される一種以上の元素を表す。上記Mは、上記の混合元素Mのほか、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換していてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記a,c,g,m,e値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。上記式(a)〜(e)では特定値としてLiの組成を示しているが、これも同様に電池の動作により変化するものである。
なかでも本発明においては、Niおよび/またはMn原子を含有する正極活物質を用いることが好ましく、NiおよびMn原子両方を含有する正極活物質を用いることが更に好ましい。
特に好ましい正極活物質の具体例としては下記が挙げられる。
LiNi0.33Co0.33Mn0.33
LiNi0.6Co0.2Mn0.2
LiNi0.5Co0.3Mn0.2
LiNi0.5Mn0.5
LiNi0.5Mn1.5
これらは高電位で使用できるため電池容量を大きくすることができ、また高電位で使用しても容量維持率が高いため特に好ましい。
本発明において、正極活物質には3.5V以上の正極電位(Li/Li基準)で通常使用を維持できる材料を用いることが好ましく、3.8V以上であることがより好ましく、4V以上であることがさらに好ましく、4.25V以上であることがさらに好ましく、4.3V以上であることがさらに好ましい。上限は特にないが、5V以下であることが実際的である。上記範囲とすることで、サイクル特性および高レート放電特性を向上することができる。
ここで通常使用を維持できるとは、その電圧で充電を行ったときでも電極材料が劣化して使用不能になることがないことを意味し、この電位を通常使用可能電位ともいう。
充放電時の正極電位(Li/Li基準)は
(正極電位)=(負極電位)+(電池電圧)である。負極としてチタン酸リチウムを用いた場合、負極電位は1.55Vとする。負極として黒鉛を用いた場合は負極電位は0.1Vとする。充電時に電池電圧を観測し、正極電位を算出する。
本発明の非水電解液は、高電位の正極と組み合わせて用いることが特に好ましい。高電位の正極を用いると、通常、サイクル特性が大きく低下しがちであるが、本発明の好ましい実施形態によれば非水電解液は、この低下を抑えた良好な性能を維持することができる。
本発明の非水二次電池において、用いられる正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01m/g〜50m/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
正極活物質を所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。上記焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
正極活物質の配合量は特に限定されないが、活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、60〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
・負極活物質
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましく、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であるものが好ましく、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
本発明の非水二次電池において用いられる負極活物質である金属酸化物及び金属複合酸化物は、これらの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
上記負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
本発明の電解液は、その好ましい様態として、高電位負極(好ましくはリチウム・チタン酸化物、電位1.55V対Li金属)との組合せ、及び低電位負極(好ましくは炭素材料、シリコン含有材料、電位約0.1V対Li金属)との組合せのいずれにおいても優れた特性を発現する。更に高容量化に向けて開発が進んでいるリチウムと合金形成可能な金属または金属酸化物負極(好ましくはSi、酸化Si、Si/酸化Si、Sn、酸化Sn、SnB、Cu/Snおよびこれらのうち複数の複合体)、及びこれらの金属または金属酸化物と炭素材料の複合体を負極とする電池においても好ましく用いることができる。
本発明においては、なかでも、炭素、ケイ素(Si)、チタン、およびスズから選ばれる少なくとも1種を含有する負極活物質を用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、高電位の負極と組み合わせて用いることが特に好ましい。高電位の負極は上記の高電位の正極と組み合わせて用いられることが多く、大容量の充放電にも好適に対応することができる。そのような条件下で本発明の好ましい実施形態に係る非水二次電池用電解液は優れた性能を発揮するため好ましい。
・導電材
導電材は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料が好ましく、公知の導電材を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種又はこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。上記導電剤の添加量としては、11〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
・結着剤
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
結着剤は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
・フィラー
電極合材は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料が好ましい。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、分散物中、0〜30質量%が好ましい。
・集電体
正・負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
上記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。上記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材によりリチウム二次電池の電極合材が形成される。
(セパレータ)
本発明の非水二次電池に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、及び正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料で構成されていることが好ましい。このような材料として多孔質のポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料、あるいはガラス繊維などが用いられる。これらセパレータは信頼性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
上記セパレータの孔の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05μm〜30μmであり、0.1μm〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20%〜90%であり、35%〜80%が好ましい。
上記ポリマー材料としては、セルロース不織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが、好ましい。
上記無機物としては、アルミナや二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミや窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩類が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01μm〜1μm、厚さが5μm〜50μmのものが好適に用いられる。上記の独立した薄膜形状以外に、上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を樹脂製の結着剤を用いて正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層として形成させることが挙げられる。
(非水二次電池の作製)
本発明の非水二次電池の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
以下、図2により、有底筒型形状リチウム二次電池100を例に挙げて、その構成及び作製方法について説明する。有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100を例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。その他、図中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電体、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
まず、負極活物質と、所望により用いられる結着剤やフィラーなどを有機溶剤に溶解したものを混合して、スラリー状あるいはペースト状の負極合剤を調製する。得られた負極合剤を集電体としての金属芯体の両面の全面にわたって均一に塗布し、その後、有機溶剤を除去して負極合材層を形成する。さらに、集電体と負極合材層との積層体をロールプレス機等により圧延して、所定の厚みに調製して負極シート(電極シート)を得る。このとき、各剤の塗布方法や塗布物の乾燥、正・負極の電極の形成方法は定法によればよい。
本実施形態では、円筒形の電池を例に挙げたが、本発明はこれに制限されず、例えば、上記方法で作製された正・負の電極シートを、セパレータを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工するか、或いは、折りまげた後角形缶に挿入して、缶とシートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いて開口部を封止して角形電池を形成してもよい。
いずれの実施形態においても、安全弁を開口部を封止するための封口板として用いることができる。また、封口部材には、安全弁の他、従来知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが好適に用いられる。
また、上記安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来知られている化合物や混合物を用いることができる。
[非水二次電池の用途]
リチウム電池と呼ばれる二次電池は、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(リチウムイオン二次電池)と、リチウムの析出および溶解を利用する二次電池(リチウム金属二次電池)とに大別される。本発明においてはリチウムイオン二次電池としての適用が好ましい。
本発明の非水二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
<実施例1・比較例1>
電解液の調製
表Aの電解液の溶剤S1〜S3に化合物(A)(B)を表1中に示した量となるように添加し、更にビニレンカーボネートを全電解液に対し1質量%、t−アミルベンゼンを全電解液に対し1質量%、スクシノニトリルを全電解液に対し1質量%となるように添加して各試験用の電解液を調製した。調製した電解液の25℃における粘度は全て5mPa・s以下、カールフィッシャー法(JISK0113)により測定した水分量は20ppm以下であった。
<難燃性>
調製した電解液の難燃性を大気下25℃において以下のように評価した。
UL−94HB水平燃焼試験を参考に、以下の試験条件にて評価を実施した。幅13mm、長さ110mmのガラス濾紙(ADVANTEC GA−100)を切り出し、調製した電解液1.5mlをガラス濾紙上に満遍なく滴下した。十分にガラス濾紙内に電解液が染み込んだ後、余剰の電解液を拭い、短軸が垂直になるように吊るした。全炎長2cmに調整したブタンガスバーナーの内炎がガラス濾紙の先端に触れる位置で3秒着火し、炎を離した後の挙動で着火の有無、着火後の消炎、着火点から他方の端まで炎が到達する時間を以下のように評価した。添加剤を添加していない電解液は着火点から他方の端まで炎が到達する時間が5秒未満であった。
5・・・着火が見られず、不燃であった。
4・・・着火したがすぐに消炎した
3・・・着火したが着火点から他方の端まで炎が到達する前に消炎した
2・・・着火点から他方の端まで炎が到達する時間が10秒以上で、燃焼抑制効果が見られるが、不燃、消炎には至らないレベル
1・・・着火点から他方の端まで炎が到達する時間が10秒未満で、燃焼抑制効果なし。
<電池(1)の作製>
正極は活物質:LiNi1/3Mn1/3Co1/3(NMC)85質量%、導電助剤:カーボンブラック7.5質量%、バインダー:PVDF 7.5質量%で作製し、負極は活物質:黒鉛85質量%、導電助剤:カーボンブラック7.5質量%、バインダー:PVDF 7.5質量%で作製した。セパレータはポリプロピレン製多孔質膜24μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、表1の電解液を用いて、2032形コイン電池(1)を作製した。
<電池の初期化>
30℃の恒温槽中電池電圧が4.3V(正極電位4.4V)になるまで0.2C定電流充電した後、電池電圧が4.3V定電圧において電流値が0.12mAになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。次に30℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで0.2C定電流放電を行った。この操作を2回繰り返した。上記の方法で作製した2032形電池を用いて下記項目の評価を行った。結果を表1に示している。
ここで1Cとは電池の容量を1時間で放電または充電する電流値を表し、0.2Cはその0.2倍、0.5Cはその0.5倍、2Cは2倍の電流値を表す。大電流で充放電を行うほど、抵抗上昇の影響を受けやすいため、容量劣化しやすい。同様に、低温で放電すると抵抗上昇の影響を受けやすいため、容量劣化しやすく、この2つを組み合わせた低温大電流放電はより過酷な条件となる。
また、サイクル試験における温度も重要で、高温で充放電を繰り返すと、電解液成分の酸化還元分解が加速され、抵抗上昇しやすくなる。
(初回放電容量)
この電池を30℃の恒温槽中電池電圧が4.3Vになるまで0.7C定電流充電した後、電池電圧4.3Vの定電圧において電流値が0.12mAになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。この電池を30℃の恒温槽中電池電圧が2.75Vになるまで0.5C定電流放電を行い、初回の30℃/0.5C放電容量(I)を測定した。
(高温サイクル試験)
この電池を45℃の恒温槽中電池電圧が4.3Vになるまで0.7C定電流充電した後、電池電圧4.3Vの定電圧において電流値が0.12mAになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。この電池を45℃の恒温槽中電池電圧が2.75Vになるまで0.5C定電流放電を行うサイクルを300回繰り返した。
(サイクル試験後の放電容量)
高温サイクル試験後の電池を初回放電容量計測と同じ条件で充放電を行い、サイクル試験後の放電容量(II)を測定した。
(サイクル試験後の低温大電流放電容量)
高温サイクル試験後の電池を30℃の恒温槽中電池電圧が4.3Vになるまで0.7C定電流充電した後、電池電圧4.3Vの定電圧において電流値が0.12mAになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。この電池を10℃の恒温槽中電池電圧が2.75Vになるまで2C定電流放電を行い、サイクル試験後の10℃/2C放電容量(III)を測定した。
なお、低温環境は電解液粘度が高くなるため、リチウムイオンの移動を阻害し、高抵抗となり、電池を駆動させるに際し苛酷な環境となる。
得られた結果から下式によりサイクル試験後の放電容量維持率、サイクル試験後の低温大電流放電容量維持率を算出した。
サイクル試験後の放電容量維持率=(II)/(I)
サイクル試験後の低温大電流放電容量維持率=(III)/(I)
得られた放電容量維持率を以下のように評価した。値が大きいほど厳しい試験条件においても容量が維持されており、良好な結果である。
A:0.8以上
B:0.7以上0.8未満
C:0.6以上0.7未満
D:0.5以上0.6未満
E:0.3以上0.5未満
F:0.3未満
Figure 0006238411
試験No.:cで始まるものが比較例
comp:例示化合物
conc:濃度(質量%)
Figure 0006238411
Figure 0006238411
溶剤
EC:エチレンカーボネート
EMC:エチルメチルカーボネート
DMC:ジメチルカーボネート
GBL:γブチロラクトン
PC:プロピレンカーボネート
本発明の非水電解液によれば、高い難燃性を実現しながら、厳しい使用条件においても高い放電容量の維持率を達成できることが分かる。
<実施例2>
正極活物質をマンガン酸リチウム(LiMn)とし、サイクル試験充電時の電圧を4.2Vとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。その結果、本願の電解液は高温サイクル試験後においても低温/大電流放電における容量維持率が高い優れた結果が得られたのに対し、比較例の電解液はサイクル試験充電時の低温/大電流放電における容量維持率が劣る結果であった。サイクル試験充電時の電圧を4.3Vとしたところ、実施例、比較例いずれの電解液を用いてもサイクル試験後の低温/大電流放電における容量維持率が低下したが、実施例の電池は十分実用上の要求を満たすものであった。
<実施例3>
正極活物質をコバルト酸リチウム(LiCoO)とし、サイクル試験充電時の電圧を4.0V、あるいは4.1Vとした以外は、実施例2と同じ操作を行った。その結果、本願の電解液は4.0V、4.1Vいずれの電圧での高温サイクル試験後においても低温/大電流放電における容量維持率が高い優れた結果が得られた。これに対し、比較例の電解液はサイクル試験充電時の電圧4.0Vにおいては本願の電解液同等であったが、充電時の電圧4.1Vのサイクル試験後の低温/大電流放電における容量維持率が劣る結果であった。サイクル試験充電時の電圧を4.2Vとしたところ、実施例、比較例いずれの電解液を用いてもサイクル試験後の低温/大電流放電における容量維持率が低下したが、実施例の電池は十分実用上の要求を満たすものであった。
<実施例4>
表Aの電解液の溶剤S1〜S3に化合物(A)(B)を表2中に示した量となるように添加し、更にフロロエチレンカーボネートを全電解液に対し1質量%、t−アミルベンゼンを全電解液に対し1質量%、スクシノニトリルを全電解液に対し1質量%となるように添加して各試験用の電解液を調製した。調製した電解液の25℃における粘度は全て5mPa・s以下、カールフィッシャー法(JISK0113)により測定した水分量は20ppm(質量基準)以下であった。
Figure 0006238411
試験No.:cで始まるものが比較例
comp:例示化合物
conc:濃度(質量%)
負極活物質をチタン酸リチウム(LTO)とし、サイクル試験充電時の電圧を2.85Vとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表2に示す。本願の電解液は高温サイクル試験後においても低温/大電流放電における容量維持率が高い優れた結果が得られた。
<実施例5>
電解液の調製
表Aの電解液の溶剤S1〜S3に化合物(A)(B)を表3中に示した量となるように添加し、更にビニルエチレンカーボネートを全電解液に対し1質量%、エチルベンゼンを全電解液に対し1.5質量%、ジエチルボリルピラゾールダイマー(Hex5)を全電解液に対し0.5質量%となるように添加して各試験用の電解液を調製した以外は、実施例1と同じ操作を行った。
Figure 0006238411
comp:例示化合物
conc:濃度(質量%)
<実施例6>
電解液の調製
表Aの電解液の溶剤S1〜S3に化合物(A)(B)を表4中に示した量となるように添加し、更にフルオロエチレンカーボネート(Bex1)を全電解液に対し1質量%、シクロアルキルベンゼンを全電解液に対し1.5質量%、リチウムテトラシアノボレート(Hex11)を全電解液に対し0.5質量%となるように添加して各試験用の電解液を調製した以外は、実施例1と同じ操作を行った。
Figure 0006238411
comp:例示化合物
conc:濃度(質量%)
上記実施例5、6の結果より機能性添加剤を配合した場合にも、本発明の非水二次電池用電解液は良好な性能を発揮することが分かる。
上記実施例において本発明の電解液を負極としてリチウム・チタン酸化物負極、炭素負極、正極としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムと組み合わせて用いた電池において優れた特性を発現することを示した。本発明を用いれば、更にニッケルマンガン酸リチウムなど4.5V以上の電位で使用される正極、あるいは炭素負極より高容量が期待されるSi含有負極、スズ含有負極を用いた電池においても、同様の優れた効果を発現するものと推測できる。
C 正極(正極合材)
1 正極導電材(集電体)
2 正極活物質層
A 負極(負極合材)
3 負極導電材(集電体)
4 負極活物質層
5 非水電解液
6 動作手段
7 配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウム二次電池

Claims (14)

  1. 非水溶剤、電解質、リン含有化合物(A)および金属錯体(B)を含有し、
    前記金属錯体(B)が、下記式(I)で表される化合物、下記式(II)で表される部分構造を有し、Mに配位する配位子がNRm3m4のみである化合物、下記式(1)で表される化合物または下記式(8’)で表される化合物であり、
    前記リン含有化合物(A)が下記式(A1)で表される化合物または下記式(A2)で表される構造を有する化合物である非水二次電池用電解液。
    Figure 0006238411
    式(I)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
    m1はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基またはハロゲン原子を表す。複数のRm1が互いに連結して、脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。
    aは0〜5の整数を表す。
    およびYはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、−(S)n−Ra、ホスフィニル基、カルボニル基含有基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。ここで、Raは水素原子または置換基を表し、nは1〜8の整数を表す。さらに、XとYが互いに連結して、Mを含む環を形成してもよい。
    m1およびn1は0≦m1+n1≦3を満たす整数である。cは0〜2の整数である。
    は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル基含有基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリール基、または上記式(C)で表される基を表す。
    式(CP)中、Rm2はRm1と同義の基を表す。*はMと結合する結合手を表す。bは0〜5の整数を表す。Rm1とRm2は互いに連結していてもよい。
    式(II)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
    m3およびRm4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基またはハロゲン原子を表す。Rm3とRm4は互いに連結していてもよい。
    式(1)中、Mは中心金属を表す。
    は芳香族環または芳香族複素環を表す。
    はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表す。Rが複数ある場合、Rは互いに結合もしくは縮合してもよく、複数のRで環を形成してもよい。
    XはCRまたは窒素原子を表す。ここで、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表す。RとRは互いに結合または縮合して環を形成してもよい。
    Yは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホン酸基、イソシアン酸基、イソチオシアン酸基、−S−Ra、ホスフィニル基、カルボニル基含有基およびハロゲン原子から選択される1座の配位子を表す。ここで、Raは水素原子または置換基を表す。
    は置換基を表す。
    kは1〜4の整数を表す。lは0〜3の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。
    式(8’)中、Mは中心金属であって、遷移元素または希土類元素を表す。
    はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基またはハロゲン原子を表す。Rooは水素原子またはRで規定される基を表す。複数のRは互いに異なっていてもよい。
    noは1〜8の整数を表す。
    Figure 0006238411
    式(A1)、(A2)中、Ra 11 〜Ra 13 は独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基または−(CH n3 C(=O)−(O) m3 Rb を表す。n3は0または1を表す。m3は0または1を表す。Rb はアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。X は酸素原子、硫黄原子またはN(Ra 14 )を表す。Ra 14 は水素原子または1価の置換基を表す。Ra 21 はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のR 21 は置換基同士が環を形成していてもよい。n2は2以上の整数を表し、結合端同士が結合して環を形成してもよい。
  2. 前記金属錯体(B)の中心金属が第4〜第8族遷移元素またはランタノイドである請求項1に記載の非水二次電池用電解液。
  3. 前記式(1)で表される化合物が下記式(2)〜(5)のいずれかで表される請求項1または2に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 0006238411
    式(2)〜(5)中、M、A、R、Y、k、lおよびmは前記式(1)における各定義と同じである。Aは前記式(1)におけるAと同義である。BおよびBは含窒素芳香族複素環を表す。R〜Rは前記式(1)におけるRと同義である。RとRは、互いに結合もしくは縮合してBおよびBの一部とともに環を形成してもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、前記式(1)におけるRと同義である。Lはアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはアルケニレン基を表す。n、oおよびpは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
  4. 前記式(A2)で表される構造を有する化合物が下記式(A2−1)または(A2−2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 0006238411
    式(A2−1)、(A2−2)中、Ra31〜Ra36、Ra41〜Ra48は、前記Ra21と同義である。
  5. 前記式(A2−1)で表される構造を有する化合物が下記式(A2−1−1)または(A2−1−2)のいずれかで表される請求項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 0006238411
    式(A2−1−1)、(A2−1−2)中、Ra51〜Ra52はそれぞれ独立にアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。
  6. 前記Ra51〜Ra52がジアルキルアミノ基である請求項に記載の非水二次電池用電解液。
  7. 電解液が更に、芳香族性化合物、ハロゲン含有化合物、重合性化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物、ニトリル化合物、ホウ素含有化合物およびイミド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  8. 前記リン含有化合物(A)の電解液(電解質を含む全量)中の濃度が0.5質量%以上30質量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  9. 前記金属錯体(B)の電解液(電解質を含む全量)中の濃度が0.001質量%以上10質量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  10. 前記リン含有化合物(A)の含有量(100質量部)に対して、前記金属錯体(B)の含有量が0.01質量部以上10質量部以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  11. 前記金属錯体(B)の中心金属が、Ti、Zr、HfまたはVである請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  12. 正極、負極および請求項1〜11のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液をそれぞれ具備する非水二次電池。
  13. 前記正極の活物質が、Niおよび/またはMn原子を含有する請求項12に記載の非水二次電池。
  14. 前記負極の活物質が、炭素、ケイ素、チタンおよびスズから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項12または13に記載の非水二次電池。
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