JP6238293B2 - 着色樹脂粒子及びこれを含む水性多彩模様塗料組成物 - Google Patents

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Description

鮮やかではっきりした斑点状模様を有する塗膜を形成するのに適する、着色樹脂粒子及びこれを含む水性多彩模様塗料組成物に関する。
多彩模様塗料は分散媒体中に複数色の着色塗料粒子を安定に分散させた塗料であり、1回の塗装で複数色の斑点状の模様を得ることができ、主として建築物等の塗装に使用されている。(例えばJIS K 5667(2003)多彩模様塗料 参照)
近年、環境に対する配慮及び顧客の外観のニーズが多岐に渡っていることから水系の多彩模様塗料の開発が必要とされており、本出願人は種々の水性多彩模様塗料組成物を提案してきた(特許文献1〜3)。
これら文献によれば、塗装作業性が良好で、意匠性に優れた多彩模様塗膜を形成する水性多彩模様塗料を得ることができるものである。
一方、水性多彩模様塗料に含まれ、斑点状模様を形成させるための着色塗料粒子は貯蔵段階で粒子の中の着色成分が徐々に滲み出し、鮮映性が低下することがあった。
こうした問題に関して特許文献4には、水性樹脂、着色剤及び水溶性多糖類を含む水性液状組成物を、特定の金属化合物を含む水性媒体と接触させることによって、貯蔵安定性に優れた粒状ゲルが得られることが記載されている。
しかしながら特許文献4に記載の方法で得られる水性多彩模様塗料組成物では、塗膜の触感と斑点状模様の鮮映性を共に満足することが困難であり、未だ改善の余地がある。
特開2007−321045号公報 特開2008−012381号公報 特開2008−038104号公報 特開2008−202037号公報
本発明の目的は、鮮やかではっきりした斑点状模様を形成可能な着色樹脂粒子及びこれを含む水性多彩模様塗料組成物を提案することにある。
本発明者らは、上記した課題について鋭意検討した結果、今回、金属イオン含有水性媒体と接触させる水性液状組成物に特定の酸価を有する水性樹脂を複数併用することによって、貯蔵安定性に優れた着色樹脂粒子が得られ、このものを含む水性多彩模様塗料から鮮映性に優れた多彩模様塗膜が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
樹脂固形分の酸価が35mgKOH/g以上の水性樹脂(A)、樹脂固形分の酸価が20mgKOH/g未満の水性樹脂(B)、着色剤(C)及び水溶性多糖類(D)を含む水性液状組成物(I)を金属化合物含有水性媒体(II)と接触させることにより得られ、
水性樹脂(A)の固形分質量が水性樹脂(B)の固形分100質量部を基準として0.5〜20質量部の範囲内にあって、
水性樹脂(A)及び水性樹脂(B)の樹脂固形分に含まれる合計の酸基1当量を基準とする金属イオンの当量比が3〜40の範囲内にあることを特徴とする着色樹脂粒子、該着色樹脂粒子の製造方法、該着色樹脂粒子を含む水性多彩模様塗料組成物、該水性多彩模様塗料を塗装する塗装方法、
に関する。
本発明における着色樹脂粒子は貯蔵安定性に優れ、このものを含む水性多彩模様塗料組成物によれば、斑点状模様が鮮やかではっきりとしており、且つ手で触ったときのざらつき感が少ない自然な触感を有する塗膜を形成することができる。
本発明の着色樹脂粒子は、樹脂固形分の酸価が35mgKOH/g以上の水性樹脂(A)、樹脂固形分の酸価が20mgKOH/g未満の水性樹脂(B)、着色剤(C)及び水溶性多糖類(D)を含む水性液状組成物(I)を金属イオン含有水性媒体(II)と接触させることにより得られる。
<水性樹脂(A)>
本発明における水性樹脂(A)は、酸基を必須成分として含有する水に溶解又は分散可能な樹脂であり、固形分酸価が本発明範囲内にある限り各種樹脂が使用可能である。酸基としては制限はないが特にカルボキシル基が好適である。
水性樹脂(A)の具体例としては、例えば、アクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
ここで、アクリル酸系樹脂とは、アクリル酸系モノマーを必須成分としてその他モノマーを必要に応じて重合して得られる樹脂であり、スチレン−アクリル系樹脂とは、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーを必須成分としてその他モノマーを必要に応じて重合して得られる樹脂である。また、スチレン−マレイン酸系樹脂とは、スチレン系モノマーとマレイン酸系モノマーを必須成分としてその他モノマーを重合して得られる樹脂であり、スチレン−アクリル酸−マレイン酸系樹脂とは、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとマレイン酸系モノマーを必須成分としてその他モノマーを重合して得られる樹脂である。
また、該水性樹脂(A)のカルボキシル基はメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール等のアミン類及びアンモニア等の中和剤で一部又は全部が中和されたものであってもよい。
なお、アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。また、マレイン酸系モノマーとしては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸アルキルエステル、マレイン酸ヒドロキシアルキルエステル、マレイン酸アルキルアミド等が挙げられる。
本発明において、水性樹脂(A)は固形分酸価が35mgKOH/g以上にあることを特徴とする。水性樹脂(A)の固形分酸価が35mgKOH/g未満では、形成される多彩模様塗膜の鮮映性に乏しく、鮮やかではっきりした斑点状模様が得られない。
水性樹脂(A)の好ましい固形分酸価としては35〜600mgKOH/g、好ましくは40〜300mgKOH/gの範囲内が好ましく、重量平均分子量としては、3000〜300000、好ましくは5000〜250000の範囲内にあることが着色樹脂粒子の製造安定性や耐水性の観点から適している。
なお、本明細書における数平均分子量または重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量または重量平均分子量を、ポリスチレンの数平均分子量または重量平均分子量を基準にして換算した値である。この測定において、カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも商品名、東ソー社製)の4本を用い、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min、検出器RIという測定条件を使用した。
<水性樹脂(B)>
水性樹脂(B)は、水性樹脂(A)以外の樹脂であって、水に溶解又は分散可能な樹脂が使用されるものであり、各種樹脂が使用可能である。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、これらの樹脂は、例えばウレタン変性アクリル樹脂のように変性されていてもよく、或いはグラフト重合されたものであってもよい。
水性樹脂(B)には酸基は必須ではないが、酸基を有する場合はカルボキシル基が好適である。
上記水性樹脂(B)は、分散粒子の形態であることが適しており、単層状又はコア・シェル型等の多層状であることができる。また、該水性樹脂(B)がカルボキシル基を有する場合はメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール等のアミン類及びアンモニア等の中和剤で一部又は全部が中和されたものであってもよい。
上記水性樹脂(B)は、着色樹脂粒子の耐久性、耐候性等の観点から、アクリル系樹脂であることが好ましく、かかるアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリロイル基含有化合物を用いて共重合した樹脂を挙げることができる。
該化合物など共重合に用いられるモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなど)、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;エポキシ基含有重合性不飽和モノマー又は水酸基含有重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の酸化硬化性基含有重合性不飽和モノマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記モノマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、例えば、一般的な乳化重合法に従い、乳化剤の存在下に、上記モノマーを(共)重合することにより製造することができる。
使用される乳化剤としては、それ自体既知の乳化剤を使用することができ、適用可能な乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、両イオン性乳化剤が挙げられ、また、重合性不飽和基とアニオン性基又はノニオン性基の両者を分子中に含有する反応性乳化剤などを使用することもでき、その使用量は、重合性不飽和モノマーの合計質量を基準にして通常0.5〜6質量%、好ましくは1〜4質量%の範囲内であることができる。
本発明において水性樹脂(B)は固形分酸価が20mgKOH/g未満にあることを特徴とする。
水性樹脂(B)の固形分酸価が20mgKOH/g以上では、形成される塗膜の耐水性が不十分となり、好ましくない。
水性樹脂(B)の固形分酸価は、0.5以上で且つ20mgKOH/g未満、好ましくは1〜15mgKOH/g、さらに好ましくは1〜10mgKOH/gの範囲内が適しており、重量平均分子量は、10000〜500000、好ましくは15000〜350000の範囲内が適している。
また、水性樹脂(B)が分散粒子の場合、その平均粒子径としては、0.1〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。
本明細書における平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
本発明においては、水性樹脂(A)の固形分質量が水性樹脂(B)固形分100質量部を基準として0.5〜20質量部の範囲内にあることを特徴とするものであり、好ましくは1〜15質量部の範囲内にあることが適している。
水性樹脂(A)の量が0.5質量部未満では着色樹脂粒子の色安定性が悪くなる。一方、20質量部を超えると着色樹脂粒子が潰れることがあり、好ましくない。
<着色剤(C)>
本発明の着色樹脂粒子に含まれ得る着色剤(C)としては、着色顔料、光輝性顔料及び蛍光材等を例示することができる。着色顔料としては、例えば、二酸化チタン等の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料;フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などを挙げることができ、光輝性顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、リン化鉄、亜鉛粉等のメタリック顔料;金属酸化物コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄等の真珠光沢調顔料などを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。上記白色顔料としての二酸化チタンには、平均粒子径が10〜80nmのマイクロチタンや光触媒活性を有するアナターゼ型二酸化チタン等の機能性二酸化チタンも包含される。
蛍光材としては蛍光性または蓄光性の顔料および染料を挙げることができ、例えば、ジフェニルエチレン系、オキサゾール系、チアゾール系、イミダゾール系、トリアゾール系、ピラゾール系、フラン系、チオフェン系、ペリジカルボン酸アミド系、クマリン系の有機系化合物;硫化亜鉛、ストロンチウムアルミネート、カルシウムアルミネートなどの金属化合物に、銅、銀、マンガン、ユーロピウム等の金属を添加させた無機系化合物等を挙げることができる。
これら着色剤(C)は、目的とする着色樹脂粒子の色彩に応じて単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記着色樹脂粒子においては、着色剤(C)と共に体質顔料を使用することもできる。その具体例としては、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、珪砂、石英粉等が挙げられ、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記着色剤(C)の配合量はその種類に応じて適宜調整できるが、一般には水性樹脂(A)と水性樹脂(B)の合計固形分質量を基準にして、通常0.01〜400質量%、特に0.1〜300質量%の範囲内であることが好適である。
<水溶性多糖類(D)>
本発明の着色樹脂粒子は、水性樹脂(A)、水性樹脂(B)及び着色剤(C)を含む水性着色組成物が水溶性多糖類金属塩によって安定化されているものであり、例えば、水性樹脂(A)、水性樹脂(B)、着色剤(C)及び水溶性多糖類(D)を含む水性液状組成物(I)を金属化合物含有水性媒体(II)と接触させることにより得ることができる。
上記水溶性多糖類(D)としては、それ自身、後述の金属化合物含有水性媒体(II)と接触することによりゲル化することができる化合物であり、具体的にはアルギン酸、ジェランガム、カラギーナン、ガラクトマンナン、セルロース、ゼラチン、カゼイン、アルブミン等の化合物;これら化合物の金属塩;酸化、メチル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシアルキル化、硫酸化、リン酸化等によって変性した化合物等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記水溶性多糖類(D)は、着色樹脂粒子の内包物の流出を抑制して且つ、ざらつき感が少ない塗膜を形成できる点から、該水性液状組成物の固形分質量を基準にして0.5〜10質量%、好ましくは0.7〜9.0質量%の範囲内で使用することができる。
上記したごとき着色樹脂粒子を製造するための水性液状組成物は、さらに、必要に応じて、増粘剤、バルーン粒子等の比重調整材、消泡剤、硬化触媒、顔料分散剤、芳香剤、脱臭剤、抗菌剤、中和剤、界面活性剤、水性撥水剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、造膜助剤、亜鉛ウィスカ、ホルムアルデヒド吸着剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の難燃化剤などを含有することができる。
<着色樹脂粒子>
本発明において着色樹脂粒子の製造原料となる金属化合物含有水性媒体(II)に含まれる金属化合物は、水性媒体中で、水溶性多糖類(D)と水不溶性もしくは難溶性の塩を形成し得る一価又は多価の金属イオンを生成し得る化合物である。
かかる金属化合物における金属種としては、形成される着色樹脂粒子の強度などの観点から、多価金属が好適であり、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の周期表2族元素;チタン、ジルコニウムなどの周期表第4族元素;クロム、モリブデン等の周期表6族元素;マンガン等の周期表7族元素;鉄、ルテニウム等の周期表8族元素;コバルト、ロジウム等の周期表9族元素;ニッケル、パラジウム等の周期表10族元素;銅、銀等の周期表11族元素;亜鉛、カドミウム等の周期表12族元素、アルミニウム等の周期表13族元素;セリウム等の周期表16族元素などを挙げることができ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記多価金属に加えてナトリウム、カリウム等の周期表第1族元素の金属化合物を併用したものであってもよい。
上記金属化合物としては、周期表2族元素、特にカルシウムが好適である。
上記金属種のカウンターイオンとなりうる化合物としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸;水酸化物;塩化物;硫酸塩;硝酸塩;珪酸塩等を挙げることができ、これらは必要に応じて単独で又は2種以上組み合わせることができる。
上記金属化合物は、水などの水性媒体中にその少なくとも一部を溶解させることにより金属イオンを含有する水性媒体を調製することができる。その際、金属化合物は水性媒体中に全部溶解している必要はなく、一部溶解した状態であってもよい。
水性媒体中における金属化合物の濃度は厳密に制限されるものではないが、通常0.05〜20質量%、好ましくは0.05〜15質量%の範囲内であることができる。
上記水性媒体(II)は、着色樹脂粒子の貯蔵安定性および製造安定性の点から、pHを4.0〜13.7、好ましくは7.0〜13.5の範囲内に調整されることが好ましい。
上記水性液状組成物(I)と、金属化合物含有水性媒体(II)との接触は、例えば、注射器の先端から該組成物を水性媒体中に滴下する方法;該組成物を遠心力を利用して飛散させ、水性媒体中に滴下する方法;スプレーノズルの先端から該組成物を霧化させ、水性媒体中に滴下する方法;該組成物を水性媒体中に加え、分散機で攪拌混合する方法などの方法により行うことができる。
本発明では、水性樹脂(A)及び水性樹脂(B)に含まれる合計の酸基1当量を基準とする金属イオンの当量比が3〜40の範囲内にあることを特徴とするものであり、3〜25の範囲内であると更に好ましい。
酸基の合計量に対して金属イオンの当量比が少ないと着色樹脂粒子の安定性に劣り、一方、金属イオンの等量比が多すぎると塗膜表面にざらつき感が出たり、耐水性が劣ったりするので好ましくない。
以上に述べた着色樹脂粒子は、平均粒子径が0.05〜20mm、好ましくは0.1〜10mmの範囲内であることができる。
本明細書において着色樹脂粒子の平均粒子径は無作為に抽出した10個の着色樹脂粒子の粒子径を定規で測定した平均値とする。
<水性多彩模様塗料組成物>
本発明の水性多彩模様塗料組成物は単数色または複数色の着色樹脂粒子を含むものであることができ、複数色である場合の組み合わせも目的とする意匠に応じて適宜選択することができる。
上記水性多彩模様塗料組成物は、形成される塗膜の耐候性等の塗膜物性の点から着色樹脂粒子に加えて塗膜形成成分を含有することが望ましい。
かかる塗膜形成成分に含まれる水性樹脂としては、水性塗料分野において樹脂バインダーとして一般に使用されるものを使用することができ、例えば、着色樹脂粒子における水性樹脂(B)として前述したものの中から適宜選んで使用することができる。
本発明の水性多彩模様塗料組成物は、塗膜の長期の耐候性、耐水性等の点から、着色樹脂粒子と塗膜形成成分は、互いに反応し得るものであることが適している。具体的には、水性多彩模様塗料組成物が、着色樹脂粒子及び/又は塗膜形成成分に含まれる官能基と反応し得る官能基を一分子中に2個以上有する化合物を含有することが適している。
上記官能基の組み合わせとしては、相互に反応し得る組み合わせであれば特に制限されるものではなく、具体的には、例えば、水酸基とイソシアネート基、水酸基とアルキルエーテル基、水酸基とイミノ基、アミノ基とエポキシ基、アミド基とエポキシ基、酸基とエポキシ基、酸基とヒドロキシアルキルアミド基、カルボニル基とヒドラジン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボニル基とセミカルバジド基、及びカルボニル基とビスアセチルジヒドラゾン基等の組み合わせが挙げられ、特に、カルボニル基とヒドラジド基の組み合わせであると、常温一液架橋することができ、好適である。
本発明の水性多彩模様塗料組成物では着色樹脂粒子及び塗膜形成成分に含まれる水性樹脂が共にカルボキシル基とカルボニル基を含有することが適している。具体的には着色塗料粒子成分(A)及び/又は塗膜形成成分が、架橋剤としてヒドラジン誘導体を含有することが望ましい。
着色樹脂粒子又は塗膜形成成分に含まれ得るカルボニル基と反応するためのヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの炭素数2〜18の飽和脂肪族カルボン酸のジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジド又はテトラヒドラジド;ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド;エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド等;炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれから誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物;ビスアセチルジヒドラゾンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記塗膜形成成分には、必要に応じて、上記金属化合物、上記着色剤(C)、体質顔料や塗料用添加剤を含ませることができ、該塗料用添加剤としては、増粘剤、樹脂ビーズ、中和剤、帯電防止剤、軟化剤、抗菌剤、香料、硬化触媒、pH調整剤、調湿剤、粉状もしくは微粒子状の活性炭、光触媒酸化チタン、水性撥水剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、造膜助剤、亜鉛ウィスカ、硬化促進剤、アルデヒド吸着剤、ワックス、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の難燃化剤などが挙げられる。
着色樹脂粒子と塗膜形成成分の配合割合としては、得られる多彩模様塗膜の着色樹脂粒子による斑点状模様の散らばり方や、耐候性の点から、着色樹脂粒子/塗膜形成成分の固形分質量比で、1/99〜60/40、好ましくは10/90〜50/50の範囲内にすることができる。
着色樹脂粒子と塗膜形成成分を混合する際には通常塗料分野で使用される添加剤、水などを必要に応じて配合することができる。
<塗装>
本発明水性多彩模様塗料組成物が塗装される被塗面としては、制限されるものではないが、例えば、石膏ボード、コンクリート壁、コンクリートブロック、サイディングボード、モルタル壁、スレート板、PC板、ALC板、セメント珪酸カルシウム板、木材、石材、プラスチック成形物、陶磁器、磁器タイル、金属加工材等の基材の表面、これら基材上に設けられたアクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコン樹脂、シリコンアクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系等の旧塗膜やポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、紙、布等の材質からなる壁紙面などが設けられたものであってもよい。被塗物としては特に制限されるものではないが建築物外壁又は内壁などが適している。
上記被塗面又は被塗物はあらかじめシーラーで処理されたものであってもよく、必要に応じて公知の上塗り着色塗料を塗装してもよい。
本発明水性多彩模様塗料組成物の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて塗装を行うことができ、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーターなど基材の用途等に応じて適宜選択することができる。また、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねてもよい。
形成される多彩模様塗膜の乾燥は、用いた水性多彩模様塗料組成物の種類などに応じて、加熱乾燥、強制乾燥又は常温乾燥のいずれかの方法で行うことができる。
さらに、本発明の水性多彩模様塗料を塗装した後、該多彩模様塗膜上に必要に応じてクリヤー塗料を塗装する工程を設けても良い。
かかるクリヤー塗料としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、生分解性樹脂等の樹脂種よりなる水系又は溶剤系の樹脂を樹脂バインダーとして含んでなる水系又は溶剤系の塗料を挙げることができ、水系の樹脂を含んでなる水系塗料を使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
水性樹脂の製造
製造例1(樹脂粒子用エマルション)
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水285部及び「ニューコール707SF」(注1)1部を加え、窒素置換後、85℃に保った。その中に下記組成の成分をエマルション化してなるプレエマルションの3%分と、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水120部に溶解させた開始剤水溶液123部のうちの41部をそれぞれ添加し、添加終了20分後から、残りのプレエマルションと過硫酸アンモニウム水溶液を4時間かけてフラスコに滴下した。
脱イオン水 368部
スチレン 150部
メチルメタクリレート 400部
n−ブチルアクリレート 200部
2−エチルヘキシルアクリレート 200部
ダイアセトンアクリルアミド 20部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 24部
アクリル酸 6部
「ニューコール707SF」(注1) 66部
滴下終了後、これをさらに2時間85℃に保持した後、40〜60℃に降温した。次いで、アンモニア水でpHを調整し、固形分が55%の水性樹脂(a1)を得た。得られた水性樹脂(a1)は乳白色であり、その平均粒子径は175nm、pHは8.3であり、固形分酸価5mgKOH/g、重量平均分子量200000であった。
(注1)「ニューコール707SF」:商品名、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤、不揮発分30%。
製造例2
DSS−11(商品名、岐阜セラック社製、スチレンマレイン酸ハーフエステル)15部、トリエタノールアミン3.5部及び脱イオン水81.5部を55℃で攪拌混合することにより、固形分が15%の水性樹脂(a2)を得た。得られた水性樹脂(a2)は乳白色であり、その平均粒子径は50nm、pHは7.2であり、固形分酸価180mgKOH/g、重量平均分子量18000であった。
製造例3
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備えた容量4リットルの4つ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル1000部を加え、120℃に加熱保持した。その中に下記組成の混合物を3時間かけて徐々に滴下した後、1時間熟成した。その後、脱イオン水1400部を徐々に加えながら、30℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミンでpH調整し、固形分が20%、pHが8.0の水性樹脂(a3)を得た。得られた水性樹脂(a3)は乳白色であり、その固形分酸価は30mgKOH/g、重量平均分子量は14000であった。
スチレン 97部
メチルメタクレート 270部
n−ブチルアクリレート 120部
2−ヒドロキシエチルメタクレート 90部
アクリル酸 23部
ベンゾイルパーオキサイド 3部
製造例4
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備えた容量4リットルの4つ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル500部を加え、120℃に加熱保持した。その中に下記組成の混合物を3時間かけて徐々に滴下した後、1時間熟成した。その後、脱イオン水1000部を徐々に加えながら、30℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミンでpH調整し、固形分が40%、pHが7.8の水性樹脂(a4)を得た。得られた水性樹脂(a4)は透明であり、その固形分酸価は39mgKOH/g、重量平均分子量は15000であった。
スチレン 150部
メチルメタクレート 450部
n−ブチルアクリレート 200部
2−ヒドロキシエチルメタクレート 150部
アクリル酸 50部
ベンゾイルパーオキサイド 5部
製造例5(塗膜形成成分用エマルション)
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水285部及び「ニューコール707SF」(注1)1部を加え、窒素置換後、85℃に保った。その中に下記組成の成分をエマルション化してなるプレエマルションの3%分と、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水120部に溶解させた開始剤水溶液123部のうちの41部をそれぞれ添加し、添加終了20分後から、残りのプレエマルションと過硫酸アンモニウム水溶液を4時間かけてフラスコに滴下した。
脱イオン水 368部
メチルメタクリレート 550部
n−ブチルアクリレート 200部
2−エチルヘキシルアクリレート 200部
ダイアセトンアクリルアミド 10部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 37部
アクリル酸 3部
「ニューコール707SF」(注1) 66部
滴下終了後、これをさらに2時間85℃に保持した後、40〜60℃に降温した。次いで、アンモニア水でpHを調整し、固形分が55%の水性樹脂(a5)を得た。水性樹脂(a5)は乳白色であり、その平均粒子径は180nm、pHは8.0であった。
白顔料ペーストの製造
製造例6
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、撹拌機にて30分間撹拌混合した後、100メッシュのナイロンクロスでろ過、排出することにより白顔料ペースト(b1)を得た。
水 240部
ヒドロキシエチルセルロース 1部
水性樹脂(a2) 100部
「BYK−028」(注2) 10部
「TITANIX JR−605」(注3) 400部
(注2)「BYK−028」:商品名、BYKケミー社製、消泡剤
(注3)「TITANIX JR−605」:商品名、テイカ社製、チタン白。
黒顔料ペーストの製造
製造例7
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、撹拌機にて30分間撹拌混合した後、100メッシュのナイロンクロスでろ過、排出することにより黒顔料ペースト(b2)を得た。
水 240部
ヒドロキシエチルセルロース 1部
水性樹脂(a2) 100部
「BYK−028」(注2) 10部
カーボンブラック 20部。
赤錆顔料ペーストの製造
製造例8
1リットルのステンレス容器に下記の成分を仕込み、撹拌機にて30分間撹拌混合した後、100メッシュのナイロンクロスでろ過、排出することにより赤錆顔料ペースト(b3)を得た。
水 240部
ヒドロキシエチルセルロース 1部
水性樹脂(a2) 100部
「BYK−028」(注2) 10部
酸化鉄 250部。
製造例9
上記製造例6において、水性樹脂(a2)を水性樹脂(a3)に置き換える以外は製造例 と同様にして白顔料ペースト(b4)を得た。
製造例10
上記製造例7において、水性樹脂(a2)を水性樹脂(a3)に置き換える以外は製造例 と同様にして黒顔料ペースト(b5)を得た。
製造例11
上記製造例において、水性樹脂(a2)を水性樹脂(a3)に置き換える以外は製造例8と同様にして赤錆顔料ペースト(b6)を得た。
着色樹脂粒子用組成物の製造
製造例12
ステンレス容器に下記の成分を順次仕込み、均一となるように撹拌機にて撹拌混合することにより着色樹脂粒子用組成物(A−1)を得た。
55%エマルション(a1) 100部
白顔料ペースト(b1) 100部
10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 1部
「TEXANOL」(注4) 6部
「BYK−028」(注2) 2部
「アデカノールUH−420」(注5) 1部
2%アルギン酸ナトリウム水溶液 200部
(注4)「TEXANOL」:商品名、イーストマンケミカル社製、2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、造膜助剤、
(注5)「アデカノールUH−420」:商品名、アデカ社製、ウレタン変性型増粘剤。
製造例13〜23
上記製造例12において、配合組成を下記表1に示す配合組成に変更する以外は製造例12と同様にして、着色樹脂粒子用組成物(A−2)〜(A−12)を製造した。
Figure 0006238293
金属化合物含有水性媒体の製造
製造例24
4リットルステンレス容器に脱イオン水を1995部加えた後、酢酸カルシウム一水和物を2部、水酸化カルシウムを3部仕込み、均一になるまで攪拌することで水性媒体(B−1)を得た。
製造例25〜28
上記製造例24において、配合組成を下記表2とする以外は製造例24と同様にして、水性媒体(B−2)〜(B−5)を得た。
Figure 0006238293
塗膜形成成分用水性クリヤー塗料の製造
製造例29
2リットルのステレンス容器に下記の成分を順次仕込み、攪拌機にて30分間均一になるまで攪拌混合することにより、水性クリヤー塗料(D−1)を得た。
55%エマルション(a5) 925部
「TEXANOL」(注4) 60部
「BYK−028」(注2) 10部
10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 2部
「プライマルASE60」(注6) 3部
(注6)「プライマルASE60」:商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤。
着色樹脂粒子の製造
実施例1
4リットルステンレス容器に、上記製造例24で得られた着色樹脂粒子製造用の水性媒体(B−1)を2000部及びBYK-028(商品名、BYKケミー社製、消泡剤)3部を仕込み、75mmの径を有する攪拌羽根を用いて回転数2,000rpmで攪拌しながら、製造例8で得られた着色樹脂粒子用組成物(A−1)820部を徐々に容器内に滴下し、着色樹脂粒子を生成させた。次いで容器内液を同回転速度でさらに10分攪拌した後、100メッシュの金網を用いて濾別し、着色樹脂粒子(C−1)を得た。得られた着色塗料粒子(C−1)は、平均粒子径が4mmであり、固形分が20%であった。
実施例2〜16及び比較例1〜6
上記実施例1において、水性媒体と滴下する着色樹脂粒子用組成物の配合を表3の通りとする以外は上記実施例1と同様にして着色樹脂粒子(C−2)〜(C−24)を製造した。
Figure 0006238293
水性多彩模様塗料の製造
実施例19〜23及び比較例7〜9
ステンレス容器に下記表4に示す成分を順次撹拌しながら仕込み、その後均一になるまで撹拌することにより水性多彩模様塗料(E−1)〜(E−7)を得た。
得られた塗料の性能評価も併せて表4に示す。
Figure 0006238293
試験塗板の作製
フレキシブル板(150×70×4mm)上に、「エコカチオンシーラー」(商品名、関西ペイント社製、水系カチオンエマルション系シーラー)を塗付量が100g/mになるようにローラー塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で24時間乾燥させた後、「アレスアクアグロス白」(関西ペイント社製、アクリル樹脂系水性塗料)を塗付量が100g/mになるようにローラー塗装し、同様に標準状態で24時間乾燥させたものを被塗板とした。この上に各水性多彩模様塗料を塗付量が250g/mになるように万能ガンで塗装し、標準状態で7日間乾燥させた後、各性能評価試験に供した。
(*1)鮮映性
各試験塗板の塗膜表面を目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:粒状の粒子がはっきり確認でき、粒子同士の境界が明瞭である
○:粒状の粒子ははっきり確認できるが、粒子同士の界面はやや不明瞭である
△:粒状の粒子がはっきり確認できない
×:粒子が完全に潰れており、多彩感がない
(*2)凹凸感
各試験塗板の塗膜表面の触感を手で確認し、次の基準で評価した。
◎:凹凸感がなく、平滑である
○:わずかに凹凸感があるが、引っかかる感じはない
△:凹凸感があり、わずかに引っかかる感じがある
×:凹凸感が著しく、引っかかる感じがある
(*3)耐水性
各試験塗板を23℃の上水に4日間浸漬した後、取り出して水洗し、2時間乾燥後に塗膜状態を目視にて観察し、次の基準で評価した。
◎:水に浸した塗膜に膨れ、割れ、剥がれ等がない
○:水に浸した塗膜面積3%未満に膨れ、割れ、剥がれ等がある
△:水に浸した塗膜面積3%以上30%未満に膨れ、割れ、剥がれ等がある
×:水に浸した塗膜面積30%以上に膨れ、割れ、剥がれ等がある

Claims (5)

  1. 樹脂固形分の酸価が35mgKOH/g以上の水性樹脂(A)、樹脂固形分の酸価が20mgKOH/g未満の水性樹脂(B)、着色剤(C)及び水溶性多糖類(D)を含む水性液状組成物(I)を金属化合物含有水性媒体(II)と接触させることにより得られ、
    水性樹脂(A)の固形分質量が水性樹脂(B)の固形分100質量部を基準として0.5〜20質量部の範囲内にあって、
    水性樹脂(A)及び水性樹脂(B)の樹脂固形分に含まれる合計の酸基1当量を基準とする金属イオンの当量比が3〜40の範囲内にあることを特徴とする着色樹脂粒子。
  2. 樹脂固形分の酸価が35mgKOH/g以上の水性樹脂(A)、樹脂固形分の酸価が20mgKOH/g未満の水性樹脂(B)、着色剤(C)及び水溶性多糖類(D)を含む水性液状組成物(I)を金属化合物含有水性媒体(II)と接触させることにより得られ、
    水性樹脂(A)の固形分質量が水性樹脂(B)の固形分100質量部を基準として0.5〜20質量部の範囲内にあって、
    水性樹脂(A)及び水性樹脂(B)の樹脂固形分に含まれる合計の酸基1当量を基準とする金属イオンの当量比が3〜40の範囲内にあることを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法。
  3. 請求項1記載の着色樹脂粒子を含む水性多彩模様塗料組成物。
  4. さらに塗膜形成成分を含む請求項3に記載の水性多彩模様塗料組成物。
  5. 被塗面に、請求項3または4に記載の水性多彩模様塗料組成物を塗装する塗装方法。
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