JP6237729B2 - 熱間プレス用鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の足廻り部材や車体構造部材などを熱間プレスで製造するのに適した熱間プレス用鋼板およびそれを用いた熱間プレス部材の製造方法に関する。
従来から、自動車の足廻り部材や車体構造部材などの多くは、所定の強度を有する鋼板をプレス加工して製造されている。近年、地球環境の保全という観点から、自動車車体の軽量化が熱望され、使用する鋼板を高強度化して、その板厚を低減する努力が続けられている。しかし、鋼板の高強度化に伴ってそのプレス加工性が低下するため、鋼板を所望の部材形状に加工することが困難になる場合が多くなっている。
そのため、特許文献1には、ダイとパンチからなる金型を用いて加熱された鋼板を加工すると同時に急冷することにより加工の容易化と高強度化の両立を可能にした熱間プレスと呼ばれる加工技術が提案されている。しかし、この熱間プレスでは、熱間プレス前に鋼板を950℃前後の高い温度に加熱するため、鋼板表面にはスケール(鉄酸化物)が生成し、そのスケールが熱間プレス時に剥離して、金型を損傷させる、または熱間プレス後の部材表面を損傷させるという問題がある。また、部材表面に残ったスケールは、外観不良や塗装密着性の低下の原因にもなる。このため、通常は酸洗やショットブラストなどの処理を行って部材表面のスケールは除去されるが、これは製造工程を複雑にし、生産性の低下を招く。さらに、自動車の足廻り部材や車体構造部材などには優れた耐食性も必要とされるが、上述のような工程により製造された熱間プレス部材ではめっき層などの防錆皮膜が設けられていないため、耐食性が甚だ不十分である。
このようなことから、熱間プレス前の加熱時にスケールの生成を抑制するとともに、熱間プレス後の部材の耐食性を向上させることが可能な熱間プレス技術が要望され、表面にめっき層などの皮膜を設けた鋼板やそれを用いた熱間プレス方法が提案されている。例えば、特許文献2には、ZnまたはZnベース合金で被覆された鋼板を熱間プレスし、Zn-Feベース化合物またはZn-Fe-Alベース化合物を表面に設けた耐食性に優れる熱間プレス部材の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、熱間プレス前の加熱などの高温熱処理時に、めっき層に含まれる溶融Znが下地鋼板に侵入して起こる液体金属脆性割れを抑制すべく、所定の鋼組成を有する鋼板表面に、Fe含有率が13〜80質量%で、Al含有率が0.4質量%以下のFe-Zn合金からなり、かつZn付着量が10〜65g/m2であるZnめっき層を備える熱処理用鋼板が開示されている。
英国特許第1490535号公報 特許第3663145号公報 特許第4329639号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法で製造された熱間プレス部材では、スケールの生成はある程度抑制されるものの、ZnOが多量に生成し、外観不良や塗装密着性低下を引き起こすため、耐酸化性は必ずしも良好とはいえない。また、めっき層中のZnに起因する液体金属脆性割れが起こる場合がある。特許文献3に記載の熱処理用鋼板では、熱間プレスのように高温で加工を受ける場合には、めっき層中のZnに起因する液体金属脆性割れを完全には抑制できない。
本発明は、熱間プレス時にスケールやZnOの生成が十分に抑制されて耐酸化性に優れるとともに、めっき層中の元素に起因する液体金属脆性割れが起こることのない耐液体金属脆性に優れた熱間プレス用鋼板およびそれを用いた熱間プレス部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的とする熱間プレス用鋼板について鋭意検討を行った結果、優れた耐酸化性および耐液体金属脆性を図るには、融点が800℃以上で、付着量が10g/m2の以上めっき層を設けることが効果的であることが明らかになった。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、鋼板表面に、融点が800℃以上であり、片面当たりの付着量が10〜90g/m2のめっき層を有することを特徴とする熱間プレス用鋼板を提供する。
本発明の熱間プレス用鋼板では、めっき層が電気めっき層であることが好ましい。
本発明は、また、上記のような熱間プレス用鋼板を、昇温速度を3℃/s以上で、Ac3変態点〜1000℃の温度範囲に加熱後、熱間プレスすることを特徴とする熱間プレス部材の製造方法を提供する。
本発明の熱間プレス部材の製造方法では、めっき層の融点以上の温度に鋼板が滞在する時間を200s以下にしたり、昇温速度を30℃/s以上とすることが好ましい。
本発明により、熱間プレス時にスケールやZnOの生成が十分に抑制されて耐酸化性に優れるとともに、めっき層中の元素に起因する液体金属脆性割れが起こることのない耐液体金属脆性に優れた熱間プレス用鋼板を製造できるようになった。本発明である熱間プレス用鋼板を用い、本発明である熱間プレス部材の製造方法で製造した熱間プレス部材は、外観や塗装密着性が良好であるとともに、めっき層中の元素に起因する液体金属脆性割れも起こらず、自動車の足廻り部材や車体構造部材に好適である。
実施例で作製したハット型部品の形状を示す図である。
1) 熱間プレス用鋼板
1-1) めっき層
本発明では、熱間プレス時の耐酸化性および耐液体金属脆性を確保するために、鋼板表面に、融点が800℃以上であり、片面当たりの付着量が10〜90g/m2のめっき層を設ける。
めっき層の融点を800℃以上とする理由は、耐液体金属脆性を確保するためである。液体金属脆化による母材の割れは、めっき層中の金属成分が溶融して、母材である鋼板の粒界に浸入することによって引き起こされる。特に、加熱と同時に曲げなどの加工も行われる場合には、溶融金属(液体金属)の粒界への侵入がより起こりやすくなる。本発明においては、熱間プレス前の加熱はAc3変態点〜1000℃の温度範囲で行われるため、めっき層の融点が熱間プレス前の加熱温度より低い場合には、なるべく加熱温度に近い800℃以上の高融点であるほど溶融金属と母材鋼板とが接触する時間が短いため、耐液体金属脆性は良好となる。さらに、溶融金属は、温度が高いほど低粘性となって濡れが拡がりやすくなり、母材鋼板の粒界に侵入しやすくなるため、なるべく加熱温度に近い800℃以上の高融点であるほど高粘性となって耐液体金属脆性は良好となる。以上のことから、めっき層の融点は800℃以上とする。なお、めっき層の融点が熱間プレス前の加熱温度より高い場合は、液体金属脆性は全く問題とならない。
また、めっき層がZnを含有する場合には、めっき層の融点が800℃以上であれば、ZnOの生成が抑制され、耐酸化性も良好となる。
融点が800℃以上のめっき層としては、Crめっき(融点:1900℃)、Niめっき(融点:1455℃)、Zn-Niめっき(融点:881℃)などが例示される。これらのめっき層の形成方法は、特に限定されるものでないが、公知の電気めっき法が好適である。電気めっき法の場合は、通常5〜80℃の温度域でめっき層を形成できるため、熱間プレス用鋼板としての素材の段階では、溶融金属と鋼板とが接触することがないので、めっき金属が母材鋼板の粒界に侵入したり、ZnOの生成などのめっき金属の酸化が起こることもない。したがって、めっき層を電気めっき層とすることは、耐液体金属脆性や耐酸化性にとって有利といえる。
なお、Zn-Niめっき層を電気めっき法で行う場合は、めっき層中のNi含有率を10〜25質量%とすることによりNi2Zn11、NiZn3、Ni5Zn21のいずれかの結晶構造を有するγ相が形成される。γ相の融点は平衡状態図から881℃である。Ni量が10〜25質量%におけるγ相の形成は、Ni-Zn合金の平衡状態図とは必ずしも一致しないが、これは電気めっき法などで行われるめっき層の形成反応が非平衡で進行するためと考えられる。Ni2Zn11、NiZn3、Ni5Zn21のγ相は、X線回折法やTEM(Transmission Electron Microscopy)を用いた電子線回折法により確認できる。
めっき層の片面当たりの付着量を10〜90g/m2とする理由は、10g/m2未満ではスケール生成抑制効果が不十分で、耐酸化性が劣り、90g/m2を超えるとその効果が飽和し、コストアップを招くためである。
1-2) 下地鋼板
980MPa以上の強度を有する熱間プレス部材を得るには、めっき層の下地鋼板として、例えば、質量%で、C:0.15〜0.5%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.5〜3%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する熱延鋼板や冷延鋼板を用いることができる。各成分元素の限定理由を、以下に説明する。ここで、成分の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.15〜0.5%
Cは、鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材のTSを980MPa以上にするには、その量を0.15%以上とする必要がある。一方、C量が0.5%を超えると、素材の鋼板のブランキング加工性が著しく低下する。したがって、C量は0.15〜0.5%とする。
Si:0.05〜2.0%
Siは、C同様、鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材のTSを980MPa以上にするには、その量を0.05%以上とする必要がある。一方、Si量が2.0%を超えると、熱間圧延時に赤スケールと呼ばれる表面欠陥の発生が著しく増大するとともに、圧延荷重が増大したり、熱延鋼板の延性の劣化を招く。さらに、Si量が2.0%を超えると、ZnやAlを主体としためっき皮膜を鋼板表面に形成するめっき処理を施す際に、めっき処理性に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、Si量は0.05〜2.0%とする。
Mn:0.5〜3%
Mnは、フェライト変態を抑制して焼入れ性を向上させるのに効果的な元素であり、また、Ac3変態点を低下させるので、熱間プレス前の加熱温度を低下するにも有効な元素である。このような効果の発現のためには、その量を0.5%以上とする必要がある。一方、Mn量が3%を超えると、偏析して素材の鋼板および熱間プレス部材の特性の均一性が低下する。したがって、Mn量は0.5〜3%とする。
P:0.1%以下
P量が0.1%を超えると、偏析して素材の鋼板および熱間プレス部材の特性の均一性が低下するとともに、靭性も著しく低下する。したがって、P量は0.1%以下とする。
S:0.05%以下
S量が0.05%を超えると、熱間プレス部材の靭性が低下する。したがって、S量は0.05%以下とする。
Al:0.1%以下
Al量が0.1%を超えると、素材の鋼板のブランキング加工性や焼入れ性を低下させる。したがって、Al量は0.1%以下とする。
N:0.01%以下
N量が0.01%を超えると、熱間圧延時や熱間プレス前の加熱時にAlNの窒化物を形成し、素材の鋼板のブランキング加工性や焼入れ性を低下させる。したがって、N量は0.01%以下とする。
残部はFeおよび不可避的不純物であるが、以下の理由により、Cr:0.01〜1%、Ti:0.2%以下、B:0.0005〜0.08%のうちから選ばれた少なくとも一種や、Sb:0.003〜0.03%が、個別にあるいは同時に含有されることが好ましい。
Cr:0.01〜1%
Crは、鋼を強化するとともに、焼入れ性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果の発現のためには、Cr量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Cr量が1%を超えると、著しいコスト高を招くため、その上限は1%とすることが好ましい。
Ti:0.2%以下
Tiは、鋼を強化するとともに、細粒化により靭性を向上させるのに有効な元素である。また、次に述べるBよりも優先して窒化物を形成して、固溶Bによる焼入れ性の向上効果を発揮させるのに有効な元素でもある。しかし、Ti量が0.2%を超えると、熱間圧延時の圧延荷重が極端に増大し、また、熱間プレス部材の靭性が低下するので、その上限は0.2%とすることが好ましい。
B:0.0005〜0.08%
Bは、熱間プレス時の焼入れ性や熱間プレス後の靭性向上に有効な元素である。こうした効果の発現のためには、B量を0.0005%以上とすることが好ましい。一方、B量が0.08%を超えると、熱間圧延時の圧延荷重が極端に増大し、また、熱間圧延後にマルテンサイト相やベイナイト相が生じて鋼板の割れなどが生じるので、その上限は0.08%とすることが好ましい。
Sb:0.003〜0.03%
Sbは、熱間プレス前に鋼板を加熱してから熱間プレスの一連の処理によって鋼板を冷却するまでの間に鋼板表層部に生じる脱炭層を抑制する効果を有する。このような効果の発現のためにはその量を0.003%以上とする必要がある。一方、Sb量が0.03%を超えると、圧延荷重の増大を招き、生産性を低下させる。したがって、Sb量は0.003〜0.03%とすることが好ましい。
2) 熱間プレス部材の製造方法
上記した本発明の熱間プレス用鋼板は、Ac3変態点〜1000℃の温度範囲に加熱後熱間プレスされて熱間プレス部材となる。熱間プレス前にAc3変態点以上に加熱するのは、熱間プレス時の急冷でマルテンサイト相などの硬質相を形成し、部材の高強度化を図るためである。また、加熱温度の上限を1000℃としたのは、1000℃を超えると耐酸化性が劣化するためである。なお、ここでいう加熱温度とは鋼板の最高到達温度のことをいう。
熱間プレス時の耐液体金属脆性や耐酸化性を向上させる上では、熱間プレス時の加熱前や加熱時に、めっき層の金属が母材鋼板の粒界に侵入したり、酸化したりすることを極力抑制することが好ましいが、それには、素材の熱間プレス用鋼板のめっき層に合金化処理などを施すことなく、かつ、下記のように、加熱時に、めっき層の融点以上の温度に鋼板が滞在する時間を短時間にしたり、昇温速度を速くすることが効果的である。
めっき層の融点が800℃以上である本発明の鋼板では、めっき層の融点以上の温度に鋼板が滞在する時間が200sを超えても、耐液体金属脆性が劣化することはないが、めっき層の欠陥部における局所的なスケールの生成や、めっき層がZnを含有する場合におけるZnOの生成は、鋼板が高温条件下に晒されている時間が長くなるほど増大し、特にめっき層の融点を超えた温度に鋼板が長時間晒された場合に著しい。このため、めっき層の融点以上の温度に鋼板が滞在する時間は短いほど好ましく、200s以下にすることが好ましい。より好ましくは150s以下である。
熱間プレス前の加熱時の昇温速度は、耐酸化性を向上させるには3℃/s以上にする必要があるが、速いほど好ましく、特に、30℃/s以上にすることがより好ましい。また、最高到達板温における保持時間についても、上記と同じ理由により、短時間とする方が好適であり、好ましくは300s以下、より好ましくは150s以下、さらに好ましくは10s以下とする。
熱間プレス前の加熱方法としては、電気炉やガス炉などによる加熱、火炎加熱、通電加熱、高周波加熱、誘導加熱などを例示できる。
下地鋼板として、質量%で、C:0.23%、Si:0.25%、Mn:1.2%、P:0.01%、S:0.01%、Al:0.03%、N:0.005%、Cr:0.2%、Ti:0.02%、B:0.0022%、Sb:0.008%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、Ac3変態点が820℃で、板厚1.6mmの冷延鋼板を用いた。この冷延鋼板の表面に、電気めっき法により、Crめっき、Niめっき、Zn-Niめっきを施して鋼板No.1〜23を作製した。このとき、Crめっきは、250g/Lのクロム酸、2.5g/Lの
硫酸を含有する浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を25A/dm2としてめっきを行い、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。Niめっきは、240g/Lの硫酸ニッケル六水和物、30g/Lのホウ酸を含有するpH3.6、浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を5A/d
m2としてめっきを行い、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。Zn-N
iめっきは、200g/Lの硫酸ニッケル六水和物、10〜100g/Lの硫酸亜鉛七水和物を含有するpH1.5、浴温50℃のめっき浴中で、電流密度を5〜100A/dm2としてめっきを行い、硫酸亜鉛七水和物の添加量と電流密度を変化させることによりNi含有率を調整し(10、12、25質量%)、通電時間を変化させることによりめっき付着量を調整した。また、上記冷延鋼板の表面に、溶融めっき法により、Znめっき、Zn-Feめっき、Al-Siめっきを施して鋼板No.24〜39を作製した。このとき、Znめっきは、通常の溶融Znめっき処理で行った。Zn-Feめっきは、溶融Znめっき処理を施した後に温度と時間を変化させて合金化処理を行い、Fe含有率を調整した(10、25質量%)。Al-Siめっきは、10質量%のSiを含有する溶融Alめっき浴を使用して行った。このようにして作製した鋼板No.1〜39のめっき層の詳細を表1、2に示す。
そして、鋼板No.1〜39から100mm×200mmの試験片を採取し、電気炉または直接通電により表1、2に示す加熱条件で加熱後、直ちにハット型金型を用いて熱間プレスを行って、図1に示す形状のハット型部品を作製した。このときの熱間プレス時の冷却速度を表1、2に示す。なお、ハット型金型は、上面平坦部長さ30mm、上面の両肩半径5mm、側面の平坦部長さ10mm、下面の両肩半径5mm、残部が底面となる蒲鉾形状をしたハット型金型を使用し、しわ押え圧20トン、加工速度15ショット/分の条件で成形を行った。
作製したハット型部品について、以下の方法により耐酸化性および耐液体金属脆性の評
価を行った。
耐酸化性:ハット型部品の重量を測定し、加熱前に測定した鋼板重量との差を算出した。この重量の差は、スケールやZnOの生成による重量増加を示しており、その差が小さいほど耐酸化性に優れるとし、以下の基準で評価し、○であれば本発明の目的を満足しているとした。
○:重量の差≦5g/m2
×:5g/m2<重量の差
耐液体金属脆性:ハット型部品の上面の肩R部の外側より断面観察用のサンプルを採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面長さ4mmの視野における母材に侵入しているクラックの発生本数を求め、単位長さあたりのクラック本数、すなわちクラック密度(本/mm)を算出した。このクラック密度が小さいほど耐液体金属脆性に優れるとし、以下の基準で評価し、○であれば本発明の目的を満足しているとした。
○:クラック密度=0
△:0<クラック密度<3
×:3≦クラック密度
結果を表1、2に示す。本発明の熱間プレス用鋼板である鋼板No.1〜12、14、16〜20は、耐酸化性および耐液体金属脆性に優れていることがわかる。
Figure 0006237729
Figure 0006237729

Claims (2)

  1. 昇温速度を3℃/s以上で、Ac 3 変態点〜1000℃の温度範囲に加熱後、熱間プレスして熱間プレス部材を製造するために用いる熱間プレス用鋼板であって、
    鋼板表面に、融点が800℃以上であり、片面当たりの付着量が45〜90g/m2のめっき層(ただし、該めっき層上にMnを質量%で1%以上含有する酸化物層が形成されているもの、加熱時の亜鉛の蒸発を防止するバリア層が形成されているもの、およびZn換算で10mgm−2以上のZnO層が形成されているものを除く。)を有することを特徴とする熱間プレス用鋼板。
  2. めっき層が電気めっき層であることを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用鋼板。
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