図1は、ネットワークの構成例を示す構成図である。ネットワークは、複数のノードA〜Gを有する。各ノードA〜Gには、伝送装置1が設けられている。伝送装置1は、例えばROADM装置などの波長多重伝送装置であり、波長λ1〜λ6が異なる複数の光信号を多重して、多重光信号として伝送する。
各ノードA〜Gの伝送装置1は、伝送路(光ファイバ)を介して接続されている。図1において、伝送路ごとに点線により引き出されて示されたグラフは、該伝送路において伝送される多重光信号のスペクトル波形である。
ノードAからノードC及びノードDを介してノードFに至る伝送経路には、波長λ1〜λ3の光信号を含む多重光信号が伝送される。また、ノードBからノードC及びノードEを介してノードFに至る伝送経路には、波長λ4〜λ6の光信号を含む多重光信号が伝送される。ノードFの伝送装置1は、上記の2つの伝送経路を経た多重光信号を、1つの多重光信号にしてノードGの伝送装置1に伝送する。このため、ノードF及びG間の伝送路には、波長λ1〜λ6の光信号が多重された多重光信号が伝送される。
このように、波長多重伝送装置のネットワークにより、任意の波長λ1〜λ6の光信号を、任意のノードA〜G間において伝送できる。したがって、このネットワークは、各伝送路の波長収容効率が高いほど、伝送容量が増加する。
図2は、ITU−Tグリッド及びフレキシブルグリッドを採用した場合の多重光信号のスペクトル波形の例を示す波形図である。ITU−Tグリッドの場合(図2(a)参照)、伝送レートが、例えば10(Gbps)、40(Gbps)、10(Gbps)、及び100(Gbps)である4つの光信号が、同一の波長間隔(50(GHz))をおいて収容されている。つまり、各光信号は、一定の通過帯域(50(GHz))が割り当てられている。
これに対して、フレキシブルグリッドの場合(図2(b)参照)、光信号間の波長間隔が一定ではない。例えば、伝送レートが100(Gbps)、400(GHz)(短距離用)、及び400(GHz)(長距離用)の光信号は、50(GHz)、75(GHz)、及び137.5(GHz)の通過帯域がそれぞれ割り当てられている。
このように、フレキシブルグリッドを採用すると、スペクトルが隣接する光信号(隣接チャネル)の波長間隔を、一定ではなく、光信号の伝送レートに応じた最小波長帯域に、柔軟に設定することが可能となる。したがって、フレキシブルグリッド技術によれば、光ファイバごとの波長利用効率を向上できる。
しかし、例えば、運用中の光信号が、帯域幅が異なる他の光信号に置換されると、該置換前後の帯域幅の差分により、隣接する光信号同士のスペクトル間に未使用の断片領域が生じてしまう。このため、光信号の置換が進むにつれて、断片領域が増加することで、光ファイバの波長収容効率が低下するという問題がある。
図3は、光信号の置換による断片領域の発生の様子を示す波形図である。光信号が置換される前、例えば、400(Gbps)の3つ光信号が、隣接して収容されている(図3(a)参照)。ここで、各光信号の通過帯域は、75(GHz)である。
3つの光信号のうち、隣接する2つの光信号が、100(Gbps)の光信号に置換されたとする(図3(b))。ここで、置換後の光信号(100(Gbps))の通過帯域は、50(GHz)とすると、置換前後の帯域幅の差分のため、25(GHz)の帯域幅を有する断片領域が生ずる。このため、光信号の置換が進むにつれて、断片領域が増加することで、光ファイバの波長収容効率が低下するという問題がある。
これに対して、上記の無瞬断デフラグメンテーション技術を用いることにより、光信号の波長及び通過帯域を制御して、断片領域を削減することができる。
しかし、デフラグメンテーション処理において、波長可変レーザの波長がシフトして他の運用中の光信号の波長と重なった場合、光信号間にクロストークが生ずるので、光信号が劣化する。このため、後述するように、波長可変レーザの波長は、他の運用中の光信号の波長を超えてシフトすることができず、上記の周波数間隔が確保されるように、当該波長の近傍の値を目標値とせざるを得ない。
図4は、実施例に係る伝送システムの構成を示す構成図である。伝送システムは、複数の伝送装置1と、ネットワーク管理装置(NMS: Network Management System)8とを有する。
各伝送装置1は、ノードA〜Dに設けられ、互いに光ファイバ(伝送路)を介して接続されている。各伝送装置1は、例えばリング型のネットワーク80を構成する。なお、本例では、ネットワーク80の形態としてリング型を挙げるが、これに限定されることはなく、メッシュ型であってもよい。
ネットワーク管理装置8は、ネットワーク80内の各伝送装置1を管理する。ネットワーク管理装置8は、LAN(Local Area Network)などの監視制御用ネットワークNWを介して、各伝送装置1と接続されている。
伝送装置1は、波長が相違する複数の光信号を波長多重して、多重光信号として伝送する。ネットワーク管理装置8は、光信号の波長ごとにチャネルを割り当てることにより、任意のノードA〜Dの伝送装置1の間に伝送される光信号を管理する。ネットワーク管理装置8は、一例として、ノードA〜Cの各伝送装置1間に伝送される波長λiの光信号に、チャネル番号としてCh1を割り当て、ノードB〜Dの各伝送装置1間に伝送される波長λjの光信号に、チャネル番号としてCh2を割り当てる。
ネットワーク管理装置8は、チャネルCh1,Ch2ごとに、当該伝送装置1に波長設定を行う。ノードAの伝送装置1は、波長λiの光信号が挿入され、隣接ノードBに伝送されるように波長設定がなされる。ノードBの伝送装置1は、波長λiの光信号が通過して、隣接ノードCに伝送されるように波長設定がなされる。また、ノードBの伝送装置1は、波長λjの光信号が挿入され、隣接ノードCに伝送されるように波長設定がなされる。
ノードCの伝送装置1は、波長λjの光信号が通過して、隣接ノードDに伝送されるように波長設定がなされる。また、ノードCの伝送装置1は、波長λiの光信号が分岐して、他のネットワークに伝送されるように波長設定がなされる。ノードDの伝送装置1は、波長λjの光信号が分岐して、他のネットワークに伝送されるように波長設定がなされる。
(比較例)
図4に示されたネットワークにおいて、波長λi,λjの間に断片領域が存在すると仮定し、Ch1の光信号のデフラグメンテーション処理を行う例を説明する。図5は、比較例のデフラグメンテーション処理の過程を示すスペクトル波形図である。なお、波長λjは、波長λiより大きいとする。
図5(a)は、初期状態におけるCh1の光信号及びCh2の光信号のスペクトルを示す。Ch2の光信号は、Ch1の光信号と、ノードB及びノードCの間の光ファイバ(伝送路)が重複する。つまり、Ch1及びCh2の光信号は、ノードB及びノードCの間の光ファイバにおいて、多重光信号として伝送される。また、符号BWは、ノードAの伝送装置1内の波長選択スイッチの波長フィルタに設定されたCh1の通過帯域を示す。
図5(b)は、通過帯域BWを拡張したときの様子を示す。送信ノードAの伝送装置1において、通過帯域BWは、長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ拡張される。また、通過帯域BWの拡張は、中継ノードBの伝送装置1内の波長選択スイッチの波長フィルタに対しても同様に行われる。
図5(c)は、Ch1の光信号の波長を、λiからλi+1に変更(シフト)したときの様子を示す。Ch1の光信号の波長は、長波長側(符号d)に変化する。波長の変化量λi+1−λiは、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、Ch1の光信号のペナルティ(つまりビットエラーなど)が発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。また、受信ノードCの伝送装置1において、Ch1の光信号を受信する受信器の局発光の波長も変更される。
図5(d)は、通過帯域BWを縮小したときの様子を示す。送信ノードAの伝送装置1において、通過帯域BWは、長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ縮小される。また、通過帯域BWの縮小は、中継ノードBの伝送装置1内の波長選択スイッチの波長フィルタに対しても同様に行われる。
図5(b)〜図5(d)の過程は、Ch1の光信号の波長が目標値となるまで繰り返される。しかし、目標値が、Ch2の光信号の波長λjの長波長側に存在する場合、Ch1及びCh2の光信号のスペクトル同士が重なって生ずるクロストークの影響を回避するため、Ch1の光信号の波長は、波長λjの短波長側に制限される。つまり、Ch1の光信号の波長は、Ch2の光信号の波長λjを超えることができない。
図5(e)は、デフラグメンテーション処理が完了した状態を示す。Ch1の光信号の波長は、Ch2の光信号の波長の短波長側のλi+nに留まる。波長λi+nは、例えば、Ch1及びCh2の光信号間のクロストークが、各光信号の伝送特性に影響しない範囲内において、Ch2の光信号の波長λjに最も近い値である。
このように、比較例によると、波長λi,λjの間の断片領域は削減されるが、Ch1の光信号の波長λiを、Ch2の光信号の波長λjの長波長側に変化させることができないので、波長λjの長波長側にある断片領域を削減することができない。
図6は、比較例におけるデフラグメンテーション処理の前後におけるノードA〜D間の波長配置を示す配置図である。図6(a)は、デフラグメンテーション処理前の光信号の波長配置の一例を示す。図6(b)は、デフラグメンテーション処理後の光信号の波長配置の一例を示す。
デフラグメンテーション処理前、ノードA〜C間には、波長スペクトルが隣接する光信号(4−1)〜(4−4)が伝送され、ノードB,D間には、光信号(1)が伝送されている。また、ノードC,D間には、光信号(0),(2),(3)が伝送されている。光信号(0)〜(3)は、波長スペクトルが隣接する。ここで、光信号(4−4)は、Ch1(波長λi)の光信号に対応し、光信号(1)は、Ch2(波長λj)の光信号に対応する。
この波長配置において、ノードAからノードCにわたって、波長λi,λj間に断片領域A1が存在する。このため、図5に示されたデフラグメンテーション処理により光信号(4−1)の波長λiを長波長側にシフトさせることにより、断片領域A1が削除される。また、他の光信号(4−2)〜(4−4)も、同様のデフラグメンテーション処理により長波長側にシフトさせる。
したがって、光信号(4−4)の波長は、光信号(1)の短波長側に隣接するλi+nに変化する。他の光信号(4−2)〜(4−4)の波長も、光信号(4−4)の変更後の波長λi+nに応じて変更されているため、断片領域A1が削除され、ノードA〜Dにわたって、光信号(4−1)の波長の短波長側に空き領域A2が確保される。
しかし、Ch1の光信号の波長は、クロストークの影響を回避するために、Ch2の光信号の波長λjを超えることができないので、ノードA〜Cにわたって、光信号(1)の波長λjの長波長側に存在する断片領域A3の削除は不可能である。したがって、比較例のデフラグメンテーション処理では、光信号(4−4)の波長の目標値を、光信号(1)の波長λjの近傍の値とせざるを得ないため、波長収容効率を十分に向上することができない。
(実施例)
実施例に係る伝送装置1は、デフラグメンテーション処理の対象となる第1光信号の波長を、伝送路が重複する第2光信号の波長に近づけ、第2光信号を挟み、第1光信号の反対側の波長帯域に、第1光信号の複製である光信号を生成した後、第1光信号を削除する。これにより、第1光信号の波長を、第2光信号の波長を超えてシフトさせることができるので、波長収容効率が効果的に向上する。
図7は、実施例に係る伝送装置1の機能構成を示す構成図である。伝送装置1は、入力側増幅器10と、出力側増幅器11と、光分岐挿入部(OADM)12とを有する。伝送装置1は、複数の受信部130と、複数の送信部(第1及び第2出力部)131と、スイッチ部(分配部)14と、信号処理部15と、装置制御部16と、光チャネル監視部(OCM: Optical Channel Monitor)17と、光スプリッタ18とを、さらに有する。
入力側増幅器10は、他ノードの伝送装置1から入力された多重光信号Smxを増幅し、光分岐挿入部12に出力する。光分岐挿入部12は、入力側増幅器10から入力された多重光信号Smxから、分岐対象となる光信号を受信部130に出力する。
また、光分岐挿入部12は、送信部131から入力された挿入対象の光信号を、他の光信号とともに波長多重し、多重光信号Smxとして出力側増幅器11に出力する。出力側増幅器11は、光分岐挿入部12から入力された多重光信号Smxを増幅し、他ノードの伝送装置1に出力する。
受信部130及び送信部131は、トランスポンダなどと呼ばれる送受信器であり、互いに独立した装置として構成されてもよいし、一体化された装置として構成されてもよい。送信部131は、スイッチ部14から入力された電気的なデータ信号Sdに基づいて挿入対象の光信号Sを生成し、光分岐挿入部12に出力する。
図8は、送信部131の機能構成の一例を示す構成図である。送信部131は、変調器1310と、光源である波長可変レーザダイオード(LD: Laser Diode)1311と、波長制御部1312とを有する。
波長可変レーザダイオード1311は、波長が可変である光を出力する。波長制御部1312は、装置制御部16から入力された送信波長制御信号Swsに従って、波長可変レーザダイオード1311が出力する光の波長λtを制御する。波長制御部1312は、デフラグメンテーション処理において、光信号Sの波長を変化させる。
変調器1310は、波長可変レーザダイオード1311から出力された光を、データ信号Sdに基づいて変調する。変調方式としては、例えばDP−QPSKが挙げられるが、これに限定されない。変調器1310は、変調処理により生成された光信号Sを光分岐挿入部12に出力する。このように、送信部131は、電気的なデータ信号Sdを光信号Sに変換する。
一方、受信部130は、光分岐挿入部12から入力された分岐対象の光信号Sを受信し、光信号Sに基づいて電気的なデータ信号Sdを生成して、スイッチ部14に出力する。
図9は、受信部130の機能構成の一例を示す構成図である。受信部130は、コヒーレント受信器1300と、波長可変レーザダイオード1301と、波長制御部1302とを有する。
波長可変レーザダイオード1301は、波長が可変である光を出力する。波長制御部1302は、装置制御部16から入力された受信波長制御信号Swrに従って、波長可変レーザダイオード1301が出力する光の波長λxを制御する。
コヒーレント受信器1300は、波長可変レーザダイオード1301が出力する光を局発光として用い、例えばヘテロダイン検波により光信号Sを検出し、復調処理を行う。波長制御部1302は、デフラグメンテーション処理において、光信号Sの波長λrが変化したとき、光信号Sにペナルティが発生しないように、局発光の波長λxを変化させる。
コヒーレント受信器1300は、検出した光信号Sに基づいて、電気的なデータ信号Sdを生成し、スイッチ部14に出力する。このように、受信部130は、光信号Sを電気的なデータ信号Sdに変換する。
データ信号Sdは、例えばイーサネット(登録商標)フレームなどのクライアント信号である。データ信号Sdは、ユーザネットワークから信号処理部15に入力される。信号処理部15は、データ信号Sdのフレーム変換処理などを行い、データ信号Sdをスイッチ部14に出力する。
スイッチ部14は、装置制御部16から入力されたスイッチ設定信号Sswに従って、信号処理部15から入力されたデータ信号Sdを複数の送信部131に出力する。また、スイッチ部14は、装置制御部16から入力されたスイッチ設定信号Sswに従って、複数の受信部130から入力されたデータ信号Sdのうち、信号処理部15に出力するデータ信号Sdを選択する。信号処理部15は、選択された受信部130から入力されたデータ信号Sdのフレーム変換処理などを行い、データ信号Sdをユーザネットワークに出力する。なお、スイッチ部14は、データ信号Sdを、例えばパケット単位で格納するバッファを有する。
また、装置制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサなどを含み、ネットワーク管理装置8と通信し、伝送装置1全体を制御する。装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従って、光分岐挿入部12、受信部130、及び送信部131に波長設定を行い、スイッチ部14の設定も行う。また、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従って、デフラグメンテーション処理の制御も行う。なお、デフラグメンテーション処理は、これに限定されず、伝送装置1により自律的に行われてもよい。
光分岐挿入部12は、分波部120と、合波部121と、VOA(Variable Optical Attenuation)制御部123と、分離部(DMUX)124と、多重部(MUX)125とを有する。分波部120は、例えば光スプリッタであり、多重光信号Smxを分波して、合波部121及び分離部124にそれぞれ出力する。分離部124は、例えば光スプリッタまたは波長選択スイッチであり、多重光信号Smxを1以上の波長多重光信号Sに分離して、受信部130に出力する。
多重部125は、例えば光カプラまたは波長選択スイッチであり、複数の送信部131から入力された光信号Sを多重し、多重光信号として合波部121に出力する。合波部121は、例えば波長選択スイッチである。合波部121は、分波部120から入力された多重光信号Smx、及び多重部125から入力された多重光信号に含まれる光信号の波長のうち、選択した波長の光信号を多重し、新たな多重光信号Smxとして出力側増幅器11に出力する。なお、合波部121において選択される波長は、装置制御部16により設定される。
図10は、合波部121の機能構成の一例を示す構成図である。より具体的には、図10は、波長選択スイッチのブロック構成例を示す。合波部121は、第1DMUX部121aと、第2DMUX部121bと、MUX部121cと、複数の光スイッチ121dと、複数の可変減衰部(VOA)121eとを有する。
第1DMUX部121aは、分波部120から入力された多重光信号Smxを、波長単位で分離し、得られた各光信号を各光スイッチ121dの入力端子の一方に入力する。第2DMUX部121bは、多重部125から入力された多重光信号を、波長単位で分離し、得られた各光信号を各光スイッチ121dの入力端子の他方に入力する。
光スイッチ121dは、波長ごとに設けられ、2つの入力端子に入力された光信号の一方を選択して、可変減衰部121eに出力する。光スイッチ121dは、装置制御部16からの波長設定に基づいて、光信号を選択する。つまり、光スイッチ121dは、当該波長が通過設定である場合、第1DMUX部121aから入力された光信号を選択し、当該波長が挿入設定である場合、第2DMUX部121bから入力された光信号を選択する。
可変減衰部121eは、VOA制御部123の制御に従った減衰量で、光信号を減衰させてMUX部121cに出力する。MUX部121cは、各可変減衰部121eから入力された光信号を波長多重し、多重光信号Smxとして出力側増幅器11に出力する。出力側増幅器11に出力される多重光信号Smxは、光スプリッタ18により分波されることで、一部が光チャネル監視部17に入力される。
光チャネル監視部17は、多重光信号Smxに含まれる各波長の光信号のパワーを検出し、VOA制御部123に通知する。VOA制御部123は、各波長の光信号のパワーに基づいて、当該可変減衰部121eの減衰量を適切な値に制御する。つまり、多重光信号Smxに含まれる各波長の光信号のパワーは、フィードバック制御される。
合波部121は、可変減衰部121eに、例えばLCOS(Liquid Crystal on Silicon)を備えることにより、光信号の通過帯域を変化させることができる。LCOSは、シリコン基板上に形成された電極層及び液晶層などを有し、光信号を反射する反射面の領域ごとに、印加電圧に応じた屈折率分布が形成されている。
LCOSの反射特性は、反射面内の屈折率分布に基づいて決定され、光信号が通過する帯域の幅に影響する。したがって、LCOSは、光信号の通過帯域をピクセル(スロット)単位で制御可能な波長フィルタとして機能する。デフラグメンテーション処理において、光信号の通過帯域は、装置制御部16から入力される帯域制御信号Scにより制御される。
(第1実施例)
次に、第1実施例のデフラグメンテーション処理を説明する。デフラグメンテーション処理の対象となる光信号、及びその他の前提条件は、比較例と同様とする。
まず、送信ノードAの送信部(第1出力部)131は、Ch1の光信号(第1光信号)の波長を、Ch2の光信号(第2光信号)の波長λjに近づける。この過程は、図5を参照して述べた通りである。
すなわち、図5(b)に示されるように、合波部121は、Ch1の光信号の通過帯域BWを長波長側に拡張する。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121は、Ch1の光信号の通過帯域BWを長波長側に拡張する。
次に、図5(c)に示されるように、送信部ノードAにおいて、波長制御部1312は、波長可変レーザダイオード1311を制御して、Ch1の光信号の波長を長波長側に変化させる。このとき、受信ノードCにおいて、波長制御部1302は、Ch1の光信号の波長の変化に応じて、局発光の波長λxを変化させる。
次に、図5(d)に示されるように、合波部121は、Ch1の光信号の通過帯域BWを長波長側に縮小する。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121は、Ch1の光信号の通過帯域BWを長波長側に縮小する。
図5(b)〜図5(d)の過程を繰り返すことにより、Ch1の光信号の波長は、Ch2の光信号の波長λjの短波長側で、波長λjに最も近い値λi+nとなる。以下に、その後の過程を、図11を参照して説明する。
図11は、第1実施例のデフラグメンテーション処理の過程を示す図である。図11(a)は、Ch1の光信号Sを複製したときの様子を示す。ここで、複製元の光信号を「S(W)」とし、複製で得られた光信号を「S(P)」とする。
送信ノードAにおいて、複製用の送信部131は、Ch1の光信号S(W)の複製である光信号S(P)(第3光信号)を、Ch2の光信号を挟み、光信号S(W)の反対側の波長帯域に生成して出力する。複製の光信号S(P)の波長λj+1は、例えば、Ch2の光信号の波長λjの長波長側の波長帯域において、Ch2の光信号及び複製の光信号S(P)間のクロストークが許容される範囲内で、かつ、受信ノードCの伝送装置1のバッファ量が許容できる範囲内の波長λjに設定される。以下に、複製時の動作を、図12を参照して述べる。
図12は、デフラグメンテーション処理における送信ノードA及び受信ノードCの各伝送装置(第1伝送装置及び第2伝送装置)1の動作を示す構成図である。図12には、送信ノードAの複数の送信部131のうち、Ch1の光信号S(W)を出力するCh1用の送信部131aと、Ch1の光信号の複製の光信号S(P)を出力する複製用の送信部131bが示されている。
Ch1用の送信部131aにおいて、波長可変レーザダイオード1311の波長は、λi+nであり、複製用の送信部131bにおいて、波長可変レーザダイオード1311の波長は、λj+1である。波長設定は、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、装置制御部16から各送信部131a,131bに対して行われる。
また、図12には、受信ノードCの複数の受信部130のうち、Ch1の光信号S(W)を受信するCh1用の受信部130aと、Ch1の光信号S(W)の複製の光信号S(P)を受信する複製用の受信部130bが示されている。Ch1用の受信部130aにおいて、局発光の波長は、Ch1の光信号S(W)の波長λi+nに基づき設定され、複製用の受信部130bにおいて、局発光の波長は、複製の光信号S(P)の波長λj+1に基づき設定されている。波長設定は、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、装置制御部16から各受信部130a,130bに対して行われる。
送信ノードAにおいて、スイッチ部(分配部)14は、信号処理部15から入力されたデータ信号Sdを、複数の送信部131のうち、Ch1用の送信部131aと、複製用の送信部131bとにそれぞれ分配する。この分配設定は、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、装置制御部16からスイッチ部14に対して行われる。
これにより、Ch1用の送信部131aは、データ信号Sdに基づいて、Ch1の光信号S(W)を生成し、複製用の送信部131bは、データ信号Sdに基づいて、複製の光信号S(P)を生成する。つまり、Ch1の光信号S(W)及び複製の光信号S(P)は、共通のデータ信号Sdから生成される。
このように、Ch1の光信号S(W)は、スイッチ部14に分配設定を行うことにより容易に複製される。なお、複製用の送信部131bは、デフラグメンテーション処理以外の用途に用いられてもよい。
Ch1の光信号S(W)及び複製の光信号S(P)は、光分岐挿入部12により合波され、多重光信号Smxとして、中継ノードBの伝送装置1を介し、受信ノードCの伝送装置1の受信部130に入力される。なお、中継ノードBの伝送装置1では、複製の光信号S(P)の通過設定がなされ、また、Ch2の光信号が挿入され、多重光信号Smxに追加される。
一方、受信ノードCにおいて、Ch1用の受信部130aは、Ch1の光信号S(W)を受信し、複製用の受信部130bは、複製の光信号S(P)を受信する。Ch1用の受信部130aは、Ch1の光信号S(W)からデータ信号Sdを生成し、複製用の受信部130bは、複製の光信号S(P)からデータ信号Sdを生成する。
受信部130a,130bから出力される各データ信号Sdは、スイッチ部14内のバッファ140に、例えばパケット単位で格納される。スイッチ部14は、各データ信号Sd間の同期処理を行った後、信号処理部15に出力するデータ信号Sdの出力元を、Ch1用の受信部130aから複製用の受信部130bに切り替える(符号x参照)。データ信号Sdの同期処理は、例えば、バッファ140に格納された各データ信号Sdの内容の一致を検出することにより行われる。
これにより、信号処理部15は、Ch1の光信号S(W)から得たデータ信号Sdに代えて、複製の光信号S(P)から得たデータ信号Sdを受信する。データ信号Sdの切り替えは、各データ信号Sd間の同期が確立しているため、無瞬断で行われる。
また、バッファ140の容量は、Ch1の光信号S(W)及び複製の光信号S(P)の遅延量の差が少ないため、少なくて済む。これは、送信ノードAにおいて、送信部131aが、Ch1の光信号S(W)の波長をCh2の光信号の波長に近づけることにより、Ch1の光信号S(W)及び複製の光信号S(P)の波長差が低減されたためである。さらに、同様の理由により、受信ノードCにおいて、データ信号Sdの切り替えの前後で、データ信号Sdの分散補償量の差が低減されるので、回路規模が低減される。
このように、受信ノードCの伝送装置1は、送信ノードAの伝送装置1から複製の光信号S(P)が出力された後、受信対象(信号処理対象)を、Ch1の光信号S(W)から複製の光信号S(P)に切り替える。このため、ノードA〜Cの各伝送装置1は、複製の光信号S(P)の波長を、Ch2の光信号の波長を超える波長帯域まで変更するデフラグメンテーション処理を行うことができる。
スイッチ部14は、切り替え処理の完了を装置制御部16に通知する。装置制御部16は、例えばネットワーク管理装置8を介して、送信ノードAの伝送装置1に切り替え処理の完了を通知する。
送信ノードAの伝送装置1は、例えばネットワーク管理装置8を介して、受信ノードCの切り替え処理の完了の通知を受けると、複製元の光信号S(W)を削除し、複製の光信号S(P)を、Ch1の光信号として用いる。
図11(b)は、Ch1の光信号S(W)を削除したときの様子を示す。このとき、Ch1用の送信部131aは、複製用の送信部131bから複製の光信号S(P)が出力された後、光信号S(W)の出力を停止する。これにより、複製元の光信号S(W)は削除される。なお、光信号S(W)の出力停止制御は、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、例えば装置制御部16により行われる。
図11(c)は、複製の光信号S(P)の通過帯域BWを拡張したときの様子を示す。送信ノードAの伝送装置1において、合波部121は、通過帯域BWを、長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ拡張する。また、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121は、同様に通過帯域BWを拡張する。
図11(d)は、複製の光信号S(P)の波長を、λj+1からλj+2に変更(シフト)したときの様子を示す。光信号S(P)の波長は、長波長側(符号d)に変化する。波長の変化量λj+2−λj+1は、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、光信号S(P)のペナルティが発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。また、受信ノードCの伝送装置1においても、複製用の受信部130bの局発光の波長も変更される。
図11(e)は、複製の光信号S(P)の通過帯域BWを縮小したときの様子を示す。送信ノードAの伝送装置1において、合波部121は、通過帯域BWを、長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ縮小する。また、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121は、同様に通過帯域BWを縮小する。
図11(b)〜図11(e)の過程は、複製の光信号S(P)の波長が所定の目標値λj+nとなるまで繰り返される。つまり、送信ノードAの送信部131bは、複製の光信号S(P)の波長を、当該波長が所定の目標値λj+nとなるまで変化させる。
図11(f)は、デフラグメンテーション処理が完了した状態を示す。上述した過程により、Ch1の光信号S(W)に代えて、複製の光信号S(P)の波長が、所定の目標値λj+nに達する。デフラグメンテーション処理の後、ノードA〜Cの各伝送装置1は、複製の光信号S(P)を、Ch1の光信号として、継続して伝送する。
図13は、デフラグメンテーション処理を示すフローチャートである。デフラグメンテーション処理は、例えば、ネットワーク管理装置8が、各ノードA〜Cの伝送装置1に送信するデフラグメンテーション開始通知を契機として行われる。
まず、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121は、図5(b)に示されるように、Ch1の光信号S(W)の通過帯域BWを拡張する(ステップSt1)。次に、送信ノードAにおいて、Ch1用の送信部131aは、図5(c)に示されるように、Ch1の光信号S(W)の波長を変更する(ステップSt2)。
次に、受信ノードCにおいて、Ch1用の受信部130aは、局発光の波長λxを、Ch1の光信号S(W)の波長に応じて変更する(ステップSt3)。次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121は、図5(d)に示されるように、Ch1の光信号S(W)の通過帯域BWを縮小する(ステップSt4)。
次に、ネットワーク管理装置8は、Ch1の光信号の波長が、Ch2の波長λjに近いか否かを判定する(ステップSt5)。この判断処理は、例えば、各波長の差分が所定値より大きいか否かを判断することにより行われる。
Ch1の光信号の波長が、Ch2の波長λjに近くない場合(ステップSt5のNo)、ネットワーク管理装置8は、各ノードA〜Cの伝送装置1に、ステップSt1〜St4の処理を繰り返すように指示する。一方、Ch1の光信号の波長が、Ch2の波長λjに近い場合(ステップSt5のYes)、送信ノードAのスイッチ部14は、Ch1の光信号S(W)のデータ信号Sdを、Ch1用の送信部131a及び複製用の送信部131bに分配する(ステップSt6)。
次に、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従って、複製用の送信部131bに波長λj+1を設定する(ステップSt7)。これにより、図11(a)に示されるように、Ch1の光信号S(W)の複製である光信号S(P)が、Ch2の光信号を挟み、Ch1の光信号S(W)の反対側の波長帯域に生成され、受信ノードCの伝送装置1に送信される。
次に、受信ノードCにおいて、スイッチ部14は、受信対象を、Ch1の光信号S(W)から複製の光信号S(P)に切り替える(ステップSt8)。このとき、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従ってスイッチ部14を制御する。なお、スイッチ部14は、装置制御部16から受信対象の切り替えの指示を受けると、上述したデータ信号Sd間の同期を確立した後、切り替えを行う。
次に、図11(b)に示されるように、送信ノードAのCh1用の送信部131aは、ネットワーク管理装置8の指示に従って出力を停止することにより、複製元であるCh1の光信号S(W)を削除する(ステップSt9)。すなわち、送信部131aは、複製の光信号S(P)が出力され、受信ノードCの伝送装置1が、受信対象を、複製元のCh1の光信号S(W)から複製の光信号S(P)に切り替えた後、Ch1の光信号S(W)の出力を停止する。このため、各ノードA〜Cの伝送装置1及びネットワーク管理装置8は、以降の処理において、複製の光信号S(P)のデフラグメンテーション処理を行う。
次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121は、図11(c)に示されるように、複製の光信号S(P)の通過帯域BWを拡張する(ステップSt10)。次に、送信ノードAにおいて、Ch1用の送信部131aは、図11(d)に示されるように、複製の光信号S(P)の波長を変更する(ステップSt11)。
次に、受信ノードCにおいて、複製用の受信部130bは、局発光の波長λxを、複製の光信号S(P)の波長に応じて変更する(ステップSt12)。次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121は、図11(e)に示されるように、複製の光信号S(P)の通過帯域BWを縮小する(ステップSt13)。
次に、ネットワーク管理装置8は、複製の光信号S(P)の波長が、所定の目標値λj+nと等しいか否かを判定する(ステップSt14)。このとき、ノードAの装置制御部16は、複製用の送信部131bの波長制御部1212から、複製の光信号S(P)の波長を取得し、ネットワーク管理装置8に通知する。
ネットワーク管理装置8は、複製の光信号S(P)の波長が、所定の目標値λj+nと等しい場合(ステップSt14のYes)、デフラグメンテーション処理を終了する。一方、複製の光信号S(P)の波長が、所定の目標値λj+nと等しくない場合(ステップSt14のNo)、ネットワーク管理装置8は、各ノードA〜Cの伝送装置1に、ステップSt10〜St13の処理を繰り返すように指示する。このため、複製の光信号S(P)のデフラグメンテーション処理は、複製の光信号S(P)の波長が、所定の目標値λj+nに達するまで行われる。このようにして、デフラグメンテーション処理は行われる。
(第2実施例)
上述したデフラグメンテーション処理は、単一の光信号だけでなく、共通のクライアント信号を分割して収容する複数のサブキャリア信号にも適用可能である。複数のサブキャリア信号は、DP−QPSKなどの多値変調手段により変調され、波長多重により束ねられて伝送される。なお、複数のサブキャリア信号を束ねて得られる多重光信号は、「スーパーチャネル」などと呼ばれ、マルチキャリア信号の伝送方法は、「マルチキャリア伝送」などと呼ばれる。
本実施例のデフラグメンテーション処理では、一例として、4つのサブキャリア信号SC1〜SC4の各波長を、サブキャリア信号SC1〜SC4と伝送路が重複するCh2の光信号の波長を超えて変更する。各サブキャリア信号SC1〜SC4は、1つずつ、第1実施例と同様に複製され、受信ノードにおける切り替え処理後に削除されることにより、デフラグメンテーション処理が行われる。
なお、サブキャリア信号SC1〜SC4は、図4に示されたノードA〜Cの間を伝送されると仮定する。このため、サブキャリア信号SC1〜SC4及びCh2の光信号は、ノードB及びノードCの間の光ファイバに多重光信号として伝送される。
図14A〜図14Cは、第2実施例のデフラグメンテーション処理の過程を示す図である。図14A(a)は、初期状態におけるサブキャリア信号SC1〜SC4(第1光信号)及びCh2の光信号(第2光信号)のスペクトルを示す。ここで、サブキャリア信号SC1〜SC4の波長を、それぞれ、λi-4,λi-3,λi-2,λi-1とする。また、符号BWは、ノードAの合波部121、MUX部125、DMUX部124、及び分波部120に設定されたサブキャリア信号SC1〜SC4の通過帯域を示す。以下に述べる過程において、合波部121、MUX部125、DMUX部124、及び分波部120の各透過帯域BWが変更されるが、説明では、各部120,121,124,125を、代表的に「合波部121など」と表記する。
図14A(b)は、通過帯域BWを拡張したときの様子を示す。送信ノードAの合波部121などは、通過帯域BWを長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ拡張する。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121などは、サブキャリア信号SC1〜SC4の通過帯域BWを長波長側に拡張する。
図14A(c)は、サブキャリア信号SC1の波長を、λi-1からλiに変更(シフト)したときの様子を示す。送信ノードAにおいて、波長制御部1312は、波長可変レーザダイオード1311を制御して、サブキャリア信号SC1の波長を、長波長側(符号d)に変化させる。波長の変化量λi−λi-1は、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、サブキャリア信号SC1のペナルティが発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。このとき、受信ノードCの伝送装置1において、波長制御部1302は、サブキャリア信号SC1の波長の変化に応じて、局発光の波長λxを変化させる。
他のサブキャリア信号SC2〜SC4の波長も、サブキャリア信号SC1と同様に変更される。図14A(d)は、サブキャリア信号SC2の波長を、λi-2からλi-1に変更したときの様子を示す。図14A(e)は、サブキャリア信号SC3の波長を、λi-3からλi-2に変更したときの様子を示す。図14A(f)は、サブキャリア信号SC4の波長を、λi-4からλi-3に変更したときの様子を示す。
図14A(g)は、通過帯域BWを縮小したときの様子を示す。送信ノードAの合波部121などは、通過帯域BWを長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ縮小される。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121などは、サブキャリア信号SC1〜SC4の通過帯域BWを長波長側に縮小する。
図14A(b)〜図14A(g)の過程を繰り返すことにより、サブキャリア信号SC1〜SC4の波長は、Ch2の光信号の波長λjの短波長側で、波長λjに近い値となる。本例では、このときのサブキャリア信号SC1〜SC4の波長を、それぞれ、λi,λi-1,λi-2,λi-3とする。
図14B(h)は、サブキャリア信号SC1を複製したときの様子を示す。ここで、複製元の光信号を「SC1(W)」とし、複製で得られた光信号を「SC1(P)」とする。
送信ノードAにおいて、複製用の送信部131は、サブキャリア信号SC1(W)の複製であるサブキャリア信号SC1(P)(第3光信号)を、Ch2の光信号を挟み、光信号SC1(W)の反対側の波長帯域に生成して出力する。複製の光信号SC1(P)の波長λj+1は、例えば、Ch2の光信号の波長λjの長波長側の波長帯域において、Ch2の光信号及び複製の光信号SC1(P)間のクロストークが許容される範囲内で、かつ、受信ノードCの伝送装置1のバッファ量が許容できる範囲内の波長λjに設定される。なお、符号BWjは、複製の光信号SC1の通過帯域を示す。以下に、複製時の動作を、図15を参照して述べる。
図15は、デフラグメンテーション処理における送信ノードA及び受信ノードCの各伝送装置1の動作(サブキャリア信号SC1の複製時)を示す構成図である。図15には、送信ノードAの複数の送信部131のうち、サブキャリア信号SC1(W),SC2〜SC4をそれぞれ出力するSC1〜SC4用の送信部131−1〜131−4と、複製の光信号SC1(P)の複製用の送信部131−0が示されている。また、図15には、受信ノードCの複数の受信部130のうち、サブキャリア信号SC1(W),SC2〜SC4をそれぞれ受信するSC1〜SC4用の受信部130−1〜130−4と、複製の光信号SC1(P)を受信する複製用の受信部130−0が示されている。
送信ノードAにおいて、スイッチ部14は、信号処理部15から入力されたデータ信号Sdを、SC1用の送信部131−1と複製用の送信部131−0とにそれぞれ分配する。これにより、SC1用の送信部131−1は、データ信号Sdに基づいて、サブキャリア信号SC1(W)を生成し、複製用の送信部131−0は、データ信号Sdに基づいて、複製の光信号SC1(P)を生成する。
サブキャリア信号SC1(W)及び複製の光信号SC1(P)は、光分岐挿入部12により合波され、多重光信号Smxとして、中継ノードBの伝送装置1を介し、受信ノードCの伝送装置1の受信部130に入力される。なお、中継ノードBの伝送装置1では、合波部121などについて、複製の光信号SC1(P)の通過設定がなされ、また、Ch2の光信号が挿入され、多重光信号Smxに追加される。
一方、受信ノードCにおいて、SC1用の受信部130−1は、サブキャリア信号SC1(W)を受信し、複製用の受信部130−0は、複製の光信号SC1(P)を受信する。SC1用の受信部130−1は、サブキャリア信号SC1(W)からデータ信号Sdを生成し、複製用の受信部130−0は、複製の光信号SC1(P)からデータ信号Sdを生成する。
受信部130−0,130−1から出力される各データ信号Sdは、スイッチ部14内のバッファ140に、例えばパケット単位で格納される。スイッチ部14は、各データ信号Sd間の同期処理を行った後、信号処理部15に出力するデータ信号Sdの出力元を、SC1用の受信部130−1から複製用の受信部130−0に切り替える(符号x参照)。これにより、信号処理部15は、サブキャリア信号SC1(W)から得たデータ信号Sdに代えて、複製の光信号SC1(P)から得たデータ信号Sdを受信する。
このように、受信ノードCの伝送装置1は、送信ノードAの伝送装置1から複製の光信号SC1(P)が出力された後、受信対象を、サブキャリア信号SC1(W)から複製の光信号SC1(P)に切り替える。したがって、ノードA〜Cの各伝送装置1は、複製の光信号SC1(P)の波長を、Ch2の光信号の波長を超える波長帯域まで変更するデフラグメンテーション処理を行うことができる。送信ノードAの伝送装置1は、受信ノードCにおける切り替え処理が完了すると、複製元のサブキャリア信号SC1(W)を削除する。
図14B(i)は、複製元のサブキャリア信号SC1(W)を削除したときの様子を示す。SC1用の送信部131−1は、複製用の送信部131−0から複製の光信号SC1(P)が出力された後、サブキャリア信号SC1(W)の出力を停止する。これにより、複製元のサブキャリア信号SC1(W)は削除される。なお、光信号S(W)の出力停止制御は、例えば、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、装置制御部16により行われる。
図14B(j)は、サブキャリア信号SC2の波長を、λi-1からλiに変更(シフト)したときの様子を示す。送信ノードAにおいて、波長制御部1312は、波長可変レーザダイオード1311を制御して、サブキャリア信号SC2の波長を、長波長側(符号d)に変化させる。波長の変化量λi−λi-1は、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、サブキャリア信号SC2のペナルティが発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。このとき、受信ノードCにおいて、SC2用の受信部130−2は、サブキャリア信号SC2の波長の変化に応じて、局発光の波長λxを変化させる。
他のサブキャリア信号SC3,SC4の波長も、サブキャリア信号SC2と同様に変更される。図14B(k)は、サブキャリア信号SC3の波長を、λi-2からλi-1に変更したときの様子を示す。図14B(l)は、サブキャリア信号SC4の波長を、λi-3からλi-2に変更したときの様子を示す。
図14B(m)は、通過帯域BWを縮小したときの様子を示す。送信ノードAの合波部121などは、通過帯域BWを長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ縮小される。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121などは、サブキャリア信号SC2〜SC4の通過帯域BWを長波長側に縮小する。
図14C(n)は、複製の光信号SC1(P)の通過帯域BWjを拡張したときの様子を示す。送信ノードAの合波部121などは、通過帯域BWjを長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ拡張する。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121などは、複製の光信号SC1(P)の通過帯域BWjを長波長側に拡張する。
図14C(o)は、複製の光信号SC1(P)の波長を、λi+1からλj+2に変更(シフト)したときの様子を示す。送信ノードAにおいて、波長制御部1312は、波長可変レーザダイオード1311を制御して、複製の光信号SC1(P)の波長を、長波長側(符号d)に変化させる。波長の変化量λj+2−λj+1は、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、複製の光信号SC1(P)のペナルティがほとんど発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。受信ノードCの伝送装置1において、波長制御部1302は、複製の光信号SC1(P)の波長の変化に応じて、局発光の波長λxを変化させる。
図14C(p)は、サブキャリア信号SC2を複製したときの様子を示す。ここで、複製元の光信号を「SC2(W)」とし、複製で得られた光信号を「SC2(P)」とする。
送信ノードAにおいて、SC1用の送信部131−1は、サブキャリア信号SC1の削除後、他のサブキャリア信号SC2(W)の複製である光信号SC2(P)(第3光信号)を、Ch2の光信号を挟み、サブキャリア信号SC2(W)の反対側の波長帯域に生成して出力する。複製の光信号SC2(P)の波長λj+1及び複製元の光信号SC2(W)の波長λiは、例えば、Ch2の光信号を挟んで対象な位置関係にある。以下に、複製時の動作を、図16を参照して述べる。
図16は、デフラグメンテーション処理における送信ノードA及び受信ノードCの各伝送装置の動作(サブキャリア信号SC2の複製時)を示す構成図である。送信ノードAにおけるサブキャリア信号SC2の複製、及び受信ノードCにおけるサブキャリア信号SC2の切り替えは、図15を参照して述べた内容(サブキャリア信号SC1の場合)と同様である。
図15を参照して述べたように、送信ノードAにおいて、複製用の送信部131−0は、サブキャリア信号SC1の複製の光信号SC1(P)を出力する。このため、SC1用の送信部131−1が、複製用の送信部131−0に代えて、サブキャリア信号SC2の複製の光信号SC2(P)を出力する。
一方、受信ノードCにおいて、複製用の受信部130−0は、サブキャリア信号SC1の複製の光信号SC1(P)を受信する。このため、SC1用の受信部130−1が、複製用の送信部131−0に代えて、サブキャリア信号SC2の複製の光信号SC2(P)を受信する。
したがって、送信ノードAにおいて、SC2用の送信部131−2は、サブキャリア信号SC2(W)を出力し、SC1用の送信部131−1は、複製の光信号SC2(P)を出力する。受信ノードCにおいて、SC2用の受信部130−2は、サブキャリア信号SC2(W)を受信し、SC1用の受信部130−1は、複製の光信号SC2(P)を受信する。
受信ノードCにおいて、受信対象が、サブキャリア信号SC2(W)から複製の光信号SC2(P)に切り替えられた後、送信ノードAにおいて、SC2用の送信部131−2は、複製元のサブキャリア信号SC2(W)の出力を停止する。
なお、他のサブキャリア信号SC3,SC4の複製時も、光出力が停止済みである送信部131−2,131−3が、複製用の送信部として使用され、光受信が停止済みである受信部130−2,130−3が、複製用の送信部として使用される。つまり、送信部131−1〜131−4の1つが、複製用の送信部として使用され、受信部130−1〜130−4の1つが、複製用の受信部として使用される。
このため、送信部131の個数及び受信部130の個数が、サブキャリア信号SC1〜SC4ごとに複製用の送信部131−0及び受信部130−0を設けた場合より低減され、装置コストが低減される。
図14C(q)は、複製元のサブキャリア信号SC2(W)を削除したときの様子を示す。SC2用の送信部131−2は、複製(SC1)用の送信部131−1から複製の光信号SC2(P)が出力された後、サブキャリア信号SC2(W)の出力を停止する。これにより、複製元の光信号SC2(W)は削除される。なお、サブキャリア信号SC2(W)の出力停止制御は、例えば、ネットワーク管理装置8の指示に基づき、装置制御部16により行われる。
図14C(r)は、サブキャリア信号SC3の波長を、λi-1からλiに変更(シフト)したときの様子を示す。送信ノードAにおいて、波長制御部1312は、波長可変レーザダイオード1311を制御して、サブキャリア信号SC3の波長を、長波長側(符号d)に変化させる。波長の変化量λi−λi-1は、例えば、受信ノードCの伝送装置1において、サブキャリア信号SC#のペナルティがほとんど発生しない程度の量(例えば、周波数換算で2.5(GHz)以下)である。このとき、受信ノードCの伝送装置1において、SC3用の受信部130−2は、サブキャリア信号SC3の波長の変化に応じて、局発光の波長λxを変化させる。
サブキャリア信号SC4の波長も、サブキャリア信号SC3と同様に変更される。図14C(s)は、サブキャリア信号SC4の波長を、λi-2からλi-1に変更したときの様子を示す。
図14C(t)は、通過帯域BWを縮小したときの様子を示す。送信ノードAの合波部121は、サブキャリア信号SC3,SC4の通過帯域BWを長波長側(符号d)に、例えば、最小スロット幅だけ縮小される。このとき、中継ノードBの伝送装置1においても、合波部121は、サブキャリア信号SC3,SC4の通過帯域BWを長波長側に縮小する。
その後、図14C(n)〜図14C(t)と同様の過程を、残りのサブキャリア信号SC3、SC4にも行うことにより、サブキャリア信号SC3、SC4の波長を、Ch2の光信号の波長を挟んで反対側の波長帯域に変更する。なお、サブキャリア信号SC3、SC4の複製及び切り替えは、図15及び図16を参照して述べた内容と同様に行われる。
図14C(u)は、デフラグメンテーション処理が完了した状態を示す。上述した過程により、サブキャリア信号SC1〜SC4の複製の光信号SC1(P)〜SC4(P)の波長が、所定の目標値λj+4〜λj+1に達する。なお、本例では、目標値λj+4〜λj+1がCh2の光信号の波長λjの近傍である場合を示したが、目標値が波長λjから離れている場合、サブキャリア信号の波長が目標値に達するまで、図14A(b)〜図14A(g)に示された過程と同様の過程が繰り返される。
デフラグメンテーション処理の後、ノードA〜Cの各伝送装置1は、複製の光信号SC1(P)〜SC4(P)を、サブキャリア信号SC1〜SC4として、継続して伝送する。
図17は、デフラグメンテーション処理を示すフローチャートである。デフラグメンテーション処理は、例えば、ネットワーク管理装置8が、各ノードA〜Cの伝送装置1に送信するデフラグメンテーション開始通知を契機として行われる。
まず、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121などは、図14A(b)に示されるように、サブキャリア信号SC1〜SC4の通過帯域BWを拡張する(ステップSt21)。次に、送信ノードAにおいて、SC1〜SC4用の送信部131−1〜131−4は、図14A(c)〜図14A(f)に示されるように、サブキャリア信号SC1〜SC4の波長を変更する(ステップSt22)。
次に、受信ノードCにおいて、SC1〜SC4用の受信部130−1〜130−4は、局発光の波長λxを、サブキャリア信号SC1〜SC4の波長に応じて変更する(ステップSt23)。次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121などは、図14A(g)に示されるように、サブキャリア信号SC1〜SC4の通過帯域BWを縮小する(ステップSt24)。
次に、ネットワーク管理装置8は、サブキャリア信号SC1の波長が、Ch2の波長λjに近いか否かを判定する(ステップSt25)。この判断処理は、例えば、各波長の差分が所定値より大きいか否かを判断することにより行われる。
サブキャリア信号SC1の波長が、Ch2の波長λjに近くない場合(ステップSt25のNo)、ネットワーク管理装置8は、各ノードA〜Cの伝送装置1に、ステップSt21〜St24の処理を繰り返すように指示する。一方、サブキャリア信号SC1の波長が、Ch2の波長λjに近い場合(ステップSt25のYes)、送信ノードAのスイッチ部14は、サブキャリア信号SC1のデータ信号Sdを、SC1用の送信部131−1及び複製用の送信部131−0に分配する(ステップSt26)。
次に、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従って、複製用の送信部131−0に波長λj+1を設定する(ステップSt27)。これにより、図14B(h)に示されるように、サブキャリア信号SC1(W)の複製である光信号SC1(P)が、Ch2の光信号を挟み、サブキャリア信号SC1(W)の反対側の波長帯域に生成され、受信ノードCの伝送装置1に送信される。
次に、受信ノードCにおいて、スイッチ部14は、受信対象を、サブキャリア信号SC1(W)から複製の光信号SC1(P)に切り替える(ステップSt28)。このとき、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従ってスイッチ部14を制御する。
次に、図14B(i)に示されるように、送信ノードAのSC1用の送信部131−1は、ネットワーク管理装置8の指示に従って出力を停止することにより、複製元であるサブキャリア信号SC1(W)を削除する(ステップSt29)。次に、送信ノードAにおいて、SC1用の送信部131aは、図14B(j)〜図14B(l)に示されるように、キャリア信号SC2(W)〜SC4(W)の波長を変更する(ステップSt30)。
次に、受信ノードCにおいて、SC2〜SC4用の受信部130−2〜130−4は、局発光の波長λxを、キャリア信号SC2(W)〜SC4(W)の波長に応じて変更する(ステップSt31)。次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121などは、図14B(m)に示されるように、キャリア信号SC2(W)〜SC4(W)の通過帯域BWを縮小する(ステップSt32)。
次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121などは、図14C(n)に示されるように、複製のサブキャリア信号SC1(P)の通過帯域BWjを拡張する(ステップSt33)。次に、送信ノードAにおいて、複製用の送信部131−0は、図14C(o)に示されるように、複製のサブキャリア信号SC1(P)の波長を変更する(ステップSt34)。次に、受信ノードCにおいて、複製用の受信部130−0は、局発光の波長λxを、複製のサブキャリア信号SC1(P)の波長に応じて変更する(ステップSt35)。
次に、送信ノードAのスイッチ部14は、サブキャリア信号SC2(W)のデータ信号Sdを、SC1用(複製用)の送信部131−1及びSC2用の送信部131−2に分配する(ステップSt36)。このとき、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従ってスイッチ部14を制御する。
次に、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従って、複製用の送信部131−1に波長λj+1を設定する(ステップSt37)。これにより、図14C(p)に示されるように、サブキャリア信号SC2(W)の複製であるサブキャリア信号SC2(P)が、Ch2の光信号を挟み、サブキャリア信号SC2(W)の反対側の波長帯域に生成され、受信ノードCの伝送装置1に送信される。
次に、受信ノードCにおいて、スイッチ部14は、受信対象を、サブキャリア信号SC2(W)から複製のサブキャリア信号SC2(P)に切り替える(ステップSt38)。このとき、装置制御部16は、ネットワーク管理装置8の指示に従ってスイッチ部14を制御する。
次に、図14C(q)に示されるように、送信ノードAのSC2用の送信部131−2は、ネットワーク管理装置8の指示に従って出力を停止することにより、複製元であるサブキャリア信号SC2(W)を削除する(ステップSt39)。
次に、他のサブキャリア信号SC3,SC4の複製及び切り替えを、サブキャリア信号SC1,SC2と同様に行う(ステップSt40)。つまり、サブキャリア信号SC3,SC4の各波長が、Ch2の光信号の波長λjを超えるように、ステップSt30〜St39の処理を繰り返す。
次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121は、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の通過帯域BWjを拡張する(ステップSt41)。次に、送信ノードAにおいて、SC1〜SC4用の送信部131−0〜131−3は、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長をそれぞれ変更する(ステップSt42)。
次に、受信ノードCにおいて、SC1〜SC4用の受信部130−0〜130−3は、局発光の波長λxを、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長に応じてそれぞれ変更する(ステップSt43)。次に、送信ノードA及び中継ノードBにおいて、合波部121などは、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の通過帯域BWjを縮小する(ステップSt44)。
次に、ネットワーク管理装置8は、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長が、各々の所定の目標値と等しいか否かを判定する(ステップSt45)。このとき、ノードAの装置制御部16は、SC1〜SC4用の送信部131−0〜131−3から、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長をそれぞれ取得し、ネットワーク管理装置8に通知する。
ネットワーク管理装置8は、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長が、各々の所定の目標値と等しい場合(ステップSt45のYes)、デフラグメンテーション処理を終了する。一方、複製のサブキャリア信号SC1(P)〜SC4(P)の波長が、各々の所定の目標値と等しくない場合(ステップSt45のNo)、ネットワーク管理装置8は、各ノードA〜Cの伝送装置1に、ステップSt41〜St44の処理を繰り返すように指示する。このため、複製の光信号SC1(P)〜SC4(P)のデフラグメンテーション処理は、複製の光信号SC1(P)〜SC4(P)の波長が、各々の所定の目標値に達するまで行われる。このようにして、デフラグメンテーション処理は行われる。
図18は、実施例のデフラグメンテーション処理後のノードA〜D間の波長配置を示す配置図である。ここで、光信号(4−1)〜(4−4)は、サブキャリア信号SC1〜SC4、またはCh1の光信号に対応する。なお、デフラグメンテーション処理前のノードA〜D間の波長配置は、図6(a)に示される。
上述したように、Ch1の光信号の波長、またはサブキャリア信号SC1〜SC4の波長は、伝送路が重複するCh2の光信号の波長を超えて変化することができる。このため、光信号(4−1)〜(4−4)の波長を、光信号(1)の波長の長波長側の波長帯域にシフトさせることにより、断片領域A3に配置することができる。したがって、比較例において削除不可能であった断片領域A3が削除されるだけでなく、比較例のデフラグメンテーション処理で得られた空き領域A2よりも広い空き領域A4が確保される。
このように、実施例によると、光信号(4−1)〜(4−4)の波長の目標値を、光信号(1)の波長の長波長側に設定し、波長収容効率を効果的に向上することができる。なお、実施例では、波長を長波長側にシフトさせるデフラグメンテーション処理を例として挙げたが、波長を短波長側にシフトさせるデフラグメンテーション処理も、上述した手法により同様に行われる。
これまで述べたように、実施例に係る伝送装置1は、第1出力部(送信部)131a,131−1と、第2出力部(送信部)131b、131−0とを有する。第1出力部131a,131−1は、波長が可変である第1光信号(S(W),SC1(W))を出力し、第1光信号の波長を、第1光信号と伝送路が重複する第2光信号(Ch2)の波長に近づける。第2出力部131b、131−0は、第1光信号の複製である第3光信号(S(P),SC1(P))を、第2光信号を挟み、第1光信号の反対側の波長帯域に生成して出力する。第1出力部131a,131−1は、第3光信号が出力され、他の伝送装置1(受信ノードC)が、受信対象を第1光信号から第3光信号に切り替えた後、第1光信号の出力を停止する。
したがって、第1光信号を対象とするデフラグメンテーション処理において、第1光信号の波長は、第2光信号の波長を超えて変化することができる。このため、実施例に係る伝送装置1によれば、第1光信号の波長の目標値を、当該波長から見て、第2光信号の波長を超えた値に設定することができ、波長収容効率を効果的に向上することができる。
また、第1出力部131a,131−1は、第1光信号の波長を第2光信号の波長に近づけるため、第1光信号と第3光信号の波長差が低減される。このため、受信側の伝送装置1において、第1光信号と第3光信号の遅延差が低減され、受信対象を第1光信号から第3光信号に切り替えるときに、第1光信号及び第3光信号の各データを格納するバッファ量が低減される。
また、実施例に係る伝送システムは、1以上の伝送路を介して互いに接続された第1伝送装置(送信ノードAの伝送装置)1及び第2伝送装置(受信ノードCの伝送装置)1を有する。
第1伝送装置1は、第1出力部(送信部)131a,131−1と、第2出力部(送信部)131b、131−0とを有する。第1出力部131a,131−1は、波長が可変である第1光信号(S(W),SC1(W))を出力し、第1光信号の波長を、第1光信号と伝送路が重複する第2光信号(Ch2)の波長に近づける。第2出力部131b、131−0は、第1光信号の複製である第3光信号(S(P),SC1(P))を、第2光信号を挟み、第1光信号の反対側の波長帯域に生成して出力する。
第2伝送装置1は、第3光信号が出力された後、受信対象を、第1光信号から第3光信号に切り替える。第1出力部131a,131−1は、第1光信号の出力を停止する。
実施例に係る伝送システムは、上記の伝送装置1を含むので、上述した内容と同様の作用効果を奏する。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 波長が可変である第1光信号を出力し、前記第1光信号の波長を、前記第1光信号と伝送路が重複する第2光信号の波長に近づける第1出力部と、
前記第1光信号の複製である第3光信号を、前記第2光信号を挟み、前記第1光信号の反対側の波長帯域に生成して出力する第2出力部とを有し、
前記第1出力部は、前記第3光信号が出力され、他の伝送装置が、受信対象を前記第1光信号から前記第3光信号に切り替えた後、前記第1光信号の出力を停止することを特徴とする伝送装置。
(付記2) 前記第1出力部は、前記第1光信号の出力を停止した後、前記第2出力部の代わりに、他の光信号の複製である光信号を生成して出力することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3) データ信号を前記第1出力部及び前記第2出力部にそれぞれ分配する分配部を、さらに有し、
前記第1出力部及び前記第2出力部は、前記データ信号から前記第1光信号及び前記第3光信号をそれぞれ生成することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
(付記4) 前記第2出力部は、前記第3光信号の波長を、当該波長が所定の目標値となるまで変化させることを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の伝送装置。
(付記5) 1以上の伝送路を介して互いに接続された第1伝送装置及び第2伝送装置を有する伝送システムにおいて、
前記第1伝送装置は、
波長が可変である第1光信号を前記1以上の伝送路に出力し、前記第1光信号の波長を、前記第1光信号と伝送路が重複する第2光信号の波長に近づける第1出力部と、
前記第1光信号の複製である第3光信号を、前記第2光信号を挟み、前記第1光信号の反対側の波長帯域に生成して前記1以上の伝送路に出力する第2出力部とを有し、
前記第2伝送装置は、前記第3光信号が出力された後、受信対象を、前記第1光信号から前記第3光信号に切り替え、
前記第1出力部は、前記第1光信号の出力を停止することを特徴とする伝送システム。
(付記6) 前記第1出力部は、前記第1光信号の出力を停止した後、前記第2出力部の代わりに、他の光信号の複製である光信号を生成して出力することを特徴とする付記5に記載の伝送システム。
(付記7) 前記第1伝送装置は、データ信号を前記第1出力部及び前記第2出力部にそれぞれ分配する分配部を、さらに有し、
前記第1出力部及び前記第2出力部は、前記データ信号から前記第1光信号及び前記第3光信号をそれぞれ生成することを特徴とする付記5または6に記載の伝送システム。
(付記8) 前記第2出力部は、前記第3光信号の波長を、当該波長が所定の目標値となるまで変化させることを特徴とする付記5乃至7の何れかに記載の伝送システム。