JP6236233B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
シート本体の収納操作時には、シートバックが車体フロアに対してシートクッションを収納フロアへ移動させるように回転し、格納式脚部材がシートバックと連動して保持溝を中心として回転することで、シート本体を収納フロアに収納可能な構成となっている。
また、車両シートは、乗員が着座可能な着座可能状態から、格納式脚部材を保持溝から着脱した上で、シートクッションを上方に跳ね上げたチップアップ状態へ切り替え可能な構成となっている。
そのため、シンプルな構造で、かつ、シート本体の支持剛性を向上させた、収納フロアに収納可能な車両用シートが望まれていた。また、広い収納スペースを確保可能な車両用シートが望まれていた。
そのため、着座可能状態とチップアップ状態との間でシート本体を切り替える際に、脚部材を保持溝から着脱させたり、装着させたりする操作が必要となるが、脚部材の全長が長いことで、脚部材の前後方向の振れ幅が大きくなり、脚部材を保持溝に装着させる操作が困難となる恐れがあった。
そこで、着座可能状態から切り替え操作が容易な車両用シートが望まれていた。
また、本発明の他の目的は、収納フロア面に収納構造の構成部品を配置することなく、広い収納スペースを確保可能な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、着座可能状態から切り替え操作が容易な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両の衝突時にシート本体に慣性力がかかったとしても、シート本体を着座可能状態で安定して維持させることが可能な車両用シートを提供することにある。
また、収納構造の構成部品となる支持ベース、支持脚、脚保持部材、及びロック装置を車体フロア側に全て配置するため、収納フロアに広い収納スペースを確保可能となる。
また、脚保持部材が収納フロアではなく、車体フロア側に配置されているため、結果として、支持脚の全長を小さくできる。支持脚の全長が小さい分だけ、支持脚の前後方向の振れ幅が小さくなることから、支持脚が脚保持部材に保持され易くなる。従って、着座可能状態から切り替え操作が容易な車両用シートとなる。
また、支持脚を脚保持部材に保持させた状態でロック可能なロック装置を備えているため、シート本体を着座可能状態で安定して維持させることが可能な車両用シートとなる。さらに、ロック装置は、車体フロア上ではなく、車両用シート内に取り付けられるため、車体にシートを組み付けるだけで、ロック装置も搭載させることができ、シンプルな構造となる。
上記構成により、ロック装置は、車両用シートのうち、比較的支持剛性の高い支持ベースに取り付けられ、またシート前後方向においてコンパクトに配置されることになる。
上記構成により、ロック装置は、支持ベースのうち、比較的支持剛性の高い部分に取り付けられることになり、ロック装置の取り付け剛性が向上する。
上記構成により、脚保持部材及びロック装置の取り付け剛性が向上し、シート全体の剛性が向上する。
また、保持部材支持部のうち、第1ベース連結部が連結される部分と、第2ベース連結部が連結される部分とが、シート幅方向において重なる位置に配置されるため、シート幅方向においてシートのコンパクト化を図ることができる。
上記構成により、第2ベース連結部は閉断面構造からなり、また、保持部材支持部は、第2ベース連結部の外形に沿って連結されることになるから、支持ベースの支持剛性が向上する。
また、前記保持部材支持部の前記突出部は、シート前後方向に延びて形成され、該突出部のうち、シート前後方向において前記脚保持部材と対向する部分の突出量が、前記脚保持部材と対向しない部分の突出量よりも小さいと良い。
上記のように、保持部材支持部が突出部を備えるため、保持部材支持部の支持剛性が向上する。
また、上記のように、保持部材支持部は、その突出部の突出量を調整することで、脚保持部材に保持される支持脚との干渉を抑制した上で支持剛性を向上させることができる。
上記構成により、シート本体が着座可能状態と収納状態との間で切り替わるときに構成部品同士の干渉を抑制し、かつ、シート本体の大型化を軽減することを考慮して、操作部材を空いたスペースに配置することが可能になる。
上記構成により、支持ベースとシートクッションとの間の上下方向のスペースを確保することができる。その結果、シート本体が着座可能状態と収納状態との間で切り替わるときに構成部品同士の干渉を抑制することができる。
上記構成により、ロック装置は、係合位置と係合解除位置との間で移動可能な係合部材と、係合部材の、係合解除位置からの係合位置とは逆側への移動を規制する係合部材移動規制部とを備えているため、係合部材の切り替え移動が安定し、シート本体を着座可能状態で一層安定させることができる。
上記構成により、係合部材移動規制部は、支持ベースを構成する保持部材支持部の一部であるため、係合部材が比較的支持剛性の高い保持部材支持部に支持されて移動規制されることになり、係合部材の切り替え移動が一層安定する。さらに、支持ベースの構成部品を利用するため、部品点数の削減を図ることができる。
上記構成により、係合部材が延出部を備えるため、係合部材のうち、係合部材移動規制部と当接する側の剛性が向上し、係合部材の切り替え移動が一層安定する。
上記構成により、慣性ロック装置及び脚保持部材がそれぞれ取り付けられた支持ベースと、シートクッションとの間の上下方向のスペースを確保することができる。
上記構成により、車両の衝突時にシート本体に慣性力がかかったとしても、慣性ロック装置の係合部材が、脚保持部材に保持された支持脚の、脚保持部材からの離脱を規制するため、結果として、シート本体を着座可能状態で安定して維持させることができる。
また、収納構造の構成部品となる支持ベース、支持脚、脚保持部材、及びロック装置を車体フロア側に全て配置するため、収納フロアに広い収納スペースを確保可能となる。
また、脚保持部材が収納フロアではなく、車体フロア側に配置されているため、結果として、支持脚の全長を小さくできる。支持脚の全長が小さい分だけ、支持脚の前後方向の振れ幅が小さくなることから、支持脚が脚保持部材に保持され易くなる。従って、着座可能状態から切り替え操作が容易な車両用シートとなる。
また、支持脚を脚保持部材に保持させた状態でロック可能なロック装置を備えているため、シート本体を着座可能状態で安定して維持させることが可能な車両用シートとなる。さらに、ロック装置は、車体フロア上ではなく、車両用シート内に取り付けられるため、車体にシートを組み付けるだけで、ロック装置も搭載させることができ、シンプルな構造となる。
請求項3の発明によれば、ロック装置は、支持ベースのうち、比較的支持剛性の高い部分に取り付けられることになり、ロック装置の取り付け剛性が向上する。
請求項4の発明によれば、脚保持部材及びロック装置の取り付け剛性が向上し、シート全体の剛性が向上する。
また、保持部材支持部のうち、第1ベース連結部が連結される部分と、第2ベース連結部が連結される部分とが、シート幅方向において重なる位置に配置されるため、シート幅方向においてシートのコンパクト化を図ることができる。
請求項6、7の発明によれば、保持部材支持部が突出部を備えるため、保持部材支持部の支持剛性が向上する。
また、保持部材支持部は、その突出部の突出量を調整することで、脚保持部材に保持される支持脚との干渉を抑制した上で支持剛性を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、シート本体が着座可能状態と収納状態との間で切り替わるときに構成部品同士の干渉を抑制し、かつ、シート本体の大型化を軽減することを考慮して、操作部材を空いたスペースに配置することが可能になる。
請求項10の発明によれば、ロック装置は、係合位置と係合解除位置との間で移動可能な係合部材と、係合部材の、係合解除位置からの係合位置とは逆側への移動を規制する係合部材移動規制部とを備えているため、係合部材の切り替え移動が安定し、シート本体を着座可能状態で一層安定させることができる。
請求項11の発明によれば、係合部材移動規制部は、支持ベースを構成する保持部材支持部の一部であるため、係合部材が比較的支持剛性の高いに保持部材支持部に支持されて移動規制されることになり、係合部材の切り替え移動が一層安定する。さらに、支持ベースの構成部品を利用するため、部品点数の削減を図ることができる。
請求項13の発明によれば、慣性ロック装置及び脚保持部材がそれぞれ取り付けられた支持ベースと、シートクッションとの間の上下方向のスペースを確保することができる。
請求項14の発明によれば、車両の衝突時にシート本体に慣性力がかかったとしても、慣性ロック装置の係合部材が、脚保持部材に保持された支持脚の、脚保持部材からの離脱を規制するため、結果として、シート本体を着座可能状態で安定して維持させることができる。
なお、車両用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
車両用シートSは、図1に示すように、シートバック1と、シートクッション2と、ヘッドレスト3とを備えるシート本体と、図2に示すように、車体フロアに取り付けられ、シート本体を前後方向に移動可能な状態で支持する左右のレール装置4と、シート本体とレール装置4の間に取り付けられ、シートクッション2を支持する支持脚30と、シートバック1を回動可能に支持する支持ベース40と、支持ベース40に取り付けられ、支持脚30を着脱可能に保持する脚保持部材50と、から主に構成されている。
また、車両用シートSには、支持ベース40に対してシートバック1を回動可能に連結するリクライニング装置13と、シートバック1に対してシートクッション2を回動可能に連結するクッションロック装置25と、支持脚30を脚保持部材50に保持された状態でロック可能な慣性ロック装置54と、が取り付けられている。
車両用シートSの前方側には、図6に示すように、車体フロアよりも低位置に形成された凹型の収納フロアが設けられている。
具体的には、車両用シートSは、図6(a)に示す着座可能状態から、乗員が不図示の操作レバーを引っ張ると、シート本体が前倒れして折り畳まれ、収納フロアに収納された図7(c)に示す収納状態に切り替わる。また、収納状態から、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで図8(b)に示すチップアップ状態に切り替わる。さらに、チップアップ状態から、乗員が操作レバーとして機能する支持脚30を引っ張ると、シートバック1に対してシートクッション2がシート下方に回転し、着座可能状態に復帰する。詳細は後述する。
シートクッション2は、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる図2に示すクッションフレーム20に、クッションパッド2aを載置して、クッションパッド2aの上から表皮2bによって被覆されて構成されている。
ヘッドレスト3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のピラーにクッションパッド3aを載置して、表皮3bで被覆されて構成されている。
左右のアッパレール4bの上面には、支持ベース40が架設されている。
なお、レール装置4には、アッパレール4bを摺動不能にロックする不図示のロック部材と、ロック部材のロック状態を解除する不図示の操作部材とが取り付けられている。
連結ブラケット11は、上下方向に延出する板金部材からなり、シート側面側から見て略弓形状に形成されており、連結ブラケット11の上端部がバックフレーム10に取り付けられ、その下端部が支持ベース40に取り付けられている。
左側の連結ブラケット11の下端部には、左右方向において支持ベース40に軸支されたバック回動軸12が設けられ、右側の連結ブラケット11の下端部には、支持ベース40に対してバックフレーム10を回動可能に連結するリクライニング装置13が取り付けられている。
リクライニング装置13は、バック回動軸13aと、バックフレーム10をバック回動軸13aを中心として前方側に回転させて収納状態に付勢する渦巻きバネ13bと、から主に構成されている。
バック回動軸13aは、左右方向においてバックフレーム10側と支持ベース40側とに軸支され、渦巻きバネ13bは、その一端部がバックフレーム10側に係止され、他端部が支持ベース40側に係止されている。
リクライニング装置13は、バックフレーム10の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能であって、バックフレーム10を起立状態にロックし、不図示の操作レバーが操作されることでロック状態を解除し、渦巻きバネ13bの付勢力によってバックフレーム10を前方側に回転させて支持ベース40側に折り畳むことができる。
サイドフレーム21は、前後方向に延出する板金部材からなり、その前方部分が前方連結パイプ22と連結され、その後方部分であって上端部には、バックフレーム10に対してクッションフレーム20を回動可能に連結するクッションロック装置25が取り付けられている。
なお、シート側面側から見てサイドフレーム21の外縁部には、左右外側に屈曲された不図示のフランジ部が形成され、前方連結パイプ22及びバックフレーム10の支持剛性を高めている。
クッション回動軸25aは、左右方向においてバックフレーム10とクッションフレーム20とに軸支され、渦巻きバネ25bは、その一端部がバックフレーム10側に係止され、他端部がクッションフレーム20側に係止されている。
クッションロック装置25は、クッションフレーム20の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能である。
クッションロック装置25は、図7(c)に示すように、シート本体を収納フロアに収納させたときに、具体的には、バックフレーム10をクッションフレーム20側に折り畳んだ状態のときに、クッションフレーム20の回動動作をロックする。そして、図10に示すように、操作レバーとして機能する支持脚30が引っ張られるとロック状態を解除し、渦巻きバネ25bの付勢力によってバックフレーム10に対してクッションフレーム20を下方側に回転させることができる。
脚ロック装置26は、脚回動軸26aと、支持脚30を脚回動軸26aを中心としてクッションフレーム20とは逆側に、言い換えれば、クッションフレーム20から離れる方向に付勢するバネ部材26bと、を備えている。
脚回動軸26aは、左右方向において前方連結パイプ22と、支持脚30の上端部とに軸支され、バネ部材26bは、その一端部がクッションフレーム20側に係止され、他端部が支持脚30側に係止されている。
脚ロック装置26は、支持脚30の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能であって、収納状態となるときに、具体的には、図7(a)に示すように、支持脚30が脚保持部材から離脱したときに支持脚30の回動動作をロックする。そして、図10に示すように、ロックされた支持脚30が引っ張られるとロック状態を解除し、バネ部材26bの付勢力によって、着座可能状態に復帰させるように支持脚30を脚保持部材50に装着可能な位置に移動させることができる。
脚本体部31の上端部は、クッションフレーム20の左右内側面であって前後方向の略中央部分に連結され、脚連結部32の左右方向の略中央部は、脚保持部材50に着脱可能に保持されている。
支持脚30の上端部は、支持脚30の下端部よりもシート前方に配置されており、支持脚30下端部側から支持脚30上端部側に向かって前方に上方傾斜している。
支持ベース40は、図1に示すベースカバー60によって上方から覆われている。
サイドベース部41のうち、内側壁部41bの下端部、外側壁部41cの上端部には、それぞれ左右内側に折り曲げられたフランジ部41d、41eが形成されている。
また、左側のサイドベース部41のうち、シート側面側から見てバック回動軸12と対向する部分には、略半円形状の切り欠き部41fが形成されており、バック回動軸12をシート側面側から組み付け易くなっている。
補強ベース部44は、図3に示すように、前後方向に長尺な略クランク形状の板金部材からなり、サイドベース部41上面に連結された連結壁部44aと、連結壁部44aの左右内側端部から下方へ屈曲された内側壁部44bと、連結壁部44aの左右外側端部から上方へ屈曲された外側壁部44cと、から主に構成されている。
補強ベース部44のうち、内側壁部44bの下端部には、左右内側に折り曲げられたフランジ部44dが形成され、外側壁部44cの上端部には、左右外側に折り曲げられたフランジ部44eが形成されている。
補強ベース部44は、連結壁部44aにおいてサイドベース部41に取り付けられているほか、フランジ部44eと、サイドベース部41のフランジ部41eとが上下で重なり合って閉断面構造を形成する構成となり、支持ベース40の支持剛性が向上している。
言い換えれば、支持ベース40は最中形状となっている。
左側の補強ベース部44は、左右方向において連結ブラケット11とサイドベース部41との間に挟まれて連結されている。
このとき、保持部材支持部45のうち、第1ベース連結部42に取り付けられる部分と、第2ベース連結部43に取り付けられる部分とが、左右方向において重なる位置に配置されている。
なお、移動規制部45dが特許請求の範囲の係合部材移動規制部に相当する。
なお、中央部45aは、脚保持部材50の外形に沿わせて折り曲げられており、脚保持部材50の支持剛性を確保した形状となっている。
湾曲部45cは、突出部45bの前端部及び後端部においてそれぞれ前後内側に向かって切り欠くように形成されており、前端側の湾曲部45c前面には第1ベース連結部42が連結され、後端側の湾曲部45c後面には第2ベース連結部43が連結される。
詳しく言うと、第1ベース連結部42は、保持部材支持部45の前端側の上面部と、湾曲部45c前面とで当接し、溶着等によって接合されている。第2ベース連結部43も同様である。
なお、湾曲部45cは、第1ベース連結部42及び第2ベース連結部43の外形にそれぞれ沿わせて略円弧状に形成されており、連結剛性を確保した形状となっている。
各側壁部51は、その下端部から上端部に向かって互いに近接する方向に折り曲げられており、言い換えれば、脚保持部材50の開口部分を狭めるように開口内側方向に折り曲げられており、上端部には、開口部外側方向に反り曲げられたカール部53が形成されている。
底壁部52は、湾曲形状からなり、保持部材支持部45の中央部45aに沿わせるようにして取り付けられている。詳しく言うと、底壁部52は、その一部を切り起こした不図示の切り起こし部を備え、切り起こし部が、中央部45aに形成された不図示の掛け止め溝に掛け止めされることで取り付けられている。
脚保持部材50は、その開口部分の幅を支持脚30の幅径よりもやや狭く形成しており、脚保持部材50を弾性変形させることで、支持脚30を着脱可能に保持する。
脚保持部材50に左右方向で隣接した部分には、慣性ロック装置54が配置されている。
慣性ロック装置54は、前後方向において第1ベース連結部42と第2ベース連結部43の間に配置され、上下方向において脚保持部材50と重なる位置に配置されている。
なお、係合フック55が、特許請求の範囲の係合部材に相当し、付勢バネ57が、特許請求の範囲の付勢部材に相当する。
詳しく言うと、係合フック55は、ロック回動軸56を中心として係合解除位置と係合位置との間で前後方向に回転移動可能に構成されている。
なお、後方延出部55dが、特許請求の範囲の延出部に相当する。
また、係合部55bは、係合位置にあるとき、前方斜め前方向において、具体的には、支持脚30の離脱方向において、支持脚30の脚連結部32と所定距離だけ離間した対向位置で配置されている。
また、前方当接部55cは、係合位置にあるとき、脚保持部材50よりも下方に位置し、支持脚30下端部の脚連結部32と当接した対向位置で配置されている。
このとき、保持部材支持部45の移動規制部45dは、係合フック55の後方に配置されており、係合フック55の、係合解除位置からの係合位置とは逆側への移動を規制するものである。具体的には、係合解除位置にあるとき、フック本体部55aの後端と当接可能に構成されている。
そのため、後方延出部55dによって、係合フック55のうち、移動規制部45dと当接する後端部分の剛性が向上し、係合フック55の切り替え移動が安定する。
詳しく言うと、係合フック55は、付勢バネ57によって係合解除位置側に付勢され、一方で、係合フック55後端が図4に示す保持部材支持部45の移動規制部45dと当接することによって移動規制されているため、係合解除位置に位置決めされることになる。
そして、係合フック55が係合位置にあるときに、支持脚30が脚保持部材50から離脱されると、支持脚30と前方当接部55cとが離間することになる。その結果、係合フック55は、付勢バネ57の付勢力によってロック回動軸56を中心として後方側に回転移動し、図5(a)に示す係合解除位置に再び位置決めされる。
具体的には、車両の前方衝突によって係合フック55が衝撃荷重を受けると、係合フック55が付勢バネ57の付勢力に抗して係合位置側に向かう方向に慣性力が作用する。
そして、係合フック55は、図5(c)に示すように、支持脚30の脚保持部材50からの離脱を規制する位置に移動する。
係合フック55は、図5(c)に示すように、車両の前方衝突時において係合部55bが係合溝部30aと係合するように構成されており、支持脚30の脚保持部材50からの離脱を規制することができる。
詳しく説明すると、車両の前方衝突によって、係合フック55は、シート前方に働く慣性力を受けて図5(b)に示す係合位置から、図5(c)に示す離脱規制位置まで前方移動する。一方、支持脚30も同様に、シート前方に働く慣性力を受けて前方方向、すなわち脚保持部材50から離脱する方向へ移動する。
その結果、係合フック55の係合部55bと、支持脚30の係合溝部30aとが係合するようになる。車両衝突後、係合フック55及び支持脚30は、図5(b)に示す係合位置に復帰することになる。
このように配置されるため、係合位置にあるとき、支持脚30が脚保持部材50から離脱しようとする際に係合部55bと係合溝部30aとが係合することがなく、着座可能状態から収納状態又はチップアップ状態へ容易に切り替えることができる。
一方、係合部55bは、図5(c)に示すように、車両衝突時に支持脚30の係合溝部30aよりも上方に位置し、前後方向において係合溝部30aよりも前方位置に配置されることになる。
その結果、係合フック55が図5(c)の位置にあるとき、支持脚30が脚保持部材50から離脱しようとする際に係合部55bと係合溝部30aとが係合することになり、支持脚30が離脱することなく、着座可能状態が安定して維持されることになる。
脚収容凹部61は、その開口部分を前方斜め上方に向けた位置で配置されており、底面部分から開口部分側に向かうほど幅広となるように形成され、脚収容凹部61が支持脚30を収容し易い形状となっている。
なお、脚収容凹部61には、さらに不図示の貫通穴が形成されており、ベースカバー60裏面側から慣性ロック装置54が貫通穴を介して外部に露出するように構成されている。
脚ガイド部62は、着座可能状態のときに、図1に示すように、支持脚30の前方に配置され、脚保持部材50及び脚収容凹部61から離脱した支持脚30と当接し、支持脚30が脚回動軸26aを中心としてシートクッション2側に収納回転するのをガイドする。
支持脚30上端部にある脚回動軸26aは、着座可能状態にあるときに脚保持部材50よりもシート前方に配置されている。
乗員が操作レバーを操作することで、図6(b)に示すように、リクライニング装置13のロック状態が解除され、シートバック1は、渦巻きバネ13bの付勢力によって、シートクッション2を収納フロアまで移動させるようにバック回動軸13aを中心としてシート前方側に回転を開始する。
支持脚30は、シートバック1の回転に連動して、シートクッション2に対して脚回動軸26aを中心としてシートクッション2側に回転を開始する。このとき、支持脚30は、シートクッション2と車体フロア側との間で突っ張った状態となるため、シートクッション2及びシートバック1を安定して移動させることができる。
なお、操作レバーとリクライニング装置13との間には、不図示の公知なケーブルが連結されており、操作レバーの操作によってケーブルが引っ張られ、ロック状態を解除する構成となっている。
離脱した支持脚30は、脚ロック装置26によって、バネ部材26bの付勢力に抗して脚回動軸26aを中心としてシートクッション2側に折り畳まれるように回転する。そして、支持脚30は、シートクッション2側に収納された状態でロックされる。
シートクッション2の前後両端部には、収納フロア面に対して摺動可能な不図示の摺動部材が取り付けられており、シートバック1の回転に伴って、シートクッション2はシート前方側に向かって収納フロア面を安定して摺動することができる。
なお、摺動部材は、シートクッション2の前後両端部のうち、少なくとも一方に取り付けられていれば良い。
シートクッション2は、収納状態のときに、具体的には、シートバック1がシートクッション2側に折り畳まれた状態のときに、クッションロック装置25によってロックされる。
支持脚30は、収納状態のときに脚保持部材50よりも下方位置に配置される。
車両用シートSが図8(a)に示す収納状態にあるときに、例えば、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで図8(b)に示すチップアップ状態に切り替わる。
このとき、クッションロック装置25が、シートクッション2の回動動作をロックしているため、シートバック1を上方に起こすことでシートクッション2も一体的に上方に起こすことが可能である。
なお、チップアップ状態のときに、アッパレール4bをロアレール4aに対してシート後方側に摺動させることによって、シート前方側に広い荷室スペースを確保することができる。
車両用シートSをチップアップ状態から着座可能状態へ移動させるときには、図9(a)に示すように、例えば操作レバーとして機能する支持脚30を操作する。
乗員が支持脚30を脚回動軸26aを中心として上方回転させるように、言い換えれば、シートクッション2側から離れる方向に引っ張ることで、クッションロック装置25、及び脚ロック装置26のロック状態が解除される。
なお、支持脚30と、クッションロック装置25との間には、不図示の公知なケーブルが連結されており、支持脚30の操作によってケーブルが引っ張られ、ロック状態を解除する構成となっている。
支持脚30は、脚ロック装置26の解除に伴い、バネ部材26bの付勢力によって、脚保持部材50に装着可能な位置まで脚回動軸26aを中心として回転し、脚保持部材50に装着されることになる。
このとき、支持脚30は、ベースカバー60のうち、脚収容凹部61、及び脚ガイド部62にガイドされることよって、脚収容凹部61の下端側に取り付けられた脚保持部材50に向かって移動するようになる。
上記一連の動作により、車両用シートSが図9(b)に示す着座可能状態に復帰する。
このように構成することで、脚保持部材50に保持される支持脚30をコンパクトに配置することができる。また、支持脚30がシートクッション2の前後方向の略中央部分を支持する構成となり、シートクッション2の支持剛性を高めることができる。
なお、車体フロアは、段差部を含むものであり、収納フロアを含まないものである。
第2ベース連結部43後方の空いたスペースには、そのほか、着座可能状態においてシートバック1及びシートクッション2のうち、少なくとも一方の位置を変更可能な操作部材を別途配置することが可能である。
このとき、支持脚30の上端部は、支持脚30の下端部よりもシート後方に配置され、支持脚30下端部側から支持脚30上端部側に向かって後方に上方傾斜していると、シートクッション2側に収納回転し易くなって良い。
また、支持ベース40は、図2に示すように、連結ブラケット11を介してシートバック1を回動可能に支持する構成としているが、これに限定されることなく適宜変更しても良い。
例えば、支持ベース40は、シートクッション2を介して間接的にシートバック1を支持する構成とし、シートバック1がシートクッション2に対して回動可能に連結されるものも他の実施形態として含まれる。
また、連結ブラケット11を不要にしてシートバック1を直接支持ベース40に回動可能に取り付ける構成も他の実施形態として含まれる。
また、支持ベース40と連結ブラケット11とは異なる構成部品としているが、支持ベース40が連結ブラケット11を備える構成も含まれる。
具体的には、第2ベース連結部43と係合フック55の後方延出部55dとが、前後方向に当接可能な構成となると良い。
このように構成することで、係合フック55と、移動規制部として機能する部分との当接面積が大きくなり、係合部材の切り替え移動が一層安定することになる。
具体的には、慣性ロック装置54が、前方衝突時用として支持脚30のシート後方に配置されているが、後方衝突時に用いるために、支持脚30を境に反転させて、支持脚30のシート前方に配置されると良い。さらに、第2ベース連結部43の代わりに第1ベース連結部42が係合フック55の移動規制部として機能すると良い。
このように構成することで、車両の後方衝突時用として慣性ロック装置54をシートに取り付けることができるようになる。このとき、前方衝突時用、後方衝突時用の両方の慣性ロック装置を備えていても良い。
このように構成されることで、例えば、シート本体が着座可能状態のときに支持脚をロックする操作が可能になり、乗員がシート本体に安定して着座できるようになる。
なお、車両用シートS内とは、車両用シートS内部又は車両用シートS上に取り付けられる全ての部分を含むものである。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、支持脚30、支持ベース40、脚保持部材50、及び慣性ロック装置54の形状、配置、及び構成について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
1 シートバック
1a、2a、3a クッションパッド
1b、2b、3b 表皮
2 シートクッション
3 ヘッドレスト
4 レール装置
4a ロアレール
4b アッパレール
10 バックフレーム
11 連結ブラケット
12 バック回動軸
13 リクライニング装置
13a バック回動軸
13b 渦巻きバネ
20 クッションフレーム
21 サイドフレーム
22 前方連結パイプ
23 中央連結パイプ
24 パンフレーム
25 クッションロック装置
25a クッション回動軸
25b 渦巻きバネ
26 脚ロック装置
26a 脚回動軸
26b バネ部材
30 支持脚
30a 係合溝部
31 脚本体部
32 脚連結部
40 支持ベース
41 サイドベース部
41a 連結壁部
41b 内側壁部
41c 外側壁部
41d、41e フランジ部
41f 切欠き部
42 第1ベース連結部
43 第2ベース連結部
44 補強ベース部
44a 連結壁部
44b 内側壁部
44c 外側壁部
44d、44e フランジ部
45 保持部材支持部
45a 中央部
45b 突出部
45c 湾曲部
45d 移動規制部
50 脚保持部材
51 側壁部
52 連結壁部
53 カール部
54 慣性ロック装置
55 係合フック
55a フック本体部
55b 係合部
55c 前方当接部
55d 後方延出部
56 ロック回動軸
57 付勢バネ
60 ベースカバー
61 脚収容凹部
62 脚ガイド部
Claims (14)
- シートバック、及び該シートバックに連結されたシートクッションを収納可能な車両用シートであって、
車体フロアに設けられ、前記シートクッションの下方に配置されて前記シートバックの下端側が回動可能に連結される支持ベースと、
上端側が前記シートクッションに取り付けられ、下端側が前記支持ベースに連結される支持脚と、
前記支持ベースに取り付けられ、前記支持脚の下端側を着脱可能に保持する脚保持部材と、
前記車両用シート内に取り付けられ、前記支持脚を前記脚保持部材に保持された状態でロック可能なロック装置と、を備えていることを特徴とする車両用シート。 - 前記ロック装置は、前記支持ベースに取り付けられ、該支持ベースの前端と後端との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
- 前記支持ベースは、シート側方に配置され、前記シートバックの下端側が連結される左右のサイドベース部と、該左右のサイドベース部を連結する第1ベース連結部と、該第1ベース連結部よりも後方の位置で前記左右のサイドベース部を連結する第2ベース連結部と、を備え、
前記ロック装置は、前記第1ベース連結部と前記第2ベース連結部との間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。 - 前記支持ベースは、シート前後方向に延びて前記第1ベース連結部と前記第2ベース連結部とを連結し、前記脚保持部材及び前記ロック装置が取り付けられる保持部材支持部を備え、
該保持部材支持部のうち、前記第1ベース連結部が連結される部分と、前記第2ベース連結部が連結される部分とが、シート幅方向において重なる位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。 - 前記第2ベース連結部は、断面略円形のパイプ部材からなり、
前記保持部材支持部のうち、前記第2ベース連結部と連結される部分には、前記第2ベース連結部に沿って形成された湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。 - 前記保持部材支持部は、シート幅方向の端部側に上下方向に突出する突出部を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用シート。
- 前記保持部材支持部の前記突出部は、シート前後方向に延びて形成され、
該突出部のうち、シート前後方向において前記脚保持部材と対向する部分の突出量が、前記脚保持部材と対向しない部分の突出量よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の車両用シート。 - 乗員が着座可能な着座可能状態において前記シートバック及び前記シートクッションのうち、少なくとも一方の位置を変更可能な操作部材を備え、
該操作部材は、前記第2ベース連結部の後方に配置されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の車両用シート。 - 前記ロック装置の少なくとも一部が、前記第1ベース連結部及び前記第2ベース連結部のそれぞれの上面よりも下方に位置するように配置されることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の車両用シート。
- 前記ロック装置は、前記脚保持部材に保持された前記支持脚と係合する係合位置と、前記支持脚との係合を解除する係合解除位置との間で移動可能な係合部材を備え、
前記支持ベースは、前記係合部材の、係合解除位置からの係合位置とは逆側への移動を規制する係合部材移動規制部を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。 - 前記係合部材移動規制部は、前記保持部材支持部の一部であって、前記係合部材のシート後方に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用シート。
- 前記係合部材のうち、前記係合部材移動規制部と当接する側には、シート幅方向に延びる延出部が形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の車両用シート。
- 前記ロック装置は、上下方向において前記脚保持部材と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の車両用シート。
- 前記ロック装置は、車両の前方衝突時又は後方衝突時に前記支持脚を前記脚保持部材に保持された状態でロックする慣性ロック装置であって、
該慣性ロック装置は、前記支持ベースに取り付けられ、前記係合部材を回動可能に支持するロック回動軸と、前記係合部材を前記ロック回動軸を中心として係合解除位置側に付勢する付勢部材と、を備え、
車両の前方衝突又は後方衝突によって前記係合部材が衝撃荷重を受けて、前記係合部材が前記付勢部材の付勢力に抗して係合位置側に向かう方向に慣性力が作用したときに、
前記係合部材は、前記支持脚の前記脚保持部材からの離脱を規制することを特徴とする請求項10に記載の車両用シート。
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