JP6234917B2 - 金属−空気二次電池用負極材料、及びこれを備える金属−空気二次電池 - Google Patents

金属−空気二次電池用負極材料、及びこれを備える金属−空気二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、金属−空気二次電池用負極材料、及びこれを備える金属−空気二次電池に関する。
実用化されている二次電池の中で、現在最もエネルギー密度(電池質量に対する放電可能な電力量)が高いものはリチウムイオン電池とされている。このリチウムイオン電池のエネルギー密度を超える二次電池の一つとして、金属−空気二次電池が注目されている。金属−空気二次電池においては、正極の反応物質が空気中の酸素であり、負極の反応物質が金属である。この金属−空気二次電池の最大の特徴は、正極で大気中の酸素を活用しているため、正極の反応物質の質量を理論上ゼロにできる点にある。電池の質量は、正負電極での反応物質の質量と、反応を仲介する電解質の質量とが大部分を占める。このため、片方の電極の反応物質の質量をゼロにできる金属−空気二次電池は、エネルギー密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
金属−空気二次電池としては、炭素粉末等の導電材と酸素還元触媒とを組み合わせたものを正極(空気極)とし、亜鉛、アルミニウム、鉄、リチウム等を負極(金属極)として構成されるものが一般的である。負極材料の中でも、鉄はコスト面などで優れ、例えばKOH−ZrO系固体電解質表面に、負極活物質である酸化鉄ナノ粒子が担持されてなる負極を有する金属−空気全固体二次電池が開発されている(特開2012−74371号公報参照)。このような負極を用いることで、鉄粉のみからなる負極を用いた場合と比べて、金属−空気全固体二次電池の特性が向上するとされる。しかし、上記負極を有する二次電池の最大放電容量も十分なものではなく、より性能に優れる金属−空気二次電池用負極材料の開発が強く望まれている。
特開2012−74371号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、金属−空気二次電池が良好な充放電性能を発揮することができる金属−空気二次電池用負極材料、及びこれを金属極として備える金属−空気二次電池を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、金属−空気二次電池に用いられる負極材料であって、多孔質状の表面部分を有する鉄又は酸化鉄を備えることを特徴とする金属−空気二次電池用負極材料である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該金属−空気二次電池用負極材料を金属極として備える金属−空気二次電池である。
本発明によれば、金属−空気二次電池が良好な充放電性能を発揮することができる。
実施例1の負極材料の表面のSEM画像である。 実施例1の金属−空気二次電池の放電容量の変化を示すグラフである。 実施例2の負極材料の表面のSEM画像である。 実施例2の金属−空気二次電池の放電容量の変化を示すグラフである。
[金属−空気二次電池用負極材料]
本発明の一実施形態に係る金属−空気二次電池用負極材料は、多孔質状の表面部分を有する鉄又は酸化鉄を備える。
鉄又は酸化鉄は、金属−空気二次電池における負極の活物質となる。鉄又は酸化鉄は、充電−放電状態により、その一部又は全部が、金属(Fe)又は金属酸化物(例えばFe、Fe等)として存在する。鉄は自然界で豊富に存在する金属であり、電池の電圧向上作用が期待できる。また、コストも他の金属と比べて圧倒的に安く、金属−空気二次電池の普及の助けとなる。
ここで、鉄とは、鉄そのもののみならず、鉄合金や鉄含有物質も含む広い意味である。鉄は、酸化還元電位の絶対値は比較的小さいが、そのイオン化物(鉄イオン)が移動しないため、繰返し充放電しても金属極が安定するという利点を有する。また、鉄は安価で埋蔵量も多く、二次電池として使用してもデンドライトの形成が起きないため、安全な二次電池の提供が期待できる。
しかしながら、鉄又は酸化鉄を金属−空気二次電池の負極材料に用いた場合、この鉄や酸化鉄は、亜鉛やマグネシウム等と異なり溶出しないため、鉄や酸化鉄が酸化還元反応に効率的に寄与する領域は、鉄又は酸化鉄の表面近傍(例えば表面から100nm程度)に限定される。従って、電池反応に寄与する割合を高めるためには、鉄又は酸化鉄の内部まで電解質に接する必要があり、表面積の大きな多孔性の負極(多孔質状の表面部分を有する鉄又は酸化鉄)を用いる利点が大きい。
鉄又は酸化鉄の表面部分は多孔質状である。この多孔質状とは、液体電解質又は固体電解質が、孔内部に侵入することが可能な程度の大きさの多数の孔を有する形状をいう。鉄又は酸化鉄の表面がこのような形状を有する場合、金属−空気二次電池において、負極材料(金属極)と電解質との接触面積が広がるため反応効率が高まり、また酸化還元反応により生じた電子を速やかに運ぶことができる。従って、これにより電気化学特性が高まり、効率的な充電及び放電が可能となる。
鉄又は酸化鉄(負極材料)は、少なくとも表面部分が多孔質状であればよく、内部はバルク状であってもよいし、多孔質状であってもよい。すなわち、集電体には貫通孔が形成されていてもよい。一部が酸化する場合には集電体をかねることができる。全部酸化させると負極の利用効率がよくなる。この場合は別途集電体を設ける。多孔質状の表面部分は、好ましくは膜状に存在する。多孔質状である表面部分の平均厚さの下限としては、例えば0.1μmであり、1μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。多孔質状の表面部分の平均厚さ(領域)を上記下限以上とすることにより表面積を効率的に拡大することができる。この平均厚さの上限としては特に限定されず、例えば20μmとすることができ、10μmが好ましい。
多孔質状の表面部分に存在する孔の平均径の上限としては、100nmが好ましく、60nmがより好ましい。一方、この下限としては、例えば10nmとすることができ、20nmが好ましい。孔の平均径は、SEM(走査型電子顕微鏡)画像で確認できる任意の5個の孔の開口部分の直径の平均値とする。なお、開口部分の直径とは、この開口部分と等面積の真円の直径とする。また、表面部分における隣接する孔同士の平均距離の上限としては、500nmが好ましく、200nmがより好ましい。一方、この下限としては、例えば10nmであり、20nmが好ましい。隣接する孔同士の平均距離は、SEM画像で確認できる任意の5組の隣接する孔間における開口部分の重心間距離の平均値とする。孔の平均径及び平均距離を上記範囲とすることで、十分に表面積を広げ、充放電性能を高めることができる。
多孔質状の表面部分の形成方法は特に限定されないが、鉄の陽極酸化により形成することが好ましい。鉄の陽極酸化により、好ましいサイズの孔等を有する多孔質状の表面部分(多孔質酸化鉄膜)を効率的に形成することができる。
鉄の陽極酸化は、電解質溶液中に鉄を浸漬し、この鉄を陽極(正極)として通電することにより行うことができる。このときの陰極(負極)としては、例えば白金等が用いられる。鉄の陽極酸化においては、鉄が酸化されて鉄イオンとなると共に、この鉄イオンが電解質中の水等が有する酸素原子と結合として酸化鉄となり、この酸化鉄が陽極である鉄表面に析出する。このとき、酸化鉄皮膜形成の進行と、皮膜中の鉄の溶出とが並行して起きることなどにより、皮膜が多孔質状となる。多孔質部分(皮膜)の厚さや孔径などは、陽極酸化処理における電圧、温度、電解質濃度、電解質種類等を変更することなどにより制御することができる。
この鉄の陽極酸化の際の電解質溶液としては、例えば水、エチレングリコール及びNHFの混合溶液などを用いることができる。また、陽極酸化の際の電圧としては、例えば30V以上100V以下とすることができる。
陽極酸化により多孔質皮膜を形成した後に、加熱(アニール)処理を行うことが好ましい。この加熱処理により、例えば電解質溶液中のNHFにより生成したフッ化鉄を酸化鉄にすることができるなど、鉄の酸化を十分に進行させることができる。この際の加熱温度としては、例えば300℃以上600℃以下とすることができる。また、加熱時間としては、例えば1時間以上5時間以下とすることができる。
負極材料(鉄又は酸化鉄)の形状は、特に限定されず、板状、粒子状、線状などとすることができる。鉄ワイヤ等の線状の集電体の場合、例えば(a)鉄ワイヤが規則的に配列するメッシュ構造、(b)鉄ワイヤがランダムに配列する不織布構造(スチールウール状構造)、(c)三次元網目構造(スポンジ構造)、(d)これらの構造が組み合わされた構造のものなどを採用することができる。
負極材料の形状は、集電体を含めてシート状とすることができる。シート状の集電体とは、鉄箔の他、例えば鉄ワイヤ等を用いて形成されたメッシュ構造やスポンジ構造を有するシート状の集電体も含む。集電体(負極材料)をシート状とすることで、正極、電解質及び負極が層状に構成される金属−空気二次電池を容易に形成することができる。シート状の集電体の平均厚さとしては特に制限されないが、下限は例えば0.01mmであり、0.1mmが好ましい。一方、この上限は例えば10mmであり、3mmが好ましく、1mmがより好ましい。このような厚さとすることにより、負極としてより十分な機能を発揮させることができる。
集電体(鉄又は酸化鉄)全体の空隙率の下限としては、例えば1体積%であり、10体積%が好ましく、20体積%がより好ましい。この上限としては例えば80体積%である。集電体全体の空隙率を上記下限以上とすることで、表面積を広げ、充放電効率を高めることができる。なお、集電体をメッシュ構造、不織布構造、三次元網目構造等とすることにより、集電体全体の空隙率を効果的に高めることができる。空隙率とは、集電体全体の見かけの体積に対する空孔の総体積の割合を意味する。
当該金属−空気二次電池用負極材料は、鉄又は酸化鉄に接触するように配設される固体電解質(第1の固体電解質)をさらに備えることができる。この固体電解質の配設は、例えばシート状の集電体(表面部分が多孔質状である鉄又は酸化鉄)の片面又は両面への固体電解質溶液の塗布、固体電解質溶液中への集電体の浸漬等により行うことができる。塗布又は浸漬後に乾燥させることにより、固体電解質が集電体の孔部等に含浸したシート体(負極材料)が得られる。固体電解質としては特に限定されず、後述する金属−空気二次電池に用いられるものとして例示するものと同様である。このように固体電解質が複合された負極材料によれば、正極(空気極)と組み合わせることで容易に金属−空気二次電池を製造することができる。
当該金属−空気二次電池用負極材料は、鉄又は酸化鉄に接触するように配設される電子伝導性を有する粉末(電子伝導性粉末)をさらに備えることができる。この電子伝導性粉末としては、カーボンブラック、金属粉等を例示することができる。負極材料の全部を酸化させる場合において、特に効果が顕著である。電子伝導性粉末は、例えば集電体(鉄又は酸化鉄)がメッシュ構造やスポンジ構造の場合、この構造の空間内に充填又は埋め込まれていてもよいし、多孔質状の表面部分の内部(孔内)に充填又は埋め込まれていてもよい。また、集電体の表面に電子伝導性粉末が積層されていてもよい。このように、鉄又は酸化鉄に電子伝導性粉末が複合化されていることにより、負極材料の表面積をさらに増大させることができる。なお、この電子電導性粉末は、例えば固体電解質等と混合されて配設されていてもよい。
当該金属−空気二次電池用負極材料によれば、集電体(鉄又は酸化鉄)が、電子伝導性と、液体又は固体電解質が孔内部に接触可能な多孔性とを有し、金属−空気二次電池の充放電性能を向上させることができる。これにより、放電曲線にプラトー領域(電位平坦部)を示す金属−空気二次電池を得ることもできる。
[金属−空気二次電池]
本発明の一実施形態に係る金属−空気二次電池は、当該金属−空気二次電池用負極材料を金属極として備える。当該金属−空気二次電池の他の構成は、一般的な金属−空気二次電池と同様とすることができる。つまり、当該金属−空気二次電池は、上記金属極に加え、空気極、及び金属極と空気極との間に介在する電解質を備える。正極と負極との間にセパレータが設けられていてもよい。
空気極は、金属−空気二次電池の正極として作用するものである。空気極では、下記式(1)の反応が生じる。空気極には、通常の金属−空気二次電池に用いられるものを用いることができるが、炭素及び酸素還元触媒を含むことが好ましい。空気極は、シート状のものを用いることができ、触媒付きカーボン層を用いることが好ましい。
+2HO+4e→4OH ・・・(1)
触媒(酸素還元触媒)としては、例えばPtやMnO等を挙げることができる。触媒付きカーボン層を構成するカーボン層(カーボンシート)の形態は、例えば炭素粉末の圧粉体やカーボンペーパーなどを用いることができる。
空気極の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。空気極の平均厚さを上記下限以上とすることで、十分な反応を生じさせることなどができる。一方、この上限としては、例えば0.3mmであり、0.2mmが好ましい。空気極が厚くなりすぎると、電解質、触媒及び空気の三相の界面を効率良く形成することが困難となる傾向がある。
電解質は、液体電解質や固体電解質(第2の固体電解質)など、金属−空気二次電池に通常用いられるものを用いることができる。複数種の電解質を用いてもよいし、複数の電解質を多層にして用いてもよい。
液体電解質としては、塩を溶液に溶解させた溶液状のものや、イオン液体が挙げられる。溶液状の液体電解質としては、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液などを挙げることができる。
電解質として固体電解質を用いる場合、当該金属−空気二次電池は、通常、金属極の層、固体電解質の層及び空気極の層を有する層構造体の金属−空気全固体二次電池として構成される。
固体電解質とは、流動性を有さない電解質をいい、塩基性水酸化物等の塩をゲルに保持させたゲル体のものなどを挙げることができる。ゲル体の固体電解質における塩としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の塩基性水酸化物などを挙げることができ、ゲルとしては、ジルコニアゲル等を挙げることができる。固体電解質には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダーが混合されていてもよい。
固体電解質が層状である場合、水酸化物イオンを伝導するという作用を十分に発揮させ、かつ短絡を防ぐため、平均膜厚を0.05mm以上とすることが好ましい。但し、厚くなりすぎると実抵抗(電池内部抵抗)が大きくなるため、平均膜厚を例えば0.3mm以下とすることが好ましい。
なお、金属−空気全固体二次電池の一態様として、上述した固体電解質(第1の固体電解質)が集電体の孔部等に含浸した負極材料を用いることができる。このような負極材料と空気極とにより金属−空気全固体二次電池が構成される。この金属−空気全固体二次電池の場合、固体電解質は負極の集電体である鉄又は酸化鉄と広く接し、かつ空気極で発生した水酸化物イオンの連続的な負極側への供給を可能とする。なお、このような負極材料を用いる場合、負極材料(金属極)と空気極との間にさらに第2の固体電解質や液体電解質を配置しなくてもよいが、配置してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって制限されず、本発明の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
以下の手順で、鉄の陽極酸化処理を行い、金属−空気二次電池用負極材料を作製した。エチレングリコール、水及びNHFを混合し、室温で1時間撹拌して陽極酸化処理用の電解液とした。負極(陰極)として白金棒を用い、正極(陽極)として鉄板(ニラコ社製、0.2mm×10mm×10mm)を用いた。60Vで陽極酸化処理後、450℃で3時間加熱(アニール)処理を行った。得られた負極材料の表面部分(酸化鉄多孔質皮膜)の構造をSEMで観測し、また、水酸化カリウム水溶液中でサイクリックボルタンメトリー(CV)法により酸化還元挙動を評価した。得られた負極材料を用いて金属−空気二次電池を構築し、充放電試験を行った。なお、この金属−空気二次電池(充放電試験セル)の負極には陽極酸化処理により得られた上記負極材料、電解質には8M水酸化カリウム水溶液、空気極には酸化還元触媒である電解二酸化マンガン(MnO)を塗布し、触媒層を形成した撥水性カーボンペーパーを用いた。充電レート及び放電レートはそれぞれ1mA/cm及び0.2mA/cmで充放電試験を行った。
得られた負極材料の表面SEM画像を図1に示す。図1のSEM画像より、多孔質状の酸化鉄膜が形成されていることが確認された。また、酸化鉄膜の孔の平均径は46nm、膜厚は2.5μmであった。
金属−空気二次電池の充放電結果を図2に示す。2サイクル目で最大放電容量5.94mAhg−1(Fe)が得られ、10回目の放電容量は約2.3mAhg−1(Fe)となった。鉄の陽極酸化処理により得られた負極材料は、表面積の増加により効率が向上し大きな放電容量が得られた。
[実施例2]
以下の手順で、鉄の陽極酸化処理を行い、金属−空気二次電池用負極材料を作製した。
エチレングリコール(98.2ml)、水(0.9ml)及びNHF(1M)を混合し、室温で1時間撹拌して陽極酸化処理用の電解液とした。負極(陰極)として白金棒を用い、正極(陽極)として鉄板(ニラコ社製、0.2mm×10mm×10mm)を用いた。50Vで陽極酸化処理後、450℃で3時間加熱(アニール)処理を行った。得られた負極材料の表面部分(酸化鉄多孔質皮膜)の構造をSEMで観測した。得られた負極材料を用いて金属−空気二次電池を構築し、充放電試験を行った。なお、電解質及び空気極の構成、並びに充電レート及び放電レートは実施例1と同様とした。
得られた負極材料の表面SEM画像を図3に示す。図3のSEM画像より、多孔質状の酸化鉄膜が形成されていることが確認された。また、酸化鉄膜の孔の平均径は45nm、膜厚は5.5μmであった。
金属−空気二次電池の充放電結果を図4に示す。10サイクル目で放電容量6.7mAhg−1(Fe)が得られた。鉄の陽極酸化処理により得られた負極材料は、多孔質状の酸化鉄膜の膜厚の増加により効率が向上し大きな放電容量が得られ、また酸化膜厚を5.5μmまで厚くすることによって特性が向上することが明らかとなった。
本発明の金属−空気二次電池用負極材料は、金属−空気二次電池の金属極(負極)として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 金属−空気二次電池に用いられる負極材料であって、
    多孔質状の表面部分を有する鉄又は酸化鉄を備え
    上記多孔質状の表面部分が、膜状で表面からの平均厚さが0.1μm以上の領域であり、上記多孔質状の表面部分に存在する孔の平均径が100nm以下であり、隣接する孔同士の平均距離が500nm以下であり、
    上記多孔質状の表面部分が、鉄の陽極酸化被膜であることを特徴とする金属−空気二次電池用負極材料。
  2. 上記鉄又は酸化鉄に接触するように配設される第1の固体電解質をさらに備える請求項1に記載の金属−空気二次電池用負極材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の金属−空気二次電池用負極材料を金属極として備える金属−空気二次電池。
  4. 炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、
    この空気極及び上記金属極間に介在する液体電解質と
    をさらに備える請求項に記載の金属−空気二次電池。
  5. 炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、
    この空気極及び上記金属極間に介在する第2の固体電解質と
    をさらに備える請求項に記載の金属−空気二次電池。
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