JP6234274B2 - 内面形状計測方法および装置 - Google Patents

内面形状計測方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、各種管や工業製品内面の形状を高速・非接触に測定するための内面形状計測方法および内面形状計測装置に関する。
各種管や工業製品の内面の形状を高速・非接触に測定するための方法として、管の内部に挿入したコーンミラーに光を照射して管の内面の環状の領域に光を照射し、その反射光をカメラで撮像する方法がある。このような方式の内面形状計測装置として、特許文献1及び特許文献2に記載されているようなものが提案されている。
特許文献1の内面形状計測装置は、光源の光をミラーで反射させ、レンズによって対象に集光して照射する光学系と撮像センサ型の撮像手段から構成されており、各構成要素がケーシング内に入っている。観察のためにケーシングには環状窓が設けられており、その窓から対象に照射された光を観察し、三角測量の原理で形状計測を行う。
特許文献2の内面形状計測装置は、光源の光をコーンミラーによりに放射状に照射する光学系と撮像装置から構成されており、各構成要素が筒状の透明管に入っている。対象に照射された放射状の光を透明管を通して撮像装置により観察し、三角測量の原理で形状計測を行う。
特開昭63−55441号公報 特開2010−164334号公報
特許文献1に記載されている内面形状計測装置は、各構成要素がケーシング内に入っており、観察のための環状窓から対象に照射された光を観察するが、対象が近傍にある場合、観察窓に反射する成分(ゴースト)が発生し、それを誤って形状として検出してしまうために正確な形状計測が困難となる可能性がある。
また、特許文献2に記載されている内面形状計測装置は、各構成要素が筒状の透明管に入っており、対象に照射された放射状の光を透明管を通して撮像装置により観察するが、特許文献1に記載されている発明と同様に、対象が近傍にある場合、透明管に反射するゴーストが発生し、それを誤って形状として検出してしまうために正確な形状計測が困難となる可能性がある。
従来の、透明管によるゴーストの発生を抑制する対策を施していない場合の内面形状計測装置における問題点を、図2A乃至図2Cを用いて説明する。
図2Aに示した内面形状計測装置の構成において、光源としてレーザ2002を用い、コーンミラー2003により光をリング状に検査対象2100に照射する。撮像センサとしてカメラ2001を用いて対象に照射されるレーザを撮像し、光切断法により形状計測を行う。このときレーザが照射された対象2100から反射した光のうち、透明管2005の内部に入射してカメラ2001で直接観察される光2004以外に、透明管2005の内部に入射して入射側と反対側の透明管2005の内面2006で反射してカメラ2001で観察される成分(ゴースト2007)が生じる。
図2Bにゴーストの観察例を示す。検査対象2100の形状として断面が長方形の空間2040が形成された物体とする。内面形状計測装置2000の透明管2005を観察対象2100の長方形の断面の穴2040の中央に挿入した場合、取得画像2015に示すようにゴースト2021は、穴2040の内面の像2020の上下に発生する。ゴースト2021が穴2040の内面の像2020の上下に発生する理由は、検査対象2100の穴2040の内面が内面形状計測装置2000に接近するほど、対象からの反射光の透明管2005への入射角度が大きくなり、透明管2005の内面2006での反射率が大きくなるためである。
また、図2Cに示すように、内面形状計測装置2000の透明管2005を観察対象2100の長方形の断面の穴2040の右端近くに挿入した場合、取得画像2016に示すようにゴースト2022は穴2040の内面の像2020の上下および左部に発生する。このようにゴースト2022が発生した場合、正確な形状を計測することができなくなる。また対象形状によってはゴースト成分のほうが、形状よりも強度が強く発生する可能性もあるため、ピーク値だけの判断では誤ってゴースト成分を選択する可能性もある。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑み、光源、光源から照射される光をリング状に対象に照射するコーンミラー、及び対象に照射された光を撮像する撮像センサの各構成要素を収納する筒状の透明管によるゴーストの発生を抑制することで、正確な形状計測を行うことができるようにするものである。
試料に形成された穴部の内面の形状を計測する内面形状計測装置において、試料を撮像して得られる画像にゴーストの発生を抑制して、穴部の内面の形状を正確に計測できるようにする。
また透明管によるゴーストが発生した状態で撮像センサによって撮像した場合であっても、画像処理により正確な形状計測を行うことができるようにするものである。
上記課題を解決するために、本発明では、試料に形成された穴部の内面の形状を計測す
る内面形状計測装置を、レーザを発射する光源部と、この光源部から発射されたレーザを
リング状に広げて試料に形成された穴部の内面に照射する光照射部と、この光照射部によ
りリング状に広げたレーザが照射された穴部の内面からの反射光を検出して穴部の内面の
像を撮像する撮像部と、この撮像部で撮像して得た穴部の内面の画像を処理する画像処理
部と、この画像処理部で処理した結果を表示する表示部と、光源と光照射部と撮像部とを
内部に収納する光学的に透明な透明管と、この透明管を載置して少なくとも一軸方向に移
動可能なステージ部とを備えて構成し、光源部は、レーザを発射するレーザ光源と、このレーザ光源から発射されたレーザを導光する光ファイバと、ボアスコープとを有し、ボアスコープを透明管の内部に収納し、レーザ光源と光ファイバとを透明管の外部に設置して構成され、透明管を透過して穴部の内面に照射するレーザ又は穴部の内面で反射されて透明管を透過した光の偏光の状態を制御する偏光状態制御特性を透明管に付与したことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明では、リング状に広げたレーザを透明管を介して試料に形成された穴部の内面に照射し、リング状に広げたレーザが照射された穴部の内面からの反射光による穴部の内面の像を透明管を介して撮像し、この撮像して得た試料に形成された穴部の内面の画像に対して透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を除去し、該ゴースト成分を除去した画像を処理して穴部の内面を計測するようにした。
更に、上記課題を解決するために、本発明では、試料に形成された穴部の内面の形状を計測する内面形状計測装置を、レーザを発射する光源部と、この光源部から発射されたレーザをリング状に広げて試料に形成された穴部の内面に照射する光照射部と、この光照射部によりリング状に広げたレーザが照射された穴部の内面からの反射光を検出して穴部の内面の像を撮像する撮像部と、この撮像部で撮像して得た穴部の内面の画像を処理する画像処理部と、この画像処理部で処理した結果を表示する表示部と、光源と光照射部と撮像部とを内部に収納する光学的に透明な透明管と、この透明管を載置して少なくとも一軸方向に移動可能なステージ部とを備え、画像処理部は、撮像部で撮像して得た穴部の内面の画像に対して透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を除去するゴースト成分除去部と、このゴースト成分除去部でゴースト成分を除去した画像を処理して穴部の内面を計測する計測部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、光源、コーンミラー、撮像センサから形成され、対象に照射された光を撮像センサにて観察のための透明管を備え、透明管に偏光子の機能を持たせる、あるいは偏光子の機能を有するフィルムを貼ることによって、透明管に対して反射率の小さいP偏光成分のみを透過させることでゴースト成分を抑制し、正確な形状を計測することが可能となる。
本発明の第1の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 従来の内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 従来の内面形状計測装置における課題を説明する試料と透明管の斜視図及び取得される画像の例である。 従来の内面形状計測装置における課題を説明する試料と透明管の斜視図及び取得される画像の例である。 本発明の第1の実施例における内面形状計測装置の光源から照射される光及び試料で反射した光の偏光状態を説明する内面形状計測装置のブロック図である。 偏光による反射率の違いをしめすグラフである。 本発明の第2の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施例の変形例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施例の変形例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施例の変形例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例の変形例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 図9Aに示した本発明の第7の実施例における内面形状計測装置のA−A矢視図である。 本発明の第8の実施例における内面形状計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第8の実施例における内面形状計測装置の画像処理のフロー図である。 本発明の第8の実施例におけるゴースト発生の状態を示す内面形状計測装置のブロック図である。 本発明の第8の実施例における内面形状計測装置の透明管と試料との位置関係を示す斜視図である。 本発明の第8の実施例における内面形状計測装置で取得したゴーストを含む画像の例を示した図である。 本発明の第8の実施例における内面形状計測装置で取得したゴーストを含む画像と試料の穴の内壁面の像との関係の例を示した図である。 本発明の第8の実施例における画像からゴーストを除去するための処理の手順を示したフロー図である。 本発明の第9の実施例における内面形状計測装置で取得したゴーストを含む画像と試料の穴の内壁面の像及び画像信号との関係の例を示した図である。 本発明の第9の実施例における画像からゴーストを除去するための処理の手順を示したフロー図である。 本発明の第9の実施例における内面形状計測装置の概略の構成と反射率のルックアップテーブルを示した図である。
本発明は、光源、光源から照射される光をリング状に対象に照射する光照射部、及びリ
ング状の光が照射された穴部の内面を撮像する撮像センサの各構成要素を収納する筒状の透明管を備えて試料に掲載された穴部の内面形状を計測する装置において、筒状の透明管の内壁面で発生する反射光により画像にゴーストが発生するのを抑制する対策を施して、環状の光が照射された試料の内面で反射した光を高感度に検出し、試料の内面の正確な形状計測を行うことができるようにしたものである。
以下に、本発明の実施例を図を用いて説明する。
本発明の第1の実施例における内面形状計測方法について図1、図3を用いて説明する。
図1は、本実施例における内面形状計測装置100の概略の構成を示す図である。内面形状計測装置100は、カメラ101、レンズ1011、レーザ光源102、コーンミラー103、透明管105、透明管105の一部に貼り付けられた偏光子の機能を有するフィルム104、表示画面106、制御・データ処理部107、ステージ110を備えて構成される。カメラ101とレーザ光源102とコーンミラー103は、透明管105の内部に設置されている。この構成において、レーザ光源102から発射されるレーザ1021の光軸とコーンミラー103の中心軸、及びレンズ1011の中心軸とカメラ101の撮像範囲の中心とは一致するようにそれぞれの位置が調整されている。透明管105の材質としてはガラス、樹脂などを用いる。ステージ110は、1軸方向又は平面内で2軸方向に移動可能に構成されている。
このカメラ101とレーザ光源102とコーンミラー103を内部に装備した透明管105を試料10の穴の内部に挿入した状態で、レーザ光源102からレーザ1021を発射すると、レーザ1021は、コーンミラー103に当たって反射して周辺にリング状に広がる。このリング状に広がった光は透明管105を透過して、試料10の穴の内壁面11に照射される。この試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12から反射された光のうち、透明管105を透過して透明管105の内部に入った光の一部は、レンズ1011に入射してカメラ101で撮像される。カメラ101で取得された画像は制御・データ処理部107に転送される。この試料10の穴の内壁面11のリング状の光を照射してカメラ101で撮像することをステージ110を所定のピッチずつ移動させながら繰り返すことにより、又はステージ110を連続的に移動させながらカメラ101で取得した画像を一定の時間間隔で処理することにより、試料10の穴の内壁面11の所定のピッチ離れた部分の複数の画像を取得し、光切断法により形状計測を行う。この光切断法により形状計測を行った結果を画面106に表示する。図1の例では、画面106に光切断波形図1061が表示されている状態を示している。
ここで透明管105に対してP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を透明管105の外周面又は内周面に貼ることによって、あるいは透明管105にP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を持たせることにより、P偏光成分のみを通過させるところに特徴を有する。以下の説明においては、P偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を透明管105の外周面又は内周面に貼った場合について説明する。
図3A及び図3Bを用いてP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を透明管105の外周面又は内周面に貼ることによって偏光子の機能を持たせることによるゴースト抑制効果について説明する。
図3Aに透明管105に対する光の偏光状態を示す。レーザ光源102から発射したレーザ1021はコーンミラー103に当たってリング状に広がる。この状態では、透明管105に対して偏光方向は決まっておらず、S、P両偏光成分が含まれている。透明管105を透過したレーザは計測対象である試料10の穴の内壁面11に照射される。この試料に照射されて試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12で散乱された光の一部は、再び透明管105を透過して透明管105の内部に入射して、その一部はレンズ1011に入射して集光され、カメラ101で撮像される。また、残りの一部の光は透明管105の内壁面で反射してレンズ1011に入射して集光され、カメラ101で撮像される。このとき透明管105にP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を透明管105の外周面又は内周面に貼っておくことによって、透明管105の内部でカメラ101にはP偏光成分の反射光のみが入射することになる。
図3Bに光の物体への入射角度と反射率の関係をグラフ化したものを示す。S、P偏光それぞれ分けてグラフ化している。横軸は物体への入射角度を示し、縦軸は反射率を示す。グラフからわかるようにS偏光成分は入射角度が大きくなるにつれて反射率も大きくなるが、P偏光成分は入射角度が大きくなると一旦反射率は減少した後に大きくなる。よってS偏光に比べてP偏光のほうが反射率を低減することが可能である。よって図3Aに示したように透明管105にP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を貼り付け、試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12からの反射光のうち透明管105に入射して透明管105入射側と反対側の内壁面で反射してカメラ101に入射する光の入射側と反対側の内壁面への入射角が例えば60度以下となるような位置にカメラ101を配置することによって、カメラ101に入射する光の透明管105の内壁面での反射率を低減し、カメラ101で撮像する画像におけるゴーストの発生を抑制することが可能となる。
このように、カメラ101とレーザ光源102とコーンミラー103を内部に装備した状態で、P偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を貼り付けた透明管105を、ステージ110で矢印の方向に試料10の穴に沿って移動させる。このとき、レーザ光源102から発射されたレーザ1021がコーンミラー103に当たって反射して周辺にリング状に広がり、透明管105を透過して、試料10の穴の内壁面11に照射される。この試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12から反射された光のうち、透明管105のP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を貼り付けた管壁を透過して透明管105の内部に入った光の一部は、レンズ1011に入射してカメラ101で撮像される。カメラ101で取得された画像は制御・データ処理部107に転送され、ステージ110の矢印方向の移動と同期して処理されて、光切断法により形状計測が行われる。この光切断法による形状計測の結果1061は、画面106に表示される。
本実施例によれば、カメラ101で取得された画像には、透明管105の内壁面で反射された光成分がほとんど、又は全く含まれないために、試料10の穴の内壁面11からの反射光を高感度に検出することができ、試料10の穴の内壁面11の正確な形状計測を行うことができるようになった。
本発明の第2の実施例について図4を用いて説明する。
図4は、本実施例における内面形状計測装置200の概略の構成を示す図である。実施例1において、図1で説明した内面形状計測装置100と共通する部品には、同じ番号を付した。また、図1に示したステージ110、表示画面106、及び制御・データ処理部107は、表示を省略している。図4に示した内面形状計測装置200の構成において、光源102、コーンミラー103、カメラ101、レンズ1011、透明管105、および偏光子104、及びP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104は図3と同様の構成である。
本実施例における内面形状計測装置200における透明管105に対する光の偏光状態について、実施例1で説明した図3Aにおける状態との相違点を説明する。図3Aの状態では、レーザ光源102から出射しコーンミラー103で反射してリング状に反射したレーザは、透明管105に対して偏光方向が決まっていなかった。そのため、試料11の穴の内壁面11にリング状に照射された光のある領域ではP偏光成分をまったく含んでいない可能性がある。この場合、試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12から照射されて透明管105に入射した光にもP偏光成分が含まれていないため、透明管105に貼り付けたP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104によってカットされてしまい、カメラ101にまったく光が入らない可能性がある。この場合、その領域の形状計測することはできない。
そこで、本実施例においては、図4に示すようにレーザ光源102からレーザ1021の出射直後に、レーザ1021の光軸上にλ/4板401を挿入し、λ/4板401を透過したレーザ1022の偏光状態が円偏光となるようにした。このように円偏光にしたレーザ1022をコーンミラー103でリング状に反射させることで、試料11の穴の内壁面11にリング状に照射された光はどの位置でもP偏光成分を含むことが可能となる。これにより、試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12で反射して透明管105に入射した光にもP偏光成分が含まれることになり、カメラ101には試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12のどの部分からの反射光でも均一にP偏光成分を入射させることが可能となる。
本実施例によれば、カメラ101で取得された画像には、透明管105の内壁面で反射された光成分がほとんど、又は全く含まれないようにすることができると共に、試料10の穴の内壁面11の全ての部分からの反射光を検出することができるようになったために、試料10の穴の内壁面11からの反射光を高感度に検出することができ、試料10の穴の内壁面11の正確な形状計測を行うことができるようになった。
本発明の第3の実施例について、図5Aを用いて説明する。
図5Aは、本実施例の内面形状計測装置300の概略の構成を示す図である。図1で説明した実施例1における内面形状計測装置100と共通する部品には、同じ番号を付した。また、図1に示したステージ110、表示画面106、及び制御・データ処理部107は、表示を省略している。図5Aにおいて、光源102、コーンミラー103、カメラ101は、実施例1で説明した図1に示したのと同様の構成である。
実施例1で図3Aを用いて説明した光の偏光の状態との相違点を説明する。図3Aで説明した偏光の状態では、レーザ光源102から出射しコーンミラー103で反射してリング状に反射したレーザを測定対象である試料10の穴の内壁面11に照射し、この内壁面11のリング状の光が照射された領域12で反射してカメラ101に入射する光に対して透明管105に貼り付けたP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104によってP偏光成分のみを透過させ、ゴースト成分がカメラ101に入射するのを抑制していた。
一方、図5Aに示した本実施例における内面形状計測装置300では、レーザ光源101から出射してコーンミラー103でリング状に反射した光が透明管105を透過する部分に偏光子の機能を有するフィルム501を貼ることによって、又は透明管105に偏光子の機能を持たせることによって、透明管105に対してP偏光成分のみを通過させる構成とした。図5Aに示した構成によれば、P偏光成分から成るリング状の光が測定対象である試料10の穴の内壁面11に照射される。この内壁面11のリング状の光が照射された領域12で反射した光の成分は多少偏光が乱される可能性はあるが、P偏光成分を多く含むため、カメラ101に入射する手前で生じる透明管105の内壁面での反射を低減でき、ゴースト成分を抑制することができる。
しかしながら、図5Aに示した内面形状計測装置300では、レーザ光源101から出射しコーンミラー103でリング状に反射して試料10の穴の内壁面11に照射した光は、透明管105に対して偏光方向が決まっていない。そのため、試料10の穴の内壁面11にリング状に照射された光のある領域ではP偏光成分をまったく含んでいない可能性がある。この場合、その領域の形状計測することはできない。
そこで、実施例3の変形例として、図5Bに示すように、内面形状計測装置350において、レーザ光源102からレーザ1021の出射直後に、レーザ1021の光軸上にλ/4板401を挿入し、λ/4板401を透過したレーザ1022の偏光状態が円偏光となるようにした。このように円偏光にしたレーザ1022をコーンミラー103でリング状に反射させることで、試料11の穴の内壁面11にリング状に照射された光はどの位置でもP偏光成分を含むことが可能となる。これにより、試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12で反射して透明管105に入射した光にもP偏光成分が含まれることになり、カメラ101には試料10の穴の内壁面11のリング状の光が照射された領域12のどの部分からの反射光でも均一にP偏光成分を入射させることが可能となる。
本実施例によれば、カメラ101で取得された画像には、透明管105の内壁面で反射された光成分がほとんど、又は全く含まれないようにすることができると共に、試料10の穴の内壁面11の全ての部分からの反射光を検出することができるようになったために、試料10の穴の内壁面11からの反射光を高感度に検出することができ、試料10の穴の内壁面11の正確な形状計測を行うことができるようになった。
本発明の第4の実施例について図6Aを用いて説明する。
図6Aは、本実施例の内面形状計測装置400の概略の構成を示す図である。図1で説明した実施例1における内面形状計測装置100と共通する部品には、同じ番号を付した。また、図1に示したステージ110、表示画面106、及び制御・データ処理部107は、表示を省略している。図5Aにおいて、光源102、コーンミラー103、カメラ101は、実施例1で説明した図1に示したのと同様の構成である。
実施例1で図3Aを用いて説明した光の偏光の状態との相違点を説明する。図3Aで説明した実施例1における構成では、測定対象である試料10で反射して、透明管105の内部のカメラ101に入射する光に対して、透明管105に貼り付けたP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を用いてP偏光成分のみを透過させ、ゴースト成分がカメラ101に入射するのを抑制していた。
これに対して、図6Aに示した本実施例における内面形状計測装置400では、レーザ光源102から出射されたレーザ1021をラジアル偏光にすることによって、コーンミラー103によって反射された成分を透明管104に対してP偏光成分となるように構成した。レーザ光源102から出射された直線偏光であるレーザ1021をラジアル偏光にするためには、例えば、レーザ光源102から出射直後のレーザ1021の光路上にλ/4板401を挿入し、円偏光にして、その直後に偏光板402を配置することにより実現できる。この偏光板402は、図6Aに示すように、複数の偏光子を、各偏光子の透過軸が中心を向くように組み合わせて構成する。偏光板402を透過してラジアル偏光になったレーザは、集光レンズ403でコーンミラー103上に集光される。またλ/4板401と偏光板402に代えて、偏光板404のように場所によって光学軸の角度の異なるλ/2板を組み合わせて構成した偏光板を挿入することでも実現可能である。
一方、図6Bには、本実施例の変形例における内面形状計測装置450を示す。本変形例における内面形状計測装置450では、レーザ光源102から出射直後のレーザ1021の光路上にλ/4板401を挿入し円偏光にして試料10の穴の内壁面11に照射すると共に、カメラ101の手前にラジアル検光する素子410を挿入する構成とした。これによって、透明管104を透過した試料10の穴に内壁面11からの反射光のうち、P偏光成分のみを透過させてカメラ101で検出することが可能となる。ラジアル検光するための素子410の一例として、偏光板402と同じような、場所によって透過軸の方向の異なる偏光子を挿入することで実現可能である。
本実施例によれば、カメラ101で取得された画像には、透明管105の内壁面で反射された光成分がほとんど、又は全く含まれないようにすることができると共に、試料10の穴の内壁面11の全ての部分からの反射光を検出することができるようになったために、試料10の穴の内壁面11からの反射光を高感度に検出することができ、試料10の穴の内壁面11の正確な形状計測を行うことができるようになった。
本発明の第5の実施例について図7Aを用いて説明する。
図7Aは、本実施例の内面形状計測装置500の概略の構成を示す図である。図1で説明した実施例1における内面形状計測装置100と共通する部品には、同じ番号を付した。また、図1に示したステージ110は、表示を省略している。
比較的径の小さい細い穴の狭い内面形状を測定する場合、穴の内部に挿入して穴の内壁面を計測する部分の径を小さくする必要がある。しかしながら、実施例1において図1で説明したように光源にレーザを用い、撮像センサにカメラを用いた場合、小さくできる径はレーザやカメラのサイズに制限されてしまう。
そこで、本実施例においては、図7Aに示したように、レーザ光源703を透明管105の外部に設置し、レーザ光源703から発射されたレーザを光ファイバ704で透明管105の内部に配置したファイバコリメータ702に入射させ、ファイバコリメータ702から出射したレーザをコーンミラー103上に照射する構成にした。
本実施例では、試料10の内壁面11からの反射光が透明管105の撮像センサ(カメラ)101の側に入射する箇所にP偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104を貼り付けて、P偏光成分のみを透過させる構成とした。ここで、ファイバコリメータ702はレーザ光源703に比べて小型化が可能であり、実施例1乃至4の場合と比べて透明管105の径を小さくすることが可能になる。
また、本実施例においては、撮像センサ(カメラ)101のレンズにボアスコープ701を取り付けてカメラ101本体を透明管105の外部に設置する構成とした。このような構成で、ボアスコープ701の長さを計測対象である試料10の穴の内面に挿入するのに必要な長さにすることによって、透明管105の内径をボアスコープ701の径まで小径化することを可能にした。またボアスコープ701の代わりに内視鏡を用いてもよい。
図7Bに本実施例の変形例を示す。図7Bに示した構成においては、P偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104の位置を、コーンミラー103で反射したレーザを計測対象の試料10の穴の内壁面11に照射するために透明管105を通過する側に配置した。その他の構成は、図7Aで説明したものと同じであるので説明を省略する。
本発明の第6の実施例について図8Aを用いて説明する。
図8Aは、本実施例の内面形状計測装置600の概略の構成を示す図である。実施例5における図7Aで説明した内面形状計測装置500との相違点を説明する。図8Aに示した構成において、図1に示した構成及び図7Aに示した構成と共通するものについては、同じ番号を付してある。
実施例5において図7Aを用いて説明した内面形状計測装置500では、レーザ光源703から発射されたレーザをファイバ704で透明管105の内部に配置したファイバコリメータ702に入射させ、ファイバコリメータ702から出射したレーザをコーンミラー103上に照射する構成になっている。しかし、この構成では、コーンミラー103で反射されて試料10の穴の内壁面11にリング状に照射された光は、透明管105に対して偏光方向が決まっていない。そのため、リング状に照射された光のある部分ではP偏光成分をまったく含んでいない可能性がある。この場合、内壁面11で反射して透明管105に入射する光も部分的にP偏光成分を含んでいないため、透明管105に貼り付けた偏光子の機能を有するフィルム104によってカットされてしまい、内壁面11からの反射光のうちカメラ101にまったく光が入らない部分が発生する可能性がある。このような場合、内壁面11の形状を正確に計測することができなくなってしまう。
本実施例はこの課題を解決するためのものであって、レーザ光源703から発射されたレーザを光ファイバ704でファイバコリメータ702に導光する直前にファイバ型の偏波コントローラ801で円偏光とするようにした。この円偏光にしたレーザを光ファイバ704でファイバコリメータ702に入射させ、ファイバコリメータ702から出射したレーザをコーンミラー103上に照射する構成とすることで、試料10の穴の内壁面11にリング状に照射された光には、どの位置でもP偏光成分を含ませることが可能となる。これによりカメラ101には内壁面11のどの位置からの反射光でも均一にP偏光成分を入射させることが可能となり、内壁面11の形状を正確に計測することができるようになる。
図8Bに本実施例の変形例を示す。図8Bに示した構成においては、P偏光成分のみを通過させる偏光子の機能を有するフィルム104の位置を、コーンミラー103で反射したレーザを計測対象の試料10の穴の内壁面11に照射するために透明管105を通過する側に配置した。その他の構成は、図8Aで説明したものと同じであるので説明を省略する。
本発明の第7の実施例について図9A及び図9Bを用いて説明する。
図9Aは、本実施例の内面形状計測装置700の概略の構成を示す図である。実施例6における図8Aで説明した内面形状計測装置600との相違点を説明する。図9Aに示した構成において、図1に示した構成及び図8Aに示した構成と共通するものについては、同じ番号を付してある。
実施例6において図8Aを用いて説明した内面形状計測装置600では、レーザ光源703から発射されたレーザをファイバ型の偏波コントローラ801で円偏光にしてファイバコリメータ702に入射させ、ファイバコリメータ702から出射したレーザをコーンミラー103上に照射する構成としていたが、本実施例においては偏波コントローラ801を通過した光をボアスコープに導光し、ボアスコープ701の出射端に環状に配列したマイクロレンズアレイ901を設置した。このような構成とすることにより、ボアスコープ701から出射した光をマイクロレンズアレイ901を透過させて平行光として出射させ、これを集光レンズ902でコーンミラー103上に集光するようにした。
本実施例では、このような構成とすることにより実施例6で用いていたファイバコリメータ702が必要なくなり、装置の構成をよりコンパクトにすることができる。
また、このような構成は、実施例6で説明した内面形状計測装置650、及び実施例5で説明した内面形状計測装置500及び550も適用することができる。
本発明の第8の実施例について図10A乃至図12Bを用いて説明する。本実施例はハードウェアにてゴーストを除去しない、あるいは実施例1〜7の構成を適用しても除去しきれないゴースト成分に対して、ソフトウェアにて除去する方法に関する。
本実施例における内面形状計測装置のハード構成は、実施例1乃至7で説明した構成の何れかを用いる。図10Aに示した内面形状計測装置は、実施例1で説明した図1に示した内面形状計測装置100を採用した場合について説明する。透明管105に貼り付けた偏光子の機能を有するフィルム104によって透明管105からの反射光成分をカットしきれずに、カメラ101でゴーストを含んだ画像を撮像した場合に、ソフトウェア処理により試料10の穴の内壁面11の形状情報は残しつつ、ゴースト成分のみを除去する方法である。
図10Aに示した内面形状計測装置100の制御・データ処理部1071は、カメラ101で撮像した画像とステージ110の位置情報を入力する画像情報入力部1001、入力された画像からを形状候補点を抽出する形状候補点抽出部1002、入力された画像からゴースト信号を判定するゴースト判定処理部1003、形状候補点抽出部1002で抽出した形状候補点の情報とゴースト判定処理部1003で判定したゴースト信号の情報を用いて試料10の穴の内壁面11の形状を決定する形状決定部1004を備えている。形状決定部1004で決定した内壁面11の形状情報は、表示画面106に表示される。
次に、制御・データ処理部1071で行う処理のフローについて説明する。先ず、カメラ101で撮像した試料10の穴の内壁面11からの反射光を撮像して取得された撮像画像と、この画像を撮像したときのステージ110の位置情報を画像情報入力部1001に入力し(S1011)、この入力した画像に対して、形状候補点抽出部1002において、ゴーストを含む形状候補点抽出処理を行う(S1012)。その後、入力した画像に対してゴースト判定処理部1003においてゴースト判定処理を行い(S1013)、ゴーストと判定された点を除去し、形状決定部904において形状情報のみを抽出して内壁面11の形状を決定する(S1014)。この形状決定部1004において決定した内壁面11の形状の情報は、表示画面106に表示される(S1015)。
ここで、S1012における形状候補点抽出処理について説明する。ゴーストの発生位置は幾何学的に既知であるため、ゴースト判定処理においては、その位置情報を用いて判定を行うことができる。図11Aを用いてゴーストの発生する位置について説明する。内面形状計測装置100において透明管105の内径をAとする。内面形状計測装置100の透明管105の中心軸から距離Rの位置にある試料10の穴の内壁面11を測定した場合、透明管105の内面1051で反射することによってゴーストは幾何学的に測定対象とは180度反対の方向でかつ距離R+Aの地点から反射した光のように検出される。
図11Bと図11Cを用いて、対象を測定した場合に得られる画像について説明する。対象形状として図11Bに示すように長方形の断面形状を有する穴1101の内壁面11を測定するとき、透明管105を長方形の穴1101の中央に挿入してカメラ101で内壁面11を撮像した場合、得られる画像1110は、図11Cに示すように内壁面11に相当する輪郭線1111のほかに、上下にゴースト1112が発生する。このゴースト1112が発生する位置は、図11Aで説明したように、透明管105の中心から内壁面11までの距離をRとすると、ゴーストは、画像上で距離(R+A)の地点に相当する位置に発生する。
図12Aの画像1210は、図11Cに示した画像1110と同じ画像で、カメラ101で試料10の穴の内壁面11を撮像して得られた画像を示す。形状候補点抽出処理(S1012)においては、この画像1210における内壁面の像1211の中心1213を原点とした極座標系にてθ=0〜360°間で半径方向にピーク地点を探索し、θ地点で点1、2を候補点として、θ+180度地点では点3、4を候補点として抽出する。
次に、S1013のゴースト判定処理おいて、抽出された候補点について、中心から点1までの距離をR1、点2までの距離をR2とすると、ゴースト1212は180度回転した方向でかつ、検出された距離に透明管の内径Aを足した距離に発生するため、ゴースト1212かどうかの条件判定を行うことができる。図12Aの場合、点1に対しては条件を満たす点が無いため、形状と判定され保存される。一方、点2に対しては点3の距離R3がR2=R3+Aの条件を満たすため、ゴースト1212と判定され、破棄される。同様にして、点3に対しては条件を満たす点が無いため、形状と判定され保存され、点4に対しては点1の距離R1がR4=R1+Aの条件を満たすため、ゴースト1212と判定され、破棄される。
形状候補点抽出処理(S1012)とゴースト判定処理(S1013)との詳細な処理フローを図12Bに示す。S1011で入力された画像に対して、形状候補点抽出処理(S1012)においては、先ず、画像中心1213を原点とした極座標系にてθ=0〜360°間で半径方向にピーク点サーチを行い(S1201)、候補点を複数選出する(S1202)。θが360°に達したか判定を行い(S1203)、360°に達するまで繰り返し実行する。θが360°に達した場合(S1203の判定でYesの場合)、ゴースト判定処理として180度回転した方向にR=R‘+A(R’はθ+180度の点)を満たす点があるか判定を行う(S1204)。条件を満たす点があれば(S1204の判定でYesの場合)ゴーストと判定され破棄され(S1205)、なければ(S1204の判定でNoの場合)形状と判定され保存される(S1014)。
上記した実施例は、図1に記載した実施例1で説明した構成を用いた場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、実施例2乃至6で説明した内面形状計測装置を用いてもよい。
本実施例によれば、ハードウェアでは除去しきれないゴースト成分に対して、ソフトウェアにて除去することを可能にした。
本発明の第9の実施例について図13A乃至図14を用いて説明する。本実施例は測定対象試料の内壁面の断面形状とゴーストが画像上で重なった場合に、内壁面の断面形状情報のみを抽出する処理方法に関する。
実施例8で説明した方法との相違点を説明する。実施例8では、測定対象試料の内壁面の断面形状とゴーストが画像上で重なった場合、この画像上で重なった部分において、ゴーストと共に測定対象試料の内壁面の断面形状の画像情報も破棄されてしまう。そこでゴースト成分のみを除去して形状情報を保存する方法を提案する。
図13Aに、画像1310上で、測定対象試料の内壁面の断面形状1311とゴースト1312が重なった場合の例を示す。画像1310上では、点1に測定対象試料の内壁面の断面形状1311があり、180度回転した方向にある点3では測定対象試料の内壁面の断面形状1311とゴースト1312が重なっている。この状態で実施例8にて説明した処理方法を適用すると、点3がゴースト条件に当てはまるため、点3における測定対象試料の内壁面の断面形状1311情報も破棄されてしまう。ここで、画像1310上で、ゴースト1312の成分の強度は、点1の強度(測定対象試料の内壁面の断面形状1311における点1の位置の強度)に透明管105の反射率をかけた値である。
そこで、画像1310上で、点3における強度から、点1の強度に透明管105の反射率をかけた値を差引くことによって、点3における測定対象試料の内壁面の断面形状1311の強度成分のみを抽出するが可能になる。画像で検出した場合、強度と輝度値は比例関係にあるため、ゴーストの輝度値を画像から差引くことで形状の輝度値のみを抽出することが可能である。ゴースト成分の輝度値を差引いた画像から再度ピーク値を求めることで測定対象試料の内壁面の断面形状を求めることが可能となる。
図13Bに、本実施例による処理のフローチャートを示す。半径方向ピークサーチ(S1301)からゴースト判定処理(S1304)までは、図12Bで説明した実施例8におけるS1201からS1204までの処理と同様である。ここで、実施例8においては、ゴースト判定処理(S1204)において、ゴーストと判定された位置の画像データを破棄していたが(S1205)、本実施例においては、ゴースト判定処理(S1304)においてゴーストと判定された点(位置)を抽出する(S1305)。次に、この抽出した点(位置)の画像の輝度値から先に説明した方法で求めたゴースト成分の輝度値を差引く処理を行う(S1306)。
次にこの差し引いた輝度値の値をS1305で抽出した点の輝度値にあてはめ(S1307)、測定対象試料の内壁面の断面形状を決定する(S1308)。ここでゴースト成分の輝度値は、180度回転した方向にある形状の輝度値に透明管105の反射率をかけた値となる。ここで透明管105の反射率は事前に求めておく必要がある。さらに反射率は光の入射角度に依存するため、図14に示すような入射角度に対する反射率のルックアップテーブル1401を準備しておき、形状の位置から透明管105への入射角度がわかるため、ルックアップテーブルを参照して反射率を求め、形状の輝度値に反射率をかけることでゴースト成分の輝度値を算出することができる。
本実施例によれば、ハードウェアでは除去しきれないゴースト成分に対して、ソフトウェアにて除去する場合に、測定対象試料の内壁面の断面形状をより正確に求めることを可能にした。
以上が発明の説明であるが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100、200、300、400、500、600、700・・・内面形状計測装置 101・・・カメラ 102、703・・・レーザ光源 103・・・コーンミラー 104・・・偏光子の機能を有するフィルム 105・・・透明管 106・・・表示画面 107、1071・・・制御・データ処理部 110・・・ステージ 401・・・λ/4板 402・・・ラジアル偏光子 403・・・集光レンズ 404・・・ラジアル位相板 410・・・ラジアル検光子 701・・・ボアスコープ 702・・・ファイバコリメータ 801・・・偏波コントローラ。

Claims (14)

  1. 試料に形成された穴部の内面の形状を計測する装置であって、
    レーザを発射する光源部と、
    該光源部から発射されたレーザをリング状に広げて試料に形成された穴部の内面に照射
    する光照射部と、
    該光照射部により前記リング状に広げたレーザが照射された前記穴部の内面からの反射
    光を検出して前記穴部の内面の像を撮像する撮像部と、
    該撮像部で撮像して得た前記穴部の内面の画像を処理する画像処理部と、
    該画像処理部で処理した結果を表示する表示部と、
    前記光源と前記光照射部と前記撮像部とを内部に収納する光学的に透明な透明管と、
    該透明管を載置して少なくとも一軸方向に移動可能なステージ部と
    を備えて、前記光源部は、前記レーザを発射するレーザ光源と、該レーザ光源から発射されたレーザを導光する光ファイバと、ボアスコープとを有し、前記ボアスコープを前記透明管の内部に収納し、前記レーザ光源と前記光ファイバとを前記透明管の外部に設置して構成され、前記透明管を透過して前記穴部の内面に照射するレーザ又は前記穴部の内面で反射されて前記透明管を透過した光の偏光の状態を制御する偏光状態制御特性を前記透明管に付与したことを特徴とする内面形状計測装置。
  2. 請求項1記載の内面形状計測装置であって、前記穴部の内面に照射するレーザ又は前記穴部の内面で反射された光の偏光の状態を制御する偏光状態制御特性を付与することを、前記透明管に偏光子の機能を有する膜を貼り付けることにより付与することを特徴とする内面形状計測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内面形状計測装置であって、前記光照射部はλ/4板を有し、前記光源部から発射されたレーザの偏光の状態を、前記λ/4板を透過させることにより円偏光にし、該円偏光にしたレーザを前記リング状に広げて前記試料に形成された穴部の内面に照射することを特徴とする内面形状計測装置。
  4. 請求項1又は2に記載の内面形状計測装置であって、前記光照射部は前記光源部から発射されたレーザの偏光の状態をラジアル偏光にするラジアル偏光部を有し、前記光源部から発射されたレーザの偏光の状態を、前記ラジアル偏光部を透過させることによりラジアル偏光にし、該ラジアル偏光にしたレーザを前記リング状に広げて前記試料に形成された穴部の内面に照射することを特徴とする内面形状計測装置。
  5. 請求項1又は2に記載の内面形状計測装置であって、前記撮像部はカメラとラジアル偏光部を有し、前記試料に形成された穴部の内面で反射されて前記偏光状態制御特性を付与した前記透明管を透過した反射光のうち前記ラジアル偏光部を透過した反射光による像を前記カメラで撮像することを特徴とする内面形状計測装置。
  6. 請求項1記載の内面形状計測装置であって、前記光源部は入力したレーザを円偏光にして出射する偏波コントローラを更に備え、前記光ファイバは、前記レーザ光源から発射されたレーザを前記偏波コントローラに導光する第1の光ファイバと、該偏波コントローラで円偏光にしたレーザを前記光照射部に導光する第2の光ファイバとを有することを特徴とする内面形状計測装置。
  7. リング状に広げたレーザを透明管を介して試料に形成された穴部の内面に照射し、
    前記リング状に広げたレーザが照射された前記穴部の内面からの反射光による前記穴部の内面の像を前記透明管を介して撮像し、
    該撮像して得た前記穴部の内面の画像に対して前記透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を除去し、
    該ゴースト成分を除去した画像を処理して前記穴部の内面を計測する
    ことを特徴とする内面形状計測方法。
  8. 請求項に記載の内面形状計測方法であって、前記透明管は該透明管を透過する光の偏光状態を制御する特性が部分的に付与されており、前記リング状に広げたレーザを前記透明管を介して前記穴部の内面に照射するときに、前記リング状に広げたレーザを前記透明管の前記偏光状態を制御する特性が付与された部分を透過させて前記穴部の内面に照射する、または、前記穴部の内面からの反射光による前記穴部の内面の像を前記透明管を介して撮像するときに、前記穴部の内面からの反射光を前記透明管の前記偏光状態を制御する特性が付与された部分を透過させて前記穴部の内面の像を撮像することを特徴とする内面形状計測方法。
  9. 請求項7又は8に記載の内面形状計測方法であって、前記透明管の内面で反射した
    光により発生するゴースト成分の発生位置を前記穴部の径の情報と前記透明管の直径の情報とを用いて幾何学的に算出して求め、該幾何学的に算出して求めたゴースト成分の発生位置の画像情報から前記透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を求め、該求めたゴースト成分を差し引いた情報を前記穴部の内面の画像情報として処理することを特徴とする内面形状計測方法。
  10. 請求項7又は8又は9の何れかに記載の内面形状計測方法であって、前記リング状に広げたレーザを前記透明管を介して前記試料に形成された穴部の内面に照射することを、前記透明管の外部に設置したレーザ光源から発射したレーザを光ファイバで前記透明管の内部に設置したボアスコープに導光し、前記導光したレーザを前記ボアスコープでリング状に広げて前記試料に形成された穴部の内面に照射することを特徴とする内面形状計測方法。
  11. 試料に形成された穴部の内面の形状を計測する装置であって、
    レーザを発射する光源部と、
    該光源部から発射されたレーザをリング状に広げて試料に形成された穴部の内面に照射する光照射部と、
    該光照射部により前記リング状に広げたレーザが照射された前記穴部の内面からの反射光を検出して前記穴部の内面の像を撮像する撮像部と、
    該撮像部で撮像して得た前記穴部の内面の画像を処理する画像処理部と、
    該画像処理部で処理した結果を表示する表示部と、
    前記光源部と前記光照射部と前記撮像部とを内部に収納する光学的に透明な透明管と、
    該透明管を載置して少なくとも一軸方向に移動可能なステージ部と
    を備え、
    前記画像処理部は、前記撮像部で撮像して得た前記穴部の内面の画像に対して前記透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を除去するゴースト成分除去部と、前記ゴースト成分除去部でゴースト成分を除去した画像を処理して前記穴部の内面を計測する計測部とを備えることを特徴とする内面形状計測装置。
  12. 請求項11に記載の内面形状計測装置であって、前記透明管は該透明管を透過する光の偏光状態を制御する特性が部分的に付与されており、前記光照射部により前記リング状に広げたレーザを前記透明管を介して前記穴部の内面に照射するときに、前記リング状に広げたレーザを前記透明管の前記偏光状態を制御する特性が付与された部分を透過させて前記穴部の内面に照射する、または、前記穴部の内面からの反射光による前記穴部の内面の像を前記透明管を介して前記撮像部で撮像するときに、前記穴部の内面からの反射光を前記透明管の前記偏光状態を制御する特性が付与された部分を透過させて前記穴部の内面の像を撮像することを特徴とする内面形状計測装置。
  13. 請求項11又は12に記載の内面形状計測装置であって、前記画像処理部は、前記透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分の発生位置を前記穴部の径の情報と前記透明管の直径の情報とを用いて幾何学的に算出して求めるゴースト成分発生位置算出部と、前記ゴースト成分発生位置算出部で幾何学的に算出して求めたゴースト成分の発生位置の画像情報から前記透明管の内面で反射した光により発生するゴースト成分を求めるゴースト成分算出部と、前記ゴースト成分算出部で求めたゴースト成分を差し引いた情報を前記穴部の内面の画像情報として処理する処理部とを備えたことを特徴とする内面形状計測装置。
  14. 請求項11又は12又は13の何れかに記載の内面形状計測装置であって、前記光源部は、レーザを発射するレーザ光源と、該レーザ光源から発射されたレーザを導光する光ファイバと、ボアスコープとを有し、前記ボアスコープを前記透明管の内部に収納し、前記レーザ光源と前記光ファイバとを前記透明管の外部に設置したことを特徴とする内面形状計測装置。
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