JP6232680B2 - サセプタのクリーニング方法 - Google Patents
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このように、サセプタに堆積物が形成されると、該堆積物が剥がれてパーティクルの原因となり、基板の表面に形成される薄膜の膜質低下を招いてしまう。
しかしながら、特許文献1では、後述するような問題が発生してしまう。
図15(c)は、炭化珪素膜が形成された炭化珪素基板を除去後、炭化珪素成膜装置の成膜チャンバの外に取り出され、かつ堆積物が堆積したサセプタの断面図である。図15(d)は、炭化珪素除去装置のチャンバ内に収容され、かつサセプタ保護基板が載置されたサセプタの断面図である。図15(e)は、炭化珪素除去装置により、堆積物が除去されたサセプタの断面図である。
始めに、図14に示すサセプタ300を準備する。ここで、図14、及び図15(a)〜図15(e)を参照して、サセプタ300の構成について説明する。
サセプタ300は、サセプタ本体301と、サセプタ本体301の表面に配置された収容部302と、を有する。サセプタ本体301は、円盤形状とされており、カーボンよりなる部材300−1を炭化珪素膜よりなる被膜300−2でコーティングされている。
被膜300−2となる炭化珪素膜の厚さは、非常に薄く、例えば、200μmとすることができる。
第1の凹部302Aは、円盤形状とされた空間であり、炭化珪素基板305の裏面のうち、外周部に位置する面と接触することで、炭化珪素基板305を支持する。
これにより、炭化珪素基板305の外周縁と第1の凹部302Aの側壁との間には、隙間Yが形成される。
また、図15(d)に示すように、サセプタ300のクリーニング処理を実施する際、第1の凹部302Aには、サセプタ保護基板311が載置される。
なお、ここでの堆積物308は、炭化珪素膜の成膜処理を繰り返し行うことで、堆積する堆積物(炭化珪素よりなる堆積物)であり、薄い厚さではなく、例えば、20〜50μm程度の厚さを有する。
この段階において、第1の凹部302Aの側面には、堆積物308が堆積していないため、第1の凹部302Aの側面は、堆積物308から露出されている。
サセプタ保護基板311としては、炭化珪素基板305と同じ形状(言い換えれば、同じ厚さで、かつ同じ外径)とされた基板を用いる。
このとき、プラズマ化されたフッ素含有ガス(堆積物308に含まれる珪素成分を除去するためのガス)、及びプラズマ化された酸素含有ガス(堆積物308に含まれる炭素成分を除去するためのガス)は、その方向性が制御されていない。
そのため、プラズマは、成膜チャンバの上方からサセプタ300の上面に向かう鉛直方向だけでなく、斜め方向や横方向等の様々な方向に進む。
また、バルクの炭化珪素のみで構成された炭化珪素サセプタを用いることで、液体を用いて炭化珪素サセプタを洗浄することが可能となる。
したがって、堆積物を除去した炭化珪素サセプタを再度使用して、良好な膜質とされた炭化珪素膜を成膜することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るサセプタのクリーニング方法で使用する炭化珪素サセプタの平面図である。図1に示すCは、サセプタ本体11の中心(以下、「中心C」という)を示している。
図2は、図1に示す炭化珪素サセプタのうち、領域Aで囲まれた部分を拡大した図であり、(a)は領域Aで囲まれた部分の斜視図(炭化珪素サセプタの外周部のみ断面図)であり、(b)は、(a)に示す炭化珪素サセプタのD−D線方向の断面図である。
図3は、炭化珪素基板が載置された炭化珪素サセプタを拡大した断面図である。図3に示すSは、炭化珪素基板20の面方向(言い換えれば、炭化珪素基板20の表面方向)を示している(以下、「面方向S」という)。また、図3では、説明の便宜上、炭化珪素基板20の表面20aに形成される炭化珪素膜21を図示する。
図1、図2(a),(b)、及び図3において、同一構成部分には同一符号を付す。
炭化珪素サセプタ10は、複数の炭化珪素基板に対して同時に炭化珪素膜を成膜するバッチ式の炭化珪素成膜装置の成膜チャンバ内で使用されるサセプタであって、サセプタ本体11と、複数の収容部12(図1の場合、8つ)と、を有する。
このため、サセプタ本体11の表面(具体的には、サセプタ本体11の上面11a、下面11b、及び側面と、収容部12を構成するサセプタ本体11の面と、を含む面)の平均表面粗さRaは、例えば、1μm以下にすることができる。
つまり、炭化珪素サセプタ10の材料として、バルクの炭化珪素を用いることで、炭化珪素コート膜よりもエッチングされにくくすることができる。
上記鏡面研磨加工を用いることで、バルクの炭化珪素の表面の平均表面粗さRaを0.02μm程度にすることができる。
第1の凹部12−1は、表面20aに炭化珪素膜21(例えば、4H−SiC膜)が形成される炭化珪素基板20が収容される部分である。
炭化珪素基板20の外径が4インチ(102mm)の場合、第1の凹部12−1の開口径は、例えば、104mmとすることができる。
つまり、収容部12に収容された炭化珪素基板20の表面20aがサセプタ本体11の上面11aに対して面一にするとよい。
このため、炭化珪素サセプタ10を構成する炭化珪素に含まれる不純物(例えば、重金属)により、炭化珪素基板20の裏面20bが汚染されることを抑制できる。
第1の加熱部35は、ステージ33の下部に内設されている。第1の加熱部35は、第1の断熱部材37、サセプタ受け部材42、及び炭化珪素サセプタ10を介して、炭化珪素サセプタ10の輻射熱及び熱伝導により、複数の炭化珪素基板20を所定の温度に加熱する。
排気口38は、ステージ33の外周側面と成膜チャンバ31の内壁との間に設けられている。排気口38は、反応空間31A内に存在する不要なガスを成膜チャンバ31の外に排気する。
回転駆動部41は、回転軸39を所定の方向に回転させることで、サセプタ受け部材42を介して、ステージ33上に固定された炭化珪素サセプタ10をステージ33とともに回転させる。
サセプタ受け部材42は、ステージ33上に固定された部材である。サセプタ受け部材42は、着脱可能な状態で炭化珪素サセプタ10を固定するための部材である。
第2の断熱部材45は、天井板部材43の下部に内設されており、その下面が天井板部材43から露出されている。第2の断熱部材45は、第2の加熱部44により、加熱された天井板部材43の下部の温度が低下することを抑制する。
原料ガス導出部49は、天井板部材43の中央部を貫通し、その端部が反応空間31Aに配置されている。原料ガス導出部49は、原料ガス供給源(図示せず)と接続されている。原料ガス導出部49は、原料ガス供給源(図示せず)から供給された原料ガスを反応空間31Aに供給する。
図5(a),(b)において、図1及び図2に示す炭化珪素サセプタ10と同一構成部分には、同一符号を付す。
炭化珪素サセプタ55は、バルクの炭化珪素よりなるサセプタ本体56と、1つの収容部12と、を有する。サセプタ本体56は、平坦な上面56a及び下面56bを有しており、外形が異なること以外は、図1及び図2に示すサセプタ本体11と同様な構成とされている。
また、成膜チャンバ61は、一方の側壁に配置され、原料ガスを反応空間67内に導くための原料ガス導入口81と、他方の側壁に配置され、反応空間67内の不要なガスを排出するガス排出口82と、を有する。
第2の断熱部材69は、成膜チャンバ61の天井に設けられている。第2の断熱部材69は、第2の加熱部44により、加熱された第3の断熱部材74の温度が低下することを抑制する。
第3の断熱部材74は、第2の断熱部材69の下面に設けられている。第3の断熱部材74の下面は、反応空間67により露出されている。第3の断熱部材74は、反応空間67の温度が所定の温度から低下することを抑制するための部材である。
第2の加熱部78は、成膜チャンバ61の上方に配置されている。第2の加熱部78は、第2及び第3の断熱部材69,74を介して、反応空間67を所定の温度となるように加熱する。
炭化珪素除去装置90は、チャンバ91と、ステージ93と、加熱部95と、サセプタ受け部材97と、フッ素含有ガス供給部101と、酸素含有ガス供給部102と、プラズマ発生部104と、真空ポンプ106と、ガス管107と、排ガス分析部109と、制御部111と、を有する。
本実施の形態のサセプタのクリーニング方法が適用可能な他の炭化珪素サセプタを示す図であり、(a)は、炭化珪素サセプタの斜視図であり、(b)は、(a)に示す炭化珪素サセプタのF−F線方向の断面図である。炭化珪素除去装置90は、炭化珪素を成膜する炭化珪素成膜装置30,60とは、別の装置である。
このチャンバ91内に、後述する図10(e)に示す構造体(具体的には、堆積物22が付着し、かつサセプタ保護基板121が載置された炭化珪素サセプタ10)が収容され、堆積物22と接触するように、プラズマ化されたフッ素含有ガス及び酸素含有ガスが供給されることで、炭化珪素サセプタ10に堆積した堆積物22が除去される。
このため、チャンバ91は、フッ素含有ガスに対して十分な耐性のある材料により構成するとよい。
ステージ93は、回転可能な構成としてもよい。このように、ステージ93を回転可能な構成とすることにより、より均一な堆積物22の除去処理を行うことができる。
そこで、堆積物22が付着した炭化珪素サセプタ10を加熱する加熱部95を設けることで、プラズマ化したフッ素含有ガス及び酸素含有ガスと炭化珪素よりなる堆積物22との反応を促進させることができる。
また、あまり高い温度で炭化珪素サセプタ10を加熱すると、チャンバ91とフッ素含有ガス及び酸素含有ガス(クリーニングガス)とが反応するため好ましくない。
フッ素含有ガスとしては、例えば、フッ素(F2−GWP:0)、フッ化水素(HF−GWP:0)、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz(x,y,zは1以上の整数)、CH3F−GWP−97)のうち、少なくとも1つを含むものを用いることができる。
しかしながら、これらのガスは温暖化係数(GWP)の大きなガスであるため、温暖化の観点からあまり好ましくない。GWP値の小さいF2やHF等の低環境負荷ガスが好ましい。
酸素含有ガス供給部102は、酸素含有ガスのみ、或いは、フッ素含有ガス供給部101から供給されたフッ素含有ガスと混合された酸素含有ガスを供給可能な状態で、プラズマ発生部104と接続されている。酸素含有ガスは、炭化珪素に含まれる炭素(炭素成分)を除去するガスである。
なお、排ガス分析部109として、例えば、フーリエ変換型赤外分光計、紫外線吸収計、質量分析計、ガスクロマトグラフ等の分析計を用いてもよい。
制御部111は、図示していない記憶部や演算部を有している。該記憶部には、予め入力された四フッ化珪素の濃度の閾値、または二酸化炭素の濃度の閾値が格納されている。
図10は、本実施の形態に係るサセプタのクリーニング方法を構成する各工程を説明するための図である。図10(a)は、準備された炭化珪素サセプタの主要部の断面図である。図10(b)は、炭化珪素成膜装置の成膜チャンバ内に配置され、かつ炭化珪素サセプタの収容部に炭化珪素基板が載置された炭化珪素サセプタの断面図である。
図10(c)は、炭化珪素基板の表面に炭化珪素膜を成膜後、炭化珪素よりなる堆積物が堆積した炭化珪素サセプタ、及び炭化珪素基板の断面図である。図10(d)は、炭化珪素膜が成膜された炭化珪素基板を回収後、炭化珪素成膜装置の成膜チャンバから取り出され、かつ堆積物が堆積した炭化珪素サセプタの断面図である。
図10(e)は、炭化珪素除去装置のチャンバ内に収容され、収容部に炭化珪素サセプタ保護基板が配置され、かつ堆積物が堆積した炭化珪素サセプタ、及びサセプタ保護基板の断面図である。図10(f)は、堆積物が除去された後の炭化珪素サセプタの断面図である。
なお、図10(a)〜(f)において、図1、図2(a),(b)、図3、及び図4に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
始めに、図9に示す処理が開始されると、STEP1(図10(a)に示す工程)では、先に説明した図1、図2(a),(b)、及び図3に示す複数の収容部12を有し、かつバルクの炭化珪素よりなる炭化珪素サセプタ10を準備する。その後、処理は、STEP2へと進む。
これにより、液体を用いた処理(具体的には、図9に示すSTEP9で行うRCA洗浄)により、図9に示すSTEP5,6後に炭化珪素サセプタ10の表面に残存するSTEP5,6で使用するエッチングガス(プラズマ化されたフッ素含有ガス及び酸素含有ガス)に含まれる成分(例えば、F成分やN成分等)を除去できる。
STEP2では、炭化珪素膜21の成膜時間の合計時間(所定の期間)や炭化珪素サセプタ10の使用を開始してからの合計の炭化珪素膜21の膜厚等の閾値を予め設定し、該閾値を超えた際、STEP2の処理を終了させる。
上記STEP2の処理が終了すると、処理はSTEP3へと進む。
次いで、第1の凹部12−1のうち、炭化珪素基板20が配置されていた部分(図10(c)参照)に、炭化珪素基板20と同様な形状とされたサセプタ保護基板121を載置する。その後、処理は、STEP5へと進む。
このため、石英を用いて、十分な厚さでサセプタ保護基板121を構成することで、安価なサセプタ保護基板121を使用することができる。
STEP5では、堆積物22に含まれる珪素がフッ素含有ガスと反応して四フッ化珪素となり、脱離、除去される。
なお、四フッ化珪素の濃度が徐々に減少する理由としては、堆積物22の表面の珪素が減少し、炭素が増加することで、その反応が妨げられるからである。
STEP6では、堆積物22に含まれる炭素は、酸素含有ガスと反応して二酸化炭素となり、脱離、除去される。
また、上記四フッ化珪素の濃度、及び二酸化炭素の濃度としては、移動平均等の算術処理を加えた値を用いるとよい。これにより、安定した濃度の挙動変化を掴むことが可能となる。
STEP7において、四フッ化珪素の濃度が、予め設定した閾値以下になったと肯定判定(Yesと判定)された場合、処理は、STEP8へと進む。
また、STEP7において、四フッ化珪素の濃度が、予め設定した閾値以下になっていない否定判定(Noと判定)された場合、処理は、STEP5に戻り、第1及び第2のステップの処理(STEP5,6の処理)が行なわれ、再度、STEP7へと処理が進む。
言い換えれば、第1及び第2のステップを繰り返し行うことで、炭化珪素サセプタ10に堆積した炭化珪素よりなる堆積物22の除去を行なう。これにより、図10(f)に示すように、サセプタ本体11の上面11a、及び第1の凹部12−1の底面12−1aが露出される。
そこで、上記STEP7で説明したように、四フッ化珪素の濃度が予め設定した閾値以下になった際に、第1及び第2のステップの処理を終了することで、炭化珪素サセプタ10のうち、堆積物22に覆われていた部分にダメージを与えることなく、炭化珪素サセプタ10に堆積した堆積物22を精度良く除去することができる。
このように、四フッ化珪素及び二酸化炭素の濃度を測定する排ガス分析部109として非分散式赤外線式分析計を用いることで、1つのデータの採取に要する時間が、短い場合には数秒、長くても数十秒となるため、データの採取時間が短い場合には10測定時間区間、データの採取時間が長い場合には5測定区間の応答時間を設けることで効率良く堆積物22の除去処理を行なうことができる。
また、もう1つの理由としては、四フッ化珪素及び二酸化炭素が、主に発生するための除去反応条件が、フッ素含有ガス成分の濃度が低く、加熱温度も低く設定でき、かつ良好な除去性能を得ることができるからである。
その後、図7に示す炭化珪素除去装置90のチャンバ91内から堆積物22が除去された炭化珪素サセプタ10(図10(f)に示す炭化珪素サセプタ10)を取り出す。その後、処理は、STEP9へと進む。
次いで、28%のアンモニア水(NH4OH)と、30%の過酸化水素水(H2O2)と、水(H2O)と、が混合された混合液(アンモニア水:過酸化水素水:水=1:1:5の混合比)中に所定の時間(例えば、600sec)炭化珪素サセプタ10を浸漬させることで純水洗浄を行う。
このとき、炭化珪素サセプタ10の表面に残存するエッチングガス(STEP5,6で使用されるプラズマ化させたフッ素含有ガス及び酸素含有ガス)に含まれる成分(例えば、F成分やN成分等)も除去することができる。その後、処理は、STEP11へと進む。
また、バルクの炭化珪素のみで構成された炭化珪素サセプタ10を用いることで、液体を用いて炭化珪素サセプタ10を洗浄することが可能となる。
したがって、堆積物22を除去した炭化珪素サセプタ10を再度使用して、良好な膜質とされた炭化珪素膜21を成膜することができる。
つまり、本実施の形態のサセプタのクリーニング方法において、第1及び第2のステップは、交互または同時に行えばよい。
<炭化珪素サセプタの準備工程>
実施例では、複数の炭化珪素基板20が載置されるサセプタとして、図1、図2(a),(b)、及び図3に示す炭化珪素サセプタ10を用いた。
炭化珪素基板20としては、口径が3インチ(7.62cm)、厚さが350μmの単結晶炭化珪素ウェハを用いた。
また、サセプタ本体11の外径を300cm、収容部12が配置されていない部分のサセプタ本体11の厚さを3mm、第1の凹部12−1の開口径を7.82cm(言い換えれば、リング状の隙間Eの幅が1mm)、第1の凹部12−1の深さを炭化珪素基板20と同じ350μm、第2の凹部12−2の深さを1mmとした。
このとき、複数の収容部12に配置された炭化珪素基板20の表面20aがサセプタ本体11の上面11aに対して面一となるようにした。
次に、図4に示す炭化珪素成膜装置30(大陽日酸株式会社製)の成膜チャンバ31内に炭化珪素サセプタ10を収容し、複数の炭化珪素基板20の表面20aに炭化珪素膜21として、厚さ10μmとされた4H−SiC膜を成膜する(エピタキシャル成長させる)工程を15回繰り返し行った。
次に、図4に示す炭化珪素成膜装置30から堆積物22が堆積した炭化珪素サセプタ10を取り出した。次いで、図7に示す炭化珪素除去装置90(大陽日酸株式会社製)のチャンバ91内に配置されたサセプタ受け部材97(図8参照)上に、堆積物22が堆積した炭化珪素サセプタ10を固定し、堆積物22を除去するクリーニング処理を実施した。
次いで、堆積物22が除去された炭化珪素サセプタ10をRCA洗浄した。具体的には、5%の希フッ酸に堆積物22が除去された炭化珪素サセプタ10を浸漬させた。このとき、5%の希フッ酸の温度を70℃とした。
その後、5%の希フッ酸から炭化珪素サセプタ10を取り出し、イオン交換水を用いた超音波洗浄により、炭化珪素サセプタ10を2分間洗浄した。このとき、イオン交換水は、メルク株式会社製のイオン交換水製造カートリッジであるMilli−DIを用いて、原水である市水(市で運営している水道のことで、飲料水以外も含む水)をろ過することで精製した。
また、超音波洗浄には、ヤマト科学株式会社製のWT−300M(型番)を用いた。
次いで、真空乾燥炉(図示せず)内に炭化珪素サセプタ10を設置する。次いで、真空乾燥炉(図示せず)内の温度を120℃とし、かつ真空乾燥炉(図示せず)内の真空度を5×10−5Pa・m・S−1以上となるように、12時間以上保持することで、炭化珪素サセプタ10を乾燥させた。
次いで、乾燥工程後の炭化珪素サセプタ10を用いた複数の炭化珪素基板20に複数の炭化珪素基板20を載置して、複数の炭化珪素基板20の表面20aに、先に説明した炭化珪素膜91の成膜工程と同様な処理(具体的には、10μmの4H−SiC膜を15回成膜する処理)を行った。
実施例では、上記15回の成膜処理において、4H−SiC膜のエピ不良は、確認されなかった。このことから、エッチング工程により堆積物22が除去され、かつRCA洗浄、純水洗浄、及び乾燥工程が実施された炭化珪素サセプタ10を再利用することで、良好な4H−SiC膜を形成できることが確認できた。
<サセプタの準備工程>
図11は、比較例で使用したサセプタの概略構成を示す平面図である。図12は、図11に示すサセプタのG−G線方向の断面図である。図12では、説明の便宜上、図11には図示していない炭化珪素基板20を点線で図示する。
ここで、図11及び図12を参照して、比較例で使用するサセプタ250の構成について説明する。
サセプタ250は、サセプタ本体251と、複数の収容部252と、を有する。複数の収容部252は、サセプタ本体251の中心Nを中心とする円周上に各収容部252の中心が位置するように、等間隔で配置した。
第1の凹部252−1は、その外計を7.82cm(言い換えれば、隙間Pが1mm)、深さを炭化珪素基板20の厚さと同じ350μmとした。また、第2の凹部252−2の深さは、1mmとした。
上記サセプタ250としては、カーボンよりなる部材を被膜である厚さ200μmの炭化珪素膜でコーティングしたものを用いた。
次に、図4に示す炭化珪素成膜装置30(大陽日酸株式会社製)の成膜チャンバ31内にサセプタ250を収容し、複数の炭化珪素基板20の表面20aに炭化珪素膜として、厚さ10μmとされた4H−SiC膜を成膜する(エピタキシャル成長させる)工程を15回繰り返し行った。
このときの4H−SiC膜の成膜条件は、実施例と同じ条件を用いた。
次に、図4に示す炭化珪素成膜装置30から堆積物が堆積したサセプタ250を取り出した。次いで、図7に示す炭化珪素除去装置90(大陽日酸株式会社製)のチャンバ91内に配置されたサセプタ受け部材97(図8参照)上に、炭化珪素よりなる堆積物が堆積したサセプタ250を固定し、該堆積物を除去するクリーニング処理(第1及び第2のステップを繰り返し行うドライエッチング処理)を実施した。
ドライエッチング処理の条件としては、実施例と同じ条件を用いた。
次いで、損傷したサセプタ250に複数の炭化珪素基板20を載置して、複数の炭化珪素基板20の表面20aに、先に説明した炭化珪素膜の成膜工程と同様な処理(具体的には、10μmの4H−SiC膜を15回成膜する処理)を行った。
比較例では、5回目以降に、4H−SiC膜のエピ不良が確認された。これは、損傷したサセプタ250を用いて、4H−SiC膜を形成したためであると考えられる。
ここでは、サセプタのうち、炭化珪素基板20が載置されない部分から切り出したサンプル1〜サンプル8を準備し、それぞれのサンプルの平均表面粗さRa(μm)と、それぞれのサンプルのエッチングレート(μm/min)と、を測定した。
サンプル1〜8の外径は、縦10mm×横10mm×高さ2mmとした。
図13は、多孔質炭化珪素、炭化珪素コート(研磨有無)、及びバルク炭化珪素(研磨有無)の平均表面粗さRa(μm)とエッチングレート(μm/min)との関係を示すグラフである。
サンプル2は、常圧で、SiCの微粉(平均粒子径サイズが1〜100μm)とSiの微粉(平均粒子径サイズが1〜100μm)とを1800℃の温度で加熱して常圧焼結することで形成した。
サンプル5は、サンプル3と同様なものを作製した後、その表面を、平均粒子径が2〜4μmの砥粒を有する♯8000のサンドペーパーを用いて、5minの間研磨することで形成した。
サンプル7は、サンプル6と同様な手法により形成されたバルクの炭化珪素の表面をバフ研磨することで作製した。このとき、バフ研磨には、♯400の砥粒を用いると共に、研磨布として羽布を用いた。また、バフ研磨時間は、5minとした。
サンプル8は、サンプル6と同様な手法により形成されたバルクの炭化珪素の表面を鏡面研磨することで作製した。このとき、鏡面研磨には、♯800の砥粒を用いると共に、研磨布として羽布を用いた。また、鏡面研磨時間は、5minとした。
なお、平均表面粗さRaが1μm以上の場合、小坂研究所社製の触針式段差計であるET4000Aを用い、平均表面粗さRaが1μm以下の場合、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製のNX−10を用いた。
具体的には、図7に示す炭化珪素除去装置90(大陽日酸株式会社製)のチャンバ91内に配置されたサセプタ受け部材97(図8参照)上に、平均表面粗さRaが測定された上記サンプル1〜8を固定後、サンプル1〜8の表面のエッチング処理を実施した。
その理由としては、表1に示すように、サンプル4,5のエッチングレートが2μm程度であり、バルクの炭化珪素のみで構成された炭化珪素サセプタの目標とするエッチングレートを0.02μm/min以下にすることで、例えば、炭化珪素コートされたサセプタの100倍以上のエッチング耐性を得ることができる。言い換えれば、1度の使用で使用不可になっていたサセプタを100回以上使用することが可能となる。
Claims (3)
- 炭化珪素膜が形成される炭化珪素基板を収容する収容部を含むサセプタに堆積した炭化珪素よりなる堆積物を除去するサセプタのクリーニング方法であって、
前記サセプタとして、バルクの炭化珪素のみで構成された炭化珪素サセプタを準備する工程と、
炭化珪素成膜装置の成膜チャンバから前記堆積物が付着した前記炭化珪素サセプタを取り出す工程と、
炭化珪素除去装置のチャンバ内に、前記堆積物が付着した前記炭化珪素サセプタを収容させると共に、前記収容部に前記炭化珪素サセプタを保護するサセプタ保護基板を配置する工程と、
前記チャンバ内にプラズマ化させたフッ素含有ガスを供給することで、前記堆積物に含まれる珪素成分を選択的に除去する第1のステップ、及び前記チャンバ内にプラズマ化させた酸素含有ガスを供給することで、前記堆積物に含まれる炭素成分を選択的に除去する第2のステップを含み、前記第1のステップと前記第2のステップとを交互または同時に行うエッチング工程と、を含み、
前記サセプタ保護基板の表面が、前記サセプタの上面に対して面一となるように、前記サセプタ保護基板を前記収容部に配置することを特徴とするサセプタのクリーニング方法。 - 前記エッチング工程後、前記サセプタをRCA洗浄する工程と、
前記RCA洗浄後、前記サセプタを超純水で洗浄する工程と、
前記超純水で洗浄後、前記サセプタを乾燥させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のサセプタのクリーニング方法。 - 前記堆積物が除去される前記炭化珪素サセプタの平均表面粗さRaが1μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のサセプタのクリーニング方法。
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