図1は、本発明の一の実施の形態に係る製造方法により製造される吸収性物品1の斜視図である。吸収性物品1は、着用者からの***物を受けるトランクスタイプの使い捨ておむつである。吸収性物品1は、図1中の上側の端部である上端に胴部開口11を有する。吸収性物品1は、また、図1中の下側の端部である下端に一対の脚部開口12を有する。
図2は、吸収性物品1の正面図(すなわち、着用者の腹側に位置する部位の図)である。図1および図2に示すように、吸収性物品1は、胴筒部15と、一対の脚筒部16とを備える。一対の脚筒部16は、胴筒部15の下端から下方に拡がる。胴筒部15の上端には、上述の胴部開口11が形成される。各脚筒部16の下端には、上述の脚部開口12が形成される。
図3は、吸収性物品1の胴筒部15を図2中のA−Aの位置にて切断した断面図である。図4は、吸収性物品1の一対の脚筒部16を図2中のB−Bの位置にて切断した断面図である。図1ないし図4に示すように、吸収性物品1は、外装シート4と、股下部材2とを備える。股下部材2は、外装シート4の内面(なわち、着用者側の面)に取り付けられて着用者からの***物を吸収する略シート状の吸収体である。
図2ないし図4に示すように、外装シート4は、第1外装シート41と、第2外装シート42とを備える。第1外装シート41は、着用者の後側(すなわち、背側の肌)を覆うシート状の部材である。第2外装シート42は、着用者の前側(すなわち、腹側の肌)を覆うシート状の部材である。第1外装シート41の幅方向の両側の側縁部410は、第2外装シート42の幅方向の両側の側縁部420に、ヒートシール等により接合される。当該幅方向は、上下方向および前後方向に垂直な方向であり、吸収性物品1の着用時における左右方向である。第1外装シート41の側縁部410と第2外装シート42の側縁部420とは、上下方向のおよそ全長に亘って互いに固定される。第1外装シート41の上端部、および、第2外装シート42の上端部には、幅方向に延びる胴部弾性部材45が接合される。胴部弾性部材45は、例えば、幅方向に長い帯状の部材である。
図4中の左側の脚筒部16では、幅方向の内側(すなわち、図中の右側の部位)において、第1外装シート41と第2外装シート42とが第1脚部接続シート43により接続される。また、図2および図4中の右側の脚筒部16では、幅方向の内側(すなわち、図中の左側の部位)において、第1外装シート41と第2外装シート42とが第2脚部接続シート44により接続される。
図3に示すように、股下部材2は、トップシート21と、吸収コア22と、バックシート23とを備える。吸収コア22は、トップシート21と、トップシート21に積層されたバックシート23との間に配置される。トップシート21とバックシート23とは、周縁部が接着剤やヒートシール等により接合される。股下部材2のトップシート21上には、トップシート21から離れる方向に起立する一対の側壁部(いわゆる、立体ギャザー)が、幅方向の両側部に設けられてもよい。
股下部材2は、略矩形状であり、トップシート21を内側にして長手方向(図1および図2中の上下方向)の中央部にて2つ折りにされる。股下部材2のバックシート23が、外装シート4の第1外装シート41および第2外装シート42に接合されることにより、股下部材2が外装シート4に固定される。吸収性物品1が着用される際には、股下部材2は着用者の股間部に接する。
トップシート21は、透液性のシート部材であり、着用者からの***物の水分を速やかに捕捉して吸収コア22へと移動させる。トップシート21は、例えば、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)にて形成された透液性の不織布であり、当該不織布として、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンボンド不織布が利用される。なお、トップシート21として、セルロースやレーヨン、コットン等の親水性繊維により形成された不織布(例えば、スパンレース不織布)が利用されてもよい。
吸収コア22は、トップシート21を透過した水分を吸収して迅速に固定する。吸収コア22は、例えば、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を、2枚の透液性のシート部材の間に挟んで固定することにより形成される。吸収コア22は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に粒状の高吸収性材料を混合したものをティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成されてもよい。
バックシート23は、撥水性または不透液性のシート部材であり、トップシート21および吸収コア22を透過した***物の水分等が股下部材2の外側にしみ出すことを防止する。バックシート23としては、例えば、疎水性繊維にて形成された不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)、プラスチックフィルム、あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用される。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、吸収性物品1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
外装シート4の第1外装シート41および第2外装シート42としては、例えば、バックシート23と同様に、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布やプラスチックフィルムが利用される。あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが、第1外装シート41および第2外装シート42として利用されてもよい。プラスチックフィルムとしては、透湿性(通気性)を有するものが利用されることが好ましい。また、第1外装シート41および第2外装シート42として、トップシート21と同様に、親水性繊維により形成された不織布や親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布が利用されてもよい。胴部弾性部材45としては、例えば、帯状のポリウレタンフィルムや天然ゴム等が利用される。あるいは、ポリウレタン糸や糸状の天然ゴム等が、胴部弾性部材45として利用されてもよい。
第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44としては、例えば、疎水性繊維にて形成された不織布が利用される。好ましくは、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44は、伸縮シートである。第1外装シート41および第2外装シート42も、好ましくは、伸縮シートである。第1脚部接続シート43、第2脚部接続シート44、第1外装シート41および第2外装シート42は、例えば、通常の不織布よりも伸縮性が高い伸縮性不織布である。
第1脚部接続シート43、第2脚部接続シート44、第1外装シート41および第2外装シート42が伸縮シートである場合、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の伸縮性は、好ましくは、第1外装シート41および第2外装シート42の伸縮性よりも高い。換言すれば、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44は、第1外装シート41および第2外装シート42よりも伸びやすい。なお、第1脚部接続シート43、第2脚部接続シート44、第1外装シート41および第2外装シート42は、一般的に伸縮性を有しないとみなされる程度に伸縮性が低い通常のシート部材であってもよい。
次に、吸収性物品1の製造方法について説明する。実際の吸収性物品1の製造では、長尺状のシート部材を利用して、複数の吸収性物品1が連続的に製造される。以下では、まず、1つの吸収性物品1に注目して当該吸収性物品1の製造方法について説明し、その後、複数の吸収性物品1の連続製造について説明する。
図5は、吸収性物品1の製造の流れを示す図である。図6ないし図10は、製造途上の吸収性物品1(以下、「半製品」とも呼ぶ。)を示す図である。図6、および、図8ないし図10は、吸収性物品1の半製品の斜視図である。図7は、図6中の半製品をC−Cの位置にて切断した断面図である。図11は、吸収性物品1の斜視図である。
吸収性物品1の製造では、まず、図6および図7に示すように、吸収性物品1の第1外装シート41になる予定の中間部材である第1シート部材51が準備される(ステップS11)。実際には、第1シート部材51は、後述するように、長手方向に延びる長尺状のシート部材の一部である。
図6では、長手方向とは、第1シート部材51に沿って図中の奥側から手前側に向かう方向である。以下の説明では、長手方向の一方側である図中の奥側を、単に「奥側」と呼び、長手方向の他方側である図中の手前側を、単に「手前側」と呼ぶ。また、長手方向に垂直な幅方向は、第1シート部材51に沿う図中の左右方向である。以下の説明では、幅方向の一方側である図中の左側を、単に「左側」と呼び、幅方向の他方側である図中の右側を、単に「右側」と呼ぶ。図7ないし図11、図14および図15においても同様である。
図6および図7に示すように、第1シート部材51は、第1上層部511と、第1下層部512とを備える。第1上層部511および第1下層部512はそれぞれ、略矩形シート状の部材である。第1下層部512は、第1上層部511と同形状(すなわち、形も大きさも同じ)である。第1下層部512は、第1上層部511の下に重なる。第1上層部511と第1下層部512との互いに対向する面は、第1外装シート41の外面(すなわち、着用者とは反対側の面)になる。第1上層部511と第1下層部512とは、第1シート部材51の図中の左側のエッジである第1内側エッジ513にて部分的に連続する。具体的には、第1内側エッジ513に、図中の奥側の端部から所定の長さに亘って、第1上層部511と第1下層部512とが連続する第1連続部514が設けられる。
第1シート部材51の第1内側エッジ513では、第1連続部514を除く部位が、第1上層部511と第1下層部512とが非連続である第1非連続部515である。第1非連続部515は、第1内側エッジ513の図中の手前側の端部から所定の長さに亘って設けられる。図6に示す例では、第1連続部514の長手方向の長さは、第1非連続部515の長手方向の長さの約2倍である。
第1シート部材51の図中の右側のエッジでは、長手方向の全長に亘って、第1上層部511と第1下層部512とが非連続である。第1シート部材51の長手方向両側(すなわち、図中の奥側および手前側)のエッジにおいても、第1上層部511と第1下層部512とが幅方向の全長に亘って非連続である。実際には、当該両側のエッジにおいて、第1上層部511および第1下層部512は、他の第1シート部材51の第1上層部511および第1下層部512と連続する。第1シート部材51の長手方向の一方側の端部には、胴部弾性部材45の一部となる予定の帯状の弾性部材55が接合される。弾性部材55は、第1上層部511の上面から第1下層部512の下面へと延びる。
図6に示す例では、第1シート部材51は、幅方向の中央部に第1非連続部515になる予定のスリットが形成された1枚のシート部材を、当該スリットの位置にて幅方向に2つ折りにすることにより形成される。当該シート部材を2つ折りにする際の折り返し線は、第1シート部材51の第1内側エッジ513における第1連続部514になる。また、当該シート部材において、上記折り返し線の両側の部位が、第1上層部511および第1下層部512になる。なお、第1シート部材51は、第1上層部511および第1下層部512になる予定の2枚のシート部材を積層し、幅方向の一方側のエッジにおいて所定の長さ(すなわち、第1連続部514に等しい長さ)だけ接合することにより形成されてもよい。
続いて、長手方向の中央部の折り返し線24にてトップシート21を内側にして長手方向に2つ折りにされた股下部材2が準備される。股下部材2は、当該中央部を図中の手前側に向けて第1シート部材51上に配置されて固定される(ステップS12)。股下部材2の幅方向の中央部は、第1シート部材51の第1内側エッジ513の第1連続部514と重なる。換言すれば、股下部材2の図中の右半分の部位のみが第1シート部材51と重なる。股下部材2の下面25(図7参照)の右半分の部位は、第1シート部材51の第1上層部511の上面に、例えば、ホットメルト接着剤により固定される。
次に、吸収性物品1の第2外装シート42になる予定の中間部材である第2シート部材52が準備される。第2シート部材52は、第1シート部材51と同形状(すなわち、形も大きさも同じ)である。実際には、第2シート部材52は、第1シート部材51と同様に、長手方向に延びる長尺状のシート部材の一部である。
図6および図7に示すように、第2シート部材52は、第2上層部521と、第2下層部522とを備える。第2上層部521および第2下層部522はそれぞれ、略矩形シート状の部材である。第2下層部522は、第2上層部521と同形状である。第2下層部522は、第2上層部521の下に重なる。第2上層部521と第2下層部522との互いに対向する面は、第2外装シート42の外面(すなわち、着用者とは反対側の面)になる。第2上層部521と第2下層部522とは、第2シート部材52の図中の右側のエッジである第2内側エッジ523にて部分的に連続する。具体的には、第2内側エッジ523に、図中の奥側の端部から所定の長さに亘って、第2上層部521と第2下層部522とが連続する第2連続部524が設けられる。
第2シート部材52の第2内側エッジ523では、第2連続部524を除く部位が、第2上層部521と第2下層部522とが非連続である第2非連続部525である。第2非連続部525は、第2内側エッジ523の図中の手前側の端部から所定の長さに亘って設けられる。図6に示す例では、第2連続部524の長手方向の長さは、第2非連続部525の長手方向の長さの約2倍である。
第2シート部材52の図中の左側のエッジでは、長手方向の全長に亘って、第2上層部521と第2下層部522とが非連続である。第2シート部材52の長手方向両側のエッジにおいても、第2上層部521と第2下層部522とが幅方向の全長に亘って非連続である。実際には、当該両側のエッジにおいて、第2上層部521および第2下層部522は、他の第2シート部材52の第2上層部521および第2下層部522と連続する。第2シート部材52の長手方向の一方側の端部には、胴部弾性部材45の一部となる予定の帯状の弾性部材55が接合される。弾性部材55は、第2上層部521の上面から第2下層部522の下面へと延びる。
図6に示す例では、第2シート部材52は、幅方向の中央部に第2非連続部525になる予定のスリットが形成された1枚のシート部材を、当該スリットの位置にて幅方向に2つ折りにすることにより形成される。当該シート部材を2つ折りにする際の折り返し線は、第2シート部材52の第2内側エッジ523における第2連続部524になる。また、当該シート部材において、上記折り返し線の両側の部位が、第2上層部521および第2下層部522になる。なお、第2シート部材52は、第2上層部521および第2下層部522になる予定の2枚のシート部材を積層し、幅方向の一方側のエッジにおいて所定の長さ(すなわち、第2連続部524に等しい長さ)だけ接合することにより形成されてもよい。
第2シート部材52は、第2連続部524と第1連続部514との長手方向の位置を合わせつつ股下部材2の上面26上に配置されて固定される(ステップS13)。第2シート部材52の第2連続部524は、股下部材2の幅方向の中央部と重なる。第2シート部材52の第2内側エッジ523は、第1シート部材51の第1内側エッジ513とおよそ重なる。換言すれば、股下部材2の図中の左半分の部位のみが第2シート部材52と重なる。股下部材2の上面26(図7参照)の左半分の部位は、第2シート部材52の第2下層部522の下面に、例えば、ホットメルト接着剤により固定される。
股下部材2の折り返し線24の長手方向の位置は、第1連続部514および第2連続部524の図中の手前側の端部よりも奥側に位置する。また、股下部材2の図中の奥側の端部は、第1シート部材51および第2シート部材52の図中の奥側のエッジと、長手方向における位置がおよそ一致する。すなわち、股下部材2は、股下部材2の長手方向の全長に亘って、第1連続部514および第2連続部524と重なる。換言すれば、股下部材2は、第1非連続部515および第2非連続部525とは重ならない。
ステップS11〜S13が終了すると、図8に示すように、略矩形状の第1脚部接続シート43が、第1シート部材51および第2シート部材52の下側に配置される。そして、第1脚部接続シート43の幅方向の中央部が第1非連続部515および第2非連続部525に重ねられた状態で、第1シート部材51の第1下層部512の下面、および、第2シート部材52の第2下層部522の下面に、第1脚部接続シート43が接合される(ステップS14)。
続いて、略矩形状の第2脚部接続シート44が、第1シート部材51および第2シート部材52の上側に配置される。そして、第2脚部接続シート44の幅方向の中央部が第1非連続部515および第2非連続部525に重ねられた状態で、第1シート部材51の第1上層部511の上面、および、第2シート部材52の第2上層部521の上面に、第2脚部接続シート44が接合される(ステップS15)。
第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44はそれぞれ、第1非連続部515の図中の奥側の端部、および、第2非連続部525の図中の奥側の端部と重なる。換言すれば、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の図中の奥側のエッジは、第1非連続部515および第2非連続部525の奥側の端部よりも図中の奥側に位置する。または、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の図中の奥側のエッジは、第1非連続部515および第2非連続部525の奥側の端部と、長手方向における位置がおよそ一致する。第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の図中の手前側のエッジは、好ましくは、第1非連続部515および第2非連続部525の手前側の端部と、長手方向における位置がおよそ一致する。
上述のように、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の奥側のエッジが、第1非連続部515および第2非連続部525の奥側の端部よりも奥側に位置する場合、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の奥側の端部、かつ、幅方向の中央部(以下、「奥端部中央部」という。)は、第1連続部514および第2連続部524と重なる。第1脚部接続シート43の奥端部中央部と、第2脚部接続シート44の奥端部中央部とは、第1連続部514と第2連続部524との間で互いに接合されることが好ましい。
第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の接合が終了すると、図9に矢印R1にて示すように、第1シート部材51の第1下層部512を第1上層部511から離間させて、第1シート部材51が幅方向に展開される(すなわち、幅方向に拡げる。)。これにより、図10に示すように、第1下層部512は、第1連続部514(図6参照)および第1非連続部515を挟んで、第1上層部511の幅方向の反対側に位置する。すなわち、第1下層部512は、股下部材2の左半分の部位の下方に位置する。股下部材2の下面25の左半分の部位は、第1シート部材51の第1下層部512に、例えば、ホットメルト接着剤により固定される(ステップS16)。また、第1下層部512のうち股下部材2と重ならない部位は、第2シート部材52の第2下層部522と対向する。第1下層部512と第2下層部522との間には、幅方向の中央部にて2つ折りにされた第1脚部接続シート43が配置される。
また、第1シート部材51の展開と並行して、図9に矢印R2にて示すように、第2シート部材52の第2上層部521を第2下層部522から離間させて、第2シート部材52が幅方向に展開される(すなわち、幅方向に拡げる。)。これにより、図10に示すように、第2上層部521は、第2連続部524(図6参照)および第2非連続部525を挟んで、第2下層部522の幅方向の反対側に位置する。すなわち、第2上層部521は、股下部材2の右半分の部位の上方に位置する。股下部材2の上面26の右半分の部位は、第2シート部材52の第2上層部521に、例えば、ホットメルト接着剤により固定される(ステップS17)。また、第2上層部521のうち股下部材2と重ならない部位は、第1シート部材51の第1上層部511と対向する。第1上層部511と第2上層部521との間には、幅方向の中央部にて2つ折りにされた第2脚部接続シート44が配置される。なお、ステップS16,S17は、上述のように、並行して行われてもよく、いずれか一方のステップが先に行われた後、他方のステップが行われてもよい。
ステップS16,S17が終了すると、図11に示すように、第1シート部材51の幅方向の両側の側縁部510と、第2シート部材52の幅方向の両側の側縁部520とが、例えば、ヒートシールにより互いに固定される(ステップS18)。第1シート部材51の側縁部510および第2シート部材52の側縁部520はそれぞれ、第1外装シート41の側縁部410および第2外装シート42の側縁部420となる。ステップS18により、図中の奥側に胴部開口11が形成される。また、図中の手前側において股下部材2の幅方向両側に一対の脚部開口12が形成され、吸収性物品1の製造が終了する。
吸収性物品1の実際の製造では、上述のように、長尺状のシート部材を利用して、複数の吸収性物品1が連続的に製造される。図12は、複数の吸収性物品1を連続的に製造する吸収性物品製造装置8の構成を示す図である。図13は、吸収性物品製造装置8における吸収性物品1の製造の流れを示す図である。図13中のステップS21〜S28は、図5中のステップS11〜S18に対応する。すなわち、吸収性物品製造装置8において1つの吸収性物品1を形成する構成に着目すると、ステップS21〜S28はステップS11〜S18と同様である。
吸収性物品製造装置8では、まず、複数の第1シート部材51が長手方向に連続した長尺状のシート部材である第1連続シート部材51cが準備される(ステップS21)。第1連続シート部材51cは、複数の第1上層部511が長手方向に連続した長尺状の第1連続上層部511cと、複数の第1下層部512が長手方向に連続した長尺状の第1連続下層部512cとを備える。第1連続シート部材51cの図中の左側(すなわち、幅方向の一方側)のエッジである第1内側エッジ513cでは、2つの第1連続部514が長手方向に連続する第1連続部514cと、2つの第1非連続部515が長手方向に連続する第1非連続部515cとが、長手方向において交互に配列される。図12では、第1非連続部515cを太線にて示す。
続いて、図14に示すように、2つの股下部材2が長手方向に連続する股下部材組立体2cが準備される。股下部材組立体2cでは、2つの股下部材2のうち、図中の奥側(すなわち、長手方向の一方側)の股下部材2が、長手方向の中央部にてトップシート21を内側にして図中の手前側(すなわち、長手方向の他方側)へと2つ折りにされている。また、図中の手前側の股下部材2は、長手方向の中央部にてトップシート21を内側にして図中の奥側へと2つ折りにされている。
図12に示す吸収性物品製造装置8では、第1接合部81において、股下部材組立体2cが第1連続シート部材51c上に配置され、股下部材組立体2cの下面の右半分の部位が、例えば、ホットメルト接着剤により第1連続シート部材51cの第1連続上層部511cに固定される(ステップS22)。股下部材組立体2cの幅方向の中央部は、第1連続シート部材51cの第1内側エッジ513cの第1連続部514cと重なる。
次に、複数の第2シート部材52が長手方向に連続した長尺状のシート部材である第2連続シート部材52cが準備される。第2連続シート部材52cは、複数の第2上層部521が長手方向に連続した長尺状の第2連続上層部521cと、複数の第2下層部522が長手方向に連続した長尺状の第2連続下層部522cとを備える。第2連続シート部材52cの図中の右側(すなわち、幅方向の他方側)のエッジである第2内側エッジ523cでは、2つの第2連続部524が長手方向に連続する第2連続部524cと、2つの第2非連続部525が長手方向に連続する第2非連続部525cとが、長手方向において交互に配列される。図12では、第2非連続部525cを太線にて示す。
第2連続シート部材52cは、第2接合部82において、第2連続部524cと第1連続部514cとの長手方向の位置を合わせつつ、股下部材組立体2c上に配置される。股下部材組立体2cの上面の左半分の部位は、例えば、ホットメルト接着剤により第2連続シート部材52cの第2連続下層部522cに固定される(ステップS23)。股下部材組立体2cの幅方向の中央部は、第2連続シート部材52cの第2内側エッジ523cの第2連続部524cと重なる。
ステップS21〜S23が終了すると、2つの第1脚部接続シート43が長手方向に連続する第1連続脚部接続シート43cが、第1連続シート部材51cおよび第2連続シート部材52cの下側に配置される。そして、第3接合部83において、第1連続脚部接続シート43cの幅方向の中央部が第1非連続部515cおよび第2非連続部525cに重ねられた状態で、第1連続シート部材51cの第1連続下層部512cの下面、および、第2連続シート部材52cの第2連続下層部522cの下面に、第1連続脚部接続シート43cが接合される(ステップS24)。
続いて、2つの第2脚部接続シート44が長手方向に連続する第2連続脚部接続シート44cが、第1連続シート部材51cおよび第2連続シート部材52cの上側に配置される。そして、第3接合部83において、第2連続脚部接続シート44cの幅方向の中央部が第1非連続部515cおよび第2非連続部525cに重ねられた状態で、第1連続シート部材51cの第1連続上層部511cの上面、および、第2連続シート部材52cの第2連続上層部521cの上面に、第2連続脚部接続シート44cが接合される(ステップS25)。
ステップS24,S25が終了すると、展開部84において、第1連続シート部材51cおよび第2連続シート部材52cが幅方向に展開される。そして、股下部材組立体2cの下面の左半分の部位が、第1連続シート部材51cの第1連続下層部512cに、例えばホットメルト接着剤により固定される。また、股下部材組立体2cの上面の右半分の部位が、第2連続シート部材52cの第2連続上層部521cに、例えばホットメルト接着剤により固定される(ステップS26,S27)。
次に、第4接合部85において、第1連続シート部材51cの幅方向の両側の側縁部510cと、第2連続シート部材52cの幅方向の両側の側縁部520cとが、例えば、ヒートシールにより互いに固定される(ステップS28)。その後、切断部86の幅方向に延びる切断刃により、第1連続脚部接続シート43cおよび第2連続脚部接続シート44cの長手方向中央において、第1連続シート部材51c、第1連続脚部接続シート43c、第2連続脚部接続シート44cおよび第2連続シート部材52cが切断される。また、切断部86の幅方向に延びる切断刃により、股下部材組立体2cの長手方向中央において、第1連続シート部材51c、股下部材組立体2cおよび第2連続シート部材52cが切断される(ステップS29)。これにより、胴部開口11および一対の脚部開口12を有する複数の吸収性物品1が連続的に製造される。
以上に説明したように、吸収性物品1の製造方法では、ステップS11〜S13において、第1上層部511と第1下層部512とが重ねられた状態で、第1シート部材51上に股下部材2の右半分の部位が接合される。また、第2上層部521と第2下層部522とが重ねられた状態で、股下部材2の左半分の部位上に第2シート部材52が接合される。そして、ステップS16,S17において第1シート部材51および第2シート部材52が展開され、ステップS18において、幅方向の両側縁部にて第1シート部材51と第2シート部材52とが接合される。
このように、吸収性物品1の製造では、第1シート部材51および第2シート部材52の一部を切除して開口を形成する必要がないため、吸収性物品1の製造コストを低減することができる。また、股下部材2を当該開口に潜らせる必要もないため、股下部材2の幅が当該開口の幅により制限されることがない。したがって、股下部材2の幅を比較的に自由に決定することができる。換言すれば、吸収性物品1の設計の自由度を向上することができる。さらには、外装シート4において、第1外装シート41と第2外装シート42とが幅方向の両側縁部にて接合され、幅方向の中央部には第1外装シート41と第2外装シート42との接合部(すなわち、第1シート部材51と第2シート部材52との接合部)が設けられないため、当該接合部が着用者に接して吸収性物品1の着用感が低下することを防止することができる。
上述のように、ステップS11〜S15において、第1シート部材51の第1上層部511と第1下層部512との互いに対向する面は、第1外装シート41の外面(すなわち、着用者とは反対側の面)となる予定の面である。第2シート部材52では、第2上層部521と第2下層部522との互いに対向する面が、第2外装シート42の外面(すなわち、着用者とは反対側の面)となる予定の面である。このように、吸収性物品1の製造中に、第1外装シート41および第2外装シート42の外面となる予定の面の露出を抑制することにより、吸収性物品1の外面が汚れる(例えば、ホットメルト接着剤が外面に付着する)ことを抑制することができる。また、上記実施の形態では、トップシート21、吸収コア22およびバックシート23を有する吸収体である股下部材2を有する使い捨ておむつを、外面の汚れを抑制しつつ製造することができる。
上述のように、吸収性物品1の製造では、ステップS14,S15において、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44がそれぞれ、幅方向の中央部を第1シート部材51の第1非連続部515および第2シート部材52の第2非連続部525に重ねた状態で、第1シート部材51および第2シート部材52に接合される。そして、ステップS16,S17において第1シート部材51および第2シート部材52が展開され、ステップS18において、幅方向の両側縁部にて第1シート部材51と第2シート部材52とが接合される。これにより、トランクスタイプの吸収性物品1において、一対の脚筒部16を容易に形成することができる。また、一対の脚筒部16の幅方向の内側の部位に第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44を設けることにより、各脚筒部16の強度を向上することができる。また、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の幅方向の長さを変更することにより、各脚筒部16の周長を容易に調節することができる。
第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44は、上述のように、好ましくは伸縮シートである。これにより、股下部材2の下方にて脚周り方向に拡がるマチを形成しなくとも、脚筒部16への脚の挿入を容易とすることができる。なお、脚筒部16には上記マチが形成されてもよい。吸収性物品1では、第1シート部材51および第2シート部材52も、好ましくは伸縮シートである。これにより、吸収性物品1を容易に装着することができる。また、脚筒部16への脚の挿入をさらに容易とすることもできる。第1脚部接続シート43、第2脚部接続シート44、第1外装シート41および第2外装シート42が伸縮シートである場合、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の伸縮性は、好ましくは、第1外装シート41および第2外装シート42の伸縮性よりも高い。これにより、脚筒部16への脚の挿入をより一層容易とすることができる。
ステップS12,S13では、股下部材2が、その全長に亘って第1連続部514および第2連続部524と重なる。これにより、一対の脚筒部16の間から股下部材2の下端中央部が露出することを防止することができる。その結果、吸収性物品1の外観を良好なものとすることができる。また、ステップS14,S15では、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44がそれぞれ、第1非連続部515および第2非連続部525の図8中の奥側の端部(すなわち、股下部材2側の端部)と重なる。これにより、一対の脚筒部16の間において、脚筒部16の付け根部分に隙間(すなわち、吸収性物品1の内側と外側とを連通する穴)が形成されることを防止することができる。その結果、吸収性物品1の外観をさらに良好なものとすることができる。さらに、第1脚部接続シート43の奥端部中央部と、第2脚部接続シート44の奥端部中央部とが、第1連続部514と第2連続部524との間で互いに接合される場合、脚筒部16の付け根部分に隙間が形成されることを、より確実に防止することができる。その結果、吸収性物品1の外観をより一層良好なものとすることができる。
上述のように、第1シート部材51は1枚のシート部材を第1連続部514にて2つ折りにすることにより形成され、第2シート部材52は、他の1枚のシート部材を第2連続部524にて2つ折りにすることにより形成される。これにより、第1シート部材51および第2シート部材52を容易に準備することができる。
吸収性物品1では、図15に示すように、一対の脚部開口12の幅方向外側かつ図中の手前側(すなわち、上述の長手方向の他方側)の部位に、第1外装シート41と第2外装シート42が非連続である一対の外スリット部40が設けられてもよい。一対の外スリット部40は、例えば、ステップS18において第1シート部材51の側縁部510と第2シート部材52の側縁部520(図11参照)とが接合された後、一対の脚部開口12の幅方向外側の部位(すなわち、脚筒部16の第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44が設けられる部位とは反対側の側縁部)が、図中の手前側から所定の長さに亘って切除されることにより形成される。これにより、各外スリット部40では、第1シート部材51の側縁部510と第2シート部材52の側縁部520とが非連続となる。一対の外スリット部40が設けられることにより、脚筒部16への脚の挿入をさらに容易とすることができる。なお、一対の外スリット部40は、ステップS18において、第1シート部材51の側縁部510と第2シート部材52の側縁部520との接合の際に、外スリット部40に対応する部位の接合を行わないことにより形成されてもよい。
上記吸収性物品1の構造、および、吸収性物品1の製造方法は、様々な変更が可能である。
例えば、ステップS12,S13では、股下部材2は、必ずしも、股下部材2の長手方向の全長に亘って、第1連続部514および第2連続部524と重なる必要はない。例えば、股下部材2の長手方向の他方側の端部は、第1非連続部515および第2非連続部525の長手方向の一方側の端部と重なってもよい。
ステップS12における股下部材2の第1シート部材51上への固定、および、ステップS13における第2シート部材52の股下部材2上への固定は、並行して行われてもよい。ステップS22における股下部材組立体2cの第1連続シート部材51c上への固定、および、ステップS23における第1連続シート部材52cの股下部材組立体2c上への固定も、並行して行われてよい。
ステップS14,S15では、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44は、必ずしも、第1非連続部515の長手方向の一方側(すなわち、図8中の奥側)の端部、および、第2非連続部525の長手方向の一方側の端部と重なるように接合される必要はない。例えば、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44の長手方向の一方側のエッジは、第1非連続部515および第2非連続部525の長手方向の一方側の端部よりも、長手方向の他方側(すなわち、図8中の手前側)に位置していてもよい。
股下部材2は、必ずしもトップシート21、吸収コア22およびバックシート23を有する吸収体である必要はない。股下部材2は、例えば、吸収パッド等の吸収具が着脱可能に取り付けられる取付部であってもよい。この場合、股下部材2は、例えば、撥水性または不透液性のシートにより形成されたシート部材であり、吸収具を止着可能な面ファスナ、あるいは、吸収具の端部を被覆して吸収具のずれを制限する被覆ギャザーを備える。
第1シート部材51および第2シート部材52では、必ずしも第1非連続部515および第2非連続部525は設けられる必要はない。すなわち、第1内側エッジ513はその全長に亘って第1連続部514であり、第2内側エッジ523もその全長に亘って第2連続部524であってよい。また、吸収性物品1では、第1脚部接続シート43および第2脚部接続シート44も、必ずしも設けられる必要はない。この場合、図5に示す吸収性物品1の製造方法から、ステップS14,S15が省略される。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。