JP6228413B2 - Vehicle transmission - Google Patents
Vehicle transmission Download PDFInfo
- Publication number
- JP6228413B2 JP6228413B2 JP2013193850A JP2013193850A JP6228413B2 JP 6228413 B2 JP6228413 B2 JP 6228413B2 JP 2013193850 A JP2013193850 A JP 2013193850A JP 2013193850 A JP2013193850 A JP 2013193850A JP 6228413 B2 JP6228413 B2 JP 6228413B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transmission
- clutch
- ratio
- gear
- vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
Description
本発明は、無段変速機を備える車両用変速装置に関する。 The present invention relates to a vehicle transmission provided with a continuously variable transmission.
無段変速機に対する入力トルクを抑制するため、エンジンと無段変速機との間に遊星歯車機構を組み込むようにした変速装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載される変速装置は、エンジントルクを遊星歯車機構によって二手に分割するとともに、一方のエンジントルクを無段変速機に伝達するトルクフローを有している。
In order to suppress the input torque to the continuously variable transmission, a transmission has been proposed in which a planetary gear mechanism is incorporated between the engine and the continuously variable transmission (see Patent Document 1). The transmission described in
ところで、特許文献1に記載される変速装置においては、無段変速機に対する入力トルクが抑制されるものの、無段変速機の変速比幅に比べて変速装置の変速比幅が狭くなるという問題がある。このような変速装置においては、変速比幅を拡大することが望まれているが、スペース上の制約等から無段変速機の大型化が許されない場合には、変速装置の変速比幅を拡大することは不可能であった。
Incidentally, in the transmission described in
本発明の目的は、車両用変速装置の変速比幅を拡大することにある。 An object of the present invention is to increase the speed ratio width of a vehicle transmission.
本発明の車両用変速装置は、エンジンと駆動輪との間に設けられる無段変速機と、前記エンジンに接続される第1回転要素と、前記無段変速機の入力回転体に接続される第2回転要素と、前記無段変速機の出力回転体に接続される第3回転要素と、を備える遊星歯車機構と、前記エンジンと前記入力回転体との間に設けられる第1クラッチと、前記第3回転要素と前記出力回転体との間に設けられる第2クラッチと、変速比の大きな第1変速比領域では、前記第1クラッチを解放して前記第2クラッチを締結する一方、変速比の小さな第2変速比領域では、前記第1クラッチを締結して前記第2クラッチを解放する遊星歯車制御部と、を有し、前記遊星歯車機構は、共線図上で、前記第1回転要素と前記第2回転要素とが両端に配置され、前記第3回転要素が前記第1回転要素と前記第2回転要素との間に配置される構成を備える。 The vehicular transmission according to the present invention is connected to a continuously variable transmission provided between an engine and drive wheels, a first rotating element connected to the engine, and an input rotating body of the continuously variable transmission. A planetary gear mechanism comprising a second rotating element and a third rotating element connected to an output rotating body of the continuously variable transmission ; a first clutch provided between the engine and the input rotating body; In a first gear ratio region having a large gear ratio and a second clutch provided between the third rotating element and the output rotating body, the first clutch is released and the second clutch is engaged, A planetary gear control unit that engages the first clutch and releases the second clutch in the second gear ratio region having a small ratio, and the planetary gear mechanism is The rotating element and the second rotating element are arranged at both ends, and the front Having the configuration third rotating element is disposed between the second rotating element and the first rotating element.
本発明によれば、共線図上で、第1回転要素と第2回転要素とが両端に配置され、第3回転要素が第1回転要素と第2回転要素との間に配置される遊星歯車機構を有する。第1回転要素にはエンジンが接続され、第2回転要素には無段変速機の入力回転体が接続され、第3回転要素には無段変速機の出力回転体が接続される。これにより、車両用変速装置の変速比幅を拡大することが可能となる。 According to the present invention, on the collinear diagram, the first rotating element and the second rotating element are disposed at both ends, and the third rotating element is disposed between the first rotating element and the second rotating element. It has a gear mechanism. The engine is connected to the first rotating element, the input rotating body of the continuously variable transmission is connected to the second rotating element, and the output rotating body of the continuously variable transmission is connected to the third rotating element. As a result, the transmission gear ratio range of the vehicle transmission can be increased.
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用変速装置10を備えたパワートレイン11を示す概略図である。図1に示すように、パワートレイン11は、エンジン12とこれに連結されるトルクコンバータ13とを有している。また、パワートレイン11は、動力分割機構14および無段変速機15によって構成される変速ユニット16を有している。変速ユニット16には前輪出力軸17が連結されており、前輪出力軸17にはギヤ列18を介して後輪出力軸19が連結されている。前輪出力軸17には、デファレンシャル機構を介して前輪(駆動輪)21が連結されている。後輪出力軸19には、図示しないデファレンシャル機構を介して後輪(駆動輪)22が連結されている。このように、エンジン12と駆動輪21,22との間には無段変速機15が設けられている。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram showing a
変速ユニット16を構成する無段変速機15は、プライマリ軸30と、これに平行となるセカンダリ軸31とを有している。無段変速機15のプライマリ軸30には、プライマリプーリ(入力回転体)32が設けられている。プライマリプーリ32には、プーリ溝幅を調整するためのプライマリ室33が設けられている。また、無段変速機15のセカンダリ軸31には、セカンダリプーリ(出力回転体)34が設けられている。セカンダリプーリ34には、プーリ溝幅を調整するためのセカンダリ室35が設けられている。さらに、プライマリプーリ32およびセカンダリプーリ34には駆動チェーン36が巻き掛けられている。プライマリ室33やセカンダリ室35に供給される油圧を調整することにより、プーリ溝幅を変化させて駆動チェーン36の巻き付け径を変化させることが可能となる。このように、プライマリ室33やセカンダリ室35に供給される油圧を調整することにより、無段変速機15の変速比を変化させることが可能となっている。なお、無段変速機15のセカンダリ軸31には、ギヤ列37を介して前輪出力軸17が連結されている。
The continuously
トルクコンバータ13は、エンジン12のクランク軸40に連結されるフロントカバー41を有している。また、トルクコンバータ13は、フロントカバー41に連結されるポンプインペラ42と、ポンプインペラ42に対向するとともにタービン軸43に連結されるタービンランナ44とを有している。また、トルクコンバータ13のタービン軸43には、変速ユニット16を構成する動力分割機構14が連結されている。動力分割機構14は、遊星歯車機構としてダブルピニオン遊星歯車機構45を有している。また、動力分割機構14には、ダブルピニオン遊星歯車機構45の差動状態を制御するため、前進クラッチ(第1クラッチ)46、PSクラッチ(第2クラッチ)47および後退ブレーキ(ブレーキ)48が設けられている。
The
ダブルピニオン遊星歯車機構45は、タービン軸43に連結されるサンギヤ(第1回転要素)Sと、サンギヤSの径方向外方に配置されるリングギヤ(第3回転要素)Rとを備えている。また、ダブルピニオン遊星歯車機構45は、互いに噛み合う一対のピニオンギヤP1,P2と、ピニオンギヤP1,P2を回転自在に支持するとともにプライマリ軸30に接続されるキャリア(第2回転要素)Cとを備えている。なお、ピニオンギヤP1はサンギヤSに噛み合っており、ピニオンギヤP2はリングギヤRに噛み合っている。このダブルピニオン遊星歯車機構45は、速度線図とも呼ばれる共線図上で、サンギヤS、リングギヤR、キャリアCの順に各回転要素が配置された構成を有している。
The double pinion
前進クラッチ46は、エンジン12とプライマリプーリ32との間に設けられている。つまり、前進クラッチ46は、エンジン12とプライマリプーリ32とを接続する動力伝達経路上に設けられている。この前進クラッチ46は、タービン軸43に固定されるクラッチドラム50と、キャリアCに固定されるクラッチハブ51とを備えている。クラッチドラム50とクラッチハブ51との間には、クラッチドラム50に組み付けられる摩擦板50aと、クラッチハブ51に組み付けられる摩擦板51aとが設けられている。摩擦板50a,51aを互いに押圧することで前進クラッチ46は締結状態に切り替えられ、摩擦板50a,51aの押圧を解除することで前進クラッチ46は解放状態に切り替えられる。そして、前進クラッチ46を締結状態に切り替えることにより、タービン軸43とキャリアCとは接続される。一方、前進クラッチ46を解放状態に切り替えることにより、タービン軸43とキャリアCとは切り離される。
The
PSクラッチ47は、リングギヤRとセカンダリプーリ34との間に設けられている。つまり、PSクラッチ47は、リングギヤRとセカンダリプーリ34とを接続する動力伝達経路上に設けられている。このPSクラッチ47は、リングギヤRに固定されるクラッチドラム52と、駆動ギヤ53に固定されるクラッチハブ54とを備えている。クラッチドラム52とクラッチハブ54との間には、クラッチドラム52に組み付けられる摩擦板52aと、クラッチハブ54に組み付けられる摩擦板54aとが設けられている。摩擦板52a,54aを互いに押圧することでPSクラッチ47は締結状態に切り替えられ、摩擦板52a,54aの押圧を解除することでPSクラッチ47は解放状態に切り替えられる。そして、PSクラッチ47を締結状態に切り替えることにより、リングギヤRと駆動ギヤ53とは接続される。一方、PSクラッチ47を解放状態に切り替えることにより、リングギヤRと駆動ギヤ53とは切り離される。なお、駆動ギヤ53はプライマリ軸30に対して回転自在に設けられており、駆動ギヤ53に噛み合う従動ギヤ55は前輪出力軸17に固定されている。
The
また、リングギヤRに設けられる後退ブレーキ48は、パワートレイン11のハウジング56に固定されるブレーキドラム57と、リングギヤRに固定されるブレーキハブ58とを備えている。なお、図示する場合には、PSクラッチ47のクラッチドラムと、後退ブレーキ48のブレーキハブ58とが、一体となって固定されている。ブレーキドラム57とブレーキハブ58との間には、ブレーキドラム57に組み付けられる摩擦板57aと、ブレーキハブ58に組み付けられる摩擦板58aとが設けられている。摩擦板57a,58aを互いに押圧することで後退ブレーキ48は締結状態に切り替えられ、摩擦板57a,58aの押圧を解除することで後退ブレーキ48は解放状態に切り替えられる。そして、後退ブレーキ48を締結状態に切り替えることにより、ハウジング56にリングギヤRが固定される。一方、後退ブレーキ48を解放状態に切り替えることにより、ハウジング56からリングギヤRが解放される。
The
続いて、パワートレイン11の制御系60について説明する。図2はパワートレイン11の制御系60の一部を示すブロック図である。図2に示すように、パワートレイン11の変速ユニット16を制御するため、制御系60には制御ユニット61が設けられている。制御ユニット61には、アクセルペダルの操作状況を検出するアクセルペダルセンサ62、ブレーキペダルの操作状況を検出するブレーキペダルセンサ63、車速を検出する車速センサ64、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ65、セレクトレバーの操作状況を検出するインヒビタスイッチ66等が接続されている。また、パワートレイン11の制御系60には、無段変速機15やクラッチ46〜47等に対して作動油を供給制御するため、複数の電磁バルブおよび油路によって構成されるバルブユニット67が設けられている。バルブユニット67には、動力分割機構14を構成する前進クラッチ46、PSクラッチ47および後退ブレーキ48が油路を介して接続されている。さらに、バルブユニット67には、無段変速機15を構成するプライマリプーリ32およびセカンダリプーリ34が油路を介して接続されている。
Next, the
そして、制御ユニット61は、各種センサ62〜66からの検出信号に基づき変速ユニット16の目標変速比を設定し、目標変速比に応じて設定された制御信号をバルブユニット67に対して出力する。すなわち、制御ユニット61は、クラッチ46,47やブレーキ48を制御することにより、ダブルピニオン遊星歯車機構45の差動状態を制御する遊星歯車制御部として機能している。また、制御ユニット61は、プライマリプーリ32やセカンダリプーリ34を制御することにより、無段変速機15の作動状態を制御する変速機制御部として機能している。なお、制御ユニット61は、制御信号等を演算するCPU、制御プログラム、演算式およびマップデータ等を格納するROM、一時的にデータを格納するRAM等によって構成されている。
The
続いて、前進走行時におけるパワートレイン11の作動状態について説明する。図3は前進走行時における走行モードの設定領域を示すマップである。図4(a)は各走行モードにおける前進クラッチ46、PSクラッチ47および後退ブレーキ48の作動状態を示す作動表である。図4(b)は各走行モードにおけるダブルピニオン遊星歯車機構45の差動状態を示す共線図である。また、図5はPSモードでのトルクフローを示す説明図である。図6は直結モードでのトルクフローを示す説明図である。なお、図4(a)において、「○」はクラッチ46,47やブレーキ48の締結状態を示し、「−」はクラッチ46,47やブレーキ48の解放状態を示している。また、図5および図6においては、後輪22に向かうエンジントルクのトルクフローを省略して図示している。
Next, the operating state of the
図3に示すように、前進走行時に設定される走行モードとして、変速比の大きな第1変速比領域R1において選択されるPSモード(パワースプリットモード)と、第1変速比領域R1よりも変速比の小さな第2変速比領域R2において選択される直結モードとが設定されている。すなわち、最大変速比i1と中間変速比i2との間の第1変速比領域R1においてはPSモードが設定されており、中間変速比i2と最小変速比i3との間の第2変速比領域R2においては直結モードが設定されている。 As shown in FIG. 3, PS mode (power split mode) selected in the first gear ratio region R1 having a large gear ratio and the gear ratio larger than that in the first gear ratio region R1 are set as traveling modes set during forward traveling. The direct connection mode selected in the second speed ratio region R2 having a small value is set. That is, the PS mode is set in the first gear ratio region R1 between the maximum gear ratio i1 and the intermediate gear ratio i2, and the second gear ratio region R2 between the intermediate gear ratio i2 and the minimum gear ratio i3. In the direct connection mode is set.
図4(a)に示すように、PSモードにおいては、PSクラッチ47が締結状態に切り替えられ、前進クラッチ46および後退ブレーキ48が解放状態に切り替えられる。このPSモードにおいては、図5に白抜きの矢印で示すように、サンギヤSに入力されたエンジントルクは、リングギヤRからPSクラッチ47を経て駆動ギヤ53に伝達され、駆動ギヤ53から従動ギヤ55を経て前輪出力軸17に伝達される。また、前輪出力軸17に伝達されたエンジントルクは、前輪出力軸17から前輪21に向けて伝達されるとともに、前輪出力軸17からギヤ列37を経てセカンダリプーリ34に伝達される。そして、セカンダリプーリ34に伝達されたエンジントルクは、セカンダリプーリ34からプライマリプーリ32を経てキャリアCに伝達される。すなわち、PSモードにおいては、タービン軸43からサンギヤSに入力されるエンジントルクと、無段変速機15からキャリアCに戻されるエンジントルクとが、ダブルピニオン遊星歯車機構45で合成されてリングギヤRから前輪出力軸17に出力されている。
As shown in FIG. 4A, in the PS mode, the
ここで、図4(b)に示すように、前輪出力軸17に連結されるリングギヤRの回転速度は、プライマリプーリ32に連結されるキャリアCの回転速度によって制御されている。すなわち、図4(b)に矢印αで示すように、無段変速機15の変速比(以下、プーリ変速比と記載する)が大きくなるダウンシフト側に無段変速機15を制御し、プライマリプーリ32つまりキャリアCの回転速度を上昇させることにより、前輪出力軸17つまりリングギヤRの回転速度を上昇させることが可能となる。一方、図4(b)に矢印βで示すように、プーリ変速比が小さくなるアップシフト側に無段変速機15を制御し、プライマリプーリ32つまりキャリアCの回転速度を低下させることにより、前輪出力軸17つまりリングギヤRの回転速度を低下させることが可能となる。すなわち、図3に示すように、PSモードにおいては、プーリ変速比を最小変速比ODに向けて小さくすることにより、車両用変速装置10の変速比つまり変速ユニット16の変速比(以下、総変速比と記載する)を最大変速比i1に向けて大きくすることが可能となる。また、PSモードにおいては、プーリ変速比を最大変速比Lowに向けて大きくすることにより、総変速比を中間変速比i2に向けて小さくすることが可能となる。このように、PSモードにおいては、無段変速機15のプーリ変速比を制御することにより、最大変速比i1と中間変速比i2との間で総変速比を自在に制御することが可能となる。
Here, as shown in FIG. 4B, the rotational speed of the ring gear R connected to the front
また、図4(a)に示すように、直結モードにおいては、前進クラッチ46が締結状態に切り替えられ、PSクラッチ47および後退ブレーキ48が解放状態に切り替えられる。このように、直結モードにおいては、前進クラッチ46が締結されることから、図4(b)に示すように、サンギヤS、リングギヤRおよびキャリアCは一体となって回転する。この直結モードにおいては、図6に白抜きの矢印で示すように、タービン軸43から出力されるエンジントルクは、差動運動が禁止されるダブルピニオン遊星歯車機構45を経てプライマリプーリ32に伝達される。そして、プライマリプーリ32に伝達されたエンジントルクは、プライマリプーリ32からセカンダリプーリ34を経て前輪出力軸17に伝達される。このように、直結モードにおいては、タービン軸43とプライマリ軸30とが直結されるため、プーリ変速比の大小関係はそのまま総変速比の大小関係となる。すなわち、図3に示すように、直結モードにおいては、プーリ変速比を最大変速比Lowに向けて大きくすることにより、総変速比を中間変速比i2に向けて大きくすることが可能となる。また、直結モードにおいては、プーリ変速比を最小変速比ODに向けて小さくすることにより、総変速比を最小変速比i3に向けて小さくすることが可能となる。このように、直結モードにおいては、無段変速機15のプーリ変速比を制御することにより、中間変速比i2と最小変速比i3との間で総変速比を自在に制御することが可能となる。
Further, as shown in FIG. 4A, in the direct connection mode, the
次いで、変速ユニット16の総変速比を、ロー側の最大変速比i1からオーバードライブ側の最小変速比i3に制御する際の手順、つまりアップシフト制御を行う際の手順について説明する。ここで、図7は総変速比とプーリ変速比との関係を示す説明図である。図7に符号αで示すように、総変速比を最大変速比i1に制御する際には、走行モードとしてPSモードが選択されるとともに、無段変速機15のプーリ変速比が最小変速比ODに制御される。また、図7に矢印A1で示すように、総変速比を中間変速比i2に向けてアップシフトさせる際には、PSモードを維持しながらプーリ変速比が最大変速比Lowに向けてダウンシフトされる。そして、図7に符号βで示すように、総変速比が中間変速比i2に到達すると、PSクラッチ47が解放されて前進クラッチ46が締結され、走行モードがPSモードから直結モードに切り替えられる。続いて、図7に矢印A2で示すように、総変速比を最小変速比i3に向けてアップシフトさせる際には、直結モードを維持しながらプーリ変速比が最小変速比ODに向けてアップシフトされる。
Next, a procedure for controlling the total transmission ratio of the
次いで、変速ユニット16の総変速比を、オーバードライブ側の最小変速比i3からロー側の最大変速比i1に制御する際の手順、つまりダウンシフト制御を行う際の手順について説明する。図7に符号γで示すように、総変速比を最小変速比i3に制御する際には、走行モードとして直結モードが選択されるとともに、無段変速機15のプーリ変速比が最小変速比ODに制御される。また、図7に矢印B1で示すように、総変速比を中間変速比i2に向けてダウンシフトさせる際には、直結モードを維持しながらプーリ変速比が最大変速比Lowに向けてダウンシフトされる。そして、図7に符号βで示すように、総変速比が中間変速比i2に到達すると、前進クラッチ46が解放されてPSクラッチ47が締結され、走行モードが直結モードからPSモードに切り替えられる。続いて、図7に矢印B2で示すように、総変速比を最大変速比i1に向けてダウンシフトさせる際には、PSモードを維持しながらプーリ変速比が最小変速比ODに向けてアップシフトされる。
Next, a procedure for controlling the total transmission ratio of the
また、図示する車両用変速装置10においては、PSモードでプーリ変速比を最大変速比Lowに制御したときの総変速比と、直結モードでプーリ変速比を最大変速比Lowに制御したときの総変速比とが、ほぼ一致するように、駆動ギヤ53、従動ギヤ55およびギヤ列37のギヤ比が設計されている。これにより、直結モードとPSモードとを滑らかに切り替えることが可能となる。このように、PSモードにおける総変速比の最小値と、直結モードにおける総変速比の最大値とは、中間変速比i2においてほぼ一致しているが、これに限られることはなく、PSモードの総変速比最小値と直結モードの総変速比最大値とをずらして設定しても良い。ここで、図8は総変速比とプーリ変速比との関係の他の例を示す説明図である。図8に示すように、PSモードにおける総変速比の最小値iaが、直結モードにおける総変速比の最大値ibよりもオーバードライブ側に設定されるように、駆動ギヤ53、従動ギヤ55およびギヤ列のギヤ比を設定しても良い。この場合には、PSモードにおける総変速比と直結モードにおける総変速比とが交差するタイミングTで、PSモードと直結モードとが切り替えられる。
In the illustrated
続いて、車両後退時に設定される後退モードについて説明する。図9は後退モードでのトルクフローを示す説明図である。まず、図4(a)に示すように、後退モードにおいては、後退ブレーキ48が締結状態に切り替えられ、PSクラッチ47および前進クラッチ46が解放状態に切り替えられる。このように、後退モードにおいては、後退ブレーキ48の締結に伴ってリングギヤRが固定されることから、図4(b)に示すように、プライマリプーリ32が接続されるキャリアCを逆転方向に回転させることが可能となる。すなわち、図9に白抜きの矢印で示すように、サンギヤSに入力されたエンジントルクは、リングギヤRが固定されることから、回転方向を反転させてキャリアCからプライマリプーリ32に出力される。そして、プライマリプーリ32に伝達されたエンジントルクは、プライマリプーリ32からセカンダリプーリ34を経て前輪出力軸17に伝達される。このように、後退モードにおいては、プライマリプーリ32の回転方向が前進走行時とは逆向きになり、前輪21や後輪22を後退方向に回転させることが可能となる。
Next, the reverse mode set when the vehicle is reverse will be described. FIG. 9 is an explanatory diagram showing torque flow in the reverse mode. First, as shown in FIG. 4A, in the reverse mode, the
これまで説明したように、PSモードと直結モードとを設けることにより、プーリ変速比の変速比幅を維持しながら、総変速比の変速比幅を拡大することが可能となる。これにより、無段変速機15の大型化を抑制しながら、車両用変速装置10の変速比幅を拡大することが可能となる。すなわち、車両用変速装置10においては、ダブルピニオン遊星歯車機構45を構成する回転要素のうち、共線図上で、一端に配置されるサンギヤSをエンジン12に接続し、他端に配置されるキャリアCをプライマリプーリ32に接続している。また、ダブルピニオン遊星歯車機構45を構成する回転要素のうち、共線図上で、サンギヤSとキャリアCとの間に配置されるリングギヤRをセカンダリプーリ34に接続している。これにより、プーリ変速比をアップシフトさせることで総変速比をダウンシフトさせ、プーリ変速比をダウンシフトさせることで総変速比をアップシフトさせるPSモードを設定することが可能となる。このようなPSモードを設定することにより、無段変速機15の大型化を抑制しながら、車両用変速装置10の変速比幅を拡大することが可能となる。
As described above, by providing the PS mode and the direct connection mode, it is possible to increase the speed ratio width of the total speed ratio while maintaining the speed ratio width of the pulley speed ratio. As a result, it is possible to increase the speed ratio width of the
また、前述の説明では、エンジン12にサンギヤSを接続してプライマリプーリ32にキャリアCを接続しているが、これに限られることはなく、エンジン12にキャリアCを接続してプライマリプーリ32にサンギヤSを接続しても良い。なお、セレクトレバーをNレンジに操作したときに設定される中立モード(ニュートラルモード)においては、図4(a)に示すように、PSクラッチ47、前進クラッチ46および後退ブレーキ48の全てが解放状態に切り替えられる。
In the above description, the sun gear S is connected to the
続いて、本発明の他の実施の形態である車両用変速装置70について説明する。図10は本発明の他の実施の形態である車両用変速装置70を備えたパワートレイン71を示す概略図である。なお、図10において、図1に示す部材と同様の部材や部品については、同一の符号を付してその説明を省略する。パワートレイン71は、動力分割機構72および無段変速機15を備える変速ユニット73を有している。変速ユニット73を構成する動力分割機構72は、遊星歯車機構としてラビニョウ遊星歯車機構74を有している。ラビニョウ遊星歯車機構74は、シングルピニオン遊星歯車機構とダブルピニオン遊星歯車機構とを組み合わせるとともに、双方の遊星歯車機構でピニオンギヤPa1が共用される複合型の遊星歯車機構である。また、動力分割機構72には、ラビニョウ遊星歯車機構74の差動状態を制御するため、ハイクラッチ(第1クラッチ)75、ロークラッチ76、PSクラッチ(第2クラッチ)77および後退ブレーキ(ブレーキ)78が設けられている。
Next, a
ラビニョウ遊星歯車機構74は、タービン軸43に連結される第1サンギヤ(第1回転要素)Sa1と、プライマリ軸30にロークラッチ76を介して連結される第2サンギヤ(第2回転要素)Sa2とを備えている。また、第1サンギヤSa1および第2サンギヤSa2の径方向外方には、リングギヤRaが配置されている。第1サンギヤSa1とリングギヤRaとの間には、互いに噛み合う一対のピニオンギヤPa1,Pa2が設けられている。ピニオンギヤPa1はリングギヤRaに噛み合っており、ピニオンギヤPa2は第1サンギヤSa1に噛み合っている。また、第2サンギヤSa2とリングギヤRaとは、ピニオンギヤPa1を介して噛み合っている。また、ラビニョウ遊星歯車機構74は、一対のピニオンギヤPa1,Pa2を回転自在に支持するキャリア(第3回転要素)Caを備えている。このラビニョウ遊星歯車機構74は、速度線図とも呼ばれる共線図上で、第1サンギヤSa1、リングギヤRa、キャリアCa、第2サンギヤSa2の順に各回転要素が配置された構成を有している。
The Ravigneaux
ハイクラッチ75は、エンジン12とプライマリプーリ32との間に設けられている。つまり、ハイクラッチ75は、エンジン12とプライマリプーリ32とを接続する動力伝達経路上に設けられている。このハイクラッチ75は、タービン軸43に固定されるクラッチハブ80と、プライマリ軸30に固定されるクラッチドラム81とを備えている。クラッチドラム81とクラッチハブ80との間には、クラッチドラム81に組み付けられる摩擦板81aと、クラッチハブ80に組み付けられる摩擦板80aとが設けられている。摩擦板80a,81aを互いに押圧することでハイクラッチ75は締結状態に切り替えられ、摩擦板80a,81aの押圧を解除することでハイクラッチ75は解放状態に切り替えられる。そして、ハイクラッチ75を締結状態に切り替えることにより、タービン軸43とプライマリ軸30とは接続される。一方、ハイクラッチ75を解放状態に切り替えることにより、タービン軸43とプライマリ軸30とは切り離される。
The
ロークラッチ76は、第2サンギヤSa2とプライマリ軸30との間に設けられている。このロークラッチ76は、第2サンギヤSa2に固定されるクラッチハブ82と、プライマリ軸30に固定されるクラッチドラム83とを備えている。クラッチドラム83とクラッチハブ82との間には、クラッチドラム83に組み付けられる摩擦板83aと、クラッチハブ82に組み付けられる摩擦板82aとが設けられている。摩擦板82a,83aを互いに押圧することでハイクラッチ75は締結状態に切り替えられ、摩擦板82a,83aの押圧を解除することでハイクラッチ75は解放状態に切り替えられる。そして、ロークラッチ76を締結状態に切り替えることにより、第2サンギヤSa2とプライマリ軸30とは接続される。一方、ロークラッチ76を解放状態に切り替えることにより、第2サンギヤSa2とプライマリ軸30とは切り離される。
The low clutch 76 is provided between the second sun gear Sa2 and the
PSクラッチ77は、キャリアCaとセカンダリプーリ34との間に設けられている。つまり、PSクラッチ77は、キャリアCaとセカンダリプーリ34とを接続する動力伝達経路上に設けられている。また、キャリアCaには駆動ギヤ84が固定されており、駆動ギヤ84に噛み合う従動ギヤ85は前輪出力軸17に回転自在に設けられている。PSクラッチ77は、前輪出力軸17に固定されるクラッチハブ86と、クラッチハブ86の外周部に噛み合うクラッチスリーブ87と、従動ギヤ85に固定されるクラッチホイール88を備えている。クラッチスリーブ87にはフォーク部材89が装着されており、フォーク部材89には電動アクチュエータ90が連結されている。電動アクチュエータ90によってクラッチスリーブ87を矢印a方向に移動させると、クラッチスリーブ87はクラッチホイール88に噛み合い、PSクラッチ77は締結状態に切り替えられる。また、電動アクチュエータ90によってクラッチスリーブ87を矢印b方向に移動させると、クラッチスリーブ87はクラッチホイール88から離れ、PSクラッチ77は解放状態に切り替えられる。PSクラッチ77を締結状態に切り替えることにより、キャリアCaと前輪出力軸17とは接続される。一方、PSクラッチ77を解放状態に切り替えることにより、キャリアCaと前輪出力軸17とは接続される。
The
また、リングギヤRaに設けられる後退ブレーキ78は、パワートレイン71のハウジング56に固定されるブレーキドラム91と、リングギヤRaに固定されるブレーキハブ92とを備えている。ブレーキドラム91とブレーキハブ92との間には、ブレーキドラム91に組み付けられる摩擦板91aと、ブレーキハブ92に組み付けられる摩擦板92aとが設けられている。摩擦板91a,92aを互いに押圧することで後退ブレーキ78は締結状態に切り替えられ、摩擦板91a,92aの押圧を解除することで後退ブレーキ78は解放状態に切り替えられる。そして、後退ブレーキ78を締結状態に切り替えることにより、ハウジング56にリングギヤRaが固定される。一方、後退ブレーキ78を解放状態に切り替えることにより、ハウジング56からリングギヤRaが解放される。
The
続いて、パワートレイン71の制御系93について説明する。図11はパワートレイン71の制御系93の一部を示すブロック図である。なお、図11において、図2に示す部材と同様の部材や部品については、同一の符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、パワートレイン71の変速ユニット73を制御するため、制御系93には制御ユニット61およびバルブユニット67が設けられている。制御ユニット61には、PSクラッチ77を制御する電動アクチュエータ90が接続されている。また、バルブユニット67には、動力分割機構72を構成するハイクラッチ75、ロークラッチ76および後退ブレーキ78が油路を介して接続されている。なお、制御ユニット61は、クラッチ75,76,77やブレーキ78を制御することにより、ラビニョウ遊星歯車機構74の作動状態を制御する遊星歯車制御部として機能している。また、前述の説明では、電動アクチュエータ90を用いてPSクラッチ77を制御しているが、これに限られることはなく、油圧アクチュエータを用いてPSクラッチ77を制御しても良い。
Next, the
続いて、前進走行時におけるパワートレイン71の作動状態について説明する。図12(a)は各走行モードにおけるハイクラッチ75、ロークラッチ76、PSクラッチ77および後退ブレーキ78の作動状態を示す作動表である。図12(b)は各走行モードにおけるラビニョウ遊星歯車機構74の差動状態を示す共線図である。また、図13はPSモードでのトルクフローを示す説明図である。図14は直結モードでのトルクフローを示す説明図である。なお、図12(a)において、「○」はクラッチ75〜77やブレーキ78の締結状態を示し、「−」はクラッチ75〜77やブレーキ78の解放状態を示している。また、図13および図14においては、後輪22に向かうエンジントルクのトルクフローを省略して図示している。
Next, the operating state of the
図12(a)に示すように、PSモードにおいては、ロークラッチ76およびPSクラッチ77が締結状態に切り替えられ、ハイクラッチ75および後退ブレーキ78が解放状態に切り替えられる。このPSモードにおいては、図13に白抜きの矢印で示すように、第1サンギヤSa1に入力されたエンジントルクは、キャリアCaから駆動ギヤ84を経て従動ギヤ85に伝達され、従動ギヤ85からPSクラッチ77を経て前輪出力軸17に伝達される。また、前輪出力軸17に伝達されたエンジントルクは、前輪出力軸17から前輪21に向けて伝達されるとともに、前輪出力軸17からギヤ列37を経てセカンダリプーリ34に伝達される。そして、セカンダリプーリ34に伝達されたエンジントルクは、セカンダリプーリ34からプライマリプーリ32およびロークラッチ76を経て第2サンギヤSa2に伝達される。すなわち、PSモードにおいては、タービン軸43から第1サンギヤSa1に入力されるエンジントルクと、無段変速機15から第2サンギヤSa2に戻されるエンジントルクとが、ラビニョウ遊星歯車機構74で合成されてキャリアCaから前輪出力軸17に出力されている。
As shown in FIG. 12A, in the PS mode, the low clutch 76 and the PS clutch 77 are switched to the engaged state, and the
ここで、図12(b)に示すように、前輪出力軸17に連結されるキャリアCaの回転速度は、プライマリプーリ32に連結される第2サンギヤSa2の回転速度によって制御されている。すなわち、図12(b)に矢印αで示すように、プーリ変速比が大きくなるダウンシフト側に無段変速機15を制御し、プライマリプーリ32つまり第2サンギヤSa2の回転速度を上昇させることにより、前輪出力軸17つまりキャリアCaの回転速度を上昇させることが可能となる。一方、図12(b)に矢印βで示すように、プーリ変速比が小さくなるアップシフト側に無段変速機15を制御し、プライマリプーリ32つまり第2サンギヤSa2の回転速度を低下させることにより、前輪出力軸17つまりキャリアCaの回転速度を低下させることが可能となる。すなわち、前述した図3に示すように、PSモードにおいては、プーリ変速比を最小変速比ODに向けて小さくすることにより、総変速比を最大変速比i1に向けて大きくすることが可能となる。また、PSモードにおいては、プーリ変速比を最大変速比Lowに向けて大きくすることにより、総変速比を中間変速比i2に向けて小さくすることが可能となる。このように、PSモードにおいては、無段変速機15のプーリ変速比を制御することにより、最大変速比i1と中間変速比i2との間で総変速比を自在に制御することが可能となる。
Here, as shown in FIG. 12B, the rotational speed of the carrier Ca connected to the front
また、図12(a)に示すように、直結モードにおいては、ハイクラッチ75が締結状態に切り替えられ、ロークラッチ76、PSクラッチ77および後退ブレーキ78が解放状態に切り替えられる。この直結モードにおいては、図6に白抜きの矢印で示すように、タービン軸43から出力されたエンジントルクは、締結されるハイクラッチ75を経てプライマリプーリ32に伝達される。そして、プライマリプーリ32に伝達されたエンジントルクは、プライマリプーリ32からセカンダリプーリ34を経て前輪出力軸17に伝達される。このように、直結モードにおいては、タービン軸43とプライマリ軸30とが直結されるため、プーリ変速比の大小関係はそのまま総変速比の大小関係となる。すなわち、図3に示すように、直結モードにおいては、プーリ変速比を最大変速比Lowに向けて大きくすることにより、総変速比を中間変速比i2に向けて大きくすることが可能となる。また、直結モードにおいては、プーリ変速比を最小変速比ODに向けて小さくすることにより、総変速比を最小変速比i3に向けて小さくすることが可能となる。このように、直結モードにおいては、無段変速機15のプーリ変速比を制御することにより、中間変速比i2と最小変速比i3との間で総変速比を自在に制御することが可能となる。
In addition, as shown in FIG. 12A, in the direct connection mode, the
次いで、変速ユニット73の総変速比を、ロー側の最大変速比i1からオーバードライブ側の最小変速比i3に制御する際の手順、つまりアップシフト制御を行う際の手順について説明する。図7に符号αで示すように、総変速比を最大変速比i1に制御する際には、走行モードとしてPSモードが選択されるとともに、無段変速機15のプーリ変速比が最小変速比ODに制御される。また、図7に矢印A1で示すように、総変速比を中間変速比i2に向けてアップシフトさせる際には、PSモードを維持しながらプーリ変速比が最大変速比Lowに向けてダウンシフトされる。そして、図7に符号βで示すように、総変速比が中間変速比i2に到達すると、ロークラッチ76およびPSクラッチ77が解放されてハイクラッチ75が締結され、走行モードがPSモードから直結モードに切り替えられる。続いて、図7に矢印A2で示すように、総変速比を最小変速比i3に向けてアップシフトさせる際には、直結モードを維持しながらプーリ変速比が最小変速比ODに向けてアップシフトされる。
Next, a procedure for controlling the total transmission ratio of the
次いで、変速ユニット73の総変速比を、オーバードライブ側の最小変速比i3からロー側の最大変速比i1に制御する際の手順、つまりダウンシフト制御を行う際の手順について説明する。図7に符号γで示すように、総変速比を最小変速比i3に制御する際には、走行モードとして直結モードが選択されるとともに、無段変速機15のプーリ変速比が最小変速比ODに制御される。また、図7に矢印B1で示すように、総変速比を中間変速比i2に向けてダウンシフトさせる際には、直結モードを維持しながらプーリ変速比が最大変速比Lowに向けてダウンシフトされる。そして、図7に符号βで示すように、総変速比が中間変速比i2に到達すると、ハイクラッチ75が解放されてロークラッチ76およびPSクラッチ77が締結され、走行モードが直結モードからPSモードに切り替えられる。続いて、図7に矢印B2で示すように、総変速比を最大変速比i1に向けてダウンシフトさせる際には、PSモードを維持しながらプーリ変速比が最小変速比ODに向けてアップシフトされる。
Next, a procedure for controlling the overall transmission ratio of the
また、図示する車両用変速装置70においては、PSモードでプーリ変速比を最大変速比Lowに制御したときの総変速比と、直結モードでプーリ変速比を最大変速比Lowに制御したときの総変速比とが、ほぼ一致するように、駆動ギヤ84、従動ギヤ85およびギヤ列37のギヤ比が設計されている。これにより、直結モードとPSモードとを滑らかに切り替えることが可能となる。このように、PSモードにおける総変速比の最小値と、直結モードにおける総変速比の最大値とは、中間変速比i2においてほぼ一致しているが、これに限られることはない。すなわち、前述した図8に示すように、PSモードにおける総変速比の最小値iaが、直結モードにおける総変速比の最大値ibよりもオーバードライブ側に設定されるように、駆動ギヤ84、従動ギヤ85およびギヤ列37のギヤ比を設定しても良い。
Further, in the illustrated
続いて、車両後退時に設定される後退モードについて説明する。図15は後退モードでのトルクフローを示す説明図である。まず、図12(a)に示すように、後退モードにおいては、PSクラッチ77および後退ブレーキ78が締結状態に切り替えられ、ロークラッチ76およびハイクラッチ75が解放状態に切り替えられる。このように、後退モードにおいては、後退ブレーキ78の締結に伴ってリングギヤRaが固定されることから、図12(b)に示すように、前輪出力軸17が接続されるキャリアCaを逆転方向に回転させることが可能となる。すなわち、図9に白抜きの矢印で示すように、第1サンギヤSa1に入力されたエンジントルクは、リングギヤRaが固定されることから、回転方向を反転させてキャリアCaから駆動ギヤ84に伝達される。そして、駆動ギヤ84に伝達されたエンジントルクは、従動ギヤ85からPSクラッチ77を経て前輪出力軸17に伝達される。このように、後退モードにおいては、前輪出力軸17の回転方向が前進走行時とは逆向きになり、前輪21や後輪22を後退方向に回転させることが可能となる。
Next, the reverse mode set when the vehicle is reverse will be described. FIG. 15 is an explanatory diagram showing torque flow in the reverse mode. First, as shown in FIG. 12A, in the reverse mode, the
これまで説明したように、PSモードと直結モードとを設けることにより、プーリ変速比の変速比幅を維持しながら、総変速比の変速比幅を拡大することが可能となる。これにより、無段変速機15の大型化を抑制しながら、車両用変速装置70の変速比幅を拡大することが可能となる。すなわち、車両用変速装置70においては、ラビニョウ遊星歯車機構74を構成する回転要素のうち、共線図上で、一端に配置される第1サンギヤSa1をエンジン12に接続し、他端に配置される第2サンギヤSa2をプライマリプーリ32に接続している。また、ラビニョウ遊星歯車機構74を構成する回転要素のうち、共線図上で、第1サンギヤSa1と第2サンギヤSa2との間に配置されるキャリアCaをセカンダリプーリ34に接続している。これにより、プーリ変速比をアップシフトさせることで総変速比をダウンシフトさせ、プーリ変速比をダウンシフトさせることで総変速比をアップシフトさせるPSモードを設定することが可能となる。このようなPSモードを設定することにより、無段変速機15の大型化を抑制しながら、車両用変速装置70の変速比幅を拡大することが可能となる。
As described above, by providing the PS mode and the direct connection mode, it is possible to increase the speed ratio width of the total speed ratio while maintaining the speed ratio width of the pulley speed ratio. As a result, it is possible to increase the speed ratio width of the
また、前述の説明では、エンジン12に第1サンギヤSa1を接続してプライマリプーリ32に第2サンギヤSa2を接続しているが、これに限られることはなく、エンジン12に第2サンギヤSa2を接続してプライマリプーリ32に第1サンギヤSa1を接続しても良い。また、セカンダリプーリ34にキャリアCaを接続しているが、これに限られることはなく、セカンダリプーリ34にリングギヤRaを接続しても良い。ラビニョウ遊星歯車機構74において、リングギヤRaは、共線図上で第1サンギヤSa1と第2サンギヤSa2との間に配置される回転要素である。なお、セレクトレバーをNレンジに操作したときに設定される中立モード(ニュートラルモード)においては、図12(a)に示すように、ハイクラッチ75、ロークラッチ76、PSクラッチ77および後退ブレーキ78が解放状態に切り替えられる。また、PSクラッチ77は解放状態に切り替えられているが、これに限られることはなく、PSクラッチ77は締結されていても良い。
In the above description, the first sun gear Sa1 is connected to the
前述の説明では、無段変速機としてチェーン式の無段変速機15を用いているが、これに限られることはなく、ベルト式の無段変速機を用いても良く、トロイダル式の無段変速機を用いても良い。また、前述の説明では、PSクラッチ77として噛合クラッチを用いているが、これに限られることはなく、PSクラッチ77として摩擦クラッチを採用しても良い。さらに、他のクラッチ46,47,75,76として噛合クラッチを採用しても良く、後退ブレーキ48,78として噛合ブレーキを採用しても良い。
In the above description, the chain-type continuously
前述の説明では、遊星歯車機構としてダブルピニオン遊星歯車機構45とラビニョウ遊星歯車機構74とを挙げているが、これに限られることはなく、遊星歯車機構として例えばシングルピニオン遊星歯車機構を採用しても良い。シングルピニオン遊星歯車機構においては、共線図上で、サンギヤ、リングギヤ、キャリアの順に各回転要素が配置されている。シングルピニオン遊星歯車機構を用いる場合には、サンギヤがエンジン12またはプライマリプーリ32の一方に接続され、キャリアがエンジン12またはプライマリプーリ32の他方に接続され、リングギヤがセカンダリプーリ34に接続される。これにより、前述したPSモードを設定して車両用変速装置の変速比幅を拡大することが可能となる。
In the above description, the double pinion
前述した車両用変速装置10,70においては、プーリ変速比を最大変速比Lowまで制御してから、PSモードと直結モードとの間で走行モードを切り替えているが、これに限られることはなく、任意のプーリ変速比において走行モードを切り替えても良い。例えば、図7に矢印Xで示すように、急制動等が行われたときには、プーリ変速比を最大変速比Lowまで制御することなく、直結モードからPSモードに切り替えることにより、素早く総変速比をロー側に制御しても良い。なお、図示する車両用変速装置10,70は四輪駆動用の車両用変速装置であるが、これに限られることはなく、前輪駆動用や後輪駆動用の車両用変速装置であっても良いことは言うまでもない。
In the
10 車両用変速装置
12 エンジン
15 無段変速機
21 前輪(駆動輪)
22 後輪(駆動輪)
32 プライマリプーリ(入力回転体)
34 セカンダリプーリ(出力回転体)
45 ダブルピニオン遊星歯車機構(遊星歯車機構)
46 前進クラッチ(第1クラッチ)
47 PSクラッチ(第2クラッチ)
48 後退ブレーキ(ブレーキ)
61 制御ユニット(遊星歯車制御部,変速機制御部)
70 車両用変速装置
74 ラビニョウ遊星歯車機構(遊星歯車機構)
75 ハイクラッチ(第1クラッチ)
77 PSクラッチ(第2クラッチ)
78 後退ブレーキ(ブレーキ)
S サンギヤ(第1回転要素)
C キャリア(第2回転要素)
R リングギヤ(第3回転要素)
Sa1 第1サンギヤ(第1回転要素)
Sa2 第2サンギヤ(第2回転要素)
Ca キャリア(第3回転要素)
R1 第1変速比領域
R2 第2変速比領域
DESCRIPTION OF
22 Rear wheels (drive wheels)
32 Primary pulley (input rotating body)
34 Secondary pulley (output rotating body)
45 Double pinion planetary gear mechanism (planetary gear mechanism)
46 Forward clutch (first clutch)
47 PS clutch (second clutch)
48 Reverse brake (brake)
61 Control unit (planetary gear control unit, transmission control unit)
70
75 High clutch (first clutch)
77 PS clutch (second clutch)
78 Reverse brake (brake)
S Sun gear (first rotating element)
C carrier (second rotating element)
R ring gear (third rotating element)
Sa1 First sun gear (first rotating element)
Sa2 Second sun gear (second rotating element)
Ca carrier (third rotating element)
R1 first gear ratio region R2 second gear ratio region
Claims (8)
前記エンジンに接続される第1回転要素と、前記無段変速機の入力回転体に接続される第2回転要素と、前記無段変速機の出力回転体に接続される第3回転要素と、を備える遊星歯車機構と、
前記エンジンと前記入力回転体との間に設けられる第1クラッチと、
前記第3回転要素と前記出力回転体との間に設けられる第2クラッチと、
変速比の大きな第1変速比領域では、前記第1クラッチを解放して前記第2クラッチを締結する一方、変速比の小さな第2変速比領域では、前記第1クラッチを締結して前記第2クラッチを解放する遊星歯車制御部と、
を有し、
前記遊星歯車機構は、共線図上で、前記第1回転要素と前記第2回転要素とが両端に配置され、前記第3回転要素が前記第1回転要素と前記第2回転要素との間に配置される構成を備える、車両用変速装置。 A continuously variable transmission provided between the engine and the drive wheel;
A first rotating element connected to the engine, a second rotating element connected to an input rotating body of the continuously variable transmission, a third rotating element connected to an output rotating body of the continuously variable transmission, A planetary gear mechanism comprising:
A first clutch provided between the engine and the input rotating body;
A second clutch provided between the third rotating element and the output rotating body;
In the first gear ratio region where the gear ratio is large, the first clutch is released and the second clutch is engaged, while in the second gear ratio region where the gear ratio is small, the first clutch is engaged and the second clutch is engaged. A planetary gear control for releasing the clutch;
Have
In the planetary gear mechanism, the first rotating element and the second rotating element are arranged at both ends on a collinear diagram, and the third rotating element is located between the first rotating element and the second rotating element. A vehicle transmission device comprising a configuration arranged in the above.
前記第1変速比領域で前記車両用変速装置の変速比を小さくする際には、前記無段変速機の変速比を小さくする一方、前記第2変速比領域で前記車両用変速装置の変速比を小さくする際には、前記無段変速機の変速比を大きくする変速機制御部、を有する、車両用変速装置。 The vehicle transmission according to claim 1 , wherein
When reducing the transmission ratio of the vehicular transmission in the first transmission ratio area, the transmission ratio of the continuously variable transmission is reduced, while the transmission ratio of the vehicular transmission is reduced in the second transmission ratio area. A transmission for a vehicle, comprising: a transmission control unit that increases a transmission ratio of the continuously variable transmission when reducing the speed.
前記遊星歯車機構は、シングルピニオン遊星歯車機構とダブルピニオン遊星歯車機構とを備えるラビニョウ遊星歯車機構である、車両用変速装置。 The vehicular transmission according to claim 1 or 2 ,
The planetary gear mechanism is a transmission for a vehicle, which is a Ravigneaux planetary gear mechanism including a single pinion planetary gear mechanism and a double pinion planetary gear mechanism.
前記第1回転要素は、第1サンギヤであり、
前記第2回転要素は、第2サンギヤであり、
前記第3回転要素は、キャリアである、車両用変速装置。 The vehicle transmission according to claim 3 , wherein
The first rotating element is a first sun gear;
The second rotating element is a second sun gear;
The transmission for a vehicle, wherein the third rotation element is a carrier.
前記ラビニョウ遊星歯車機構のリングギヤに設けられ、車両後退時に締結されるブレーキ、を有する、車両用変速装置。 The vehicle transmission device according to claim 3 or 4 ,
A transmission for a vehicle, comprising: a brake provided on a ring gear of the Ravigneaux planetary gear mechanism and fastened when the vehicle is reverse.
前記遊星歯車機構は、ダブルピニオン遊星歯車機構である、車両用変速装置。 The vehicular transmission according to claim 1 or 2 ,
The planetary gear mechanism is a transmission for a vehicle, which is a double pinion planetary gear mechanism.
前記第1回転要素は、サンギヤであり、
前記第2回転要素は、キャリアであり、
前記第3回転要素は、リングギヤである、車両用変速装置。 The vehicle transmission according to claim 6 , wherein
The first rotating element is a sun gear;
The second rotating element is a carrier;
The transmission for a vehicle, wherein the third rotation element is a ring gear.
前記ダブルピニオン遊星歯車機構のリングギヤに設けられ、車両後退時に締結されるブレーキ、を有する、車両用変速装置。 The vehicle transmission device according to claim 6 or 7 ,
A transmission for a vehicle, comprising: a brake provided on a ring gear of the double pinion planetary gear mechanism and fastened when the vehicle is reverse.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013193850A JP6228413B2 (en) | 2013-09-19 | 2013-09-19 | Vehicle transmission |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013193850A JP6228413B2 (en) | 2013-09-19 | 2013-09-19 | Vehicle transmission |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015059614A JP2015059614A (en) | 2015-03-30 |
JP6228413B2 true JP6228413B2 (en) | 2017-11-08 |
Family
ID=52817314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013193850A Active JP6228413B2 (en) | 2013-09-19 | 2013-09-19 | Vehicle transmission |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6228413B2 (en) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5028839B2 (en) * | 2006-03-30 | 2012-09-19 | 株式会社豊田中央研究所 | Power transmission system |
JP2011237021A (en) * | 2010-05-13 | 2011-11-24 | Toyota Motor Corp | Continuously variable transmission for vehicle |
-
2013
- 2013-09-19 JP JP2013193850A patent/JP6228413B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015059614A (en) | 2015-03-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6115631B2 (en) | Vehicle control apparatus and method | |
US20160091058A1 (en) | Multi-stage auto transmission for vehicle | |
US20160341289A1 (en) | Multi-speed transmission | |
US20030216211A1 (en) | Automatic transmission of motor vehicle | |
US9097319B2 (en) | Automated manual transmission for vehicle | |
US9970522B2 (en) | Automatic transmission | |
US20160298735A1 (en) | Control device for automatic transmission | |
JP6015852B2 (en) | Vehicle control apparatus and method | |
JP6285298B2 (en) | Automatic transmission | |
JP6355940B2 (en) | Vehicle transmission | |
JP2015161398A (en) | Vehicular transmission device | |
JP6228413B2 (en) | Vehicle transmission | |
JP2013113338A (en) | Power transmission device | |
JP6040693B2 (en) | Control device for transmission | |
JP2018173152A (en) | Control device of transmission | |
JP6561979B2 (en) | Control device for vehicle drive device | |
KR100828597B1 (en) | A 6 speed power train of an automatic transmission | |
JP6594084B2 (en) | Power split type continuously variable transmission | |
JP5876969B2 (en) | Automatic transmission for vehicles | |
KR20120138373A (en) | Devcie for reducing transmission shock of automatic transmission | |
JP7005352B2 (en) | Stepped transmission | |
JP6474661B2 (en) | Power transmission device for vehicle | |
JP2765150B2 (en) | Automatic transmission for vehicles | |
JP2007016869A (en) | Shift control device for automatic transmission | |
JP6724734B2 (en) | Control device for vehicle drive device |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160627 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170314 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171013 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6228413 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |