しかしながら、ヘアカッティング装置及び各刃のセットにおいて、なお、改善のニーズがある。これは、特に、ユーザ快適性に関連する側面、及び、性能に関連する側面を含み得る。製造に関連する側面は、連続生産又は大量生産及び組み立てコストの減少のための適合性を含み得る。
本開示の目的は、シェービングとトリミングとの両方を可能にする代替的な刃のセットを提供することである。特に、刃のセットは、シェービング動作とトリミング動作との両方において、心地よいユーザエクスペリエンスに寄与するように供給され得る。より好ましくは、本開示は、例えば、上述のような既知の従来技術のヘアカッティング刃における少なくとも幾つかの潜在的な欠点を解決し得る。好ましくは、切断動作に要する時間を減少しつつも、改善された動作性能を示し得る刃のセットを供給することが更に好適であろう。また、かかる刃を製造するための対応する方法を供給することが更に好ましい。特に、コスト効率的な態様で、より好適には、最小数のコンポーネントで、刃のセット、特に固定刃のセットを生産可能な製造方法を提示することが望ましい。
本開示の第1の態様では、ヘアカッティング機器のための刃のセットであって、当該刃のセットは、毛を切断するための移動方向において、毛を通って移動されるように構成され、前記刃のセットは、動作中、肌に対向する壁として機能するように構成された第1の壁部と、前記第1の壁部から少なくとも部分的に角度付けられた第2の壁部とを、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が、その間に、可動切断刃を受けるように構成されたガイドスロットを規定するように有するとともに、前記第1の壁部及び前記第2の壁部によって連携して形成された少なくとも1つの歯状先端を有する固定刃と、少なくとも1つの歯状先端を有する可動切断刃であって、前記可動切断刃は、前記固定刃に対する前記可動切断刃の相対運動上、前記可動切断刃の前記少なくとも1つの歯状先端が、前記固定刃の対応する歯と連携して、切断動作においてその間に捉えられた毛の切断を可能にするように、前記固定刃によって規定される前記ガイドスロット内に可動的に配置される、前記可動切断刃と、駆動部材によって係合されるように構成された伝達部材であって、前記伝達部材は、前記固定刃に対して前記可動切断刃を作動させるように構成される、前記伝達部材と、を有し、前記可動切断刃は、前記ガイドスロットに横方向に挿入され、前記伝達部材は、前記可動切断刃の挿入方向とは異なる供給方向において前記固定刃に供給され、前記伝達部材は、前記可動切断刃、特にその主要部に結合され、前記可動切断刃は、前記固定刃に固定、特に分離できないように固定され、前記可動切断刃、特にその主要シート金属部と、前記伝達部材とは、連携して、前記固定刃の前記第2の壁部の固定タブ、特に横方向に延在している固定タブを包囲する、刃のセットが提示される。
当該態様は、可動切断刃が、更なる別個の固定要素を追加する必要なく、損失防止ひも付きの態様で、固定刃にマウントされ得るという見識に基づいている。これは、可動刃が、基本的に、可動切断刃が同じ方法で解放又は除去され得ることを示し得るガイドスロットに挿入され得るとしても達成され得る。可動切断刃のロック又は固定は、可動切断刃と伝達部材との接続の結果として達成され得る。結果、伝達部材も、固定刃に固定され得る。可動切断刃及び伝達部材は、連携して、固定刃と協働する固定構成を形成し得る。可動切断刃が、固定刃において、係留的に固定されることが、特に好ましい。挿入方向と供給方向との間の違いの結果として、伝達部材は、可動切断刃と係合することができ、これにより、挿入方向において、脱落に対して、可動切断刃をロックすることができる。
本稿での用法では、可動切断刃と固定刃との間の相対運動は、固定刃に対する可動切断刃の往復運動を含み得る。幾つかの実施形態では、相対運動は、切断刃に対する可動刃の回転を含み得る。
或る実施形態では、可動切断刃が、横方向Yにおいて固定刃に挿入され、伝達部材が、横方向Yに対して基本的に直交する垂直方向Zにおいて供給され、可動切断刃が、横方向に可動する態様で固定刃にマウントされる。このため、可動切断刃の挿入方向は、基本的に、切断動作の主な方向に対応していてもよい。一般的に、可動切断刃は、固定刃のガイドスロットにおいて、垂直方向Zにおける離脱に対して固定され得る。換言すれば、第2の壁部が可動切断刃をブロックできるため、可動切断刃は、基本的に、第1の壁部から除去され得ない。
或る実施形態では、可動切断刃、特にその主要シート金属部分と、伝達部材とが、連携して、固定刃の第2の壁部の固定タブ、特に横方向に延在している固定タブを包囲する。これは、可動切断刃及び伝達部材が、連携して、固定タブを完全に取り囲む固定ループを形成することを含み得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、可動切断刃及び伝達部材は、連携して、固定タブを完全に取り囲まないしっかりとしたロック固定構成を形成する。一例として、伝達部材は、固定タブにおける開口を通じて、垂直方向Zにおいて延在していてもよい。
或る実施形態では、可動切断刃及び伝達部材は、連携して、固定開口を規定し、固定刃の固定タブが、固定開口に配置される。結果、可動切断刃及び伝達部材は、連携して、固定刃の断面ループプロファイルから形成される他の第2のループと係合する第1の固定ループを規定する。第1の固定ループ及び第2の固定ループは、係合されたチェーンリンクと同様に構成され得る。
或る実施形態では、固定刃の第2の壁部、特にその固定タブが、可動切断刃のための横方向の留め部を規定する。このため、可動切断刃は、往復運動する態様で、ガイドスロットにおいて駆動され得る。横方向の留め部は、横方向Yにおいて可動切断刃の許容された運動経路を制限し得る。伝達部材は、横方向の運動の留め部と接触するように構成され得る。伝達部材と結合される場合、可動切断刃は、横方向の留め部を乗り越えることができないため、可動刃の脱落が回避され得る。結果、可動切断刃の横方向の運動は、間接的な態様で、伝達部材及び固定刃によって制限され得る。
或る実施形態では、固定刃の第2の壁部、特にその少なくとも1つのガイド要素が、固定刃に対して可動切断刃の長手方向の位置を規定する。このため、可動切断刃は、更なるマウント要素及び位置決め要素の追加を必要とすることなく、規定された態様で、受けられることができる。一例として、可動切断刃の横方向の位置(X位置)は、間接的な態様で、伝達部材及び固定刃によって規定され得る。好ましくは、複数のガイド要素が、その反対側において伝達部材と接触するように、供給される。代替的な例では、固定刃に対する可動切断刃の横方向の位置(X位置)は、少なくとも1つのガイド要素が可動切断刃と直接的に接触することによって、直接的な態様で、規定され得る。
或る実施形態では、可動切断刃及び伝達部材が、マウントされた状態で、互いに接着される。接着は、溶接、はんだ付け、レーザ接着、特にレーザ溶接などを含み得る。従って、可動切断刃及び伝達部材は、少なくとも部分的に、少なくともそれらの接着点において、金属材料でできていることが好ましい。しかしながら、可動切断刃及び伝達部材の少なくとも1つをプラスチック材料などの非金属材料で生産することも想定され得る。また、プラスチック材料同士も接着され得る。さらに、プラスチック材料と金属材料とが、粘着剤などによって、接着されてもよい。
或る実施形態では、可動切断刃及び伝達部材が、マウントされた状態で、互いにしっかりとロックされる。これは、可動刃に伝達部材を差し込むことを含み得る。しっかりとした適合態様で、固定刃に可動切断刃を取り付けることは、スナップ式の態様で、可動切断刃と固定刃とを結合することを含み得る。また、しっかりとした適合態様で、固定刃に可動切断刃を取り付けることは、しっかりとした適合態様で、固定刃に伝達部材を取り付けることを含み得る。一例として、伝達部材は、可動刃を横方向に駆動するため、可動刃に結合されてもよい。さらに、伝達部材は、伝達部材の垂直方向の取り外し動作を回避するため、固定刃にロックされてもよい。伝達部材は、例えば、プラスチック材料から形成され得る。プラスチック材料は、伝達部材におけるスナップ式要素の形成を促進し得る。
或る実施形態では、第1の壁部及び第2の壁部が、固定刃のガイドスロットにおける可動切断刃の規定された隙間適合はめ込みを可能にする。これは、刃のセットのための個別の独立したコンポーネントの必要数を更に減少させ得る。
或る実施形態では、固定刃が、一体形成された金属プラスチック複合材料の固定刃であり、第1の壁部が、少なくとも部分的に金属材料からできており、第2の壁部が、少なくとも部分的にプラスチック材料からできており、固定刃の少なくとも1つの歯状先端が、複数の歯を有し、第1の壁部と第2の壁部とが、少なくとも1つの歯状先端の前端において接続され、これにより、前記歯の先端を形成している。これは、第1の壁部が、極めて薄くてもよく、結果、改善されたシェービング性能につながるという利点であり得る。
或る実施形態では、固定刃が、金属コンポーネント、特にシート状金属インサートと、金属コンポーネントに接着されたプラスチックコンポーネントと、を有し、第1の壁部の少なくとも中央部が、金属コンポーネントによって形成され、プラスチックコンポーネントと金属コンポーネントとが、インサート成形された部分、アウトサート成形された部分、及び、オーバーモールドされた部分からなるグループから選択される一体形成部を形成する。これは、全体の製造時間及び製造コストを更に減少し得る。
本開示の他の態様では、ヘアカッティング機器、特に電動ヘアカッティング機器であって、毛を切断するための移動方向において毛を通って移動されるように構成され、ここに開示されるような少なくとも幾つかの実施形態に従った刃のセットとフィットする切断ヘッドを有する、ヘアカッティング機器が提示される。
本開示の他の態様では、ヘアカッティング機器のための刃のセットの製造方法であって、当該方法は、少なくとも1つの歯状先端と、第1の壁部と、前記第1の壁部から少なくとも部分的に角度付けられた第2の壁部と、を有するとともに、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が、その間に、可動切断刃を受けるように構成されたガイドスロットを規定する、固定刃を供給するステップと、少なくとも1つの歯状先端を有する可動切断刃を供給するステップと、前記可動切断刃を前記固定刃の前記ガイドスロットに挿入する、特に固定刃の横方向開口に前記可動切断刃を通すステップと、駆動部材によって係合されるように構成された伝達部材であって、前記伝達部材は、前記固定刃に対して前記可動切断刃を相対的に作動させるように構成される、前記伝達部材を供給するステップと、前記可動切断刃が挿入された状態で、前記伝達部材を前記固定刃に供給する、特に前記可動切断刃の挿入方向とは異なる供給方向で前記伝達部材を供給するステップと、前記伝達部材を前記可動切断刃、特にその主要部に接続し、これにより、前記可動切断刃が前記固定刃に固定されるように、前記伝達部材を前記可動切断刃にロックするステップを有する、前記可動切断刃を前記固定刃にマウントするステップと、を有し、前記可動切断刃、特にその主要部と、前記伝達部材とが、連携して、前記固定刃の前記第2の壁部の固定タブ、特に横方向に延在している固定タブを包囲する、方法が提示される。
可動切断刃は、取り外しできない、損失が防止される態様で、固定刃において、受けられ得る。好ましくは、可動切断刃は、固定刃において、係留的に固定される。
上記方法の或る実施形態では、可動切断刃を挿入するステップが、横方向Yにおいて、可動切断刃を挿入するステップを有していてもよく、伝達部材を供給するステップが、横方向Yに対して基本的に直交する垂直方向Zにおいて伝達部材を供給するステップを有する。
上記方法の或る実施形態では、可動切断刃が、横方向に移動可能な態様で、固定刃にマウントされ、可動切断刃が、垂直方向Zにおける離脱に対して固定される。可動切断刃が、ガイドスロットにおいて、スライド可能に受けられることが好ましい。また、可動切断刃が、固定刃に対して往復直線運動するように構成されることが好ましい。
上記方法の或る実施形態では、可動切断刃を固定刃にマウントするステップが、可動切断刃がガイドスロットに挿入された状態で、伝達部材と可動切断刃とをしっかりとロックする態様で、特に可動切断刃における係合位置を係合するようにロックするステップを有していてもよい。
上記方法の或る実施形態では、可動切断刃を固定刃にマウントするステップが、可動切断刃がガイドスロットに挿入された状態で、伝達部材を可動切断刃に接着するステップを有していてもよい。
上記方法の或る実施形態では、接着するステップが、可動切断刃がガイドスロットに挿入された状態で、可動切断刃の横方向端部が接着装置からアクセス可能であるように、固定刃に対して可動切断刃を横方向に移動させるステップと、各接着点が互いに重なるように、伝達部材及び可動切断刃を位置決めするステップと、伝達部材を可動切断刃に接着するステップと、を有していてもよい。
更に他の実施形態では、接着するステップが、中心位置へ可動切断刃を格納し、可動切断刃の他の側端部が接着装置のためにアクセス可能であるように、固定刃に対して反対方向において可動切断刃を横方向に移動させ、伝達部材を可動切断刃に接着することによって、達成されてもよい。結果、可動切断刃の対向する側端部において少なくとも2つの接着点が形成され得る。
また、本開示の、他のより具体的な態様では、ヘアカッティング機器のための刃のセットであって、当該刃のセットは、毛を切断するための移動方向において、毛を通って移動されるように構成され、前記刃のセットは、動作中、肌に対向する壁として機能するように構成された第1の壁部と、前記第1の壁部から少なくとも部分的に角度付けられた第2の壁部とを、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が、その間に、可動切断刃を受けるように構成されたガイドスロットを規定するように有するとともに、前記第1の壁部及び前記第2の壁部によって連携して形成された少なくとも1つの歯状先端を有する固定刃と、少なくとも1つの歯状先端を有する可動切断刃であって、前記可動切断刃は、前記固定刃に対する前記可動切断刃の相対運動上、前記可動切断刃の前記少なくとも1つの歯状先端が、前記固定刃の対応する歯と連携して、切断動作においてその間に捉えられた毛の切断を可能にするように、前記固定刃によって規定される前記ガイドスロット内に可動的に配置される、前記可動切断刃と、駆動部材によって係合されるように構成された伝達部材であって、前記伝達部材は、前記固定刃に対して前記可動切断刃を作動させるように構成される、前記伝達部材と、を有し、前記可動切断刃は、前記ガイドスロットに横方向に挿入され、前記伝達部材は、前記可動切断刃の挿入方向とは異なる供給方向において前記固定刃に供給され、前記伝達部材は、前記可動切断刃、特にその主要部に結合され、前記可動切断刃は、前記固定刃に固定、特に分離できないように固定された、ヘアカッティング機器のための刃のセットが提示される。
これは重要なことであるが、この態様は、別個の発明の一部を形成してもよく、従って、ここで議論されるような実施形態及び改良版のいずれかと別個及び/又は組み合わせて実装され得る。
また、本開示の、他のより具体的な態様では、ヘアカッティング機器のための刃のセットの製造方法であって、前記方法は、少なくとも1つの歯状先端と、第1の壁部と、前記第1の壁部から少なくとも部分的に角度付けられた第2の壁部と、を有するとともに、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が、その間に、可動切断刃を受けるように構成されたガイドスロットを規定する、固定刃を供給するステップと、少なくとも1つの歯状先端を有する可動切断刃を供給するステップと、前記可動切断刃を前記固定刃の前記ガイドスロットに挿入する、特に固定刃の横方向開口に前記可動切断刃を通すステップと、駆動部材によって係合されるように構成された伝達部材であって、前記伝達部材は、前記固定刃に対して前記可動切断刃を相対的に作動させるように構成される、前記伝達部材を供給するステップと、前記可動切断刃が挿入された状態で、前記伝達部材を前記固定刃に供給する、特に前記可動切断刃の挿入方向とは異なる供給方向で前記伝達部材を供給するステップと、前記伝達部材を前記可動切断刃、特にその主要部に接続し、これにより、前記可動切断刃が前記固定刃に固定されるように、前記伝達部材を前記可動切断刃にロックするステップを有する、前記可動切断刃を前記固定刃にマウントするステップと、を有する、方法が提示される。
これは重要なことであるが、この態様は、別個の発明の一部を形成してもよく、従って、ここで議論されるような実施形態及び改良版のいずれかと別個及び/又は組み合わせて実装され得る。
本発明の好適な実施形態が、独立項において規定されている。本発明の方法は、本発明の装置及び従属項において規定されるのと同様及び/又は同一の好適な実施形態を持つことが理解されるべきである。
図1は、簡略化された斜視図において、ヘアカッティング機器10、特に電気ヘアカッティング機器10の例示的な実施形態を概略的に図示している。カッティング機器10は、筺体12と、筺体12において点線ブロック14で示されたモータと、筺体12において点線ブロック16で示された駆動機構又は駆動トレインと、を有していてもよい。モータ14に給電するため、カッティング機器10の少なくとも幾つかの実施形態では、再充電可能なバッテリ、交換可能なバッテリなどの、筺体12において点線ブロック17で示された電池が、備えられていてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、カッティング機器10は、電源に接続するための給電ケーブルを備えていてもよい。電源コネクタが、(内部)電池17に加えて、又は、(内部)電池17の代わりに、備えられ得る。
また、カッティング機器10は、切断ヘッド18を有していてもよい。切断ヘッド18において、刃のセット20が、ヘアカッティング機器10に取付けられ得る。刃のセット20は、切断動作を可能にするため、駆動機構又は駆動トレイン16を介して、モータ14によって駆動され得る。当該切断動作は、一般的に、例えば、図3においてより詳細に図示されており、以下において説明及び議論される、固定刃22と可動刃24との間の相対運動としてみなされ得る。一般的に、ユーザは、毛を切るために、カッティング機器10を把持し、保持し、移動方向28に沿って毛を通すように手動でガイドし得る。カッティング機器10は、一般的に、手動ガイド及び手動操作される電動装置としてみなされ得る。さらに、切断ヘッド18、又は、より具体的には、刃のセット20は、図1において参照符号26によって示される湾曲した双方向矢印で表されるように、カッティング機器10の筺体12に枢動可能な態様で接続されることができる。幾つかの実施形態では、カッティング機器10、又は、より具体的には、刃のセット20を含む切断ヘッド18は、肌において成長している毛を切断するために肌に沿って移動されることができる。肌の近くで毛を切断する場合、基本的に、肌の高さにおいて毛を切断又は切ることを目的として、シェービング動作が実行され得る。しかしながら、刃のセット20を有する切断ヘッド18が肌に対して所望の距離における経路を通過する、クリッピング(又はトリミング)動作も想定され得る。
毛を通るようにガイドされて移動された場合、刃のセット20を含むカッティング機器10は、典型的には、図1において参照符号28によって示される一般的な移動方向に沿って移動される。これに関連して、ヘアカッティング機器10が典型的には手動でガイド及び移動されることを考えると、移動方向28は、必ずしも、ヘアカッティング機器10、及び、刃のセット20と適合されるヘアカッティング機器10の切断ヘッド18の向きに対して、明確な規定及び関係を持つ正確な幾何学的基準として解釈される必要はないことに言及する価値があろう。即ち、肌における切断される毛に対するヘアカッティング機器10の全体的な向きは、幾らか不安定であると解釈され得る。しかしながら、説明目的のため、(仮想的な)移動方向28は、ヘアカッティング機器10の構造的特徴を説明するための手段として以下において役立つ座標系の主な中央平面に対して平行(又は、略平行)であると正しく仮定され得る。
参照し易いように、座標系が、幾つかの図において示されている。一例として、直交座標系X−Y−Zが、図1において、示されている。各座標系の軸Xは、一般的に、本開示の目的のため、一般的に長さと関連付けられた長手方向に延在している。座標系の軸Yは、本開示の目的のため、幅と関連付けられた横方向(横断方向)に延在している。座標系の軸Zは、説明目的のため、少なくとも幾つかの実施形態において、一般的な垂直方向として参照され得る高さ方向(垂直方向)に延在している。言うまでもないことであるが、ヘアカッティング機器10の特徴及び/又は実施形態に対する座標系X−Y−Zの関連付けは、主に、説明目的のために供給されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。当該技術分野における当業者は、容易に、代替的な実施形態に直面した場合、様々な向きを含む各図面に、ここで供給される座標系を変換及び/又は移行できることが理解されるべきである。さらに、本開示の目的のため、座標系X−Y−Zは、一般的に、刃のセット20を含む切断ヘッド18の主な方向及び向きと位置決めされていることに言及する価値があろう。
図2は、図1に示されるようなヘアカッティング機器に取付けられ得る切断ヘッド18の例示的な実施形態の上面斜視図を図示している。切断ヘッド18は、既述のような刃のセット20を備えている。刃のセット20は、固定刃22と、可動切断刃24(図2では、隠れている)と、を有する。これに関連して、図3に示される刃のセット20の分解図により、更なる説明がなされる。固定刃22及び可動切断刃24は、互いに移動されるように構成され、これにより、各刃先において毛を切断する。
固定刃22は、肌に対向する表面とみなされ得る上面32を更に有する。典型的には、シェービング装置として動作する場合、ヘアカッティング機器10は、上面32が、基本的に、肌に対して平行になるように、又は、肌に対して僅かに傾斜するように、向けられる。しかしながら、上面32が、必ずしも、肌に対して、平行でない、又は、少なくとも略平行でない、代替的な動作モードも想定され得る。例えば、ヘアカッティング機器10は、ひげスタイリングのために使用されてもよいし、又は、より一般的には、ヘアスタイリングのために使用されてもよい。ヘアスタイリングは、異なって処理されるユーザの毛の部分又は髭の部分の間の極めて鋭い端部又は移行部の処理を目的とし得る。一例として、ヘアスタイリングは、もみあげの又は顔の毛の他の別個の領域の正確な整形を含み得る。結果、スタイリングモードで使用される場合は、上面32及び現在処理される肌部分は、傾斜して、特に、互いに対して略垂直に、配置される。
しかしながら、主に説明目的のため、上面32、並びに、ヘアカッティング機器10の同様に配向された部分及びコンポーネントは、以下では、肌に対向しているコンポーネント及び部分とみなされ得る。結果、反対向きになっている要素及び部分は、開示の目的のため、以下では、後方に向けられた要素及び部分、又は、むしろ肌から離れる方を向いている要素及び部分とみなされ得る。
前述したように、固定刃22は、少なくとも1つの歯状先端30を規定し得る。図2に示されるように、固定刃22は、長手方向Xにおいて互いにずれている、第1の先端30aと、第2の先端30bと、を規定し得る。少なくとも1つの歯状先端30a,30bは、一般的に、横方向Yにおいて延在し得る。上面32は、一般的に、長手方向Xと横方向Yとによって規定される平面に対して平行な表面としてみなされ得る。少なくとも1つの歯状先端30において、固定刃22の複数の歯36が、供給され得る。歯36は、各歯スロットと交互に配置され得る。歯スロットは、歯36の間に間隙を規定し得る。ヘアカッティング機器10が、移動方向28(図1参照)において、毛を通って動かされる場合、毛は、間隙に入ることができる。
固定刃22は、例えば、金属プラスチック複合材料として構成されてもよい。換言すれば、固定刃22は、金属コンポーネント40(図3参照)の供給、金属コンポーネント40とプラスチックコンポーネント38との接着を含む、プラスチックコンポーネント38の形成、又は、より正確には、プラスチックコンポーネント38のモールディングを含み得る、複数ステップの製造方法から得られてもよい。これは、特に、インサート成形プロセス、アウトサート成形プロセス、又は、オーバーモールドプロセスによって、固定刃22を形成することを含み得る。一般的には、固定刃22は、2つのコンポーネントからなる固定刃22としてみなされ得る。しかしながら、固定刃22は、好ましくは、一体化された製造プロセスによって形成されるため、固定刃22を成形する場合、基本的には、従来の組み立てステップは、必要ではない。むしろ、一体化された製造プロセスは、ネットシェイプ製造ステップ、又は、少なくとも、準ネットシェイプ製造プロセスを含むことができる。一例として、プラスチックコンポーネント38を金属コンポーネント40に接着するステップも含み得るプラスチックコンポーネント38のモールディングは、固定刃22の準ネットシェイプ又はネットシェイプ構造を容易に規定することができる。金属コンポーネント40は、シート金属から作られることが特に好ましい。また、プラスチックコンポーネント38は、射出成形可能なプラスチック材料から作られることが特に好ましい。
異なるコンポーネントから固定刃22を形成すること、特に、固定刃22を一体的に形成することは、動作中、高負荷に耐える必要がある、それらの部品が、高強度材料(例えば、金属材料)からそれぞれ形成され得る一方、一般的に、動作中、巨大な負荷に晒されない他の部品が、製造コストを著しく減少させることが可能な異なる材料から形成され得るという利点を持つ。固定刃22をプラスチック金属複合部品として形成することは、ユーザにとって、肌への接触が、より快適になるという更に利点を持つ。特に、プラスチックコンポーネント38は、金属コンポーネント40と比較して、著しく低減された熱伝導性を示すことができる。結果、毛を切断中に、ユーザによって感じられる熱放射が低減され得る。従来のヘアカッティング機器では、熱生成が、切断性能を改善するための巨大な障壁とみられている。熱生成は、基本的に、ヘアカッティング機器のパワー及び/又は切断速度を制限する。基本的に熱を絶縁する材料(例えば、プラスチック材料)を追加することによって、熱生成点(例えば、切断エッジ)からのユーザの肌への熱移行は、大きく減少され得る。これは、特に、プラスチック材料で形成され得る固定刃22の歯36の先端に当てはまる。
固定刃22を一体的に形成された金属プラスチック複合部品として形成することは、他の機能が、固定刃22の設計において一体化され得るという更なる利点を持つことができる。換言すれば、固定刃22は、追加のコンポーネントを取り付ける、又は、搭載する必要なく、向上した機能を供給することができる。
一例として、固定刃22のプラスチックコンポーネント38は、いわゆる側部プロテクタとも称され得る横方向保護要素42に適合され得る。側部保護要素42は、図3及び図10に示されるように、固定刃22の側端部を覆うことができる。結果、金属コンポーネント40の比較的鋭い側端部における肌への直接的な接触が回避され得る。固定刃22の金属コンポーネント40は、シェービングの際、肌に近い毛を切ることができるように比較的薄いため、これは、特に有用であり得る。しかしながら、同時に、金属コンポーネント40の比較的薄い構成は、シェービングの間、肌の上をスライドさせる際、皮膚への刺激を引き起こすことがある。特に、金属コンポーネント40の肌に接触する部分は、実際に、比較的鋭いエッジが残っているほど薄いため、皮膚への刺激のリスク、又は、皮膚の切断のリスクさえ、金属コンポーネント40及び固定刃22が実際に薄くなるほど、高くなる。従って、少なくとも幾つかの実施形態では、金属コンポーネント40の側端部を保護することが好ましい。側部保護要素42は、垂直方向又は高さ方向Zにおいて、上面から突き出ていてもよい。少なくとも1つの側部保護要素42は、プラスチックコンポーネント38の一体化された部分として形成され得る。
固定刃22は、リンク機構50への素早い装着、及び、リンク機構50からのクイックリリースを可能にすることができるマウント要素48を更に備えていてもよい。マウント要素48は、図3及び図10にも示されるように、プラスチックコンポーネント38において構成され得る、特に、プラスチックコンポーネント38と一体的に形成され得る。マウント要素48は、マウント突起部、特にスナップ式マウント要素を有していてもよい。マウント要素48は、リンク機構50における各マウント要素と協働するように構成され得る。刃のセット20が、如何なる他の別個の取付け部材なしに、リンク機構50に取付けられることができることが特に好ましい。
リンク機構50(図2参照)は、刃のセット20とヘアカッティング機器10の筺体12とを接続してもよい。リンク機構50は、動作中、毛を通るようにガイドされる場合に、刃のセット20が、スイベル旋回又は枢動できるように構成され得る。リンク機構50は、刃のセット20に輪郭追従能力を供給してもよい。幾つかの実施形態では、リンク機構50は、4バーリンク機構として構成される。これは、刃のセット20の規定されたスイベル旋回特性を許容し得る。リンク機構50は、刃のセット20のための仮想的な旋回軸を規定してもよい。
図2は、偏心結合機構58を更に図示している。偏心結合機構58は、ヘアカッティング機器10の駆動機構又は駆動トレイン16の一部とみなされ得る。偏心結合機構58は、図2において参照符号64で示される湾曲した矢印のような回転駆動動作を、これに関連する図12に示されるような(参照符号126で示される双方向矢印を参照)、固定刃22に対する可動刃24の往復運動に変換するように構成され得る。偏心結合機構58は、軸62周りの回転のために駆動されるように構成された駆動シャフト60を有していてもよい。刃のセット22に対向する駆動シャフト60の前端において、偏心部分66が設けられてもよい。偏心部分66は、(中央)軸62からずれた円筒状部分を有していてもよい。駆動シャフト60の回転により、偏心部分66は、軸62周りに回転することができる。偏心部分66は、可動刃24に取付けられ得る伝達部材70と係合するように構成されている。
図3に示される分解図を参照して、伝達部材70が、詳細に説明される。伝達部材70は、図2に示されるように、駆動シャフト60の偏心部分66によって係合されるように構成され得る往復運動要素72を有していてもよい。結果、往復運動要素72は、駆動シャフト60によって、往復運動するように駆動され得る。伝達部材70は、可動刃24、特に、その主要部78と接触するように構成され得るコネクタブリッジ74を更に有していてもよい。一例として、コネクタブリッジ74は、可動切断刃24に接着されてもよい。接着は、はんだ付け、溶接、及び、同様のプロセスを含み得る。しかしながら、少なくとも幾つかの実施形態では、伝達部材70のコネクタブリッジ74又は同様の接続要素は、むしろ可動切断刃24に取付けられていてもよい。ここで使用されるように、取り付けは、プラグイン、押し込み、圧入、又は、同様のマウント動作を含み得る。伝達部材70は、コネクタブリッジ74において構成され得るマウント要素76を更に有していてもよい。マウント要素76において、往復運動要素72が、コネクタブリッジ74に取付けられ得る。一例として、コネクタブリッジ74及びマウント要素76は、金属部品として構成され得る。一例として、往復運動要素72は、プラスチック部品として構成され得る。例えば、マウント要素76は、コネクタブリッジ74において往復運動要素72を固定するためのスナップ式要素を含み得る。しかしながら、代替的に、往復運動要素72がコネクタブリッジ74にしっかりと接着される場合、マウント要素76は、往復運動要素72のための固定要素としてみなされてもよい。
この点について、伝達部材70は、主に、横方向の往復運動駆動動作を可動切断刃24に伝達するように構成され得ることに言及する価値があろう。しかしながら、伝達部材70は、刃のセット20において、可動切断刃24のための損失防止装置として機能するように構成されてもよい。
図3は、拡大された状態で、固定刃22のプラスチックコンポーネント38及び金属コンポーネント40を更に図示している。これに関して、固定刃は一体的に形成されることが好ましいため、そのプラスチックコンポーネント38は、一般的に、分離された一意の状態で存在しないことに言及する価値があろう。むしろ、少なくとも幾つかの実施形態では、プラスチックコンポーネント38の形成は、必ず、プラスチックコンポーネント38を金属コンポーネント40にしっかりと接着することを含み得る。
固定刃22は、可動切断刃24が挿入され得る少なくとも1つの側部開口68を有していてもよい。結果、可動切断刃は、横方向Yに挿入され得る。しかしながら、少なくとも幾つかの実施形態では、伝達部材70が、基本的に、垂直方向Zに沿って、可動切断刃24の方向へ移動され得る。従って、可動切断刃24及び伝達部材70は、まず、固定刃22の側部開口68を通じて可動切断刃24を挿入し、次いで、可動切断刃24が固定刃22において構成されている場合、可動切断刃24に接続されるように、垂直方向Zに沿って、伝達部材を固定刃22に対して供給又は移動することを含み得る。
一般的に、可動切断刃24は、主要部78に隣接する少なくとも1つの歯状先端80を有していてもよい。特に、可動切断刃24は、第1の先端80aと、第1の先端80aとは長手方向にずれている第2の先端80bと、を有していてもよい。少なくとも1つの先端80において、複数の歯82が、各歯スロットと交互に配置されて、形成され得る。歯82の各々は、特に、その側面において、各切断エッジ84を備えていてもよい。可動切断刃24と固定刃22との相対運動が誘起される場合、可動切断刃24の少なくとも1つの歯状先端80は、固定刃22の各歯状先端30と協働するように構成されてもよい。結果、固定刃22の歯36と、可動切断刃24の歯82とは、毛を切断するために協働し得る。
特に、図4乃至図9を参照して、固定刃22の例示的な実施形態の構造及び構成が、更に詳述及び図示される。図4は、固定刃22の部分的な上面図であり、ここで、金属コンポーネント40(図5参照)の隠れている部分が、説明目的のために示されている。固定刃22の歯36において、先端86が形成され得る。当該先端86は、主に、プラスチックコンポーネント38によって形成され得る。しかしながら、歯36の実質的な部分は、金属コンポーネント40によって形成され得る。図5から最もよく分かるように、金属コンポーネント40は、歯36の実質的な部分を形成し得る、いわゆる歯茎部分88を有していてもよい。歯茎部分88は、可動切断刃24の歯82の切断エッジ84と協働するように構成された各切断エッジ94を備えていてもよい。歯茎部分88の長手方向端部において、固定要素90が、構成されていてもよい。固定要素90は、金属コンポーネント40とプラスチックコンポーネント38との接続を更に強化し得る、嵌合結合(positive fit)接触要素とみなされ得る。
一例として、固定要素90は、アンダーカット部分又は凹部を備えていてもよい。結果、固定要素90は、かかりの付いた固定要素として構成され得る。好ましくは、固定要素90に接触するプラスチックコンポーネント38の各部分は、損傷又は破壊さえ要さずに金属コンポーネント40から取り外されることができない、又は、分離されることができない。換言すれば、プラスチックコンポーネント38は、金属コンポーネント40と密接不可分であってもよい。図5に示されるように、固定要素90は、凹部又は穴92を備えていてもよい。穴92は、例えば、スロット孔として構成され得る。プラスチックコンポーネント38をモールディングする場合、プラスチック材料が、穴92に入ることができる。図6及び図8から最もよく分かるように、プラスチック材料は、両側から(垂直に)、即ち、上側及び底側から、固定要素90の凹部又は穴92を充填し得る。結果、固定要素90は、プラスチックコンポーネント38によって、完全に覆われることができる。固定要素90に隣接して、先端86が、形成され得る。プラスチックコンポーネント38から先端86を形成することは、先端30の前端が、エッジを柔らかくするために、丸み付けられた、又は、面取りされた、相対的に柔らかい材料から形成されるという更なる利点を持ち得る。結果、先端30の前端とユーザの肌との接触が、一般的に、皮膚への刺激又は同様の副作用を生じさせない。また、プラスチックコンポーネント38は、一般的に、金属コンポーネント40に比して、比較的低い熱伝導係数を備えているため、高温のスポットが先端36において回避され得る。
図6乃至図8の断面図から最もよく分かるように、先端30の前端における歯36の先端86のエッジは、著しく丸みを帯びていてもよい。更に分かるように、歯36の領域内の上面32における、金属コンポーネント40とプラスチックコンポーネント38との間の移行部は、著しくシームレスであり、又は、段差がない(滑らかである)。この点については、図9により、更なる説明がなされる。その上側(肌に面する側)が、上面32から傾斜するように固定要素90を形作ることが好適であろう。結果、固定要素90の肌に面する側も、図8に示されるように、プラスチックコンポーネントによって覆われることができる。或る実施形態では、固定要素90は、上面32に対して傾斜していてもよい。固定要素90は、歯茎部分88に対して角度αで構成され得る。固定要素90は、上面32に対して、後方に曲げられていることが更に好ましい。少なくとも幾つかの実施形態では、固定要素90は、歯茎部分88より薄くてもよい。このことは、モールディングの際、プラスチックコンポーネント38によって充填され得る空間を拡大することができる。
また、図6を参照して、固定刃22が、更に詳細に説明される。固定刃22は、可動切断刃24のためのガイドスロット96を規定するとともに、包囲し得る。このため、固定刃22は、第1の壁部100と、第2の壁部102と、を有していてもよい。本開示の目的のため、第1の壁部100は、肌に対向する壁部とみなされ得る。これは、特に、刃のセット20がシェービングのために用いられる場合に該当する。結果、第2の壁部102は、肌から離れる方向を向いている壁部とみなされ得る。換言すれば、第1の壁部100は、上部壁部とも称され得る。第2の壁部102は、底壁部とも称され得る。
第1の壁部100及び第2の壁部102は、連携して、固定刃の歯36を規定し得る。歯36は、可動切断刃24のための、特に、少なくとも1つの歯状先端80において配置されるその歯82のためのスロット又はギャップを有していてもよい。上述のように、第1の壁部100の少なくとも実質的な部分は、金属コンポーネント40によって形成され得る。第2の壁部102の少なくとも実質的な部分は、プラスチックコンポーネント38によって形成され得る。図6に図示された例示的な実施形態では、第2の壁部102は、プラスチックコンポーネント38によって完全に形成されている。むしろ、第1の壁部100は、プラスチックコンポーネント38及び金属コンポーネント40によって協働して形成されている。これは、特に先端30において該当する。第1の壁部100は、その各歯部分において、プラスチックコンポーネント38が金属コンポーネント40に接着される接着部106を有していてもよい。接着部106は、金属コンポーネント40の固定要素90と、固定要素90を覆っているプラスチックコンポーネント38のプラスチック材料と、を含み得る。
図6及び図8は、図4における線分VIII−VIIIに示されるように、歯36を通る断面を図示している。一方、図7は、図4における線分VII−VIIに示されるように、歯スロットを通る断面を図示している。図6及び図7から分かるように、第1の壁部100及び第2の壁部102は、連携して、歯36を含む先端30を形成し得る。第1の壁部100及び第2の壁部102は、連携して、各歯36の基本的にU字形状の横方向断面を規定し得る。第1の壁部100は、U字形状の第1の脚部110を規定し得る。第2の壁部102は、U字形状の第2の脚部を規定し得る。第1の脚部110及び第2の脚部112は、歯36の先端86において接続され得る。第1の脚部110と第2の脚部112との間には、可動切断刃24のためのスロット又はギャップが供給されていてもよい。
また、図6から分かるように、第1の壁部100は、固定刃22の第2の壁部102より極めて薄くてもよい。これにより、肌に面している第1の壁部100において、毛が、肌の極めて近くで切断されることができる。従って、第1の壁部100の厚み、特に、金属コンポーネント40の厚みを減少させることが望ましい。一例として、特に、歯茎部分88における、金属コンポーネント40の厚みltm(図7参照)は、約0.08mm乃至約0.15mmの範囲にあってもよい。これにより、そのような第1の壁部100は、極めて小さい強度及び剛性を示し得る。従って、第2の壁部102を加えることによって、第1の壁部100を支える又は強化することが有用である。第2の壁部102の厚みは、基本的に、最小の達成可能な切断長(例えば、肌において残っている毛の長さ)に影響を与えないため、特に、各先端30における、第2の壁部102の厚みは、特に金属コンポーネント40の第1の壁部100の厚みltmよりも著しく大きくてもよい。このことは、固定刃22に十分な強さと安定性とを供給し得る。図6から更に分かるように、第1の壁部100及び第2の壁部102は、図10及び図11に示されるように、横方向の拡がりに沿った少なくとも部分的に、基本的に近いプロファイルを形成し得る。このことは、特に、固定刃22が第1及び第2の先端30a,30bを備えている場合に該当し得る。これにより、固定刃22の剛性、特に、曲げ応力又はねじり応力に対する剛性が、更に増加し得る。
或る実施形態では、第2の壁部102は、各先端30における第2の脚部112に隣接して、傾斜した部分116を有していてもよい。固定刃22が、基本的に、垂直方向Z及び横方向Yによって規定される中央平面に対して対照的な形状であることに鑑みれば、第2の壁部102は、傾斜した部分116に隣接した中央部分118を更に有していてもよい。これにより、中央部分118は、第1の傾斜部分116と第2の傾斜部分116との間に介在していてもよい。第1の傾斜部分116は、第1の先端30aにおける各第2の脚部112に隣接して配置され得る。第2の傾斜部分116は、第2の先端30bにおける各第2の脚部に隣接して配置され得る。図6から最もよく分かるように、第2の壁部102は、従って、傾斜部分116と中央部分118とによって主に規定される基本的にM字形状の断面を有していてもよい。
図10及び図11を更に参照して、固定刃22のプラスチックコンポーネント38の例示的な実施形態の形状及び構造が、更に詳細に説明される。図10から最もよく分かるように、傾斜部分116a,116bは、基本的に、プラスチックコンポーネント38の全体(横方向)長さに関して延在し得る。先端30a,30bは、一般的に、第1の側部保護要素42とプラスチックコンポーネント38の反対の(側)端部に配置された第2の側部保護要素42との間に延在し得る。基本的に、ガイドスロット96の底側を規定する、図8に示されたプラスチックコンポーネントの凹部は、一般的に、図2に示されるように、金属コンポーネント40によって覆われている。
図11から最もよく分かるように、傾斜部分116aと傾斜部分116bとの間の中央部分118は、一般的に、プラスチックコンポーネント38の全体(横方向)長さの実質的な部分に関して延在し得る。しかしながら、中央部分118と並んで、少なくとも1つの開スロット120が、供給され得る。図10及び図11に示される例示的な実施形態によれば、中央部分118は、第1の開スロット120aと第2の開スロット120bとの間に配置されている。開スロット120a,120bは、少なくとも1つの開口を規定し得る。当該開口を通じて、可動切断刃24は、組み立てられた状態において、伝達部材70により接触され得る。図10から最もよく分かるように、プラスチックコンポーネント38は、少なくとも1つのガイド要素122、特に、コネクタブリッジ74、ひいては、それに接続される可動切断刃24をガイドするように構成され得る複数のガイド要素122を更に有していてもよい。或る実施形態では、複数のガイド要素122が、組になって、配置され得る。各組は、中央部分118の横方向にずれた端部に配置されている。ガイド要素122は、基本的に垂直方向に延在している凸形状のプロファイルとして構成されていてもよい。ガイド要素122は、伝達部材70及び可動切断刃24の長手方向部分を規定し得る。
この点に関し、中央部分118、特に、伝達部材70のための少なくとも1つの開スロット120は、代替的な実施形態において、異なる構造を有していてもよいことに言及する価値があろう。一例として、或る実施形態では、中央部分118は、これを通じてコネクタブリッジ74が可動切断刃24に接触可能な単一の開スロット120によって阻害される。従って、伝達部材70のコネクタブリッジ74は、必ずしも、図3から分かるように、横方向Yにおいて互いにかなりの間隔を空けて配置された、可動切断刃24のための2つの接触点を有する必要がないことが強調される。むしろ、コネクタブリッジ74は、(横方向)中央部分において、可動切断刃24と接触してもよい。
図12乃至図14を特に参照して、可動切断刃24と適合される固定刃22を含む刃のセット20が、更に詳細に説明される。図12は、刃のセット20の部分的な上面図である。この図では、可動切断刃24の隠れている外縁が、点線で示されている。図13は、図12に示される構成の断面図である。ここで、当該セクションは、図12における線分XIII−XIIIに示されるように、固定刃22における歯36と、可動切断刃24における歯スロットと、を含む。一方、図14に示される断面図は、図12における線分XIV−XIVに示されるように、固定刃22における歯スロットと、可動切断刃24における歯82と、を通るセクションを含む。可動切断刃24は、図12における符号126で示される双方向矢印にあるように、固定刃22に対して往復運動する態様で駆動されることができる。固定刃22及び可動切断刃24の相対運動によって、各歯36,82は、協働して、各歯スロットに入る毛を切断することができる。
駆動動作を可動切断刃24に伝達するように基本的に構成された伝達部材70は、図11に示されるように、固定刃22を通って、特に、固定刃22の中央部分118と関連付けられた少なくとも1つの開スロット120を通って延在し得る。図14は、伝達部材70、ひいては、可動切断刃24をガイド可能な一組のガイド要素122を更に示している。ガイド要素122は、固定刃22における伝達部材70及び可動切断刃24の長手方向の位置を規定し得る。
少なくとも幾つかの実施形態において、可動切断刃24が、規定された態様で、ガイドスロット96に配置されることが特に好ましい。また、可動切断刃24を所望の位置に維持するとともに、第1の壁部100と密に接触した状態を維持するために、追加的なマウント部材、特に、いかなるバイアス部材も必要でないことが好ましい。このことは、固定刃22が、第1の壁部100と第1の壁部100と反対側にある第2の壁部102とを備えているために、達成され得る。壁部100と壁部102との両方が、可動切断刃24のための、特に、その歯82のための正確な係合スロットを規定し得る。これにより、可動切断刃24の垂直位置(Z位置)が、極めて精密に規定され得る。このことは、刃のセット20の製造及び組み立てコストを著しく減少させ得る。
一例として、固定刃22及び可動切断刃24は、可動切断刃24が、実質的に平面的な態様で、少なくとも部分的に第1の壁部100と接触するように構成され得る。これは、特に、各歯部に該当し得る。これに関連して、かかる構成は、刃のセット20が動作される場合、実際には、完全な表面接触を必要としないことに言及する価値があろう。一方、固定刃22及び/又は可動切断刃24は、少なくとも動作中において、小さい接触領域のみが維持されるように、屈曲又は予負荷され得ることが想定され得る。しかしながら、第1の壁部100は、少なくとも、(垂直)方向Zにおいて、可動切断刃24のための規定された留め部として機能し得る。第2の壁部102は、各歯状先端30と関連付けられた突出接触表面130を有していてもよい。突出接触表面130は、図14に示されるように、第2の脚部112と第2の壁部102の傾斜部分116との間の移行部において、配置され得る。突出接触表面130は、可動切断刃24のためのガイドスロット96における最終的なギャップ又は高さ寸法を規定し得る。最終的なギャップlcl(図7参照)は、マウントされる可動切断刃24のための規定された隙間が供給されるように、規定され得る。これにより、可動切断刃24は、大きな予負荷なしに、少なくとも不活性状態において、固定刃22において構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、スロット96においてマウントされる切断刃24のためのギャップ又は高さ寸法は、基本的に、締まりばめが供給されるように、規定されてもよい。これにより、可動切断刃24は、固定刃22によって、少なくとも僅かに予負荷され得る。可動切断刃24の高さ寸法又は厚み寸法lt(図14参照)、少なくとも、その少なくとも1つの歯状先端80は、0.1mm乃至0.18mmの範囲内にあってもよい。
特に、図15乃至図17を参照して、本開示の幾つかの態様に係る可動刃24を本開示の幾つかの態様に係る固定刃にマウントするための例示的なマウントプロセスが、以下において、更に詳細に説明される。図15から最もよく分かるように、固定刃22は、少なくとも1つの側部開口68を有していてもよく、図5に示されるように、当該開口を通じて、ガイドスロット96がアクセス可能である。これにより、可動刃24は、横方向Yに対して基本的に平行であり得る挿入方向188に沿って、ガイドスロット96へ移動されることができる。ガイドスロット96は、側部開口68を通じてアクセス可能であり得るため、可動刃24は、基本的に、横方向Yにおいて、不要なずれに対して固定される必要がある。
この目的のため、ここで開示される少なくとも幾つかの態様に係る伝達部材70は、可動刃24に取付けられてもよい。伝達部材70は、主に、可動切断刃24を駆動するため、特に、可動切断刃24が往復運動するように駆動するためのの力伝達部材70としてみなされ得る。しかしながら、伝達部材70の適用範囲は、拡大され得る。伝達部材70は、刃のセット20の固定刃22においてマウントされた状態で、可動切断刃24のためのロック要素として更に機能し得る。この点について、マウントされた状態で刃のセット20を図示している図16及び図17により、更なる説明がなされる。固定刃22、特に、そのプラスチックコンポーネント38は、図6,図10及び図11と関連して既述の中央部分118を有していてもよい。中央部分118は、プラスチックコンポーネント38によって形成された第2の壁部102の各側を接続することができ、その各々は、歯状先端30において、傾斜部分116と、第2の脚部112と、を有していてもよい。中央部分118は、可動切断刃24のための保持タブ194を有していてもよい。
特に、図16に示されるように、伝達部材70、特に、そのコネクタブリッジ74は、可動切断刃24が、固定刃22において、基本的に固定された態様で配置されるように、可動切断刃24に取付けられ得る。より具体的には、可動切断刃24は、固定刃22において、分離できないように保持され得る。この目的のため、伝達部材70及び可動刃24、特に、その(中央)主要部78は、可動切断刃24の位置をぴったりとあうように規定するために協働し得る。一例として、伝達部材70は、固定開口198がその間に規定されるように、可動切断刃24に結合され得る、基本的にアーチ型をしたコネクタブリッジ74を有していてもよい。固定刃22の中央部分118において、保持タブ194は、基本的に、長手方向(X方向)において固定開口198を通って延在していてもよい。これにより、可動刃24は、側部開口68を通じて、固定刃22から取り外されることができない。
換言すれば、固定刃22は、第1のループ、特に、長手軸Xと垂直軸Zとによって規定される平面において延在している第1のループを規定することができる。第1のループは、第1の壁部100と第2の壁部102とが連携することによって規定されてもよい。一方、可動切断刃24及び伝達部材70は、横方向Yと垂直方向Zとによって規定される平面において基本的に延在している第2のループを連携して規定してもよい。第1のループ及び第2のループは、そのコンポーネントに損傷を与えることなく、又は、そのコンポーネントを破壊しさえすることなく、それらが、簡単に、互いに分離されないように、係合し得る。これにより、可動切断刃24は、更なるロックコンポーネントを要することなく、ロック又は固定された態様で、固定刃22に受けられ得る。
図16から最もよく分かるように、コネクタブリッジ74は、可動切断刃24の第1の側端部から可動切断刃24の第2の側端部に、基本的に延在し得る。また、コネクタブリッジ74は、中央部分118に隣接する各開スロット120を通じて、ガイドスロット96から延びていてもよい。第2の壁部102の後方側又は底側において、コネクタブリッジ74は、横方向Yにおいて基本的に延在していてもよく、これにより、可動切断刃24の各側端部を接続している。伝達部材70及び第2の壁部102、特に、その中央部分118は、可動切断刃24のための許容された横方向移動範囲を規定するように協働してもよい。図16から最もよく分かるように、伝達部材70と可動切断刃24とによって規定される固定開口198は、保持タブ194の横方向の拡がりよりも大きい横方向の拡がりを有していてもよい。結果、可動切断刃24は、横方向Yにおいて、往復運動するように移動され得る。一方、コネクタブリッジ74と保持タブ194との間の任意の接触(横方向の接触)は、可動切断刃24の動きを制限し得る。更に言及すべきことには、一般的に、駆動シャフト60(図2参照)の偏心部66によって規定される往復運動ストロークは、コネクタブリッジ74と保持タブ194との協働によって許容される往復運動の可能範囲よりも小さくなるように選択され得る。
少なくとも幾つかの実施形態では、伝達部材70は、各接着点200において、可動切断刃24に接着され得る。接着点200は、典型的には、可動切断刃24の主要部78の側端部において配置される。伝達部材70を可動切断刃24に接着することは、特に、レーザ接着を含み得る。また、はんだ付け又は同様の接着プロセスが、これに関して、想定され得る。接着は、典型的には、被接着コンポーネントにおける熱注入を要する。可動切断刃24が、特に、薄い金属コンポーネント、特に、シート金属コンポーネントであり得ることを考えれば、著しく大きい熱注入は、可動切断刃24の形状を損ない得るであろう。このことは、ガイドスロット96において、可動切断刃24の滑らかな動きに悪影響を与える可能性がある。従って、少なくとも幾つかの実施形態において、逃げスロット202、特に、横方向に延在している逃げスロット202を有する可動切断刃24、特に、可動切断刃24の側端部を供給することが有用であり得る。図18から最もよく分かるように、2つの長手方向に間隔を空けられた逃げスロット202が、接着点200に対して隣接して配置され得る。
伝達部材70を可動切断刃24に接着するプロセスに関して、接着点200が側部開口68から横方向に突き出るように、可動切断刃24及び伝達部材70が、固定刃22に関して横方向にシフトされ得る場合が特に有用であり得る。結果、接着点200は、垂直又は高さ方向(Z方向)において、コンポーネントを接着するためにアクセス可能であり得る。
特に、図19乃至図21を参照して、刃のセット20の代替的な実施形態が、図示されるとともに、更に説明される。一般的なレイアウト及び歯状先端に関して、図19乃至図21に示される固定刃22及び可動切断刃24は、基本的に、図3などに示される実施形態に対応し得る。上述のように、固定刃22は、実質的に金属コンポーネント40によって規定される第1の壁部100と、実質的にプラスチックコンポーネント38によって規定される第2の壁部分102と、を有する金属プラスチック複合材料の固定刃22として構成され得る。しかしながら、特に、伝達部材70の可動切断刃24への取り付けが、図19乃至図21では、修正されている。図15乃至図21に図示される実施形態は、本開示に係る刃のセット20の幾つかの態様を明らかにしている。言うまでもないことであるが、別個の実施形態において開示された少なくとも幾つかの態様は、交換可能である。結果、特定の実施形態の少なくとも幾つかの態様は、特定の実施形態の各々及び任意の態様を実装する必要なく、他の別個の実施形態において実装され得る。
図19から最もよく分かるように、可動切断刃24は、ガイドタブ250の構成を有していてもよい。ガイドタブ250は、可動切断刃24と一体的に形成されてもよい。特に、可動切断刃24が、基本的に、シート金属コンポーネントであることを考えれば、ガイドタブ250は、可動切断刃24の主要部78の各部を切断する及び曲げることによって得られてもよい。図19に示されるように、可動切断刃24は、ガイドタブ250の第1の構成と、ガイドタブ250の第2の構成と、を有していてもよく、その各々は、可動切断刃24の各側端部と関連付けられている。固定刃22の第2の壁部102において、特に、その中央部分118において、少なくとも1つの各ガイド突起部252が、可動切断刃24をガイドするとともに、固定刃22に対して可動切断刃24の長手方向位置を規定するためにガイドタブ250と協働するように供給され得る。これにより、可動切断刃24のX位置が、図20に示されるように、固定刃22によって、特に、そのプラスチックコンポーネント38によって、規定され得る。図19乃至図21に示される可動切断刃24の長手方向位置は、固定刃22によって、直接的に規定される。一方、図15乃至図17に図示される実施形態のように、可動切断刃24の長手方向位置(X位置)が、図17に示されるように、第2の壁部102における各ガイド要素122と協働する、特に、その中央部分118に隣接する、伝達部材70、特にそのコネクタブリッジ74によって規定されるため、可動切断刃24は、この観点では、間接的にガイドされる。
図19に示される可動切断刃24は、基本的にガイドタブ250と同様又は同一の形状をとり得る係合タブ260の構成を更に有していてもよい。しかしながら、ガイドタブ250及び係合タブ260は、可動切断刃24の実施形態において、必ずしも、結合される必要はない。図19乃至図21は、伝達部材70の例示的な実施形態を更に図示している。図19に示される伝達部材70は、取り付け可能な伝達部材70、特に、スナップ式で取り付け可能な伝達部材70とみなされ得る。例えば、伝達部材70は、可動切断刃24を横方向に駆動するために、可動切断刃24に対して差し込まれてもよい。伝達部材70が、いかなるコンポーネントも損傷又は破壊する必要なく、可動切断刃24から分離され得ることが特に好ましい。可動切断刃24と係合するため、伝達部材70は、横方向に係合タブ260と接触し得る少なくとも1つの係合部材262を有していてもよい。伝達部材70が、可動切断刃24にしっかりと取り付けられていない場合であっても、可動切断刃24は、伝達部材70を介して、固定刃22に固定されることができる。
伝達部材70は、固定刃22に対してスナップ取り付け機能を有していてもよい。この目的のため、伝達部材70は、少なくとも1つのフック部材272、特に、少なくとも1つのスナップ式フック部材272を有していてもよい。少なくとも1つのフック部材272は、図20及び図21に示されるように、固定刃22の第2の壁部102の固定部材274を係合させるように構成され得る。可動切断刃24は、ガイドスロット96に横方向に挿入され得る。伝達部材70は、固定刃22の第2の壁部102に対して垂直に供給され得る。伝達部材70、特に、少なくとも1つのフック部材272は、少なくとも1つのフック部材272を曲げ得る挿入開口において挿入され得る。垂直方向(Z方向)に対する所望のマウント位置において、少なくとも1つのフック部材272は、固定刃22の少なくとも1つの固定部材274において、スナップ接続され得る。これにより、伝達部材70は、固定刃においてロックされ得る。また、伝達部材70と固定刃22の第2の壁部102とが協働した結果として、可動切断刃24も固定刃において固定及びロックされ得る。伝達部材70が、反対方向に配置され得る複数のフック部材272を有することが、特に好ましい。
伝達部材70は、横方向拡張266とも称され得る、少なくとも1つの横方向に延在している拡がり266を更に有していてもよい。好ましくは、伝達部材70は、第1の横方向拡張266と、第1の横方向拡張266とは反対側の第2の横方向拡張266と、を有する。少なくとも1つの横方向拡張266は、固定刃22の第2の壁部102における各受けスロット又は受け部268において、受けられるように構成され得る。横方向拡張266及び受け部268は、固定刃22に対する伝達部材70の長手方向位置を規定するために協働し得る。これにより、受け部268は、第2の壁部102における凹部として構成され得る。横方向拡張266及び受け部268は、基本的に、横方向Y及び垂直方向Zにおいて延在している長手方向接触表面を有していてもよい。
伝達部材70は、固定刃22の第2の壁部102においてシート部270と接触するように構成された、少なくとも1つの上部接触表面276を更に有していてもよい。上部接触表面276及びシート部270は、基本的に、長手方向X及び横方向Yにおいて実質的に延在している垂直接触表面を有していてもよい。これにより、シート部270及び上部接触表面276は、固定刃22に対する伝達部材70の垂直位置を規定するように協働し得る。固定刃22は、伝達部材70のため、ひいては可動切断刃24のための横方向移動範囲を規定し得る、少なくとも1つの留め部278を更に有していてもよい。当該留め部278は、シート部270に隣接するように配置され得る。シート部270は、少なくとも1つの留め部278を規定し得る側端面を有する第2の壁部102における凹部として構成され得る。
固定刃22に対する伝達部材70の向き及び位置は、複数の各接触表面によって決定され得る。固定刃22に対する可動切断刃24の位置及び向きは、例えば、長手方向X及び垂直方向Zに対する固定刃22自体によって直接的に規定され得る。固定刃22に対する可動切断刃24の横方向位置は、係合タブ260の少なくとも1つの構成と係合し得る伝達部材70によって規定され得る。これにより、伝達部材70、ひいては、可動切断刃24が、ぴったりと、又は、しっかりと、固定刃22に対してロック及び固定され得る。
図22を更に参照して、刃のセット20の例示的な製造方法が、図示及び説明される。図22から分かるように、当該方法は、固定ガードとも称される固定刃を供給することを含むステップS10を有していてもよい。固定刃は、金属プラスチック複合材料の固定刃、特に、一体形成された金属プラスチック複合材料の固定刃であることが好ましい。固定刃は、可動切断刃のためのガイドスロットを有していてもよい。他のステップS12において、各可動切断刃が、供給され得る。次いで、ステップS14において、固定刃のガイドスロットへ可動切断刃が挿入され得る。可動切断刃は、ガイドスロットにおいて、スライド可能に配置され得る。
他のステップS16において、伝達部材が、供給され得る。伝達部材は、回転入力動作を固定刃に対する可動切断刃の往復出力動作に変換するための駆動シャフトと協働するように構成され得る。この目的のため、伝達部材は、基本的に、可動切断刃に結合される必要がある。次いで、ステップS18では、固定刃のガイドスロットに配置される、予め組み立てられた可動切断刃に、伝達部材が供給され得る。伝達部材の供給方向は、可動切断刃の挿入方向と異なる、特に垂直であることが特に好ましい。他のステップS20において、伝達部材は、可動切断刃に、接着、特に、レーザ溶接され得る。ステップS20は、固定刃において分離できない態様で可動切断刃をロック又は固定するステップを含み得る。
図23を更に参照して、刃のセットのための代わりの例示的な製造方法が、図示及び説明される。ステップS50は、固定刃を供給するステップを含み得る。他のステップS52は、可動切断刃を供給するステップを含み得る。更なるステップS54において、可動切断刃は、固定刃のガイドスロットの中に挿入され得る。他のステップS56は、可動切断刃のために伝達部材を供給するステップを含むように供給され得る。次いで、ステップS58において、固定刃におけるガイドスロットに配置される可動切断刃に対して伝達部材70が供給され得る。図22に図示される製造方法の実施形態と同様に、ステップS58も、可動切断刃のための挿入方向と異なる供給方向において伝達部材を供給するステップを含み得る。
次いで、他のステップS60において、伝達部材と可動切断刃とを接続するステップが供給され得る。ステップS60は、特に、固定刃に伝達部材を差し込むステップを有していてもよい。ステップS60において、伝達部材は、可動切断刃において、しっかりと取り付けられていないことが特に好ましい。しかしながら、ステップS60は、固定刃において伝達部材をスナップ取り付けするステップを含み得る。このため、伝達部材は、スナップ式フックなどの、少なくとも1つのスナップ式要素を有していてもよい。ステップS60は、可動切断刃における駆動可能な駆動係合部材を伝達部材の各駆動部材と係合させるステップを更に有していてもよい。
本発明が、図面及び上記記述において詳細に図示及び説明されてきたが、かかる図示及び説明は、例示であって、限定するものではないと考えられるべきであり、即ち、本発明は、開示の実施形態に限定されない。開示の実施形態に対する他の変形が、本発明を実施する際、当該技術分野における当業者によって、図面、開示、及び、添付の請求項の研究から、理解及び実施され得る。
請求項において、「有する」なる用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数あることを除外しない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に記載の幾つかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項において言及されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、好適に使用されないということを示すものではない。
請求項中の任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。