JP6222069B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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本発明は、排ガス浄化用触媒に関し、特に酸素過剰のリーン雰囲気下でNOxを吸蔵され、ストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気下で吸蔵されたNOxが放出されて還元される、NOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒に関する。
近年、リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化する触媒として、NOx吸蔵還元型触媒が用いられている。このNOx吸蔵還元型触媒では、空燃比を燃料リーン側からパルス状に燃料ストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン側においてNOxがNOx吸蔵材に吸蔵される。そして吸蔵されたNOxはストイキ〜リッチ側で放出され、貴金属の触媒作用によりHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化される。このように、リーン側においてもNOxの排出が抑制されるので、全体として高いNOx浄化能が発現することが知られている。
特許文献1は、触媒コート層が担体基材上で2層構造をなし、この担体基材上に排ガス下流側程高濃度でRhを含む下層が被覆され、この下層上に排ガス上流側程高濃度でさらにPtを含む上層が被覆された排ガス浄化用触媒において、リーン雰囲気下で担持金属中にNOxを吸蔵させ、次に雰囲気をストイキ〜リッチに変化させてこの吸蔵材中のNOxを放出させることによりこの放出されたNOxを還元する触媒を記載する(請求項1など)。
特開2009−273986号公報
しかし、上記のNOx吸蔵型触媒においては、NOxの還元効率をさらに高めることが望まれている。
NOx吸蔵型触媒においては、通常触媒の長さと触媒活性が比例すると考えられるところ、本発明者らは、鋭意努力した結果、触媒下層の排ガスの上流側から下流側への全長に対して、触媒上層によって触媒下層を上流側から一部被覆させることにより、予想外にも、優れたNOx選択還元能を示すことを見いだし、本発明に至ったものである。
本発明の態様は、以下のようである。
(1)基材と、該基材上の触媒下層と、該触媒下層上の触媒上層とを含み、
該触媒下層と該触媒上層とが、酸化物担体と、該酸化物担体上に担持されたアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種の担持金属とを含み、
該酸化物担体が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミナ、セリア、チタニア、ゼオライトの少なくとも1種から選択され、
該担持金属が、酸素過剰のリーンの排ガス雰囲気下で該担持金属中にNOxを吸蔵し、ストイキ〜還元成分過剰のリッチの排ガス雰囲気下で該担持金属に吸蔵されたNOxを放出させて還元する、NOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、
該触媒下層が、該酸化物担体上にロジウムを担持しており、
該触媒上層が、該酸化物担体上に白金を担持しており、
該触媒下層が、該基材の排ガスの上流側から下流側への全長を被覆しており、
該触媒下層の排ガスの上流側から下流側への全長に対して、該触媒上層が90%以上、100%未満の長さで該触媒下層を該上流側から被覆している、排ガス浄化用触媒。
本発明の態様により、リーン雰囲気下で例えばNOをNOに高効率で酸化して吸蔵でき、ストイキ〜リッチ雰囲気下において、吸蔵されたNOxを放出させ、かつ還元されないで触媒層を通過してしまう(本明細書中において、「しみ出し」という場合がある。)NOxを最小限に抑えて、NOxを高効率で還元できる、排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
図1は、本発明の態様と、比較例1の態様とを説明する図である。 図2は、被覆割合(%)に対する、吸蔵量当たりのしみ出しNOx量の比の測定結果のプロットを示す図である。 図3は、被覆割合(%)に対する、リッチ区間でのNOx浄化率(%)の測定結果のプロットを示す図である。 図4は、排ガスの雰囲気をリッチとリーンとの間で反復させた場合における、触媒から放出されたNOxの濃度(ppm)の測定結果のプロットを示す図である。 図5は、シミュレーションにおける(a)被覆割合80%の模式図、(b)被覆割合100%の模式図を示す図である。 図6は、本発明の態様に係るPtにおけるNOx吸蔵・放出・還元を説明する図である。
本明細書中において、粒径とは粒子の直径をいい、粒子が球でない場合には、粒子の最大直径をいう。
本発明に係る触媒は基材を含む。
この基材は、その材質はコージェライト、SiCなどのセラミックス、メタルなどからできており、その形状はフォーム形状、ハニカム形状であることができる。またハニカム形状の場合、ストレートフロー構造またはウォールフロー構造であることができる。
本発明に係る触媒は、触媒層を含み、この触媒層は、基材上の触媒下層、さらにこの触媒下層上の触媒上層の2層を含む。
触媒層の量は、触媒層全体において、基材1リットルあたり、約50g以上であると触媒上層中のPtなどにシンタリングが生じず、約300g以下であると排気圧損が増大せず好ましい。
また触媒下層の体積および触媒上層の体積は、ほぼ同等であることができるが、シンタリングしやすいPtを多く含む触媒上層を触媒下層より若干多く、具体的には100質量%の触媒下層に対し触媒上層が、例えば、約27質量%などの約20質量%〜約35質量%となるようにすると適する。
この触媒下層とこの触媒上層とは、いずれも、酸化物担体と、該酸化物担体上に担持された担持金属とを含む。
この酸化物担体は、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、チタニア(TiO)、ゼオライトの少なくとも1種から選択される酸化物を含む。
そしてこの酸化物担体上に担持された担持金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)などのアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)などのアルカリ土類金属、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などの希土類元素から選択された少なくとも1種である。
酸化物担体による担持金属の合計担持量は、担体基材の1リットルの体積を基準として、触媒層の全体において、約0.01モル以上であればNOx吸蔵量が多くなって実用性があり、約5モル以下であれば触媒上層中でPtの活性が低下せず好ましい。
本発明に係る触媒は、この担持金属により、リーンの排ガス雰囲気下で、担持金属中にNOxを吸蔵し、ストイキ〜リッチの排ガス雰囲気下で、この担持金属に吸蔵されたNOxを放出させることができる。
本発明に係る触媒層は、触媒下層中に主にロジウム(Rh)を担持し、触媒上層中に主に白金(Pt)を担持する。
具体的には、触媒下層は、触媒層中のRhの約70質量%以上、約80質量%以上、約90質量%以上、約95質量%以上、約97質量%以上、約98質量%以上、約99質量%以上および約100質量%未満、約100質量%以下を含むことができる。
そして触媒上層は、触媒層中のPtの約70質量%以上、約80質量%以上、約90質量%以上、約95質量%以上、約97質量%以上、約98質量%以上、約99質量%以上および約100質量%未満、約100質量%以下を含むことができる。
本発明に係る触媒下層は、排ガスの上流側(本明細書中において「Fr」または「Fr部」と記載する場合がある)から下流側(本明細書中において「Rr」または「Rr部」と記載する場合がある)までの全長にわたって基材を被覆しており、さらにこの触媒下層は、酸化物担体上に少なくともRhを担持している。
Rhの担持量は、触媒層の全体において、基材1リットルあたり、約0.01g以上であると活性が充分となり、約1g以下であると活性が飽和せず、かつ経済性に優れ好ましい。
Rhの担持量は、触媒層、特に触媒下層において、排ガスの上流側から下流側にかけて、均一または下流側に行く程増加もしくは減少した含有量であることができるが、下流側におけるRhの含有量が大きいと、ストイキ〜リッチの排ガス雰囲気下において、下流側ほど還元能が高くなり、触媒上層の上流側から放出されたNOxを効率良く還元できるため好ましい。
この下流側におけるRhの大きな含有量として、例えば、触媒下層におけるRhの全担持量のうち約60質量%以上を排ガスの上流側から下流側までの全長のうち下流側から約10%〜約20%に配置することが挙げられる。
またこの触媒層では、触媒下層または触媒上層中の担持金属、Pt、Pdなどが硫黄などにより被毒されても、Rhがジルコニアに担持されている場合には、そこから放出された水素により還元して、担持金属、Pt、Pdなどの機能を回復するようにしてもよい。
本発明に係る触媒上層は、酸化物担体上に少なくとも白金(Pt)を担持している。
具体的には触媒上層は、触媒層中のPtの約30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、約80質量%以上、約90質量%以上、約95質量%以上、および約100質量%以下を含むことができる。
Ptの担持量は、触媒層の全体で、担体基材1リットルあたり、約0.1g以上であると活性が充分となり、約10g以下であると活性が飽和せず、かつシンタリングが生じにくく耐久性に優れ好ましい。
本発明に係る触媒は、この白金により、リーンの排ガス雰囲気下では、NOなどを効率よく酸化して、担持金属中にNOxを吸蔵することを助ける(図6(a))。ストイキ〜リッチの排ガス雰囲気下では、リッチガスがPt表面に吸着し(図6(b))、同時に担持金属中に吸蔵したNOxを放出され、この吸着したリッチガスと反応してNOxを還元する(図6(c))。そしてそれにより触媒全体としてのNOx浄化性能を向上させることができるものである。
Ptの担持量は、触媒層、特に触媒上層排ガスの上流側から下流側にかけて、均一、または下流側に行く程増加もしくは減少した含有量、または上流から一定範囲もしくは下流から一定範囲のみ多い含有量であることができるが、上流側におけるPtの含有量が大きいと、リーン雰囲気下において、上流側ほどNOxの吸蔵量が多くなり、ストイキ〜リッチの雰囲気下において、上流側でNOx放出量を高めて、Ptにより還元するだけでなく、下流側のRhに渡して下流における還元の効率を高めることができるため好ましい。
この上流側におけるPtの大きな含有量として、例えば、触媒上層におけるPtの全担持量のうち約60質量%以上を排ガスの上流側から下流側までの全長のうち上流側から約10%〜約20%に配置することが挙げられる。
また本発明に係る触媒では、必要に応じて、触媒上層および/または触媒下層は、パラジウム(Pd)を担持できる。パラジウムの量は、担体基材1リットルあたり約0.1g以上、約10g以下であることができる。
本発明の態様に係る触媒では、触媒下層がRhの少なくとも大部分を担持し触媒上層がPtの少なくとも大部分を担持することにより、Ptおよび/またはPdによってNOを担持金属に吸蔵されやすいNOに酸化されたままにできる。さらにPtとRhとの合金化を防止できて、Ptが高い酸化活性を維持できる。
本発明に係る態様では、触媒下層の排ガスの上流側から下流側への全長に対して、触媒上層が触媒下層を上流側から部分的に被覆している。
(本明細書中において、触媒上層による触媒下層の排ガス上流側からの被覆長さ/排ガス上流側から下流までの触媒下層の全長×100(%)、すなわち図1中のa/b×100(%)を「被覆割合」という場合がある。)
この被覆割合は、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約86%以上、約88%以上、約89%以上、約90%以上、および約100%以下、約100%未満、約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約94%以下、約93%以下、約92%以下、約91%以下であることができる。
この中でも、しみ出し抑制、排ガス浄化効率向上の点から、被覆割合が、約88%以上、約100%未満であると好ましく、89%以上、100%未満であるとさらに好ましい。
なお、本発明に係る触媒は含浸法などの従来から知られた方法により製造することができる。例えば、Pt、Rhなどの担持量が上流側から下流側に向かって漸減、または漸増した構造は、基材に酸化物担体を含む層を形成し、それをPt、Rhなどの薬液中に浸漬してPt、Rhなどを吸着担持し、下に向けられた上流側端面からPt(Rhでは下流面端面から)薬液中に担体基材の1/2を浸漬し、上に向けられた下流側(Rhでは上流側)から引き上げ、担持させる液面を担体基材の長さによって変えることで、上流側端面から下流側端面に向かって漸減または漸増した担持量でPt、Rhを担持することができる。
本発明に係る態様では、このように触媒上層が、触媒下層を上流側から部分的に被覆することによって、下記で詳しく説明するように、驚いたことにPtと排ガス中のリッチ成分との接触効率を高め、さらに還元活性の高いRhとNOxとの接触効率を向上できるものである。
具体的には、触媒上層の被覆割合が小さくなれば触媒の利用効率が下がると通常予想されるところ、本発明に係る態様では、この従来の予想に反して、驚いたことに触媒上層が触媒下層を90%被覆した場合にしみ出しNOx(g)/吸蔵NOx(g)の比の最小値(表1の実施例1、図2、図3)を得ることができるものである。そしてこれにより、全長を被覆した場合(表1、図2、図3の比較例1)よりも、担持金属が吸蔵したNOxを最も有効に還元することを達成できることが示された。
さらに、下記に示すように、シミュレーション結果も、被覆割合90%の位置での観察において、被覆割合が80%の場合には、被覆割合が100%の場合より、Rhをより有効に使用でき、より多くのNOxを捕捉し、そしてより多くのNOをNに還元できていることを示し、実験結果を補強する結果を示した。
このように本発明の態様により、リーン環境下では、PtによるNOのNOへの酸化、担持金属へのNOxの吸蔵を促進するだけでなく、かつストイキ〜リッチ環境下では、NOxの放出、およびにじみ出しの少ないRhによる還元効率を高めることによって、非常に優れた浄化効率を有する触媒を提供できることが示された。
本発明が実施形態により、制約されることを意図しないが、より理解の助けとするために、以下に、例示的に実施例、比較例などを記載する。
(製造例1;触媒下層)
Al系複合酸化物の担体にPt、Pd、Rhをそれぞれ含浸担持したものと、助触媒としてのCeO酸化物と、Alバインダーとを加えて混合し(混合物全体を基準として乾燥基準で、0.19質量%のPt、0.14質量%のPd、0.15質量%のRhを含み、乾燥基準でハニカム基材1リットル当たり混合物を172g含む)、水を加えて、コート用スラリーを調製した。次いで、得られたスラリーをウォッシュコート法により、コージェライトハニカム基材(13R13,φ=129mm,L=100mm)に被覆し、その後、乾燥及び焼成して下層触媒層が形成された排ガス浄化用触媒を得た。
(製造例2:触媒上層)
f.Al複合酸化物の担体にPtおよびPdをそれぞれ含浸担持したものと、助触媒としてのCeO酸化物と、Alバインダーとを加えて混合し(混合物全体を基準として乾燥基準で、1.5質量%のPt、0.3質量%のPdを含み、乾燥基準でハニカム基材1リットル当たり混合物を68g含む)、水を加えてコート用スラリーを調製した。次いで、得られたスラリーをウォッシュコート法により、下層触媒層が形成されたハニカム基材の排ガス上流部にハニカム基材の全長に対して参考例1(60%),参考例2(80%),実施例1(90%),比較例1(100%)の割合で被覆した。
(製造例3:担持金属の含浸)
次いで、所定濃度の酢酸バリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウムの混合水溶液を含浸させ、蒸発乾固後焼成してBa、K及びLiを担持させて排ガス浄化用触媒を得た。触媒下層および触媒上層を含む触媒層全体での担持量は、ハニカム基材あたり、Ba0.2モル/リットル、K0.15モル/リットル、Li0.1モル/リットルとした(実施例1、参考例1、2、比較例1)。
(吸蔵量当たりのしみ出しNOx量の比の測定)
リーンバーンエンジンを搭載したエンジンベンチの排気系に(製造例1)〜(製造例3)を用いて製造した触媒を装着し、ガス流量14〜22(g/秒)、触媒床温度350℃で、下記表1に記載のベンチ排ガスのリーン条件下で90秒間NOxを吸蔵させ、同ガスのリッチ条件下で吸蔵量当たりのしみ出しNOx量の比を測定した。結果を表2、図2に示す。
Figure 0006222069
表中、T(入口)とは触媒の入口部における触媒の温度であり、ppm、%は、体積基準である。
リッチ区間とは、リッチガスが流れている時間を意味する。
(排ガス浄化率測定)
浄化率測定は、(吸蔵量当たりのしみ出しNOx量の比の測定)と同じ条件で、評価ガスをサンプルに通過させた後のガス組成を、赤外分光計(メーカー名:(株)堀場製作所、型番:MEXA−6000FT)を用いて測定し、この測定値から下記の式によりリッチ区間におけるNOx浄化率を算出した。
浄化率(%)=(触媒の入りガス濃度(体積%)−触媒の出ガス濃度(体積%))/触媒の入りガス濃度(体積%)×100
結果を表2、図3に示す。
Figure 0006222069
被覆割合が88%〜100%未満の範囲では、Rhが露出していることにより、リッチ環境下で還元されないで触媒層を通過してしまうNOxの濃度を抑制しつつ、比較例よりも高いNOx浄化率を示すことができた。
88%よりも短いゾーンコート幅では貴金属の密度が高くなることによるシンタリングと担持金属が濃縮され貴金属の活性の低下によると考えられる、しみ出し量の増加が観察された(参考例1,2)。
(リッチ条件−リーン条件切り替え反復による評価)
上記(吸蔵量当たりのしみ出しNOx量の比の測定)の実施例1と同じ試料を用いて、表1に示す、ベンチ排ガスのリーン条件下でNOxを担持金属中に吸蔵させ、ベンチ排ガスのリッチ条件下でNOxのしみ出しを測定した。なお、各サイクルにおけるリーン条件は90秒間であり、リッチ条件は2.6秒間であり、リーン条件を合計3回、リッチ条件を合計2回繰り返した。
図4に示すように、実施例1の触媒は、リーン状態においてNOxを吸蔵し、リッチ状態においてNOxを放出していることがわかる。
(触媒反応シミュレーション)
触媒反応シミュレーションを用いて、被覆割合の違いによるしみ出しNOx低減についてのメカニズム解析を行った。シミュレーションは、フルサイズ触媒のハニカム基材のうちの単一セルについて、ガス流れ方向に数分割し、それぞれの要素セルについて物質収支とエネルギー収支を計算し、入りガス条件から最終的に出ガス濃度を計算することにより行った。触媒パラメータとしては、貴金属量、吸蔵材量、触媒層構成、触媒厚などを入力し、貴金属や吸蔵材に固有の反応速度式からガスの反応量を計算した。触媒上層と触媒下層との間の移動では、濃度勾配と拡散係数からガスの移動量を計算した。
なお、貴金属量、吸蔵材量、触媒構成、上層触媒厚、下層触媒厚は実施例1と同じにした。
計算対象として、触媒上層が触媒下層80%被覆したもの(図5(a))、および触媒上層が触媒下層を100%被覆したもの(図5(b))を用い、表1中のリッチ条件下での、上流側から90%における、それぞれ、Rh空きサイト割合(%)、NO −Rh割合(%)、N−Rh割合(%)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006222069
Rh空きサイト割合(%)
表3に示すように触媒上層が触媒下層を80%被覆した場合、Rhの使われていない空きサイト割合は約44と全長を被覆した場合の約72より少なく、80%被覆の場合の方がRhを有効に使用しているという計算結果を得た。
NO −Rh割合(%)
表3に示すように触媒上層が触媒下層80%被覆した場合、より多くNOがRhに捕捉されて約7.8となっており、全長被覆の場合の約4.5より多いという計算結果を得た。
−Rh割合(%)
表3に示すように触媒上層が触媒下層80%被覆した場合、約1.5と、全長被覆の場合の約0.6より大きいことから、Nがより多く生成しており、捕捉したNOをより多く還元しているという計算結果を得た。
このようにシミュレーション結果は、触媒上層が触媒下層80%被覆した場合には、全長被覆の場合より、Rhをより有効に使用し、より多くのNOxを捕捉し、より多くのNOをNに還元できていることを示した。
上記のように本発明に係る排ガス浄化用触媒によれば、触媒上層が触媒下層の上流側からの一部表面を被覆することにより、にじみ出しを最小限に抑えたより効率の高いNOxの吸蔵および放出、還元を可能にできる。こうしたことから、本発明に係る還元触媒は、排ガス浄化触媒に限られず、広い分野において様々な用途に利用することができる。
1 触媒上層
2 触媒下層
3 基材
4 排ガスの流れ方向(上流から下流)
5 Fr部
6 Rr部

Claims (1)

  1. 基材と、該基材上の触媒下層と、該触媒下層上の触媒上層とを含み、
    該触媒下層と該触媒上層とが、酸化物担体と、該酸化物担体上に担持されたアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種の担持金属とを含み、
    該酸化物担体が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミナ、セリア、チタニア、ゼオライトの少なくとも1種から選択され、
    該担持金属が、酸素過剰のリーンの排ガス雰囲気下で該担持金属中にNOxを吸蔵し、ストイキ〜還元成分過剰のリッチの排ガス雰囲気下で該担持金属に吸蔵されたNOxを放出させて還元する、NOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、
    該触媒下層が、該酸化物担体上にロジウムを担持しており、
    該触媒上層が、該酸化物担体上に白金を担持しており、
    該触媒下層が、該基材の排ガスの上流側から下流側への全長を被覆しており、
    該触媒下層の排ガスの上流側から下流側への全長に対して、該触媒上層が90%以上、100%未満の長さで該触媒下層を該上流側から被覆している、排ガス浄化用触媒。
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