JP6217331B2 - 車両用サイドドアの開閉構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用サイドドアをドアヒンジにより車体に回動可能に取付けて、このサイドドアの回動動作を規制可能とするように構成された車両用サイドドアの開閉構造に関する。
自動車等の車両においては、そのドアがドアヒンジによって車体に回動可能に取付けられて、ドアがその回動動作によって開閉するようになっている。一般的に、このような車両用ドアの開閉構造においては、ドアが一定量以上に開くことを防止すること、ドアを閉状態と最大開放状態との間の中間開放状態にて保持すること等を目的として、ドアの回動動作を規制可能とする機構が設けられている。
具体的には、車両用ドアの開閉構造、特に、車両の車幅方向の側部に配置される車両用サイドドアの開閉構造の一例として、次のようなものが存在する。車両用ドア、特に、車両用サイドドアが、そのドア前後方向の前方に配置されるドアヒンジによって車体に取付けられており、ドアの回動動作を規制可能とする機構として、車体からドア内に延びるレバー部材(チェックリンクアーム)が設けられ、サイドドアの内部にてレバー部材を支持可能とするケース部材(ケース体)が設けられている。このようなサイドドアのドアインナーパネル及びケース部材には、レバー部材を挿入可能とする貫通孔が形成され、ケース部材の貫通孔の周囲には弾性体が取付けられている。レバー部材の先端部には、ケース部材の貫通孔よりも大きく形成されたストッパ部材(ストッパ)が取付けられ、レバー部材の中間部には凹部溝が形成されている。車体に対して回動可能なレバー部材は、サイドドアのドアインナーパネル及びケース部材の貫通孔を通って、サイドドアの内部に挿入されている。レバー部材の中間部は、ケース部材の弾性体と当接することによって支持されている。このような構成において、サイドドアの開閉時には、レバー部材がケース部材によってガイドされるようになっている。ドアの回動動作の規制については、ケース部材とレバー部材の先端部のストッパ部材とが当接することによって、サイドドアが一定量以上に開くことを防ぐようにレバー部材の移動が制限されるようになっている。さらには、レバー部材の中間部の凹部溝とケース部材の弾性体とが係合することによって、サイドドアが閉状態と最大開放状態との間の中間開放状態にて保持可能となっている。(例えば、特許文献1を参照。)
特開平10−081135号公報
しかしながら、上述した車両用サイドドアの開閉構造の一例では、レバー部材の中間部の凹部溝とケース部材の弾性体とが係合することによって、サイドドアが中間開放状態にて保持されるに過ぎない。そのため、車両側方から荷重が加えられることによって、サイドドアの閉状態が解除された後にサイドドアが開き始めた場合、レバー部材の中間部の凹部とケース部材の弾性体とが係合せずに、サイドドアが意図せずに開放されるおそれがある。さらには、サイドドアが意図せずに最大開放状態まで開放されるおそれがある。そのため、車両用サイドドアの開閉構造においては、車両側方から荷重が加えられた時に、サイドドアが意図せずに開放されることを防止することが要求されている。その一方で、車両用サイドドアの開閉構造においては、通常時に、サイドドアをスムーズに開閉可能とすることもまた要求される。
そこで、本発明の目的は、通常時にサイドドアをスムーズに開閉可能とし、車両側方から荷重が加えられた時にサイドドアが意図せずに開放されることを防止可能とする車両用サイドドアの開閉構造を提供することにある。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る車両用サイドドアの開閉構造は、車両の車幅方向の側部に配置されるサイドドアと、前記サイドドアのドア前後方向の前方に配置されると共に前記サイドドアを車体に回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジとを備え、前記サイドドアが、その内部に配置されるケース部材を有し、前記ドアヒンジが、その回動軸から前記サイドドアの内部に向かって延びるレバー部材を有し、前記レバー部材が、前記ケース部材によってガイドされるように構成されている、車両用サイドドアの開閉構造であって、前記サイドドアが、その内部にて前記ケース部材に対してドア前後方向の後方に間隔を空けて配置されるガイド部材を有し、前記ケース部材及び前記ガイド部材のそれぞれに、前記レバー部材に対応して貫通するケース貫通孔及びガイド貫通孔が形成され、前記レバー部材に、ドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に突出する突起部が形成され、前記突起部が前記サイドドアの閉状態にて前記ケース部材と前記ガイド部材との間に位置するように、前記レバー部材が前記ケース貫通孔及び前記ガイド貫通孔に挿入され、前記ガイド部材が、ガイド部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている。そのため、通常時には、レバー部材がガイド部材と共にドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されて、レバー部材の突起部がケース部材のケース貫通孔をスムーズに通過可能な状態に維持されるので、サイドドアが閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時には、当該荷重が、レバー部材をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「レバー部材の付勢力」という)に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材の付勢力よりも大きくなると、レバー部材がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材のドア前後方向の移動を妨げるように、レバー部材の突起部がドア前後方向にケース部材と当接可能となる。その結果、サイドドアの閉状態が意図せずに解除された後にサイドドアが開き始めた場合に、サイドドアが閉状態寄りの位置よりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にサイドドアが意図せずに開放されることを防止できる。
本発明の一態様に係る車両用サイドドアの開閉構造では、前記レバー部材の突起部の突出量が、ドア前後方向の後方から前方に向かうに従って増加しており、前記サイドドアの閉状態にて、前記突起部の一部が前記ガイド部材のガイド貫通孔に挿入されるように構成されている。そのため、突起部がガイド部材にスムーズに挿入されるので、サイドドアが閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。また、サイドドアの閉状態にて、ガイド部材がレバー部材の突起部によってドア厚さ方向における車室内から車外に向かって押されて、レバー部材の付勢力が増加するので、サイドドアの閉状態が安定して維持され易くなる。その一方で、サイドドアの閉状態が意図せずに解除された後にサイドドアが開き始めた場合に、レバー部材がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動し易くなり、サイドドアが閉状態寄りの位置よりも開くことを防止するように促されることとなる。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にサイドドアが意図せずに開放されることを確実に防止できる。
本発明の別の一態様に係る車両用サイドドアの開閉構造は、車両の車幅方向の側部に配置されるサイドドアと、前記サイドドアのドア前後方向の前方に配置されると共に前記サイドドアを車体に回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジとを備え、前記サイドドアが、その内部に配置されるケース部材を有し、前記ドアヒンジが、その回動軸から前記サイドドアの内部に向かって延びるレバー部材を有し、前記レバー部材が、前記ケース部材によってガイドされるように構成されている、車両用サイドドアの開閉構造であって、前記サイドドアが、ドア厚さ方向に移動可能な状態で前記レバー部材に組込まれる突起部材を有し、前記突起部材が、前記レバー部材からドア厚さ方向の車室内から車外に向かう方向に突出可能に構成されたピン部を有し、前記ケース部材に、前記レバー部材に対応して貫通するケース貫通孔が形成され、前記ピン部が前記サイドドアの閉状態にて前記ケース部材のドア前後方向の後方に位置するように、前記レバー部材が前記ケース貫通孔に挿入され、前記突起部材が、突起部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている。そのため、通常時には、突起部材が、ドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されて、突起部材のピン部がレバー部材から突出する量が少なくなっている。その結果、レバー部材がケース部材のケース貫通孔をスムーズに通過可能な状態に維持されるので、サイドドアが、閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時には、当該荷重が、突起部材をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「突起部材の付勢力」という)に抗して作用する。ここで、車両側方から荷重が突起部材の付勢力よりも大きくなると、突起部材がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材のピン部がドア前後方向にケース部材と当接可能となる。その結果、サイドドアの閉状態が意図せずに解除された後にサイドドアが開き始めた場合に、サイドドアが、閉状態寄りの位置よりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にサイドドアが意図せずに開放されることを防止できる。
本発明の別の一態様に係る車両用サイドドアの開閉構造では、前記サイドドアが、前記ケース部材に対してドア前後方向の後方に間隔を空けて配置されるガイド部材を有し、前記ガイド部材に、前記レバー部材に対応してドア前後方向に貫通するガイド貫通孔が形成され、前記突起部材用付勢手段により付勢された前記突起部材の初期状態にて、前記ピン部の一部が前記レバー部材から突出しており、前記ピン部が前記ガイド部材のドア前後方向の前方に位置するように、前記レバー部材が前記ガイド貫通孔にさらに挿入され、前記ガイド部材が、ガイド部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている。そのため、通常時には、レバー部材がガイド部材と共にドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に安定的に付勢されて、レバー部材から突出する突起部材のピン部が、ケース部材のケース貫通孔をスムーズに通過可能な状態で維持されるので、サイドドアが閉状態及び最大開放状態間でさらにスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時に、当該荷重が、レバー部材をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「レバー部材の付勢力」という)に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材の付勢力よりも大きくなると、レバー部材がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材のピン部がドア前後方向にケース部材と確実に当接可能となる。その結果、サイドドアの閉状態が意図せずに解除された後にサイドドアが開き始めた場合に、サイドドアが、閉状態寄りの位置よりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にサイドドアが意図せずに開放されることを確実に防止できる。
本発明の一態様及び別の一態様に係る車両用サイドドアの開閉構造によれば、通常時にサイドドアをスムーズに開閉でき、車両側方から荷重が加えられた場合にサイドドアが意図せずに開放されることを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を含む車両を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの閉状態で、図1のA−A線に沿って切断して概略的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの閉状態で、図2のB部を拡大して概略的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造に用いられるドアヒンジ及びサイドドアのケース部材を概略的に示す底面図である。 図4のC−C断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの最大開放状態で、図1のA−A線に沿って切断して概略的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、車両側方からの荷重が加えられた状態で、図2のB部を拡大して概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの閉状態で、図1のA−A線に相当する線沿って切断して概略的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの閉状態で、図8のD部を拡大して概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、車両側方からの荷重が加えられた状態で、図8のD部を拡大して概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造を、サイドドアの閉状態で、図1のA−A線に相当する線沿って切断して概略的に示す断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造(以下、「ドア開閉構造」という)について以下に説明する。図1に示すように、車両が、車体1の車幅方向の側部に配置されるサイドボディインナーパネル1aと、車両の車幅方向の側部に配置される車両用サイドドア(以下、「ドア」という)2とを有している。車体1のサイドボディインナーパネル1aは、ドア2に対してドア前後方向の前方に位置するピラー部1bを有している。ピラー部1bは、ドア2の前端縁に対応して形成されている。なお、本実施形態において、図1に示されるドア2は、車両進行方向右側のフロントドアとなっているが、本発明はこれに限定されない。本発明において、ドア2は車両の車幅方向の側部に配置されていればよく、例えば、ドア2が、車両進行方向左側のフロントドア、車両進行方向右側のリアドア、車両進行方向左側のリアドア等であってもよい。
図1及び図2に示すように、車両は、ドア2を車体1のサイドボディインナーパネル1aのピラー部1bに回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジ3を有している。ドアヒンジ3は、ドア2に対してドア前後方向の前方に配置されている。図1〜図5に示すように、ドアヒンジ3は、車両上下方向に延びる回動軸3aを有している。図2、図4、及び図5に示すように、ドアヒンジ3は、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bから回動軸3aに向かって突出する車体側取付部材4と、回動軸3aからドア2に向かって延びるレバー部材5とを有している。そのため、レバー部材5が、車体側取付部4に対して回動軸3aを中心に回動可能となっている。再び図1及び図2に示すように、このようなドアヒンジ3を介して車体1のサイドボディインナーパネル1aのピラー部1bとドア2とが連結されて、ドア2が、その前方に位置するドアヒンジ3の回動軸3aを中心に回動可能となっている。
ここで、図2及び図3を参照してドア2の詳細について説明する。図2に示すように、ドア2は、ドア厚さ方向の車室内寄りに位置するドアインナーパネル6と、ドア厚さ方向の車外寄りに位置するドアアウターパネル7とを有している。ドアインナーパネル6は、ドア2のドア厚さ方向の車室内側端面を構成する内側端部6aを有している。また、ドアインナーパネル6は、内側端部6aのドア前後方向の前端からドア厚さ方向の車外側に向かって延びる前端部6bを有している。ドア2の閉状態において、ドアインナーパネル6の前端部6bは、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bと向き合うようになっている。ドアインナーパネル6の前端部6bには、ドアヒンジ3のレバー部材5に対応してドア前後方向に貫通するパネル貫通孔6cが形成されている。パネル貫通孔6cは、ドアインナーパネル6の前端部6bのドア厚さ方向中央に対して車室内寄りに位置している。ドアアウターパネル7は、そのドア前後方向の前方に位置する前端部7aを有している。このようなドアインナーパネル6の前端部6bとドアアウターパネル7の前端部7aとが接合されており、ドアインナーパネル6とドアアウターパネル7との間にはドア2の内部空間2aが形成されている。
図2及び図3に示すように、ドア2は、その内部空間2aに配置されるケース部材8を有している。図3に示すように、ケース部材8には、ドアヒンジ3のレバー部材5に対応して貫通するケース貫通孔8aが形成されている。ケース部材8は、ケース貫通孔8aの周囲に配置される支持部8bを有している。支持部8bは弾性材料を用いて作製されている。ケース部材8は、そのケース貫通孔8aをドアインナーパネル6の前端部6bのパネル貫通孔6cに一致させるように配置されている。このようなケース部材8がドアインナーパネル6の前端部6bに取付けられている。
図2及び図3に示すように、ドア2は、その内部空間2aにてケース部材8のドア前後方向の後方に配置されるガイド部材9を有している。図3に示すように、ガイド部材9には、ドアヒンジ3のレバー部材5に対応して貫通するガイド貫通孔9aが形成されている。上述したドアヒンジ3の回動軸3a、ドアインナーパネル6の前端部6bのパネル貫通孔6c、ケース部材8のケース貫通孔8a、及びガイド部材9のガイド貫通孔9aは、ドア前後方向に沿って並んでいる。
図2及び図3に示すように、ドア2は、ガイド部材9をドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に付勢するガイド部材用付勢手段として構成された引張バネ10を有している。引張バネ10は、ドアインナーパネル6の内側端部6aとガイド部材9とを連結している。なお、本実施形態においては、ガイド部材用付勢手段が引張バネ10となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガイド部材用付勢手段が板バネ等となっていてもよい。
図2及び図3に示すように、ドア2は、ドアインナーパネル6の前端部6bからドア前後方向の前方に突出するウェザーストリップ11を有している。ウェザーストリップ11は、ゴム等の弾性材料から作製されている。特に図示はしないが、このようなウェザーストリップ11は、ドア2の外周縁に沿うように配置されている。図2に示すように、ウェザーストリップ11は、ドアインナーパネル6の前端部6bのドア厚さ方向中央に位置している。そのため、ウェザーストリップ11は、ドアヒンジ3に対してドア厚さ方向の車室内寄りに位置している。このようなウェザーストリップ11が、ドアインナーパネル6の前端部6bに取付けられている。
次に、図2〜図5を参照してドアヒンジ3の詳細について説明する。図2及び図3に示すように、ドアヒンジ3の車体側取付部材4は、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bに沿って配置される基端部4aを有している。また、車体側取付部材4は、その基端部4aからドア2に向かって突出する先端部4bを有している。このようなドアヒンジ3の車体側取付部材4の基端部4aが、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bに取付けられている。詳細には、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bと、ドアヒンジ3の車体側取付部材4の基端部4aとが、ボルト及びナット等の組合せから成る締結手段Tによって共締めされて接合されている。なお、本実施形態においては、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bと、ドアヒンジ3の車体側取付部材4の基端部4aとが締結手段Tによって接合されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、サイドボディインナーパネル1aのピラー部1bと、ドアヒンジ3の車体側取付部材4の基端部4aとが溶接等によって接合されていてもよい。
図2、図4、及び図5に示すように、ドアヒンジ3のレバー部材5の基端は、ドアヒンジ3の回動軸3aを中心に回動可能となるように車体側取付部材4の先端部4bに取付けられている。ドアヒンジ3のレバー部材5の先端には、車両上方及び下方のそれぞれに突出するストッパ部材12が取付けられている。
図2、図4、及び図5に示すように、レバー部材5は、ドアヒンジ3の回動軸3aのドア前後方向後方に位置する基端部5aと、この基端部5aのドア前後方向後方に位置する中間部5bと、この中間部5bのドア前後方向後方に位置する先端部5cとを有している。図2及び図4に示すように、レバー部材5の基端部5aは、ドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に突出するように湾曲している。
図2及び図4に示すように、レバー部材5の中間部5bは、ドア厚さ方向の車室内から車外に向かう方向に突出するように湾曲している。図4及び図5に示すように、レバー部材5の上下方向の厚さは、その基端部5aから中間部5bに向かうに従って増加している。レバー部材5の中間部5bにおける上面及び下面のそれぞれには、レバー部材5の厚さ方向外側から中央に向かって凹むように中間凹部5dが形成されている。
図2及び図4に示すように、レバー部材5の先端部5cは、ドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に突出するように湾曲している。図4及び図5に示すように、レバー部材5の先端部5cにおける上面及び下面のそれぞれには、レバー部材5の厚さ方向外側から中央に向かって凹むように先端凹部5eが形成されている。
図2〜図4に示すように、レバー部材5には、ドア厚さ方向の車室内から車外に突出する突起部13が形成されている。突起部13の突出量は、ドア前後方向の後方から前方に向かうに従って増加しており、突起部13は略三角柱形状に形成されている。このような突起部13は、レバー部材5の長手方向中央に対してドアヒンジ3の回動軸3a寄りに配置されている。また、突起部13は、レバー部材5の中間部5bのドア厚さ方向最大突出区域からドア前後方向の前方に延びるように形成されていると好ましい。
図2及び図3に示すように、このようなレバー部材5が、ドア2におけるドアインナーパネル6の前端部6bのパネル貫通孔6c、ケース部材8のケース貫通孔8a、及びガイド部材9のガイド貫通孔9aに挿入されている。レバー部材5は、ドア前後方向に移動する際にケース部材8の支持部8bを摺動する。そのため、レバー部材5は、ケース部材8によってガイドされるようになっている。このようなガイド部材9が引張バネ10によってドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に付勢されて、その結果、レバー部材5もまた、ドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に付勢されることとなる。
ここで、ドア2の閉状態におけるドア開閉構造について説明する。図2及び図3に示すように、ドア2の閉状態において、ケース部材8はレバー部材5の基端部5aを支持しており、ガイド部材9はレバー部材5の中間部5bを支持している。このとき、レバー部材5の突起部13は、ケース部材8とガイド部材9との間に位置している。図3に示すように、さらに、レバー部材5の突起部13の少なくとも一部が、ガイド部材9のガイド貫通孔9aに挿入されている。そのため、ガイド部材9がレバー部材5の突起部13によってドア厚さ方向における車室内から車外に向かって押されて、レバー部材5をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「レバー部材6の付勢力」という)が増加することとなる。このようなレバー部材5の基端部5aは、ケース部材8の支持部8bをドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に押圧している。図2及び図3に示すように、ウェザーストリップ11は、車体1のサイドボディインナーパネル1aのピラー部1bとドア2のドアインナーパネル6の前端部6bとの間にて弾性変形しながら挟まれるようになっている。
ドア2の閉状態及び後述する最大開放状態間の中間開放状態におけるドア開閉構造について説明する。特に図示はしないが、ドア2の中間開放状態において、ケース部材8及びガイド部材9はレバー部材5の中間部5bを支持している。このとき、レバー部材5の突起部13は、ケース部材8のドア前後方向の前方に位置している。さらに、ケース部材8の支持部8bは、レバー部材5の中間凹部5dに係合しており、ドア2は中間開放状態にて保持されている。
ドア2の最大開放状態におけるドア開閉構造について説明する。図6に示すように、ドア2の最大開放状態において、ケース部材8及びガイド部材9はレバー部材5の先端部5cを支持している。このとき、レバー部材5の突起部13は、ケース部材8のドア前後方向の前方に位置している。さらに、図4及び図5に示すように、ケース部材8の支持部8bは、レバー部材5の先端凹部5eに係合しており、ドア2は最大開放状態にて保持されている。なお、レバー部材5のストッパ部材12とケース部材8とが当接することによって、ドア2が最大開放状態より開くことを防止するようにレバー部材5の移動が規制されるようになっている。
次に、車両側方からの荷重がドア2の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合の作用について説明する。図7に示すように、車両側方からの荷重がドア2の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合、当該荷重がレバー部材5の付勢力に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材5の付勢力よりも大きくなると、レバー部材5がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材5のドア前後方向の移動を妨げるように、レバー部材5の突起部13が、ドア前後方向にてケース部材8と当接可能になる。その結果、レバー部材5の移動が妨げられて、ドア2が意図せずに大きく開くことが防止されることとなる。
以上、本実施形態によれば、通常時には、レバー部材5がガイド部材9と共にドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されて、レバー部材5の突起部13がケース部材8のケース貫通孔8aをスムーズに通過可能な状態に維持されるので、ドア2が閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時には、当該荷重がレバー部材5の付勢力に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材5の付勢力よりも大きくなると、レバー部材5がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材5のドア前後方向の移動を妨げるように、レバー部材5の突起部13がドア前後方向にケース部材8と当接可能になる。その結果、ドア2の閉状態が意図せずに解除された後にドア2が開き始めた場合に、ドア2が、閉状態寄りよりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にドア2が意図せずに開放されることを防止できる。
本実施形態によれば、レバー部材5の突起部13の突出量が、ドア前後方向の後方から前方に向かうに従って増加しており、ドア2の閉状態にて、突起部13の一部がガイド部材9のガイド貫通孔9aに挿入されるようになっている。そのため、突起部13がガイド部材9のガイド貫通孔9aにスムーズに挿入できるので、ドア2が、閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。また、ドア2の閉状態にて、ガイド部材9がレバー部材5の突起部13によってドア厚さ方向における車室内から車外に向かって押されて、レバー部材5の付勢力が増加するので、ドア2の閉状態が安定して維持され易くなる。その一方で、ドア2の閉状態が意図せずに解除された後にドア2が開き始めた場合には、レバー部材5がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動し易くなり、ドア2が閉状態寄りの位置よりも開くことを防止するように促されることとなる。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にドア2が意図せずに開放されることを確実に防止できる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造(以下、「ドア開閉構造」という)について以下に説明する。図8に示すように、車両が、第1実施形態の車体1のサイドボディインナーパネル1aと同様に構成された車体21のサイドボディインナーパネル21aを有している。サイドボディインナーパネル21aは、第1実施形態のピラー部1bと同様に構成されたピラー部21bを有している。また、車両は、車両の車幅方向の側部に配置される車両用サイドドア(以下、「ドア」という)22を有している。
図8に示すように、車両は、ドア22を車体21のサイドボディインナーパネル21aのピラー部21bに回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジ23を有している。ドアヒンジ23は、ドア22に対してドア前後方向の前方に配置されている。ドアヒンジ23は、ドア22に対してドア前後方向の前方に配置されている。図8及び図9に示すように、ドアヒンジ23は、その上下方向に延びる回動軸23aを有している。図8に示すように、ドアヒンジ23は、サイドボディインナーパネル21aのピラー部21bから回動軸23aに向かって突出する車体側取付部材24と、回動軸23aからドア22に向かって延びるレバー部材25とを有している。そのため、レバー部材25が、車体側取付部24に対して回動軸23aを中心に回動可能となっている。このようなドアヒンジ23を介して車体21のサイドボディインナーパネル21aのピラー部21bとドア22とが連結されて、ドア22が、その前方に位置するドアヒンジ23の回動軸23aを中心に回動可能となっている。
ここで、図8及び図9を参照してドア22の詳細について説明する。図8に示すように、ドア22は、第1実施形態のドアインナーパネル6及びドアアウターパネル7のそれぞれと同様に構成されたドアインナーパネル26及びドアアウターパネル27を有している。ドアインナーパネル26は、第1実施形態の内側端部6a、前端部6b、及びパネル貫通孔6cのそれぞれと同様に構成された内側端部26a、前端部26b、及びパネル貫通孔26cを有している。ドアアウターパネル27は、第1実施形態と同様に構成された前端部7aを有している。このようなドアインナーパネル26とドアアウターパネル27との間にはドア22の内部空間22aが形成されている。
図8及び図9に示すように、ドア22は、第1実施形態のケース部材8と同様に構成されたケース部材28を有している。図9に示すように、ケース部材28は、第1実施形態のケース貫通孔8a及び支持部8bのそれぞれと同様に構成されたケース貫通孔28a及び支持部28bを有している。
図8及び図9に示すように、ドア22は、第1実施形態のウェザーストリップ11と同様に構成されたウェザーストリップ29を有している。
次に、図8及び図9を参照してドアヒンジ23の詳細について説明する。図8及び図9に示すように、ドアヒンジ23の車体側取付部材24は、第1実施形態のドアヒンジ3の車体側取付部材4と同様に構成されている。車体側取付部材24は、第1実施形態の基端部4a及び先端部4bのそれぞれと同様に構成された基端部24a及び先端部24bを有している。サイドボディインナーパネル21aのピラー部21bとドアヒンジ23の車体側取付部材24の基端部24aとの接合は、第1実施形態におけるサイドボディインナーパネル1aのピラー部1bとドアヒンジ3の車体側取付部材4の基端部4aとの接合と同様になっている。
図8に示すように、ドアヒンジ23のレバー部材25の基端は、ドアヒンジ23の回動軸23aを中心に回動可能となるように車体側取付部材24の先端部24bに取付けられている。ドアヒンジ23のレバー部材25の先端には、上方及び下方のそれぞれに突出するストッパ部材30が取付けられている。
図8に示すように、レバー部材25は、ドアヒンジ23の回動軸23aのドア前後方向後方に位置する基端部25aと、この基端部25aのドア前後方向後方に位置する中間部25bと、この中間部25bのドア前後方向後方に位置する先端部25cとを有している。レバー部材25の基端部25aは、ドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に突出するように湾曲している。
図8に示すように、レバー部材25の中間部25bは、ドア厚さ方向の車室内から車外に向かう方向に突出するように湾曲している。特に図示はしないが、第1実施形態のレバー部材5と同様に、レバー部材25の上下方向の厚さは、その基端部25aから中間部25bに向かうに従って増加している。再び図8に示すように、第1実施形態の中間凹部5dと同様に、レバー部材25の中間部25bにおける上面及び下面のそれぞれには、レバー部材25の厚さ方向外側から中央に向かって凹むように中間凹部25dが形成されている。
図8に示すように、レバー部材25の先端部25cは、ドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に突出するように湾曲している。第1実施形態の先端凹部5eと同様に、レバー部材25の先端部25cにおける上面及び下面のそれぞれには、レバー部材5の厚さ方向外側から中央に向かって凹むように先端凹部25eが形成されている。
図8及び図9に示すように、ドア22は、レバー部材25に組込まれる突起部材31を有している。図9に示すように、突起部材31は略ピストン形状に形成されている。突起部材31は、ドア厚さ方向の車室内寄りに位置する頭部31aと、頭部31aからドア厚さ方向にて車室内から車外に向かう方向に突出するピン部31bとを有している。図8及び図9に示すように、レバー部材25には、突起部材31の頭部31aを収容可能とする空間として頭部収容部32が形成されている。また、レバー部材25には、レバー部材25の外部と頭部収容部32とを連通するようにドア厚さ方向の車室内から車外に向かって貫通するピン部挿入孔33が形成されている。ピン部挿入孔33は、突起部材31のピン部31bを挿入可能とするように形成されている。図8に示すように、頭部収容部32及びピン部挿入孔33は、レバー部材25の長手方向中央に対してドアヒンジ23の回動軸23a寄りに配置されている。このような構成において、突起部材31の頭部31aはレバー部材25の頭部収容部32に収容され、突起部材31のピン部31bはレバー部材25のピン部挿入孔33に挿入されている。
図8及び図9に示すように、ドア22は、突起部材31をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する突起部材用付勢手段として圧縮コイルバネ34を有している。図9に示すように、圧縮コイルバネ34は、レバー部材25の頭部収容部32内における突起部材31の頭部31aに対してドア厚さ方向の車外寄りにて、突起部材31のピン部31bの周囲に配置されている。圧縮コイルバネ34の長手方向両端部のそれぞれは、レバー部材25の中間部25bと突起部材31の頭部31aとに当接している。このような圧縮コイルバネ34により付勢された突起部材31の初期状態にて、突起部材31のピン部31bの全体は、レバー部材25内に収容された状態となっている。なお、本実施形態においては、突起部材用付勢手段が圧縮コイルバネ34となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガイド部材用付勢手段が板バネ等となっていてもよい。また、突起部材用付勢手段が引張バネとなっていてもよく、この場合、この引張バネは、レバー部材25の頭部収容部32内における突起部材31の頭部31aに対してドア厚さ方向の車室内寄りに配置されて、レバー部材25の中間部25bと突起部材31の頭部31aとを連結していてもよい。
図8及び図9に示すように、このようなレバー部材25が、ドア22におけるドアインナーパネル26の前端部26bのパネル貫通孔26c、ケース部材28のケース貫通孔28a、及びガイド部材29のガイド貫通孔29aに挿入されている。レバー部材25は、ドア前後方向に移動する際にケース部材28の支持部28bを摺動する。そのため、レバー部材25は、ケース部材28によってガイドされるようになっている。
ここで、ドア22の閉状態におけるドア開閉構造について説明する。図8及び図9に示すように、ドア22の閉状態において、ケース部材28はレバー部材25の基端部25aを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ケース部材28に対してドア前後方向の後方に位置している。さらに、図9に示すように、レバー部材25の基端部25aが、ケース部材28の支持部28bをドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に押圧している。図8及び図9に示すように、ウェザーストリップ29は、車体21のサイドボディインナーパネル21aのピラー部21bとドア22のドアインナーパネル26の前端部26bとの間にて弾性変形しながら挟まれるようになっている。
ドア22の閉状態及び後述する最大開放状態間の中間開放状態におけるドア開閉構造について説明する。特に図示はしないが、ドア22の中間開放状態において、ケース部材28はレバー部材25の中間部25bを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ケース部材28に対してドア前後方向の前方に位置している。さらに、ケース部材28の支持部28bは、レバー部材25の中間凹部25dに係合しており、ドア22は中間開放状態にて保持されている。
ドア22の最大開放状態におけるドア開閉構造について説明する。特に図示はしないが、ドア22の最大開放状態において、ケース部材28はレバー部材5の先端部25cを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ケース部材28に対してドア前後方向の前方に位置している。さらに、ケース部材28の支持部28bは、レバー部材25の先端凹部25eに係合しており、ドア22は最大開放状態にて保持されている。なお、レバー部材25のストッパ部材30とケース部材28とが当接することによって、ドア22が最大開放状態より開くことを防止するようにレバー部材25の移動が規制されるようになっている。
次に、車両側方からの荷重がドア22の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合の作用について説明する。図10に示すように、車両側方からの荷重がドア22の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合、当該荷重が、突起部材31をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「突起部材31の付勢力」という)に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重が突起部材31の付勢力よりも大きくなると、突起部材31のピン部31bがレバー部材25からドア厚さ方向の車外に向かって突出する。このとき、レバー部材25のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材31のピン部31bが、ドア前後方向にてケース部材28と当接可能になる。
以上、本実施形態によれば、通常時には、突起部材31が、ドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されて、突起部材31のピン部31b全体がレバー部材25内に収容されている。その結果、レバー部材25が突起部材31と共にケース部材28のケース貫通孔28aをスムーズに通過可能な状態に維持されるので、ドア22が閉状態及び最大開放状態間でスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時には、当該荷重が、突起部材31の付勢力に抗して作用する。ここで、車両側方から荷重が突起部材31の付勢力よりも大きくなると、突起部材31がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。このとき、レバー部材25のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材31のピン部31bがドア前後方向にケース部材28と当接可能となる。その結果、ドア22の閉状態が意図せずに解除された後にドア22が開き始めた場合に、ドア22が閉状態寄りの位置よりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にドア22が意図せずに開放されることを防止できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る車両用サイドドアの開閉構造(以下、「ドア開閉構造」という)について以下に説明する。図11に示すように、本実施形態に係るドア開閉構造は、第2実施形態のドア開閉構造に第1実施形態のガイド部材9及び引張バネ10を採用した構造となっている。本実施形態においては、圧縮コイルバネ34により付勢された突起部材33の初期状態にて、突起部材31のピン部31bの一部がレバー部材25から突出している。このピン部31bの突出量は、突起部材31のピン部31bをケース部材28のケース貫通孔28aにスムーズに通過可能とするように設定されている。
ここで、ドア22の閉状態におけるドア開閉構造について説明する。図11に示すように、ドア22の閉状態において、ケース部材28はレバー部材25の基端部25aを支持しており、ガイド部材9はレバー部材25の中間部25bを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ガイド部材9とケース部材28との間に位置している。さらに、レバー部材25の基端部25aが、ケース部材28の支持部28bをドア厚さ方向の車外から車室内に向かう方向に押圧している。ガイド部材9はレバー部材25の中間部25bを支持している。ウェザーストリップ29は、車体21のサイドボディインナーパネル21aのピラー部21bとドア22のドアインナーパネル26の前端部26bとの間にて弾性変形しながら挟まれるようになっている。
ドア22の閉状態及び後述する最大開放状態間の中間開放状態におけるドア開閉構造について説明する。特に図示はしないが、ドア22の中間開放状態において、ガイド部材9及びケース部材28はレバー部材25の中間部25bを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ケース部材28のドア前後方向の前方に位置している。さらに、ケース部材28の支持部28bは、レバー部材25の中間凹部25dに係合しており、ドア22は中間開放状態にて保持されている。
ドア22の最大開放状態におけるドア開閉構造について説明する。特に図示はしないが、ドア22の最大開放状態において、ガイド部材9及びケース部材28はレバー部材5の先端部25cを支持している。このとき、レバー部材25に組込まれた突起部材31のピン部31bは、ケース部材28のドア前後方向の前方に位置している。さらに、ケース部材28の支持部28bは、レバー部材25の先端凹部25eに係合しており、ドア22は最大開放状態にて保持されている。なお、レバー部材25のストッパ部材30とケース部材28とが当接することによって、ドア22が最大開放状態より開くことを防止するようにレバー部材25の移動が規制されるようになっている。
次に、車両側方からの荷重がドア22の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合の作用について説明する。車両側方からの荷重がドア22の閉状態におけるドア開閉構造に加えられた場合、当該荷重が、レバー部材25をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「レバー部材25の付勢力」という)に抗して作用し、かつ当該荷重が、突起部材31をドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢する力(以下、「突起部材31の付勢力」という)に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材5の付勢力よりも大きくなると、レバー部材5がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。また、車両側方からの荷重が突起部材31の付勢力よりも大きくなると、突起部材31のピン部31bがレバー部材25からドア厚さ方向の車外に向かって突出する。このとき、レバー部材25のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材31のピン部31bが、ドア前後方向にてケース部材28と当接可能になる。
以上、本実施形態によれば、通常時には、レバー部材25がガイド部材9と共にドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向にさらに付勢されて、突起部材31のピン部31bがレバー部材25から突出する量が少なくなっている。その結果、突起部材31のピン部31bがケース部材28のケース貫通孔28aをスムーズに通過可能な状態で維持されるので、ドア22が閉状態及び最大開放状態間でさらにスムーズに開閉可能となっている。その一方で、車両側方から荷重が加えられた時に、当該荷重がレバー部材25の付勢力に抗して作用し、かつ当該荷重が突起部材31の付勢力に抗して作用する。ここで、車両側方からの荷重がレバー部材25の付勢力よりも大きくなると、レバー部材25がドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に移動する。また、車両側方からの荷重が突起部材31の付勢力よりも大きくなると、突起部材31のピン部31bがレバー部材25からドア厚さ方向の車外に向かって突出する。このとき、レバー部材25のドア前後方向の移動を妨げるように、突起部材31のピン部31bが、ドア前後方向にてケース部材28と当接可能になる。その結果、ドア22の閉状態が意図せずに解除された後にドア22が開き始めた場合に、ドア22が、閉状態寄りの位置よりも開くことが防止される。よって、車両側方から荷重が加えられた場合にドア22が意図せずに開放されることを確実に防止できる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1,21 車体
2,22 サイドドア(ドア)
3,23 ドアヒンジ
5,25 レバー部材
8,28 ケース部材
8a,28a ケース貫通孔
9 ガイド部材
9a ガイド貫通孔
10 引張バネ
13 突起部
31 突起部材
31b ピン部
34 圧縮コイルバネ
T 締結手段

Claims (4)

  1. 車両の車幅方向の側部に配置されるサイドドアと、
    前記サイドドアのドア前後方向の前方に配置されると共に前記サイドドアを車体に回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジと
    を備え、
    前記サイドドアが、その内部に配置されるケース部材を有し、
    前記ドアヒンジが、その回動軸から前記サイドドアの内部に向かって延びるレバー部材を有し、
    前記レバー部材が、前記ケース部材によってガイドされるように構成されている、車両用サイドドアの開閉構造であって、
    前記サイドドアが、その内部にて前記ケース部材に対してドア前後方向の後方に間隔を空けて配置されるガイド部材を有し、
    前記ケース部材及び前記ガイド部材のそれぞれに、前記レバー部材に対応して貫通するケース貫通孔及びガイド貫通孔が形成され、
    前記レバー部材に、ドア厚さ方向における車室内から車外に向かう方向に突出する突起部が形成され、
    前記突起部が前記サイドドアの閉状態にて前記ケース部材と前記ガイド部材との間に位置するように、前記レバー部材が前記ケース貫通孔及び前記ガイド貫通孔に挿入され、
    前記ガイド部材が、ガイド部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている、車両用サイドドアの開閉構造。
  2. 前記レバー部材の突起部の突出量が、ドア前後方向の後方から前方に向かうに従って増加しており、
    前記サイドドアの閉状態にて、前記突起部の一部が前記ガイド部材のガイド貫通孔に挿入されるように構成されている、請求項1に記載の車両用サイドドアの開閉構造。
  3. 車両の車幅方向の側部に配置されるサイドドアと、
    前記サイドドアのドア前後方向の前方に配置されると共に前記サイドドアを車体に回動可能に取付けるように構成されたドアヒンジと
    を備え、
    前記サイドドアが、その内部に配置されるケース部材を有し、
    前記ドアヒンジが、その回動軸から前記サイドドアの内部に向かって延びるレバー部材を有し、
    前記レバー部材が、前記ケース部材によってガイドされるように構成されている、車両用サイドドアの開閉構造であって、
    前記サイドドアが、ドア厚さ方向に移動可能な状態で前記レバー部材に組込まれる突起部材を有し、
    前記突起部材が、前記レバー部材からドア厚さ方向の車室内から車外に向かう方向に突出可能に構成されたピン部を有し、
    前記ケース部材に、前記レバー部材に対応して貫通するケース貫通孔が形成され、
    前記ピン部が前記サイドドアの閉状態にて前記ケース部材のドア前後方向の後方に位置するように、前記レバー部材が前記ケース貫通孔に挿入され、
    前記突起部材が、突起部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている、車両用サイドドアの開閉構造。
  4. 前記サイドドアが、前記ケース部材に対してドア前後方向の後方に間隔を空けて配置されるガイド部材を有し、
    前記ガイド部材に、前記レバー部材に対応してドア前後方向に貫通するガイド貫通孔が形成され、
    前記突起部材用付勢手段により付勢された前記突起部材の初期状態にて、前記ピン部の一部が前記レバー部材から突出しており、
    前記ピン部が前記ガイド部材のドア前後方向の前方に位置するように、前記レバー部材が前記ガイド貫通孔にさらに挿入され、
    前記ガイド部材が、ガイド部材用付勢手段によってドア厚さ方向における車外から車室内に向かう方向に付勢されている、請求項3に記載の車両用サイドドアの開閉構造。
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