JP6217320B2 - センサー素子、力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置 - Google Patents
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Description
このような力検出装置として、圧電素子として水晶を用いた水晶式圧電センサーが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の水晶式圧電センサーは、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有することから、産業用ロボットに広く用いられている。
このように、従来の水晶式圧電素子では、温度変化の影響により検出精度が低下するという不具合が生じる可能性がある。
[適用例1]
本発明のセンサー素子は、互いに直交する3軸をA軸、B軸およびC軸としたとき、
Xカット水晶板で構成され、前記A軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第1の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記第1の圧電板と前記A軸方向に積層され、前記B軸方向の外力に応じて電荷を出力する第2の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記第2の圧電板を前記第1の圧電板との間に挟むように、且つ、前記A軸回りに転回した配置で前記A軸方向に積層され、前記C軸方向の外力に応じて電荷を出力する第3の圧電板とを、それぞれ少なくとも1枚ずつ有することを特徴とする。
本発明のセンサー素子では、前記第1の圧電板および前記第2の圧電板は、前記B軸方向の熱膨張係数が実用上一致しているのが好ましい。
これにより、第1の圧電板および第2の圧電板が温度変化によって膨張または収縮する際、同じだけ膨張または収縮することとなる。よって、第1の圧電板および第2の圧電板では、熱膨張によって、圧縮応力または引張応力が生じるのを抑制または防止することができる。したがって、温度変化によって電荷が出力されるのを抑制または防止することができる。
本発明のセンサー素子では、前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板は、それぞれ、結晶軸であるz軸と、前記z軸に直交し、加重を加えると電荷が発生する方向に配向したx軸と、前記z軸および前記x軸に対して直交するy軸とを有しており、
前記第1の圧電板の前記y軸方向は、前記B軸方向と一致しているのが好ましい。
これにより、第1の圧電板および第2の圧電板の、B軸方向の熱膨張係数を実用上一致させることができる。
本発明のセンサー素子では、前記第2の圧電板の前記x軸方向は、前記B軸方向と一致しているのが好ましい。
これにより、第1の圧電板および第2の圧電板は、温度変化によって、同じだけ膨張または収縮することができる。
本発明のセンサー素子では、前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板では、それぞれ、z軸方向の熱膨張係数がx軸方向およびy軸方向の熱膨張係数よりも小さいのが好ましい。
これにより、第1の圧電板および第2の圧電板の、B軸方向の熱膨張係数を確実に実用上一致させることができる。
本発明のセンサー素子では、前記第2の圧電板と前記第3の圧電板とは、前記B軸方向の熱膨張係数が異なっているのが好ましい。
これにより、第3の圧電板、第2の圧電板および第1の圧電板の順にA軸方向に積層することができる。
本発明のセンサー素子では、前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板は、それぞれ複数枚ずつ積層されているのが好ましい。
これにより、第1の圧電板、第2の圧電板および第3の圧電板は、それぞれ、複数枚ずつ積層されている分、出力される電荷を多くすることができる。よって、検出精度の向上を図ることができる。
本発明のセンサー素子では、前記複数の第1の圧電板、前記複数の第2の圧電板および前記複数の第3の圧電板は、この順に前記A軸方向に積層されているのが好ましい。
これにより、第1の圧電板、第2の圧電板および第3の圧電板は、それぞれ、複数枚ずつ積層されている分、出力される電荷を多くすることができる。よって、検出精度の向上を図ることができる。
本発明のセンサー素子は、互いに直交するx軸方向、y軸方向およびz軸方向のうちの少なくとも1方向の熱膨張係数が異なっており、かつ、互いに異なる方向のひずみによりに電荷を出力する3枚の圧電板が積層されたセンサー素子であって、
互いに直交する3方向をA軸、B軸、C軸としたとき、前記3枚の圧電板は、前記A軸方向に積層されており、
前記B軸方向に熱膨張による応力が生じても電荷が発生しないように、前記3枚の圧電板は、前記B軸方向の熱膨張係数が実用上一致していることを特徴とする。
これにより、3枚の圧電板のB軸方向の熱膨張係数を実用上一致させることができる。よって、3枚の圧電板では、熱膨張によって、圧縮応力または引張応力が生じるのを抑制または防止することができる。したがって、温度変化によって電荷が出力されるのを抑制または防止することができる。
本発明の力検出装置は、互いに直交する3軸をA軸、B軸およびC軸としたとき、
Xカット水晶板で構成され、前記A軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第1の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記第1の圧電板と対向して対向して配置され、前記B軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第2の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記第2の圧電板に対して該第2の圧電板の厚さ方向の軸回りにずれた状態で前記第2の圧電板の前記第1の圧電板と反対側に配置され、前記C軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第3の圧電板とを、それぞれ少なくとも1枚ずつ有するセンサー素子と、
前記センサー素子から出力された電荷に基づいて、前記外力を検出する外力検出回路とを備えていることを特徴とする。
これにより、本発明のセンサー素子と同様の効果を得られるとともに、センサー素子から出力された電荷に基づいて外力を検出することができる。
本発明の力検出装置では、前記センサー素子は、4つ以上設けられているのが好ましい。
これにより、センサー素子が4つ以上設けられている分、力検出装置の検出精度の向上を図ることができる。
本発明のロボットは、アームを複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、
前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、
前記アーム連結体と前記エンドエフェクタとの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する本発明の力検出装置とを備えていることを特徴とする。
本発明の電子部品搬送装置は、電子部品を把持する把持部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する本発明の力検出装置とを備えていることを特徴とする。
これにより、前記本発明のセンサー素子と同様の効果が得られる。そして、力検出装置が検出した外力をフィードバックし、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置が検出した外力によって、把持部の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、より安全に電子部品搬送作業を実行することができる。
本発明の電子部品検査装置は、電子部品を把持する把持部と、
前記電子部品を検査する検査部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する本発明の力検出装置とを備えていることを特徴とする。
本発明の部品加工装置は、工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する本発明の力検出装置とを備えていることを特徴とする。
これにより、前記本発明のセンサー素子と同様の効果が得られる。そして、力検出装置が検出した外力をフィードバックすることにより、部品加工装置は、より精密に部品加工作業を実行することができる。また、力検出装置が検出する外力によって、工具の障害物への接触等を検知することができる。そのため、工具に障害物等が接触した場合に緊急停止することができ、部品加工装置は、より安全な部品加工作業を実行可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の力検出装置(センサー素子)の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す力検出装置(センサー素子)の平面図、図3は、図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図、図4は、図1に示す電荷出力素子を概略的に示す断面図、図5は、図1に示す電荷出力素子の熱膨張率および結晶軸を示す分解斜視図、図6は、図1に示す電荷出力素子のYカット水晶板を概略的に示す模式図であって、(a)は、自然状態を示す断面図、(b)は、圧縮応力が生じた状態を示す図である。なお、図1〜図4の上側を「上(上方)」、下側を「下(下方)」とも言う。
センサーデバイス6は、電荷出力素子10と、電荷出力素子10を収納するパッケージ60とを有している。
パッケージ60は、凹部611を有する基部(第1の部材)61と、その基部61に接合された蓋体(第2の部材)62とを有している。電荷出力素子10は、基部61の凹部611に設置されており、その基部61の凹部611は、蓋体62により封止されている。これにより、電荷出力素子10を保護することができ、信頼性の高い力検出装置1を提供することができる。なお、電荷出力素子10の上面は、蓋体62に接触している。また、パッケージ60の蓋体62は、上側、すなわち、第2の基板3側に配置され、基部61は、下側、すなわち、第1の基板2側に配置され、その基部61がアナログ回路基板4に固定されている。この構成により、基部61と蓋体62とが、凸部21と第2の基板3とで挟持されて与圧され、その基部61と蓋体62とにより、電荷出力素子10が挟持されて与圧される。
また、パッケージ60の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視で、四角形をなしている。なお、パッケージ60の平面視での前記の他の形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。また、パッケージ60の形状が多角形の場合、例えば、その角部が、丸みを帯びていてもよく、また、斜めに切り欠かれていてもよい。
このようなパッケージ60内には、電荷出力素子10が収納されている。この電荷出力素子10については後に詳述する。
電荷出力素子10には、変換出力回路90a、90b、90cが接続されている。変換出力回路90aは、電荷出力素子10から出力された電荷Qaを電圧Vaに変換する機能を有する。変換出力回路90bは、電荷出力素子10から出力された電荷Qbを電圧Vbに変換する機能を有する。変換出力回路90cは、電荷出力素子10から出力された電荷Qcを電圧Vcに変換する機能を有する。変換出力回路90a、90b、90cは、同様であるので、以下では、代表的に、変換出力回路90cについて説明する。
外力検出回路40は、変換出力回路90aから出力される電圧Vaと、変換出力回路90bから出力される電圧Vbと、変換出力回路90cから出力される電圧Vcとに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。外力検出回路40は、変換出力回路90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部402とを有する。
ADコンバーター401は、電圧Va、Vc、Vbをアナログ信号からデジタル信号へ変換する機能を有する。ADコンバーター401によってデジタル変換された電圧Va、Vc、Vbは、演算部402に入力される。
また、凸部21部の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視で、電荷出力素子10と同じ形状、すなわち、四角形をなしている。なお、凸部21の平面視での前記の他の形状としては、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等が挙げられる。
なお、アナログ回路基板4には、2つの与圧ボルト71が挿通する2つの孔42が形成され、同様に、デジタル回路基板5には、2つの与圧ボルト71が挿通する2つの孔52が形成されている。
また、凸部21と第2の基板3とで、アナログ回路基板4およびデジタル回路基板5を介することなく、センサーデバイス6を挟持すること、すなわち、パッケージ60を介して電荷出力素子10を挟持することができる。これにより、電荷出力素子10に対して十分に与圧を加えることができ、また、力検出の精度を向上させることができる。
電荷出力素子10は、互いに直交する3軸(A軸、B軸、C軸)に沿って加えられた(受けた)外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qa、Qb、Qcを出力する機能を有する。
電荷出力素子10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視、すなわち、第1の基板2に対して垂直な方向から見て、四角形をなしている。なお、電荷出力素子10の平面視での前記の他の外形形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
第1のセンサー12は、A軸に沿って加えられた(受けた)外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qaを出力する機能を有する。第1のセンサー12は、A軸に平行な圧縮力に応じて正電荷を出力し、A軸に平行な引張力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第1の圧電体層121は、互いに直交する3つの結晶軸であるx軸、y軸およびz軸を有している。x軸方向は、加重を加えると電荷が発生する方向に配向した軸である(以下、各圧電体層でも同様である)。第1の圧電体層121では、x軸方向とA軸方向とが一致しており、y軸方向とB軸方向とが一致しており、z軸方向とC軸方向とが一致している。
また、第2の圧電体層123は、第1の圧電体層121と同様の結晶軸を有しており、第1の圧電体層121をC軸回りに180°回転させた状態で配置されている。
また、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123のように、層の面方向に垂直な外力(圧縮/引張力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、本実施形態では、Xカット水晶板(X板)により構成されている。
第2のセンサー13は、第3の圧電体層(第2の圧電板)131と、第3の圧電体層131と対向して設けられた第4の圧電体層(第2の圧電板)133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられ、電荷Qbを出力する出力電極層132を有する。
第3の圧電体層131の表面に対し、B軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第3の圧電体層131内に電荷が誘起される。その結果、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第3の圧電体層131の表面に対し、B軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第4の圧電体層133の表面に対し、B軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第4の圧電体層133内に電荷が誘起される。その結果、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第4の圧電体層133の表面に対し、B軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第3のセンサー14は、第5の圧電体層(第3の圧電板)141と、第5の圧電体層141と対向して設けられた第6の圧電体層(第3の圧電板)143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられ、電荷Qを出力する出力電極層142を有する。
第5の圧電体層141の表面に対し、C軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第5の圧電体層141内に電荷が誘起される。その結果、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第5の圧電体層141の表面に対し、C軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第6の圧電体層143の表面に対し、C軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第6の圧電体層143内に電荷が誘起される。その結果、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第6の圧電体層143の表面に対し、C軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
このように、図16に示す電荷出力素子では、第2の圧電体層123と第5の圧電体層141とは、B軸方向の熱膨張係数が異なっている。このため、図16に示す電荷出力素子が、例えば、その周辺部の温度変化により、熱膨張または熱収縮した際、第2の圧電体層123と第5の圧電体層141とは、B軸方向の膨張率または収縮率が異なる。
このように、図16に示す電荷出力素子では、第2の圧電体層123がその周辺部の温度変化の影響により、正電荷または負電荷を検出してしまうおそれがある。
なお、本明細書中では、「実用上一致」とは、第2の圧電体層123のy軸方向の熱膨張係数と、第3の圧電体層131のx軸方向の熱膨張係数とのずれが、一方の熱膨張係数の0%以上1%以下であることを言う。
また、第4の圧電体層133では、B軸方向の引張応力が生じた場合、図6中上側のSi−O結合が、B軸方向に平行な姿勢を維持する(図示せず)。このため、第4の圧電体層133では、圧電効果が生じず、出力電極層132からは電荷が生じない。
また、本発明によれば、電荷出力素子は、外力を検出する際にも、同様の原理で温度変化による電荷が出力されるのを抑制または防止することができる。このため、電荷出力素子の検出精度をより高めることができる。
図7は、本発明の力検出装置(センサー素子)の第2実施形態を示す平面図、図8は、図7中のA−A線での断面図、図9は、図7に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7および図8に示すように、力検出装置1は、センサーデバイス6を4つ、与圧ボルト71を4つ有している。各センサーデバイス6の位置は、特に限定されないが、本実施形態では、各センサーデバイス6、すなわち、各電荷出力素子10は、第1の基板2、第2の基板3、アナログ回路基板4の周方向に沿って、等角度間隔(90°間隔)に配置されている。これにより、偏りなく外力を検出することができる。そして、6軸力を検出することができる。また、本実施形態では、各電荷出力素子10は、全て同じ方向を向いているが、これに限定されるものではない。
なお、センサーデバイス6の数は、前記4つに限定されるものではなく、例えば、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。但し、センサーデバイス6の数は、複数であることが好ましく、3つ以上であることがより好ましい。なお、力検出装置1は、少なくとも3つのセンサーデバイス6を有していれば、6軸力を検出可能である。センサーデバイス6が3つの場合、センサーデバイス6の数が少ないので、力検出装置1を軽量化することができる。また、センサーデバイス6が図示のように4つの場合、後述する非常に単純な演算によって6軸力を求めることができるので、演算部402を簡略化することができる。
図9に示すように、各電荷出力素子10には、それぞれ、変換出力回路90a、90b、90cが接続されている。各変換出力回路90a、90b、90cは、前述した第1実施形態の変換出力回路90と同様であるので、その説明は省略する。
外力検出回路40は、各変換出力回路90aから出力される電圧Va1、Va2、Va3、Va4と、各変換出力回路90bから出力される電圧Vb1、Vb2、Vb3、Vb4と、各変換出力回路90cから出力される電圧Vc1、Vc2、Vc3、Vc4とに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。外力検出回路40は、変換出力回路90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部402とを有する。
また、第1の基板2および第2の基板3は、互いにA軸周りに回転する相対変位、B軸周りに回転する相対変位、およびC軸周りに回転する相対変位が可能であり、各回転に伴う外力を電荷出力素子10に伝達することが可能である。
Fc=Vc1+Vc2+Vc3+Vc4
Fb=Vb1+Vb2+Vb3+Vb4
Ma=k×(Vb4−Vb2)
Mc=j×(Vb3−Vb1)
Mb=k×(Va2−Va4)+a×(Vc1−Vc3)
ここで、j、kは定数である。
なお、演算部402は、例えば、各変換出力回路90a、90b、90c間の感度の差をなくす補正等を行うようになっていてもよい。
また、図7および図8に示すように、第1の基板2と、第2の基板3とは、4つの与圧ボルト71により、固定されている。なお、与圧ボルト71の数は、4つに限定されず、例えば、2つ、3つ、または、5つ以上であってもよい。
この力検出装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図10に基づき、本発明のロボットの実施形態である単腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図10は、本発明の力検出装置(センサー素子)を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。図10の単腕ロボット500は、基台510と、アーム520と、アーム520の先端側に設けられたエンドエフェクタ530と、アーム520とエンドエフェクタ530との間に設けられた力検出装置1とを有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
アーム520は、第1のアーム要素521、第2のアーム要素522、第3のアーム要素523、第4のアーム要素524および第5のアーム要素525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム520は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、エンドエフェクタ530は、ここでは、ハンドであるが、本発明では、これに限定されるものではない。エンドエフェクタの他の例としては、例えば、部品検査用器具、部品搬送用器具、部品加工用器具、部品組立用器具、測定器等が挙げられる。これは、他の実施形態におけるエンドエフェクタについても同様である。
なお、図示の構成では、アーム520は、合計5本のアーム要素によって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム520が、1本のアーム要素に構成されている場合、2〜4本のアーム要素によって構成されている場合、6本以上のアーム要素によって構成されている場合も本発明の範囲内である。
次に、図11に基づき、本発明のロボットの実施形態である複腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した第1、第2、第3および第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図11は、本発明の力検出装置(センサー素子)を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。図11の複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム620と、第2のアーム630と、第1のアーム620の先端側に設けられた第1のエンドエフェクタ640aと、第2のアーム630の先端側に設けられた第2のエンドエフェクタ640bと、第1のアーム620と第1のエンドエフェクタ640a間および第2のアーム630と第2のエンドエフェクタ640bとの間に設けられた力検出装置1を有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
第1のアーム620は、第1のアーム要素621および第2のアーム要素622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム630は、第1のアーム要素631および第2のアーム要素632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム620および第2のアーム630は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、図示の構成では、アームは合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアームを有している場合も、本発明の範囲内である。
次に、図12、図13に基づき、本発明の実施形態である電子部品検査装置および電子部品搬送装置を説明する。以下、本実施形態について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図12は、本発明の力検出装置(センサー素子)を用いた電子部品検査装置および電子部品搬送装置の1例を示す図である。図13は、本発明の力検出装置(センサー素子)を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。
次に、図14に基づき、本発明の部品加工装置の実施形態を説明する。以下、本実施形態について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14は、本発明の力検出装置を用いた部品加工装置の1例を示す図である。図14の部品加工装置800は、基台810と、基台810の上面に起立形成された支柱820と、支柱820の側面に設けられた送り機構830と、送り機構830に昇降可能に取り付けられた工具変位部840と、工具変位部840に接続された力検出装置1と、力検出装置1を介して工具変位部840に装着された工具850を有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
次に、図15に基づき、本発明の移動体の実施形態を説明する。以下、本実施形態について、前述した第1、第2および第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図15は、本発明の力検出装置(センサー素子)を用いた移動体の1例を示す図である。図15の移動体900は、与えられた動力により移動することができる。移動体900は、特に限定されないが、例えば、自動車、バイク、飛行機、船、電車等の乗り物、2足歩行ロボット、車輪移動ロボット等のロボット等である。
動力部920から供給された動力によって本体910が移動すると、移動に伴い振動や加速度等が生じる。力検出装置1は、移動に伴い生じた振動や加速度等による外力を検出する。力検出装置1によって検出された外力は、制御部930に伝達される。制御部930は、力検出装置1から伝達された外力に応じて動力部920等を制御することにより、姿勢制御、振動制御および加速制御等の制御を実行することができる。
また、本発明は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、素子は、第1の基板の平面視で、第1の凸部からはみ出していてもよい。
また、本発明では、素子は、第1の基板の平面視で、第2の凸部からはみ出していてもよい。
また、本発明のロボットは、アームを有していれば、アーム型ロボット(ロボットアーム)に限定されず、他の形式のロボット、例えば、スカラーロボット、脚式歩行(走行)ロボット等であってもよい。
また、本発明の力検出装置(センサー素子)は、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置に限らず、他の装置、例えば、他の搬送装置、他の検査装置、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計、傾斜計等の測定装置、入力装置等にも適用することができる。
Claims (13)
- 互いに直交する3軸をA軸、B軸およびC軸としたとき、
Xカット水晶板で構成され、前記A軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第1の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記A軸方向において前記第1の圧電板に積層され、前記B軸方向の外力に応じて電荷を出力する第2の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記A軸方向において前記第2の圧電板に積層され、前記C軸方向の外力に応じて電荷を出力する第3の圧電板とを、それぞれ少なくとも1枚ずつ有し、
前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板と前記第3の圧電板との間に位置し、
最も前記第2の圧電板側に位置する前記第1の圧電板と、最も前記第1の圧電板側に位置する前記第2の圧電板とは、前記B軸方向の熱膨張係数が実用上一致していることを特徴とするセンサー素子。 - 前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板は、それぞれ、結晶軸であるz軸と、前記z軸に直交し、加重を加えると電荷が発生する方向に配向したx軸と、前記z軸および前記x軸に対して直交するy軸とを有しており、
前記第1の圧電板の前記y軸方向は、前記B軸方向と一致している請求項1に記載のセンサー素子。 - 前記第2の圧電板の前記x軸方向は、前記B軸方向と一致している請求項2に記載のセンサー素子。
- 前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板では、それぞれ、z軸方向の熱膨張係数がx軸方向およびy軸方向の熱膨張係数よりも小さい請求項2または3に記載のセンサー素子。
- 最も前記第3の圧電板側に位置する前記第2の圧電板と、最も前記第2の圧電板側に位置する前記第3の圧電板とは、前記B軸方向の熱膨張係数が異なっている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のセンサー素子。
- 前記第1の圧電板、前記第2の圧電板および前記第3の圧電板は、それぞれ複数枚ずつ積層されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のセンサー素子。
- 前記複数の第1の圧電板、前記複数の第2の圧電板および前記複数の第3の圧電板は、この順に前記A軸方向に積層されている請求項6に記載のセンサー素子。
- 互いに直交する3軸をA軸、B軸およびC軸としたとき、
Xカット水晶板で構成され、前記A軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第1の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記A軸方向において前記第1の圧電板に積層され、前記B軸方向に沿った外力に応じて電荷を出力する第2の圧電板と、
Yカット水晶板で構成され、前記A軸方向において前記第2の圧電板に積層され、前記C軸方向の外力に応じて電荷を出力する第3の圧電板とを、それぞれ少なくとも1枚ずつ有し、
前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板と前記第3の圧電板との間に位置するセンサー素子と、
前記センサー素子から出力された電圧に基づいて、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
最も前記第2の圧電板側に位置する前記第1の圧電板と、最も前記第1の圧電板側に位置する前記第2の圧電板とは、前記B軸方向の熱膨張係数が実用上一致していることを特徴とする力検出装置。 - 前記センサー素子は、4つ以上設けられている請求項8に記載の力検出装置。
- アームを複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、
前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、
前記アーム連結体と前記エンドエフェクタとの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する請求項8または9に記載の力検出装置とを備えていることを特徴とするロボット。 - 電子部品を把持する把持部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する請求項8または9に記載の力検出装置とを備えていることを特徴とする電子部品搬送装置。 - 電子部品を把持する把持部と、
前記電子部品を検査する検査部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する請求項8または9に記載の力検出装置とを備えていることを特徴とする電子部品検査装置。 - 工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する請求項8または9に記載の力検出装置とを備えていることを特徴とする部品加工装置。
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