JP6217219B2 - 鉄骨柱の耐火構造および耐火間仕切り壁構造 - Google Patents

鉄骨柱の耐火構造および耐火間仕切り壁構造 Download PDF

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本発明は、鉄骨柱の耐火構造および耐火間仕切り壁構造に関するものである。
鉄骨造の耐火建築物では、柱や梁などの構造部材を火災時の熱劣化から保護する目的で構造部材に対して行われる耐火被覆材を用いた耐火被覆工事と、通常の間仕切り壁の設置工事と、が行われている。これらはそれぞれ違う目的で行われる工事であり、それぞれ別の独立した構造として扱われており、それぞれの専門工事業者によって個別に行われている。つまり、従来は、これらを別の独立した構造として扱い、個別に行うことが通常であった。
特開2002−70208号公報 特許第2782461号公報
従来では、構造部材の耐火被覆工事と耐火間仕切り壁の設置工事の2つの工事が必要となり、工数や材料が多くかかることによるコスト増が問題となる。また、間仕切り壁内に構造部材を収める構成にする場合においては、構造部材に取り付ける耐火被覆材と間仕切り壁としての耐火壁材を構造部材の外側に積層する構成となり、室内空間を狭めることが問題となる。
本発明が解決しようとする課題は、工数減、材料減によりコストを低減できるとともに室内空間を広くできる鉄骨柱の耐火構造および耐火間仕切り壁構造を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る鉄骨柱の耐火構造は、建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われ、該リブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されていることを要旨とするものである。
この場合、前記鉄骨柱の室内に露出する面とその反対側の室内に露出する面の両面がそれぞれその高さ方向全体にわたって前記リブ付き耐火パネルの一枚板により覆われていることが望ましい。
また、前記リブ付き耐火パネルのリブによる凸部が前記鉄骨柱の室内側に張り出している部分を避けた位置に配置されていることが望ましい。例えば、前記リブ付き耐火パネルのリブによる凸部と凸部の間に前記鉄骨柱が配置されていることが望ましい。あるいは、前記鉄骨柱がH形鋼であり、該H形鋼の凹部内に前記リブ付き耐火パネルのリブによる凸部が配置されていることが望ましい。
そして、本発明に係る耐火間仕切り壁構造は、建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われて該リブ付き耐火パネルが間仕切り壁の一部となり、該リブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されていることを要旨とするものである。
本発明に係る鉄骨柱の耐火構造によれば、建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われ、該リブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されていることから、火災時の熱により鉄骨柱が伸縮したときにも鉄骨柱の面を覆うリブ付き耐火パネルに横目地が開かないため、このリブ付き耐火パネル1枚で耐火性を維持することができる。これにより、このリブ付き耐火パネルが鉄骨柱の耐火被覆材としてだけでなく鉄骨柱を収容する間仕切り壁も兼ねることができる。
そうすると、このリブ付き耐火パネルにより鉄骨柱の室内に露出する面を覆うだけで鉄骨柱の室内に露出する面に関する耐火被覆工事と耐火間仕切り壁の設置工事を同時に行うことができるため、工数減、材料減によりコストを低減することができる。また、鉄骨柱の室内に露出する面に関しては、耐火被覆材と耐火壁材を積層して室内空間を必要以上に狭めることがなくなり、このリブ付き耐火パネル1枚で覆う構成により室内空間を広くすることができる。
そして、鉄骨柱の室内に露出する面とその反対側の室内に露出する面の両面がそれぞれその高さ方向全体にわたってリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われる構成にすると、工数減、材料減によるコスト低減の効果と室内空間を広くする効果がさらに高まる。
また、リブ付き耐火パネルのリブによる凸部が鉄骨柱の室内側に張り出している部分を避けた位置に配置されると、室内空間を広くする効果がさらに高まる。
本発明に係る耐火間仕切り壁構造によれば、建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われ、このリブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されていることから、火災時の熱により鉄骨柱が伸縮したときにも鉄骨柱の面を覆うリブ付き耐火パネルに横目地が開かないため、このリブ付き耐火パネル1枚で耐火性を維持することができる。
そして、このリブ付き耐火パネルが間仕切り壁の一部となるため、このリブ付き耐火パネルにより鉄骨柱の室内に露出する面を覆うだけで鉄骨柱の室内に露出する面に関する耐火被覆工事と耐火間仕切り壁の設置工事を同時に行うことができ、工数減、材料減によりコストを低減することができる。また、鉄骨柱の室内に露出する面に関しては、耐火被覆材と耐火壁材を積層して室内空間を必要以上に狭めることがなくなり、このリブ付き耐火パネル1枚で覆う構成により室内空間を広くすることができる。
建物の一階層内において、上部スラブと下部スラブの間にリブ付き耐火パネルを取り付けた状態を示した図である。 リブ付き耐火パネルの一例を示した図である。 図1の横断面図である。 一般的な石膏ボートを用いて行う、従来の鉄骨柱に対する耐火被覆工事を示す図である。 一般的な石膏ボートを用いて行う、従来の耐火間仕切り壁の設置工事を示す図である。 図5の横断面図である。 鉄骨柱が角形鋼管よりなる場合におけるリブ付き耐火パネルの適用例を示す横断面図である。 鉄骨柱のH形鋼の向きが異なる場合におけるリブ付き耐火パネルの適用例を示す横断面図である。 鉄骨柱の室内に露出する面の一面だけにリブ付き耐火パネルを用い、その反対側の室内に露出する面には従来の一般的な石膏ボードを用いた例を示す横断面図である。 間仕切り壁のうち鉄骨柱を収容する部分の壁材のみにリブ付き耐火パネルを用い、リブ付き耐火パネルと隣り合う部分の壁材には従来の一般的な石膏ボードを用いた例を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、建物の一階層内において、上部スラブと下部スラブの間にリブ付き耐火パネルを取り付けた状態を示した図である。図1においては、リブ付き耐火パネルの上部取付構造と下部取付構造の両方を示すため、リブ付き耐火パネルの中間部分を省略して示している。図2は、リブ付き耐火パネルを示した図である。図3は、図1の横断面図である。
建物は鉄骨造の耐火建築物であり、柱や梁などの構造部材には火災時の熱劣化を防止するための耐火処理を行い、間仕切り壁にも火災時の延焼を防止するため耐火壁材を用いる。
リブ付き耐火パネル10は、建物の一階層内の高さ方向全体にわたって配置する一枚板として構成される。建物の一階層内を突き抜けて高さ方向に延びる鉄骨柱3は、建物の一階層内において、図3に示すように、対峙する2枚のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)の間に収められる。
リブ付き耐火パネル10は、図2に示すように、平板状のパネル本体12の一方面にパネル高さ方向に延びるリブ14を有するもので構成される。リブ14を有することで曲げに強くなり、建物の一階層内の高さ方向全体にわたって配置する一枚板のパネルとして構成することができる。リブ14は、平板状のパネル本体12の幅方向両端と中央の3箇所に有する。リブ14は、主に吸音効果を目的としてパネル高さ方向に開口する中空状に形成される。また、リブ14の上端面にはパネル高さ方向の下方に延びる切り欠き溝16が形成される。
リブ付き耐火パネル10は、石膏を原材料とするものであり、これによって耐火性を備える。特に無水石膏(硬石膏)を原材料とするものは、二水石膏(軟石膏)を原材料とする一般的な石膏ボードと比べて硬く、強度の面でより優れる。また、これを押出成形によって製造したものは、強度の面でさらに優れる。また、これに繊維を加えることでさらに補強することができる。
リブ付き耐火パネル10には、一般的な石膏ボードと比べて硬く、強度の面でより優れるものを用いるとよい。一般的な石膏ボードの比重は0.65〜1.3であるが、リブ付き耐火パネル10の比重はこれより大きい1.6〜2.0である。また、曲げ強さは、980N・m以上である。
建物の一階層内において、鉄骨柱3の室内に露出する面の一面は、その高さ方向全体にわたってリブ付き耐火パネル10(101a)の一枚板により覆われる。このとき、リブ付き耐火パネル10(101a)は、リブ14を有する裏面側を鉄骨柱3の室内に露出するこの一面に向け、リブ14のない表面側を室内に向けて配置する。鉄骨柱3の一面を覆うことから、リブ付き耐火パネル10の幅は鉄骨柱3の幅以上とされる。また、鉄骨柱3のその反対側の室内に露出する面も、その高さ方向全体にわたってリブ付き耐火パネル10(101b)の一枚板により覆われる。鉄骨柱3を挟んで配置する2枚のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)は、リブ14を有する裏面側が互いに向かい合うように対峙させる。
鉄骨柱3のこの一面はリブ付き耐火パネル10(101a)の一枚板により覆われる前には室内に露出する面であり、鉄骨柱3のこの一面とこの一面を覆うリブ付き耐火パネル10(101a)の間には従来の耐火処理で用いていた一般的な石膏ボートなどの耐火被覆材は配置されない。鉄骨柱3のこの一面とは反対側の面とこの反対側の面を覆うリブ付き耐火パネル10(101b)の間にも同様に、一般的な石膏ボートなどの耐火被覆材は配置されない。つまり、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)が、鉄骨柱3の室内に露出するこの一面やこの一面とは反対側の面を直接覆うので、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)で覆う前にはH形鋼よりなる鉄骨柱3の凹部は塞がれない。このため、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の裏面にあるリブ14の位置が鉄骨柱3の位置に重なるときには、図3に示すように、H形鋼よりなる鉄骨柱3の室内側に張り出しているフランジ部分3aを避けたH形鋼の凹部内にリブ14による凸部を配置して収めることで、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の鉄骨柱3からの張り出しを小さくして室内空間を広くすることができる。もちろん、リブ14の位置が鉄骨柱3の位置に重ならないようにリブ14による凸部と凸部の間に鉄骨柱3を配置してもよい。これによっても、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の鉄骨柱3からの張り出しを小さくして室内空間を広くするという同様の効果が得られる。
建物の一階層内において、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)により覆われていない鉄骨柱3の残りの2面(リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の面と直交する方向の2面)には、従来の耐火処理で用いていた一般的な石膏ボートやケイ酸カルシウム板、ALCパネル、リブ付き耐火パネル10と同様のパネルなどの耐火成形板や、ロックウール、セラミックウールなどの不定形耐火材などからなる耐火被覆材18が配置される。耐火被覆材18として耐火成形板を用いる場合、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)との間に製造公差等によって隙間が生じることがあるため、耐火性能を確保するために、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)と取り合う部分に耐火シール材や耐火接着剤、ロックウールなどの不定形耐火材などを充填することが好ましい。一方、耐火被覆材18として不定形耐火材を用いる場合には、このような処理が不要であるため、工数削減、材料削減の観点からより好ましい。こうして、鉄骨柱3の周囲は対峙するリブ付き耐火パネル10(101a,101b)の一枚板2枚と耐火被覆材18により覆われて鉄骨柱3の耐火処理が完了する。同時に、鉄骨柱3を覆うリブ付き耐火パネル10(101a,101b)は間仕切り壁の一部を構成し、耐火間仕切り壁20の一部となる。
図1に示すように、上部スラブ1には、リブ付き耐火パネル10の上端を支持するための上部ランナ4が延びている。上部ランナ4は、上部スラブ1に固定された水平板部4aと水平板部4aから垂下する垂下板部4bとがL字状に連結されたL字鋼材よりなり、リブ付き耐火パネル10のリブ14の上端面に形成された切り欠き溝16に上部ランナ4の垂下板部4bを嵌入することによりリブ付き耐火パネル10の上部を支持する。
また、下部スラブ2にはリブ付き耐火パネル10の下端を固定するための下部ランナ5が延びている。下部ランナ5は、下部スラブ2に固定された水平板部5aと水平板部5aから起立する起立板部5bとがL字状に連結されたL字鋼材よりなり、ビス等を用いて下部ランナ5の起立板部5bにリブ付き耐火パネル10の下部を固定する。
つまり、建物の一階層内において、鉄骨柱3の室内に露出する面がその高さ方向全体にわたってリブ付き耐火パネル10の一枚板により覆われ、リブ付き耐火パネル10の上部がその上端面に形成された切り欠き溝16に建物の上部ランナ4を嵌入することにより支持されていることから、火災時の熱により鉄骨柱3が伸縮したときにも鉄骨柱3の面を覆うリブ付き耐火パネル10に横目地が開かないため、このリブ付き耐火パネル10の1枚で耐火性を維持することができる。これにより、このリブ付き耐火パネル10が鉄骨柱3の耐火被覆材としてだけでなく鉄骨柱3を収容する間仕切り壁も兼ねることができる。
そうすると、このリブ付き耐火パネル10により鉄骨柱3の室内に露出する面を覆うだけで鉄骨柱3の室内に露出する面に関する耐火被覆工事と耐火間仕切り壁の設置工事を同時に行うことができるため、工数減、材料減によりコストを低減することができる。また、鉄骨柱3の室内に露出する面に関しては、耐火被覆材と耐火壁材を積層して室内空間を必要以上に狭めることがなくなり、このリブ付き耐火パネル10の1枚で覆う構成により室内空間を広くすることができる。
そして、鉄骨柱3の室内に露出する面とその反対側の室内に露出する面の両面がそれぞれその高さ方向全体にわたってリブ付き耐火パネル10の一枚板により覆われる構成であると、工数減、材料減によるコスト低減の効果と室内空間を広くする効果がさらに高まる。
対峙するリブ付き耐火パネル10間には必要に応じてロックウール等の不燃性の吸音材が配置される。上部スラブ1とリブ付き耐火パネル10の上端の間や下部スラブ2とリブ付き耐火パネル10の下端の間には必要に応じて隙間を埋めるロックウール等のマット6が配置される。このマット6は地震時等におけるこれらの間の緩衝材として機能する。また、このマット6の表側には必要に応じてシール材7が配置される。なお、遮音性能等を高めるために、リブ付き耐火パネル10の表面にさらに別の石膏ボード等の平板を配置してもよい。
本発明に係るリブ付き耐火パネル10に対し、一般的な石膏ボートは、比重が小さく、また、曲げ強さを高めるリブ14を有していないことから、建物の一階層内の高さ方向全体にわたって配置できるだけの一枚板として作ることができない。このため、鉄骨柱3に対して通常行われる耐火被覆工事においては、図4に示すように、複数枚の石膏ボード8が高さ方向に並べて配置される。このため、鉄骨柱3を覆う耐火被覆材18には必ず横目地9が現れる。そうすると、火災時の熱により鉄骨柱3が伸縮したときに、石膏ボード8が鉄骨柱3に追従できず、横目地9が開いてしまう。この横目地9から炎や熱が入り込むことにより、その奥に配置される鉄骨柱3は炎や熱の影響を大きく受けて劣化してしまう。その結果、鉄骨柱3の耐力が低下して建物の崩壊を招く。
このため、一般的な石膏ボード8を用いた従来の耐火被覆工事では、一層の石膏ボード8で覆うことにより耐火性を満足することができない。したがって、通常は、高さ方向に横目地9の位置をずらして重ならないように配置した二層の石膏ボード8で覆う。この構成では、鉄骨柱3の耐火被覆工事だけでも、室内側に張り出す耐火材の厚みが厚くなって、室内空間を狭めてしまう。また、鉄骨柱3にはその外周全体にわたって耐火被覆工事を行うので、耐火材の厚みが厚くなる影響は単純に2倍であり、より一層、室内空間を狭めてしまう。
さらに、従来の常識に従えば、鉄骨柱3の耐火被覆工事を行った上でさらに耐火材を用いた間仕切り壁の設置を行って間仕切り壁内に鉄骨柱3を収容するので、間仕切り壁を形成する耐火材の厚みも加わってもっと室内空間を狭めてしまう。間仕切り壁の耐火材として一般的な石膏ボード8を用いれば、図5に示すように、鉄骨柱3の耐火被覆工事と同様、複数枚の石膏ボード8を高さ方向に並べて配置するため、火災による横目地9の開きを防止する観点から、耐火材を用いた間仕切り壁30の設置においても石膏ボード8を二層に配置する。そうなると、さらに室内空間を狭めてしまう。数mm広くできるだけでも室内空間にはうれしいことから、鉄骨柱3の耐火被覆工事に用いる耐火材や間仕切り壁に用いる耐火材の厚みも、室内空間を確保することに対する影響が大きい。また、石膏ボード8を用いた間仕切り壁30の設置においては、石膏ボード8を固定するためのスタッド32を用いる必要があり、スタッド32の設置とスタッド32への石膏ボード8の固定作業が必要であり、必然的に工数や材料が多くなる。
なお、一般的な石膏ボード8を用いた従来の耐火被覆工事と間仕切り壁の設置においては、1時間耐火試験を合格する仕様として、耐火被覆材の厚みが12.5mm×2枚となり、間仕切り壁としての耐火材の厚みが9.5mm+12.5mmとなる。これに対し、一枚板よりなるリブ付き耐火パネル10を用いれば、1時間耐火試験を合格する仕様として、石膏を原材料とし、比重1.6以上、厚さ7mm以上とすればよい。
以上、本発明によれば、構造部材の耐火被覆工事と耐火間仕切り壁の設置工事の2つの工事が不要となり、工数減、材料減によるコスト削減を図ることができる。また、構造部材に取り付ける耐火被覆材と間仕切り壁としての耐火壁材を構造部材の外側に積層する構成としなくて済み、室内空間を広くすることができる。
図3に示す実施形態においては、鉄骨柱3はH形鋼よりなるが、鉄骨柱3はこれに限定されるものではなく、角形鋼管やH形鋼以外の形鋼、例えばI形鋼やL形鋼、溝形鋼などであってもよい。図7には、鉄骨柱が角形鋼管よりなる例を示す。
図7に示すように、角形鋼管よりなる鉄骨柱34は、対峙する2枚のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)の間に収められる。2枚のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)は、リブ14を有する裏面側が互いに向かい合うように対峙させる。リブ付き耐火パネル10(101a,101b)と鉄骨柱34のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)で覆う面との間には一般的な石膏ボートなどの耐火被覆材は配置されない。リブ付き耐火パネル10(101a,101b)が鉄骨柱34の室内に露出する面を直接覆う。リブ付き耐火パネル10(101a,101b)により覆われていない鉄骨柱34の残りの2面(リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の面と直交する方向の2面)には、従来の耐火処理で用いていた一般的な石膏ボートやケイ酸カルシウム板、ALCパネル、リブ付き耐火パネル10と同様のパネルなどの耐火成形板や、ロックウール、セラミックウールなどの不定形耐火材などからなる耐火被覆材18が配置される。こうして、鉄骨柱34の周囲は対峙するリブ付き耐火パネル10(101a,101b)の一枚板2枚と耐火被覆材18により覆われて鉄骨柱34の耐火処理が完了する。同時に、鉄骨柱34を覆うリブ付き耐火パネル10(101a,101b)は間仕切り壁の一部を構成し、耐火間仕切り壁20の一部となる。
リブ付き耐火パネル10(101a,101b)のリブ14による凸部は、鉄骨柱34の室内側に張り出している部分を避けて、鉄骨柱34の位置とは重ならない、パネル幅方向両端に配置され、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)のリブ14による凸部と凸部の間に鉄骨柱34が配置される。これにより、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の鉄骨柱34からの張り出しを小さくして室内空間を広くすることができる。
また、図3に示す実施形態においては、H形鋼よりなる鉄骨柱3は、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の面に対してフランジ部分3aの面が直交するように配置されているが、図8に示すように、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)の面に対してフランジ部分3aの面が平行するように配置されていてもよい。この場合、H形鋼よりなる鉄骨柱3のフランジ部分3aの面がリブ付き耐火パネル10(101a,101b)により覆われる。H形鋼よりなる鉄骨柱3の凹部は、従来の耐火処理で用いていた一般的な石膏ボートやケイ酸カルシウム板、ALCパネル、リブ付き耐火パネル10と同様のパネルなどの耐火成形板や、ロックウール、セラミックウールなどの不定形耐火材などからなる耐火被覆材18が配置される。
また、図3に示す実施形態においては、鉄骨柱3の室内に露出する面の一面とその反対側の室内に露出する面の両方にリブ付き耐火パネル10(101a,101b)を用い、2枚のリブ付き耐火パネル10(101a,101b)を、リブ14を有する裏面側が互いに向かい合うように対峙させているが、図9に示すように、鉄骨柱3の室内に露出する面の一面だけにリブ付き耐火パネル10(101a)を用い、その反対側の室内に露出する面には従来のように一般的な石膏ボード8などを用いてもよい。この場合、その反対側の室内に露出する面には、従来同様、まず、耐火被覆材18により鉄骨柱3の耐火処理を行った後、一般的な石膏ボード8を用いて耐火間仕切り壁20を設置してもよい。なお、鉄骨柱3の耐火処理に用いる耐火被覆材18として不定形耐火材を用いる場合には、図9に示すように、耐火被覆材18は一層となる。
また、図3に示す実施形態においては、鉄骨柱3の室内に露出する面を覆う被覆材だけでなく鉄骨柱3を収容する耐火間仕切り壁20全体がリブ付き耐火パネル10(101a,101b)により構成されているが、図10に示すように、耐火間仕切り壁20のうち鉄骨柱3を収容する部分の壁材のみにリブ付き耐火パネル10(101a,101b)を用い、耐火間仕切り壁20の壁面内においてリブ付き耐火パネル10(101a,101b)と隣り合う部分の壁材には従来のように一般的な石膏ボード8などを用いてもよい。鉄骨柱3の張り出しが室内空間を狭める原因であることから、リブ付き耐火パネル10(101a,101b)を用いることで耐火間仕切り壁20のうち鉄骨柱3を収容する部分の壁の厚みが薄く抑えられれば、これ以外の部分で従来のように一般的な石膏ボード8などを用いても、耐火性能を維持したまま室内空間を広くできる。
なお、上記実施形態においては、リブ14が中空状のものとして示されているが、これに限定されず、中実状のものであってもよい。
3 鉄骨柱
10 リブ付き耐火パネル
14 リブ
16 切り欠き溝
20 耐火間仕切り壁

Claims (3)

  1. 建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われ、該リブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されており、
    前記鉄骨柱がH形鋼であり、前記リブ付き耐火パネルのリブによる凸部が、前記H形鋼の室内側に張り出している部分を避け、該H形鋼の凹部内に配置されていることを特徴とする鉄骨柱の耐火構造。
  2. 前記鉄骨柱の室内に露出する面とその反対側の室内に露出する面の両面がそれぞれその高さ方向全体にわたって前記リブ付き耐火パネルの一枚板により覆われていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨柱の耐火構造。
  3. 建物の一階層内において、鉄骨柱の室内に露出する面の少なくとも一面がその高さ方向全体にわたってパネル高さ方向に延びるリブを有するリブ付き耐火パネルの一枚板により覆われて該リブ付き耐火パネルが間仕切り壁の一部となり、該リブ付き耐火パネルの上部がその上端面に形成された切り欠き溝に建物の上部ランナを嵌入することにより支持されており、
    前記鉄骨柱がH形鋼であり、前記リブ付き耐火パネルのリブによる凸部が、前記H形鋼の室内側に張り出している部分を避け、該H形鋼の凹部内に配置されていることを特徴とする耐火間仕切り壁構造。
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