JP6217141B2 - 細菌の検出方法、及び、検出器具 - Google Patents

細菌の検出方法、及び、検出器具 Download PDF

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Description

本発明は微生物の検出手段に関する発明であり、さらに詳細には細菌に伴うバイオフィルムを溶解しつつ当該細菌を効率的に検出することが可能な方法と、当該方法を用いた検出器具に関する発明である。
バイオフィルムは、基質に付着した細菌が、細胞外多糖(EPS:extracellular polysaccharide)を分泌することにより形成される構造体である。EPSは、バリアーや運搬経路の役割を果たし、環境変化や化学物質から細菌は守られている。
一方、細菌の検出は様々な種類の細菌において、様々な理由で行われており、このような検査の現代社会での必要性は非常に大きい。
細菌の検出手段として代表的なものとしては、検出目的の細菌の特徴的な成分や部分に対して特異的な抗体を用いた、抗原抗体反応を検出シグナルとする試験が挙げられる。このような抗体を用いる検出法を細菌に対して行う場合の障害となるのが、上記のバイオフィルムである。
すなわち、細菌の特徴的な成分は細胞膜に存在することが多く、その細菌の細胞膜がバイオフィルムによって覆われてしまっていると、的確に目的とする細菌を検出することが困難になってしまう場合が認められる。
その一例として挙げられるのが、化膿連鎖球菌(Streptococcus ryogenes)である。化膿連鎖球菌は、連鎖球菌属に属する真正細菌の一種である。血液寒天培地上で培養するとβ溶血性を示し、連鎖球菌の鑑別に用いられるランスフィールド抗原分類ではA群に属する。この性質から化膿連鎖球菌は、A群β溶血連鎖球菌とも呼ばれている。さらに、A群溶連菌、又は、単に溶連菌、さらにGAS(Group A Streptococci)と略称されることもある。
化膿連鎖球菌は、健康なヒトの咽頭や消化管、表皮にも生息する常在細菌の一種であるが、GAS感染症(溶連菌感染症)と呼ばれる各種の化膿性疾患や、産生する毒素による全身性疾患、あるいは感染後に一種の合併症として起きる免疫性疾患など、多様な疾患の原因になる。場合によっては劇症型連鎖球菌感染症と呼ばれる、進行の早い致死性疾患の原因となることがある。
図1と図2は、従来の化膿連鎖球菌のイムノクロマト法による検出キットの内容の一例を示している(非特許文献1)。図1は、当該キットの構成を示し、図2は、当該キットを用いた化膿連鎖球菌の検出手順を示している。
従来の化膿連鎖球菌の検出キット10は、検体抽出液封入容器1(抽出液Aが封入された容器11と抽出液Bが封入された容器12のセット)、反応チューブ2、綿棒3、及び、テスト用の固相4、にて構成されている。
抽出液A、Bは互いに異なって、酢酸、又は、亜硝酸ナトリウムの溶液である。両液が混合することによって、硝酸が発生し、この硝酸で化膿連鎖球菌のバイオフィルムを溶解することができる。抽出液A、Bは用時に混合を行う必要がある。
図2(1)は、上記の抽出液の用時混合を示している。反応チューブ2の開口部21に、抽出液A(113)を容器11の滴下口111から滴下し、抽出液B(114)を容器12の滴下口112から滴下して、反応チューブ2内において両者を混合して混合抽出液115とすることにより、上述のように液中に硝酸が発生する。
図2(2)では、綿棒3の頭31を被験者の口蓋に擦りつけて検体を付着させ、その綿棒3の頭31を、反応チューブ2の混合抽出液115の中に入れることにより、混合抽出液115の中に検体が抽出されて溶け込み、経時的に検出対象の細菌のバイオフィルムが分解された、検体の抽出液116となる。
図2(3)において、固相4には、抗原抗体反応が起こるとシグナルを発生する化膿連鎖球菌に対する抗体が固定化された検出部43が設けられている。作業者が触れるためのハンドリング部分42を上にして、その逆端41を、前記検体の抽出液116に浸漬し、当該液116と固相4を接触させることにより、クロマト現象により検体の抽出液は上方(矢印aの方向)に移動を開始する。
固相4上で、検体の抽出液116が検出部43に到達すると、検体中に化膿連鎖球菌が存在する場合には、検出部43に担持された化膿連鎖球菌に対する抗体が、バイオフィルムが分解されて特徴的成分が露出した化膿連鎖球菌に抗原抗体反応により結合して、その結合シグナルを目視等で確認することにより、検体における化膿連鎖球菌を検出することができる。
他の先行技術としては、上記の固相4と実質的に同一の固相をケース内に固定配置して、当該ケース内で上記の反応工程を行う技術が開示されている(非特許文献2)。
咽頭拭い液中のA群β溶血連鎖球菌抗原検出用「ラビットテスタ(登録商標)ストレップA」の添付文書(積水メディカル株式会社) 咽頭検体中のA群β溶血連鎖球菌抗原検出用試薬「エルナス(登録商標)ストレップA」の添付文書(株式会社テイエフピー)
上述した先行技術(非特許文献1,2)においては、医療現場における取扱いに煩雑な面があることは否めない。すなわち、図2に示した従来技術における操作手順において、特に(1)に示したように抽出液AとBの用時混合が必要であり、さらにこれを1分ほど静置する必要がある。医療現場では、検体の採取から反応の有無の確認までの一連の作業を医師又は看護師等が行うことになるが、この「用時混合」が煩雑であり、かつ、現場で用時混合液を静置して硝酸の生成反応の完了を待たなければならないというのは、積み重ねればかなりの負担感が生ずることになる。また、操作ミスを誘発し易い面も否めない。
これらは、今般本発明が解決すべき課題である。
本発明者は鋭意検討を行った結果、下記の内容の検出手段を提供することにより上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、検出対象である細菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の細菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該細菌を検出する方法であって、当該固相上には、検出対象の細菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部とは別個に、試料中の希釈液の溶解成分に反応して細菌菌体のバイオフィルムを分解する成分を産生する特定成分が担持された担持部が設けられ、検体が希釈液で抽出された試料(検体抽出希釈液)の当該担持部における接触により、バイオフィルムを分解する成分が当該担持部において産生されて、試料中の細菌のバイオフィルムが分解され、当該のバイオフィルムが分解された細菌の成分の、引き続く当該固相における移動による検出部との接触により発生する、抗原抗体反応のシグナルの検出により検出対象細菌を検出することを特徴とする、細菌の検出方法(以下、本発明の検出方法ともいう)を提供する発明である。
本発明の検出方法の検出対象である「細菌」は、バイオフィルムを形成する細菌であり、その限りにおいて特に限定されない。例えば、上記の化膿連鎖球菌(Streptococcus ryogenes:別名としてA群β溶血連鎖球菌)が挙げられる。
「固相」は、移動相である検体抽出希釈液(試料)が移動可能であれば特に限定されず、例えば、不織布、織布、紙、多孔質体等を例示することができる。素材としては、綿、麻、羊毛、絹、レーヨン、ベンベルグ、アセテート、ポリアミド系繊維、ポリエステル、セルロース、ニトロセルロース、グラスファイバー、ポリエーテルスルホン(PES)等が例示される。さらに、固相は単独の要素で構成されていてもよいが、複数の素材等を必要に応じて組み合わせてもよい。むしろ、担持させる要素や役割に応じて適した素材を適宜組み合わせることが好適である。固相の形状は特に限定されないが、全体形状として、長さ方向が幅方向に対して長い短冊状であることが通常である。厚さは全体が同一である必要はなく、必要に応じて変化させてもよい。後述するように、固相の素材と形状は移動相の移動時間を調整する上で重要な要素である。
細菌のバイオフィルムを分解する成分は特に限定されず、硝酸、王水等が挙げられるが、段階的に当該分解成分を産生させる必要上から硝酸であることが好適である。本発明においては、検体抽出希釈液を試料として固相に接触させ、固相上のバイオフィルムを分解する成分を当該希釈液との反応により発生させることが可能な特定成分を担持した担持部において、検体抽出希釈液(試料)の希釈液に溶解した成分が接触することにより、硝酸等の「バイオフィルムの分解成分」が発生する。
例えば、「バイオフィルムの分解成分」が硝酸である場合には、「希釈液」、及び、「特定成分」は、下記(1)及び(2)のいずれかの組み合わせであり、さらに、固相における特定成分の担持部の検出部側に、硝酸の中和成分が担持されていることが好適である。
(1)希釈液は有機酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩である。
(2)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は有機酸である。
亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。また、有機酸としては、酢酸、クエン酸等が挙げられる。
上記の硝酸の中和成分の固相における担持は、当該固相上で硝酸によるバイオフィルムの分解を行った後、検出部に移動相が到達する前に、移動相のpHを中性付近に中和することを目的としている。そして、それが可能な成分であれば特に限定されず、例えば、ホウ酸、リン酸、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM:通称Tris)等が挙げられる。この中和成分による作用により、固相上における抗原抗体反応が正常に進行し、所望の検出を行うことができる。
希釈液、及び、特定成分が上記(1)及び(2)のいずれかの組み合わせにおいて、希釈液と特定成分の好適な量的条件は下記(A)及び(B)に示す通りである。
(A)希釈液は有機酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩である場合には、希釈液中の有機酸濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.04Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記有機酸濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下又は0.12M以上の場合、並びに、(b)前記有機酸濃度が0.12M以上、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下の場合を除く)である。
(B)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は有機酸である場合には、希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.4M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の有機酸濃度は0.06Mを超えて0.16M未満(ただし、前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、前記有機酸濃度が0.14M以上の場合を除く)である。
さらに好適な量的条件は下記(A’)及び(B’)に示す通りである。
(A’)希釈液は有機酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩である場合には、希釈液中の有機酸濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.06Mを超えて0.12M未満(ただし、前記有機酸濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.10M以上の場合を除く)である。
(B’)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は有機酸である場合には、希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.40M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の有機酸濃度は0.06Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、前記有機酸の濃度が0.08M以下の場合、あるいは、(b)前記亜硝酸塩濃度が1.20M以上、かつ、前記有機酸の濃度が0.08M以下の場合を除く)である。
さらに、本発明は、上記の本発明の検出方法を行うための検出器具を提供する発明でもある。当該検出器具は、検出対象である細菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の細菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該細菌を検出する方法を行うための検出器具であって、当該固相上には、検出対象の細菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部の上流に、試料中の希釈液に反応して細菌菌体のバイオフィルムを分解する成分を産生する特定成分が担持されている担持部が設けられていることを特徴とする、細菌の検出器具(以下、本発明の検出器具ともいう)である。
また、本発明は、固相がケース内に配置固定された本発明の検出器具、及び、試料と希釈液を混合して、当該混合液を当該検出器具の滴下窓に向けて滴下するための混合滴下用器具からなる、細菌検出用キット(以下、本発明の検出キットともいう)を提供する発明である。
なお、本明細書、特許請求の範囲、及び、図面(以下、本明細書等ともいう)において固相における「上流」とは、上記担持部側であり、上記検出部側は「下流」側であるとする。
また、本明細書等において「溶液」とは、特に断らない限り「水性溶液」、すなわち、水を溶媒とする溶液を意味するものとする。言い換えれば「水性溶液」は、水溶性の物質を水に溶解させた溶液であり、各種の緩衝液を含むものである。さらに「水溶液」とは、水を溶媒として当該記載に提示された物質のみを溶解させた水性溶液を意味するものとする。例えば「クエン酸の水溶液」とは「クエン酸のみを水に溶解させた水性溶液」を意味するものである。水性溶液は水溶液の上位概念であり、水性溶液は水溶液を含む。
本発明の検出方法とこれを行うための検出器具、さらには検出キットでは、細菌のバイオフィルムを分解する成分の産生反応が固相上において行われるため、従来品のように当該産生反応を、使用者による希釈液と特定成分の用時混合を行う必要が無く、使用者のバイオフィルム分解成分からの隔離を行うことが可能であり、安全性に優れている。そして、当該用時混合を行った後の使用者の待機時間を確保する必要も無くなり、効率性に優れ、検出作業に対する現場の負担と負担感を著しく軽減することができる。すなわち、本発明は、実用性において非常に優れるバイオフィルムを産生する細菌の検出方法、検出器具、及び、検出キットを提供する発明である。
従来の化膿連鎖球菌のイムノクロマト法による検出キットの構成を示した図面である。 従来の化膿連鎖球菌のイムノクロマト法による検出キットを用いた化膿連鎖球菌の検出手順を示した図面である。 本発明の検出器具の分解組み立て図である。 本発明の検出器具の全体斜視図である。 本発明の検出器具の矢印X−Xの方向にて切って見た縦断面図である。 本発明の検出キットの構成を示した図面である。 本発明の検出キットの構成要素である混合滴下用器具における混合抽出時の様子を描いた図面である。 本発明の検出キットを用いた検出対象細菌の検出手順を示した図面である。 本発明の検出キットにおいて、混合滴下用器具から検出器具への検体抽出希釈液(試料)の滴下の様子を示した図面である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態を開示するが、本発明の範囲は特許請求の範囲の欄の記載に基づくものであり、当該記載形態に限定されるものではない。
図3、図4及び図5は、本発明の検出器具の一態様50を表しており、図3は当該検出器具の分解組み立て図であり、図4は全体斜視図であり、図5((1)、(2))は図4に示す矢印Xの方向にて切って見た縦断面図である。
図3、図4、及び、図5(2)に示す通りに、本発明の検出器具50は、上外装部51、下外装部52、及び、検出用の固相53からなっている。上外装部51と下外装部52は、互いに嵌合可能な構造となっており、図5(1)に示すように、互いに嵌合することによりケース50’が形成される。また、当該ケース50’の内部には、固相53を装着固定することが可能な構造521が設けられている。図4に示す54で示される凹凸部位は、検出器具50の持ち運びや操作の際の滑り止めのための部位である。
主に図3において示される上外装部51は、検出器具50の外装ケースの滴下窓側を構成する部品である。すなわち、上外装部51においては、開口した滴下窓511と、窓を外から目視した場合の可視性が確保されている検出窓512が設けられている。検出窓512は内部の可視性が確保されていれば、開口していても、透明ガラスや透明プラスチック等の可視性が認められる素材によって覆われていても良い。
主に図3において示される下外装部52は、検出器具50を使用時に置く際の床面側を構成する外装ケースの部品である。下外装部52には、固相53を配置可能であり、配置された固相53の平面方向の動きを固定することができる引っ掛り構造により形成される矩形領域521’が設けられている。この引っ掛り構造521’は、上外装部51と下外装部52が嵌合することにより、図5(1)に示す、固相53を装着固定することが可能な構造521となる。
図3等において示される固相53は、全体形状は短冊状であり、矩形領域521’に嵌まり込む形状となっている。上外装部51の滴下窓511の直下に対応する位置に厚手の吸収繊維素材で構成される担持部531が形成され、その下流側に当接して厚手の吸収繊維素材で構成される中和部532が形成されている。さらに中和部532に当接して下流の基板面において、固相基板に水性溶媒の移動と共に固相上を移動可能な形態で標識抗体が固定化された、標識抗体結合部533が形成されている。検出窓512の直下に対応する位置に検出部532が形成され、そして、その下流部近傍にコントロール部535が形成されている。
担持部531には、滴下窓511を通じて滴下される、試料中の希釈液の溶解成分に反応して細菌菌体のバイオフィルムを分解する成分を産生する特定成分が担持されている。例えば、バイオフィルムを分解する成分が硝酸であり、希釈液が亜硝酸塩溶液であるならば担持部531に担持される特定成分は有機酸が例示される。また同様の場合に、希釈液が有機酸溶液であるならば、担持部531に担持される特定成分は亜硝酸塩が例示される。いずれの場合も、試料中の希釈液の溶解成分と担持部531に担持された特定成分が接触することにより硝酸が発生し、試料中の細菌のバイオフィルムは分解される。担持部531の素材は特に限定されず、具体的には、綿繊維、麻繊維、羊毛繊維、絹繊維等の天然繊維;レーヨン、ベンベルグ、アセテート、ポリアミド系繊維等の人造繊維、が好適な担持部531の素材として挙げられる。
担持部531に担持される特定成分である有機酸又は亜硝酸塩の担持を行うために用いられる溶液での好適な濃度範囲は前述した通りであるが、当該濃度の溶液の量は担持部531の大きさに応じて適宜調節することができる。担持部531の大きさが大きいほど十分な担持に必要とされる特定成分を溶解した溶液の量も多くなる。通常に用いられる検出器具の大きさからすると150〜200μL程度が想定される。
担持部531に隣接接着して設けられている中和部532には、上記の担持部531において産生されたバイオフィルムの分解成分を中和するための成分が担持されている。バイオフィルム分解成分が硝酸等の強酸である場合には、これを中性付近に中和する成分が挙げられる。具体的には、上述した通りに、ホウ酸、リン酸、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM:通称Tris)等が挙げられる。担持部531から浸潤して中和部532に担持されている中和成分に接触したバイオフィルム分解成分が中和されて、以降の移動相中の検出対象の細菌の特定成分への抗体の結合がスムーズに行われるようになる。この中和部532は本発明の選択的事項であるが、特にバイオフィルムの分解成分が硝酸等の強酸である場合は、これを設けることが極めて好適である。
標識抗体結合部533には、目的の細菌の特定成分に結合可能な抗体(ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体)に標識が施された標識抗体が、水性溶媒の浸潤に従い当該結合部533から移動できる手段で担持されている。移動相が標識抗体結合部533に到達すると、試料中にバイオフィルムが分解された目的とする細菌が存在する場合は、その特定の成分と当該標識抗体が結合した抗原標識抗体複合体を形成し、未結合の当該標識抗体と共に、検出部534に向かって移動する。試料中に検出目的の細菌が存在しない場合には、抗原標識抗体複合体は形成されず、未反応の標識抗体のみが検出部534に向かって移動する。標識抗体の標識は特に限定されず、金コロイド、白金コロイド、着色又は未着色の合成ラテックス粒子、着色又は未着色の天然ゴムラテックス粒子等が挙げられる。標識抗体結合部533は、前記中和部532(中和部を設けない場合は担持部531)と、下記検出部534の間に設けられるが、本例に示したごとく、中和部532(中和部を設けない場合は担持部531)に当接した基板面、又は、近傍の基板面として設けることが好適である。
検出部534は、特定の菌体成分と標識抗体の結合体を捕捉して標識シグナルを顕在化するための部位である。具体的には、特定の菌体成分に特異的な第二の抗体が固定担持されており、抗原標識抗体複合体における菌体成分の部分と結合して、当該複合体を捕捉する。当該複合体は検出部534に集まって捕捉されるので、金コロイドやラテックス粒子等の標識がシグナルとしてそこで顕在化することになる。この顕在化したシグナルを、検出窓512を介して観察することにより、試料中の検出対象の細菌の存在を確認することができる。試料中に検出対象の細菌が存在しない場合は、検出部534に移動するのは抗原標識抗体複合体ではなくて、フリーの標識抗体であるから、検出部534においては捕捉されず、そのまま下流側に移動する。よって、検出部534において標識シグナルは顕在化しない。
コントロール部535は、試料中に検出対象の細菌が存在したか否かにかかわらず、移動相が少なくとも検出部534まで十分に到達したことを確認するために設けられる。すなわち、コントロール部535には、抗原標識抗体複合体とフリーの標識抗体とを問わずに、これらを結合するための成分、典型的には抗イムノグロブリン抗体が固定担持されており、試料中に検出対象の細菌が存在する場合には、検出部534において捕捉されずに漏れた抗原標識抗体複合体と、特定の細菌成分に結合せずに移動したフリーの標識抗体が、捕捉されて標識シグナルを顕在化させる。また、試料中に検出目的の細菌が存在しない場合には、検出部534をそのまま通過して移動してきたフリーの標識抗体が捕捉されて、標識シグナルを顕在化させる。検出部534とコントロール部535が共にシグナルを顕在化させる場合は陽性と判定される。検出部534はシグナルを顕在化せずに、コントロール部535のみがシグナルを顕在化させた場合は陰性と判定される。そして、検出部534のシグナルの顕在化の有無にかかわらず、コントロール部535においてシグナルが顕在化しない場合は、正常の検出形態ではないとして無効と判定されることになる。
検出部534とコントロール部535を設けることが好適な、固相の基板表面を構成する素材は特に限定されないが、抗体の担持とシグナルの顕在化を示すのに適した素材であることが好適である。その意味で、薄膜状とすることが容易な素材、例えば、ニトロセルロース膜、グラスファイバー、ポリエーテルスルホン(PES)、セルロース、ポリエステル、ポリアミド繊維等が好ましく用いられる。
固相53の基板は、単層であってもよいが、所望の機能を有する部材を併せた複合的な構成であってもよい。例えば、固相53の基板面の最下層(引っ掛り構造521’側との接触面を含む層)を粘着テープとすることができる。この粘着テープは、片面粘着テープであっても、両面粘着テープであってもよい。当該最下層が両面粘着テープの場合は、固相53は引っ掛り構造521’において嵌まり込むと共に、下側の粘着面を介して、当該構造面と接着固定される。片面粘着テープの場合は、非粘着面は引っ掛り構造521’側である。いずれの場合においても、最下層の粘着テープの粘着面(上側)には、上記の担持部531、中和部532及び標識抗体結合部533を構成するパーツ、並びに、検出部534及びコントロール部535が設けられたパーツが適切な組み合わせで接着固定される。このような固相53の基板の最下層を粘着テープとした例を、後述する実施例において開示した。
なお、本実施例では、特定成分が担持された担持部531に対して、検体抽出希釈液(試料)を直接滴下する形態になっているが、当該担持部と固相における当該滴下部は別個であっても良い。このような場合、当該滴下部は当該担持部531の上流に配置され、滴下部に滴下された試料は、移動相として担持部へ移動し接触して、バイオフィルム分解成分が生成され、上述した通りの経緯で、検出部534において目的とする細菌を検出することができる。担持部531から分離された滴下部に対応する位置に、滴下窓511が設けられる。
図6、図7、図8、及び、図9は、本発明の検出方法を本発明の検出器具50を用いて行う場合の一態様を示している。そして、図6は、本発明の検出キットの一例90でもあり、当該図6〜図9は、本発明の検出キットを用いる一態様を示すものでもある。
図6に示した検出キット90の構成は、上述した本発明の検出器具50、混合滴下用器具60、及び、綿棒70である。本発明の検出キットの構成として、本発明の検出器具50、及び、混合滴下用器具60は本質的な要素であり、綿棒70は選択的な要素である。また、図6においては図示されていないが、検体の希釈液も本質的なキットの要素である。
図6において、検出器具50は上述した通りである。混合滴下用器具60は、当該チューブ内に希釈液を入れて、これに綿棒70の頭71に付着させた検体を差し込んで抽出して検体抽出希釈液(試料)として、当該検体抽出希釈液(試料)を検出器具50の滴下窓511から担持部531に滴下するための器具である。混合滴下用器具60は、チューブ61、及び、蓋部62にて構成されている。
チューブ61は、好適には可撓性を伴うチューブ本体611とその開口部に固定されている接続用部材612からなる。接続用部材612において形成された開口部において、蓋部62はチューブ61と嵌合可能な形状である。そして着脱可能な状態で、チューブ61と蓋部62は嵌合している。また、その嵌合方向の中心軸近傍に設けられたフィルター注入口622にフィルター621が介在する形で設けられている。フィルター621は、通常の状態では水性溶媒を通過させないが、フィルター面に向けての加圧により水性溶媒を通過させることのできるフィルターであり、例えば、当該性質を有するニトロセルロースフィルターやガラスフィルターが例示される。検体の希釈液は、混合滴下用器具60とは別個のバイアル等に収納されていても良いし、蓋部62のフィルター注入口622が封止され、好適には蓋部62とチューブ61の開口部の接合部も封止されている状態で、図7(1)に示すように、予め混合滴下用器具60の中に収納されていても良い。
図7は、本発明の検出キット90の構成要素である混合滴下用器具における混合抽出時の様子を描いた図面である。図7(1)は上記した検体の希釈液80が予め容器内に収納された形態の混合滴下用器具60を表している。希釈液80は「A」として定義されている。これは後述する検出器具50の担持部に担持された特定成分「B」(図8(1))と接触することにより、検出する細菌のバイオフィルムの分解成分を生成するための一方の成分「A」を、希釈液80が含有していることを示している。一例を挙げれば、検出する細菌が化膿連鎖球菌であって、バイオフィルムの分解成分が硝酸であるならば、成分「AとBの組」は、「亜硝酸塩と有機酸の組」、又は、「有機酸と亜硝酸塩の組」のいずれか一方である。
図7(2)では、混合滴下用器具60の蓋部62を外して、チューブ61の開口部から、頭71に検体を付着させた綿棒70をその頭から挿入して、チューブ61内の希釈液80と接触させる様子を表している。希釈液80が予め混合滴下用器具60内に収納されていない場合は、この綿棒70を挿入する前段階で、希釈液80を外部からチューブ61内に注ぎ込むことになる。
図7(3)は、チューブ61内の希釈液80における検体の抽出の様子の一例を示している。この例では、抽出操作の際、チューブ61は可撓性を伴っているために、例えば、手指bにより矢印cのようにチューブ61の壁面で綿棒の頭71をしごくことにより、容易に検体の抽出を行うことができる。このようにして希釈液80は、検体抽出希釈液(試料)80’となる。
図8は、本発明の検出キット90を用いた、その後の検出対象細菌の検出手順の一例を示している。図8(1)では、図7(3)を経て調製された検体抽出希釈液(試料)80’が収納されたチューブ61に、再び蓋部62を嵌め込んだ形態として、当該蓋部62を頭にして検出器具50の滴下窓511に混合滴下用器具60を近接させて、検体抽出希釈液(試料)80’を滴下窓511に向けて滴下する様子を示している。本例では近接滴下であるが、混合滴下用器具60の検出窓511への当接滴下であってもよい。検体抽出希釈液(試料)80’は前述の成分Aを含有し、かつ、固相53上の担持部531は成分Bを担持している。成分AとBが接触することによって、検出する細菌のバイオフィルムを分解する成分が発生する。図8(2)は、固相53の担持部531上に滴下された検体抽出希釈液(試料)80’が、既に述べた「担持部531におけるバイオフィルム分解成分の発生とバイオフィルムの分解→中和部532におけるバイオフィルム分解成分の中和→標識抗体結合部533における抗原標識抗体複合体の形成」の過程を経て、検出部534における検出目的細菌の存在を示す検出部534における標識シグナル、及び、コントロール部535における移動相の到達の確認を示すシグナル、が顕現した様子を示している。これらのシグナルの顕現の有無は、検出窓512を介して目視で確認することができる。
図9では、上記の図8(2)に至るまでの経過を前述の矢印X−Xの方向に切った縦断面で示している。検出器具50の滴下窓511に混合滴下用器具60の蓋部62が近接して、検体抽出希釈液(試料)80’の滴下が行われている。上述したように、滴下窓511に対して蓋部62は近接ではなく当接であってもよい。いずれにしても、可撓性が伴うチューブ61を再び手指等で押し込むことにより、フィルター621への内部圧力が増し、検体抽出希釈液(試料)80’は当該フィルター621を通過して、フィルター注入口622を介して、担持部531に滴下される。滴下された成分Aを含有する検体抽出希釈液(試料)80’は、担持部531に担持されている成分Bと反応することによりバイオフィルム分解成分を生成し、細菌のバイオフィルムを分解しつつ、移動相として中和部522へと移動して当該分解成分が中和される。中和された試料は、クロマト現象で矢印dの方向へ移動相として移動し、まずは標識抗体結合部533に接触することで、特定の菌体成分と解離可能な形態で担持された標識抗体との抗原標識抗体複合体が形成され、さらに、検出部534に固定担持された特定の菌体成分に特異的な抗体と当該複合体が結合することにより、抗体に付加されている標識がシグナルとして顕在化する。さらに、コントロール部535では、確かに正常に移動相が移動したことを、固定された抗イムノグロブリン抗体により標識抗体が捕捉されることによりシグナルとして確認することができる。これらの確認は検出窓512を介して行うことができる。
なお、担持部531に滴下する検体抽出希釈液(試料)80’の量は特に限定されないが、一般的な混合滴下用器具60の大きさからすると300μL〜1mL程度が想定される。
下記に、本発明のさらに具体的な実施例を示す。
(1)抗体修飾金コロイド塗布液の調製
直径40nmの金コロイド水溶液10mLに50mM HEPESバッファー(pH8.0)1mLを加えることでpHを調整し、1mLの抗溶連菌抗体溶液を加え攪拌した。10分間静置した後、5%ポリエチレングリコール20000水溶液を120μL加え攪拌し、続いて10%カゼインナトリウム水溶液を1.2mL加え攪拌した。直ちにこの溶液を12000×g・4℃で15分間遠心した後、上清を取り除き、金コロイド標識抗体保存溶液(10%トレハロース、0.1%カゼインナトリウムを含む)1mLを加え、超音波清浄機により金コロイドを再分散した。この後、金コロイド標識抗体保存溶液により520nmのODが2.0になるように調整し、金コロイド標識抗体溶液を得た。
(2)特定成分固定化パッドの作成
9mm×300mmのコットン製パッドに、下記表1に示す濃度の亜硫酸ナトリウム水溶液又はクエン酸水溶液を含浸し、室温で一晩乾燥させ、担持部を構成する特定成分固定化パッドを得た。
(3)中和成分固定化パッドの作成
9mm×300mmのコットン製パッドに、1Mホウ酸緩衝液(pH8.3)を含浸し、室温で一晩乾燥させ、中和部を構成する中和成分固定化パッドを得た。
(4)金コロイド標識抗体保持パッドの作成
4mm×300mmの平坦なグラスウールに金コロイド標識抗体溶液を含浸し、室温で一晩乾燥させ、標識抗体結合部を構成する金コロイド標識抗体保持パッドを得た。
(5)抗体固定化メンブレンの作成
25mm×300mmにカットしたニトロセルロースメンブレンに対して、1mg/mLのテストライン(検出部)用抗溶連菌抗体溶液、及び、1mg/mLのコントロール(コントロール部)用抗ウサギIgG抗体を、インクジェット方式の塗布装置を用いて0.75μL/cmで塗布した後、乾燥機を用いて50℃で30分乾燥することで抗体固定化メンブレンを得た。
(6)イムノクロマト用スリップ(固相)の作成
80mm×300mmの粘着性シートに、前述で作成した抗体固定化メンブレンを貼り付けた。粘着性シートのテストライン側の端より特定成分固定化パットを貼り付け、さらに抗体修飾金コロイド保持パッドを抗体固定化メンブレンと約1mm重なるように貼り付けた。中和成分固定化パッドを特定成分固定化パッドと当接し、さらに金コロイド保持パッドに約1mm重なった状態で貼り付けた。さらに、抗体固定化メンブレンのコントロールライン側には吸収パッドを重ねて貼り付けた。これら重ね貼り合わせた部材を、部材の長辺側を5.5mm幅になるようにギロチン式カッターで切断し、イムノクロマト用ストリップを作成した。
(7)イムノクロマトデバイスの作成
前述により作成したイムノクロマト用ストリップをABS製プラスチックケースに格納し、イムノクロマトデバイスとした。
(8)イムノクロマトデバイスの評価
溶連菌は、エルナスストリップA(TFB社)に添付されている陽性コントロール(1×10菌体/mL)をリン酸緩衝液にて希釈して1×10菌体/mLとしたものを調製した(A)。他方で、綿棒により咽頭を擦過し、綿棒の頭上から細胞片を抽出液にて抽出し、疑似陽性検体用の希釈液(B)を調製した。当該抽出液(B)は、クエン酸又は亜硝酸塩濃度(疑似陽性検体全体における濃度)が下記表1に示すそれぞれ値となるように調整された水溶液である。
菌体液(A)を30μL、及び、抽出液(B)を270μL、それぞれ分取して混合し、細胞片を含む溶連菌の菌体濃度が1×10菌体/mLの疑似陽性検体300μLを調製した。この希釈濃度は現在最も優れる溶連菌の検出感度に相当する。
この疑似陽性検体300μLを抽出容器内に封入して、抽出容器の開口部に対し滴下用ノズルを装着し、イムノクロマトデバイスに対して約200μL滴下した。滴下後、約10分でテストラインに免疫複合体を形成した金コロイドの凝集反応による赤色のラインが確認できれば陽性、確認できなければ陰性と判断した。また、コントロールラインに赤色のラインが確認できなければ無効と判断した。表1中「+」は一般人にも明らかな陽性であり、「±」は熟練者がようやく陽性と認め得る程度の薄い着色を示している。「−」は明らかな陰性である。
また、表1中、横方向の数字は、その上の枠に記された滴下溶液(200μL)の濃度(M)を示し、縦方向の数字は、その左の枠に記された特定成分固定化パッド含浸溶液(100μL)の濃度(M)を示す。
Figure 0006217141
この結果、本発明品においては溶連菌の検出の際の煩雑さを回避できると共に、検出感度も良好であることが認められ、本発明品の非常に優れた実用性が認められた。
50:本発明の検出器具
50’:本発明の検出器具のケース
51:上外装部
511:滴下窓
512:検出窓
52:下外装部
521’:矩形領域(引っ掛かり構造)
53:固相
531:担持部
532:中和部
533:標識抗体結合部
534:検出部
535:コントロール部
54:凹凸部位(握持用)
60:混合滴下用器具
61:チューブ
611:チューブ本体
612:接続用部材
62:蓋部
621:フィルター
622:注入口
70:綿棒
71:綿棒の頭
80、80’:検体の希釈液(試料)
90:本発明の検出キット

Claims (5)

  1. 検出対象である化膿連鎖球菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の化膿連鎖球菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該化膿連鎖球菌を検出する方法であって、当該固相上には、検出対象の化膿連鎖球菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部とは別個に、試料中の希釈液の溶解成分に反応して化膿連鎖球菌菌体のバイオフィルムを分解する成分である硝酸を産生する特定成分が担持された担持部が設けられ、検体が希釈液で抽出された試料の当該担持部における滴下による接触により、バイオフィルムを分解する成分である硝酸が当該担持部において産生されて、試料中の化膿連鎖球菌のバイオフィルムが分解され、当該のバイオフィルムが分解された化膿連鎖球菌の成分の、引き続く当該固相における移動による検出部との接触により発生する、抗原抗体反応のシグナルの検出により検出対象化膿連鎖球菌を検出する化膿連鎖球菌の検出方法において、さらに前記希釈液、及び、前記特定成分は、下記(1)及び(2):
    (1)希釈液は酢酸又はクエン酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩であり、当該希釈液中の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.04Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下又は0.12M以上の場合、並びに、(b)前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.12M以上、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下の場合を除く)である;
    (2)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は酢酸又はクエン酸であり、当該希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.4M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.16M未満(ただし、前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.14M以上の場合を除く)である;
    のいずれかの条件に従い、
    さらに、固相における特定成分の担持部の検出部側に、硝酸の中和成分が担持されていることを特徴とする、化膿連鎖球菌の検出方法。
  2. 検出対象である化膿連鎖球菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の化膿連鎖球菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該化膿連鎖球菌を検出する方法であって、当該固相上には、検出対象の化膿連鎖球菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部とは別個に、試料中の希釈液の溶解成分に反応して化膿連鎖球菌菌体のバイオフィルムを分解する成分である硝酸を産生する特定成分が担持された担持部が設けられ、検体が希釈液で抽出された試料の当該担持部における滴下による接触により、バイオフィルムを分解する成分である硝酸が当該担持部において産生されて、試料中の化膿連鎖球菌のバイオフィルムが分解され、当該のバイオフィルムが分解された化膿連鎖球菌の成分の、引き続く当該固相における移動による検出部との接触により発生する、抗原抗体反応のシグナルの検出により検出対象化膿連鎖球菌を検出する化膿連鎖球菌の検出方法において、さらに前記希釈液、及び、前記特定成分は、下記(3)及び(4):
    (3)希釈液は酢酸又はクエン酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩であり、当該希釈液中の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.06Mを超えて0.12M未満(ただし、前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.10M以上の場合を除く)である;
    (4)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は酢酸又はクエン酸あり、当該希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.40M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下の場合、並びに、(b)前記亜硝酸塩濃度が1.20M以上、かつ、酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下の場合を除く)である;
    のいずれかの条件に従い、
    さらに、固相における特定成分の担持部の検出部側に、硝酸の中和成分が担持されていることを特徴とする、化膿連鎖球菌の検出方法。
  3. 検出対象である化膿連鎖球菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の化膿連鎖球菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該化膿連鎖球菌を検出する方法を行うための検出器具であって、当該固相上には、検出対象の化膿連鎖球菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部の上流に、試料中の希釈液に反応して化膿連鎖球菌菌体のバイオフィルムを分解する成分である硝酸を産生する特定成分が担持されている担持部が設けられ、当該固相はケース内に配置固定され、当該固相の検出部に対応する位置に当該ケースの検出窓が設けられ、当該担持部又は当該担持部の上流側に対応する位置に、希釈液にて希釈された試料を滴下して当該固相に接触させるための滴下窓が設けられている化膿連鎖球菌の検出器具において、さらに前記希釈液、及び、前記特定成分は、下記(1)及び(2):
    (1)希釈液は酢酸又はクエン酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩であり、当該希釈液中の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.04Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下又は0.12M以上の場合、並びに、(b)前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.12M以上、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.06M以下の場合を除く)である;
    (2)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は酢酸又はクエン酸であり、当該希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.4M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.16M未満(ただし、前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.14M以上の場合を除く)である;
    のいずれかの条件に従い、
    さらに、固相における特定成分の担持部の検出部側に、硝酸の中和成分が担持されていることを特徴とする、化膿連鎖球菌の検出器具。
  4. 検出対象である化膿連鎖球菌のバイオフィルムを固相上で分解し、当該バイオフィルム分解後の化膿連鎖球菌の成分に対する当該固相上における抗原抗体反応を示すシグナルにより、当該化膿連鎖球菌を検出する方法を行うための検出器具であって、当該固相上には、検出対象の化膿連鎖球菌の存在を抗原抗体反応のシグナルを介して顕すための検出部が設けられ、かつ、当該検出部の上流に、試料中の希釈液に反応して化膿連鎖球菌菌体のバイオフィルムを分解する成分である硝酸を産生する特定成分が担持されている担持部が設けられ、当該固相はケース内に配置固定され、当該固相の検出部に対応する位置に当該ケースの検出窓が設けられ、当該担持部又は当該担持部の上流側に対応する位置に、希釈液にて希釈された試料を滴下して当該固相に接触させるための滴下窓が設けられている化膿連鎖球菌の検出器具において、さらに前記希釈液、及び、前記特定成分は、下記(3)及び(4):
    (3)希釈液は酢酸又はクエン酸を含み、かつ、特定成分は亜硝酸塩であり、当該希釈液中の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の亜硝酸塩濃度は0.06Mを超えて0.12M未満(ただし、前記酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下、かつ、前記亜硝酸塩濃度が0.10M以上の場合を除く)である;
    (4)希釈液は亜硝酸塩を含み、かつ、特定成分は酢酸又はクエン酸あり、当該希釈液中の亜硝酸塩濃度は0.60Mを超えて1.40M未満、かつ、固相において担持を行うために用いられる溶液の酢酸又はクエン酸の濃度は0.06Mを超えて0.14M未満(ただし、(a)前記亜硝酸塩濃度が0.80M以下、かつ、酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下の場合、並びに、(b)前記亜硝酸塩濃度が1.20M以上、かつ、酢酸又はクエン酸の濃度が0.08M以下の場合を除く)である;
    のいずれかの条件に従い、
    さらに、固相における特定成分の担持部の検出部側に、硝酸の中和成分が担持されていることを特徴とする、化膿連鎖球菌の検出器具。
  5. (1)請求項3又は4に記載の検出器具、(2)試料と希釈液を混合して、当該混合液を当該検出器具の滴下窓に向けて滴下するための混合滴下用器具、及び、(3)検体の希釈液を含む、化膿連鎖球菌検出用キット。
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