JP6216885B2 - 電気音響変換フィルムおよびデジタルスピーカ - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルスピーカ等のデジタル音響デバイス等に用いられる電気音響変換フィルム、および、これを用いるデジタルスピーカに関する。
デジタルスピーカとは、デジタル信号(パルス)を直接入力して従来のアナログ音響出力を得るものである。これは「標本化定理」によってアナログ信号を一定の間隔で標本化し、その標本値を持つパルスをスピーカに加えてD/A変換(デジタル/アナログ変換)させるものである。
永久磁石を利用する動電型スピーカには、本質的にD/A変換機能が有り、これを利用して多くのデジタルスピーカが考えられている。
このD/A変換を行うためには、入力されるパルスの標本値の全てに対応した音響出力の値を持つことが必要である。具体的には、最大Nビットのパルスを持つ信号系に対してはスピーカとして2N-1までの出力の重み付けが必要となる。例えば、8ビット信号系であれば、最小値20(=1)から最大値27(=128)まで、重み付けした出力変化が必要となる。
この重み付けの方法としては、『マルチユニット方式』と『マルチボイスコイル方式』とが知られている。
『マルチユニット方式』とは、各ビットに対応した重み付けを持ったユニットを計n個用いて空間で音響合成させるものである。他方、『マルチボイスコイル方式』とは、ボイスコイル実行巻線長Ωにおいて重み付けを行うものである。
ところが、『マルチユニット方式』では、ビット数が増えるにしたがい、膨大な数の動電型スピーカが必要になる等の問題が有る。また、『マルチボイスコイル方式』では、ビット数が増えるにしたがい、占積率の低下に伴って磁気エネルギーの損失が大きくなる等の課題がある。
これに対して、動電型スピーカとは異なる、圧電型スピーカを用いるデジタルスピーカが提案されている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、一対の平板電極の間に圧電素子によって形成した振動板を備え、この平板電極の一方を、放射状にほぼ均等な角度で分割された複数個のユニット電極により構成し、これらユニット電極を、デジタル信号の各ビット桁の重みに比例する面積になるようにグループ化したデジタルスピーカが記載されている。
また、非特許文献1には、高分子圧電材料の表面に蒸看された電極面積が中心から外に向って2倍ずつ増えるよう同心円状に7分割してなるデジタルスピーカが示されている。
特開昭59−95796号公報 特開昭59−95799号公報
静電気学会誌(第11刊@3号 1987年)150〜157頁
特許文献1や特許文献2に記載されるデジタルスピーカで用いている、圧電セラミックスと振動板とからなるユニモルフ構造の圧電素子は、表面機械振動によって音波を発生させる。そのため、固有の共振周波数を有し、周波数帯域が狭いことから、高ビット化が難しい。また、ユニモルフ型の圧電素子を用いるデジタルスピーカでは、パルス駆動とすると残響が発生し易い。さらに、ユニモルフ型の圧電素子を用いるデジタルスピーカでは、分割された各ユニット電極間でのクロストークも発生し易いため、ノイズが増大するといった問題があった。各ユニット電極間でのクロストークとは、すなわち、各電極同士における干渉である。
これに対し、非特許文献1に記載されるデジタルスピーカは、振動板を用いていないため、表面機械振動に起因する問題は発生しない。
しかしながら、非特許文献1に記載されるデジタルスピーカで用いている一軸延伸PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電材料は、材料自身の損失正接(Tanδ)が約0.02と小さいため、パルス駆動とすると残響が発生し易く、また、各セグメント間でのクロストークも発生し易いためノイズが増大するといった問題があった。なお、各セグメント間とは、言い換えれば、分割された各電極間である。
さらに、一軸延伸PVDFの場合、圧電特性に面内異方性があるため、例えば同心円状にセグメント化したとしても、同心円状に振動することはできないため、やはり良好な音質のデジタルスピーカは得られなかった。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、パルス駆動しても残響が発生しにくく、しかも、分割された各電極間におけるクロストークも抑制できる、デジタルスピーカに好適な電気音響変換フィルムを提供することにある。
特開2014−14063号公報には、常温で粘弾性を有するマトリックス中に圧電セラミックスを分散したことを特徴とする電気音響変換フィルムが提案されている。
この電気音響変換フィルムは、弾性率に大きな周波数分散を有しており、オーディオ帯域(100Hz〜10kHz)の振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振舞うことが可能である。さらに、この電気音響変換フィルムは、20kHz以下の全ての周波数の振動に対して適度に大きい損失正接を有しており、オーディオ帯域における損失正接は0.09〜0.35と非常に大きいことが特長である。
本発明は、この電気音響変換フィルムのオーディオ帯域における損失正接が非常に大きいことに着目し、鋭意検討を重ねた結果、この電気音響変換フィルムをデジタルスピーカの振動板に用いることで、残響およびクロストークに起因するノイズの少ない高音質な圧電型のデジタルスピーカを実現するに至った。
本発明は、この電気音響変換フィルムを利用する、パルス駆動しても残響が発生しにくく、しかも、分割された各電極間におけるクロストークも抑制できる、デジタルスピーカに好適な電気音響変換フィルム、および、この電気音響変換フィルムを用いたデジタルスピーカを提供するものである。
すなわち、本発明の電気音響変換フィルムは、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に、圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、高分子複合圧電体の両面に設けられる薄膜電極とを有し、
かつ、薄膜電極の少なくとも一方は、面積が等しい複数の領域に分割されており、さらに、各領域は、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重み対応して並列結合されてグループ化されていることを特徴とする電気音響変換フィルムを提供する。
このような本発明の電気音響変換フィルムにおいて、グループ化は、並列PCMデジタル信号のビット桁の重み対応して、領域の数が2n個(nは、1ずつ増加する、0を含む自然数)ずつ増加するように行われるのが好ましい。
また、複数の領域が一方向に配列されるように、薄膜電極の分割が行われ、配列方向の中心から、順次、配列方向の両外側に向かうように、グループ化が行われるのが好ましい。
また、電極の複数に分割された領域は、中心から放射状に均等な角度で分割された複数の領域であるのが好ましい。
また、電極の分割は、中心を通過する直線によって行われ、中心に対して点対称となる2個の小領域を領域とするのが好ましい。
また、薄膜電極の両面に形成された保護層を有するのが好ましい。
また、高分子材料の動的粘弾性測定による周波数1Hzでの損失正接(Tanδ)が0.5以上となる極大値が0〜50℃の温度範囲に存在するのが好ましい。
また、電気音響変換フィルムの動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において10〜30GPa、50℃において1〜10GPaであるのが好ましい。
また、高分子材料の周波数1Hzでのガラス転移温度が0〜50℃であるのが好ましい。
また、高分子材料がシアノエチル基を有するのが好ましい。
さらに、高分子材料がシアノエチル化ポリビニルアルコールであるのが好ましい。
また、本発明のデジタルスピーカは、本発明の電気音響変換フィルムを用いるデジタルスピーカを提供する。
このような本発明の電気音響変換フィルムによれば、並列PCMデジタル信号によってパルス駆動した場合であっても、残響が殆ど発生せず、しかも、分割した電極間(セグメント間)でのクロストークも殆ど発生しない。そのため、ノイズの少ない高音質なデジタルスピーカが得られる。
また、本発明の電気音響変換フィルムによれば、フレキシブルなデジタルスピーカが可能であり、しかも、曲げた場合も、曲率や曲げる方向による音質の変化も少ない。
図1(A)および図1(B)は、本発明の電気音響変換フィルムを一例の概念図で、図1(A)は平面図、図1(B)は、図1(A)のb−b線断面図である。 図2(A)〜図2(H)は、図1(A)および図1(B)に示す電気音響変換フィルムの作用を説明するための概念図である。 図3(A)は、図1に示す電気音響変換フィルムの動的粘弾性を示すグラフ、図3(B)は、図1(A)および図1(B)に示す電気音響変換フィルムのマスターカーブである。 図4(A)〜図4(E)は、図1(A)および図1(B)に示す電気音響変換フィルムの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図5(A)〜図5(H)は、本発明の電気音響変換フィルムの別の例、および、その作用を説明するための概念図である。 図6(A)〜図6(H)は、本発明の電気音響変換フィルムの別の例、および、その作用を説明するための概念図である。 本発明の実施例で作製したスピーカの概念図である。
以下、本発明の電気音響変換フィルムおよびデジタルスピーカについて、添付の図面に示される好適例を基に、詳細に説明する。
図1(A)および図1(B)に、本発明の電気音響変換フィルムの一例を概念的に示す。以下の説明では、電気音響変換フィルムを、単に変換フィルムとも言う。
なお、図1(A)は上面図で、図1(B)は図1(A)のb−b線断面図である。また、変換フィルムの構成を明確に示すために、図1(A)においては上部保護層20を省略し、また、図1(B)においては、一部のハッチングを省略している。
図1(A)および図1(B)に示される変換フィルム10は、圧電体層12と、下部薄膜電極14と、上部薄膜電極16と、下部保護層18と、上部保護層20とを有して構成される。
下部薄膜電極14は、圧電体層12の一面に形成され、上部薄膜電極16は、圧電体層12の下部薄膜電極14と逆面に形成される。さらに、下部薄膜電極14の上(表面)には下部保護層18が形成され、上部薄膜電極16の上には上部保護層20が形成される。
また、上部電極16は、面積が等しい領域16a〜領域16gの7個の領域に分割されている。図1(A)に示す例では、領域16a〜領域16gは、一方向に配列して分割される。
さらに、上部電極16は、各領域を並列結合することで、領域をグループ化している。具体的には、領域16dは他の領域と並列結合せずに1個でグループ化し、領域16cおよび領域16eを並列結合することでグループ化し、領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gを並列結合することでグループ化している。この点に関しては、後に詳述する。
このような変換フィルム10の下部薄膜電極14および上部薄膜電極16に配線が接続され、この配線に駆動用のアンプが接続されることにより、本発明のデジタルスピーカが構成される。上部薄膜電極16においては、上部薄膜電極16の各グループ(セグメント)に配線が接続される。
なお、下部薄膜電極14および上部薄膜電極16への配線の接続は、薄膜電極に駆動用の配線を接続する公知の方法によればよい。また、駆動用のアンプも、デジタルスピーカに利用されるPCMデジタル信号を再生するための公知のアンプが、各種、利用可能である。
変換フィルム10において、圧電体層12は、高分子複合圧電体からなるものである。
本発明において、圧電体層12すなわち高分子複合圧電体は、図1(b)に示すように、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス24中に、圧電体粒子26を分散したものである。また、後述するが、好ましくは、圧電体層12は、分極処理されている。
なお、本明細書において、「常温」とは、0〜50℃程度の温度域を指す。
本発明の変換フィルム10は、フレキシブルディスプレイ用のデジタルスピーカなど、フレキシブル性を有するデジタルスピーカ等に好適に用いられる。ここで、フレキシブル性を有するデジタルスピーカに用いられる高分子複合圧電体(圧電体層12)は、次の用件を具備したものであるのが好ましい。
(i) 可撓性
例えば、携帯用として新聞や雑誌のように書類感覚で緩く撓めた状態で把持する場合、絶えず外部から、数Hz以下の比較的ゆっくりとした、大きな曲げ変形を受けることになる。この時、高分子複合圧電体が硬いと、その分大きな曲げ応力が発生し、高分子マトリックスと圧電体粒子との界面で亀裂が発生し、やがて破壊に繋がる恐れがある。従って、高分子複合圧電体には適度な柔らかさが求められる。また、歪みエネルギーを熱として外部へ拡散できれば応力を緩和することができる。従って、高分子複合圧電体の損失正接が適度に大きいことが求められる。
(ii) 音質
スピーカは、20Hz〜20kHzのオーディオ帯域の周波数で圧電体粒子を振動させ、その振動エネルギーによって振動板(高分子複合圧電体)全体が一体となって振動することで音が再生される。従って、振動エネルギーの伝達効率を高めるために高分子複合圧電体には適度な硬さが求められる。また、スピーカの周波数特性が平滑であれば、曲率の変化に伴い最低共振周波数f0が変化した際の音質の変化量も小さくなる。従って、高分子複合圧電体の損失正接は適度に大きいことが求められる。
以上をまとめると、フレキシブル性を有するスピーカに用いる高分子複合圧電体は、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振る舞うことが求められる。また、高分子複合圧電体の損失正接は、20kHz以下の全ての周波数の振動に対して、適度に大きいことが求められる。
一般に、高分子固体は粘弾性緩和機構を有しており、温度上昇あるいは周波数の低下とともに大きなスケールの分子運動が貯蔵弾性率(ヤング率)の低下(緩和)あるいは損失弾性率の極大(吸収)として観測される。その中でも、非晶質領域の分子鎖のミクロブラウン運動によって引き起こされる緩和は、主分散と呼ばれ、非常に大きな緩和現象が見られる。この主分散が起きる温度がガラス転移点(Tg)であり、最も粘弾性緩和機構が顕著に現れる。
高分子複合圧電体(圧電体層12)において、ガラス転移点が常温にある高分子材料、言い換えると、常温で粘弾性を有する高分子材料をマトリックスに用いることで、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の遅い振動に対しては柔らかく振舞う高分子複合圧電体が実現する。特に、この振舞いが好適に発現する等の点で、周波数1Hzでのガラス転移温度が常温にある高分子材料を、高分子複合圧電体のマトリックスに用いるのが好ましい。
常温で粘弾性を有する高分子材料としては、公知の各種のものが利用可能である。好ましくは、常温において、動的粘弾性試験による周波数1Hzにおける損失正接Tanδの極大値が、0.5以上有る高分子材料を用いる。
これにより、高分子複合圧電体が外力によってゆっくりと曲げられた際に、最大曲げモーメント部における高分子マトリックス/圧電体粒子界面の応力集中が緩和され、高い可撓性が期待できる。
また、高分子材料は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において100MPa以上、50℃において10MPa以下であるのが好ましい。
これにより、高分子複合圧電体が外力によってゆっくりと曲げられた際に発生する曲げモーメントが低減できると同時に、20Hz〜20kHzの音響振動に対しては硬く振る舞うことができる。
また、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以上有ると、より好適である。これにより、高分子複合圧電体に電圧を印加した際に、高分子マトリックス中の圧電体粒子にはより高い電界が掛かるため、大きな変形量が期待できる。
しかしながら、その反面、良好な耐湿性の確保等を考慮すると、高分子材料は、比誘電率が25℃において10以下であるのも、好適である。
このような条件を満たす高分子材料としては、シアノエチル化ポリビニルアルコール(シアノエチル化PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロライドコアクリロニトリル、ポリスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体、ポリビニルメチルケトン、および、ポリブチルメタクリレート等が例示される。また、これらの高分子材料としては、ハイブラー5127(クラレ社製)などの市販品も、好適に利用可能である。中でも、シアノエチル基を有する高分子材料が好ましく、シアノエチル化PVAは、より好ましく利用される。
なお、これらの高分子材料は、1種のみを用いてもよく、複数種を併用(混合)して用いてもよい。
このような常温で粘弾性を有する高分子材料を用いる粘弾性マトリックス24は、必要に応じて、複数の高分子材料を併用してもよい。
すなわち、粘弾性マトリックス24には、誘電特性や機械特性の調整等を目的として、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料に加え、必要に応じて、その他の誘電性高分子材料を添加しても良い。
添加可能な誘電性高分子材料としては、一例として、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体及びポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系高分子、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、シアノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシサッカロース、シアノエチルヒドロキシセルロース、シアノエチルヒドロキシプルラン、シアノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルアミロース、シアノエチルヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルジヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルヒドロキシプロピルアミロース、シアノエチルポリアクリルアミド、シアノエチルポリアクリレート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリヒドロキシメチレン、シアノエチルグリシドールプルラン、シアノエチルサッカロース及びシアノエチルソルビトール等のシアノ基あるいはシアノエチル基を有するポリマー、ニトリルゴムやクロロプレンゴム等の合成ゴム等が例示される。
中でも、シアノエチル基を有する高分子材料は、好適に利用される。
また、圧電体層12の粘弾性マトリックス24において、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する材料に加えて添加される誘電性ポリマーは、1種に限定はされず、複数種を添加してもよい。
また、誘電性ポリマー以外にも、ガラス転移点Tgを調整する目的で、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリブテン、イソブチレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、マイカ等の熱硬化性樹脂を添加しても良い。
更に、粘着性を向上する目的で、ロジンエステル、ロジン、テルペン、テルペンフェノール、石油樹脂等の粘着付与剤を添加しても良い。
圧電体層12の粘弾性マトリックス24において、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する材料以外のポリマーを添加する際の添加量には、特に限定は無いが、粘弾性マトリックス24に占める割合で30質量%以下とするのが好ましい。
これにより、粘弾性マトリックス24における粘弾性緩和機構を損なうことなく、添加する高分子材料の特性を発現できるため、高誘電率化、耐熱性の向上、圧電体粒子26や電極層との密着性向上等の点で好ましい結果を得ることができる。
圧電体層12において、粘弾性マトリックス24には圧電体粒子26が分散される。
圧電体粒子26は、公知の圧電体からなる粒子が、各種、利用可能であるが、ペロブスカイト型あるいはウルツ鉱型の結晶構造を有するセラミックス粒子からなるものが好ましく例示される。
圧電体粒子26を構成するセラミックス粒子としては、具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン酸鉛(PLZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化亜鉛(ZnO)、および、チタン酸バリウムとビスマスフェライト(BiFe3)との固溶体(BFBT)等が好適に例示される。
圧電体粒子26の粒径は、変換フィルム10のサイズや用途に応じて、適宜、選択すれば良い。本発明者の検討によれば、圧電体粒子26の粒径は、1〜10μmが好ましい。
圧電体粒子26の粒径を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
図1(B)においては、圧電体層12中の圧電体粒子26は、粘弾性マトリックス24中に、規則性を持って分散されているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、圧電体層12中の圧電体粒子26は、好ましくは均一に分散されていれば、粘弾性マトリックス24中に不規則に分散されていてもよい。
本発明の変換フィルム10において、圧電体層12中における粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26との量比は、変換フィルム10のサイズや厚さ、変換フィルム10の用途、変換フィルム10に要求される特性等に応じて、適宜、設定すればよい。変換フィルム10のサイズとは、変換フィルム10の面方向の大きさである。
ここで、本発明者の検討によれば、圧電体層12中における圧電体粒子26の体積分率は、30〜70%が好ましく、特に、50%以上とするのが好ましく、従って、50〜70%とするのが、より好ましい。
粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26との量比を上記範囲とすることにより、高い圧電特性とフレキシビリティとを両立できる等の点で好ましい結果を得ることができる。
また、本発明の変換フィルム10において、圧電体層12の厚さにも、特に限定はなく、変換フィルム10のサイズ、変換フィルム10の用途、変換フィルム10に要求される特性等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者の検討によれば、圧電体層12の厚さは、10μm〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、特に、30〜100μmが好ましい。
圧電体層12の厚さを、上記範囲とすることにより、剛性の確保と適度な柔軟性との両立等の点で好ましい結果を得ることができる。
なお、圧電体層12は、分極処理(ポーリング)されているのが好ましいのは、前述のとおりである。分極処理に関しては、後に詳述する。
図1(B)に示すように、本発明の変換フィルム10において、圧電体層12の一面には、下部薄膜電極14が形成され、圧電体層12の他方の面には上部薄膜電極16が形成される。さらに、下部薄膜電極14の上には下部保護層18が形成され、上部薄膜電極16の上には上部保護層20は形成される。
すなわち、変換フィルム10は、圧電体層12を下部薄膜電極14および上部薄膜電極16で挟持し、この積層体を下部保護層18および上部保護層20で挟持してなる構成を有する。
ここで、上部電極16は、一方向(図中横方向)に配列される、面積が等しい領域16a〜領域16gの7個の領域に分割されている。また、上部電極16では、中央の領域16dは他の領域とは並列結合されずに1個の領域でグループ化されており、その両側の領域16cおよび領域16eの2個の領域が並列結合されてグループ化されており、外側の領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gの4個の領域が並列結合されてグループ化されている。
以下、グループ化された領域をセグメントとも言う。また、領域16dのみのグループを第1セグメント、領域16cおよび領域16eのグループを第2セグメント、領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gのグループを第3セグメントとも言う。
他方、下部電極14は、上部電極16の全ての領域すなわちセグメントに対して共通な電極となっている。
従って、第1セグメント、第2セグメントおよび第3セグメントを構成する各領域に、個々に駆動電力を供給することで、対応する領域の圧電体層12を個々に駆動して音声を出力できる。
また、上部電極16の各セグメントを構成する領域の数は、並列PCMデジタル信号の各ビット桁に対応して、2n倍ずつ、増加する。これにより、変換フィルム10は、供給された並列PCMデジタル信号に応じてD/A変換された再生音を出力できる。
さらに、圧電体層12は、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス24中に圧電体粒子26を分散してなるものである。そのため、上部電極16の各セグメントはパルス駆動しても残響が少なく、各セグメントの振動が互いに干渉するクロストークも少ない。この点に関しては後に詳述する。
なお、図示例の変換フィルム10では、下部電極14は、領域16a〜領域16gの全領域に対応する共通電極である。すなわち、下部電極14は、3つのセグメントの全てに対応する共通電極である。
しかしながら、本発明の変換フィルムでは、下部電極14も、上部電極16の各領域もしくは各セグメントに対応して分割されていてもよい。あるいは、下部電極14は、2個のセグメントに共通な電極と、1個のセグメントに対応する電極となどに分割されてもよい。
また、上部電極は円形で下部電極は矩形等、上部電極と下部電極の平面形状は、異なっていてもよい。
以上の点に関しては、後述する図5(A)および図6(A)等に示す各変換フィルムでも、同様である。
変換フィルム10において、下部保護層18および上部保護層20は、圧電体層12に適度な剛性と機械的強度を付与するものである。
本発明の変換フィルム10において、粘弾性マトリックス24と圧電体粒子26とからなる圧電体層12は、ゆっくりとした曲げ変形に対しては、非常に優れた可撓性を示す。その反面、圧電体層12は、用途によっては、剛性や機械的強度が不足する場合がある。変換フィルム10は、合成や機械的強度を補うために、好ましい態様として、下部保護層18および上部保護層20が設けられる。
下部保護層18および上部保護層20には、特に限定はなく、各種のシート状物が利用可能である。
一例として、各種の樹脂フィルム(プラスチックフィルム)が好適に例示される。中でも、優れた機械的特性および耐熱性を有する等の理由により、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイト(PPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、および、環状オレフィン系樹脂が好適に利用される。
下部保護層18および上部保護層20の厚さにも、特に、限定は無い。また、下部保護層18および上部保護層20の厚さは、基本的に同じであるが、異なってもよい。
ここで、下部保護層18および上部保護層20の剛性が高過ぎると、圧電体層12の伸縮を拘束するばかりか、可撓性も損なわれるため、機械的強度やシート状物としての良好なハンドリング性が要求される場合を除けば、下部保護層18および上部保護層20は、薄いほど有利である。
本発明者の検討によれば、下部保護層18および上部保護層20の厚さが、圧電体層12の厚さの2倍以下であれば、剛性の確保と適度な柔軟性との両立等の点で好ましい結果を得ることができる。
例えば、圧電体層12の厚さが50μmで下部保護層18および上部保護層20がPETからなる場合、下部保護層18および上部保護層20の厚さは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、中でも25μm以下とするのが好ましい。
本発明の変換フィルム10において、圧電体層12と下部保護層18との間には下部薄膜電極14が、圧電体層12と上部保護層20との間には上部薄膜電極16が、それぞれ形成される。以下の説明では、下部薄膜電極14を下部電極14とも言う。また、以下の説明では、上部薄膜電極16を上部電極16とも言う。
下部電極14および上部電極16は、圧電体層12に電界を印加して、上部電極16の各セグメントに対応する領域の圧電体層12を伸縮させて、音声を出力させるために設けられる。
本発明において、下部電極14および上部電極16の形成材料は、特に限定はなく、各種の導電体が利用可能である。具体的には、炭素、パラジウム、鉄、錫、アルミニウム、ニッケル、白金、金、銀、銅、クロムおよびモリブデン等や、これらの合金、酸化インジウムスズ等が例示される。中でも、銅、アルミニウム、金、銀、白金、および、酸化インジウムスズのいずれかは、好適に例示される。
また、下部電極14および上部電極16の形成方法にも、特に限定はなく、真空蒸着やスパッタリング等の気相堆積法(真空成膜法)やめっきによる成膜や、上記材料で形成された箔を貼着する方法等、公知の方法が、各種、利用可能である。
中でも特に、変換フィルム10の可撓性が確保できる等の理由で、真空蒸着によって成膜された銅やアルミニウムの薄膜は、下部電極14および上部電極16として、好適に利用される。その中でも特に、真空蒸着による銅の薄膜は、好適に利用される。
下部電極14および上部電極16の厚さには、特に、限定は無い。また、下部電極14および上部電極16の厚さは、基本的に同じであるが、異なってもよい。
ここで、前述の下部保護層18および上部保護層20と同様に、下部電極14および上部電極16の剛性が高過ぎると、圧電体層12の伸縮を拘束するばかりか、可撓性も損なわれるため、下部電極14および上部電極16は、電気抵抗が高くなり過ぎない範囲であれば、薄いほど有利である。
ここで、本発明者の検討によれば、下部電極14および上部電極16の厚さとヤング率との積が、下部保護層18および上部保護層20の厚さとヤング率との積を下回れば、可撓性を大きく損なうことがないため、好適である。
例えば、下部保護層18および上部保護層20がPET(ヤング率:約6.2GPa)で、下部電極14および上部電極16が銅(ヤング率:約130GPa)からなる組み合わせの場合、下部保護層18および上部保護層20の厚さが25μmだとすると、下部電極14および上部電極16の厚さは、1.2μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、中でも0.1μm以下とするのが好ましい。
前述のように、本発明の変換フィルム10は、常温で粘弾性を有する粘弾性マトリックス24に圧電体粒子26を分散してなる圧電体層12(高分子複合圧電体)を、下部電極14および上部電極16で挟持し、さらに、この積層体を、下部保護層18および上部保護層20を挟持してなる構成を有する。
このような変換フィルム10は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの損失正接(Tanδ)が0.1以上となる極大値が常温に存在するのが好ましい。
これにより、変換フィルム10が外部から数Hz以下の比較的ゆっくりとした、大きな曲げ変形を受けたとしても、歪みエネルギーを効果的に熱として外部へ拡散できるため、高分子マトリックスと圧電体粒子との界面で亀裂が発生するのを防ぐことができる。
変換フィルム10は、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において10〜30GPa、50℃において1〜10GPaであるのが好ましい。
これにより、常温で変換フィルム10が貯蔵弾性率(E’)に大きな周波数分散を有することができる。すなわち、20Hz〜20kHzの振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振る舞うことができる。
また、変換フィルム10は、厚さと動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)との積が、0℃において1.0×106〜2.0×106(1.0E+06〜2.0E+06)N/m、50℃において1.0×105〜1.0×106(1.0E+05〜1.0E+06)N/mであるのが好ましい。
これにより、変換フィルム10が可撓性および音響特性を損なわない範囲で、適度な剛性と機械的強度を備えることができる。
さらに、変換フィルム10は、動的粘弾性測定から得られたマスターカーブにおいて、25℃、周波数1kHzにおける損失正接(Tanδ)が、0.05以上であるのが好ましい。
これにより、変換フィルム10を用いたスピーカの周波数特性が平滑になり、スピーカの曲率の変化に伴い最低共振周波数f0が変化した際の音質の変化量も小さくできる。
図1(A)に示すように、上部電極16は、一方向(図中横方向)に配列される、同じ面積の領域16a、領域16b、領域16c、領域16d、領域16e、領域16fおよび領域16gの7個の領域に分割されている。
上部電極16において、各領域は、電気的に接続しないように間隙16sを有して離間されている。各領域の間隙16sは、1mm以上とするのが好ましく、10mm以上とするのがより好ましい。各領域の間隙16sを1mm以上とすることにより、各セグメント間でのクロストークをより好適に防止できる等の点で好ましい。なお、同じセグメントを構成する領域は、接触していてもよい。なお、各領域の間隙16sは、すなわち、各セグメントの離間距離でもある。
また、各領域の間には、必要に応じて、絶縁層を設けても良い。
前述のように、上部電極16の各領域は、並列結合によって、並列PCMデジタル信号に対応するセグメントとされている。すなわち、上部電極16の各領域は、並列結合によって、並列PCMデジタル信号に対応してグループ化されている。
ここで、上部電極16で分割される領域の数は、並列PCMデジタル信号の最大ビット数Nに応じて2N−1個となり、セグメントの数は最大ビット数Nに応じたN個となる。
また、各セグメントを構成する領域の数は、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに対応して、2n倍ずつ、増加する(重み付けされる)。なお、2n倍とは、2のn乗倍であり、nは、1ずつ増加する、0を含む自然数である。
従って、最大のセグメントは、変換フィルムの最大ビット数Nに応じて、最小のセグメントに対して、領域の数を2N-1倍まで増加したセグメントとなる。言い換えれば、最大のセグメントは、変換フィルムの最大ビット数Nに応じて、最小のセグメントに対して、領域の数を2N-1倍まで重み付けを行ったセグメントとなる。
なお、各領域の面積は等しい。従って、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した各セグメントの領域の数は、すなわち、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した各セグメントの面積比となる。
図示例の変換フィルム10においては、上部電極16は、一例として、3ビットの出力に対応して、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した数となるように、各セグメントが構成される。周知のように、3ビットとは、8階調であり、8段階の音声出力強度に対応する。
すなわち、前述のように上部電極16は、面積が等しい領域16a〜領域16gの7個の領域に分割される。その上で、第1セグメントは、他と並列結合されない領域16dの1個(20個)の領域から構成される。また、第2セグメントは、並列結合された領域16cおよび領域16eの2個(21個)の領域から構成される。さらに、第3セグメントは、並列結合された領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gの4個(22個)の領域から構成される。
ここで、前述のように、各領域は、面積が等しいので、1個の領域からなる第1セグメントの面積を1とすると、2個の領域からなる第2セグメントの面積は2、4個の領域からなる第3セグメントの面積は4と、各セグメントの面積は、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した面積となる。
従って、上部電極16の第1セグメント〜第3セグメントを、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じて、各ビット桁に対応するセグメントを3ビットの2進数表現で示される8つの駆動パターンで駆動することにより、各ビット桁の重みに比例して、それぞれのセグメントから発生された音波が加算合成されて、正しくD/A変換された8階調の再生音を出力できる。
図2(A)〜図2(H)に、並列PCMデジタル信号に応じた変換フィルム10の駆動方法の一例を概念的に示す。
なお、図2(A)〜図2(H)においては、構成を明確に示すために、上部保護層20は省略し、かつ、図面を簡潔にするために、各領域間の間隙も省略する。
また、図2(A)〜図2(H)においては、駆動する領域すなわち駆動するセグメントに網を掛けている。
並列PCMデジタル信号が『0』の場合には、図2(A)に示すように、第1セグメント〜第3セグメントの各領域を1個も駆動しない(0+0+0=0)。
並列PCMデジタル信号が『1』の場合には、図2(B)に示すように、第1セグメントすなわち領域16dを駆動する(0+0+20=1)。
並列PCMデジタル信号が『2』の場合には、図2(C)に示すように、第2セグメントすなわち領域16cおよび領域16eを駆動する(0+21+0=2)。
並列PCMデジタル信号が『3』の場合には、図2(D)に示すように、第1セグメントすなわち領域16d、ならびに、第2セグメントすなわち領域16cおよび領域16eを駆動する(0+21+20=3)。
並列PCMデジタル信号が『4』の場合には、図2(E)に示すように、第3セグメントすなわち領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gを駆動する(22+0+0=4)。
並列PCMデジタル信号が『5』の場合には、図2(F)に示すように、第1セグメントすなわち領域16d、ならびに、第3セグメントすなわち領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gを駆動する(22+0+20=5)。
並列PCMデジタル信号が『6』の場合には、図2(G)に示すように、第2セグメントすなわち領域16cおよび領域16e、ならびに、第3セグメントすなわち領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gを駆動する(22+21+0=6)。
さらに、並列PCMデジタル信号が『7』の場合には、図2(H)に示すように、第1セグメントすなわち領域16d、第2セグメントすなわち領域16cおよび領域16e、ならびに、第3セグメントcなわち領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gの全て駆動する(22+21+20=7)。
これにより、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じた、0〜7までの8階調の強度のD/A変換した音声出力が可能になる。
ここで、前述のように、本発明の変換フィルム10は、圧電体層12として、常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス24中に圧電体粒子26を分散してなる高分子複合圧電体を用いている。
前述のように、この変換フィルム10は、弾性率に大きな周波数分散を有しており、常温において、オーディオ帯域(100Hz〜10kHz)の振動に対しては硬く、数Hz以下の振動に対しては柔らかく振舞う。さらに、この変換フィルム10は、常温において、20kHz以下の全ての周波数の振動に対して適度に大きい損失正接を有しており、オーディオ帯域における損失正接は0.09〜0.35と非常に大きい。
そのため、変換フィルム10を振動板として用いるデジタルスピーカは、広い周波数帯域で高音質な再生を行うことができ、また、並列PCMデジタル信号を再生した場合でも、各セグメント間における振動の干渉が非常に少ない。
さらに、変換フィルム10は、並列PCMデジタル信号のonに応じて即座に音声出力が立ち上がり、offに応じて直ちに音声出力が止まる。すなわち、変換フィルム10は残響が非常に少ない。
そのため、本発明の変換フィルム10(デジタルスピーカ)によれば、それぞれのセグメントで、好適に並列PCMデジタル信号を再生することができる。
さらに、本発明の変換フィルム10によれば、フレキシブルなデジタルスピーカが可能であり、しかも、曲げた場合も、曲率や曲げる方向による音質の変化も少ない。
図3(A)に、変換フィルム10の試験片を作製し、動的粘弾性の温度依存性を測定した結果を示す。また、図3(B)に、この動的粘弾性測定から得られた,基準温度25℃でのマスターカーブを示す。
マスターカーブとは、一定温度における粘弾性特性の周波数分散を示すものである。一般に、動的粘弾性測定結果における周波数と温度の間には、「時間−温度換算則」に基づく一定の関係がある。例えば、温度の変化を周波数の変化に換算し、一定温度における粘弾性特性の周波数分散を調べることができる。この時に作成されるカーブを、マスターカーブと呼ぶ。実際のオーディオ帯域、例えば1kHzでの粘弾性測定は現実的ではないため、オーディオ帯域における材料の貯蔵弾性率E’や損失正接Tanδを把握する上で、マスターカーブは有効である。
なお、図3(A)および図3(B)に示すグラフは、後に詳述する実施例に記載の方法で作製した変換フィルムの試験片を用いて、下記の試験を行って測定したものである。
[動的粘弾性試験]
作製した変換フィルムから、1cm×4cmの短冊状試験片を作製した。
この試験片の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’(GPa)および損失正接Tanδ)を、動的粘弾性試験機(SIIナノテクノロジー DMS6100粘弾性スペクトロメーター)を使用して測定した。測定条件を以下に示す。
測定温度範囲:−20℃〜100℃
昇温速度:2℃/分
測定周波数:0.1Hz、0.2Hz、0.5Hz、1.0Hz、2.0Hz、5.0Hz、10Hz、20Hz
測定モード:引っ張り測定
本発明の変換フィルム10は、セグメント間に信号が印加されない領域を有する。セグメント間の信号が印加されない領域とは、すなわち間隙16sであり、各セグメントを分離する分離領域である。
この分離領域は、常に、周波数0Hzにおけるレオロジー特性を示す。ここで、図3(B)に示すように、変換フィルム10は、周波数が0Hz近辺では損失正接(損失正接Tanδ)が大きく、また、貯蔵弾性率E’が小さいため音速が小さくなる。そのため、この分離領域において各セグメントからの振動を打ち消すことができ、一方のセグメントの振動が他方のセグメントに伝搬することを防止できる。従って、各セグメントに互いに異なる信号を入力して再生した場合でも、各セグメントの振動が互いに干渉することなく、それぞれの領域で好適に音響信号を再生することができる。
また、電圧の印加によって即座に振動を開始し、かつ、駆動を停止した場合には、振動が即座に停止する。すなわち、残響が少ない。
以下、図4(A)〜図4(E)の概念図を参照して、変換フィルム10の製造方法の一例を説明する。
まず、図4(A)に示すように、下部保護層18の上に下部電極14が形成されたシート状物10aを準備する。
このシート状物10aは、下部保護層18の表面に、真空蒸着、スパッタリング、めっき等によって下部電極14となる銅薄膜等を形成して作製すればよい。あるいは、シート状物10aは、下部保護層18の上に銅薄膜等が形成された、市販品を利用してもよい。
一方で、有機溶媒に、シアノエチル化PVA等の常温で粘弾性を有する高分子材料を溶解し、さらに、PZT粒子等の圧電体粒子26を添加し、攪拌して分散してなる塗料を調製する。以下の説明では、常温で粘弾性を有する高分子材料を、粘弾性材料とも言う。
有機溶媒には、特に限定はなく、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の各種の有機溶媒が利用可能である。
シート状物10aを準備し、かつ、前述の塗料を調製したら、この塗料をシート状物10aにキャスティング(塗布)して、有機溶媒を蒸発して乾燥する。これにより、図4(B)に示すように、下部保護層18の上に下部電極14を有し、下部電極14の上に圧電体層12を形成してなる積層体10bを作製する。
この塗料のキャスティング方法には、特に、限定はなく、スライドコータやドクターナイフ等の公知の塗布方法(塗布装置)が、全て、利用可能である。
あるいは、粘弾性材料がシアノエチル化PVAのように加熱溶融可能な物であれば、以下の方法も利用可能である。まず、粘弾性材料を加熱溶融して、これに圧電体粒子26を添加/分散してなる溶融物を作製する。この溶融物を、押し出し成形等によって、図4(A)に示すシート状物の上にシート状に押し出し、冷却する。これにより、図4(B)に示すような、下部保護層18の上に下部電極14を有し、下部電極14の上に圧電体層12を形成してなる積層体10bを作製してもよい。
なお、前述のように、本発明の変換フィルム10において、粘弾性マトリックス24には、シアノエチル化PVA等の粘弾性材料以外にも、PVDF等の高分子圧電材料を添加しても良い。
粘弾性マトリックス24に、これらの高分子圧電材料を添加する際には、前述の塗料に添加する高分子圧電材料を溶解すればよい。あるいは、前述の加熱溶融した粘弾性材料に、添加する高分子圧電材料を添加して加熱溶融すればよい。
下部保護層18の上に下部電極14を有し、下部電極14の上に圧電体層12を形成してなる積層体10bを作製したら、好ましくは、圧電体層12の分極処理(ポーリング)を行う。
圧電体層12の分極処理の方法には、特に限定はなく、公知の方法が利用可能である。好ましい分極処理の方法として、図4(C)および図4(D)に示す方法が例示される。
この方法では、図4(C)および図4(D)に示すように、積層体10bの圧電体層12の上面12aの上に、間隔gを例えば1mm開けて、この上面12aに沿って移動可能な棒状あるいはワイヤー状のコロナ電極50を設ける。そして、このコロナ電極50と下部電極14とを直流電源52に接続する。
さらに、積層体10bを加熱保持する加熱手段、例えば、ホットプレートを用意する。
その上で、圧電体層12を、加熱手段によって、例えば、温度100℃に加熱保持した状態で、直流電源52から下部電極14とコロナ電極50との間に、数kV、例えば、6kVの直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせる。さらに、間隔gを維持した状態で、圧電体層12の上面12aに沿って、コロナ電極50を移動(走査)して、圧電体層12の分極処理を行う。
このようなコロナ放電を利用する分極処理において、コロナ電極50の移動は、公知の棒状物の移動手段を用いればよい。以下の説明では、コロナ放電を利用する分極処理を、コロナポーリング処理とも言う。
また、コロナポーリング処理では、コロナ電極50を移動する方法にも、限定はされない。すなわち、コロナ電極50を固定し、積層体10bを移動させる移動機構を設け、この積層体10bを移動させて分極処理をしてもよい。この積層体10bの移動も、公知のシート状物の移動手段を用いればよい。
さらに、コロナ電極50の数は、1本に限定はされず、複数本のコロナ電極50を用いて、コロナポーリング処理を行ってもよい。
また、分極処理は、コロナポーリング処理に限定はされず、分極処理を行う対象に、直接、直流電界を印加する、通常の電界ポーリングも利用可能である。但し、この通常の電界ポーリングを行う場合には、分極処理の前に、上部電極16を形成する必要が有る。
なお、この分極処理の前に、圧電体層12の表面を加熱ローラ等を用いて平滑化する、カレンダー処理を施してもよい。このカレンダー処理を施すことで、後述する熱圧着工程がスムーズに行える。
一方で、上部保護層20の上部電極16が形成されたシート状物10cを、準備する。
このシート状物10cは、例えば、上部保護層20の表面にマスキング等を行って、前述のシート状物10aと同様に真空蒸着などによって銅薄膜等を形成して、各領域に分割した上部電極16とすればよい。あるいは、シート状物10aと同じものを、上部電極16の形成材料に応じて加工することで、各領域に分割した上部電極16としてもよい。あるいは、圧電体層12の表面にスクリーン印刷によって銀ペースト等を形成することにより、各セグメントに分割した上部電極16を作製してもよい。
このシート状物10cを、図4(E)に示すように、上部電極16を圧電体層12に向けて、圧電体層12の分極処理を終了した積層体10bに積層する。
さらに、この積層体10bとシート状物10cとの積層体を、下部保護層18および上部保護層20を挟持するようにして、加熱プレス装置や加熱ローラ対等を用いて熱圧着して、図1(A)および図1(B)に示すような、本発明の変換フィルム10を完成する。
図1(A)および図1(B)、ならびに、図2(A)〜図2(H)に示す変換フィルム10では、一方向に配列された中心から、順次、配列方向の両外側に向かうように、並列PCMデジタル信号のビット桁の重みに対応したセグメントを構成している。
変換フィルム10は、これ以外にも、各種の領域の組み合わせでセグメントを構成してもよい。すなわち、変換フィルム10は、これ以外にも、各種の領域の組み合わせでグループ化を行ってもよい。
例えば、領域16aを第1セグメントとし、領域16bおよび領域16cを並列結合によってグループ化して第2セグメントとし、領域16d〜領域16gを並列結合によってグループ化して第3セグメントとしてもよい。
しかしながら、図1(B)等に示す変換フィルム10のように、中央から両外方向に向かって、順次、重み付けを行ったセグメントを構成する方が、音の偏在が無く、より自然な音声出力が可能であり、好ましい。
図1(A)および図1(B)に示す変換フィルム10は、矩形の平面形状を有する変換フィルム10の上部電極16を、一方向に配列された領域に分割したものである。
本発明の変換フィルムは、これ以外にも、上部電極(および/または下部電極)を、同じ面積で、かつ、並列PCMデジタル信号の最大ビット数Nに応じた2N−1個の領域に分割できるものでれば、各種の構成が利用可能である。
図5(A)〜図5(H)に、本発明の変換フィルムの別の例を概念的に示す。なお、図5(A)〜図5(H)は、図1(B)や図2(A)〜図2(H)と同様の上面図である。
図5(A)〜図5(H)においても、構成を明確に示すために、上部保護層20は省略し、かつ、図面を簡潔にするために、各領域の間隙も省略する。
また、図5(A)等に示す変換フィルム30も、圧電体層12を下部電極14および上部電極32で挟持し、この積層体を下部保護層18および上部保護層20で挟持してなる構成を有するのは、図1(A)および図1(B)に示す変換フィルム10と同じである。さらに、下部電極14は、分割された上部電極32の各領域に共通の共通電極である。
以上の点に関しては、後述する図6(A)〜図6(H)に示す各変換フィルムでも、同様である。
なお、変換フィルム30は、円形の平面形状を有するのに限定はされず、矩形の平面形状を有する変換フィルムに、円形の上部電極32を形成してもよい。あるいは、逆に、円形の変換フィルムに、矩形の上部電極を形成してもよい。
この点に関しても、後述する図6(A)〜図6(H)に示す各変換フィルムでも、同様である。
図5(A)等に示す変換フィルム30において、上部電極32は円形であり、中心から放射状に略均等な角度で分割されることで、ほぼ同じ面積の7個の領域32a〜領域32gに分割されている。
変換フィルム30においても、各領域は、並列結合によって、3ビット(8階調)の出力に対応して、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した数の領域からなるセグメントとされる。すなわち、変換フィルム30においても、各領域は、並列結合によって、3ビットの出力に対応して、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した数にグループ化される。
具体的には、領域32aは他の領域とは並列結合されずに1個で第1セグメントとされる。領域32dおよび領域32fが、並列結合されて第2セグメントとされる。さらに、領域32b、領域32c、領域32eおよび領域32gが、並列結合されて第3セグメントとされる。すなわち、第1セグメントは1個の領域(20)で構成され、第2セグメントは2個の領域(21)で構成され、第3セグメントは4個の領域(22)で構成される。
従って、各ビット桁に対応するセグメントを、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じた8つの駆動パターンで駆動することにより、正しくD/A変換された8階調の再生音を出力できる。
すなわち、並列PCMデジタル信号が『0』の場合には、図5(A)に示すように、第1セグメント〜第3セグメントcを1個も駆動しない(0+0+0=0)。
並列PCMデジタル信号が『1』の場合には、図5(B)に示すように、第1セグメントすなわち領域32aのみを駆動する(0+0+20=1)。
並列PCMデジタル信号が『2』の場合には、図5(C)に示すように、第2セグメントすなわち領域32dおよび領域32fを駆動する(0+21+0=2)。
並列PCMデジタル信号が『3』の場合には、図5(D)に示すように、第1セグメントすなわち領域32a、ならびに、第2セグメントすなわち領域32dおよび領域32fを駆動する(0+21+20=3)。
並列PCMデジタル信号が『4』の場合には、図5(E)に示すように、第3セグメントすなわち領域32b、領域32c、領域32eおよび領域32gを駆動する(22+0+0=4)。
並列PCMデジタル信号が『5』の場合には、図5(F)に示すように、第1セグメントすなわち領域32a、ならびに、第3セグメントすなわち領域32b、領域32c、領域32eおよび領域32gを駆動する(22+0+20=5)。
並列PCMデジタル信号が『6』の場合には、図5(G)に示すように、第2セグメントすなわち領域32dおよび領域32f、ならびに、第3セグメントすなわち領域32b、領域32c、領域32eおよび領域32gを駆動する(22+21+0=6)。
さらに、並列PCMデジタル信号が『7』の場合には、図5(H)に示すように、第1セグメントすなわち領域32a、第2セグメントすなわち領域32dおよび領域32f、ならびに、第3セグメントすなわち領域32b、領域32c、領域32eおよび領域32gを全て駆動する(22+21+20=7)。
これにより、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じた、0〜7までの8階調の強度のD/A変換した音声出力が可能になる。
図6(A)〜図6(H)に、本発明の変換フィルムの別の例を概念的に示す。なお、図6(A)〜図6(H)も、図1(B)や図2(A)〜図2(H)と同様の上面図である。
図6(A)等に示す変換フィルム36においても、上部電極38は円形である。この円形の上部電極38も、円の中心から放射状に扇状に分割されている。ここで、上部電極38は、円の中心を通過する直線で14個の扇状の小領域に分割されるものであり、円の中心に対して点対称となる2個の小領域から、1個の領域が形成される。
変換フィルム36においても、各領域は、並列結合によって、3ビット(8階調)の出力に対応して、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した数の領域からなるセグメントとされる。すなわち、変換フィルム36においても、各領域は、並列結合によって、3ビットの出力に対応して、3ビット桁の並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例した数にグループ化される。
具体的には、領域38aは他の領域とは並列結合されずに1個で第1セグメントとされる。領域38cおよび領域38fが、並列結合によって第2セグメントとされる。さらに、領域38b、領域38d、領域38eおよび領域38gが、並列結合によって第3セグメントとされる。すなわち、第1セグメントは1個の領域(20)で構成され、第2セグメントは2個の領域(21)で構成され、第3セグメントは4個の領域(22)で構成される。
従って、各ビット桁に対応するセグメントを、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じた8つの駆動パターンで駆動することにより、正しくD/A変換された8階調の再生音を出力できる。
すなわち、並列PCMデジタル信号が『0』の場合には、図6(A)に示すように、第1セグメント〜第3セグメントを1個も駆動しない(0+0+0=0)。
並列PCMデジタル信号が『1』の場合には、図6(B)に示すように、第1セグメントすなわち領域38aのみを駆動する(0+0+20=1)。
並列PCMデジタル信号が『2』の場合には、図6(C)に示すように、第2セグメントすなわち領域38cおよび領域38fを駆動する(0+21+0=2)。
並列PCMデジタル信号が『3』の場合には、図6(D)に示すように、第1セグメントすなわち領域38a、ならびに、第2セグメントすなわち領域38cおよび領域38fを駆動する(0+21+20=3)。
並列PCMデジタル信号が『4』の場合には、図6(E)に示すように、第3セグメントすなわち領域38b、領域38d、領域38eおよび領域38gを駆動する(22+0+0=4)。
並列PCMデジタル信号が『5』の場合には、図6(F)に示すように、第1セグメントすなわち領域38a、ならびに、第3セグメントすなわち領域38b、領域38d、領域38eおよび領域38gを駆動する(22+0+20=5)。
並列PCMデジタル信号が『6』の場合には、図6(G)に示すように、第2セグメントすなわち領域38cおよび領域38f、ならびに、第3セグメントすなわち領域38b、領域38d、領域38eおよび領域38gを駆動する(22+21+0=6)。
さらに、並列PCMデジタル信号が『7』の場合には、図6(H)に示すように、第1セグメントすなわち領域38a、第2セグメントすなわち領域38cおよび領域38f、ならびに、第3セグメントすなわち領域38b、領域38d、領域38eおよび領域38gを全て駆動する(22+21+20=7)。
これにより、3ビットの並列PCMデジタル信号に応じた、0〜7までの8階調の強度のD/A変換した音声出力が可能になる。
図5(A)等に示す変換フィルム30も、上部電極32の各セグメントが偏在するため、音が偏在して聞こえてしまう可能性が有る。
これに対し、図6(A)等に示す変換フィルム36は、上部電極38の各領域が、中心に対して点対称な2個の小領域で形成されるので、音の偏在が無く、より自然な音声出力が可能である。
なお、本発明の変換フィルム(デジタルスピーカ)は、図示例のような3ビット8階調の出力に限定はされない。すなわち、最大ビット数Nに対応して上部電極(および/または下部電極)を2N−1個の領域に分割し、並列接続によってグループ化する領域の数をビット桁に応じて2n倍ずつ増加させれば、各種のビット数の出力に対応可能である。
例えば、8ビットであれば、上部電極を255個(28−1個)の領域に分割し、数が2n個ずつ、増加するように領域を並列結合してグループ化し、8個のセグメントを形成すれば、8ビット桁の併設PCMデジタル信号を再現できる。
従って、この場合、領域の数が最大のセグメントは、領域の数が最小のセグメントに対して、領域の数が28-1倍の数となる。言い換えると、この場合、領域の数が最大のセグメントは、並列PCMデジタル信号1を表現するセグメントに対して、領域の数が28-1倍の数となる。
以上の例は、本発明の変換フィルムにおいて、各領域に入力する信号強度すなわち駆動電圧を同じとし、複数の領域を並列結合してグループ化することで、面積によって各ビット桁に応じた重み付けを行っている。しかしながら、本発明の変換フィルムでは、各領域に供給する駆動電圧は、必ずしも、同じでなくても構わない。
すなわち、各領域毎の駆動電圧にも重み付けを行うことで、面積による重み付けを補完、あるいは、拡張することで、限られた領域数でも高階調の音声出力が可能である。
あるいは、面積による重み付けを行わずに、各セグメント(領域)に印加する電圧を、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例して2nずつ増加することで、並列PCMデジタル信号に応じてD/A変換した音声出力を行ってもよい。なお、各セグメントに印加する電圧は、パルス波の電圧である。
すなわち、上部電極および/または下部電極を、同面積の複数の領域に分割して、並列PCMデジタル信号に応じてD/A変換した音声出力を行う本発明の変換フィルムでは、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例する重み付けを、領域の数すなわち各セグメントの面積で行ってもよく、各領域すなわち各セグメントに供給する電圧で行ってもよい。
並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重みに比例する重み付けを、各セグメントに供給する電圧で行う場合には、1つの領域が1つのセグメントとなり、セグメントの数は最大ビット数Nとなる。
例えば、図1(A)および図1(B)に示す変換フィルム10であれば、上部電極16は、領域16a〜領域16gの7つの領域に分割されているので、7ビットの並列PCMデジタル信号に応じた、0〜127までの128階調の強度のD/A変換した音声出力が可能になる。
一例として、領域16aを1ビット桁として1V(20)の電圧を、領域16bを2ビット桁として2V(21)の電圧を、領域16cを3ビット桁として4V(22)の電圧を、領域16dを4ビット桁として8V(23)の電圧を、……領域16gを7ビット桁として64V(26)の電圧を、それぞれ供給するように設定する。
その上で、例えば、並列PCMデジタル信号が『5』の場合には領域16aと領域16dとを駆動し、並列PCMデジタル信号が『10』の場合には領域16bと領域16dとを駆動し、並列PCMデジタル信号が『65』の場合には領域16aと領域16gを駆動することにより、7ビットの並列PCMデジタル信号に対応する、128階調のD/A変換した音声出力を行ってもよい。
以上、本発明の電気音響変換フィルムおよびデジタルスピーカについて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明についてより詳細に説明する。
[実施例1]
図4(A)〜図4(E)に示す方法によって、図1(A)および図1(B)に示す本発明の変換フィルム10を作製した。
まず、下記の組成比で、シアノエチル化PVA(CR−V 信越化学工業社製)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。その後、この溶液に、PZT粒子を下記の組成比で添加して、プロペラミキサー(回転数2000rpm)で分散させて、圧電体層12を形成するための塗料を調製した。
・PZT粒子・・・・・・・・・・・300質量部
・シアノエチル化PVA・・・・・・・30質量部
・DMF・・・・・・・・・・・・・・70質量部
なお、PZT粒子は、市販のPZT原料粉を1000〜1200℃で焼結した後、これを平均粒径5μmになるように解砕および分級処理したものを用いた。
一方、厚さ4μmのPETフィルムに、厚さ0.1μmの銅薄膜を真空蒸着してなるシート状物10aおよび10cを用意した。すなわち、本例においては、下部電極14および上部電極16は、厚さ0.1mの銅蒸着薄膜であり、下部保護層18および上部保護層20は厚さ4μmのPETフィルムとなる。
シート状物10aおよびシート状物10cの大きさは、スピーカに組み込んだ際の振動面の大きさが、210×300mm(A4サイズ)となる大きさとした。
なお、シート状物10cは、マスク蒸着法によって、図1(A)に示すような、一方向に配列された同じ面積の7個の領域16a〜領域16gに分割した上部電極16を形成している。各領域の間隙16sは5mmとした。
また、領域16aは他の領域と並列結合せずに第1セグメントとし、領域16cおよび領域16eを並列結合して第2セグメントとし、領域16a、領域16b、領域16fおよび領域16gを並列結合して第3セグメントとした。
シート状物10aの下部電極14(銅蒸着薄膜)の上に、スライドコータを用いて、先に調製した圧電体層12を形成するための塗料を塗布した。なお、塗料は、乾燥後の塗膜の膜厚が40μmになるように、塗布した。
次いで、シート状物10aの上に塗料を塗布した物を、120℃のホットプレート上で加熱乾燥することでDMFを蒸発させた。これにより、PET製の下部保護層18の上に銅製の下部電極14を有し、その上に、厚さが40μmの圧電体層12を形成してなる積層体46bを作製した。
この積層体46bの圧電体層12を、図4(C)および図4(D)に示す前述のコロナポーリングによって、分極処理した。なお、分極処理は、圧電体層12の温度を100℃として、下部電極14とコロナ電極50との間に6kVの直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせて、行った。
分極処理を行った積層体46bの上に、上部電極16(銅薄膜側)を圧電体層12に向けて、各領域に分割した上部電極16を形成したシート状物10cを積層した。
次いで、積層体46bとシート状物46cとの積層体を、ラミネータ装置を用いて120℃で熱圧着することで、圧電体層12と下部電極14および上部電極16とを接着して、変換フィルム10を作製した。
図7に示すような、一面が開放する矩形の箱型のケース56を用意した。ケース56はプラスチック製で、開口部の大きさが200×290mm、深さ9mmのものである。
変換フィルム10の粘弾性支持体として、ケース56に、組立前の高さ25mm、密度32kg/m3のグラスウール58を収容した。
変換フィルム10をケース82の開口部を覆うように配置して周辺を枠体60で固定し、粘弾性支持体84により変換フィルム10に適度な張力と曲率を付与して、図8に示すようなスピーカを作製した。
[スピーカ性能試験]
作製したスピーカの第1セグメントa、第2セグメントbおよび第3セグメントcに、3ビットの並列PCMデジタル信号を入力し、官能評価によって音質を評価した。
評価は、20人による官能評価で行い、音の明瞭性や階調性が良いと評価した人数が18人以上の場合を評価Aとし、16人以上、18人未満の場合を評価Bとし、16未満の場合を評価Cとした。
評価はAであった。
[実施例2]
下記の組成比で、ポリ酢酸ビニル(アルドリッチ社製)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。その後、この溶液に、PZT粒子を下記の組成比で添加して、プロペラミキサー(回転数2000rpm)で分散させて、圧電体層12を形成するための塗料を調製した。
・PZT粒子・・・・・・・・・・・200質量部
・ポリ酢酸ビニル・・・・・・・20質量部
・DMF・・・・・・・・・・・・・・80質量部
PZT粒子は、実施例1と同様に作製した。
この塗料を用いて圧電体層12を形成した以外は、実施例1と同様にして、変換フィルム10を作製した。
実施例1と同様のスピーカを作製して、実施例1と同様の評価を行った。その結果、評価はBであった。
[比較例1]
市販の厚さ50μmのPVDFをスピーカ用振動板として用いて、上部電極、下部電極をそれぞれ、真空蒸着にて実施例1と同様の位置に形成し、変換フィルムを作製した。
実施例1と同様のスピーカを作製して、実施例1と同様の評価を行った。その結果、評価はCであった。
実施例1の結果から、本発明の変換フィルム10は、残響が無く、かつ、各セグメント間のクロストーク(干渉)もなく、好適に並列PCMデジタル信号を再生できることが分かる。
また、圧電体層12を形成する高分子材料として、シアノエチル化PVAに変えてポリ酢酸ビニルを用いた実施例2は、高分子材料の室温(25℃)における比誘電率が実施例1よりも低いため、エネルギー変換効率が低く、音量は劣るものの、音の明瞭性や階調性は、比較例よりも優れている。なお、高分子材料の室温における比誘電率は、実施例1は約20、実施例2は約3である。
一方、PVDFをスピーカ用振動板として用いた比較例1の変換フィルムは、並列PCMデジタル信号を入力すると、残響やクロストークが発生して、高品位に並列PCMデジタル信号を再生することができなかった。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
10,30,36 (電気音響)変換フィルム
12 圧電体層体
14 下部(薄膜)電極
16,32,38,42 上部(薄膜)電極
16a〜16g,32a〜32g,38a〜38g 領域
16s 間隙
50 コロナ電極
52 直流電源
56 ケース
58 グラスウール
60 枠体

Claims (12)

  1. 常温で粘弾性を有する高分子材料からなる粘弾性マトリックス中に、圧電体粒子を分散してなる高分子複合圧電体と、前記高分子複合圧電体の両面に設けられる薄膜電極とを有し、
    かつ、前記薄膜電極の少なくとも一方は、面積が等しい複数の領域に分割されており、さらに、各領域は、並列PCMデジタル信号の各ビット桁の重み対応して並列結合されてグループ化されており、
    さらに、0〜50℃における100Hz〜10kHzでの損失正接(Tanδ)が0.09〜0.35であることを特徴とする電気音響変換フィルム。
  2. 前記グループ化は、並列PCMデジタル信号のビット桁の重み対応して、領域の数が2個(nは、1ずつ増加する、0を含む自然数)ずつ増加するように行われる請求項1に記載の電気音響変換フィルム。
  3. 前記複数の領域が一方向に配列されるように、前記薄膜電極の分割が行われ、前記配列方向の中心から、順次、前記配列方向の両外側に向かうように、前記グループ化が行われる請求項1または2に記載の電気音響変換フィルム。
  4. 前記電極の複数に分割された領域は、中心から放射状に均等な角度で分割された複数の領域である請求項1または2に記載の電気音響変換フィルム。
  5. 前記電極の分割は、前記中心を通過する直線によって行われ、前記中心に対して点対称となる2個の小領域を前記領域とする請求項4に記載の電気音響変換フィルム。
  6. 前記薄膜電極の両面に形成された保護層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルム。
  7. 前記高分子材料の動的粘弾性測定による周波数1Hzでの損失正接(Tanδ)が0.5以上となる極大値が0〜50℃の温度範囲に存在する請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルム。
  8. 前記電気音響変換フィルムの動的粘弾性測定による周波数1Hzでの貯蔵弾性率(E’)が、0℃において10〜30GPa、50℃において1〜10GPaである請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルム。
  9. 前記高分子材料の周波数1Hzでのガラス転移温度が0〜50℃である請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルム。
  10. 前記高分子材料がシアノエチル基を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルム。
  11. 前記高分子材料がシアノエチル化ポリビニルアルコールである請求項10に記載の電気音響変換フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気音響変換フィルムを用いるデジタルスピーカ。
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