JP6216823B2 - 抗ウイルス剤及び抗ウイルス用食品 - Google Patents
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Description
ウイルスは、一般に約0.02〜0.3μmの大きさからなる微小な寄生体であって、主にタンパク質の殻(カプシド)と、その殻内部にある核酸(RNA又はDNA)から構成されている。
ウイルスは、その複製については完全に細胞に依存しており、まず宿主細胞に吸着して細胞内に侵入する。そして、細胞内でDNAやRNAを放出(脱殻)して複製されるが、その過程では特異的酵素を必要とする。ウイルスに感染した宿主細胞は、正常に機能できなくなって通常は死滅し、その宿主細胞から新しいウイルスが放出されて他の宿主細胞へさらに感染する。
ウイルスは、ゲノムとしてDNAを有するDNAウイルスと、RNAを有するRNAウイルスとに大別され、RNAウイルスの中には、代表的なウイルスとして呼吸器疾患を引き起こすインフルエンザウイルスや、消化器疾患を引き起こすロタウイルス及びノロウイルスが知られている。
インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に属し、核タンパクの抗原性の違いによってA型、B型及びC型に分類されている。その中で、A型とB型のウイルス表面にある糖タンパク質は変異が大きく、インフルエンザの種類が多い要因となっている。特に、A型インフルエンザウイルスは、抗原性が変異しやすいため、毎年インフルエンザウイルス感染を大流行させている。
またインフルエンザの治療剤としては、例えば、ウイルスの脱殻過程において細胞内でRNAを放出する際に必要なM2蛋白を阻害することで、ウイルス増殖を抑制するアマンタジン(商品名:シンメトレル)が用いられている。また、ウイルスの放出過程において感染した宿主細胞からのウイルス放出に必要なノイラミニダーゼを阻害することで、ウイルス増殖を抑制するオセルタミビル(商品名:タミフル)やザナミビル(商品名:リレンザ)が用いられている。
また、インフルエンザ治療剤については、その有効性が認知されている一方で、副作用や耐性株の出現等の問題がある。またアマンタジンでは、A型ウイルスのM2蛋白を阻害する効果があるがB型ウイルスの蛋白には結合できず効果がない等、同じ活性成分でもウイルスの型によって効果が異なる(非特許文献1参照)。
インフルエンザは、現代においてもその強烈な伝播力によって大きな流行を繰り返す伝染病であって、社会に莫大な被害を及ぼしている。インフルエンザウイルスに有効で安全性の高い薬剤は少ないうえに、耐性ウイルスの出現なども問題視されているため、新規メカニズムの抗インフルエンザウイルス剤の開発が強く望まれているところである。
わが国では、ロタウイルス胃腸炎による年間の患者数は約80万人、入院者数は約7〜8万人に及ぶと推計されており、毎年数名の死亡者が報告されている。ロタウイルスは感染力が非常に強く、衛生環境の整った先進国であっても、概ね5歳までにほぼ100%のヒトがロタウイルスに一度は感染すると考えられている。アメリカ合衆国では年間約50万人以上が主に下痢症状で受診し、特に小児は重篤な下痢を起こし易く、罹患患者の約10%は入院すると言われている。地域差があると考えられるが、全世界で毎年約70万人程度が亡くなっていると考えられている。
先進国の疫学調査によると、衛生状態の改善ではロタウイルスの有病率を減少させることはできないとされている。また、ロタウイルスに対するワクチンが一応開発されているものの、ワクチンの無効な型や組み替え体が存在するため、それらの対策が求められている。そこで、新規メカニズムのロタウイルス治療剤の開発が期待されている。
ノロウイルス感染症は近年増加傾向にあり、ノロウイルスは変異を繰り返して、ヒトからヒトへ感染するよう変異することがあり、新型のノロウイルスに対する抗体をもたないために大流行することが多い。しかしながら、ノロウイルスに対するワクチンは、一部有効性が認められるものもあるがまだ開発途上にあって、ノロウイルスワクチンの開発や、新規メカニズムのノロウイルス治療剤の開発が期待されている。
野生スイカの代表的なものとして、アフリカ・カラハリ砂漠に自生するボツワナ原産のスイカが知られており、日本国内の比較的温和な環境に適応したスイカとは異なって、厳しい砂漠環境を生き抜くための環境ストレス耐性能力を有している(非特許文献2参照)。
野生スイカは、シトルリンを高濃度に蓄積し、強い紫外線から身を守る能力と、水分を保持する能力とに優れていることから、各種機能や、機能性発現のメカニズムの解明、ひいては、この物質の利用法等の開発が望まれている。
また特許文献2には、野生種スイカの抽出物を有効成分とするメラニン生成抑制剤が挙げられている。そして、野生種スイカの果肉抽出物よりも葉抽出物の方が、優れた活性酸素消去作用やチロシナーゼ阻害作用があることも明らかとなっている。
本発明の他の目的は、シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の新規な利用方法となる抗ウイルス剤を提供することにある。
詳しく言うと、これらウイルスは、生体内の宿主細胞に吸着して細胞内に侵入し、細胞内でRNAを放出(脱殻)して複製され、宿主細胞から複製されたウイルスが放出されて増殖するところ、本発明者らは、シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁が、これらウイルスの増殖メカニズムにおいてウイルスの宿主細胞への吸着を阻害することを明らかにし、また、当該ウイルスの宿主細胞内での複製を阻害することを明らかにして、本発明をするに至った。
また、本発明者らは、シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁が、インフルエンザウイルスの増殖メカニズムにおいて、これらウイルスの吸着時期、また複製・放出時期に必要となる糖タンパク質(例えばヘマグルチニン等)や特異的酵素(例えばRNAポリメラーゼ等)の活性を阻害することを明らかにして、本発明をするに至った。
このとき、前記スイカは、アフリカ・カラハリ砂漠由来の野生スイカであると良い。
また、前記果実は、該果実の果肉,果皮及び種子を含むと良い。
上記構成により、例えばヒト、特にインフルエンザウイルス又はロタウイルス感染患者にシトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁を投与すると、スイカの果実から得られる果汁が生体内においてウイルス増殖を阻害する作用を果たすため、本発明をインフルエンザウイルス又はロタウイルス感染症の予防剤又は治療剤として用いることができる。
そして、スイカの果実から得られる果汁を投与することで、ウイルス増殖の阻害作用が向上する。
そして、RNAウイルス感染症のうち、特にその強烈な伝播力によって社会に莫大な被害を及ぼすインフルエンザウイルス感染症又はロタウイルス感染症の予防剤又は治療剤として好適に用いることができる。
また、前記インフルエンザウイルス又は前記ロタウイルスの細胞内での複製を阻害するためのウイルス放出阻害剤として用いられると良い。
また、前記インフルエンザウイルス又は前記ロタウイルスの細胞からの放出を阻害するためのウイルス放出阻害剤として用いられると良い。
上記構成により、ウイルスは、一般に生体内の宿主細胞に吸着して細胞内に侵入し、細胞内でRNAを放出(脱殻)して複製され、宿主細胞から複製されたウイルスが放出されることで増殖するところ、本発明のシトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁が、ウイルス増殖を阻害するために宿主細胞への吸着時期において抗ウイルス活性を発揮することができる。
また本発明のシトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁は、ウイルス増殖を阻害するために宿主細胞内での複製時期において抗ウイルス活性を発揮することもできる。
また本発明のシトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁は、ウイルス増殖を阻害するために宿主細胞内での放出時期において抗ウイルス活性を発揮することもできる。
そのため、例えば、ウイルス感染症患者に対して、ウイルス増殖がどの時期まで進行しているかを把握して最適な投与タイミングで本抗ウイルス剤を投与することができる。
また、シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の新規な利用方法となるインフルエンザウイルス又はロタウイルスの抗ウイルス剤及び抗ウイルス用食品を提供できる。
本実施形態は、野生スイカの果実から得られる果汁を有効成分とし、ヒトに投与することでヒト体内のウイルスの増殖を阻害して、ウイルス感染症の予防又は治療に用いられることを特徴とする抗ウイルス剤の発明に関するものである。
詳しく言うと、ウイルス増殖を阻害するためにウイルスの宿主細胞への吸着時期において抗ウイルス活性を発揮し、また、ウイルスの宿主細胞内での複製時期において抗ウイルス活性を発揮することを特徴とする抗ウイルス剤の発明に関するものである。
ウイルスは、ゲノムがDNAであるかRNAであるかによって、DNAウイルスとRNAウイルスに大別される。
またDNAウイルスは、DNAが一本鎖であるか二本鎖であるかによって、主に2つに分類することができる。
具体的には、一本鎖のDNAウイルスとして、パルボウイルス科などが存在し、また、二本鎖のDNAウイルスのうち、エンベロープを有するものとしてヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科及びヘパドナウイルス科などが存在し、エンベロープを有しないものとしてアデノウイルス科及びパピローマウイルス科などのウイルスが存在する。
一本鎖のDNAウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患としては、ヒトパルボB19(伝染性紅班)などが挙げられ、また、二本鎖のDNAウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患としては、単純ヘルペス(歯肉口内炎、唇ヘルペス、性器ヘルペスウイルス感染症)、水痘・帯状疱疹、痘瘡、B型肝炎、アデノ(咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎)、ヒトパピローマなどが挙げられる。
具体的には、まず一本鎖の−鎖RNAウイルス(エンベロープを有するもの)として、オルトミクソウイルス科、ラブドウイルス科、パラミクソウイルス科、フィロウイルス科、ブニヤウイルス科及びアレナウイルス科などのウイルスが存在する。なお、インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に属している。
これら一本鎖の−鎖RNAウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患としては、インフルエンザ、鳥インフルエンザ、狂犬病、麻疹、ムンプス(流行性耳下腺炎)、RS(呼吸器感染症)、エボラ(出血熱)、マールブルグ(出血熱)、クリミア・コンゴ出血熱、SFTS、ラッサ(出血熱)、フニン/サビア/ガナリト/マチュポ(出血熱)などが挙げられる。
これら一本鎖の+鎖RNAウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患としては、デング、ウエストナイル、日本脳炎、C型肝炎、黄熱、SARSコロナ、MERSコロナ、風疹、ヒト免疫不全(AIDS)、ヒトTリンパ好性(成人T細胞白血病)、E型肝炎、ノロ(感染性胃腸炎)、ポリオ(急性灰白髄炎)、A型肝炎、コクサッキー(手足口病、ヘルパンギーナ)、ライノ(感冒)などが挙げられる。
なお、ロタウイルスは、レオウイルス科に属している。
二本鎖RNAウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患としては、ロタ(感性性胃腸炎)などが挙げられる。
インフルエンザウイルスは、ウイルス表面に存在する抗原性糖タンパク質であるヘマグルチニン(Hemagglutinin:HA)とノイラミニダーゼ(Neuraminidase:NA)の活性によって宿主細胞へ吸着し、また、ノイラミニダーゼの活性によって宿主細胞内に侵入することができる。
インフルエンザウイルスは、これら抗原性糖タンパク質の違いによってA型、B型及びC型に分類されている。特に、A型インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニン16種と、ノイラミニダーゼ9種との型によって144種類の亜型に分けられる。そして、これらの組み合わせが頻繁に変化し、これに起因して抗原性の異なる新たな亜型のウイルスが出現することが知られている。
健常人では、通常約24〜48時間の潜伏期間をおいて発症し、1〜2週間程度で治癒するが、乳幼児、高齢者や呼吸器、循環器、腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの代謝疾患や免疫機能が低下している患者などでは、細菌などによる二次感染や肺炎を併発して死に至る場合も少なくない。また、呼吸器の局所感染にとどまらず、インフルエンザ脳炎・脳症などに代表される重症神経系合併症といった極めて重篤な症例も報告されている。このほか、腹痛、悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状がみられることもあり、特に小児では注意を要する。
ロタウイルス粒子は、コア、内殻及び外殻の3層で構成される二重殻粒子からなり、ウイルス粒子内にRNAポリメラーゼやキャップ合成関連酵素を有する。コアは、タンパク質VP1、VP2、VP3からなり、内殻タンパク質VP6によって覆われて一重殻粒子を形成し、さらに外殻タンパク質VP4、VP7で覆われて二重殻粒子つまり感染性ウイルス粒子を形成する。
ロタウイルスは、内殻タンパク質VP6の抗原性によってA〜H群の8種類に分類される。ヒトへの感染が報告されているロタウイルスは主にA群〜C群である。
ロタウイルスは、ヒトの小腸の腸管上皮細胞に感染し、微絨毛の配列の乱れや欠落などの組織病変の変化を引き起こす。これによって腸からの水の吸収が阻害され下痢症を発症する。通常約48時間の潜伏期間をおいて発症し、主に乳幼児に急性胃腸炎を引き起こす。
主症状は下痢(血便、粘血便は伴わない)、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛であり、通常約1〜2週間で自然に治癒するが、脱水がひどくなるとショック、電解質異常、時には死に至ることもある。
ウイルスは、核酸やタンパク質の合成に必要な素材を有しておらず、必ず生体細胞を必要とする。生体細胞内に寄生して、細胞の代謝を利用して増殖し、材料、宿主細胞の代謝酵素、タンパク質合成のための宿主細胞リボソームを利用して自己成分を合成する。
例えば細菌は基本的に2***によって増殖していくのに対し、ウイルスは1つの粒子が感染した宿主細胞内で一気に数を増やしていく。
インフルエンザウイルスの場合、ウイルス表面にあるヘマグルチニンが細胞側にあるシアル酸受容体に結合する。
ロタウイルスの場合、ウイルス表面にある結合タンパク質(外殻タンパク質VP4、VP7)が細胞側にある受容体に結合する。
インフルエンザウイルスの融合には、宿主細胞由来のエンドプロテアーゼによるヘマグルチニンの特異的配列部位でのペプチド結合の開裂が必須である。この開裂によってヘマグルチニンの膜融合ドメインが露出し、エンドソーム膜との融合が起こる。
ロタウイルスの場合、宿主細胞由来のプロテアーゼ(トリプシン)によって、外殻タンパク質VP4が、タンパク質VP5とタンパク質VP8に開裂している必要がある。この開裂の後、まずタンパク質VP8がシアル酸を含む分子(第1レセプター)と接触し、次にタンパク質VP5及び外殻タンパク質VP7がインテグリン(第2レセプター)と結合することによって、直接侵入あるいはエンドサイトーシスで細胞内へ侵入すると考えられている。
A型インフルエンザウイルスの表面には、M2蛋白と呼ばれる膜タンパク質が存在しており、M2蛋白はH+を通過させるイオンチャネルを形成している。エンドソーム内がさらに酸性化(pHの低下)していくと、このイオンチャネルのゲートが開き、H+がウイルス内へ取り込まれる。これを契機として、ウイルスの脱殻が生じ、RNAが細胞内に放出される。
ロタウイルスの場合、細胞侵入の際に外殻タンパク質VP4、VP7が除去される。外殻タンパク質VP4、VP7が外れることで、細胞内に放出された内殻タンパク質VP6の再配置が起こり、RNA転写が開始される。
インフルエンザウイルスの場合、細胞内で増殖した後、感染した宿主細胞から放出される際には、ウイルス由来のノイラミニダーゼによるヘマグルチニンとシアル酸受容体との切断が必須である。
また、オセルタミビルやザナミビルは、インフルエンザウイルスのエンベロープに存在するスパイクタンパク質の1つであるノイラミニダーゼの作用を阻害し、複製されたインフルエンザウイルスが宿主細胞から出芽して他の宿主細胞へ感染を広げることを抑制することができるものの、近年、若年者に対する副作用が問題となっている。
ノロウイルスは、ヒトに対して嘔吐、下痢等の急性胃腸炎症状を引き起こし、症状が消失した後も約3〜7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次感染に注意が必要である。
ノロウイルスはヒトの空腸の上皮細胞に感染して繊毛の委縮と扁平化、さらに剥離と脱落を引き起こして下痢を生じると考えられている。
潜伏期間は約24〜48時間であると考えられ、嘔気、嘔吐、下痢が主症状であるが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛、倦怠感などを伴うこともある。特別な治療を必要とせずに軽快するが、乳幼児や高齢者およびその他、体力の弱っている者での嘔吐、下痢による脱水や窒息には注意をする必要がある。
現在のところ、ノロウイルスに効果のある一般的な抗ウイルス剤はなく、通常、対症療法が行われており、脱水症状を防止するための水分補給や、体力消耗を防ぐために栄養補給をすることが治療の中心となっている。また臨床症状からだけではノロウイルス感染症を特定することは難しいとされている。
本発明の抗ウイルス剤の有効成分となる「スイカ」とは、ウリ科スイカ属に分類されるつる性一年草であって、主に果実を食用にするために栽培される植物である。
スイカのうち、特に「野生スイカ」とは、アフリカ・カラハリ砂漠に自生するボツワナ原産のカラハリスイカであって栽培物も含むものである。そのほか、乾燥地帯や砂漠地帯を自生地とする他の野生種のスイカも含むものである。
また、スイカの中には、遺伝的方法、例えば組換え、形質導入、形質転換等により得られるものも含まれる。
その中でシトルリンに注目すると、野生スイカには、100gあたり約20〜200mgのシトルリン量が含まれている。
野生スイカには、通常のスイカに含まれる成分に加えて、高濃度に蓄積されたシトルリンや未同定の有効成分によってもたらされる、通常のスイカとは全く異なる作用・効果がある。
未同定の有効成分(抗ウイルス活性成分)の候補物質として、グルコン酸(Gluconic acid)、3,4,5−トリメトキシけい皮酸(3,4,5−Trimethoxy cinnamic acid)、ビテキシン(Vitexin)、スコパリン(scoparin)、ケンフェロール(Kaempferol)、アピゲニン(Apigenin)、ゲニシテイン(Genistein)、及び8−プレニルナリンゲニン(8−Prenylnaringenin)等の成分が少なくとも含まれている。
これら候補物質の同定は、野生スイカから得られた抽出物を、カラムクロマトグラフィー法等の公知な精製法を用いて抗ウイルス活性を有する画分に分画し、当該画分をLC−MS分析及びLC−MS/MS分析等の公知な分析にて解析を行うことで判明した。
上記の通り、野生スイカは、糖濃度が低く、甘さが少ないことから、通常のスイカと比較しても利用できる範囲が非常に広くなっている。
また、極性溶媒又は非極性溶媒等で抽出した抽出物も含むものである。極性溶媒を抽出溶媒として用いる場合には、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いると良い。
親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
なお、抽出溶媒や抽出手段は、野生スイカ由来の成分を抽出したものであれば特に限定されることなく、いかなる溶媒や手段を用いても良い。
抗ウイルス剤は、野生スイカの果実から得られる果汁が有するウイルス増殖の阻害作用、特にRNAウイルス増殖の阻害作用を通じて、抗ウイルス作用を発揮するものである。
具体的な作用メカニズムは、以下の通りである。
(1)野生スイカの果実から得られる果汁は、RNAウイルスの増殖過程のうち「吸着時期」において当該ウイルス表面にある結合タンパク質(リガンド)が宿主細胞表面にある受容体(レセプター)に結合する際に、当該ウイルスの宿主細胞への吸着を阻害する作用を果たす。
詳しく言うと、RNAウイルスがインフルエンザウイルスの場合、野生スイカの果実から得られる果汁が、当該ウイルスの吸着時期に必要となる糖タンパク質(ヘマグルチニン等)の活性を阻害する作用を果たす。
また、RNAウイルスがロタウイルスの場合、野生スイカの果実から得られる果汁が、当該ウイルスの吸着時期に関与する結合タンパク質(外殻タンパク質VP4、VP7)や特異的酵素の活性を阻害する作用を果たす。
詳しく言うと、RNAウイルスがインフルエンザウイルスの場合、野生スイカの果実から得られる果汁が、当該ウイルスの複製時期に必要となる特異的酵素の活性を阻害する作用を果たす。
また、RNAウイルスがロタウイルス又はノロウイルスの場合、野生スイカの果実から得られる果汁が、これらウイルスの複製時期に関与する結合タンパク質や特異的酵素の活性を阻害する作用を果たす。
そのため、ウイルスの増殖過程のうち特定の一時期においてのみ抗ウイルス活性を発揮する従来の抗ウイルス剤と比較して、本抗ウイルス剤であれば、ウイルス増殖過程の前半の吸着時期であったとしても、また後半の複製時期であったとしても抗ウイルス活性を発揮することが可能となる。
また、本抗ウイルス剤は、例えばA型インフルエンザウイルスには効果を発揮するもののB型、C型には効果を有さないアマンタジンのような抗ウイルス剤と比較して、A型、B型、C型を問わず、全てのインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を発揮する。
従って、従来の抗ウイルス剤として使用認可されているアマンタジンやオセルタミビル、ザナミビルに次ぐ新たな抗ウイルス剤として、臨床応用の可能性がある。
本実施形態の抗ウイルス剤は、インフルエンザウイルス又はロタウイルスのウイルス感染症患者、ウイルス感染症に罹患したヒト以外の動物に投与されることで、ウイルス感染症の治療剤として、またウイルス性疾患の治療剤として用いることができる。
また、インフルエンザウイルス又はロタウイルスのウイルス感染症を罹患する前のヒト、ウイルス感染症予備軍のヒト、これらヒト以外の動物を対象としたウイルス感染症の予防剤として、またウイルス性疾患の予防剤として用いることもできる。
また、本実施形態の抗ウイルス剤は、インフルエンザウイルス又はロタウイルスを病原体とする感染性胃腸炎の予防剤又は治療剤として用いることもできる。
インフルエンザウイルスの場合、A型インフルエンザウイルスに感染した患者に対して投与されることが望ましく、さらに当該ウイルスの亜型がH1N1であることが望ましい。
ロタウイルスの場合、A群ロタウイルスに感染した患者に対して投与されることが望ましく、さらに当該ウイルスがA群ロタウイルスWa株(G1P[8])であることが望ましい。
(医薬組成物)
医薬の分野では、ウイルス増殖を阻害する作用、すなわち、ウイルスの宿主細胞への吸着阻害作用、または、ウイルスの宿主細胞からの放出阻害作用を有効に発揮できる量の野生スイカ果実から得られる果汁と共に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合することにより、当該作用を有する医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、医薬品であっても医薬部外品であってもよい。
当該医薬組成物は、内用的に適用されても、また外用的に適用されても良い。従って、当該医薬組成物は、内服剤、静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射及び/又は腹腔内注射等の注射剤、経粘膜適用剤、経皮適用剤等の製剤形態で使用することができる。
当該医薬組成物の剤型としては、適用の形態により、適当に設定できるが、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、散剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤などの液状製剤、軟膏剤、またはゲル剤等の半固形剤が挙げられる。
食品の分野では、ウイルス増殖を阻害する作用を生体内で発揮できる有効な量の野生スイカ果実から得られる果汁とを食品素材として、各種食品に配合することにより、当該作用を有する食品組成物を提供することができる。
すなわち、本発明は、食品の分野において、ウイルス増殖阻害用等と表示された食品組成物を提供することができる。当該食品組成物としては、一般の食品のほか、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、病院患者用食品、サプリメント等が挙げられる。また、食品添加物として用いることもできる。
当該食品組成物としては、例えば、調味料、畜肉加工品、農産加工品、飲料(清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、茶、コーヒー、栄養ドリンク等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、濃縮飲料、菓子類(キャンディ(のど飴)、クッキー、ビスケット、ガム、グミ、チョコレート等)、パン、シリアル等が挙げられる。また、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の場合、カプセル、トローチ、シロップ、顆粒、粉末等の形状であっても良い。
また栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品であって、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値、下限値の範囲内にある必要があり、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等もする必要がある。
また機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。
上記において本発明は、スイカ果実から得られる果汁を有効成分として含み、ウイルス感染症患者、ウイルス感染症を罹患したヒト以外の動物を対象とした抗ウイルス剤用特定保健用食品や、抗ウイルス剤栄養機能食品、抗ウイルス剤機能性表示食品として用いることができる。
また本発明は、スイカ果実から得られる果汁を有効成分として含み、生体、例えばウイルス感染症を罹患する前のヒト、ウイルス感染症予備軍のヒト、これらヒト以外の動物を対象とした抗ウイルス剤用特定保健用食品や、抗ウイルス剤用栄養機能食品、抗ウイルス剤用機能性表示食品として用いることができる。
本実施形態の抗ウイルス剤の用法としては、例えばインフルエンザウイルスの場合、ヒトの上気道(鼻腔や咽頭)で感染し易いため、例えば、スプレーによって鼻腔内又は口腔内へ直接噴霧することや、吸入器によって鼻腔内又は口腔内へ導入すると良い。また、うがい薬によって口腔内へ導入すると良い。そのほか、点鼻等で経鼻投与しても良いし、のど飴やトローチ、ガム等で経口投与しても良いし、マスクや消毒お手拭きに利用しても良い。
また例えばロタウイルスやノロウイルスの場合、ヒトの腸内で感染し易いため、腸内で抗ウイルス剤が溶解するように(胃では溶解しないように)処方すると良い。例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒又はシロップ等によって経口投与すると良い。
野生スイカの抽出物を、以下の手順により調製した。
アフリカ・カラハリ砂漠由来の野生スイカの果実を果皮、種子も含めた状態で、公知な搾汁機を用いて搾汁(圧搾)することで果汁を得た。当該果汁を沈殿物の形成を防ぐ等の目的で限外濾過し、分子量3000以上の成分を取り除くことで野生スイカのエキスを得た。
当該エキスを抗ウイルス剤として用いた。
なお、野生スイカの果汁は、粘度が低く、非常に低カロリーであり(約5〜100kcal/100ml)、味も匂いも独特な特徴がないことから、加工に適した素材であった。
野生スイカの第2抽出物を、以下の手順により調製した。
野生スイカの果実を搾汁した後に残る残渣(果汁以外のもの)を乾燥させて粉末化したもの(残渣粉末)を得た。当該残渣粉末100mgを超純水5mlにて融解し、0.45μM滅菌フィルターにて濾過することで、野生スイカの残渣液(20mg/ml)を得た。当該残渣液を抗ウイルス剤として用いた。
日本国内に市販されているスイカの抽出物を、実施例1と同じ手順により調製した。
得られたスイカのエキスを約50倍に濃縮したものを抗ウイルス剤として用いた。
実施例1の抗ウイルス剤を用いて、インフルエンザウイルス増殖を阻害する作用を確認する試験を行った。宿主細胞としてMDCK(Madin−Darby canine kidney)細胞を使用し、またウイルスとしてインフルエンザウイルスA型/PR/8/34(H1N1)株を使用し、また培地として10%FBS(Fetal Bovine Serum)含有のDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地を使用した。
そして、培養したMDCK細胞にインフルエンザウイルスを0.001moi(感染多重度)で感染させて37℃で1時間放置した(吸着させた)。
その後、液体培地に対して、実施例1の野生スイカエキスを所定濃度含むように添加し、CO2インキュベータにて24時間培養した。
その後、感染細胞から放出されたウイルスを含む上清を回収し、フォーカス法を用いて細胞のウイルス力価(FFU/ml)を測定し、ウイルス増殖阻害率(%)を算出した。また、細胞のウイルス感染を50%阻害する野生スイカエキスの濃度(IC50)を算出した。
比較対象として、(1)参考例1の野生スイカ残渣液を添加して培養したもの、(2)実施例2のスイカ濃縮エキスを添加して培養したもの、(3)純品のシトルリンをDMSO(Dimethyl Sulfoxide)で融解したものを添加して培養したものについて、それぞれ同様にウイルス増殖阻害率を算出した。
上記試験結果を解析して、野生スイカエキスによる各濃度(0.25mg/ml、0.5mg/ml、1mg/ml)のウイルス増殖阻害率を比較したグラフを図1に示す。
各濃度のウイルス増殖阻害率は、順に30.6%、54.1%、85.9%であった。また、ウイルス増殖阻害率50%濃度(IC50)は、0.42mg/mlであった。
ウイルス増殖阻害率は、エキス濃度が高くなるにつれてさらに増加した。
なお、「野生スイカエキスの濃度1mg/ml」とは、液体培地1mlに対して1mgの野生スイカエキスが含まれる濃度であることを示し、言い換えれば、液体培地に対して野生スイカエキス(20mg/ml)が5体積%含まれる濃度であることを示す。
なお、これら試験は複数回行い、同様の再現性が得られた。
各濃度のウイルス増殖阻害率は、順に17.6%、24.2%、80.2%であった。
ウイルス増殖阻害率は、残渣液濃度が高くなるにつれてさらに増加した。
なお、これら試験は複数回行い、同様の再現性が得られた。
各濃度のウイルス増殖阻害率は、順に75.9%、97.5%、100.0%、100.0%、100.0%であって、エキス濃度が高くなるにつれてさらに増加した。
なお、本試験においてシトルリンの添加量は、1mg/mlの野生スイカエキス中に含まれるシトルリン量(約30μg/wellに相当)よりも多くなるように設定した。
各シトルリン量のウイルス増殖阻害率は、いずれも0%であった。
試験例1の結果から、野生スイカエキスを添加したもの、スイカ濃縮液を添加したものは、全ての濃度においてインフルエンザウイルス増殖を阻害する作用が確認された。また、濃度依存的にウイルス増殖を阻害する作用が高くなった。
野生スイカ残渣液を添加したものも、インフルエンザウイルス増殖を阻害する作用が確認された。また、濃度依存的にウイルス増殖を阻害する作用が高くなった。
一方で、シトルリンを添加したものについては、いずれの濃度であってもインフルエンザウイルス増殖を阻害する作用が確認されなかった。
このことから、スイカに含まれる成分のうち、シトルリン以外の有効成分、特に未同定の有効成分が、インフルエンザウイルス増殖を阻害する作用をよりもたらすことが分かった。
当該有効成分は、市販のスイカよりも野生スイカに多く含まれていることが分かり、また、スイカの残渣よりもスイカの果汁(エキス)に多く含まれていることが分かった。
野生スイカ残渣液の好適な濃度は1mg/ml以上であることが分かった。
スイカ濃縮エキスの好適な濃度は0.0625mg/ml以上であることが分かった。
実施例1の抗ウイルス剤を用いて、インフルエンザウイルスが増殖するために必要な過程のうち、どの増殖過程を阻害しているかを確認する試験を行った。宿主細胞としてMDCK細胞を使用し、またウイルスとしてインフルエンザウイルスA型/PR/8/34株を使用し、また培地として10%FBS含有のDMEM培地を使用した。
まず、試験例1と同様に単層培養したMDCK細胞にインフルエンザウイルスを0.001moi(感染多重度)で感染させて(添加して)37℃で1時間放置した(吸着させた)。
そして、1mg/mlの野生スイカエキスを添加したDMEM培地を、ウイルス感染させたMDCK細胞に対して所定のタイミングで添加した。
ウイルス吸着から8時間経過後に、−80℃から37℃の凍結融解を2回繰り返し、細胞内のウイルス力価をフォーカス法を用いて測定し、ウイルス増殖阻害率を算出した。
詳しく言うと、(1)ではウイルス感染と同時に当該エキスを添加し、ウイルス感染から1時間後に当該エキスを添加していない培地と交換した。(2)ではウイルス吸着と同時に当該エキスを添加し、ウイルス吸着から4時間後に当該エキスを添加していない培地と交換した。(3)ではウイルス吸着から4時間後に当該エキスを添加し、ウイルス吸着から8時間後に当該エキスを添加していない培地と交換した。
上記試験結果を解析して、野生スイカエキスによるウイルスの吸着時期、侵入・脱殻時期、複製・放出時期における増殖阻害率を比較したグラフを図5に示す。
ウイルスの吸着時期、侵入・脱殻時期、複製・放出時期における増殖阻害率は、順に47.8%、0%、31.3%であった。
試験例2の結果から、野生スイカエキスを添加したものは、ウイルスの増殖メカニズムのうち、「吸着時期」及び「複製・放出時期」においてインフルエンザウイルス増殖を阻害する作用が確認された。また、「吸着時期」のほうが「複製・放出時期」よりもウイルス増殖を阻害する作用が高くなった。
実施例1の抗ウイルス剤を用いて、ロタウイルス増殖を阻害する作用を確認する試験を行った。宿主細胞としてMA−104細胞(アカゲザル腎細胞)を使用し、またウイルスとしてロタウイルスWa株(G1P[8])を使用し、また培地として10%FBS(Fetal Bovine Serum)含有のDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地を使用した。
そして培養したMA−104細胞にロタウイルスを0.1moi(感染多重度)で感染させて室温で1時間放置した(吸着させた)。
その後、液体培地に対して、実施例1の野生スイカエキスを所定濃度含むように添加し、CO2インキュベータにて48時間培養した。
その後、感染細胞から放出されたウイルスを含む上清を回収し、フォーカス減少法を用いて上清中のウイルス力価(FFU/ml)を測定し、ウイルス増殖阻害率(%)を算出した。また、ウイルス増殖阻害率50%濃度(IC50)を算出した。
上記試験結果を解析して、野生スイカエキスによる各濃度(0.05mg/ml、0.075mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml)のウイルス増殖阻害率を比較したグラフを図6に示す。
各濃度のウイルス増殖阻害率は、順に43.7%、85.1%、97.1%、99.2%であって、IC50は、0.0531mg/mlであった。
ウイルス増殖阻害率は、エキス濃度が高くなるにつれてさらに増加した。
なお、これら試験は複数回行い、同様の再現性が得られた。
試験例3の結果から、野生スイカエキスを添加したものは、全ての濃度においてロタウイルス増殖を阻害する作用が確認された。また、濃度依存的にウイルス増殖を阻害する作用が高くなった。
このことから、野生スイカに含まれる成分が、インフルエンザウイルスだけでなく、ロタウイルス増殖を阻害する作用ももたらしていることが分かった。
また、ロタウイルス増殖を阻害する作用における野生スイカエキスの好適な濃度は0.05mg/ml以上であって、より好適な濃度(IC50)は0.0531mg/ml以上であることが分かった。
Claims (5)
- シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁を有効成分として含有し、
ウイルス感染症の予防又は治療に用いられ、
前記ウイルス感染症は、インフルエンザウイルス又はロタウイルスの感染症であることを特徴とする抗ウイルス剤。 - 前記シトラスラナタス(Citrullus lanatus)は、アフリカ・カラハリ砂漠由来の野生スイカであることを特徴とする請求項1に記載の抗ウイルス剤。
- 前記果実は、該果実の果肉,果皮及び種子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗ウイルス剤。
- シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁を有効成分として含有し、
ウイルスを病原体とする感染性胃腸炎の予防又は治療に用いられ、
前記ウイルスは、ロタウイルスであることを特徴とする抗ウイルス剤。 - シトラスラナタス(Citrullus lanatus)の果実から得られる果汁を有効成分として含有し、
ウイルス感染症の予防又は改善に用いられ、
前記ウイルス感染症は、インフルエンザウイルス又はロタウイルスの感染症であることを特徴とする抗ウイルス用食品。
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