JP6216806B2 - イオン交換膜電解槽 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン交換膜電解槽用陽極およびこれを用いたイオン交換膜電解槽(以下、単に「陽極」および「電解槽」とも称する)に関し、詳しくは、塩化アルカリ金属水溶液を、従来よりも低電圧で電解可能であり、かつ、陽極ガス中に含まれる不純物ガス濃度を低減することができるイオン交換膜電解槽用陽極およびこれを用いたイオン交換膜電解槽に関する。
食塩電解のような塩化アルカリ金属水溶液をイオン交換膜法で電気分解するに当たっては、電力原単位は、苛性ソーダ(NaOH)や塩素ガス(Cl)といった製品を生産する上で価格に反映される。また、電気分解には電気を使用するため、発電の際に二酸化炭素(CO)ガスを放出し、地球温暖化に悪影響を及ぼす。このような社会的環境の下にあって、今日、イオン交換膜電解槽を運転するにあたり、電解電圧をさらに小さくすることができる電解槽が求められている。
このような課題に対して、これまで、イオン交換膜電解槽の陰極の形状、コーティング、給電等各種検討が進められていた。例えば、特許文献1では、陰極として用いられているエクスパンドメタルのメッシュの形状を小さくすることで、電解電圧を低下させる技術が提案されている。一方、陽極については、特許文献2では、エクスパンドメタルのメッシュの開口率を所定の範囲とすることで、電解性能を向上させる技術が提案されている。また、それ以外にも、陽極にコーティングを施すことによって、電解電圧を低減させる手法が知られている。特許文献3では、実質上ダイヤモンド形状の金属メッシュからなり、メッシュのストランドおよび開口部の割合、開口部の長手方向間隔LWDおよび幅方向間隔SWDを所定の値とした陽極が提案されている。この特許文献3には、コーティングとして、白金族金属酸化物、マグネタイト、フェライト、コバルトスピネル、または、混合金属酸化物を用いることができることが開示されている。
日本国特開2012−140654号公報 日本国特許第4453973号公報 日本国特表昭62−502820号公報
近年、環境への影響や製造コスト等の観点から、さらなる低電解電圧化が求められている。このような状況の中、陽極については、特許文献2、3では、エクスパンドメタルのメッシュの開口率について検討がされてきたが、陽極の形状と電解電圧との関係については、十分に検討がなされたものではなかった。このように、イオン交換膜電解槽の陽極の形状に関しては、工業化レベルでの検討が困難であり、10数年以上前から形状についてはほとんど変化していないのが現状である。また、電解陽極に所定のコーティングを施して低電圧化を図ったとしても、陽極ガス中の不純物ガス濃度が高くなってしまうという問題を有している。
そこで、本発明の目的は、塩化アルカリ金属水溶液を、従来よりも低電圧で電解可能であり、かつ、陽極ガス中に含まれる不純物ガス濃度を低減することができるイオン交換膜電解槽用陽極およびこれを用いたイオン交換膜電解槽を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、陽極の厚みを従来の約半分以下とし、かつ、開口部の縦方向、横方向の孔開きの比率を調整することで、(1)電解時のセル電圧を下げることができ、また、(2)陰極室からイオン交換膜を介して拡散してくる水酸化物イオン(OH)の陽極表面での滞留時間を短くすることができ、これにより、水酸化物イオンが反応して発生する不純物ガス、すなわち、酸素ガス(O)量を減らすことができる。
かかる知見をもとに、本発明者らは、さらに鋭意検討した結果、陽極の形状を下記のとおりとすることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のイオン交換膜電解槽は、イオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画され、前記陽極室に陽極が、前記陰極室に陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽において、
前記陽極が、少なくとも1枚のエクスパンドメタルを備え、該エクスパンドメタルの厚みが0.1〜0.5mm、短目方向中心間距離SWと長目方向中心間距離LWの比SW/LWが0.45〜0.55であり、かつ、前記イオン交換膜と前記陰極とが密着されてなることを特徴とするものである。
本発明のイオン交換膜電解槽においては、前記エクスパンドメタルの厚みは0.43〜0.5mmであることが好ましく、また、前記短目方向中心間距離SWは3.0mm以下であることが好ましい。
また、本発明の他のイオン交換膜電解槽は、イオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画され、前記陽極室に陽極が、前記陰極室に陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽において、金属線材からなる織物を備え、前記金属線材の線径dが0.20mm以下であり、かつ、前記金属線材の線径dと、隣接する略並行な前記金属線材同士の間隔Dの比d/Dが0.40〜0.55であり、かつ、前記イオン交換膜と前記陰極とが密着されてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、塩化アルカリ金属水溶液を、従来よりも低電圧で電解可能であり、かつ、陽極ガス中に含まれる不純物ガス濃度を低減することができるイオン交換膜電解槽用陽極およびこれを用いたイオン交換膜電解槽を提供することができる。
本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極の概略部分拡大図である。 本発明の他の好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極の概略部分拡大図である。 本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽の概略断面図である。 従来例、実施例1および5の陽極を用いて食塩水を電解する場合における電流密度とOガス濃度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明のイオン交換膜電解槽用陽極は、イオン交換膜により、陽極を収容する陽極室と陰極を収容する陰極室とに区画されたイオン交換膜電解槽に用いる陽極である。図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極の概略部分拡大図であり、本発明の一好適な実施の形態においては、陽極は少なくとも1枚の金属製有孔平板を備えている。図1では、金属製有孔平板1としてエクスパンドメタル1を例として挙げているが、開口部を有する金属製平板であれば、特に制限はない。例えば、エクスパンドメタル以外にも、丸型や角型等の孔を打ち抜いたパンチングメタルを用いてもよい。また、これらを積層したものであってもよい。
本発明の一好適な実施の形態においては、金属製有孔平板1(図示例においては、エクスパンドメタル1)の厚みは、0.1〜0.5mmである。本発明の陽極は、従来の陽極よりも厚みを半分以下、すなわち、0.5mm以下とする必要がある。しかしながら、塩化アルカリ金属水溶液を電解するに当たっては、通常、陰極室の圧力は陽極室の圧力よりも高めに設定されている。そのため、陽極は、陰極室からの圧に耐え得る強度が求められる。そこで、本発明の一好適な実施の形態に係る陽極においては、金属製有孔平板1の厚みは0.1mm以上とする必要がある。好適には0.2〜0.5mmである。
また、本発明の一好適な実施の形態においては、金属製有孔平板1(図示例においては、エクスパンドメタル1)の開口部1aの短目方向中心間距離である短径SWと、開口部1aの長目方向中心間距離である長径LWの比SW/LWを0.45〜0.55とする。金属製有孔平板1の厚みを0.1〜0.5mmとしつつ、短径SWと長径LWの比率を上記範囲とすることで、金属製有孔平板1表面での前述のOHの滞留時間を最も短くすることができ、これにより、陽極で生じる不純物ガス量(O)を減らすことができる。好適には、SW/LWは0.48〜0.50である。
本発明の一好適な実施の形態においては、金属製有孔平板1(図示例においては、エクスパンドメタル1)の短径SWは3.0mm以下が好ましい。短径SWを3.0mm以下とすることで、電解時の電流分布をより均一にすることができる。なお、短径SWの下限については特に制限はないが、陽極の強度をより確保するため、0.5mm以上とすることが好ましい。
本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極においては、厚みが0.1〜0.5mm、短径SWと長径LWの比SW/LWが0.45〜0.55である金属製有孔平板1を少なくとも1枚備えることのみが重要であり、それ以外の構成については、既知の構成を採用することができる。例えば、金属製有孔平板1としてエクスパンドメタル1を用いる場合は、平板に刻みを形成した後に拡開して作製したチタン製のエクスパンドメタルに、ロール掛け等により平坦化加工したものを好適に用いることができる。なお、陽極の表面には、電解電圧を下げるために、白金族金属酸化物、マグネタイト、フェライト、コバルトスピネル、または、混合金属酸化物等の電極触媒物質の被覆を形成してもよい。
また、上述のとおり、本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極においては、陽極の強度をより確保するために、金属製有孔平板を複数枚重ねて使用してもよい。ただし、この場合は、イオン交換膜に接する側の金属製有孔平板の厚みを0.1〜0.5mmとし、短径SWと長径LWの比SW/LWを0.45〜0.55とする必要がある。なお、本発明においては、金属製有孔平板の背面には、陽極の強度をより確保するために、従来から用いられてきた金属製有孔平板を重ねてもよい。
次に、本発明の他の好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極について説明する。図2は、本発明の他の好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽用陽極の概略部分拡大図であり、本発明の他の好適な実施の形態においては、陽極は金属線材2からなる織物3である。
本発明の他の好適な実施の形態においては、陽極に用いる金属線材2の線径dは0.20mm以下である。上述のとおり、従来、陽極として広く用いられてきたエクスパンドメタルよりも厚みを半分以下にする必要がある。そこで、本発明の他の好適な実施の形態においては、陽極を構成する金属線材2の線径dを0.20mm以下とし、織物とした場合であっても、厚みが0.5mm以下となるようにしている。しかしながら、上述のとおり、通常、陰極室の圧力を陽極室の圧力よりも高めに設定しているため、陽極には、陰極室からの圧に耐え得る強度が求められる。そのため、金属線材2の線径dは、好適には、0.10〜0.20mmである。
また、本発明の他の好適な実施の形態においては、金属線材2の線径dと、隣接する略並行な金属線材2同士の間隔Dの比d/Dは0.40〜0.55である。金属線材2の線径dを上記範囲としつつ、d/Dを上記範囲とすることで、金属線材2の織物3の表面での前述のOHの滞留時間を最も短くすることができ、これにより、不純物ガス量(O)を減らすことが可能になる。
本発明の他の好適な実施の形態のイオン交換膜電解槽用陽極においては、金属線材2からなる織物3であり、金属線材2の線径dが0.20mm以下であり、かつ、金属線材2の線径dと、隣接する略並行な金属線材2同士の間隔Dの比d/Dが0.40〜0.55であることのみが重要であり、それ以外の構成については、既知の陽極の構造を採用することができる。例えば、金属線材2としては、チタン製の金属線材を用いることができ、これを織り込んだものを陽極として好適に用いることができる。なお、この金属線材2の表面には、電解電圧を下げるために、白金族金属酸化物、マグネタイト、フェライト、コバルトスピネル、または、混合金属酸化物等の電極触媒物質の被覆を形成してもよい。
次に、本発明のイオン交換膜電解槽について説明する。
図3は、本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽の断面図である。図示するように、本発明のイオン交換膜電解槽10は、イオン交換膜11により陽極室12と陰極室13とに区画され、陽極室12に陽極14が、陰極室13に陰極15がそれぞれ収容されている。図示例においては、陽極室12では陽極リブのような陽極支持体16に陽極14が固定されており、陰極室13では陰極15は陰極集電体17を介して陰極室13に固定されている。
本発明の電解槽10は、陽極14として、上記本発明のイオン交換膜電解槽用陽極が用いられている。上述のとおり、本発明のイオン交換膜電解槽用陽極をイオン交換膜電解槽10に適用することにより、塩化アルカリ金属水溶液を、従来よりも低電圧で電解が可能となり、かつ、陽極ガス(Cl)中に含まれる、陰極室からイオン交換膜を介して拡散してくる水酸化物イオン(OH)に起因する不純物ガス(O)濃度を低減することができる。
本発明の電解槽10は、イオン交換膜11により陽極14が収容された陽極室12と陰極15が収容された陰極室13とに区画されたものであり、陽極14として、上記本発明のイオン交換膜電解槽用陽極が用いられていることのみが重要であり、それ以外の構成については、既知のイオン交換膜電解槽の構成を採用することができる。
例えば、陰極15については、通常、電解用に用いられる陰極であれば特に制限はなく、既知のものを用いることができ、例えば、ニッケルのような耐食性の金属からなるエクスパンドメタルを用いることができる。なお、陰極15の表面には、白金族金属の酸化物を含む電極触媒物質の被覆を形成してもよい。
また、図示例においては、陽極室12と陰極室13とはガスケット18を介して密閉して積層されており、ガスケット18の厚み、陽極支持体16および陰極集電体17の長さによって陽極14と陰極15との距離が調整されている。陰極15とイオン交換膜11との間は、図示するように1〜2mm程度の間隔を設けても運転してもよいが、実質的にイオン交換膜11と陰極15とを密着させて運転してもよい。
なお、図示例においては、一対の陽極室12と陰極室13とを積層した単位電解槽を示しているが、本発明のイオン交換膜電解槽としては、このような単位電解槽を複数個積層されたものであってもよい。また、本発明の電解槽においては、陽極室と陰極室の外面を相互一体に接合して、両面に陽極と陰極を設けた複極ユニットを、イオン交換膜を介して積層し、両端には陽極室または陰極室のいずれか一方のみを有する陽極室ユニット、陰極室ユニットをイオン交換膜を介して積層したものであってもよい。
本発明のイオン交換膜電解槽10を用いて食塩電解を行うには、陽極室12に設けた陽極室注入口12aから食塩水溶液を、陰極室13に設けた陰極室注入口13aから希釈水酸化ナトリウム水溶液を供給しながら、両極間に通電する。その際、陰極室13を陽極室12よりも高圧として、イオン交換膜11を陽極14に密着させることで、効率的に運転させることができる。なお、陽極室12からは電気分解による生成物とともに、陽極液が陽極室排出口12bから排出され、また、陰極室13からは電気分解による生成物を含む陰極液が陰極室排出口13bから排出される。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
<実施例1〜7、比較例1〜8および従来例>
下記表1に示す条件に従い、チタン製のエクスパンドメタルからなる電極用陽極を作製し、図3に示すタイプのイオン交換膜電解槽に装着した。その後、下記の電解条件にしたがって、食塩水の電気分解を行った。なお、イオン交換膜電解槽の電解面積は1dmであり、電解陰極としてゼロギャップ式活性陰極、隔膜として食塩電解用陽イオン交換膜を用いた。また、電解陽極のコーティングは全て同じとした。
<実施例8、9および比較例9、10>
下記表2に示す条件に従い、金属線材を織って作製した金属織物からなる電極用陽極を作製し、図3に示すタイプのイオン交換膜電解槽に装着した。その後、下記の電解条件にしたがって、食塩水の電気分解を行った。なお、イオン交換膜電解槽の電解面積は1dmであり、電解陰極としてゼロギャップ式活性陰極、隔膜として食塩電解用陽イオン交換膜を用いた。また、電解陽極のコーティングは全て同じとした。
<電解条件>
陽極液として200±10g/L−NaCl、陰極液として32±0.5質量%−NaOH水溶液を用いた。電解温度は86〜88℃とし、電流密度は6kA/mとした。
<評価>
各電解槽を用いて食塩水を電解する際のセル電圧、電流効率、塩素ガス(Cl)中の酸素濃度(O濃度)を測定し、各実施例および各比較例の値から従来例の値を引いた値を評価に用いた。電圧差(V)およびO濃度はマイナスの値の場合を合格とした。なお、電流効率は、電解槽の運転時における誤差を考慮すると、−0.3%以上であれば、従来と同程度である。得られた結果を表1、2に併記する。
※:エキスパンドメッシュを2枚重ねたものであり、上段はイオン交換膜側、下段は反対側のエキスパンドメッシュの条件を示す。
表1より、陽極の厚みを0.50mm以下とし、メッシュ形状を示すSW/LWを0.50前後とすることで、電解界面への液供給、ガス抜け等によって電圧が大きく変わり、電解電圧の低電圧化およびOガス発生量の低減が達成されていることがわかる。
また、従来例と実施例1、5に示すように、厚みが小さくなる程、塩素ガス中では不純物成分となる酸素ガス濃度を小さくすることが可能である。図4は、従来例、実施例1および5の陽極を用いて食塩水を電解する場合における電流密度とOガス濃度との関係を示すグラフである。図4より、従来例、実施例1、5の陽極を用いて食塩水を電解する際、電流密度を4、6、8、10(kA/m)と変更させた結果、電流密度が大きくなるほど、Oガス発生量の差がさらに顕著になることもわかった。
一方、工業レベルでの塩化アルカリ金属水溶液をイオン交換膜法で電気分解するイオン交換膜電解槽では陰極加圧で運転されるため、陽極メッシュ厚みが薄すぎると強度が保てない。そこで、実施例6、7としてエクスパンドメタルを2層重ねて使用したが、低電圧化およびOガス発生量の低減効果は確認できた。
なお、2014年1月15日に出願された日本特許出願2014−005323号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1 金属製有孔平板(エクスパンドメタル)
1a 開口部
2 金属線材
3 金属線材からなる織物
10 イオン交換膜電解槽
11 イオン交換膜
12 陽極室
12a 陽極室注入口
12b 陽極室排出口
13 陰極室
13a 陰極室注入口
13b 陰極室排出口
14 陽極
15 陰極
16 陽極支持体
17 陰極集電体
18 ガスケット

Claims (4)

  1. イオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画され、前記陽極室に陽極が、前記陰極室に陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽において、
    前記陽極が、少なくとも1枚のエクスパンドメタルを備え、該エクスパンドメタルの厚みが0.1〜0.5mm、該エクスパンドメタルの短目方向中心間距離SWと長目方向中心間距離LWの比SW/LWが0.45〜0.55であり、かつ、前記イオン交換膜と前記陰極とが密着されてなることを特徴とするイオン交換膜電解槽。
  2. 前記エクスパンドメタルの厚みが0.43〜0.5mmである請求項1記載のイオン交換膜電解槽。
  3. 前記短目方向中心間距離SWが3.0mm以下である請求項1または2記載のイオン交換膜電解槽。
  4. イオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画され、前記陽極室に陽極が、前記陰極室に陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽において、金属線材からなる織物を備え、前記金属線材の線径dが0.20mm以下であり、かつ、前記金属線材の線径dと、隣接する並行な前記金属線材同士の間隔Dの比d/Dが0.40〜0.55であり、かつ、前記イオン交換膜と前記陰極とが密着されてなることを特徴とするイオン交換膜電解槽。
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