[実施形態]
以下、図を参照して本実施形態による端末間通信システム1の実施形態について説明する。
本実施形態の端末間通信システム1は、複数の端末装置10の間における情報共有機能を提供する。ここでいう端末装置10とは、音声や文字により装置間で相互に通信が可能な通信装置であり、例えば、携帯電話やスマートフォンである。この端末装置10は、音声情報と、画像情報とを同一の回線で送受信可能な、高速データ通信回線に接続が可能である。この高速データ通信回線とは、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信網である。この高速データ通信回線は、画像や文字などのデジタル情報の送受信に加えて、音声通信を可能にするサービス(VoLTE;Voice over LTE)を提供する。
この情報共有機能とは、複数の端末装置10の間において、画像情報又は音声情報を共有する機能である。より具体的には、ある端末装置10は、他の端末装置10に対して、画像情報又は音声情報を送信する。これにより、端末間通信システム1は、送信側の端末装置10に表示されている画像、又は再生されている音声を、受信側の端末装置10に表示又は再生させる。また、端末間通信システム1は、ある端末装置10から他の端末装置10に対する一方向の情報共有機能のみならず、端末装置10間の双方向の情報共有機能を提供する。以下では、情報共有機能における通信を情報共有通信と称することがある。
この端末間通信システム1には、複数の端末装置10が含まれる。以下の説明において、複数の端末装置10のそれぞれを区別する場合には、例えば、端末装置10−1、端末装置10−2と記載する。また、以下の説明において、これら複数の端末装置10のそれぞれを区別しない場合には、単に端末装置10と記載する。この端末装置10の構成について図1を参照して説明する。
次に、端末装置の通信相手の選択操作について説明する。以下に説明する例において、端末装置10の通信相手の候補は、アドレス帳アプリケーションに予め登録されている。また、端末装置10にインストールされている各種アプリケーションは、アプリケーションに対応する起動ボタン画像を介して実行される。
まず、従来技術の端末装置における通信相手の選択操作について説明する。
ここで説明する従来技術の選択操作の一例では、端末装置は、起動ボタン画像に対する操作を受け付けることにより通信相手の候補を表示する。具体的には、まず、ユーザは、端末装置を操作して、アドレス帳アプリケーションの起動ボタン画像を表示する。次に、ユーザは、アドレス帳アプリケーションの起動ボタン画像を操作する。次に、端末装置は、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補を読み出し、読み出した通信相手の候補のリストを表示する。次に、ユーザは、端末装置に表示されているリストから通信相手を選択する。そして、端末装置は、ユーザにより選択された通信相手との通信を開始する。
次に、本実施形態に係る端末装置10における通信相手の選択操作にいて説明する。
本実施形態に係る端末装置10における選択操作の一例では、端末装置10は、ノーティフィケーションバーPNB(図2参照)に対する操作を受け付けると、他の装置と通信を開始するための操作画面を表示する。具体的には、端末装置10は、ノーティフィケーションバーPNBに対して、画面下部方向へのスワイプ操作を受け付けると、通信相手の候補や通信方法などの選択用画像を表示する。ここで、ノーティフィケーションバーPNBとは、ユーザに対する通知と、端末装置10の状態とを表示する画像である。ノーティフィケーションバーPNBは、通知バー、ステータスバーとも称される。ノーティフィケーションバーPNBは、端末装置10が備える表示部100(図1参照)のその他の領域に表示される画像とは異なり、特定の操作をしない限り、常に表示されている。
本実施形態において通信相手を選択する場合、端末装置10のユーザは、まず、このノーティフィケーションバーPNBを操作する。次に、端末装置10は、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補のうち、例えば、その一部を読み出し、読み出した通信相手の候補を表示する。次に、ユーザは、端末装置10に表示されている通信相手の候補から通信相手を選択する。そして、端末装置10は、ユーザにより選択された通信相手との通信を開始する。このように、端末装置10は、特定の操作をしない限り常時表示されているノーティフィケーションバーPNBに対する操作に応じ、通信相手の候補を提示する。従って、ユーザは、アドレス帳アプリケーションの起動ボタンを表示させる操作をすることなく通信相手を選択することができるため、少ない操作で通信を開始することができる。
なお、以下では、端末装置10においてノーティフィケーションバーPNBが操作された場合に、アドレス帳アプリケーションに登録(記憶)されている通信相手の候補の一部が表示される例について説明するが、これには限られない。端末装置10においてノーティフィケーションバーPNBが操作された場合、端末装置10は、例えば、音声通信の通信履歴や情報共有通信の通信履歴など、自端末装置10又は端末装置10以外の外部装置に記憶されている通信相手の候補を表示してもよい。
[端末装置の構成]
図1は、本実施形態の端末装置10の構成の一例を示す模式図である。端末装置10は、表示部100と、操作検出部110と、撮像部120と、音再生部130と、収音部140と、通信部150と、制御部160とを備えている。
表示部100は、液晶ディスプレイを備えており、文字や写真などの画像を表示する。この表示部100が表示する画像には、着信を待ち受けている場合に表示される待ち受け画像、端末装置において動作するアプリケーションが提供するアプリ画像、端末装置が提供する各種の機能をユーザが選択するためのメニュー画像などが含まれる。表示部100が表示するメニュー画像のうち、情報共有機能を選択するためのメニュー画像を、特に情報共有メニュー画像という。また、この情報共有メニュー画像を、共有メニューボール画像、又は共有メニューボタン画像ともいう。以下の説明において、この共有メニューボール画像を、単に「共有ボール」ともいい、共有メニューボタン画像を、単に「共有ボタン」ともいう。この共有メニューボタンの一例を図2に示す。
図2は、端末装置10の表示部100に表示されるノーティフィケーションバーPNBの一例を示す模式図である。ノーティフィケーションバーPNBは、この一例において、表示部100の表示領域の最上部に表示される、横長の帯状の画像である。このノーティフィケーションバーPNBとは、特定の表示領域に表示される通知のための画像である。ここで、通知には、電子メールの着信の通知、音声通信の不在着信の通知、その他のアプリケーションに対する情報の更新の通知が含まれる。ノーティフィケーションバーPNBには、これらの通知があることを示すアイコンが表示される。また、この一例において、共有メニューボタンの画像PMBは、表示部100の任意の位置に表示される。
このノーティフィケーションバーPNBは、待ち受け画像、アプリ画像、メニュー画像などが表示部100に表示されている場合であっても、これらの画像とは別途、表示部100に表示される。このため、ユーザは、待ち受け画像、アプリ画像、メニュー画像などが表示されている場合であっても、ノーティフィケーションバーPNBの表示を見ることにより、何らかの通知があることを認識することができる。
なお、ノーティフィケーションバーPNBは、表示部100の任意の位置に表示されてもよい。また、ノーティフィケーションバーPNBは、例えば、縦長の帯状の形状、矩形など任意の形状の画像であってもよい。
図1に戻り、操作検出部110は、表示部100を覆う透明なタッチパネルセンサを備えており、ユーザの操作を検出する。ユーザの操作には、様々な種類がある。操作の種類の一例には、タップ操作と、ドラッグ操作と、ピンチ操作とがある。タップ操作とは、ユーザが、タッチパネルのある位置に指を触れた後、すぐに指を離す操作である。ドラッグ操作とは、ユーザが、タッチパネルに触れた指を、タッチパネルに触れた状態のままある方向に移動させる操作である。ピンチ操作とは、ユーザが、タッチパネルに触れた2本の指の間隔を変化させる操作である。また、タップ操作には、1回だけ触れるシングルタップ操作と、シングルタップ操作をすばやく2回繰り返すダブルタップ操作とが含まれる。また、ドラッグ操作には、移動速度がドラッグ操作に比べて速いスワイプ操作と、さらに速いフリック操作とが含まれる。また、ピンチ操作には、タッチパネルに触れた2本の指の間隔を広げるピンチアウト操作と、タッチパネルに触れた2本の指の間隔を狭めるピンチイン操作とが含まれる。
なお、ここでは、ユーザが、指によってタッチパネルセンサに触れることにより操作する場合を一例にして説明したが、これに限られない。例えば、ユーザは、指に代えて、操作用の指示棒などを用いて操作してもよい。すなわち、操作検出部110は、指や、指以外の物体(例えば、指示棒)による操作を、ユーザの操作として検出する。
音再生部130は、スピーカを備えており、入力される音情報に基づく音を再生する。この音再生部130は、耳あて通話用スピーカ131と、スピーカモード用スピーカ132とを備えている。耳あて通話用スピーカ131は、端末装置10をユーザの耳に当てて通話する場合に用いられる。スピーカモード用スピーカ132は、端末装置10を耳から話した状態で音を再生する場合に用いられる。端末装置10をユーザの耳に当てて通話する場合を、耳あてモード、又は通常通話モードとも称する。
収音部140は、マイクを備えており、端末装置10の周囲の音を収音して、収音した音を音情報に変換する。 通信部150は、通信制御用IC(Integrated Circuit)を備え、他の装置との通信を行う。端末装置10は、この通信部150による通信動作によって、他の装置と通信を行う。以下の説明において、通信部150の構成及び動作の説明は省略する。
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)を備え、端末装置10が備える各部を制御する。端末装置10は、この制御部160による各部の制御によって、表示部100への表示、操作検出部110による操作の検出、通信部150による他の装置との通信等の動作を行う。以下の説明において、制御部160の構成及び動作の説明は省略する。
[情報共有機能の概要]
次に、端末間通信システム1が提供する情報共有機能の概要について図3を参照して説明する。
図3は、端末間通信システム1が提供する情報共有機能の概要の一例を示す模式図である。端末間通信システム1が提供する情報共有機能には、一例として、表示中の画像を共有する機能がある。表示中の画像を共有する機能による表示画像の一例を、図3に示す。
これらの情報共有機能は、端末装置10上で動作する情報共有機能アプリケーションによって提供される。以下の説明において、この情報共有機能アプリケーションは、端末装置10内の基本ソフトウエア、及び他のアプリケーションと連携して動作することにより、情報共有機能を提供する。
ここで、情報共有アプリケーションAP1が連携する端末装置10内の基本ソフトウエアには、端末装置10が他の装置と通信を行うための通信ソフトウエアが含まれる。また、情報共有アプリケーションAP1が連携する端末装置10内の他のアプリケーションには、基本アドレス帳アプリケーションAP2と、画像共有用アドレス帳アプリケーションAP3とが含まれる。
基本アドレス帳アプリケーションAP2とは、通信相手のサムネイル画像、氏名、電話番号、メールアドレスなどを記憶するアプリケーションである。すなわち、基本アドレス帳アプリケーションAP2は、端末装置10が、情報共有機能に対応しているか否かにかかわらず、端末装置10の基本機能として備えるアプリケーションである。ここで、端末装置10が情報共有機能に対応している場合とは、端末装置10が情報共有機能を提供するアプリケーションをインストールしている場合をいう。また、端末装置10が情報共有機能に対応していない場合とは、端末装置10が情報共有機能を提供するアプリケーションをインストールしていない場合をいう。
また、画像共有用アドレス帳アプリケーションAP3とは、画像共有のために使用される操作ボタンなどを表示するアプリケーションである。この画像共有用アドレス帳アプリケーションAP3は、端末装置10を操作するユーザが情報共有機能を利用しやすくするため、種々の操作画像を表示する。この画像共有用アドレス帳アプリケーションAP3は、情報共有機能を提供するアプリケーションである。以下では、基本アドレス帳アプリケーションAP2と、画像共有用アドレス帳アプリケーションAP3とを区別せずにアドレス帳アプリケーションと称することがある。端末装置10にインストールされている各種アプリケーションは、例えば、表示部100に表示された起動ボタン画像が操作されることに応じて起動する。
アドレス帳アプリケーションは、自アプリケーションに登録されている通信相手の候補のリストを表示する。そして、端末装置10は、アドレス帳アプリケーションが表示する通信相手のいずれかがユーザにより選択された場合に、選択された通信相手の端末装置10との情報共有を開始する。
なお、アドレス帳アプリケーションは、多数の通信相手の候補を登録可能である。ここでいう多数とは、例えば、端末装置10の表示部100に一度に表示することができない多さの数のことである。また、ここでいう多数とは、端末装置10の表示部100に表示可能ではあっても、ユーザによる選択操作が物理的に困難な多さの数である。
ここで、情報共有機能を説明するにあたり、本実施形態の説明中における端末装置10の表記の方法について説明する。端末装置10は、情報共有対象の情報を発信する側の端末装置10と、情報共有対象の情報を受信する側の端末装置10とに区別される。以下の説明において、複数の端末装置10のうち、情報共有対象の情報を発信する側の端末装置10を、情報発信側の端末装置10又は端末装置10−Sとも記載する。また、情報共有対象の情報を受信する側の端末装置10を、情報受信側の端末装置10、又は端末装置10−Rとも記載する。情報受信側の端末装置10と情報発信側の端末装置10とは、入れ替わることがある。具体的には、情報受信側の端末装置10から、情報発信側の端末装置10に対して、自装置からの情報の送信許可を要求する。そして、情報発信側の端末装置10により送信が許可された場合に、それまで情報受信側として機能していた端末装置10が、情報発信側の端末装置10として機能する。また、それまで情報発信側として機能していた端末装置10が、情報受信側の端末装置10として機能する。
なお、情報共有を要求する側(要求側)の端末装置10と、情報共有を要求される側(被要求側)の端末装置10とのうち、いずれが情報共有対象の情報を発信し、いずれがこの情報を受信するのかは、各情報共有機能間の機能の違いや、端末装置10の動作状態などに依存する。すなわち、この端末間通信システム1においては、要求側の端末装置10が情報共有対象の情報を発信する場合と、被要求側の端末装置10が情報共有対象の情報を発信する場合とがある。
[情報共有機能:表示中の画像の共有(表示画面共有機能)]
次に、図3を参照して、情報共有機能の概要について説明する。ここでは、端末間通信システム1が提供する情報共有機能のうち、表示中の画像の共有(表示画面共有機能)について説明する。
端末間通信システム1は、表示画面共有機能を提供する。この表示画面共有機能とは、端末装置10の表示部100に表示されている画像P1を、他の端末装置10の表示部100に画像P2として表示させることにより、端末装置10の間において画像を共有する機能である。この表示画面共有機能により端末装置10に表示される画面の一例を図3(A)に示す。ここでいう表示部100に表示されている画像には、上述した待ち受け画像、アプリ画像、及び、メニュー画像が含まれる。
表示画面共有機能の他の具体例について説明する。例えば、端末装置10−1において、動画再生アプリケーションが起動されており、この動画再生アプリケーションが音声付の動画像を表示部100に表示している場合について説明する。この場合、端末間通信システム1は、端末装置10−1の表示部100に表示されている動画像を、共有先である他の端末装置10−2の表示部100に表示させる。このようにして2台の端末装置10のそれぞれの表示部100に、同一の動画像が表示されることにより、動画像が共有される。また、画像の共有と同時に端末間通信システム1は、端末装置10−1の音再生部130から再生されている音を、共有先である他の端末装置10−2の音再生部130から再生させる。このようにして2台の端末装置10のそれぞれの音再生部130から、同一の音が再生されることにより、動画像に付されている音声が共有される。このようにして、2台の端末装置10間において、音声付の動画像が共有される。すなわち、端末間通信システム1によれば、画像情報と音情報とのいずれの情報も共有が可能である。
[情報共有機能の選択操作の概要]
次に、ユーザが情報共有機能を起動する操作の概要について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、本実施形態の端末間通信システム1が提供する情報共有機能の選択操作の一例を示す模式図である。
ここでは、ユーザA(Aさん)と、ユーザB(Bさん)とが、それぞれ端末装置10を使用して表示画面共有を利用する場合を一例にして説明する。また、この一例の説明において、ユーザAが利用する端末装置10−1が、情報発信側の端末装置10−Sである。また、この一例の説明において、ユーザBが利用する端末装置10−2が、情報受信側の端末装置10−Rである。この一例の説明においては、各端末装置10が、表示画面共有機能に対応している場合について説明する。
ユーザAと、ユーザBとは、図4(A)から図4(E)に示す操作を順に行うことにより、表示画面共有機能を利用する。このユーザAと、ユーザBとは、LTE通信網を経由した音声通信を行っている。このユーザAと、ユーザBとが、LTE通信網を経由した音声通信を行っている場合の、各端末装置10に表示される画像の一例を、図4(A)に示す。
このとき、ユーザAの端末装置10−1の表示部100、及びユーザBの表示部100には、いずれも共有メニューボタンの画像PMBが表示されている。この共有メニューボタンの画像PMBの表示は、通信の相手側の端末装置10が、上述した情報共有機能のうち、いずれかの情報共有機能に対応していることを示す。この一例では、共有メニューボタンの画像PMBの表示は、端末装置10−1と、端末装置10−2とが、いずれも表示画面共有機能に対応していることを示す。
ユーザAは、端末装置10−1の表示部100に表示されている共有メニューボタンの画像PMBをタップ操作する。このタップ操作を端末装置10−1の操作検出部110が検出すると、ランチャー画像P20が表示される(図4(B)を参照)。このランチャー画像P20とは、上述したメニュー画像の一例である。この一例においては、ランチャー画像P20は、表示画面共有機能のアイコン画像を示す。このアイコン画像が表示されている表示部100上の位置を、ユーザがタップ操作することにより、アイコン画像に対応付けられた機能が起動する。ここでは、ユーザAが、ランチャー画像P20に表示される各情報共有機能のうち、表示画面共有機能のアイコン画像P21をタップ操作する場合について説明する。
このタップ操作を端末装置10−1の操作検出部110が検出すると、表示画面共有機能の機能説明画像P22が表示される(図4(C)を参照)。また、このタップ操作を端末装置10−1の操作検出部110が検出すると、共有先の端末装置10−2の表示部100に画面共有開始の承諾画像P23が表示される。この承諾画像P23とは、情報共有の被要求側の端末装置10に表示される画像であり、要求側の端末装置10による情報共有の要求を承諾するか否かを示す操作を、ユーザに促す画像である。この一例においては、承諾画像P23とは、ユーザAからの画面共有の要求を承諾するか否かを示すタップ操作をユーザBに対して促す画像である。
次に、ユーザBは、承諾画像P23の承諾ボタンの画像P24をタップ操作する。このタップ操作を端末装置10−2の操作検出部110が検出すると、端末装置10−2及び端末装置10−1の各表示部100に、接続中を示す画像P25が表示される(図4(D)を参照)。このとき、端末装置10−1と端末装置10−2との間において、表示画面共有のための端末間通信のセションが構築される。
次に、端末装置10−1と端末装置10−2との間において、表示画面共有のための端末間通信のセションが確立すると、端末装置10−1の表示部100に表示されている画像P26が、端末装置10−2の表示部100に画像P27として表示される(図4(E)を参照)。すなわち、端末装置10−1と端末装置10−2との間において、表示画面共有が開始される。
[ノーティフィケーションバーによる通信開始の選択操作]
次に、端末装置10における通信開始の選択操作について説明する。
図5は、本実施形態の端末装置における通信開始の選択操作の一例を示す模式図である。この一例においては、端末装置10の表示部100は、ノーティフィケーションバーPNBを表示する。この一例では、表示部100が、ノーティフィケーションバーPNBと、ストリーミング動画配信アプリケーションのアプリ画像P201とを表示している場合について説明する。また、この一例では、画像共有の要求側の端末装置10−1のユーザがユーザAであり、被要求側の端末装置10−2のユーザがユーザBである場合について、説明する。ここでは、ユーザAが表示部100に表示されている動画を視聴中に、この動画をユーザBと共有するまでの流れを説明する。初めに、図5(A)から図5(C)を参照して、動画視聴中にノーティフィケーションバーPNBを利用して音声通信を開始する操作手順を説明する。次に、図5(D)から図5(F)を参照して、音声通信中に動画を共有する操作手順を説明する。
まず、図5(A)から図5(C)を参照して、動画視聴中にノーティフィケーションバーPNBを利用して音声通信を開始する操作手順を説明する。まず、ユーザAは、ノーティフィケーションバーPNBを表示部100の下方向にスワイプ操作する。次に、端末装置10−1の操作検出部110は、ノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作を検出する。端末装置10は、操作検出部110がノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作を検出したことに応じて、通知の詳細な内容を示すノーティフィケーション画像を表示する。これにより、ユーザAは、このノーティフィケーション画像が示す通知の詳細な内容を読み取ることができる。
この図5の一例においては、端末装置10−1は、ノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作(図5(A)を参照)に応じて、ノーティフィケーション画像P210を表示する(図5(B)を参照)。このノーティフィケーション画像P210とは、他の装置と通信を開始するための操作画面の一例である。このノーティフィケーション画像P210には、端末装置10−1の通信相手になる頻度が高い相手のサムネイル画像が表示される。この一例では、ノーティフィケーション画像P210には、図5(B)に示すように、アドレス帳アプリケーションに含まれるユーザのうち、通信相手になる頻度が、上位4番目までの頻度である相手のサムネイル画像P211〜P214が表示される。このサムネイル画像P211〜P214は、例えば、通信相手になる頻度が高い順に、左から並べて表示される。図5の例において、このサムネイル画像P211は、ユーザBを示す。また、サムネイル画像P212〜P214は、ユーザC〜ユーザEをそれぞれ示す画像である。また、サムネイル画像は、通信対象情報の一例である。
ここで、通信相手になる頻度とは、自装置との間において、例えば、音声通信を行った頻度、情報共有を行った頻度、情報共有を要求した頻度、情報共有の要求を受け付けた頻度である。また、通信相手になる頻度とは、通信相手とのメール、SMS(Short Message Service)、電話、SNS(Social Networking Service)による発信、受信などの頻度であってもよい。つまり、通信相手になる頻度とは、通信相手が利用する端末装置10が自装置との間において行った通信の回数である。具体的には、端末装置10−1は、例えば、直近の半年間における通信相手の候補ごとの通信回数や、自装置が行った直近の100回の通信における通信相手の候補ごとの通信回数など、所定期間、所定通信回数の中における通信相手の候補ごとの通信回数を比較する。そして、端末装置10−1は、所定期間、所定通信回数の中において、通信相手になる回数が多かった通信相手の候補を抽出する。このとき、端末装置10−1は、通信の開始要求は行われたものの、応答が行われず、実際には通信が成立しなかった通信についてはカウントせずに、通信回数を比較する。
また、ここで、通信対象情報とは、通信相手の候補の端末装置10を示す情報である。換言すると通信対象情報とは、通信相手の候補の端末装置10に対応する情報であり、通信相手を選択する操作を受け付けるために表示部100に表示される情報である。通信対象情報は、画像であってもよいし、テキストであってもよい。通信対象情報が画像である場合は、通信対象情報は、例えば、端末装置10のユーザの写真画像やキャラクタ画像により表される。また、通信対象情報がテキストである場合は、通信対象情報は、端末装置10の電話番号、メールアドレス、端末装置10のユーザの氏名、ニックネームなどにより表される。ここでは、ノーティフィケーション画像P210に表示される通信対象情報が、通信相手の候補のユーザのサムネイル画像により表される例について説明する。
端末装置10−1の操作検出部110は、サムネイル画像P211〜P214に対するタップ操作を検出する。この一例では、ユーザAは、ユーザBのサムネイル画像P211をタップ操作することにより、ユーザBを通信相手に選択する(図5(B)を参照)。操作検出部110は、サムネイル画像P211に対するタップ操作を検出する。端末装置10−1は、操作検出部110がサムネイル画像P211に対するタップ操作を検出したことに応じて、メニュー画像P220を表示する(図5(C)を参照)。このメニュー画像P220には、通信方法選択情報が含まれる。通信方法選択情報とは、通信相手との通信方法、すなわち連絡方法の選択を受け付ける情報である。通信方法には、メール、SMS、音声通信(電話)、SNS、及び情報共有が含まれる。通信方法選択情報は、画像であってもよいし、テキストであってもよい。具体的には、図5の例において、メニュー画像P220に含まれる音声通信開始のアイコンP221及び電子メール作成のアイコンP222が、通信方法選択情報である。ここでは、ユーザAが音声通信の開始が選択された場合について説明するが、他の通信方法が選択されてもよい。この場合、端末装置10−1は、選択された音声通信以外の通信方法により通信を開始する。
ユーザAが音声通信開始のアイコンP221をタップ操作すると、操作検出部110は、このアイコンP221に対するタップ操作を検出する。端末装置10−1は、操作検出部110がアイコンP221に対するタップ操作を検出したことに応じて、端末装置10−2に対する音声通信を開始する。また、端末装置10−1の表示部100は、操作検出部110がアイコンP221に対するタップ操作を検出したことに応じて、ノーティフィケーション画像P210の表示を終了する。また、端末装置10−1の表示部100は、ノーティフィケーション画像P210の表示の終了に伴って、アプリ画像P201の表示を再開する。
次に、図5(D)から図5(F)を参照して、音声通信中に動画を共有する操作手順を説明する。端末装置10−1の表示部100は、共有メニューボタンP230を表示する(図5(D)を参照)。この共有メニューボタンP230は、情報共有アプリケーションAP1により提供される。制御部160は、電話アプリケーションが提供するダイアラ画像が表示部100に表示されないようにして、共有メニューボタンP230を表示部100に表示させる。ユーザAが共有メニューボタンP230をタップ操作すると、操作検出部110は、この共有メニューボタンP230に対するタップ操作を検出する。端末装置10−1の表示部100は、操作検出部110が共有メニューボタンP230に対するタップ操作を検出したことに応じて、情報共有機能呼び出しランチャーの画像P240を表示する(図5(E)を参照)。この情報共有機能呼び出しランチャーの画像P240とは、情報共有機能を起動して、情報共有通信を開始する操作を受け付ける画像である。
ユーザAは、情報共有機能呼び出しランチャーの画像P240をタップ操作することにより、情報共有機能を起動する(図5(F)を参照)。情報共有機能が起動されると、制御部160は、共有メニューボタン画像PMBを表示部100に表示させる。ユーザAは、この共有メニューボタン画像PMBをタップする操作することにより、受話モードの切り換え、共有機能の終了などの操作を行う。具体的には、操作検出部110が共有メニューボタン画像PMBに対するタップ操作を検出した場合、制御部160は、受話モードの切り換え、共有機能の終了などの操作を受け付けるランチャー画像を表示部100に表示させる。このように構成することにより、端末装置10は、ストリーミング動画配信アプリケーションのアプリ画像P201の表示を終了することなく、情報共有機能呼び出しランチャーの画像P240を表示することができる。すなわち、このように構成することにより、端末装置10は、ストリーミング動画配信アプリケーションのアプリ画像P201の表示を終了することなく、音声通信を開始するとともに、情報共有を開始することができる。
なお、端末装置10において、情報共有機能は、他の方法により開始されてもよい。具体的には、例えば、他装置との音声通信中に操作検出部110がノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作を検出した場合、制御部160は、ノーティフィケーション画像に情報共有機能の選択ボタン画像を表示部100に表示させる。そして、操作検出部110がこの選択ボタン画像に対するタップ操作を検出した場合、制御部160は、音声通信中の通信相手とセションを構築し、情報共有通信を開始する。
なお、メニュー画像P220には、電話やメール以外に、相手方のユーザ毎に対応しているコミュニケーションアプリケーションの操作メニューが含まれていてもよい。ここで、コミュニケーションアプリケーションとは、例えば、SNSアプリケーションである。このコミュニケーションアプリケーションには、様々な種類のアプリケーションが含まれる。具体的には、ユーザBが、SNSアプリケーション1を利用している場合がある。このSNSアプリケーション1は、テキストによるメッセージ交換機能を有している。この場合には、メニュー画像P220には、ユーザBに対する連絡手段として、SNSアプリケーション1によるテキスト入力操作メニューが表示される。また、ユーザCが、SNSアプリケーション2を利用している場合がある。このSNSアプリケーション2は、テキストと画像(例えば、スタンプ)とによるメッセージ交換機能を有している。この場合には、メニュー画像P220には、ユーザCに対する連絡手段として、SNSアプリケーション2によるテキスト入力操作メニューと、スタンプ貼り付け操作メニューとが表示される。
また、メニュー画像P220には、複数のコミュニケーションアプリケーションのうち、相手方のユーザとの間において利用している頻度の高いコミュニケーションアプリケーションを上位に表示してもよい。例えば、端末装置10−1は、自装置と、他の端末装置10とが相互に利用できる通信方法のうち、利用頻度が高い通信方法を提供するコミュニケーションアプリケーションをメニュー画像P220に表示する。
なお、端末装置10−1は、次のように動作してもよい。例えば、図5(C)に示す音声通信開始のアイコンP221、又は電子メール作成のアイコンP222をタップ操作した際に、端末装置10−1は、起動中のアプリケーションを停止してもよい。この一例においては、起動中のアプリケーションとは、ストリーミング動画配信アプリケーションである。また、端末装置10−1は、起動中のアプリケーションを停止する際に、停止するか否かをユーザAに確認してもよい。
また、図5(C)に示す音声通信開始のアイコンP221、又は電子メール作成のアイコンP222をタップ操作した際に、端末装置10は、通話音量及び起動中のアプリケーションのメディア音量を操作するための音量操作画像を表示してもよい。これにより、端末装置10は、画面共有の際の音量調整操作の手間を低減することができる。
また、図5(B)に示すノーティフィケーション画像P210において、端末装置10−1は、通信相手の候補が対応する通信方法を表示してもよい。具体的には、例えば、端末装置10−1は、サムネイル画像P211〜P214の近傍に、サムネイル画像P211〜P214にそれぞれ対応する端末装置10が情報共有通信に対応しているか否かを示す通信可否情報を表示する。上述したように、本実施形態において、情報共有通信は、要求側の端末装置10−1において動作する情報共有機能アプリケーションと、被要求側の端末装置10−2において動作する情報共有機能アプリケーションとにより行われる。つまり、この通信可否情報とは、要求側の端末装置10−1において動作する情報共有機能アプリケーションと、被要求側の端末装置10−2において動作する情報共有機能アプリケーションとについて、シグナリングサーバ20が行った適合性の判定結果に基づく情報である。これにより、ユーザAは、通信相手の候補が、ユーザAが希望する通信方法に対応しているか否かを一目で認識することができる。なお、通信可否情報は、画像により表されてもよいし、テキストにより表されてもよい。
なお、ノーティフィケーション画像P210に表示される通信相手の候補の数は、図5(B)において例示した4つに限られない。ノーティフィケーション画像P210に表示される通信相手の候補の数は、1〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。ただし、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210に表示する通信相手の候補の数を、アドレス帳アプリケーションに登録されている数よりも少ない数とすることにより、ユーザAは、通信相手を容易に選択することができる。また、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210に表示する通信相手の候補の数を、表示部100に一度に表示可能な数とすることにより、ユーザAは、例えば、スクロール操作などにより画面を切り替えることなく、通信相手を容易に選択することができる。ただし、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210に表示する通信相手の候補の数を、表示部100に一度に表示できない数としてもよい。この場合は、端末装置10−1は、スクロール操作を受け付けた場合に、画面に表示されていなかった通信相手の候補を表示する。
なお、ノーティフィケーション画像P210において表示される通信相手の候補は、上述した以外の方法により選択されてもよい。具体的には、例えば、操作検出部110がノーティフィケーションバーPNBへのスワイプ操作を検出した場合、制御部160は通信履歴を参照し、自端末装置10−1と通信相手の候補との通信時間を取得する。次に、制御部160は、自端末装置10−1との通信時間が長い通信相手の候補を4つ特定する。そして、表示部100は、特定した4つの通信相手の候補のユーザのサムネイル画像を、通信時間順に並べて表示する。また、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210において表示する通信相手の候補を通信履歴に基づいて特定する場合に、表示を行う時間に応じて、参照する通信履歴の期間を変更してもよい。具体的には、例えば、端末装置10−1がノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作を受け付けた時間が休日である場合には、端末装置10−1は、休日の通信履歴を参照して、休日において通信頻度が高い通信相手の候補を特定する。そして、端末装置10−1は、特定した通信相手の候補を表示する。これに対して、端末装置10−1がノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作を受け付けた時間が平日である場合には、端末装置10−1は、平日の通信履歴を参照して、平日において通信頻度が高い通信相手の候補を特定する。そして、端末装置10−1は、特定した通信相手の候補を表示する。
また、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210内に表示する通信相手の候補を、端末装置10−1の位置に基づいて選択してもよい。この場合、アドレス帳アプリケーションには、通信相手の候補の端末装置10のユーザの会社の名称又は住所、自宅の住所等、ユーザに関係する場所を特定することができる情報が予め登録されている。通信相手の候補の選択において、制御部160は、まず、地図情報を管理する地図サーバにアクセスして、自装置の現在位置と通信相手の候補のユーザに関係する場所(通信相手の候補の関係先)との距離を取得する。次に、制御部160は、取得した距離が所定距離よりも短く、自装置の現在位置と、通信相手の候補の関係先との距離が近い通信相手の候補を抽出する。そして、抽出された通信相手の候補が複数存在する場合、制御部160は、その中から通信頻度の高い候補をノーティフィケーション画像P210により表示する。
また、端末装置10−1は、例えば、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補から、ユーザAのお気に入りの通信相手の候補を登録可能としてもよい。この場合、例えば、端末装置10−1の表示部100は、アドレス帳アプリケーションや通信履歴に記憶されている通信相手の候補の一覧とともに、お気に入り登録用ボタン画像を表示する。次に、操作検出部110がお気に入り登録用ボタン画像へのタップ操作を検出すると、制御部160は、お気に入り登録用ボタン画像に対応する通信相手の候補をお気に入りの通信相手に登録する。そして、操作検出部110がノーティフィケーションバーPNBへのスワイプ操作を検出した場合に、表示部100は、お気に入り登録された通信相手の候補のユーザのサムネイル画像を表示する。また、例えば、端末装置10−1は、通信履歴とともに、お気に入り登録用ボタン画像を表示して、通信履歴からお気に入りの通信相手を登録可能としてもよい。
また、端末装置10−1は、お気に入りの通信相手の登録において、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補を任意の態様で表示してよい。具体的には、例えば、端末装置10−1は、通信相手になる頻度が高い順に、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補の氏名を並べ、選択可能に表示する。これにより、ユーザAは、頻繁に通信を行っている通信相手を知ることができるため、容易にお気に入りの通信相手を登録することができる。
なお、端末装置10は、ノーティフィケーション画像P210において表示される通信相手の候補を、別の規則に基づいて選択された通信相手の候補に切替可能であってもよい。この場合、端末装置10−1の表示部100は、例えば、ノーティフィケーション画像P210に切替ボタン画像を表示する。そして、操作検出部110が切替ボタン画像に対するタップ操作を検出した場合に、制御部160は、ノーティフィケーション画像P210に表示させる通信相手の候補を切り替える。具体的には、例えば、端末装置10−1は、切替ボタン画像に対するタップ操作に応じて、音声通信の通信頻度に基づいて選択された通信相手の候補と、情報共有通信の通信頻度に基づいて選択された通信相手の候補との表示を切り替える。より具体的には、まず、端末装置10−1は、ノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作に応じて、アドレス帳アプリケーションに登録されている情報を参照する。次に、端末装置10−1は、音声通信の通信頻度が高い順に4つの通信相手の候補の通信対象情報を読み出す。そして、端末装置10−1は、読み出した通信対象情報を音声通信の通信頻度が高い順に並べてノーティフィケーション画像P210内に表示する。次に、端末装置10−1は、切替ボタン画像に対するタップ操作に応じて、アドレス帳アプリケーションに登録されている情報を再度参照する。そして、端末装置10−1は、情報共有通信の通信頻度が高い順に4つの通信相手の候補の通信対象情報を読み出す。そして、端末装置10−1は、読み出した通信対象情報を情報共有通信の通信頻度が高い順に並べてノーティフィケーション画像P210内に表示する。
また、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210内に表示する通信相手の候補を、端末装置10−1において実行中のアプリケーションに応じて変更してもよい。具体的には、例えば、ノーティフィケーションバーPNBがスワイプ操作されたときにフォアグラウンドで実行されているアプリケーションが動画再生アプリケーションである場合や、テレビ再生アプリケーションである場合、端末装置10−1は、画面共有の情報共有通信の通信履歴を参照し、情報共有通信の頻度が高い通信相手の候補を表示する。また、例えば、ノーティフィケーションバーPNBがスワイプ操作されたときにフォアグラウンドで実行されているアプリケーションが電子メールアプリケーションである場合、端末装置10−1は、電子メールの送信履歴を参照し、電子メールの送信頻度が高い通信相手の候補を表示する。これにより、端末装置10−1は、実行中のアプリケーションとの関連性が高い通信方法における通信頻度に基づいて、通信相手の候補を表示することができる。
なお、端末装置10−1は、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補のうち、所定の条件を満たす候補を、ノーティフィケーション画像P210内に表示する候補から除外してもよい。具体的には、例えば、端末装置10−1は、通信相手の候補の端末装置10が店舗や施設により利用されている場合や固定電話機である場合には、その端末装置10についてはノーティフィケーション画像P210に表示しない。端末装置10−1は、通信相手の候補の端末装置10が店舗や施設の電話番号であるか否かを、例えば、アドレス帳アプリケーションにその旨が登録されているか否かにより判定する。また、例えば、端末装置10−1は、通信相手の候補の電話番号が「03−」などの所定の番号から始まる電話番号であるか否かを判定することにより、通信相手の候補の端末装置10が固定電話か否かを判定する。
また、端末装置10−1は、ノーティフィケーション画像P210内に表示された通信相手の候補の編集を受け付けてもよい。この場合、端末装置10−1は、例えば、ノーティフィケーション画像P210内に表示された通信相手の候補に対するドラッグアンドドロップ操作を受け付けた場合に、その候補を除外リストに登録する。そして、端末装置10−1は、除外リストに登録された候補をノーティフィケーション画像P210内に表示しない。この除外リストへの登録は、例えば、アドレス帳アプリケーションから行われてもよい。
なお、上述した例では、ノーティフィケーションバーPNBがスワイプ操作された場合に、端末装置10−1は、まず、通信相手の候補を示す通信対象情報を表示する。そして、通信相手の候補が選択された場合に、端末装置10−1は、通信方法を示す通信方法選択情報を表示する。しかしながら、端末装置10−1は、これらの表示の順序を入れ替えてもよい。具体的には、ノーティフィケーションバーPNBがスワイプ操作された場合に、端末装置10−1は、まず、通信方法選択情報を表示する。そして、通信方法が選択された場合に、端末装置10−1は、通信対象情報を表示する。このとき、端末装置10−1は、選択された通信方法による通信の頻度に基づいて、表示する通信相手の候補を特定する。
[端末間通信システムの構成]
次に、上述した情報共有機能を提供する端末間通信システム1の構成について、図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態の端末間通信システム1の構成の一例を示す概要図である。端末間通信システム1は、複数の端末装置10(この一例では、端末装置10−S及び端末装置10−R)の他に、次の装置を備える。すなわち、端末間通信システム1は、シグナリングサーバ20と、認証サーバ30と、プッシュサーバ40と、中継サーバ50とを備えている。
シグナリングサーバ20は、端末装置10の間において行われる情報共有通信のセションを管理する。具体的には、シグナリングサーバ20は、複数の端末装置10、認証サーバ30、及びプッシュサーバ40との間において通信が可能である。シグナリングサーバ20は、端末装置10が情報共有機能に対応している場合、その端末装置10の情報のレジストレーション(初期登録)を行う。また、シグナリングサーバ20は、端末装置10から情報共有の要求があった場合に、共有先の端末装置10との間の通信のセションを構築するためのシグナリング処理を行う。また、シグナリングサーバ20は、端末装置10から情報共有の要求があった場合に、共有の要求先の端末装置10が情報共有機能に対応しているか否かの返答を、要求側の端末装置10に対して行う。
このシグナリングサーバ20は、端末情報受信部と、適合性判定部と、判定結果送信部と、セション構築部とを、その機能部として備えている。
このうち、端末情報受信部は、端末情報を端末装置10から受信する。この端末情報には、端末装置10を識別する端末識別情報と、端末装置10において動作するアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報とが含まれている。
適合性判定部は、端末装置10−1において動作する第1アプリケーションと、端末装置10−2において動作する第2アプリケーションとの適合性を、端末情報に基づいて判定する。
判定結果送信部は、端末装置10−1において動作する第1アプリケーションが送信する判定要求に応じて、適合性判定部による判定結果を端末装置10−1に送信する。
セション構築部は、第1アプリケーションが送信する通信開始の要求に応じて、通信開始の要求を送信した第1アプリケーションと、第2アプリケーションとの間のセションを、端末情報に基づいて構築する。
また、シグナリングサーバ20は、セションの構築開始時に端末装置10が正規の装置であるか否かを判定する。端末装置10が正規の装置であるか否かは、様々な手段によって判定することができる。この一例においては、シグナリングサーバ20は、端末装置10から送信される電話番号及びIPアドレスに基づいて、端末装置10が正規の装置であるか否かを判定する。より具体的には、シグナリングサーバ20は、端末装置10から送信される電話番号及びIPアドレスと、この端末装置10に予め割り当てられている電話番号及びIPアドレスとが一致するか否かに基づいて、端末装置10が正規の装置であるか否かを判定する。以下の説明において、シグナリングサーバ20が行う、端末装置10が正規の装置であるか否かの判定を、セキュア判定とも記載する。
また、シグナリングサーバ20は、レジストレーション情報を記憶する。シグナリングサーバ20は、このレジストレーション情報を利用して、セションの構築、及びセキュア判定を行う。このシグナリングサーバ20が記憶するレジストレーション情報について、図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態のシグナリングサーバ20が記憶するレジストレーション情報の一例を示す表である。シグナリングサーバ20は、レジストレーション情報として、端末装置10の電話番号と、端末モデル名と、プッシュIDと、アプリケーションバージョンとを記憶する。ここで、プッシュIDとは、端末装置10上で動作する情報共有機能対応のアプリケーションについて、このアプリケーションを識別する識別情報である。
図6に戻り、シグナリングサーバ20は、セションが確立された後には、所定の頻度で端末装置10が正規の装置であるか否かを判定する。シグナリングサーバ20は、端末装置10が正規の装置であると判定した場合に限り、セションを構築し、又は確立されたセションを維持する。具体的には、シグナリングサーバ20は、端末装置10が正規の装置であると判定した場合には、端末装置10に対してトークンを発行する。このトークンとは、高速通信回線を経由して端末装置10どうしが通信を行うための許可情報である。このトークンには、発行の時点からの有効期限が設定されている。端末装置10は、この有効なトークンが発行されている場合に、他の端末装置10との画面情報共有を行うことができる。また、端末装置1は、トークンが発行されていない場合、及び発行されているトークンの有効期限が途過している場合には、他の端末装置10との画面情報共有を行うことができない。このようにして、シグナリングサーバ20は、端末装置10の間のセションを管理する。
認証サーバ30は、端末装置10の電話番号と、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)とを関連付けて記憶している。認証サーバ30は、シグナリングサーバ20から、電話番号に対応するIPアドレスの要求があった場合に、端末装置10の電話番号に対応するIPアドレスを、シグナリングサーバ20に返答する。
なお、ある端末装置10についての電話番号とIPアドレスとの組み合わせが、認証サーバ30に記憶されている電話番号とIPアドレスとの組み合わせと一致しない場合には、この端末装置10が正規の装置でない可能性がある。シグナリングサーバ20は、ある端末装置10から電話番号及びIPアドレスを取得し、認証サーバに記憶されている電話番号及びIPアドレスと比較して、電話番号とIPアドレスとの組み合わせが一致するか否かを判定する。この比較の結果、電話番号とIPアドレスとの組み合わせが一致すると判定した場合、シグナリングサーバ20は、端末装置10に対してトークンを発行する。また、この比較の結果、電話番号とIPアドレスとの組み合わせが一致しないと判定した場合、シグナリングサーバ20は、端末装置10に対してトークンを発行しない。
プッシュサーバ40は、複数のプッシュIDを記憶する。このプッシュサーバ40に記憶されるプッシュIDと、端末装置10上で動作するアプリケーションとは、シグナリングサーバ20によって対応付けられている。具体的には、端末装置10において、ダウンロードされた新たなアプリケーションが初めて起動されると、この端末装置10は、プッシュサーバ40に対してプッシュIDの発行を要求する。プッシュサーバ40は、この要求に基づいて端末装置10の新たなアプリケーションに対するプッシュIDを発行して、発行したプッシュIDを端末装置10に送信する。端末装置10は、この新たなアプリケーションと、発行されたプッシュIDとを関連付けた情報を、シグナリングサーバ20に対してレジストレーション情報として送信する。シグナリングサーバ20は、端末装置10から送信されたレジストレーション情報を記憶する。これにより、プッシュサーバ40に記憶されるプッシュIDと、端末装置10上で動作するアプリケーションとが、シグナリングサーバ20によって対応付けられる。
また、プッシュサーバ40は、端末装置10においてアプリケーションがバージョンアップされると、このバージョンアップに伴って新たなプッシュIDを発行する。つまり、プッシュサーバ40は、端末装置10において動作するアプリケーションの、アプリケーションバージョンの更新に伴い、更新される。
また、プッシュサーバ40は、被要求側の端末装置10に対してシグナリングサーバ20がセション構築開始の要求を行う際に、要求側の端末装置10の電話番号をプッシュ技術により被要求側の端末装置10に対して送信する。このプッシュ技術とは、端末装置10に対する通信リクエストを、サーバ装置側(この例の場合には、シグナリングサーバ20、及びプッシュサーバ40側)からIPアドレスを用いてプッシュ配信する技術である。なお、以下の説明において、プッシュ技術によって情報を送信することを、単に、情報をプッシュするとも記載する。
中継サーバ50は、複数の端末装置10の間の情報共有通信においてピア・トゥー・ピア接続ができない場合に、複数の端末装置10の間の情報共有通信を行う中継サーバである。ピア・トゥー・ピア接続は、P2P接続とも称する。複数の端末装置10の間の情報共有通信のP2Pセションが、所定の時間を超えても確立できない場合に、中継サーバ50を介したセションが構築される。
[端末装置の動作手順]
次に、図8及び図9を参照して、2つの端末装置10の間の通信の開始時における要求側の端末装置10−1の動作手順について説明する。ここでは、情報共有通信の開始において、通信相手の候補を提示する2通りの処理の手順について説明する。また、この一例では、要求側の端末装置10−1が共有対象の画像を表示している状態から、共有対象の画像の共有を開始するまでの処理について説明する。ここで、共有対象の画像とは、画面共有機能により端末装置10−1と端末装置10−2との両方に表示される画像である。
[端末装置の動作手順1:従来技術の端末装置による通信相手の選択]
まず、図9を参照して、従来技術の端末装置により、画像共有を開始する場合の処理手順について説明する。この図に示される例において、従来技術の端末装置は、本実施形態に係る端末装置10と同様に表示部、操作検出部、及び操作検出部を備える。ただし、従来技術の端末装置は、本実施形態に係る端末装置10と、通信相手の候補を表示するための操作の受付方法が異なっている。
図9は、アドレス帳アプリケーションの起動ボタン画像により画像共有を開始する場合における端末装置の動作手順の一例を示す流れ図である。
まず、表示部は、共有対象の画像を表示する(ステップS100)。次に、操作検出部110は、共有対象の画像の表示を中止する操作を待ち受ける。具体的には、操作検出部110は、共有対象の画像を表示するアプリケーションを終了する操作、又は、バックグラウンド実行にする操作を待ち受ける。そして、操作検出部が共有対象の画像の表示を中止する操作をユーザから受け付けると(ステップS101)、表示部は、ホーム画像を表示する(ステップS102)。このホーム画像とは、複数のアイコン画像が並べられた画像である。そして、これらのアイコン画像は、それぞれ、端末装置において実行可能なアプリケーションの起動に対応付けられている。つまり、ホーム画像とは、アプリケーションの起動ボタン画像を並べた画像である。このホーム画像は、アドレス帳アプリケーションの起動ボタン画像を含む。
次に、操作検出部は、アプリケーションの起動ボタン画像に対する操作を待ち受ける。そして、操作検出部がアドレス帳アプリケーションの起動ボタン画像に対する操作を受け付けると(ステップS103)、制御部は、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補のリストを読み出す。次に、表示部は、読み出された通信相手の候補のリストを表示する(ステップS104)。次に、操作検出部は、表示された通信相手の候補のうち、音声通信を行う通信相手を選択する操作を待ち受ける。そして、操作検出部がユーザから通信相手を選択する操作を受け付けると(ステップS105)、制御部は、選択された通信相手の端末装置と音声通信を開始する(ステップS106)。
次に、表示部は、情報共有機能呼び出しランチャーの画像を表示する(ステップS107)。次に、操作検出部が情報共有通信を開始する操作を受け付けると、制御部は、音声通信中の通信相手とセションを構築する(ステップS108)。セションが構築されると、要求側の端末装置の操作検出部は、共有対象の画像を表示する操作を待ち受ける。そして、要求側の端末装置の操作検出部が共有対象の画像を表示する操作を受け付けると(ステップS109)、端末装置の表示部は、共有対象の画像を表示する。同時に、通信相手(被要求側)の端末装置の表示部に、共有対象の画像が表示される(ステップS110)。そして、制御部は、この図に示される処理を終了する。
なお、本実施形態に係る端末装置10は、図9を参照して説明した従来技術に係る通信相手の選択操作を受け付けてもよい。
[端末装置の動作手順2:本実施形態に係る端末装置による通信相手の選択]
次に、図8を参照して、本実施形態に係る端末装置10により画像共有を開始する場合の処理手順について説明する。
図8は、ノーティフィケーションバーPNBにより画像共有を開始する場合における端末装置10−1の動作手順の一例を示す流れ図である。ここでは、ノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作に応じて、通信頻度が高い上位4番目までの通信相手の候補が表示される場合について説明する。
まず、表示部100は、共有対象の画像を表示する(ステップS200)。次に、操作検出部110がノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作をユーザから受け付けると(ステップS201)、制御部160は、自装置の通信履歴を参照し、アドレス帳アプリケーションに登録されている通信相手の候補のうち、通信相手になる頻度が上位4番目までの頻度である相手を抽出する。次に、制御部160は、アドレス帳アプリケーションに登録されている情報を参照し、例えば、抽出した通信相手のサムネイル画像を取得する。次に、表示部100は、制御部160が取得したサムネイル画像を含むノーティフィケーション画像を表示する。つまり、端末装置10−1は、ノーティフィケーションバーPNBに対するスワイプ操作に応じて、通信相手の候補を表示する(ステップS202)。
次に、操作検出部110は表示した通信相手の候補のうち、情報共有通信を開始する通信相手を選択する操作を待ち受ける。具体的には、操作検出部110は、表示部100が表示するサムネイル画像に対するタップ操作を待ち受ける。そして、操作検出部110が、サムネイル画像に対するタップ操作を受け付けると(ステップS203)、端末装置10−1の制御部160は、タップ操作されたサムネイル画像に対応する通信相手の端末装置10−2と音声通信を開始する(ステップS204)。次に、端末装置10−1の表示部100は、情報共有機能呼び出しランチャーの画像を表示する(ステップS205)。次に、端末装置10−1の操作検出部110が情報共有通信を開始する操作を受け付けると、端末装置10−1の制御部160は、音声通信中の通信相手とセションを構築する(ステップS206)。そして、端末装置10−1の表示部100は、ステップS200において表示していた共有対象の画像を最上位レイヤに表示する(ステップS207)。同時に、通信相手の端末装置10−2の表示部100に、共有対象の画像が表示される(ステップS207)。そして、制御部160は、この図に示される処理を終了する。
このように、第2の開始処理では、共有対象の画像が表示されているときに、画面共有を開始する場合に、第1の開始処理のようにホーム画像を表示させる操作が不要である。また、第2の開始処理では、ホーム画像を表示させるために、共有対象の画像を表示するアプリケーションを終了させる必要がない。このように、端末装置10−1は、ノーティフィケーションバーPNBに対する操作に応じて通信相手の候補を提示するため、少ない操作で通信を開始することができる。
[変形例:タブレット型端末]
なお、これまで端末装置10が、携帯電話やスマートフォンなどである場合を一例にして説明したが、これに限られない。例えば、端末装置10は、タブレットなどの装置であってもよい。
[変形例:テキスト通信中の情報共有]
なお、これまでの説明において、端末間通信システム1は、音声通信中において情報共有機能を提供するとして説明したが、これに限られない。端末間通信システム1は、テキストによる通信中において、情報共有機能を提供してもよい。例えば、端末間通信システム1は、テキストチャットアプリケーションが提供するチャット中に、情報共有機能を提供してもよい。
以上、本発明の実施形態及びその変形を説明したが、これらの実施形態及びその変形は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及びその変形は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述の各装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。