JP6213342B2 - 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6213342B2
JP6213342B2 JP2014068652A JP2014068652A JP6213342B2 JP 6213342 B2 JP6213342 B2 JP 6213342B2 JP 2014068652 A JP2014068652 A JP 2014068652A JP 2014068652 A JP2014068652 A JP 2014068652A JP 6213342 B2 JP6213342 B2 JP 6213342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
powder
magnetic recording
nipt
recording film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014068652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015190018A (ja
Inventor
宏一 石山
宏一 石山
野中 荘平
荘平 野中
秀治 松崎
秀治 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2014068652A priority Critical patent/JP6213342B2/ja
Publication of JP2015190018A publication Critical patent/JP2015190018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6213342B2 publication Critical patent/JP6213342B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ハードディスク等の高密度磁気記録媒体に適用される磁気記録膜、特に、垂直磁気記録又は熱アシスト磁気記録の媒体に適用される磁気記録膜を形成するために使用され、スパッタリング時の透過磁束密度(Pass Through Flux:PTF)を向上させた磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法に関するものである。
近年、コンピューターの外部記録装置用ハードディスク装置には、記録密度のより一層の向上が求められており、次世代の超高密度磁気記録方式として垂直磁気記録技術と光記録技術等とを組み合わせた熱アシスト磁気記録方式が開発されている。熱アシスト磁気記録は、記録膜にレーザー光やマイクロ波によりキュリー温度付近まで加熱して保磁力を低下させ、書込み、消去を行う方式である。この熱アシスト磁気記録用ハードディスク媒体の記録層に使用する材料として、FePt系磁気記録膜が提案されている。
FePt磁気記録膜のキュリー温度は、約500℃であり、膜をこの温度まで熱するには、大出力のレーザー光が必要となる。FePtにNiを添加したFeNiPt磁気記録膜ではキュリー温度を低減できることが報告されている(非特許文献1参照)。ここでは、このFeNiPtの磁気記録膜を、Fe、Pt、FeNiの三種類のターゲットを用いて、直流マグネトロンスパッタリング装置で成膜することが提案されている。
一方、FePt系磁気記録膜にC(炭素)を添加して微細組織化し、磁気的に孤立したナノスケールサイズの磁石粒子からなる、超高密度の垂直磁気記録媒体を作成する試みがなされている。
このCを含むFePt系の磁気記録膜を成膜する目的で、FePt合金相にC相が分散している組織を有した焼結体からなる、スパッタリングターゲットが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−102387号公報
末木謙吾、他2名、「L10相Fe−Ni−Ptの成膜と磁気特性」、Journal of Magnetics Society of Japan, Vol.30, No.2, 2006, p131-134
上述した軟磁性膜のスパッタリング成膜には、一般に、マグネトロンスパッタリング法が用いられている。ターゲット背面に磁石を設置し、ターゲット表面に磁束を透過させて、その領域にプラズマを集中させることによりスパッタリング効率を向上させ、高速成膜を可能とする方法である。
上記非特許文献1では、FeNiPtの磁気記録膜をスパッタリング成膜するために、Fe、Pt、FeNiによる三種類のターゲットを用いている。この方法では、三枚のターゲットを使用して成膜を行わなければならず、磁気記録膜の組成をコントロールすることが難しい。そこで、Fe、Ni、Ptの三元素を含むFeNiPt合金からなる1枚のターゲットを使用することが考えられるが、FeNiPt合金は、透磁率が高いため、ターゲット表面に透過する磁束密度(PTF)が小さい。このため、安定したプラズマの生成が困難で、スパッタリング効率が不十分になる場合があった。
また、上記特許文献1に示されたCを含むFePtターゲットについても、Niを添加すると透磁率の高いFeNiPt合金が形成されるため、ターゲット表面のPTFが減少し、上述と同様の問題が生じる。
本発明は、FeNiPtによる磁気記録膜の形成に使用され、ターゲット表面のPTFを向上させ、安定したスパッタリングを可能とした磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述したように、FePt系ターゲットにNiを添加して、通常のFeNiPt合金としたのでは、透磁率が高いため、PTFが減少する。そこで、種々検討したところ、FeNiPt焼結体のPTFを向上させるには、燒結体中に強磁性を示さない結晶相を分散形成して透磁率を下げることが有効であることが判明した。即ち、Fe、Ni、Ptの3元素のうち、NiとPtの2元素からなる合金では、図1に示したNiPt系の2元合金状態図に見られるように、Niが75原子%以下の組成領域で形成される、NiPt型の結晶構造を持つ合金相(以下、NiPt相と称す)において、強磁性を示さない。この性質を利用して、焼結体中に強磁性を示さないNiPt相を分散形成すればよいことが分かった。さらに、FeNiPtターゲットにCを加えた場合であっても、同様に、焼結体中に強磁性を示さないNiPt相を分散形成すれば同様の効果が得られることが分かった。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
(1)本発明のターゲットは、組成式:(FePt100−x100−yNi(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20)で表される成分組成からなる焼結体であって、前記焼結体は、FePt相とNiPt相とが分散している組織を有していることを特徴とする。
(2)本発明のターゲットは、組成式:{(FePt100−x100−yNi100−z(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20、3≦z≦65)で表される成分組成からなる焼結体であって、前記焼結体は、FePt相とNiPt相とC相とが分散している組織を有することを特徴とする。
(3)前記(2)のターゲットにおける前記焼結体の前記C相は、主としてグラファイト相で構成されていることを特徴とする。
(4)前記(1)のターゲットにおける前記焼結体中の酸素含有量は、500質量ppm以下であることを特徴とする。
(5)前記(2)又は(3)のターゲットにおける前記焼結体中の酸素含有量は、500質量ppm以下であることを特徴とする。
(6)前記(1)又は(4)のターゲットにおける前記焼結体の透過磁束密度(PTF)は、70%以上であることを特徴とする。
(7)前記(2)、(3)及び(5)のいずれかのターゲットにおける前記焼結体の透過磁束密度(PTF)は、70%以上であることを特徴とする。
(8)本発明のターゲットの製造方法は、前記(1)、(4)及び(6)のいずれかのターゲットを製造する方法であって、FePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とする。
(9)本発明のターゲットの製造方法は、前記(2)、(3)、(5)及び(7)のいずれかのターゲットを製造する方法であって、FePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉と、アセチレンガスの熱分解により生成されたカーボンブラック粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とする。
以上の様に、上記(1)のターゲットは、組成式:(FePt100−x100−yNi(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20)で表される成分組成からなる焼結体であって、前記焼結体は、FePt相とNiPt相とが分散している組織を有していることを特徴としているが、前記成分組成は、成膜しようとするFeNiPtの磁気記録膜の成分目標に従っており、焼結体中において、FePt相とNiPt相とが分散した組織となることで、強磁性を示さないNiPt相の存在により、PTFが向上する。そのため、ターゲット表面において、プラズマが形成されやすくなり、安定的にスパッタを行える。
また、上記(2)のターゲットは、組成式:{(FePt100−x100−yNi100−z(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20、3≦z≦65)で表される成分組成からなる焼結体であって、前記焼結体は、FePt相とNiPt相とC相とが分散している組織を有することを特徴としているが、このターゲットは、上記のターゲットに、さらに、C成分を添加した場合であって、この場合の焼結体は、FePt相とNiPt相とC相とが分散した組織となっている。この場合も、強磁性を示さないNiPt相の存在により、ターゲットの透磁率が下がり、PTFが向上する。そのため、ターゲット表面において、プラズマが形成されやすくなり、安定したスパッタを行える。なお、前記C相は、グラファイト相で構成されることが、スパッタ時のパーティクル発生を抑制し、異常放電発生を低減するうえで一層好ましい。
さらに、上記(1)及び(2)いずれかのターゲットにおける前記焼結体中の酸素含有量は、500質量ppm以下であることを特徴としたが、この理由は、酸素の含有量がこの値を超えると、スパッタ膜中の酸素量が増加することにより、磁気記録媒体膜の保磁力が低下するおそれがあるためである。
上記(1)乃至(5)のいずれかのターゲットにおける前記焼結体のPTFが、70%以上であることを特徴としたが、PTFが70%未満であると、ターゲット表面において、プラズマ生成強度が不足し、安定したスパッタリングを実施できない場合がある。そのため、PTFを70%以上とすることが好ましい。
また、上記ターゲットの製造方法では、FePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とした。
ここでは、ガスアトマイズ法で作製されたFePt合金粉と、ガスアトマイズ法で作製された後に微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末をホットプレスすることにより、焼結体中において、FePt相とNiPt相とが分散した組織を形成することができる。
即ち、ホットプレス時に、Pt粉と、FePt合金粉と、NiPt合金粉の固相反応により燒結体の成分組成が平均化され、均一合金化する際に、Pt粉とFePt合金粉に比べて、粒径の大きいNiPt合金粉から、Ni成分が外部に拡散する形で組成の均一化が進むため、焼結体中に強磁性を示さないNiPt相が分散した状態が実現される。
さらに、Cを加えた場合の上記ターゲットの製造方法では、FePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉と、アセチレンガスの熱分解により生成されたカーボンブラック粉(アセチレンブラック)との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とした。ここでは、FePt合金アトマイズ粉と、NiPt合金アトマイズ粉と、Pt粉と、アセチレンブラックと、の混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスするので、微細なアセチレンブラックによって形成された微細なC相が、FePt相及びNiPt相中に高い分散状態で分布すると共に高密度な組織が得られる。この場合の焼結体中においても、FePt相とNiPt相とC相とが分散した組織を形成することができる。即ち、焼結体中に、強磁性を示さないNiPt相が形成される。
なお、ホットプレスを行うときの温度は、900〜1150℃とすることが好ましく、1150℃を超えると、NiPt相が減少して、ターゲットのPTFが低下しやすくなり、その温度が、900℃未満であると、ターゲットの密度が低下しやすくなる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
即ち、本発明に係る磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットによれば、焼結体が、FePt相及びNiPt相が分散した組織を有しているので、強磁性を示さないNiPt相の存在により、ターゲット表面のPTFが向上し、安定したスパッタリングが可能となる。さらに、Cを加えた場合のターゲットによっても、焼結体が、FePt相と、NiPt相とC相とが分散した組織となっているので、この場合も、強磁性を示さないNiPt相の存在により、ターゲット表面のPTFが増加し、安定したスパッタリングが可能となる。
また、本発明による磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法にあっては、FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末を、或いは、FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉と、アセチレンガスの熱分解により生成されたカーボンブラック粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ているので、焼結体中には、FePt相及びNiPt相が分散した組織が、或いは、FePt相と、NiPt相とC相とが分散した組織が形成され、いずれの場合でも、強磁性を示さないNiPt相が形成される。
したがって、本発明のターゲットを用いて、磁気記録膜をスパッタリング成膜することで、高い生産性をもってHDD用の高密度磁気記録媒体に適用される磁気記録膜、特に、垂直磁気記録用又は熱アシスト磁気記録用に適用される良好な磁気記録膜を得ることができる。
NiPt2元合金の状態図である。 本発明に係るターゲットの具体例について、X線回折(XRD)による解析を行った結果である。 本発明に係るターゲットの具体例について、ターゲット表面を電子線マイクロプローブアナライザ(EPMA)により取得した組成像(COMPO像)である。 本発明に係るターゲットの具体例について、ターゲット表面をEPMAにより取得したNiの元素マッピング像である。 本発明に係るターゲットの具体例について、XRDパターンを示すグラフである。
以下、本発明に係る磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法の実施形態ついて、具体的に説明する。
本実施形態のターゲットは、FePt相と、NiPt相とが分散した組織を有する、或いは、FePt相と、NiPt相と、C(炭素)相とが分散している組織を有した焼結体からなる。ここで、C相は、主としてグラファイト相で構成されている。
このターゲットは、組成式:(FePt100−x100−yNi(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20、単位:原子%)で表される組成、或いは、組成式:{(FePt100−x100−yNi100−z(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20、3≦z≦65、単位:原子%))を有する焼結体からなるターゲットである。Feが上記の組成範囲から外れると、高い異方性磁界を持つFeNiPt相が磁気記録膜に十分に形成されない可能性がある。また、Niが上記の組成範囲未満であると、十分な磁気記録膜のキュリー温度低減効果が得られず、Niが上記の組成範囲を超えると、磁気記録膜の保磁力が低下しやすくなる。Cが3原子%未満では、磁気記録膜の微細組織化の効果が得られないおそれがあり、65原子%を超えると、ターゲットの密度が不足し、パーティクルや異常放電が発生しやすくなる。
この磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法では、ガスアトマイズ法により作製されたFePt合金粉と、ガスアトマイズ法により作製されたNiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末、或いは、これらの粉末と、さらには、カーボンブラック粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスすることにより焼結体を得ている。
上記FePt合金粉は、Fe:80〜95原子%を含有し、マイクロトラックで測定したD50が10〜30μmのものを用い、上記NiPt合金粉は、Ni:40〜75原子%を含有し、D50が45〜100μmのものを用いることが好ましい。また、上記Pt粉は、D50が1〜5μmのものを用い、さらに、前記カーボンブラック粉は、平均2次粒子径が20μm以下のものを用いるとよい。
なお、FePt合金粉の平均粒径を上記範囲とした理由は、10μm未満であると、収率よく粉末を回収することが困難となるためであり、30μmを超えると、C相を含む組織において、C相が高い分散状態で分布し難くなるためである。また、NiPt合金粉については、ガスアトマイズしたNiPt合金粉から目開き125μmの篩で粗粉を除去し、さらに、45μmの篩で微粉を除去して、粒径を調整したものを使用した。このNiPt合金粉のD50が100μmを超えると、スパッタリング時に、異常放電が発生しやすくなる。一方、そのD50が45μm未満になると、NiPt相が減少して、ターゲットのPTFが低下するとともに、焼結体中の酸素量が増加しやすくなる。
この製法の一例について詳述すれば、例えば、先ず、上記所定組成割合となるFePt合金粉及びNiPt合金粉をガスアトマイズ法より作製し、D50がそれぞれ10〜30μm、45〜100μmとなるように篩分して粉末を回収する。
Pt粉については、D50がFePt合金粉及びNiPt合金粉よりも小さいものを使用する必要があり、純度が3N〜4N、D50が1〜5μmの粉末が適当である。D50が5μmを超えると、燒結体中のNiPt相が減少しやすくなる。
C相となるカーボンブラック粉は、アセチレンガスの熱分解により生成された、アセチレンブラックを使用する。このアセチレンブラックとしては、例えば、2次粒子径が500nm、比表面積(BET値)70m/gの粉末を用いることができる。
次に、このFePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉と、さらには、アセチレンブラックとを、上記所定のターゲット組成となるように秤量し、これらをボールミル混合用の容器に混合用の粉砕媒体となる5mmφのジルコニアボール等と共に投入し、容器内をArガスで置換した後蓋を閉め、さらに、この容器を8〜16時間回転させ、原料を混合して混合粉末を作製する。
次に、得られた混合粉末を、黒鉛モールドに充填した状態でホットプレス装置に装入し、到達真空圧力133×10−3Paの真空雰囲気中にてホットプレスし、得られた焼結体を、機械加工により所定のターゲット寸法に加工する。なお、十分高い密度の焼結体を得るためには、200kgf/cm以上の加圧力でホットプレスする必要があるが、モールドの機械強度とプレス装置の最大荷重とによる制限を受ける。このため、ホットプレスは、900〜1150℃の範囲で保持時間:3〜6時間、加圧力:350kgf/cmにて行うことが好ましい。この様にして得られた焼結体を、バッキングプレートに接合してスパッタリングターゲットとする。
このように本実施形態の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットでは、FePt相とNiPt相とによる組織を、或いは、FePt相とNiPt相とC相とによる組織を有した焼結体からなるので、FeとNiとPtとが、或いは、CとFeとNiとPtとが一体となっており、焼結体中に、少なくとも非磁性のNiPt相が分散されることにより、ターゲット全体の透磁率を低下させて、ターゲット表面における透過磁束密度(PTF)が向上する。
さらに、Cを加えた磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法では、FePt合金粉と、NiPt合金粉と、Pt粉と、C粉(アセチレンブラック)との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスするので、アセチレンブラックによる微細なC相がFePt相及びNiPt相中に高い分散状態で分布すると共に高密度な組織が得られる。
〔実施例〕
本実施例のターゲットを製造するに当たって、先ず、FePt合金アトマイズ粉、NiPt合金アトマイズ粉、Pt粉、C粉(アセチレンブラック)を用意した。FePt合金アトマイズ粉は、純度3Nの電解鉄と純度3NのPt粉とを原料として、Feの濃度が93.3原子%となるようにガスアトマイズ装置内で溶解し、Arガスでガスアトマイズし、FePt合金アトマイズ粉を作成した。回収した粉末を篩分し、D50が16μmのFePt合金アトマイズ粉を得た。また、NiPt合金アトマイズ粉は、純度3NのNi粉と純度3NのPt粉とを原料として、Niの濃度が75.0原子%となるように、ガスアトマイズ装置内で溶解し、Arガスでガスアトマイズし、NiPt合金アトマイズ粉を作成した。回収したNiPt合金アトマイズ粉から目開き125μmの篩で粗粉を除去した後、目開き45μmの篩で微粉を除去し、D50が60μmのNiPt合金アトマイズ粉を得た。Pt粉、アセチレンブラックについては、市販のものを使用した。
次に、ホットプレスによる焼結方法について述べる。
前述のFePt合金アトマイズ粉と、NiPt合金アトマイズ粉と、Pt粉と、C粉(アセチレンブラック)とを、表1の「原料配合比率(重量%)」欄に示される配合比率に秤量し、これらをボールミル容器に混合用の粉砕媒体となる5mmφのジルコニアボール等と共に投入し、容器内をArガスで置換した後蓋を閉め、さらにこの容器を16時間回転させ、原料を混合して、実施例1〜10の混合粉末を得た。実施例1〜10の混合粉末をそれぞれ黒鉛モールドに充填した状態でホットプレス装置に装入し、到達真空圧力が133×10−3Paの真空雰囲気中で加圧力:350kgf/cm、表2の「ホットプレス温度(℃)」欄に示された温度で、3時間保持して焼結し、実施例1〜10の焼結体を得た。
その後、実施例1〜10の焼結体のそれぞれを機械加工し、分析用の直径:50mm、厚さ:2mmの試料とスパッタリング用の直径:152mm、厚さ:6mmのターゲットとを作成した。さらに、スパッタリング用のターゲットをInはんだにて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、実施例1〜10のスパッタリングターゲットとした。
〔比較例〕
本実施例と比較するため、比較例1〜4のターゲットを作製した。
比較例1は、実施例1の場合と同様の配合比率に従った、FePt合金アトマイズ粉と、NiPt合金アトマイズ粉と、Pt粉との混合粉末を用いているが、NiPt合金アトマイズ粉の、微粉を除去していない場合である。比較例2は、実施例5の場合と同様の配合比率に従った、FePt合金アトマイズ粉と、微粉を除去したNiPt合金アトマイズ粉と、Pt粉と、C粉との混合粉末を用いているが、焼結時に、ホットプレスの温度が、実施例の温度範囲外であり、高い場合である。比較例3は、実施例7の場合と同様の配合比率に従い、比較例4は、実施例10の場合と同様の配合比率に従ったが、FePt合金アトマイズ粉と、微粉を除去していないNiPt合金アトマイズ粉と、Pt粉と、C粉との混合粉末を用いた場合である。
実施例1〜10及び比較例1〜4のターゲットについて、ICP法により金属成分の組成分析を行った。その結果を表2の「ターゲット組成分析値(原子%)」欄に示した。


次に、上記の実施例1〜10及び比較例1〜4のターゲットについて、FePt相及びNiPt相の確認、透過磁束密度(PTF)の測定、ターゲット中の酸素含有量の計測、相対密度の測定を行った。
<FePt相及びNiPt相の確認>
実施例1〜4及び比較例1のターゲットについて、X線回折(XRD)にて観察したところ、図2に示すように、実施例1〜4の場合には、FePt相に帰属する回折ピークとNiPt相に帰属する回折ピークが共に確認され(「有」と表示)、比較例1の場合には、FePt相に帰属する回折ピークは確認されたが、NiPt相に帰属する回折ピークは確認されなかった(「無」と表示)。なお、XRDの測定条件は、次のとおりである。
・装置:理学電気社製(RINT−ULTIMA III)
・管球:Cu
・管電圧:40kV
・電流:40mA
・走査範囲(2θ):5°〜90°
・測定ステップ幅(2θ):0.01°
・スキャンスピード(2θ):毎分1°
実施例5〜10及び比較例2〜4のターゲットについて、上記と同様の測定条件に従って、XRDにて観察した。実施例10のターゲットに関するXRDのグラフが、図5に示されている。図5のグラフによれば、FePt相、NiPt相、C相のそれぞれに帰属する回折ピークが確認できる。表3に示されるように、実施例5〜10の場合には、FePt相、NiPt相、C相のそれぞれに帰属する回折ピークが確認され、比較例2〜4の場合には、FePt相に帰属する回折ピークは確認されたが、NiPt相に帰属する回折ピークは確認されなかった。
さらに、実施例1〜10及び比較例1〜4のターゲットについて組織観察を行った。
組織観察では、ターゲットの表面を研磨して鏡面とした後、高分解能のFE−EPMA(フィールドエミッション型電子線プローブマイクロアナライザ、日本電子製JXA−8500F、以下EPMA)で反射電子像(COMPO像)とNiの元素分布像を撮影した。実施例1のターゲットについてCOMPO像を図3に、Ni分布像を図4に示した。
図3から、FePt相と、NiPt相と、微細なC相(黒い部分)とが均一に分散していることがわかる。
EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、白黒像に変換して記載しているため、濃淡の淡い部分(比較的白い部分)は、所定元素濃度が高い部分である。図4では、白い部分は、Ni濃度が高いことを示しており、この部分が強磁性を示さないNiPt相に対応する。この像から、NiPt相が分散した状態で存在していることが分かる。
<透過磁束密度(PTF)の測定>
PTFの測定は、ASTMF2086−01の規定に基づいて実施し、その測定結果を表3の「PTF(%)」欄に示した。
<ターゲット中の酸素含有量の計測>
作製されたスパッタリングターゲットの表面から1g程度サンプリングを行い、表面を王水で1分程度エッチングし、純水で洗浄後、ガス分析により酸素量を測定した。その結果を、表3の「酸素量(質量ppm)」欄に示した。
<相対密度の測定>
相対密度については、各実施例及び比較例の焼結体を所定寸法に機械加工した後、重量を測定し嵩密度を求めた後、理論密度ρCalで割ることで、算出した。その結果を、表3の「相対密度(%)」欄に示した。
なお、理論密度ρCalは、原料中のFe、Ni、Pt及びCの重量に基づいて、下記の式により求めた。


以上の結果により、実施例1〜10のターゲットのいずれも、少なくとも、FePt相と強磁性を示さないNiPt相とが共存していることが分かり、透過磁束密度(PTF)が向上することが確認された。
一方、比較例1では、NiPt合金粉の粒径調整を行っていないため、NiPtの微粉が多く、ホットプレス時の固相反応による均一化が進行して、NiPt相の存在が確認されず、ターゲットのPTFが向上しなかった。比較例2では、NiPt合金粉の粒径調整を行ったが、ホットプレス温度が高いため、均一化が進行して、NiPt相の存在を確認できず、ターゲットのPTFが向上しなかった。比較例3、4では、NiPt合金粉の粒径調整を行っていないため、NiPt合金の微粉が多く、また、ホットプレス温度を高めに設定したため、均一化と酸化が進行して、NiPt相の存在を確認できず、ターゲットのPTFが向上せず、酸素量が増加した。
以上の様に、本発明に係る磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットによれば、焼結体が、FePt相及びNiPt相が分散した組織、或いは、FePt相、NiPt相及びC相が分散した組織を有しているので、このターゲット中においては、少なくとも非磁性のNiPt相が分散して存在することにより、ターゲットPTFの増加を図れ、安定したスパッタリングが可能である。
また、本発明による磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法にあっては、は、FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末を、或いは、FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉と、アセチレンガスの熱分解により生成されたカーボンブラック粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ているので、FePt相及びNiPt相が分散した組織が、或いは、FePt相、NiPt相及びC相が分散した組織を有する焼結体が得られ、いずれの焼結体でも、少なくとも非磁性のNiPt相が形成され、PTFが向上する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。



Claims (9)

  1. 組成式:(FePt100−x100−yNi(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20)で表される成分組成からなる焼結体であって、
    前記焼結体は、FePt相とNiPt相とが分散している組織を有していることを特徴とする磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  2. 組成式:{(FePt100−x100−yNi100−z(ただし、30≦x≦80、1≦y≦20、3≦z≦65)で表される成分組成からなる焼結体であって、
    前記焼結体は、FePt相とNiPt相とC相とが分散している組織を有することを特徴とする磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  3. 前記C相は、主としてグラファイト相で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  4. 前記焼結体中の酸素含有量は、500質量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  5. 前記焼結体中の酸素含有量は、500質量ppm以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  6. 前記焼結体の透過磁束密度は、70%以上であることを特徴とする請求項1又は4に記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  7. 前記焼結体の透過磁束密度は、70%以上であることを特徴とする請求項2、3及び5のいずれか一項に記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット。
  8. 請求項1、4及び6のいずれかに記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とする磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。
  9. 請求項2、3、5及び7のいずれかに記載の磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    FePt合金粉と、微粉を除去したNiPt合金粉と、Pt粉と、アセチレンガスの熱分解により生成されたカーボンブラック粉との混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中でホットプレスして焼結体を得ることを特徴とする磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。
JP2014068652A 2014-03-28 2014-03-28 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法 Active JP6213342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068652A JP6213342B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068652A JP6213342B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190018A JP2015190018A (ja) 2015-11-02
JP6213342B2 true JP6213342B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=54424786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014068652A Active JP6213342B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6213342B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2739850C1 (ru) * 2017-05-17 2020-12-29 СМСи КОРПОРЕЙШН Манифольдное устройство для привода цилиндров и устройство привода цилиндров

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201609151D0 (en) * 2016-05-25 2016-07-06 Johnson Matthey Fuel Cells Ltd Catalyst
GB201719463D0 (en) 2017-11-23 2018-01-10 Johnson Matthey Fuel Cells Ltd Catalyst

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4175829B2 (ja) * 2002-04-22 2008-11-05 株式会社東芝 記録媒体用スパッタリングターゲットと磁気記録媒体
JP2006161082A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Ishifuku Metal Ind Co Ltd スパッタリングターゲットの製造方法
US20070017803A1 (en) * 2005-07-22 2007-01-25 Heraeus, Inc. Enhanced sputter target manufacturing method
JP4810360B2 (ja) * 2006-08-31 2011-11-09 石福金属興業株式会社 磁性薄膜
JP5590322B2 (ja) * 2010-11-12 2014-09-17 三菱マテリアル株式会社 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP5912559B2 (ja) * 2011-03-30 2016-04-27 田中貴金属工業株式会社 FePt−C系スパッタリングターゲットの製造方法
JP6037206B2 (ja) * 2011-07-05 2016-12-07 三菱マテリアル株式会社 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2739850C1 (ru) * 2017-05-17 2020-12-29 СМСи КОРПОРЕЙШН Манифольдное устройство для привода цилиндров и устройство привода цилиндров
RU2739850C9 (ru) * 2017-05-17 2021-10-26 СМСи КОРПОРЕЙШН Манифольдное устройство для привода цилиндров и устройство привода цилиндров

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015190018A (ja) 2015-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5590322B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP5497904B2 (ja) 磁気記録膜用スパッタリングターゲット
JP5041262B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
TWI605141B (zh) 磁記錄膜形成用濺鍍靶及其製造方法
TWI547579B (zh) Fe-Pt sputtering target with dispersed C particles
JP5592022B2 (ja) 磁気記録膜用スパッタリングターゲット
TWI550114B (zh) Fe-Pt-C系濺鍍靶
JPWO2018047978A1 (ja) 強磁性材スパッタリングターゲット
TWI605132B (zh) Magnetic film forming sputtering target
JP5041261B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
WO2014065201A1 (ja) Fe-Pt系焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法
TW201333237A (zh) 分散有C粒子之Fe-Pt系濺鍍靶
JP5375707B2 (ja) 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP2018035434A (ja) 非磁性材料分散型Fe−Pt系スパッタリングターゲット
JP6213342B2 (ja) 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6037206B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP6108064B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP2016160530A (ja) 磁気合金スパッタリングターゲット及び磁気記録媒体用記録層
TW201835361A (zh) 磁性材濺鍍靶及其製造方法
JP5826945B2 (ja) 磁性記録媒体用スパッタリングターゲット
JP6037197B2 (ja) 磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法
WO2021014760A1 (ja) 非磁性層形成用スパッタリングターゲット部材
WO2023079857A1 (ja) Fe-Pt-C系スパッタリングターゲット部材、スパッタリングターゲット組立品、成膜方法、及びスパッタリングターゲット部材の製造方法
JP2019019402A (ja) スパッタリングターゲット、スパッタリングターゲットの製造方法及び磁気媒体の製造方法
JP2011042867A (ja) 磁気記録膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6213342

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150