JP6213254B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも記載する。)の製造方法に関する。
有機EL素子は、有機化合物の発光層を含む有機機能層と第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の2つの電極で挟持した構成の有機EL構造体がガラス等の素子基板上に配置されている。そして、陽極及び陰極間に電流を供給することにより、発光層が発光する。
有機EL素子を構成する有機EL構造体は、水分や酸素による影響を受けやすく、空気中に放置すると水分や酸素により発光性能の低下を招く。このため、有機EL素子の製造過程では、外界の影響を低減するための封止する層を有機EL構造体上に形成する工程が行われている。
近年は、有機EL素子の用途の拡大等に伴い、樹脂フィルム等の可撓性を有する素子基板に有機EL構造体を形成し、バリアフィルムや金属箔等の可撓性のある封止部材を接着剤で面接着して封止する固体封止タイプの有機EL素子の製造方法が開発され、耐湿性に優れた薄型で軽量の有機EL素子の製造方法として実用化が進められている。
封止工程は、有機EL構造体を蒸着等の真空プロセスで形成する場合、当該真空プロセス工程と連続して真空圧下で行うことが生産性の観点から提案されている。真空圧下で連続して行うことで、空気中の水分や酸素による発光性能の低下や、有機EL構造体表面へのパーティクル付着を防止することができ、有機EL素子性能を向上させることが可能である。
また、有機EL素子を安価に効率良く量産するための製造方法として、長尺な可撓性の基板上に有機機能層及び電極の成膜を行い、ロールtoロール方式により長尺な素子基板を連続的または間欠的に走行させながら行う方法が考えられている。
ロールtoロール方式は有機EL構造体の形成のみならず、長尺な可撓性の基板をセパレータフィルムとして用い、この上に封止部材を形成することに用いることができ、長尺なセパレータフィルム上に形成された封止部材と有機EL構造体を接着剤を介して面接着する、上述した固体封止方式の封止にも用いることができる。
さらには、ロールtoロール方式による製造方式は連続生産が可能なため、生産効率、歩留まりを向上させることができるという利点を有する。
ロールtoロール方式による有機EL素子の製造は、有機EL構造体表面へのパーティクル付着を防止するため、真空圧下で、素子基板上に有機EL構造体を形成した後に、連続して接着剤を介して封止部材と有機EL構造体を貼合して固体封止することが好ましい。固体封止後は、素子基板、有機EL構造体、接着剤層、封止部材、セパレータフィルムの順に積層された多層基板となる。ロールtoロールで作製された長尺の多層基板は、ロールに巻き取り、保存、または他の工程に移送される。
特許文献1は、長尺な素子基板上に有機EL構造体を形成した後に、連続して接着剤層を介して封止部材と有機EL構造体を貼合して固体封止を行う、有機EL素子のロールtoロール方式による製造方法が記載されている。また、特許文献1では、固体封止して多層基板を形成した後に、接着剤の硬化処理を行い、接着剤層を形成する接着剤が硬化した多層基板を巻き取ることが記載されている。
そして、多層基板を巻き取る際には、多層基板の端部へ補助部材を付与、または多層基板に補助部材を重ね合わせて巻き取ることで、素子基板とセパレータフィルムの表面が接触することを防止し、有機EL素子の膜面が傷つくのを抑制する多層基板の巻き取り方法が記載されている。
特開2006−294536号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、真空圧下において接着剤を硬化させた後に、長尺の多層基板を巻き取っているために、真空圧による巻き締まりや、ロール状の多層基板を真空圧下から大気圧下へ移行した時の圧力差による巻き締まりにより、硬化した接着剤層の押圧が生じ、封止部材および接着剤層からなる封止材の剥離及び有機EL素子表面に圧痕の発生が発生するといった問題があることがわかった。封止材の剥離や圧痕の発生が顕著に生じると、封止性能の劣化や発光欠点の発生等の有機EL素子性能の低下、有機EL素子品質が低下するということが起きることがわかった。
さらに、真空圧下で接着剤が硬化した多層基板に補助部材を付与して巻き取る方法では、補助部材を支点として生じる多層基板の変形により、素子基板から封止材の剥離や、有機EL素子表面に圧痕が顕著に発生し、有機EL素子品質が大幅に低下することがわかった。特に、封止材が剥離すると、十分な封止性能が得られず、発光欠点が生じる等の有機EL素子性能の劣化が生じる要因となる。
したがって、本発明の課題は、ロールtoロール方式を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、巻き締まりによる封止材の剥離や圧痕の発生が防止され、封止性能の劣化や発光欠点の発生等の有機EL素子性能の低下を抑制した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することである。
そこで本発明は、上記問題を解決するために、以下の様な手段を用いた。
1.ロールtoロール方式を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、真空チャンバー内で、
長尺な可撓性基板上に少なくとも封止部材及び接着剤層の順で形成された封止材と、長尺な素子基板上に少なくとも陽極、有機機能層及び陰極が形成された有機エレクトロルミネッセンス構造体と、を貼合した後、貼合された前記封止材と前記有機エレクトロルミネッセンス構造体とを巻き取り、その後、前記真空チャンバーの外で、前記接着剤層を硬化させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記巻き取りは、100N/m以下の張力で行うことを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
本発明によれば、ロールtoロール方式を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、巻き締まりによる封止材の剥離や圧痕の発生が防止され、封止性能の劣化や発光欠点の発生等の有機EL素子性能の低下を抑制した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図 多層基板の構成を示す概要断面図 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程の一例を示す概略図
本発明は、ロールtoロール方式を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、真空チャンバー内で、長尺なセパレータフィルム上に封止部材、接着剤層の順で形成された封止材と、長尺な素子基板上に少なくとも陽極、有機機能層及び陰極が形成された有機EL構造体とを貼合して多層基板とし、作製した多層基板を巻き取り、その後、前記真空チャンバーの外で、前記接着剤層を硬化させることで、巻き締まりによる封止材の剥離及び圧痕の発生を抑制でき、封止性能の劣化や発光欠点の発生等の有機EL素子性能の低下、有機EL素子品質が低下するということを抑制できることができる。
非常に薄い膜で脆い有機EL構造体を固体封止する形態においては、接着剤層を硬化させる前に巻き取ることが非常に重要であることがわかった。固体封止タイプの有機EL素子の製造方法においては、有機EL構造体と封止材が密に密着する。このような固体封止の形態において、接着剤を硬化させた状態でロール状に巻き取ると、巻き締まりによって有機EL構造体が、硬化した接着剤層により押圧される。非常に薄い膜で脆い有機EL構造体が押圧されると、有機EL素子性能の劣化が生じる要因となる。さらに、巻き締まりにより硬化した接着剤の押圧が大きくなると、有機EL構造体のみならず、素子基板や封止材にも影響を及ぼし、有機EL素子表面に圧痕の発生、または、封止材の剥離が生じる。特に、真空圧下では、その傾向が顕著に現れることがわかった。
≪有機EL素子≫
以下に、図1を用いて本実施形態の有機EL素子の構成について、より詳細に説明する。発明は、その特徴を含む範囲で以下の実施形態に限定されず、各種の変形形態も包含する。
図1は有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図である。本実施形態の有機EL素子1においては、有機EL素子内の有機EL構造体2を低湿度環境に保ち、外部環境から遮断・保護するために、有機EL構造体2は、封止材3によって挟まれて密閉し封止されている。
ここで、封止材3は接着剤層14が表面に形成された封止部材15を有しており、接着剤層14が有機EL構造体に密着して接着することによって、有機EL構造体を封止している。
また、有機EL構造体2は少なくとも、素子基板16上に形成された第1電極11、当該第1電極11上に形成されかつ発光層を含む有機機能層12及び当該有機機能層12上に形成された第2電極13を有しており、薄膜状である。この有機EL素子1の両電極間に電圧が印加されることによって発光層が発光する。
本発明に係る有機EL素子1は、有機EL構造体2が表面に形成された素子基板16と、接着剤層14が表面に形成された封止部材15とを、それぞれ該素子基板16の有機EL構造体2が形成された面と当該封止部材15の接着剤層14が形成された面において、貼合することによって形成される多層構造を有している。
[素子基板]
ここで、本発明に係る素子基板について説明する。
素子基板は、有機EL素子を形成するときのベースとなる基板である。素子基板は、可撓性であり、機械的強度、素子基板上に有機EL素子を製造する際の耐熱性、水蒸気や酸素に対するガスバリア性等を有していることが好ましい。また、素子基板は、発光した光を透過させるため、透明樹脂により構成されることが好ましい。
素子基板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン(登録商標)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアリレート、アートン(登録商標、JSR社製)あるいはアペル(登録商標、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂、等が挙げられる。また、発光した光を封止部材より透過する場合は、透明樹脂以外の材料も選択可能であり、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、金、ニッケル、チタン、ステンレス、スズ等の金属が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合したり、多層化したりして用いてもよい。
素子基板の厚さは、特に制限されないものの、成形加工性、取扱性等を考慮すると、50〜500μmが好ましい。なお、素子基板の厚さは、マイクロメータを使用して測定可能である。
有機EL素子は、素子基板の表面に形成されている。有機EL素子は、素子基板の少なくとも片側の表面に形成されてあればよい。そして、素子基板の有機EL素子が形成された面と封止材の接着剤層が形成された面において貼合することによって、有機EL素子を封止・密閉することができる。また、有機EL素子を素子基板の両側の表面に形成して、2枚の封止材を当該素子基板の両側から貼合して、両側の面の有機EL素子を封止・密閉することもできる。
(ガスバリア層)
素子基板と発光層との間には、防湿の観点から、1層又は2層以上のガスバリア層が形成されることが好ましい。
ガスバリア層を形成する材料としては、特に制限はされないものの、例えば、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料が好ましく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素等の金属酸化物、窒化珪素等の金属窒化物等を用いることができる。さらに、ガスバリア層の強度をより向上させるために、無機層と有機機能層とからなる層の積層構造とすることが好ましい。無機層と有機機能層との積層順は特に制限されないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
[有機EL構造体]
有機EL構造体は、有機化合物の有機機能層を、第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の2つの電極で挟持した構成を有する。有機機能層には少なくとも1層の発光層が含まれている。
(第1電極)
第1電極(陽極)は、有機機能層(具体的には発光層)に正孔を供給(注入)する電極膜である。第1電極の材料の種類や物性は特に制限されず、任意に設定できる。例えば、第1電極は、仕事関数の大きい(4eV以上)材料、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等の電極材料で形成可能である。また、第1電極は、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する材料(透明電極)により構成されていてもよい。
第1電極(陽極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(有機機能層)
有機機能層を構成する各層について以下に説明するが、これらの有機機能層の各層の具体的な材料等は公知の材料等を適用することが可能であるため、その説明を省略する。また、有機機能層を形成する方法についても、蒸着法、塗布法等、公知の方法を適用することが可能であるため、その説明を省略する。
有機機能層の好ましい積層例は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(6)において、通常は、先に記載された層が第1電極(陽極)側に設けられ、以下、記載の順番で第2電極(陰極)側に積層される。
(1)発光層/電子輸送層
(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(3)正孔輸送層/発光層/電子注入層
(4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(5)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)
(6)正孔注入層(陽極バッファー層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
(発光層)
発光層は、第1電極から直接、又は第1電極から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、第2電極(陰極)から直接、又は第2電極から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合することにより、発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層とそれに隣接する層との間の界面であってもよい。
発光層は、ホスト化合物(ホスト材料)と、発光材料(発光ドーパント化合物)とを含む有機発光性材料で形成することが好ましい。発光層をこのように構成すると、発光材料の発光波長や含有させる発光材料の種類等を適宜調整することにより、任意の発光色を得ることができる。また、発光層をこのように構成することにより、発光層中の発光材料において発光させることができる。
発光層の膜厚の総和は、所望の発光特性等に応じて適宜設定することができる。例えば、発光層の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、及び駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点から、発光層の膜厚の総和は、1nm以上200nm以下とすることが好ましい。特に、低駆動電圧の観点からは、発光層の膜厚の総和は、30nm以下とすることが好ましい。
発光層に含まれるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率として、0.1以下である化合物が好ましく、0.01以下の化合物がより好ましい。
また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物うち、50%以上とすることが好ましい。
発光層に含まれる発光材料としては、例えば、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物)、蛍光発光材料等を用いることができる。なお、一つの発光層には、一種類の発光材料を含有させてもよいし、発光極大波長が互いに異なる複数種の発光材料を含有させてもよい。複数種の発光材料を用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混合させて発光させることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。具体的には例えば、青色発光材料、緑色発光材料及び赤色発光材料(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより、白色光を得ることができる。
(注入層(正孔注入層、電子注入層))
注入層は、駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るための層である。注入層は、通常は、電極及び発光層の間に設けられる。注入層は、通常は2つに大別される。即ち、注入層は、正孔(キャリア)を注入する正孔注入層、及び電子(キャリア)を注入する電子注入層に大別される。正孔注入層(陽極バッファー層)は、第1電極と、発光層又は正孔輸送層との間に設けられる。また、電子注入層(陰極バッファー層)は、第2電極と、発光層又は電子輸送層との間に設けられる。
(阻止層(正孔阻止層、電子阻止層))
阻止層は、キャリア(正孔、電子)の輸送を阻止するための層である。阻止層は、通常は2つに大別される。即ち、阻止層は、正孔(キャリア)の輸送を阻止する正孔阻止層と、電子(キャリア)の輸送を阻止する電子阻止層とに大別される。
正孔阻止層は、広い意味で、後記する電子輸送層の機能(電子輸送機能)を有する層である。正孔阻止層は、電子輸送機能を有しつつ、正孔の輸送能力が小さい材料で形成される。このような正孔阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。
なお、正孔阻止層としては、必要に応じて、後記する電子輸送層の構成が同様に適用可能である。さらに、正孔阻止層が設けられる場合、正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられることが好ましい。
一方、電子阻止層は、広い意味で、後記する正孔輸送層の機能(正孔輸送機能)を有する層である。電子阻止層は、正孔輸送機能を有しつつ、電子の輸送能力が小さい材料で形成される。このような電子阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。なお、電子阻止層としては、必要に応じて、後記する正孔輸送層の構成が同様に適用可能である。
阻止層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上であり、また好ましくは100nm以下、より好ましくは30nm以下である。
(輸送層(正孔輸送層、電子輸送層))
輸送層は、キャリア(正孔及び電子)を輸送する層である。輸送層は、通常は2つに大別される。即ち、輸送層は、正孔(キャリア)を輸送する正孔輸送層と、電子(キャリア)を輸送する電子輸送層とに大別される。
正孔輸送層は、第1電極から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。正孔輸送層は、第1電極又は正孔注入層と発光層との間に設けられる。また、正孔輸送層は、第2電極側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層及び/又は電子阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層は、第2電極から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。電子輸送層は、第2電極又は電子注入層と発光層との間に設けられる。また、電子輸送層は、第1電極側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層及び/又は正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねることがある)は、特に制限されない。ただし、電子輸送層に用いられる電子材料は、通常は、第2電極より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料を適用可能である。
(第2電極)
第2電極(陰極)は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜である。第2電極を構成する材料は特に制限されないが、通常は、仕事関数の小さい(4eV以下)材料、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等の電極材料で形成される。
有機EL素子において、第2電極側から光を取り出す場合、第2電極は、第1電極と同様に、光透過性を有する電極材料で形成可能である。この場合、例えば1nm以上20nm以下の膜厚になるように陰極形成用電極材料からなる金属膜を形成した後、この金属膜上に、第1電極で説明した導電性透明材料からなる膜を形成することにより、透明又は半透明の第2電極を形成することができる。
[封止材]
本発明において、封止材とは、少なくとも封止部材と接着剤層を含んで構成されており、可撓性の封止部材上に接着剤が形成される。封止材を有機EL構造体に貼合することで、外部環境から遮断または保護することができる。封止材は、長尺な可撓性の基板上に少なくとも封止部材及び接着剤層の順で形成されている。可撓性の基板としては、前記した素子基板と同じものを用いることができる。
封止材は有機EL構造体に対応した形状に加工することができる。形状は、所望の封止性能が得られればよく、特に制限がない。封止材の形状を加工し、有機EL構造体に貼合することで、生産性の向上が期待できる。
(封止部材)
次に、本発明に係る封止部材について説明する。
封止部材は、外部環境から有機EL素子等を遮断・保護するためのものである。封止部材は、可撓性であり、機械的強度、水蒸気や酸素に対するガスバリア性等を有していることが好ましい。
封止部材を構成する材料としては、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の硬化性樹脂、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、金、ニッケル、チタン、ステンレス、スズ等の金属が挙げられる。
これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、必要に応じて、複数種類の材料を混合したり、貼合、押出しラミネート、共押出し等によって組み合わせた多層シートとして使用することも可能である。さらに、所望の物性を得るために、使用するシートの厚さ、密度、分子量等を種々組み合わせて作製することも可能である。
封止部材の厚さは、特に制限されないものの、成形加工性、取扱性等やガスバリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮すると、10μm以上300μm以下が好ましい。なお、ここでいう封止部材の厚さは、マイクロメータを使用して測定可能である。
封止部材として上記の熱可塑性樹脂や硬化性樹脂を用いる場合は、封止部材上に蒸着法やコーティング法でガスバリア層を形成することが好ましい。ガスバリア層としては、例えば、金属蒸着膜、無機蒸着膜、金属箔が挙げられる。金属蒸着膜、無機蒸着膜としては、薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き蒸着膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni、W等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si、SiN、単結晶Si、アモルファスSi等が挙げられる。又、金属箔の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料等が挙げられるが、加工性やコストの面でアルミニウムが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
金属蒸着膜、無機蒸着膜の膜厚は、蒸着膜の形成のし易さの観点から、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは300nm以下である。金属箔の膜厚は、製造時の取り扱い性及びパネルの薄板化の観点から、1〜100μm、好ましくは10μm〜50μmである。また、製造時の取り扱いを容易にするために、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂フィルムを予めラミネートしておいてもよい。更に、ガスバリア層の上に熱可塑性樹脂からなる保護層を設けてもよい。
(接着剤層)
接着剤層は封止部材の表面に形成されており、封止部材の少なくとも片側の表面に形成されてあればよい。そして、封止部材の接着剤層が形成された面と素子基板の有機EL素子が形成された面において貼合することによって、有機EL素子を封止・密閉することができる。また、長尺の接着剤層を封止部材の両側の表面に形成して、2枚の素子基板を当該封止部材の両側から貼合して、両側の面の有機EL素子を封止・密閉することもできる。
接着剤層を構成する接着剤としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用することができる。耐湿性、耐水性に優れ、揮発成分が少なく、硬化時の収縮が少ない樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、例えば、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、又はウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系光硬化性樹脂、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系光硬化性樹脂、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン(PVDC)、アイオノマー等の使用が可能である。中でも、基板との接着性に優れたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンの酸変性物、エチレン・酢酸ビニル共重合体の酸変性物、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、などが好ましい。特に、有機EL素子を劣化させるアウトガス成分が少ないポリエチレン、ポリプロピレンの酸変性物が好ましい。
当該アウトガスとは、接着剤層を形成する接着剤を硬化させるために加えるエネルギーにより、封止材を形成する材料中に混在する溶媒や水または反応生成ガスなどが気化、または、真空圧となっている空間(チャンバー内)が昇温しチャンバー壁面やロール等の周辺機器からの水分脱離により放出されるガスである。アウトガスに含まれる水分や酸により、有機EL構造体と水が反応することによる発光欠点の発生や、電極表面が酸化による駆動電圧の上昇等が生じ、有機EL素子性能が劣化する要因となる。
アウトガスは、接着剤を硬化させる工程の前後で、ピラニー真空計または電離真空計等を用いて真空度を測定し、接着剤を硬化させる工程の前後の真空度を比較することでアウトガスの発生を確認することができる。また、ガス分析計(4重極形質量分析計:Qmass)により、アウトガスの成分をイオン化し、アウトガスに含まれる成分を特定することができる。
接着剤層の厚さは、封止性能及びパネルの薄板化の観点から、1μm〜100μmが好ましい。封止部材上への接着剤層の形成方法としては、接着剤層を構成する接着剤の種類に応じて、グラビアコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ナイフコート、ホットメルトコート、ディッピング、スピンコート、スプレーコートなどのコーティング法、スクリーン印刷などの印刷法を用いることができる。また、接着剤層内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入してもよい。
接着剤層を構成する接着剤には必要に応じてフィラーを添加することが好ましい。フィラーの添加量としては、接着力を考慮し、5〜70体積%が好ましい。又、添加するフィラーの大きさは、接着力、貼合後の接着剤層の厚さ等を考慮し、1μm〜100μmが好ましい。添加するフィラーの種類としては特に限定はなく、例えばソーダガラス、無アルカリガラス或いはシリカ、二酸化チタン、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等の金属酸化物等が挙げられる。
≪有機EL素子の製造方法≫
本発明の有機EL素子の製造方法は、真空圧チャンバー内で、長尺な可撓性の基板(セパレータフィルム)上に封止部材、接着材層の順で形成された封止材と、長尺な素子基板上に少なくとも陽極、有機機能層及び陰極が形成された有機EL構造体とを貼合して形成された多層基板を、巻き取り、その後、前記真空チャンバーの外で、前記接着剤層を硬化させることを特徴としている。
そのため、本発明の有機EL素子の製造工程は、少なくとも、封止材が形成された長尺のセパレータフィルムを繰り出す工程と、長尺の素子基板をロールから繰り出す工程と、素子基板上に有機EL構造体を形成する工程と、素子基板上に形成された有機EL構造体とセパレータフィルム上に形成された封止材とを封止材の接着剤層が形成された面を貼合し、多層基板を形成する工程と、接着剤層を硬化させる前に、多層基板をロール状に巻き取る工程を有する。
本発明に係る多層基板の概要構造を図2に示した。多層基板29は長尺で可撓性を有する素子基板16およびセパレータフィルム17の間に有機EL構造体2と封止材3が積層され、均一間隔で配置された構造を有する。
本発明において、セパレータフィルムは、可撓性を有すれば特に制限はないが、有機EL構造体または封止材を支持、または保護するという観点から、可撓性のフィルムであることが望ましい。多孔性フィルム、またはガス透過率が高いフィルム等を使用することができるが、フィルムの強度、封止材面の保護等の観点から、樹脂フィルムが好ましい。また、セパレータフィルムは封止部材または素子基板と同じ材料を用いることもできる。封止部材または素子基板と同じ材料を用いることで、製造コストを抑えることができる。
セパレータフィルムに使用する材料は、1種類を単独で用いてもよく、必要に応じて、複数種類の材料を混合したり、貼合、押出しラミネート、共押出し等によって組み合わせた多層長尺シートとして使用することが可能である。さらに、所望の物性を得るために、使用する長尺シートの厚さ、密度、分子量等を種々組み合わせて作製することも可能であり、多層構造を有してもよい。
長尺で可撓性のフィルムをセパレータフィルムとして使用することで、可撓性のフィルムを連続的に走行させながら生産する、ロールtoロール方式による封止フィルムの製造や有機EL素子の製造が可能となる。
また、セパレータフィルム上に粘着層を設けてもよい。セパレータフィルム上に形成される粘着層は特に制限はないが、生産コスト、取扱簡易性の観点からアクリル樹脂を使用することが好ましい。また、接着剤層と同じ材料を用いることもできる。
以下に、図3を用いて、本発明の熱硬化性の接着剤を接着材層に用いた場合における有機EL素子の製造工程について、より詳細に説明する。本発明は、その特徴を含む範囲で以下の実施形態に限定されず、各種の変形形態も包含する。
[繰り出し工程]
繰り出し工程は、長尺の素子基板が巻かれたロールから素子基板を繰り出す工程、または、封止材が形成された長尺のセパレータフィルムが巻かれたロールからセパレータフィルムを繰り出す工程である。
図3は有機EL素子をロールtoロール方式で製造する一例を示した概略図である。長尺の素子基板が巻かれたロール21とロール21から繰り出される素子基板16をガイドするためのガイドローラー22とを備える第1繰り出し部20が設置されている。素子基板16は、ロール21からガイドローラー22を経て繰り出される。
さらに、片面に封止材が形成された長尺のセパレータフィルム17が巻かれたロール24とロール24から繰り出されるセパレータフィルム17をガイドするためのガイドローラー25とを備える第2繰り出し部23が設置されている。セパレータフィルム17は、ロール24からガイドローラー25を経て繰り出される。このとき、接着剤層は封止材3のセパレータフィルム17と接しない側の封止部材表面に形成されている。
[有機EL構造体の形成工程]
図3の有機EL構造体形成部26では第1繰り出し部から繰り出された素子基板16の洗浄および乾燥工程、有機EL構造体の各構成層を形成する工程である。本発明に係る有機EL構造体の形成工程において、真空圧に特に制限はないが、10−4Pa以下の真空圧で有機EL構造体を形成することが望ましい。
(素子基板準備工程)
基板準備工程では、例えば、ロール状に巻かれた素子基板16は、洗浄部に繰り出されて、超音波洗浄槽に浸して超音波洗浄を行った後、リンス槽で純水により洗浄液のリンス、シャワーヘッドですすぎを行い、乾燥部で乾燥される。
その後、バッファ部により後工程との搬送速度が調整され、予備室a、予備室bを通って、プラズマ槽に搬送される(いずれも図示省略)。各予備室入り口、予備室間、予備室とプラズマ槽間には素子基板16を通過させるゲートバルブが備えられている。ゲートバルブは素子基板16表面、特に有機EL構造体2形成側となる表面が無接触で丁度通り抜けるだけのオリフィス(バルブを形成しており、間隙を調整できるようになっていることが好ましい)を備えており、これにより、素子基板16は、減圧予備室、更にもう1つの減圧予備室と、差動排気によってそれぞれ減圧度が調整されプラズマ槽に搬入される。
各減圧予備室及びプラズマ槽は、それぞれ備えられた真空ポンプ(図示省略)によって差動排気されており、プラズマ槽までに大気圧下環境下から、プラズマ槽で必要とされる真空環境下になるよう調整される。
プラズマ槽おいて素子基板16は、例えば、10−4Paの真空圧下で酸素プラズマによる洗浄が行われる。
洗浄が行われた後、次に、素子基板16は第1電極形成工程に搬送される。
(第1電極形成工程)
第1電極形成工程では、例えば、パターンマスクを用いたスパッタリング法で、取り出し電極部を有する第1電極11(陽極)が形成される。この方法では、例えば、第1電極11(陽極)の材料としてITOをスパッタリング法で素子基板16の上に成膜する際、予め必要とする形状のマスクを使用し成膜する方法である。
(正孔輸送層形成工程)
次に、正孔輸送層形成工程では、例えば、パターンマスクを用いた真空蒸着法により電極となる部分を除き、第1電極11(陽極)の全面に有機化合物である正孔輸送層が積層される。
そして、上記形成した正孔輸送層上に、後記するように、発光層、電子注入層、及び、第2電極13(陰極)を形成して有機EL構造体2が作製される。
(発光層形成工程)
発光層形成工程では、正孔輸送層までが形成された素子基板16の取り出し電極部を除いた正孔輸送層上に真空蒸着法により発光層が形成される。
(電子注入層形成工程)
電子注入層形成工程では、繰出し部から連続的に供給されてくる素子基板16に既に形成されている発光層上に電子注入層を、例えば、真空蒸着法により成膜する。電子注入層の厚さは、0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(第2電極形成工程)
第2電極形成工程では、例えば、電子注入層形成工程から連続的に供給されてくる素子基板16に取り出し電極を有する第2電極13(陰極)を、既に形成されている電子注入層上にマスクパターン成膜する。第2電極13(陰極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。この段階で、第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極(陰極)の構成を有する有機EL構造体2が素子基板16上に作製される。
第2電極(陰極)形成工程、電子注入層(陰極バッファー層)形成工程の上記説明では蒸着装置の場合を示したが、第2電極13(陰極)及び電子注入層(陰極バッファー層)の形成方法については、特に限定はなく、例えば、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧下プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。
第2電極まで形成された有機EL構造体2を有する素子基板16は、次工程に搬送される。
[貼合工程]
貼合工程は、真空圧下で、接着剤層を硬化手段を用いて軟化させ、素子基板上に形成された有機EL構造体とセパレータフィルム上に形成された封止材とを封止材の接着剤層が形成された面を貼合して、多層基板を形成する工程である。
接着剤層の軟化とは、軟化手段を用いて接着剤層を構成する接着剤の粘度を10Pa・s以上5000Pa・s未満とすることである。有機EL構造体と接着剤層を貼合する場合、接着剤層を構成する接着剤の粘度は、好ましくは50〜200Pa・sである。
接着剤層を構成する接着剤が熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂であるときは、貼合する前に、接着剤を軟化処理することで、接着剤に粘着性を持たせることが必要である。接着剤を軟化させることによって、素子基板と封止部材が粘接着され、有機EL構造体は両基板間に密閉・封止される。
接着剤層を構成する接着剤が、熱硬化性樹脂であるときは、軟化工程における接着剤の軟化手段は接着剤の硬化開始温度よりも低温で加熱であることが好ましい。接着剤層を構成する接着剤が、光硬化性樹脂であるときは、光照射による架橋・硬化されていない粘着性を有する半固体であることが好ましい。貼合時に接着剤が予め粘接着可能な粘着性を有する場合は、軟化手段を要さない。
本発明に係る有機EL構造体と封止材の貼合工程において、真空圧に特に制限はないが、封止材が損傷や変形することがない範囲である10Pa以下の真空圧で有機EL構造体と封止材を貼合することが望ましい。真空圧下で貼合することで、空気などを巻き込むことがなく、また、上記した真空圧下範囲で有機EL構造体と封止材を貼合することで、封止材の厚さが均一となるため、密着性よく貼合できる。従って、貼合面で均一な封止性能が得られ、有機EL素子性能の向上が期待できる。
貼合する方式は、貼合ロールによる加熱圧着方式であるが、貼合する手段は、特に限定されるわけではない。ロールラミネート、平板貼合、ダイヤフラム貼合、等種々の手段を用いることができる。本実施形態においては、代表的な貼合手段として、貼合ロールを用いている。
図3において、有機EL構造体形成部26で基板上有機EL構造体が形成された素子基板16とロール24から繰り出されたセパレータフィルム17上の封止材3は、それぞれ繰り出し部を出た後、貼合されるため、貼合部27に搬送される。貼合部27は、真空圧下に、素子基板16と封止材3とを貼合する貼合ローラー28とを備えている。
封止材3の片面に形成された接着剤層は、貼合ローラー28の加熱により軟化された状態で、貼合ローラー28によって貼合される。貼合ローラー28を加熱することで、多層基板に熱が加わる時間を貼合ローラー28の間を通過する時間にとどめることができ、また、貼合ロール12の温度は接着剤の硬化開始温度よりも低温とすることで、アウトガスの発生を制御することが可能である。
接着剤層を構成する接着剤が、貼合ローラー28直前において、粘度が10Pa・s以上5000Pa・s未満であれば、特段の処理は任意である。但し、接着剤層を構成する接着剤が、熱硬化性樹脂であるときは、加熱温度が硬化開始温度を超えないように留意する。
接着剤層を構成する接着剤の粘度は、通常の高分子用粘度計であれば測定可能である。例えば、REOLOGICA社製レオメータDAR−100を用いて測定することができる。測定対象である接着剤層を構成する接着剤と同一の樹脂サンプルを用いて、貼合時と同じ雰囲気(温度等)温度に置いたときの粘度を測定することによって、貼合時の粘度と認定することができる。
また、熱硬化性樹脂の硬化開始温度とは、DSCを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/分で熱硬化性樹脂を加熱していったときの、硬化による発熱ピークの立ち上がりの温度でもって定義される。
貼合ローラー28は、上下対のローラーから構成される、いわゆるニップローラーである。素子基板16と封止材3とが貼合され、軟化された接着剤層によって有機EL素子が密閉・封止された多層基板29が形成される。ローラーの数は1対の2本であってもよいし、必要に応じてさらに2対の4本等と増やしても構わない。またニップ圧やローラーの回転速度は、素子基板16と封止材3とを貼合でき、有機EL素子を損傷しないような条件に適宜設定する。
硬化工程で生じるアウトガスが、貼合前(固体封止前)の有機EL素子に影響を及ぼし、有機EL素子性能が劣化することを防ぐために、接着剤の硬化処理を貼合工程を行う真空チャンバーは分離し、異なるチャンバーで行う。
また、生産性または、貼合工程を行う真空チャンバー内の環境や真空度を保持する観点から貼合工程で作製された多層基板は接着剤層を硬化させる前に、多層基板を巻き取り、多層基板の巻き取りを行ったチャンバーとは異なる場所で接着剤の硬化処理を行う。
[巻き取り工程]
巻き取り工程は、真空圧が10Pa以下で、接着剤層を硬化させる前に、多層基板をロール状に巻き取る工程である。
図3において、巻き取り部30は、ガイドローラー31と巻き取りロール32とを備えている。巻き取り部30にて、接着剤層を硬化させる前の多層基板29は、巻き取り張力100N/m以下で巻き取りロール32に巻き取られる。
巻き取り張力とは、ロールを巻き取り始める際の、巻き取りロール32にかかる張力である。巻き取り張力としては、の観点から、好ましくは100N/m以下、より好ましくは10〜50N/mである。巻き取り張力は、テンション検出器(エー・アンド・デイ社製のAD−4820−53)を用いて、測定することができる。巻き取り速度は生産速度に応じて可変であるが、巻き取り張力が100N/m以下で巻き取る時の多層基板の端部の巻きずれを防止するため1m/min以下が好ましい。より好ましくは0.2m/min以下である。
ここでいう巻きずれとは、巻き取りロール32に巻き取られる多層基板の端部の位置が一定の位置ではなく、ずれて巻き取られることを指す。ずれ幅が大きいと、素子基板表面に擦り傷が発生し、有機EL素子基板の商品価値が無くなり、生産歩留まりが低下する。
巻きずれは、3mm未満が好ましく、より好ましくは0.5mm未満である。
また、巻き取りロール32の軸のトルクを制御することで巻き取り張力を調整することができる。巻き取り張力を100N/m以上とすると巻き締まりが顕著に生じ、封止材の剥離や変形が発生して封止性能が著しく低下する。接着剤層を硬化させる前の巻き取りにおいては、接着剤層の変形が生じやすい。したがって、100N/m以下の張力で多層基板の巻き取りを行うことで、封止材の剥離や変形が抑制されて、封止性能の低下、発光欠点等の有機EL素子性能の低下を防ぐことができる。
素子基板やセパレータフィルムの表面が滑りやすく、多層基板の端部をそろえて巻き取ることが困難な場合は、多層基板の端部位置を規制する、フランジを巻き取りロール32に設置しても良い。
[硬化工程]
硬化工程は、真空圧下で接着剤が硬化していない状態で多層基板13を巻き取る工程の後にあって、接着剤を硬化させる工程である。
接着剤の硬化とは、硬化手段を用いて接着剤層を構成する接着剤の粘度を5000Pa・s以上とする工程である。硬化した接着剤層の粘度は好ましくは、10000Pa・s以上である。
接着剤層を構成する接着剤が、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂であるときは、貼合工程の後に、接着剤を硬化処理することで、有機EL構造体の形態を固定し、安定化させることが必要である。接着剤を硬化させることによって、素子基板と封止部材が強固に接着され、有機EL構造体は両基板間に密閉・封止されて、耐久性に優れた有機EL素子とすることができる。
接着剤層を構成する接着剤が、熱硬化性樹脂であるときは、硬化工程における接着剤の硬化手段は加熱であることが好ましい。接着剤層を構成する接着剤が、光硬化性樹脂であるときは、硬化工程における接着剤の硬化手段は光照射であることが好ましい。
硬化工程においては、硬化手段で用いられる熱や光照射により発生するアウトガスによる有機EL素子性能が劣化を防止するという観点から、有機EL構造体の形成工程または貼合工程と分離することが好ましい。硬化工程と有機EL構造体の形成工程または貼合工程を分離する方法は特に制限ないが、複数のチャンバーを用いて多層基板を連続的に移送しようとすると、各工程を行える範囲がチャンバーの長さに限られてしまう。また、随時チャンバーを開閉する必要があり、チャンバー内の環境劣化または真空度の低下が懸念されるため、生産性向上の観点から、貼合工程を行ったチャンバー内で多層基板を巻き取りことが好ましい。
以下に、これら本発明の効果を確認した実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
≪実施例1≫
[第1繰り出し工程]
第1繰り出し部にて、素子基板として長さ30m、幅1000mm、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、以下適宜PETと略する)を繰り出した。
第1繰り出し部から排出された素子基板は、続けて有機EL構造体形成部に搬送した。
[有機EL構造体形成工程]
有機EL素子の製造工程は真空圧10−4Pa以下のチャンバー内で行った。
(素子基板準備)
可撓性の基板の第1電極を形成する側の全面に、特開2004−68143号に記載の構成からなる大気圧下プラズマ放電処理装置を用いて連続して、素子基板上に、SiOxからなる無機物のガスバリア膜を厚さが500nmとなる様に形成した。これにより、酸素透過度が0.001ml/m/day以下であり、水蒸気透過度が0.001ml/m/day以下であるガスバリア性の可撓性の基板を作製した。
(第1電極の形成)
スパッタリング法により5×10−1Paの真空条件下でガスバリア性の可撓性の基板上にITO(酸化インジウムスズ)からなる第1電極を厚さが120nmとなるように形成した。
(正孔輸送層の形成)
蒸着法(気相堆積法)により5×10−4Paの真空条件下で正孔輸送層形成材料としてN,N’‐ジフェニル‐N,N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを第1電極上に堆積して厚さ30nmの正孔輸送層を形成した。
そして、上記形成した正孔輸送層上に、以下に示す条件に従って、発光層、電子注入層、第2電極を積層して有機EL構造体を作製し、ロール状に巻き取った。
(発光層の形成)
ホスト化合物としてCBP、発光材料としてIr(ppy)を共蒸着法によりドープ濃度が6%で、厚さ40nmとなるように積層した。なお、本実施例では緑色の発光を有する材料を用いたが、更に青色、赤色、及び、発光材料を使用し積層させることで、白色の有機EL素子を作製することが可能である。
(電子注入層の形成)
続いて、形成した発光層上に蒸着法(気相堆積法)により5×10−4Paの真空条件下で電子注入層形成材料としてLiFを発光層上に堆積して厚さ0.5nmの電子注入層(LiF層)を形成した。
(第2電極の形成)
続いて、形成した電子注入層上に蒸着法(気相堆積法)により第2電極形成材料としてアルミニウムを使用して、取り出し電極を有するようにマスクパターン成膜にて電子注入層上に堆積して厚さ100nmの第2電極層を形成し、有機EL構造体を作製した。
正孔輸送層、発光層、電子注入層が48mm×48mmの範囲内に配置されるようにマスクパターン成膜を行った。第1電極(陽極)は48mm×54mm、第2電極(陰極)は幅50mm×長さ54mmとなるようにマスクパターン成膜を行った。
有機EL構造体形成部から排出された有機EL構造体が形成された素子基板は、続けて貼合部に搬送した。
[第2繰り出し工程]
第2繰り出し部にて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)と、厚さ7.0μmの導電性材料のアルミ箔との2層構成の封止部材と、厚さ20μmの熱硬化性接着剤(株式会社スリーボンド製1600シリーズ)を用いた接着剤層からなる封止材が形成された長さ30m、幅1000mm、厚さ100μmのセパレータフィルムを繰り出した。
[貼合工程]
有機EL構造体と封止材の貼合は、一対の密着ロール間に有機EL構造体と封止材を重ねて密着する構造である。48mm×48mmで成膜された有機EL構造体と50mm×50mmに加工された封止材の接着剤層とを、真空圧10Pa以下のチャンバー内にて貼合ロールで貼合し、封止幅2mmとなる、有機EL素子を形成した。封止幅とは、素子基板において、有機機能層(正孔輸送層、発光層、電子注入層)の端部から封止材の端部までの距離のことで、封止材直下に有機機能層が存在しない構造となっているため、素子基板と封止部材の間を伝わってくる水分以外は侵入が抑制された構造となっている。
貼合部は、上貼合ロールと下貼合ロールを有する。上下貼合ロール間を通過する素子基板、および封止材を均一に連続加圧できる様に、貼合ロール同士が一定圧力で接触加圧しながら回転する構造となっている。貼合ロールの表面はゴムライニングし、ゴム硬度(JIS K 6253)は70度、外径はφ100mmとした。
貼合部は、貼合ロール温度が上下とも30℃になるよう調温し、貼合ロールの圧力が有機EL構造体にかかる面圧で0.3MPaになるよう調整した。貼合部の搬送速度は1m/分とした。なお、面圧は富士フィルムのプレスケール(極超低圧用)を用い、ロールが常温常湿(23℃相対湿度50%)で測定した。
貼合部から排出された封止材が密着された有機EL構造体が形成された多層基板は、続けて巻き取り部に搬送される。
[巻き取り工程]
真空圧が10Pa以下で、巻き取り張力が100N/mとなるように巻き取りロール軸のトルクを制御し、多層基板を巻き取った。
[硬化工程]
真空圧10Pa以下のチャンバーから、巻き取られた多層基板を取り出し、熱硬化搬送炉内で硬化処理される。炉内雰囲気が100℃に昇温された熱硬化炉内を、1m/minの速度で、2時間搬送し、熱硬化処理を行った。
熱硬化処理を行った後、長尺の多層基板を断裁して、各有機EL素子を製造した。
≪実施例2≫
巻き取り張力を50N/mとした以外は、実施例1と同様の条件で有機EL素子2を作製した。
≪実施例3≫
巻き取り張力を10N/mとした以外は、実施例1と同様の条件で有機EL素子3を作製した。
≪実施例4≫
巻き取り張力を8N/mとした以外は、実施例1と同様の条件で有機EL素子4を作製した。
≪実施例5≫
巻き取り張力を200N/mとした以外は、実施例1と同様の条件で有機EL素子5を作製した。
≪実施例6≫
巻き取り張力を300N/mとした以外は、実施例1と同様の条件で有機EL素子6を作製した。
≪比較例1≫
実施例1と同様の条件で有機EL構造体と封止材を貼合して多層基板を形成し、貼合部から排出した後、巻き取り工程を行わず、貼合工程を行ったチャンバー内で実施例1と同様の条件で硬化処理を行った。硬化処理後、硬化処理を行ったチャンバー内で実施例2と同様の条件で多層基板を巻き取った。その後、チャンバーから、巻き取られた多層基板を取り出し、実施例1と同様の条件で長尺の多層基板を断裁して、各有機EL素子7を製造した。
≪比較例2≫
硬化処理後の巻き取り張力を10N/mとした以外は、比較例3と同様の条件で有機EL素子8を作製した。
[評価]
各々の有機EL素子を、雰囲気温度85℃、雰囲気湿度85%に維持された恒温恒湿機(エスペック製、PHP−3型)内に500時間放置し、その前後で、水分の影響により生じる有機ELの発光欠点距離を測定して、封止幅2mmの有機EL封止構造体における、素子基板と封止部材の間を伝わって浸入する水分の浸入具合、封止性能を評価した。
評価ランク
◎:1mm以上の発光欠点の発生する確率10%未満
○:1mm以上の発光欠点の発生する確率10%以上20%未満
×:1mm以上の発光欠点の発生する確率20%以上
[評価]
接着剤の硬化処理後の各々の有機EL素子において、接着剤が硬化していない状態で多層基板を巻き取った際に生じる封止材の剥離、および巻き取りによりの押圧により生じる圧痕の欠陥発生確率を評価した。
評価ランク
◎:欠陥発生率1未満%
○:欠陥発生率1%以上〜3%未満
×:欠陥発生率3%以上
[評価]
真空圧10Pa以下のチャンバーから、巻き取られた多層基板を取り出す際に、多層基板の巻きずれを評価した。巻きずれは、巻き取り方向に垂直な多層基板の幅の1/2部分を初期の巻き取り中心として巻き取り、巻き取り中心から実際に巻き取られた多層基板の端部までの距離を計測し、理想値(巻き取り方向に垂直な多層基板の幅を1/2した値)からのずれを評価した。
評価ランク
◎:巻きずれ0.5mm未満
○:巻きずれ0.5mm以上〜1mm未満
△:巻きずれ1mm以上〜3mm未満
×:巻きずれ3mm以上
Figure 0006213254
100N/m以下で巻き取った有機EL素子1〜6は、真空圧下において接着剤が硬化していない状態で多層基板を巻き取った時、発光欠点の発生および剥離や圧痕等の欠陥発生や巻きずれが抑制され、安定した有機EL素子性能、有機EL素子品質が得られることが確認された。
接着剤の硬化処理を行った後に真空チャンバー内で多層基板を巻き取った有機EL素子7と8は、発光欠点および欠陥の発生が確認された。本発明の有効性が確認された。
1 有機EL素子
2 有機EL構造体
3 封止材
11 第1電極
12 有機機能層
13 第2電極
14 接着剤層
15 封止部材
16 素子基板
17 セパレータフィルム
20 第1繰り出し部
21 第1繰り出しロール
22 第1ガイドローラー
23 第2繰り出し部
24 第2繰り出しロール
25 第2ガイドローラー
26 有機EL構造体形成部
27 貼合部
28 貼合ローラー
29 多層基板
30 巻き取り部
31 巻き取りガイドローラー
32 巻き取りロール

Claims (2)

  1. ロールtoロール方式を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、真空チャンバー内で、
    長尺な可撓性の基板上に少なくとも封止部材及び接着剤層の順で形成された封止材と、
    長尺な素子基板上に少なくとも陽極、有機機能層及び陰極が形成された有機エレクトロルミネッセンス構造体と、を貼合した後、
    貼合された前記封止材と前記有機エレクトロルミネッセンス構造体とを巻き取り、
    その後、前記真空チャンバーの外で、前記接着剤層を硬化させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記巻き取りは、100N/m以下の張力で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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