JP2007073332A - 有機エレクトロルミネッセンスパネル、有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネル、有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 封止層を設けることに伴う煩雑な管理を必要とせず、ダークスポットの発生を抑え、発光層の長寿命化が取れた、薄型・軽量な有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法の提供。
【解決手段】 基板上に、少なくとも第1電極を含む陽極層と、発光層を含む有機化合物層と、第2電極を含む陰極層と、封止層とを有する有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、前記封止層は少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性封止部材で構成され、前記可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率が1.0%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルとも言う)、有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法
近年、有機物質を使用した有機EL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されており、活発な研究開発が進められている。有機EL素子は、基板上に形成された第1電極(陽極又は陰極)と、その上に積層された有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)すなわち発光層と、この発光層上に積層された第2電極(陰極又は陽極)とを有する薄膜型の素子である。この様な有機EL素子に電圧を印加すると、有機化合物層に陰極から電子が注入され陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発光が得られることが知られている。
この様に、有機EL素子は薄膜型の素子であるため、1個又は複数個の有機EL素子を基板上に形成した有機ELパネルをバックライト等の面光源として利用した場合には、面光源を備えた装置を容易に薄型にすることが出来る。又、画素としての有機EL素子を基板上に所定個数形成した有機ELパネルをディスプレイパネルとして用いて表示装置を構成した場合には視認性が高い、視野角依存性がないなど、液晶表示装置では得られない利点がある。
通常、有機ELパネルは、基材上に、第1電極(陽極)と、正孔輸送層(正孔注入層)と、有機化合物層(発光層)と、電子注入層と、第2電極(陰極)と、接着剤層と、可撓性封止部材とをこの順番に有している。この様な構成をしている有機ELパネルは、陰極と有機化合物層(発光層)と電子注入層との間に電子輸送層を設けてもよい。又、陽極と基材との間にガスバリア膜を設けても構わない。
有機ELパネルの場合、通常、第1電極(陽極)側が観察側になり、第1電極(陽極)には、ITO(酸化スズと酸化インジウム混合物)、IZO(酸化亜鉛と酸化インジウム混合物)、ZnO、SnO2、In23等が知られている。中でも、ITO電極は、90%以上の高い光透過率と、10Ω/□以下の低いシート抵抗値が可能で、液晶ディスプレイや太陽電池などの透明電極としても用いられている。又、IZO電極は、形成時に基板を加熱せずに所定の低い抵抗値が得られ、ITO電極よりも膜表面が平滑であるという利点がある。
上記に述べた如き有機ELパネルを表示装置に応用を行う上で、RGB三原色の安定した発光は必要不可欠な条件である。しかしながら、有機ELパネルにおいては、長時間駆動によりダークスポットと呼ばれる非発光点が発生し、このダークスポットの成長が有機ELパネルの寿命を短くしている原因の1つとなっている。ダークスポットは一般的に駆動直後は肉眼では見えない程度の大きさで発生し、これを核として連続駆動により成長していくことが知られている。又、ダークスポットは駆動を行わない保存状態でも発生し、経時的に成長することが知られている。
ダークスポットの原因は色々考えられるが、外的要因としては、水分や酸素の有機エレクトロルミネッセンス素子内への浸入による有機層の結晶化、第2電極の剥離等が考えられる。内的要因としては、第2電極を構成している金属の結晶成長によるショート、発光に伴う発熱による有機層の結晶化、劣化等がダークスポットの要因として考えられている。
これら、ダークスポットの発生を防止するために対策として、例えば特開平5−182759、同5−36475、特開2002−43055には金属製やガラス製の封止缶により乾燥窒素雰囲気下でEL素子を被覆封止する方法が記載されている。しかし、ガラスや金属製の封止缶を用いるため、有機ELパネルを薄型・軽量化するのに限界があった。又、製造工程においては、気密ケース内部に乾燥剤を封入する工程、気密ケースに光硬化性樹脂を塗布する工程、透光性基板と気密ケースを貼り合せる工程、光硬化性樹脂を硬化させる工程があるため、生産性・製造コストの面で問題があった。
更に、ダークスポットの発生を防止し、且つ薄型・軽量化対策として、金属箔などのバリア性の高いフィルムを用いて封止することにより、耐湿性に優れた薄型・軽量な有機ELパネルを得る方法が検討されてきた。
例えば、発光層と、発光層の背面に積層された絶縁層と、絶縁層の背面に積層された背面電極と、発光層の前面に積層された透明電極層とを含む発光体セルを、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム及び酸化珪素の内の少なくとも1つの物質を含有する熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂層の表面に積層された防湿フィルム層とを有する封止フィルムで封止した有機ELパネルが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
透光性基板上に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層を順次積層し、この上をアルミニウム箔及び硫酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウムから選ばれる乾燥剤が分散された樹脂膜を有する封止フィルムで密封した有機ELパネルが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら特許文献1、特許文献2に記載の技術は次の欠点を有している。1)封止部材が樹脂フィルムであるため外気水分が透過してしまう。2)乾燥材により外気の水分を必要以上に吸収してしまい有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う)内部への水分浸透の懸念が増してしまう。3)有機EL素子内部への水分到達を遅くすることは可能であるが根本的な対策になっていない。
支持基板上に、透明電極、少なくとも発光層を含む有機化合物層、及び背面電極を積層した発光積層体を水蒸気透過度が0.01g/m2・day以下、且つ酸素透過度が0.01ml/m2・day・atm以下である可撓性のある封止カバーで、支持基板と発光積層体の周辺部とを接着剤により封止し、封止カバーと発光積層体の間に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させた不活性ガスを封入した発光素子(有機ELパネル)が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら、特許文献3に記載の技術では封止カバーと発光積層体の間の空間の堆積を一定に維持するにはかなり煩雑な管理を必要とし、空間の堆積の変化に伴い性能が安定しないことが懸念される。
この様な状況から、封止層を設けることに伴う煩雑な管理を必要とせず、ダークスポットの発生を抑え、発光層の長寿命化が取れた、薄型・軽量な有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法の開発が望まれている。
特開平7−153570号公報 特開2004−335208号公報 特開2003−282243号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は封止層を設けることに伴う煩雑な管理を必要とせず、ダークスポットの発生を抑え、発光層の長寿命化が取れた、薄型・軽量な有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(1)基板上に、少なくとも第1電極を含む陽極層と、発光層を含む有機化合物層と、第2電極を含む陰極層と、封止層とを有する有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、前記封止層は少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性封止部材で構成され、前記可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率が1.0%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
(2)前記可撓性封止部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
(3)前記基板が、少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材であり、可撓性封止部材の封止時の該可撓性多層樹脂部材の吸水率はASTM D570に準じて測定した値が1.0%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
(4)前記可撓性多層樹脂部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする前記(3)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
(5)前記バリア層は、少なくとも1層の金属又は非金属の酸化物層とを有していることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
(6)基板上に、少なくとも第1電極を含む陽極層と、発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、第2電極を含む陰極層と封止層とを順次形成する工程を有し、前記封止層の形成は可撓性封止部材を発光領域及び周辺にシール剤を介して貼合配置することで有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記可撓性封止部材はバリア層を有する多層構成の樹脂基材であり、前記可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率が1.0%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
(7)前記可撓性封止部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする前記(6)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
(8)前記基板が、少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材であり、可撓性封止部材の封止時の該可撓性多層樹脂部材の吸水率はASTM D570に準じて測定した値が1.0%以下であることを特徴とする前記(6)又は(7)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
(9)前記可撓性多層樹脂部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする前記(8)に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
(10)前記バリア層は、少なくとも1層の金属又は非金属の酸化物層とを有していることを特徴とする前記(6)〜(9)の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
封止層を設けることに伴う煩雑な管理を必要とせず、ダークスポットの発生を抑え、発光層の長寿命化が取れた、薄型・軽量な有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法を提供するが出来、有機ELパネルの高品質化、高生産効率化が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図7を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は有機ELパネルの層構成の一例を示す概略断面図である。
図中、1は有機ELパネルを示す。有機ELパネル1は、基材101上に、第1電極を含む陽極層102と、正孔輸送層(正孔注入層)103と、有機化合物層(発光層)104と、電子注入層105と、第2電極を含む陰極層106と、シール剤層107と、封止層108とをこの順番に有している。本図に示される有機ELパネルにおいて、第1電極を含む陽極層102と正孔輸送層103の間に正孔注入層(不図示)を設けてもよい。又、第2電極を含む陰極層106と有機化合物層(発光層)104と電子注入層105との間に電子輸送層(不図示)を設けてもよい。有機EL素子1では、第1電極を含む陽極層102と基材101との間にガスバリア膜(不図示)を設けても構わない。
本図に示す有機ELパネルの層構成は一例を示したものであるが、他の代表的な有機ELパネルの層構成としては次の構成が挙げられる。
(1)基板/陽極(第1電極)/発光層/電子輸送層/陰極(第2電極)/封止層
(2)基板/陽極(第1電極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極(第2電極)/封止層
(3)基板/陽極(第1電極)/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極(第2電極)/封止層
(4)基板/陽極(第1電極)/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極(第2電極)/封止層
本発明では、基板上に少なくとも第1電極層と、発光層を含む有機化合物層と、第2電極層までが順次積層された状態を有機EL素子と言い、封止層で被覆された状態を有機ELパネルと言う。
有機ELパネルの場合、通常、陽極(第1電極)102側が観察側になり、陽極(第1電極)102には、ITO(酸化スズと酸化インジウム混合物)、IZO(酸化亜鉛と酸化インジウム混合物)、ZnO、SnO2、In23等が知られている。中でも、ITO電極は、90%以上の高い光透過率と、10Ω/□以下の低いシート抵抗値が可能で、液晶ディスプレイや太陽電池などの透明電極としても用いられている。又、IZO電極は、形成時に基板を加熱せずに所定の低い抵抗値が得られ、ITO電極よりも膜表面が平滑であるという利点がある。
本発明に係わる基板としては、枚葉シート状基板、帯状可撓性基板が挙げられる。枚葉シート状基板としては、透明ガラス板、シート状透明樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。帯状可撓性基板としては、透明樹脂フィルム、少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材が挙げられる。透明樹脂フィルムとしては、枚葉シート状基板と同じ樹脂フィルムが使用可能である。
基板として透明樹脂フィルムを使用する場合、樹脂フィルムの表面にはガスバリア膜が必要に応じて形成されることが好ましい。ガスバリア膜としては無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下であることが好ましい。更には、酸素透過度10-3ml/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
ガスバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることが出来るが、特開2004−68143号に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
基板として少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材を使用する場合、可撓性多層樹脂部材の層構成は後述する可撓性封止部材と同じであり、大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率は、可撓性多層樹脂部材の吸水性、水分浸透性等を考慮し2.0%以下であることが好ましい。平衡吸水率は、大気中(20℃、65%RH)に100時間放置した後に、ASTM D570に準じて測定した吸水率の値を示す。樹脂基材108aの厚さは、製造時の取扱い性、引っ張り強さやバリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮し、10μm〜500μmが好ましい。可撓性多層樹脂部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率は、持ち込み水分により有機層の結晶化、ダークスポットの発生、有機EL素子の長寿命化等を考慮し、1.0%以下が好ましい。バリア層としては、可撓性封止部材と同じ物の使用が可能である。
図2は図1のTで示される部分の拡大概略断面図である。
封止層108は樹脂基材108aと、バリア層108bとを有する可撓性封止部材108′で構成されている。尚、バリア層108bの上(本図ではバリア層108bとシール剤層107の間となる)に保護層(不図示)を設けてもよい。樹脂基材108aは単体でもよいし、積層体であってもよく必要に応じて適宜選択することが可能である。バリア層108bは単体でもよいし、積層体であってもよく必要に応じて適宜選択することが可能である。封止層108は可撓性封止部材108′をシール剤を介して第1電極を含む陽極層上へ貼合することで形成されている。
可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率は1.0%以下である。吸水率が1.0%を越える場合は、可撓性封止部材の持ち込み水分により有機層の結晶化、第2電極の剥離等によりダークスポットの発生、及び有機EL素子の長寿命化が取れなくなるため好ましくない。
又、可撓性封止部材の大気中(20℃、65%RH)23℃、50%RHにおける平衡吸水率は、可撓性封止部材の吸水性、水分浸透性等を考慮し2.0%以下であることが好ましい。平衡吸水率は、大気中(20℃、65%RH)に100時間放置した後に、ASTM D570に準じて測定した吸水率の値を示す。
樹脂基材108aの厚さは、製造時の取扱い性、引っ張り強さやバリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮し、10μm〜500μmが好ましい。バリア層108bの厚さは、バリア性能、バリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮し、5nm〜200μmが好ましい。
本発明に係わる可撓性封止部材の他の物性値(水蒸気透過度、酸素透過度、剛性)は次の値を有していることが好ましい。
水蒸気透過度は、有機ELパネルとして製品化する際に必要とするガスバリア性等を考慮し、0.01g/m2・day以下であることが好ましい。水蒸気透過度はJIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値を示す。
酸素透過度は、0.01ml/m2・day・atm以下であることが好ましい。酸素透過度はJIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値である。
剛性(ヤング率)は、製造時の取扱い性、引っ張り強さやバリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮し、1×10-3GPa〜80GPaであることが好ましい。
本発明に使用する可撓性封止部材を構成している樹脂基材108aとしては特に限定はなく、例えばエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(0PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されている熱可塑性樹脂フィルム材料を使用することが出来る。又、これら熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて貼り合せて作った多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組合せて作ることも当然可能である。
バリア層としては、無機蒸着膜、金属箔が挙げられる。無機蒸着膜としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2、Cr23、Sixy(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta23、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si34、単結晶Si、アモルファスSi、W、等が用いられる。
又、金属箔の材料としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることが出来るが、加工性やコストの面でアルミニウムが好ましい。膜厚は、1〜100μm程度、好ましくは10μm〜50μm程度が望ましい。
更に、バリア層の上に保護層を設けてもよい。保護層の膜厚は、バリア層の耐ストレスクラッキング性、耐電気的絶縁性、シール剤層として使用する場合は接着性(接着力、段差追従性)等を考慮し、100nm〜200μmが好ましい。保護層としてはJIS K 7210規定のメルトフローレートが5〜20g/10minである熱可塑性樹脂フィルムが好ましく、更に好ましくは、6〜15g/10min以下の熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。これは、メルトフローレートが5(g/10min)以下の樹脂を用いると、各電極の引き出し電極の段差により生じる隙間部を完全に埋めることが出来ず、20(g/10min)以上の樹脂を用いると引っ張り強さや耐ストレスクラッキング性、加工性などが低下するためである。熱可塑性樹脂フィルムは、上記数値を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルムである低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、OPP、ONy、PET、セロハン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン(PVDC)等の使用が可能である。これらの熱可塑性樹脂フィルムの中で特にLDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、これらフィルムとHDPEフィルムの混合使用したフィルムを使用することが好ましい。
封止層を形成するのに使用する可撓性封止部材は、製造時の取扱いを容易にするために、樹脂基材の上にバリア層(必要に応じて保護層)を形成し積層フィルム状にした状態で使用することが好ましい。積層フィルムの製造方法としては、無機物を蒸着した熱可塑性樹脂フィルム及びアルミニウム箔をラミネートした熱可塑性樹脂フィルムの無機物層の上に一般的に知られている各種の方法、例えばウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。
封止層の形成に可撓性封止部材を使用する場合、シール剤と接触する側がバリア層(保護層がある場合は保護層)であることが好ましい。
図3は基材に帯状可撓性支持体を使用した場合の有機ELパネルを作製する工程の一例を示す模式図である。尚、本図では予め基材にガスバリア膜と第1電極とを含む陽極層とが形成された帯状フィルムを使用した場合を示している。又、可撓性封止部材としては図2に示される構成の帯状の可撓性封止部材を使用している。
図中、2は有機ELパネルを作製する製造装置を示す。製造装置2は、有機化合物層形成工程3と、陰極層形成工程4と、可撓性封止部材貼合工程5と、打ち抜き断裁工程6と、回収工程7とを有している。
有機化合物層形成工程3は、帯状可撓性支持体の供給部301と、帯状可撓性支持体の洗浄表面改質処理部302と、第1塗布・乾燥部303と、第1加熱処理部304と、第2除電処理部305と、第2塗布・乾燥部306とを有している。
供給部301では、ガスバリア膜と第1電極とを含む陽極層とがこの順番で既に形成された帯状可撓性支持体301bが巻き芯に巻き取られロール状可撓性支持体301aとして供給される様になっている。
洗浄表面改質処理部302は、有機化合物層形成用塗布液を塗布する前に供給部301から送られてきた帯状可撓性支持体301bの陽極層(不図示)表面を洗浄改質する洗浄表面改質処理手段302aと、第1除電処理手段302bとを有している。
第1塗布・乾燥部303は、帯状可撓性支持体301bを保持するバックアップロール303aと、バックアップロール303aに保持された帯状可撓性支持体301bに第1有機化合物層形成用塗布液を外部取り出し電極となる一部を除いて塗布する第1湿式塗布機303bと、帯状可撓性支持体301b上の陽極層(不図示)上に形成された第1有機化合物層301cの溶媒を除去する第1乾燥装置303cとを有している。304は第1加熱処理部を示す。
305は、形成された第1有機化合物層301cの除電を行う第2除電処理手段を示す。尚、本図では第1有機化合物層形成用塗布液とは正孔輸送層形成用塗布液を指し、第1有機化合物層301cとは正孔輸送層を指す。
第2塗布・乾燥部306は、第1アキュームレータ部306aと、パターン塗布部306bと、乾燥部306cと、加熱処理部306dと、除電処理部306eと、第2アキュームレータ部306fと、回収部306gとを有している。
第1アキュームレータ部306aは、ロール306a1aが上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、第1塗布・乾燥部303と、第2塗布・乾燥部306との搬送速度の差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール306a1aの増設が可能となっている。
パターン塗布部306bは正孔輸送層301cが形成された帯状可撓性支持体の保持台306b2と、正孔輸送層301c上に第1電極のパターンに合わせ発光層形成用塗布液を大気圧条件下でパターン塗布する湿式パターン形成塗布装置306b1とを有している。発光層乾燥部306cは発光層中の溶媒を大気圧条件下で除去する機能を有しており、第1乾燥装置303cと同じ構成を有している。保持台306b2としては帯状可撓性支持体を平面性を保ち固定出来れば特に限定はなく、例えば吸着方式で固定することが好ましい。
パターン塗布部306bで湿式パターン形成塗布装置306b1により塗布が行われる時は、前の工程から搬送されてくる正孔輸送層が形成された帯状可撓性支持体Aに設けられたアライメントマーク10c(図5を参照)をパターン塗布部306bに配設されたアライメント検出手段の検出機により検出し、正孔輸送層が形成された帯状可撓性支持体Aを保持台上に吸着固定し、アライメントマークに従って湿式パターン形成塗布装置306b1の位置合わせが行われ、パターン化されて形成された第1電極の端部の一部を除いて第1電極のパターンに合わせて、発光層形成用塗布液が電極上に塗布される。
除電処理部306eは、発光層が形成された帯状可撓性支持体の除電を行い、次工程での静電気に伴う故障を防止する機能を有し、必要に応じ配設することが可能となっている。除電処理部306eは第1塗布・乾燥部303に使用した除電処理手段と同じ除電処理手段を使用することが好ましい。
第2アキュームレータ部306fは、ロール306f1が上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、パターン塗布・乾燥部306と回収部306gとの搬送速度の差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール306f1aの増設が可能となっている。第2アキュームレータ部306fは、第1アキュームレータ部306aと同じ構成をしている。尚、回収部306gでは、発光層が形成された帯状可撓性支持体301fを室温まで冷却装置(不図示)で冷却した後、巻き取ることが好ましい。
陰極層形成工程4は、材料の供給部401と、第1陰極層形成部402と、第2陰極層形成部403と、第2巻き取り部404とを有しており、供給部401から回収部404迄が減圧条件下で連続的に行われる様になっている。
供給部401では、有機化合物層形成工程3で作製された、帯状可撓性支持体上に、陽極と、正孔輸送層と、有機化合物層(発光層)とが形成され、巻き芯に巻き取られたロール状の帯状可撓性支持体301fが供給される。
供給部401から巻き出された有機化合物層(発光層)を有する帯状可撓性支持体301fの有機化合物層(発光層)上に第1陰極層形成部402で電子注入層301gが形成される。402aは蒸着装置を示し、402bは蒸発源容器を示す。
第2陰極層形成部403では、第1陰極層形成部402で形成された電子注入層301g上に第2電極の陰極層301hが形成される。403aは蒸着装置を示し、403bは蒸発源容器を示す。第2陰極層形成部403で第2電極の陰極層301hが第1電極と直交する状態で形成された帯状可撓性支持体301iは回収部404で巻き芯に巻き取られロール状の帯状可撓性支持体C301jとなる。
可撓性封止部材貼合工程5は、第2電極の陰極層301hまでが形成さたロール状の帯状可撓性支持体C301jの供給部501と、シール剤配置部(シール剤塗設部)502と、可撓性封止部材の供給部503と、可撓性封止部材の貼合部504とを有し、シール剤の硬化処理部(不図示)を有していることが好ましく、必要に応じ硬化処理部(不図示)は裁断工程の前、又は裁断工程の後に配置することが好ましい。硬化処理部の硬化方式は使用するシール剤の種類(例えば熱硬化型シール剤、紫外線硬化型シール剤等)に合わせ適宜選択することが可能である。可撓性封止部材貼合工程5で可撓性封止部材を帯状可撓性支持体C301j上に形成された各有機EL素子に貼合することで複数の有機ELパネルを有する帯状可撓性支持体301kが作製される。可撓性封止部材貼合工程5に関しては図5で説明する。
打ち抜き断裁工程6は、帯状可撓性支持体301kに配設されているアライメントマークを検出するアライメントマーク検出部602と、帯状可撓性支持体上に形成された有機EL素子の位置に合わせ、貼合された可撓性封止部材の不要部分を打ち抜き断裁し除去する打ち抜き断裁装置601を有している。打ち抜き断裁工程6に関しては図8、図9で説明する。
本図では可撓性封止部材貼合工程5と打ち抜き断裁工程6とが連続して行われる場合を示しているが、可撓性封止部材が貼合された後、一定の単位毎に断裁しシート状にした後、打ち抜き断裁工程6に供給する方式であっても構わない。
回収工程7では不要の可撓性封止部材を除去した状態の複数の有機ELパネルを有する帯状可撓性支持体を巻き芯に巻き取りロール状とする巻き取り装置(不図示)を有している。701は貼合した部分を残し、ロール状とし回収された不要の可撓性封止部材を示す。702は貼合に係わらない不要の帯状可撓性支持体を除去し、少なくとも1つの有機ELパネルを有する帯状可撓性支持体を巻き芯に巻き取りロール状とし回収された帯状可撓性支持体を示す。ロール状とし回収された有機ELパネルを有する帯状可撓性支持体は別工程で有機ELパネル単位に断裁して回収される。尚、本図では、一旦巻き取る場合を示しているが、連続して有機ELパネル単位に断裁して回収しても構わない。尚、本図は貼合された可撓性封止部材の余分な箇所を打ち抜き除去した状態でロール状に巻き取り回収する、所謂ロールツーロール生産方式の場合を示している。
図4は枚葉シート状基板を使用した有機ELパネルの製造方法の模式図である。尚、可撓性封止部材としては図2に示される構成の枚葉シート状の可撓性封止部材を使用している。
図中、8は製造装置を示す。製造装置8は、枚葉シート状基板aを工程に供給する供給工程8aと、第1電極形成工程8bと、第1電極上に正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程8cと、正孔輸送層上に発光層を形成する発光層形成工程8dと、発光層上に電子注入層を形成する電子注入層形成工程8eと、電子注入層上に第2電極を形成する第2電極形成工程8fと、第2電極が形成された枚葉シート状基板にシール剤を配置(塗設)するシール剤塗設工程8gと、シール剤が配置(塗設)された領域に可撓性封止部材を貼合する可撓性封止部材貼合工程8hと、貼合した可撓性封止部材の不要部分を打ち抜き断裁し除去する打ち抜き断裁工程8iと、回収工程8jとを有している。
供給工程8aは枚葉シート状基板aを次工程に供給する供給装置(不図示)と、供給工程8aから供給された枚葉シート状基板aの表面に第1電極が蒸着される前に、蒸着性をよくするために枚葉シート状基板aの表面を清掃するための基板洗浄処理装置8a1とを有している。
第1電極形成工程8bは、蒸発源容器8b2を有する蒸着装置8b1を有し、減圧条件下で枚葉シート状基板a上に第1電極を形成するようになっている。
正孔輸送層形成工程8cは、蒸発源容器8c2を有する蒸着装置8c1を有し、減圧条件下で第1電極が形成された枚葉シート状基板bの第1電極の外部電極となる一部を除いて第1電極の領域に正孔輸送層を形成するようになっている。
発光層形成工程8dは、蒸発源容器8d2を有する蒸着装置8d1を有し、減圧条件下で正孔輸送層が形成された枚葉シート状基板cの正孔輸送層上に発光層を形成するようになっている。
電子注入層形成工程8eは、蒸発源容器8e2を有する蒸着装置8e1を有し、減圧条件下で発光層が形成された枚葉シート状基板dの発光層上に電子注入層を形成するようになっている。
第2電極形成工程8fは、蒸発源容器8f2を有する蒸着装置8f1を有し、減圧条件下で電子注入層が形成された枚葉シート状基板eの電子注入層上に第1電極と直交する様に第2電極を形成するようになっている。
シール剤塗設工程8gは、帯状可撓性支持体上に付けられアライメントマークa1(図9を参照)を検出するアライメントマーク検出部8g1(図8を参照)と、帯状可撓性支持体f上に第1電極〜第2電極を順次積層して形成された有機EL素子f1(図9を参照)の発光領域又は発光領域の周囲にシール剤を塗設するシール剤塗設部8gと、枚葉シート状基板fを載置する載置台8g23とを有している。8g21はシール剤塗設装置を示す。
可撓性封止部材貼合工程8hは、シール剤を塗設した枚葉シート状基板gと可撓性封止部材9を積重し貼合する可撓性封止部材貼合装置8h1と、可撓性封止部材9を枚葉シート状基板gの上に供給する可撓性封止部材供給装置8h2(図9を参照)とを有している。又、シール剤を硬化する硬化処理装置(不図示)を有していることが好ましく、必要に応じ硬化処理部(不図示)は裁断工程の前、又は裁断工程の後に配置することが好ましい。硬化処理部の硬化方式は使用するシール剤の種類(例えば熱硬化型シール剤、紫外線硬化型シール剤等)に合わせ適宜選択することが可能である。
打ち抜き断裁工程8iは、貼合した可撓性封止部材の内、不要部分を除去するための打ち抜き断裁装置8i1を有している。シール剤塗設工程8gと、可撓性封止部材貼合工程8hに関しては図9で説明する。
図1、図2に示される有機EL素子を作製する工程で有機化合物層形成用塗布液を塗布する前に行われる洗浄表面改質処理としては、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等が挙げられる。低圧水銀ランプによる洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cm2で、距離5〜15mmで照射し洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1〜5体積%含有ガスを用い、周波数100KHz〜150MHz、電圧10V〜10KV、照射距離5〜20mmで洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。
図1に示される有機ELパネルを作製する工程で行われる除電処理手段としては、光照射方式とコロナ放電式等が挙げられ、これらの中から必要に応じて適宜選択使用することが可能である。光照射式は微弱X線、コロナ放電式はコロナ放電により空気イオンを生成する。この空気イオンは、帯電物体に引き寄せられて反対極性の電荷を補い、静電気を中和する。コロナ放電による除電器、軟X線による除電器が利用可能である。第1除電処理手段により、基材の帯電除去が図られるため、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
図1、図2に示される蒸着装置としては、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来、必要に応じて選択して使用することが可能である。
図5は基板上に形成された有機EL素子の状態を示す模式図である。図5の(a)は図3に示される製造装置で製造された帯状可撓性支持体上に形成された有機EL素子の状態を示す模式図である。図5の(b)は図4に示される製造装置で製造された枚葉シート状基板上に形成された有機EL素子の状態を示す模式図である。
図5の(a)に示される帯状可撓性支持体上に形成された有機EL素子の状態に付き説明する。図中、10は帯状可撓性支持体10a上に第2電極までが形成された複数の有機EL素子10bを有する帯状可撓性支持体を示す(図3に示される第2陰極層形成部403で第2電極の陰極層301hが第1電極と直交する状態で形成された帯状可撓性支持体301iに該当する。)。本図では、有機EL素子10bが連続的に形成されている場合を示している。10cは帯状可撓性支持体10a上の有機EL素子10bの位置に合わせ付けられたアライメントマークを示す。アライメントマーク10cの配設位置は特に限定はなく、必要に応じて適宜変更することが可能である。例えば、有機EL素子10bのブロック毎によいし、有機EL素子10bの段毎に付けてもよい。本図は有機EL素子10bの段毎に付けた場合を示している。
図5の(b)に示される枚葉シート状基板上に形成された有機EL素子の状態に付き説明する。図中、11は枚葉シート状基板11a上に第2電極までが形成された単独の有機EL素子11bを有する枚葉シート状基板を示す(図4に示される第2電極形成部8fで第1電極と直交する状態で形成さた第2電極を有する枚葉シート状基板fに該当する。)。尚、有機EL素子10bと有機EL素子11bとは同じ構成をしている。11cは枚葉シート状基板11a上の有機EL素子11bの位置に合わせ着けられたアライメントマークを示す。アライメントマーク11cの配設位置は特に限定はなく、必要に応じて適宜変更することが可能である。例えば、有機EL素子11bに対して4隅でもよい。又、枚葉シート状基板11a上に複数の有機EL素子が作られている場合は、図5の(a)と同じように有機EL素子の位置に合わせ適宜変更が可能である。
図6はシーラント層(シール剤)を持たない可撓性封止部材を有機EL素子上に貼合するためにシール剤を塗設した状態を示す概略図である。図6の(a)は図5のPで示される部分の拡大概略図である。図6の(b)は図6のPで示される部分の有機EL素子の発光領域にシール剤を塗設した状態を示す拡大概略図である。図6の(c)は図5のPで示される部分の有機EL素子の発光領域の周囲にシール剤を塗設した状態を示す概略図である。
図中、10cは枚葉シート状基板10a上に形成された第1電極を示し、10dは発光層を含む有機化合物層(不図示)上に形成された第2電極を示す。10eは有機EL素子10bの発光領域(図中の太線で囲まれた範囲)を示す
10fは発光領域10eに塗設されたシール剤を示す。10gは第1電極の外部取り出し電極となる部分、第2電極の外部取り出し電極となる部分を除いて発光領域の周囲に塗設されたシール剤を示す。本図の(b)、(c)に示されるシール剤の塗設(配置)は図5の(a)、図5の(b)に示される全ての有機EL素子に適応される。
図7は図3のQで示される部分の拡大概略図である。図7の(a)は図3のQで示される部分の拡大概略斜視図である。図7の(b)は図7の(a)の概略断面図である。
可撓性封止部材貼合工程5は、帯状可撓性支持体301i上に形成された有機EL素子301i1の位置に合わせ配置されたアライメントマーク301lを検出するアライメントマーク検出部505と、有機EL素子301i1の位置に合わせシール剤を塗設するシール剤塗設部502と、帯状の可撓性封止部材503aの供給部503と、帯状の可撓性封止部材503aを貼合する貼合部504とを有している。
アライメントマーク検出部505はアライメントマーク検出装置とアライメントマーク検出装置505を配設する筐体505bとを有している。アライメントマーク検出装置は予め帯状可撓性支持体301i上に配設されたアライメントマークの位置に合わせ配設されている。アライメントマーク検出装置505により検出された情報は制御部(不図示)に入力され、シール剤塗設部502のシール剤塗設装置502aを制御するようになっている。アライメントマーク検出装置505としては特に限定はなく、例えばCCDカメラによる画像認識を使用することが可能である。シール剤塗設部502はアライメントマーク検出部505からの情報に従って、有機EL素子に対して図6の(b)又(c)に示す様にシール剤を塗設するシール剤塗設装置502aとシール剤塗設装置502aを配設する筐体502bとを有している。シール剤塗設装置502aの配設する数は特に限定はないが、帯状可撓性支持体301iの幅方向に配設された有機EL素子の数に合わせて配設することが好ましい。本図は、有機EL素子の数に合わせ3台のシール剤塗設装置502aを配設した場合を示している。筐体502bは駆動装置(不図示)によりx−y方向(図中の矢印方向)の移動が可能となっている。
貼合部504は本体504cと可撓性支持体と接触するロール504bと可撓性封止部材503b側と接触するロール504aとを有し、ロール504bとロール504aとで有機EL素子が形成された帯状可撓性支持体301kと可撓性封止部材503bとを圧着挟持することで可撓性封止部材を貼合する様になっている。可撓性封止部材503bの幅は帯状可撓性支持体301kの幅と同じであることが好ましい。尚、本図ではシール剤塗設装置502aへのシール剤の供給系は省略してある。可撓性封止部材503bはシール剤を介して第2電極を含む陰極層上への貼合は、酸素、水分の排除、貼合部内への気泡混入等を考慮し、10Pa〜1×10-5Paの減圧条件及び、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下の環境下で行われることが好ましい。
シール剤を塗設する方法は特に限定はなく、例えばスプレー方式、押出しノズル方式、スクリーン印刷方式、シルク方式等通常の接着剤の塗設に使用されている方法が挙げられる。使用するシール剤の粘度は、塗布均一性、塗れ広がり防止等を考慮し、40Pa・s〜400Pa・sであることが好ましい。
本発明に係わる液状シール剤としては、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型シール剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等のシール剤、エポキシ系などの熱及び化学硬化型(二液混合)等のシール剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂シール剤等を挙げることが出来る。液状シール剤には必要に応じてフィラーを添加することが好ましい。フィラーの添加量としては、接着力を考慮し、5〜70体積%が好ましい。又、添加するフィラーの大きさは、接着力、貼合圧着後のシール剤厚み等を考慮し、1μm〜100μmが好ましい。添加するフィラーの種類としては特に限定はなく、例えばソーダガラス、無アルカリガラス、或いはシリカ、二酸化チタン、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等の金属酸化物等が挙げられる。
尚、本図ではシール剤を持たない可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材)を使用した場合を示したが、有機EL素子と貼合する側に予めシーラント層(シール剤)を設けた可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材、枚葉シート状可撓性封止部材)を使用することも可能である。但し、有機EL素子と貼合する側に設けられたシーラント層(シール剤)は、有機EL素子と貼合する時は、有機EL素子の発光領域又は該発光領域の周辺とに貼合するのみであり、貼合後は貼合に関与していない可撓性封止部材は不要部分として除去される。
可撓性封止部材の有機EL素子と貼合する側に予め設けられるシーラント層(シール剤)としては、シート状のシール剤と、熱可塑性樹脂とが挙げられる。シート状のシール剤としては、常温(25℃程度)では非流動性を示し、且つ、加熱すると50℃〜100℃の範囲で流動性を発現し、シート状に成形されたシール剤を言う。使用するシール剤としては、例えば分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と、光重合開始剤とを主成分とする光硬化性樹脂が挙げられる。使用に際しては、例えば、予め、可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材、枚葉シート状可撓性封止部材)に貼合して常温(25℃程度)以下にして使用することが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、JIS K 7210規定のメルトフローレートが5〜20g/10minである熱可塑性樹脂が好ましく、更に好ましくは、6〜15g/10min以下の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これは、メルトフローレートが5(g/10min)以下の樹脂を用いると、各電極の引き出し電極の段差により生じる隙間部を完全に埋めることが出来ず、20(g/10min)以上の樹脂を用いると引っ張り強さや耐ストレスクラッキング性、加工性などが低下するためである。これらの熱可塑性樹脂をフィルム状に成形し可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材、枚葉シート状可撓性封止部材)に貼合して使用することが好ましい。貼合方法は一般的に知られている各種の方法、例えばウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。
熱可塑性樹脂は、上記数値を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルムである低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、OPP、ONy、PET、セロハン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン(PVDC)等の使用が可能である。これらの熱可塑性樹脂の中で特にLDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、LDPE、LLDPEとHDPEフィルムの混合使用した熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
図8は図3のRで示される部分の拡大概略斜視図である。
図中、602aは予め帯状可撓性支持体301kに配設されているアライメントマークを検出するアライメントマーク検出装置を示す。アライメントマーク検出装置602aとしては特に限定はなく、例えばCCDカメラによる画像認識を使用することが可能である。602bはアライメントマーク検出装置602aを配設する筐体を示す。アライメントマーク検出装置602aにより検出された情報は制御部(不図示)に入力され、打ち抜き断裁装置601を制御するようになっている。打ち抜き断裁装置601は帯状可撓性支持体301k上に貼合された可撓性封止部材503bの不要部分を打ち抜くための打ち抜き刃601aを配設した上型601bと、上型601bを上下方向(図中の矢印方向)への作動を可能にする4本のガイドポスト601cと、帯状可撓性支持体301kを載置する載置面601e(打ち抜き刃601aの受け部を兼ねる)とを有する下型601dとを有している。
打ち抜き刃601aの数は、帯状可撓性支持体301kに形成されている有機EL素子の数と、1回に打ち抜く数、打ち抜き断裁装置601の大きさ等から適宜選択することが可能である。本図は、1回に打ち抜く数が6個の場合を示している。打ち抜き断裁装置601は可撓性封止部材503bの不要部分のみを打ち抜くため、ハーフカット方式となっている。
尚、ハーフカット方式とは、被断裁物の厚み方向を残して断裁する方式であり、打ち抜き刃物と打ち抜き刃の受け部との最小距離(下死点)を調整することで可能となる。上型又は下型もしくは両方にブロック(図示しない)を設置し、上型が下降した時に前記ブロックにて下降位置が制限される構造となっている。ブロックの高さを調整することで下死点は調整可能である。これにより有機EL素子の発光領域又は発光領域の周辺を除き、シール剤で貼合されていない不要の可撓性封止部材503bのみを打ち抜くことが可能となっている。
301mは不要の可撓性封止部材を除去し、複数の有機ELパネルを形成した帯状可撓性支持体Eを示す。尚、打ち抜かれた可撓性封止部材は巻き取られ除去される。この後、複数の有機ELパネルを形成した帯状可撓性支持体E301mは各有機ELパネル毎に断裁することで1枚の有機ELパネルが出来上がる。
尚、図4に示される打ち抜き断裁工程8iで使用される打ち抜き断裁装置8i1も本図に示される帯状可撓性支持体の搬送系を枚葉シート状可撓性支持体に変えることで対応が可能となっている。又、図5の(b)に示される枚葉シート状支持体に1個の有機EL素子が形成されている場合は打ち抜き刃を、不要とする可撓性封止部材の大きさ、形に合わせ上型に配設することで対応が可能である。
図9は図4のSで示される部分の拡大概略図である。図9の(a)は図4のSで示される部分の拡大概略斜視図である。図9の(b)は図9の(a)の概略断面図である。
シール剤塗設工程8gは枚葉シート状基板a上に形成されたアライメントマークa1を検出するアライメントマーク検出部8g1と、有機EL素子f1の位置に合わせシール剤を塗設するシール剤塗設部8g2とを有している。
アライメントマーク検出部8g1はアライメントマーク検出装置8g11とアライメントマーク検出装置8g11を配設する筐体8g12とを有している。アライメントマーク検出装置は予め枚葉シート状基板a上に配設されたアライメントマークa1の位置に合わせ配設されている。アライメントマーク検出装置8g11により検出された情報は制御部(不図示)に入力され、シール剤塗設部8g2のシール剤塗設装置8g21を制御するようになっている。アライメントマーク検出装置505としては特に限定はなく、例えばCCDカメラによる画像認識等を使用することが可能である。
シール剤塗設部8g2はシール剤塗設装置8g21と、筐体8g22と、載置台8g23(図2を参照)を有している。シール剤塗設部8g2はアライメントマーク検出部8g1からの情報に従って、ディバイスに対して図4の(b)又(c)に示す様にシール剤を塗設するシール剤塗設装置8g21とシール剤塗設装置8g21を配設する筐体8g22とを有している。シール剤塗設装置8g21の配設する数は特に限定はないが、枚葉シート状基板fの幅方向に配設された有機EL素子f1の数に合わせて配設することが好ましい。本図は、有機EL素子の数に合わせ2台のシール剤塗設装置8g21を配設した場合を示している。筐体8g22は駆動装置(不図示)によりx−y方向(図中の矢印方向)の移動が可能となっている。本図ではシール剤塗設装置8g21へのシール剤の供給系は省略してある。
シール剤を塗設する方法は図5に示されるシール剤塗設装置の場合と同じであり、使用するシール剤も同じである。又、シール剤塗設装置に使用するシール剤と同様に同じフィラーを添加しても構わない。
可撓性封止部材貼合工程8hは、シール剤が塗設(配置)配置された可撓性支持体f上に供給する可撓性封止部材供給装置8h2と、可撓性支持体f上に供給された可撓性封止部材を貼合する可撓性封止部材貼合装置8h1とを有している。可撓性封止部材供給装置8h2は可撓性封止部材9を載置する載置台8h21と、可撓性封止部材9を1枚毎吸引保持する保持手段8g22を有するロボットアーム8h23とを有している。ロボットアーム8h23は回転(図中の矢印方向)可能に回動し、可撓性封止部材9を枚葉シート状基板f上に供給することが可能となっている。可撓性封止部材9の大きさは枚葉シート状基板fと同じ大きさであることが好ましい。
可撓性封止部材貼合装置8h1は可撓性支持体f上に形成された有機EL素子f1の発光領域又は発光領域の周囲に塗設されたシール剤上に可撓性封止部材9を貼合するための第1圧着部材8h11と、第2圧着部材8h12と、第1圧着部材8h11と第2圧着部材8h12とを取り付けた上型8h13と、上型8h13を上下方向(図中の矢印方向)への作動を可能にする4本のガイドポスト8h14を有する下型8h15とを有している。
第1圧着部材8h11は、上型8h13に取り付けられた4本のリニヤーガイド8h16に取り付けられている。8h17は可撓性封止部材9を貼合する際、第1圧着部材8h11でシール剤が必要でない部分に広がることを防止するために圧着保持する弾性部材のバネを示す。
下型8h15は可撓性封止部材9を貼合する際、枚葉シート状基板fを吸引固定するための複数の吸引孔(不図示)と、吸引ポンプ(不図示)に繋がった吸引管(不図示)とを有していることが好ましい。
8h18は上型8h13をガイドポスト8h14に沿って上下方向(図中の矢印方向)へ作動させるための駆動源を示し、8h19は駆動軸を示す。
可撓性封止部材貼合装置8h1は図4の(b)に示される様にシール剤が塗設されている場合、第1圧着部材8h11で発光領域の周囲を圧着した後、第2圧着部材8h12で発光領域を圧着することで可撓性封止部材を貼合することが好ましい。又、図4の(c)に示される様にシール剤が塗設されている場合、第1圧着部材8h11で発光領域を圧着した後、第2圧着部材8h12で発光領域の周囲を圧着することで可撓性封止部材を貼合することが好ましい。本図ではシール剤塗設装置502aへのシール剤の供給系は省略してある。
尚、本図ではシーラント層(シール剤)を持たない可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材)を使用した場合を示したが、図7の場合と同様に有機EL素子と貼合する側に予めシーラント層(シール剤)を設けた可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材、枚葉シート状可撓性封止部材)を使用することも可能である。
図7、図9に示される可撓性封止部材貼合装置による可撓性封止部材の貼合は、酸素、水分の排除、貼合部内への気泡混入等を考慮し、10Pa〜1×10-5Paの減圧条件及び、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下の環境下で行われることが好ましい。
図2に示す可撓性封止部材を使用し図3〜図9に示す製造装置を使用し、有機ELパネルを製造することで次の効果が得られる。
1)水分や酸素の有機ELパネル内部への侵入が抑制され、ダークスポットの発生を抑制することが出来る。
2)耐湿性に優れた薄型、軽量な有機ELパネルを得ることが出来る。
3)乾燥剤、吸湿剤等が不要となり、生産工程を簡略化出来、生産性の向上及び製造コストの削減が可能となる。
以下、本発明に係る有機ELパネルを構成しているガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極に付き説明する。
本発明に係わる基板としては、枚葉シート状基板、帯状可撓性基板が挙げられる。枚葉シート状基板としては、透明ガラス板、シート状透明樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。帯状可撓性基板としては、透明樹脂フィルムが挙げられ、枚葉シート状基板と同じ樹脂フィルムが使用可能である。
基板として透明樹脂フィルムを使用する場合、樹脂フィルムの表面にはガスバリア膜が必要に応じて形成されることが好ましい。ガスバリア膜としては無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下であることが好ましい。更には、酸素透過度10-3ml/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることが出来るが、特開2004−68143号に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
第1電極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。この様な電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。又、IDIXO(In23・ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、又陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
第1電極と発光層又は正孔輸送層の間、正孔注入層(陽極バッファー層)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に詳細に記載されている。陽極バッファー層(正孔注入層)に使用する材料の一例としては、特開2000−160328号公報に記載されている材料が挙げられる。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることが出来る。正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することが出来るが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。又、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することが出来る。
又、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂p型正孔輸送材料を用いることも出来る。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。又、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。この様なp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の有機EL素子を作製することが出来るため好ましい。
本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。本発明においては、少なくとも1つの青発光層が、全発光層中最も陽極に近い位置に設けられていることが好ましい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層のように青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nm〜5μm、好ましくは2〜200nmの範囲で選ばれる。更に10〜20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2〜100nmの範囲で選ばれ、2〜20nmの範囲にあるのが更に好ましい。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はないが、3発光層中、青発光層(複数層ある場合はその総和)が最も厚いことが好ましい。
発光層は発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある発光スペクトルの異なる少なくとも3層以上の層を含む。3層以上であれば、特に制限はない。4層より多い場合には、同一の発光スペクトルを有する層が複数層あってもよい。発光極大波長が430〜480nmにある層を青発光層、510〜550nmにある層を緑発光層、600〜640nmの範囲にある層を赤発光層と言う。又、前記の極大波長を維持する範囲において、各発光層には複数の発光性化合物を混合してもよい。例えば、青発光層に、極大波長430〜480nmの青発光性化合物と、同510〜550nmの緑発光性化合物を混合して用いてもよい。
発光層の材料として使用する有機発光材料は、(a)電荷の注入機能、すなわち、電界印加時に陽極或いは正孔注入層から正孔を注入することが出来、陰極或いは電子注入層から電子を注入することが出来る機能、(b)輸送機能、すなわち、注入された正孔及び電子を電界の力で移動させる機能、及び(c)発光機能、すなわち、電子と正孔の再結合の場を提供し、これらを発光に繋げる機能、の3つの機能を併せもつものであれば特に限定はない。例えば、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤や、スチリルベンゼン系化合物を用いることが出来る。上記の蛍光増白剤の具体例としては、ベンゾオキサゾール系では、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾオリル]スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス[5−α,α−ジメチルベンジル−2−ベンゾオキサゾリル]チオフェン、2,5−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等が挙げられる。ベンゾチアゾール系では、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等が挙げられ、ベンゾイミダゾール系では、2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等が挙げられる。更に、他の有用な化合物は、ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ(1971),第628〜637頁及び第640頁に列挙されている。
又、上記のスチリルベンゼン系化合物の具体例としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等が挙げられる。
更に、上述した蛍光増白剤及びスチリルベンゼン系化合物以外にも、例えば、12−フタロペリノン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン系化合物、国際公開公報WO90/13148やAppl.Phys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991)に記載されているような高分子化合物、芳香族ジメチリディン系化合物が挙げられる。芳香族ジメチリディン系化合物の具体例としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4’−フェニレンジメチリディン、2,5−キシリレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、及びこれらの誘導体が挙げられる。又、上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等が挙げられる。
その他、上述した有機発光材料をホストとし、当該ホストに青色から緑色までの強い蛍光色素、例えばクマリン系或いは前記ホストと同様の蛍光色素をドープした化合物も、有機発光材料として好適である。有機発光材料として前記の化合物を用いた場合には、青色から緑色の発光(発光色はドーパントの種類によって異なる)を高効率で得ることが出来る。前記化合物の材料であるホストの具体例としては、ジスチリルアリーレン骨格の有機発光材料(特に好ましくは、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル)が挙げられ、前記化合物の材料であるドーパントの具体例としては、ジフェニルアミノビニルアリレーン(特に好ましくは、例えば、N,N−ジフェニルアミノビフェニルベンゼンや4,4’−ビス[2−[4−(N,N−ジ−p−トリル)フェニル]ビニル]ビフェニル)が挙げられる。
発光層には、発光層の発光効率を高くするために公知のホスト化合物と公知のリン光性化合物(リン光発光性化合物とも言う)を含有することが好ましい。
ホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。ホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することが出来る。又、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることが出来る。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用も出来る。
これらのホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、尚且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載の化合物が挙げられる。
複数の発光層を有する場合、これら各層のホスト化合物の50質量%以上が同一の化合物であることが、有機層全体に渡って均質な膜性状を得やすいことから好ましく、更にはホスト化合物のリン光発光エネルギーが2.9eV以上であることが、ドーパントからのエネルギー移動を効率的に抑制し、高輝度を得る上で有利となることからより好ましい。リン光発光エネルギーとは、ホスト化合物を基板上に100nmの蒸着膜のフォトルミネッセンスを測定し、そのリン光発光の0−0バンドのピークエネルギーを言う。
ホスト化合物は、有機EL素子の経時での劣化(輝度低下、膜性状の劣化)、光源としての市場ニーズ等を考慮し、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。すなわち、輝度と耐久性の両方を満足するためには、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。Tgは、更に好ましくは100℃以上である。
リン光性化合物(リン光発光性化合物)とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。先に説明したホスト化合物と合わせ使用することで、より発光効率の高い有機EL素子とすることが出来る。
本発明に係るリン光性化合物は、リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定出来る。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定出来るが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、1つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上出来ャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、何れの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることが出来る。リン光性化合物としては、好ましくは元素の周期表で8族−10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることが出来る。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当て嵌めた時の色で決定される。
本発明で言うところの白色素子とは、2℃視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931 表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にあることを言う。
電子注入層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。電子注入層(陰極バッファー層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
他に発光層側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが出来、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来る。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。
又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることが出来る。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることが出来る。又、ジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来るし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることが出来る。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
又、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。この様なn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することが出来るため好ましい。
第2電極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の第1電極(陽極)又は第2電極(陰極)の何れか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
又、第2電極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、第1電極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の第2電極(陰極)を作製することが出来、これを応用することで第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の両方が透過性を有する素子を作製することが出来る。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
又、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために以下に示す方法を併用することが好ましい。有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光の内15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことが出来ないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435)。基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)。素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)。基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)。基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)。基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を有機EL素子と組合せて用いることが出来るが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、或いは基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることが出来る。本発明においては、これらの手段を組合せることにより、更に高輝度或いは耐久性に優れた素子を得ることが出来る。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。又、更に1.35以下であることが好ましい。低屈折率媒質の厚みは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。全反射を起こす界面もしくは何れかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることが出来る性質を利用して、発光層から発生した光の内、層間での全反射等により外に出ることが出来ない光を、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。この時、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
更に、本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために、基板の光取り出し側に、例えばマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、或いは、所謂集光シートと組合せることにより、特定方向、例えば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることが出来る。マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大き過ぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。この様なシートとして例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることが出来る。プリズムシートの形状としては、例えば基板に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。又、発光素子からの光放射角を制御するために光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(有機EL素子の作製)
〈ガスバリア層と第1電極層とをこの順番で有する帯状可撓性支持体の準備〉
厚さ100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PENと略記する)を用い、以下に示す方法でガスバリア層と第1電極層とを形成し、巻き芯に巻き取りロール状としたガスバリア層と第1電極層とをこの順番で有する帯状可撓性支持体を準備した。
(透明性ガスバリア層の形成)
準備したPEN上に、大気圧プラズマ放電処理法で、厚さ約90nmの透明ガスバリア層を形成した。JIS K−7129Bに準拠した方法により水蒸気透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。JIS K−7126Bに準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。
(第1電極層の形成)
形成した透明性ガスバリア層の上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)を蒸着法によりパターニングを行い、図5の(a)に示す様に連続的に複数の第1電極層を形成した。
〈正孔輸送層及び発光層の形成〉
図3に示す製造装置を使用し、準備した巻き芯に巻き取りロール状としたガスバリア層と第1電極層とをこの順番で有する帯状可撓性支持体の第1電極層の上に正孔輸送層、発光層を形成し、加熱処理した後、除電処理し、室温と同じ温度になるまで冷却した後、巻き芯に巻き取りロール状とした。尚、清浄度はJISB 9920に準拠し測定し、クラス5で行った。
尚、正孔輸送層は以下に示す正孔輸送層形成用塗布液をエクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により塗布・乾燥した後加熱処理を行い形成した。発光層は、アライメントマークに従って湿式パターン塗布装置の位置合わせを行い、保持手段で保持した状態で図4示す様にパターン化して形成されている第1電極のパターンに合わせ発光層形成用塗布液を湿式パターン塗布装置により形成した。電子輸送層は以下に示す電子輸送層形成用塗布液をエクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により塗布・乾燥した後加熱処理を行い形成した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、帯状可撓性支持体の洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm2、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが100nmになるように塗布した。
電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。尚、搬送速度は2m/minで実施した。
(塗布条件)
正孔輸送層形成用塗布液、発光層形成用塗布液及び電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、乾燥装置及び加熱処理装置は除き他の環境温度は25℃で大気圧条件で行った。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、乾燥部ではスリットノズル形式の吐出口から製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置で温度200℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い正孔輸送層を形成した。
発光層形成用塗布液を塗布した後、乾燥部ではスリットノズル形式の吐出口から製膜面に向け高さ100mm、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理部で温度220℃で加熱処理を行い発光層を形成した。
(正孔輸送層形成用塗布液の準備)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
(発光層形成用塗布液の準備)
青色発光層形成用塗布液の準備
ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)にドーパント材Fir(pic)3を5質量%を1,2−ジクロロエタン中に溶解し1%溶液とし有機化合物層形成用塗布液として準備した。
緑色発光層形成用塗布液の準備
ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)にドーパント材Ir(ppy)3を5質量%を1,2−ジクロロエタン中に溶解し1%溶液とし有機化合物層形成用塗布液として準備した。
赤色発光層形成用塗布液の準備
ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)にドーパント材Btc2Ir(acac)3を5質量%を1,2−ジクロロエタン中に溶解し1%溶液とし有機化合物層形成用塗布液として準備した。
(電子輸送層の形成)
図3に示す製造装置を使用し、発光層までが形成された帯状可撓性支持体を使用し、発光層を含め正孔輸送層が形成された領域に、電子輸送層形成用材料としてLiFを使用し、5×10-4Paの真空下にて電子輸送層形成気相堆積装置でLiFを蒸着した。
(第2電極の形成)
図3に示す製造装置を使用し、電子輸送層までが形成された帯状可撓性支持体を使用し、電子輸送層の上に第1電極と直交する方向で、第2電極形成用材料としてAlを使用し、5×10-4Paの真空下にて第2電極形成気相堆積装置でAlを蒸着した。
(シール剤の塗設)
図3に示す製造装置を使用し、シール剤として紫外線硬化型の液状シール剤(ThreeBond3124C(株)スリーボンド製)を使用し、帯状可撓性支持体上の第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極が積層され形成されたディバイスに、図7に示されるシール剤塗設装置により図6の(b)に示される様に発光領域にシール剤を塗設し、有機EL素子Aとし、図6の(c)に示される様に発光領域の周囲にシール剤を塗設し、有機EL素子Bとした。シール剤の粘度は270Pa・sであった。シール剤は発光領域に厚さ60μm、発光領域の周囲に厚さ300μm、幅500μmになるように塗設した。
(可撓性封止部材の準備)
表1に示すように封止時の吸水率が異なる可撓性封止部材を準備しNo.1−1〜1−7とした。尚、準備した可撓性封止部材は、樹脂基材としてPEN、バリア層としてシリカを使用した2層構成とした。吸水率の変化は、可撓性封止部材を乾燥処理し、オーブンで加熱温度、加熱時間を変えることにより調整した。吸水率の測定はASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ300nmとした。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。JIS K−7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
Figure 2007073332
(有機ELパネルの作製)
シール剤を塗設した第2電極までが形成された有機EL素子A、有機EL素子Bを使用し、表1に示す様に吸水率を変えた各可撓性封止部材No.1−1〜1−7を図7に示す貼合部で貼合した後、可撓性封止部材の不要箇所を帯状可撓性支持体上に付けられたアライメントマークを検出しながら図8に示す打ち抜き断裁装置で打ち抜き除去し有機ELパネル(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))を作製し試料No.101〜114とした。
評価
作製した各試料No.101〜114(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))から断裁し単体の有機ELパネルを作製し、温度60℃、湿度90%RHの条件で300時間保存した後、ダークスポット(発光ムラ)の発生の有り無しを以下に示す試験方法により試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
ダークスポット(発光ムラ)の試験方法
KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。200cdで発光させた発光素子について、50倍の顕微鏡でダークスポット(発光ムラ)が生じるかを観察した。
ダークスポット(発光ムラ)の評価ランク
◎:9割以上が均一に発光している
○:8割以上が均一に発光している
△:7割以上が均一に発光している
×:7割未満しか均一に発光していない
Figure 2007073332
本発明の有効性が確認された。
実施例2
図4に示す製造装置で、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極、封止部材を基板上にこの順で形成した有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の作製)
(基板の準備)
基板として厚さ1.1mm、幅40mm、長さ60mmソーダ石灰ガラスを準備した。尚、ソーダ石灰ガラスの全面には、酸やアルカリから保護するためのシリカコートしたものを使用した。
(第1電極の形成)
準備したガラス基板を波長184.2nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm2で、距離12mmで照射し洗浄を行った。この後、図4に示す第1電極形成気相堆積装置を使用し、5×10-4Paの真空下にてインジウムチンオキシド(ITO)を使用し、準備したガラス基板の堆積膜形成領域(第1電極形成領域)に、図5の(b)に示すように1つの有機EL素子を形成するため、図6に示す様に幅2mm、長さ50mm、間隔2mm、厚さ150nm、7列のパターン化した第1電極を形成した。
(正孔輸送層の形成)
第1電極が形成されたガラス基板を使用し、5×10-4Paの真空下にて正孔輸送層形成気相堆積装置で正孔輸送層形成用材料としてN,N′−ジフェニルーN,N′−m−トリル4,4′−ジアミノー1,1′−ビフェニルを使用し、ガラス基板上に形成された第1電極の一方の端部を除き第1電極の上に、蒸着(気相堆積)した。
(発光層の形成)
正孔輸送層が形成された各ガラス基板を使用し、正孔輸送層の上に第1電極のパターに合わせ、発光層形成用材料としてAlq3を使用し、5×10-4Paの真空下にて発光層形成気相堆積装置で蒸着した。
(電子輸送層の形成)
発光層が形成されたガラス基板を使用し、発光層を含め正孔輸送層が形成された領域に、電子輸送層形成用材料としてLiFを使用し、5×10-4Paの真空下にて電子輸送層形成気相堆積装置でLiFを蒸着した。
(第2電極の形成)
電子輸送層が形成されたガラス基板を使用し、電子輸送層の上に第1電極と直交する方向で、第2電極形成用材料としてAlを使用し、5×10-4Paの真空下にて第2電極形成気相堆積装置でAlを蒸着した。尚、形成した第2電極は、幅2mm、長さ35mm、間隔2mm、厚さ150nm、10列のパターンとした。
(液状シール剤の塗設)
図4に示す製造装置を使用し、シール剤として紫外線硬化型の液状シール剤(ThreeBond3124C(株)スリーボンド製)を使用し、帯状可撓性支持体上の第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極が積層され形成された有機EL素子に、図9に示されるシール剤塗設装置により図6の(b)に示される様に発光領域にシール剤を塗設し、有機EL素子Cとし、図6の(c)に示される様に発光領域の周囲にシール剤を塗設し、有機EL素子Dとした。シール剤の粘度は270Pa・sであった。尚、シール剤は発光領域に厚さ60μm、発光領域の周囲に厚さ300μm、幅500μmになるように塗設した。
(可撓性封止部材の準備)
表3に示すように封止時の吸水率が異なる可撓性封止部材を準備しNo.2−1〜2−7とした。尚、準備した可撓性封止部材は、樹脂基材としてPEN、バリア層としてアルミ箔を使用した2層構成とした。吸水率の変化は、可撓性封止部材を乾燥処理し、オーブンで加熱温度、加熱時間を変えることにより調整した。水分量の測定はASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ7μmとした。
JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。
JIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
Figure 2007073332
(有機ELパネルの作製)
シール剤を塗設した第2電極までが形成された有機EL素子C、有機EL素子Dを使用し、表1に示す様に吸水率を変えた各可撓性封止部材No.2−1〜2−7を図9に示す貼合部で貼合した後、可撓性封止部材の不要箇所を帯状可撓性支持体上に付けられたアライメントマークを検出しながら図9に示す打ち抜き断裁装置で打ち抜き除去し有機ELパネルを作製し試料No.201〜214とした。
(評価)
作製した各試料No.201〜214を温度60℃、湿度90%RHの条件で300時間保存した後、ダークスポット(発光ムラ)の発生の有り無しを実施例1と同じ試験方法により試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2007073332
本発明の有効性が確認された。
実施例3
(有機EL素子の作製)
実施例1と同じ材料を使用し、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極がこの順番で帯状可撓性支持体上に積層され形成された有機EL素子を作製した。
(シール剤の塗設)
図3に示す製造装置を使用し、シール剤として紫外線硬化型の液状シール剤(ThreeBond3124C(株)スリーボンド製)を使用し、準備した有機EL素子に、図7に示されるシール剤塗設装置により、図6の(c)に示される様に発光領域の周囲にシール剤を塗設した。シール剤の粘度は270Pa・sであった。シール剤は発光領域の周囲に厚さ300μm、幅500μmになるように塗設した。
(可撓性封止部材の準備)
表5に示すように大気圧(20℃、65%RH)における平衡吸水率が異なる可撓性封止部材を準備しNo.3−1〜3−8とした。尚、準備した可撓性封止部材は、樹脂基材と、バリア層としてシリカを使用した2層構成とした。平衡吸水率の変化は、樹脂基板の材質、樹脂材料の密度、分子量分布の調整、異種樹脂材料との共押出しによる多層化、延伸角度を変えて貼り合せた多層化の条件を変えることにより調整した。平衡吸水率の測定は、準備した可撓性封止部材を大気中(20℃、65%RH)に100時間放置した後に、ASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ300nmとした。準備した可撓性封止部材をオーブンで加熱温度105℃、加熱時間20時間で乾燥処理した後、ASTM D570に準じて測定した吸水率は0.2%〜0.8%であった。
JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。
JIS K−7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
Figure 2007073332
(有機ELパネルの作製)
シール剤を塗設した第2電極までが形成された帯状可撓性支持体を使用し、表5に示す様に平衡吸水率を変えた各可撓性封止部材No.3−1〜3−8を図7に示す貼合部で貼合した後、可撓性封止部材の不要箇所を帯状可撓性支持体上に付けられたアライメントマークを検出しながら図8に示す打ち抜き断裁装置で打ち抜き除去し有機EL素子(複数の有機EL素子が帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))を作製し試料No.301〜308とした。
(評価)
作製した各試料No.301〜308(複数の有機EL素子が帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))から断裁し単体の有機EL素子を作製し、温度60℃、湿度90%RHの条件で300時間保存した後、ダークスポット(発光ムラ)の発生の有り無しを実施例1と同じ試験方法により試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2007073332
本発明の有効性が確認された。
実施例4
(有機EL素子の作製)
〈第1電極層を有する可撓性多層樹脂部材の準備〉
基板として、表7に示すように可撓性封止部材により封止する時の吸水率が異なる可撓性多層樹脂部材を準備しNo.4−1〜4−7とした。尚、準備した可撓性多層樹脂部材は、樹脂基材としてPEN、バリア層としてシリカを使用した2層構成とした。吸水率の変化は、可撓性多層樹脂部材を乾燥処理し、オーブンで加熱温度、加熱時間を変えることにより調整した。準備した可撓性多層樹脂部材No.4−1〜4−7につき、各々2部材づつ準備し、片方をパネル化しもう片方を封止直前に取り出し封止時の吸水率を測定した。吸水率の測定はASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ300nmとした。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。JIS K−7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
Figure 2007073332
(有機ELパネルの作製)
準備した各可撓性多層樹脂部材No.4−1〜4−7のバリア層の上に実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法で第1電極層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び第2電極を順次積層した後、シール剤を図7に示されるシール剤塗設装置により図6の(b)に示される様に発光領域にシール剤を塗設し、有機EL素子Eとし、図6の(c)に示される様に発光領域の周囲にシール剤を塗設し、有機EL素子Fとした。シール剤の粘度は270Pa・sであった。シール剤は発光領域に厚さ60μm、発光領域の周囲に厚さ300μm、幅500μmになるように塗設した。この後、シール剤を塗設した第2電極までが形成された有機EL素子E、有機EL素子Fを使用し、下記に示す可撓性封止部材を貼合した後、実施例1と同じ方法で可撓性封止部材の不要箇所を打ち抜き除去し有機ELパネル(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))を作製し試料No.401〜414とした。
可撓性封止部材
準備した可撓性封止部材は、樹脂基材としてPEN、バリア層としてシリカを使用した2層構成とした。吸水率は0.4%とした。尚、吸水率は可撓性封止部材を乾燥処理し、オーブンで加熱温度、加熱時間を変えることにより調整した。吸水率の測定はASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ300nmとした。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。JIS K−7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
評価
作製した各試料No.401〜414(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))から断裁し単体の有機ELパネルを作製し、ダークスポット(発光ムラ)の発生の有り無しを実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2007073332
本発明の有効性が確認された。
実施例5
(有機EL素子の作製)
〈第1電極層を有する可撓性多層樹脂部材の準備〉
基板として、表9に示すように大気圧(20℃、65%RH)における平衡吸水率が異なる可撓性多層樹脂部材を準備しNo.5−1〜5−8とした。尚、準備した可撓性多層樹脂部材は、樹脂基材と、バリア層としてシリカを使用した2層構成とした。平衡吸水率の変化は、樹脂基材材質、樹脂材料の密度、分子量分布の調整、異種樹脂材料との共押出しによる多層化、延伸角度を変えて貼り合せた多層化の条件を変えることにより調整した。平衡吸水率の測定は、準備した可撓性多層樹脂部材を大気中(20℃、65%RH)に100時間放置した後に、ASTM D570に準じて測定した。樹脂基材の厚さ100μm、バリア層の厚さ300nmとした。準備した可撓性多層樹脂部材をオーブンで加熱温度105℃、加熱時間20時間で乾燥処理した後、ASTM D570に準じて測定した可撓性封止部材により封止する時の可撓性多層樹脂部材の吸水率は0.8%であった。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m2・dayであった。JIS K−7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.01ml/m2・day・atmであった。
Figure 2007073332
(有機ELパネルの作製)
準備した各可撓性多層樹脂部材No.5−1〜5−8のバリア層の上に実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法で第1電極層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び第2電極を順次積層した後、シール剤を図7に示されるシール剤塗設装置により図6の(b)に示される様に発光領域にシール剤を塗設し、有機EL素子とした。シール剤の粘度は270Pa・sであった。シール剤は発光領域に厚さ60μm、発光領域の周囲に厚さ300μm、幅500μmになるように塗設した。この後、シール剤を塗設した第2電極までが形成された有機EL素子を使用し、実施例4と同じ可撓性封止部材を貼合した後、実施例1と同じ方法で可撓性封止部材の不要箇所を打ち抜き除去し有機ELパネル(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))を作製し試料No.501〜508とした。
評価
作製した各試料No.501〜508(複数の有機ELパネルが帯状可撓性支持体上に形成された状態(図8を参照))から断裁し単体の有機ELパネルを作製し、ダークスポット(発光ムラ)の発生の有り無しを実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
Figure 2007073332
本発明の有効性が確認された。
有機ELパネルの層構成の一例を示す概略断面図である。 図1のTで示される部分の拡大概略断面図である。 基材に帯状可撓性支持体を使用した場合の有機ELパネルを作製する工程の一例を示す模式図である。 枚葉シート状基板を使用した有機ELパネルの製造方法の模式図である。 基板上に形成された有機EL素子の状態を示す模式図である。 シーラント層(シール剤)を持たない可撓性封止部材を有機EL素子上に貼合するためにシール剤を塗設した状態を示す概略図である。 図3のQで示される部分の拡大概略図である。図7の(a)は図3のQで示される部分の拡大概略斜視図である。 図3のRで示される部分の拡大概略斜視図である。 図4のSで示される部分の拡大概略図である。
符号の説明
1 有機ELパネル
101 基材
102 陽極層
103 正孔輸送層(正孔注入層)
104 有機化合物層(発光層)
105 電子注入層
106 陰極層
107 シール剤層
108 封止層
108a 樹脂基材
108b バリア層
108′ 可撓性封止部材
2、8 製造装置
3 有機化合物層形成工程
4 陰極層形成工程
5 可撓性封止部材貼合工程
6、8i 打ち抜き断裁工程
7、8j 回収工程
8a 供給工程
8b 第1電極形成工程
8c 正孔輸送層形成工程
8d 発光層形成工程
8e 電子注入層形成工程
8f 第2電極形成工程
8g シール剤塗設工程
8h 可撓性封止部材貼合工程
10b、11b、301i1 有機EL素子

Claims (10)

  1. 基板上に、少なくとも第1電極を含む陽極層と、発光層を含む有機化合物層と、第2電極を含む陰極層と、封止層とを有する有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、
    前記封止層は少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性封止部材で構成され、
    前記可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率が1.0%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  2. 前記可撓性封止部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  3. 前記基板が、少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材であり、可撓性封止部材の封止時の該可撓性多層樹脂部材の吸水率はASTM D570に準じて測定した値が1.0%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  4. 前記可撓性多層樹脂部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  5. 前記バリア層は、少なくとも1層の金属又は非金属の酸化物層とを有していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  6. 基板上に、少なくとも第1電極を含む陽極層と、発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、第2電極を含む陰極層と封止層とを順次形成する工程を有し、前記封止層の形成は可撓性封止部材を発光領域及び周辺にシール剤を介して貼合配置することで有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
    前記可撓性封止部材はバリア層を有する多層構成の樹脂基材であり、
    前記可撓性封止部材の封止時のASTM D570に準じて測定した吸水率が1.0%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  7. 前記可撓性封止部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  8. 前記基板が、少なくとも一層の樹脂基材と少なくとも1層のバリア層とを有する可撓性多層樹脂部材であり、可撓性封止部材の封止時の該可撓性多層樹脂部材の吸水率はASTM D570に準じて測定した値が1.0%以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  9. 前記可撓性多層樹脂部材の大気中(20℃、65%RH)における平衡吸水率が2.0%以下であることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  10. 前記バリア層は、少なくとも1層の金属又は非金属の酸化物層とを有していることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
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