JP6213022B2 - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
近年、車両走行時の燃費性能を向上するため、タイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。そのため、タイヤのトレッド部を構成するジエン系ゴムに、シリカを配合してヒステリシスロス(特に高温時のtanδ)を小さくすることにより低発熱性にし、タイヤの転がり抵抗を低減する方法が知られている。
例えば、特許文献1の請求項1には、ジエン系ゴムとシリカとを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。特許文献1には、請求項1の構成をとることでタイヤの転がり抵抗を低くすることができる旨が記載されている。
一方、タイヤ用などのゴム組成物には、加工性および耐スコーチ性に優れることが求められる。また、意匠性・品質管理の観点から、押出成形後の表面は平滑であることが求められる。すなわち、押出肌性に優れることが求められる。また、押出機圧が高いと押出量が少なくなるため、生産性の観点から、押出機圧が低いことが求められる。なお、押出機圧が高いと押出肌性が悪化する場合がある。
特開2010−270247号公報
このようななか、本発明者が特許文献1をもとに、ジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有するゴム組成物について検討したところ、押出機圧が高く、昨今求められるレベルを満たしていないことが明らかになった。また、シランカップリング剤としてメルカプト系シランカップリング剤を使用した場合には、さらに、加工性、耐スコーチ性および押出肌性についても昨今求められるレベルを満たしていないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、加工性、耐スコーチ性および押出肌性に優れ、かつ、押出機圧の低いゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定値以上の窒素吸着比表面積を有するシリカとメルカプト系シランカップリング剤とアルコキシ基および/またはアシレート基を有するチタン化合物とを併用することで、加工性、耐スコーチ性および押出肌性に優れ、かつ、押出機圧の低いゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、アルコキシ基および/またはアシレート基を有するチタン化合物とを含有し、
上記シリカの窒素吸着比表面積が、180m2/g以上であり、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部であり、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%であり、上記チタン化合物の含有量が、上記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%である、ゴム組成物。
(2) 上記チタン化合物が、後述する式(1)で表されるチタン化合物である、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記(1)または(2)に記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、加工性、耐スコーチ性および押出肌性に優れ、かつ、押出機圧の低いゴム組成物を提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のゴム組成物、および本発明のゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(以下、本発明の組成物ともいう)は、ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、アルコキシ基および/またはアシレート基を有するチタン化合物とを含有する。
ここで、上記シリカの窒素吸着比表面積は、180m2/g以上である。また、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部であり、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%であり、上記チタン化合物の含有量は、上記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、加工性、耐スコーチ性および押出肌性に優れ、かつ、押出機圧の低いゴム組成物となるものと考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
一般にジエン系ゴムにシリカと共にシランカップリング剤を配合すると、シランカップリング剤がジエン系ゴムとシリカの両方に結合し、ジエン系ゴム中のシリカの分散性が高まる。
一方、上述のとおり、本発明者らの検討から、ジエン系ゴムにシリカと共にシランカップリング剤を配合した場合、押出機圧が上がるという問題が生じる。これは、シリカに結合したシランカップリング剤がジエン系ゴムと架橋反応を起こすため、ゴム組成物の柔軟性が低下するためと考えられる。さらに、この現象はメルカプト系シランカップリング剤の場合において顕著であり、メルカプト系シランカップリング剤のメルカプト基がラジカル発生源となり、メルカプト系シランカップリング剤とジエン系ゴム、あるいはジエン系ゴム同士の架橋が進んでしまう。そのため、加工性や耐スコーチ性が悪化し、また、押出肌性も悪化する。
本発明の組成物は上述のとおり、ジエン系ゴムと特定値以上の窒素吸着比表面積を有するシリカ(以下、特定シリカとも言う)とメルカプト系シランカップリング剤とアルコキシ基および/またはアシレート基を有するチタン化合物(以下、特定チタン化合物とも言う)とを含有する。ここで、特定チタン化合物はシリカに強く結合してシリカ表面を疎水化し、ポリマーとの親和性を高める。すなわち、特定チタン化合物はシリカの分散性をより向上させる成分として働く。
さらに、シリカに結合した特定チタン化合物は、メルカプト系シランカップリング剤のメルカプト基由来のラジカルを効率的に捕捉し、また、メルカプト系シランカップリング剤を安定化する。そのため、上述したようなメルカプト系シランカップリング剤とジエン系ゴムとの架橋が抑制される。結果として、柔軟性の高いコンポジットが形成され、押出機圧が低くなり、また、加工性、耐スコーチ性および押出肌性が担保されるものと考えられる。
また、特定チタン化合物は塗装・フィルム分野において表面処理剤として用いられており(特開平7−89016号公報)材料中の特定チタン化合物が表面に被膜を形成し、材料表面の化学的性質を変えることで、離型性・滑性を付与していると考えられる。ゴム組成物においても特定チタン化合物は同様に機能すると考えられ、材料表面に滑性を付与する事でゴム組成物−金属(ダイや口金などの押出機内の金属)間の抵抗を下げ、結果として押出機圧が低くなると考えられる。
なお、シリカとの親和性の高いメルカプト系シランカップリング剤がシリカに対して優先的に反応するため、シリカの窒素吸着比表面積が特定値以上でない場合、特定チタン化合物がシリカと反応し難くなる。結果、特定チタン化合物がシリカに結合した構造が形成され難く、上述したような押出機圧が低くなるという効果が得られないものと考えられる。
以上のことは、後述する比較例が示すように、特定チタン化合物を含有しない場合(比較例1および2)には押出機圧が高く、なかでも、シランカップリング剤がメルカプト系シランカップリング剤である場合(比較例1)には加工性や耐スコーチ性も低いこと、特定チタン化合物を配合してもシランカップリング剤として非メルカプト系シランカップリング剤を使用した場合(比較例A3およびB3)やシリカの窒素吸着比表面積が特定値以上でない場合(比較例A4)には押出機圧が高いことからも推測される。特に、特定チタン化合物を配合しても非メルカプト系シランカップリング剤を使用した場合(比較例A3およびB3)には押出機圧が高いことから、上述したような特定チタン化合物によるシランカップリング剤の安定化は、非メルカプト系シランカップリング剤では生じないメルカプト系シランカップリング剤特有の現象と推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、変性ゴムであることが好ましい。なかでも、ヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがあることが好ましく、末端がヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムとしては、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(特に末端がヒドロキシ基で変性されたもの)を用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、上記ジエン系ゴムの50〜100質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともに上記ブタジエンゴム(BR)を併用する場合、上記ブタジエンゴム(BR)の含有量は、得られるタイヤのウェット性能および耐摩耗性の観点から、上記ジエン系ゴムの5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、得られるタイヤの靭性と本発明の組成物の取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
<特定シリカ>
本発明の組成物は、窒素吸着比表面積(N2SA)が180m2/g以上であるシリカ(特定シリカ)を含有する。
上述のとおり、シリカとの親和性の高いメルカプト系シランカップリング剤がシリカに対して優先的に反応するため、シリカの窒素吸着比表面積が180m2/g未満であると、後述する特定チタン化合物がシリカと反応し難くなる。結果、シリカに対してメルカプト系シランカップリング剤と特定チタン化合物の両方が結合する構造が形成され難く、押出機圧が高くなる。
特定シリカは、N2SAが180m2/g以上であれば特に制限されず、その具体例としては、N2SAが180m2/g以上である、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。
特定シリカのN2SAは、190m2/g以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、300m2/g以下であることが好ましく、250m2/g以下であることがより好ましい。
ここで、N2SAは、シリカがゴム分子との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
特定シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
本発明の組成物において、特定シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部である。なかでも、20〜150質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることがより好ましい。
<メルカプト系シランカップリング剤>
本発明の組成物に含有されるメルカプト系シランカップリング剤は、メルカプト基(−SH)および加水分解性基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、メルカプト基以外の有機官能基を有していてもよい。
そのような有機官能基としては特に制限されないが、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基などが挙げられる。
メルカプト系シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記メルカプト系シランカップリング剤の具体例としては、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤であることが好ましい。
ここで、ポリエーテル鎖とは、エーテル結合を2以上有する側鎖であり、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する側鎖が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
上記ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
上記式(2)中、R21は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。なお、lが2である場合の複数あるR21はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(2)中、R22は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。ポリエーテル基とは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する基が挙げられる。RaおよびRbの定義および好適な態様は、上述したRaおよびRbと同じである。なお、mが2である場合の複数あるR22はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基の好適な態様としては、例えば、下記式(3)で表される基が挙げられる。
上記式(3)中、R31は、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基、または、直鎖状のアルキニル基を表し、なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。上記直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
上記式(3)中、R32は、直鎖状のアルキレン基、直鎖状のアルケニレン基、または、直鎖状のアルキニレン基を表し、なかでも直鎖状のアルキレン基が好ましい。上記直鎖状のアルキレン基としては、炭素数1〜2の直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
上記式(3)中、pは、1〜10の整数を表し、3〜7であることが好ましい。
上記式(3)中、*は、結合位置を示す。
上記式(2)中、R23は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
上記式(2)中、R24は炭素数1〜30のアルキレン基を表し、なかでも炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
上記式(2)中、lは1〜2の整数を表し、1であることが好ましい。上記式(2)中、mは1〜2の整数を表し、2であることが好ましい。nは0〜1の整数を表し、0であることが好ましい。l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。
本発明の組成物において、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、特定シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%である。なかでも、5〜10質量%であることが好ましい。
<特定チタン化合物>
本発明の組成物は、アルコキシ基および/またはアシレート基(−OCOR:Rは炭化水素基)を有するチタン化合物(特定チタン化合物)を含有する。
特定チタン化合物は、アルコキシ基を有するチタン化合物であることが好ましく、シリカの分散性が優れる理由から、アルコキシ基およびアシレート基を有するチタン化合物であることがより好ましい。
特定チタン化合物の好適な態様としては、例えば、下記式(1)で表されるチタン化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表す。複数あるR11およびR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)中、R11は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。R11は、分岐状のアルキル基であることが好ましい。
上記式(1)中、R12は、炭素数8〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数12〜20のアルキル基であることがより好ましい。R12は、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
上記式(1)中、aおよびbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、a+b=4の関係式を満たす。aは、1以上の整数であることが好ましい。bは、シリカの分散性が優れる理由から、1以上の整数であることが好ましく、3であることがより好ましい。
本発明の組成物において、特定チタン化合物の含有量は、上記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%である。なかでも、押出機圧がより低くなる理由から、0.5〜15質量%であることが好ましい。
特定チタン化合物の含有量が上記シリカの含有量に対して0.1質量%未満であると、加工性、耐スコーチ性および押出肌性が不十分となり、また、押出機圧が高くなる。また、特定チタン化合物の含有量が上記シリカの含有量に対して20質量%を超えると、押出肌性が不十分となり、また、押出機圧が高くなる。
上記メルカプト系シランカップリング剤に対する特定チタン化合物の含有量は特に制限されないが、10質量%以上であることが好ましい。
<任意成分>
本発明の組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、メルカプト系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤(例えば、エボニックデグサ社製Si69)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは140〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
第1表中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
<ムーニー粘度>
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じ、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。
結果を第1表に示す。結果は、比較例1を100とする指数で表した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性が優れることを示す。
<ムーニースコーチ>
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じ、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
結果を第1表に示す。結果は、比較例1を100とする指数で表した。指数が大きいほどスコーチタイムが長く、耐スコーチ性が優れることを示す。
<押出機圧>
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K7199:1999に準じ、120℃の条件で押出機圧(一定体積流量における試験圧力)を測定した。
結果を第1表に示す。結果は、比較例1を100とする指数で表した。指数が小さいほど押出機圧が低いことを示す。
<押出肌性>
調製したゴム組成物(未加硫)について、ASTM D2230に準じ、ガーベダイを用いて押出成形を行った。得られた押出成形品の外観を目視で観察し、以下のとおり評価した。実用上、AまたはBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
・A:表面に凹凸が認められず、平滑。
・B:表面に1mm未満の細かい凹凸が認められる。
・C:表面に1mm以上の大きな凹凸が認められる。
<ペイン効果>
調製したゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、170℃で10分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
結果を第1表に示す。結果は比較例1のペイン効果を100とする指数で表した。指数が小さいほどペイン効果が小さくシリカの分散性が優れることを意味する。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・ジエン系ゴム1:E581(油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%)、スチレン含有量:40質量%、ビニル結合量:44%、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製)
・ジエン系ゴム2:BR1220(日本ゼオン社製)
・シリカ:Ultrasil 9000GR(N2SA:235m2/g、エボニックデグッサ社製)
・比較シリカ:Zeosil 1165MP(N2SA:165m2/g、ローディア社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(N2SA:90m2/g、キャボットジャパン社製)
・シランカップリング剤:VP Si363(エボニックデグッサ社製)(上記式(2)で表される化合物。ここで、R21:−OC25、R22:−O(C24O)5−C1327、R24:−(CH23−、l=1、m=2、n=0。)
・比較シランカップリング剤:Si69(エボニックデグッサ社製)(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(NOFコーポレーション社製)
・老化防止剤:Santoflex 6PPD(Solutia Europe社製)
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・チタン化合物1:チタコートS−151(日本曹達社製)(上記式(1)で表されるチタン化合物。ここで、R11:−i−C37(イソプロポキシ基)、R12:−C1735、a=1、b=3)
・チタン化合物2:テトラブトキシチタン
・硫黄:油処理イオウ(軽井沢精錬所社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:Perkacit DPG(Flexsys社製)
第1表から分かるように、メルカプト系シランカップリング剤を含有するが特定チタン化合物を含有しない比較例1と比較して、メルカプト系シランカップリング剤と特定チタン化合物とを含有する本願実施例はいずれも加工性、耐スコーチ性および押出肌性に優れ、かつ、押出機圧が低かった。なかでも、特定チタン化合物がアルコキシ基およびアシレート基を有するチタン化合物である実施例A1〜A3の方が、優れたシリカ分散性を示した。
実施例A1〜A3およびB1〜B3の対比から、特定チタン化合物の含有量がシリカの含有量に対して0.5〜15質量%である実施例A1、A2、B1およびB2の方が、押出機圧がより低かった。
一方、メルカプト系シランカップリング剤と特定チタン化合物とを含有するが、特定チタン化合物の含有量がシリカの含有量に対して0.1質量%未満である比較例A1およびB1は、加工性、耐スコーチ性および押出肌性が不十分であり、かつ、押出機圧が高かった。
また、メルカプト系シランカップリング剤と特定チタン化合物とを含有するが、特定チタン化合物の含有量がシリカの含有量に対して20質量%を超える比較例A2およびB2は、押出肌性が不十分であり、かつ、押出機圧が高かった。
また、特定チタン化合物を含有するが、シランカップリング剤として非メルカプト系シランカップリング剤を使用した比較例A3およびB3は、押出機圧が高かった。
また、メルカプト系シランカップリング剤と特定チタン化合物とを含有するが、シリカの窒素吸着比表面積が特定値以上でない比較例A4は、加工性、耐スコーチ性および押出肌性が不十分であり、かつ、押出機圧が高かった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (3)

  1. ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、アルコキシ基および/またはアシレート基を有するチタン化合物とを含有し、
    前記シリカの窒素吸着比表面積が、180m2/g以上であり、
    前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部であり、前記メルカプト系シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%であり、前記チタン化合物の含有量が、前記シリカの含有量に対して、0.1〜20質量%である、ゴム組成物。
  2. 前記チタン化合物が、下記式(1)で表されるチタン化合物である、請求項1に記載のゴム組成物。
    (式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表す。aおよびbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、a+b=4の関係式を満たす。)
  3. 請求項1または2に記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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